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第15回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」 [2020年01月21日(Tue)]
第15回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」(令和元年12月26日)1/21
《議題》 (1)母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針及び平成26 年改正法の改正後の施策の実施状況について(これまでの議論の整理等)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08702.html
◎資料2 これまでの本専門委員会での主な意見
・ 「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」→本年10 月 31 日から、3回にわたって、ひとり親家庭が置かれている現状を把握し、施策の実施状況を評価するため、委員及び参考人か らのプレゼンテーション等を行ってきた。
・ 本資料は、これまでの本専門委員会における主な意見について、相談支援、子育て・生活支援、就業支援、養育費の確保及び面会交流、経済的支援の5つの柱に沿 って、まとめたものである。

1 相談支援関係について
・ 自治体行政に対するニーズそのものが非常に増えているにもかかわらず、むしろ全体と しての職員の数は減っているという中で、ひとり親家庭への支援をどのように考えていく かが必要。
・母子・父子自立支援員の配置数は増員しているが、兼務が多くなっている。これにより、ひとり親家庭等への支援が埋もれていしまっている。母子・父子自立支援員が役割を遂行できる処遇と専門性が発揮できる働き方を検証し、 雇用待遇の就労環境を整えて人材を育成することが必要である。
・ 児童扶養手当の支給要件に事実婚の規定があったとしても、もう少し窓口が利用者フレ ンドリーにならないか考える必要がある。 行政の、特に男性の職員の方が、窓口行った際の冷たい発言で悲しい思いをしている。 行政職員の対応、考え方、受け止め方というのを教育していただければと思っている。 研修の重要性は確かだが、やり方というか、方法論として、相手目線に立てるような研修というのを考えていかなければならない。
・ 相談時間の検討が必要→平日行けない方もいるので、母子・父子自立支 援員などにはご苦労をかけるけれども、時間というのは検討の課題だと思っている。 ○ 来年度予算要求において、ひとり親家庭の相談支援体制の充実ということで、民間団体を活用するという方向が、一つ示されてきているのは、非常に大きなことである。こういう行政がやるべきことと、民間の団体の、例えば日曜祝日夜間、あるいは包括的な相談とか、支援体制の取れるような形をできるだけ多くの地域に作る必要がある。 身近な地域で日常的に気軽に相談し、必要な支援を受けることのできる相談支援体制の構築が不可欠。夜間休日でも相談対応が可能で、必要な時には保育や同行、代行、 訪問支援など様々な支援の提供ができる母子生活支援施設機能の活用が大変有効と考える。
・ 母子生活支援施設を活用するに当たっては、そのイメージ改革も必要。SNS の活用や、チャットbot、AI を使った相談システムの構築は、検討されていいのでは ないかと思う。そのほか広報周知については、やはり相手方の目線に立った広報周知というのが必要かと思う。 今は電子母子手帳のような仕組みが各自治体で取り入れられているが、相談機関につなぐということで、シングルペアレントアプリの様なものでどんどん情報をお母さんたち に、お父さんたちに届けるというようなことをしたらどうかと思う。気軽にアクセスがで きて情報が伝わりやすいと思う。
・ 離婚前の別居中の支援や出産前のひとり親の支援が必要であると考える。ひとり親家庭支援の延長線上で、ステップファミリーの初期の相談支援というのが、離婚前相談と同じように再婚後相談というのを2年くらいで良いと思うが、考えてもらえるといいなと思う。
・ 地域共生社会が示される中で、ひとり親家庭の相談支援のスタンスを示していくべきで はないか。都道府県なり市町村なりにしても、全体の人員は削減されている。したがっ て、現状の体制を維持するのだけだって、相当現場の自治体は苦労されているというのが 実状だと思う。

2 子育て・生活支援関係について
・ ひとり親家庭等日常生活支援事業→必要な場合にきめ細かく支援が受けられ るということで、非常に重要な事業だと思っている。 ひとり親家庭等日常生活支援事業については、措置単価を引き上げ、母子寡婦団体以外の事業者も参入しやすくすべき。
・ 「子育て支援、生活の場の整備」として、日常生活支援事業の支援の拡充、あるいは、 ファミリーサポートセンター事業の減免措置の選択を、自治体が可能とすることというこ とが必要かと思っている。
・ 日常生活支援の強化に子ども食堂や学習支援、放課後クラブなどの拡充をお願いしたい ということと、持続的な活動でなければならないので、どうしたら持続的にこれを維持で きるかと、一定の評価基準を設けて評価基準以上の取り組みが実践できた運営母体には持 続的な活動ができるような体制があるとか、そういった細かな整備が必要と思っている。
・ 今まで家計と仕事については比較的取り上げてきたが、健康について考えてみるという 視点を持ちたいというふうに考える。障害年金は受給していないが、健康ではなく生きづらさを抱えているひとり親家庭も包摂していくという視点も必要ではないかと思う。
・ 平成26 年改正法の施行状況→父子家庭に対する支援制度が大きく拡充されたということで、大変ありがたいなと思っている。ただ同時に、男性の剥奪感、生きづらさ へ対する概念が、支援者または男女共同参画事業というところに明らかに欠落している。
・ 今後の基本方針として、住宅支援についても力を入れていくというような方向で、既存の国土交通省のほうの施策を充実するとか、新たにひとり親家庭の住宅支援について創設する とか、そういう方向を考えて欲しい。

3 就業支援関係について
・ 自立支援給付金の中の高等職業訓練給付金について厚みが出てきた、この間に厚みがで てきたことは、とてもいいことだと思うので、この方向で進めていただきたい。 就業支援だが、今の就労支援は、就業のスキルを身につける就業支援になっている。もちろんスキルも、ビジネスマナーも、パソコンも大事だが、その前に、その方の自己尊重感をアップするようなプログラムがとても大事だと考える。働くことは、自己肯定感を高める。継続的な支援の後、働くことが大事で、35 歳で離婚 した母が70 歳まで働くとしたら35 年間働くだけの職業訓練その他が必要ということを念頭に置く必要がある。自立した母は今度は助ける側にまわるので、良い循環が生まれる。 4年間の教育訓練期間中に子どもが大きくなって寡婦になれば、給付金を受けられなくなる。寡婦の支援施策に関しても考えて欲しい。 ○ 厚生労働省の関係機関に、母子家庭の母の雇用の促進の要請を通知で発出して貰っているが、発出された際は良かったが、年数が経つにつれ、忘れ去られる傾向があるので、続けて発出をお願いしたい。 ○ 母子父子プログラム策定事業について、とても有効な支援だと考えるが、地域の取り組 みに差がある。事業の実施自治体、策定件数が減少しているので、事業の地域による取り 組みの差とバラツキの検証をして、自治体に取り組みを推進するべきと考える。

4 養育費の確保及び面会交流関係について
・ 養育費の確保支援について、養育費の取り決め支援、明石市がいろいろなものを進めて いるので、国としても法務省と協力してお願いしたい。
・ 養育費について、やはり未払、取り決めをしたのに未払になっている方が非常に多いの でその辺に対する厳しい意見がある。例えば、アメリカでは支払いをしないと罰則もある のに、なぜ日本では罰則規定がないのかとか、子どものための養育費なのに払わないとい うのは本当にひどいという意見で、当事者の方々凄く盛り上った。 養育費支援に関し、養育費の収入算定によって、児童扶養手当が停止となることを心配している。児童扶養手当が停止となることによって、様々なひとり親家庭に対する支援策が、該当しなくなってしまう。
・ 児童扶養手当の所得額の算定から、養育費の自己申告制を廃止して欲しい。 ○ 別れた後に養育費を払ったとしても、それが所得、収入から控除して貰えない、扶養と みなしもらえないというところで、養育費を支払う意欲をなくすという意見もあるので、 この点についても検討して欲しい。
・面会交流に関しては、支援団体も非常に少ない中で、民間にかなり委託されている状況なので、手が足りない現状がある。例えば、調停の席でも、試行面談の段階で「民間の団 体に頼んでみては」みたいな状況が現在あるので、その辺りの支援をしっかり強化して、 取り決めを促進というふうにならないと、問題が発生すると思っている。
・ 面会交流支援について、DV 被害、虐待等があり、面会交流支援ができない、支援が必要 なケースについては、支援団体への予算措置が必要だと思う。 共同親権については慎重に検討したほうが良いというふうに思っている。面会交流の支援事業をしていても、支援する親子は DV やモラハラのケースが殆どである。安全の確保と制度的な支援ができないと、共同親権は難しいと思っている。選択性が付いて長い将来的 な検討はありだと思うが、現時点では反対で慎重にしてほしいと思っている。
・ 共同親権について、子どもにとって離婚をしても父母のどちらも親であるというメッセ ージを伝えるという意味では意味があるかもしれないが、現状、家族問題を取り扱うエキ スパートもいなければ、受け皿もない状態で親の権利だけを主張するのはいかがなものか と思う。子どもの福祉はいったいどういうものであるべきかという真剣な議論がまずは必要だと考える。

5 経済的支援関係について
・ 児童扶養手当が障害年金と併給禁止であることで様々な弊害が訴えられている。
・ 相対的貧困率を半減させるという目標をすえて、児童扶養手当の支給額を 2 倍程度にする必要がある。 児童扶養手当の全部支給所得制限を 200 万円(収入ベース)に引き上げるべきである。 児童扶養手当の所得制限のさらなる引き上げ、同居する扶養義務者は両親のみ、初年度 の所得制限において扶養する子ども数の所得制限としてみなすことが必要。
・ 児童扶養手当法第 13 条の3の、5年間手当支給後の一部支給停止措置について、80%の 母子家庭が働いているときに、この規定がいつまでもあるというのは、事務方の負担だけがずっと増えているので、思い切って法改正すべきであると考える。
・ 福祉資金の貸付に関して、福祉資金に限らず、別の制度での貸付等もあるので、そちら についての周知、啓発と併せて図るべきだということを考えている。窓口での他制度の案 内をいていく必要がある。
・ 母子父子寡婦福祉資金の貸付について、貸付という性質上仕方がないとは思うが、審査が厳しく、審査の担当が代わると添付書類が増えたりするという場合もあり、統一化して欲しい。 連帯保証人などの必要でない貸付の拡充や、手続きについての緩和が必要と思っている。
・ 寡夫福祉資金の創設、お母さんではなくお父さんの方の寡婦の福祉資金の創設をお願いする。

次回は、続き「資料3 今後の検討に当たっての議論の整理」からです。
第15回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」 [2020年01月20日(Mon)]
第15回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」(令和元年12月26日)
《議題》 (1)母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針及び平成26 年改正法の改正後の施策の実施状況について(これまでの議論の整理等)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08702.html
◎資料1 母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針に定められた施策に関する評価書(平成27年度〜令和元年度)
(1)国等が講ずべき措置
@ 公共職業安定所における就業あっせん(公共職業訓練の受講あっせんも含む。)ア〜ウ項目「評価・今後の方向性(案)」
→いずれも有効的で引き続き今後も実施。
A公共職業訓練の実施→母子家庭の母及び父子家庭の父の就職にも有効であると考えられるため、今後も引き続き実施
B求職者支援制度の活用→有効、今後も引き続き実施
Cジョブ・カード制度の推進→ジョブ・カードを活用した、労働者のキャリアプラン再設計や企業内で定期的にキャリアコンサルティングを受ける仕組みの導入の支援等により、引き続きジョブ・カード制度の普及促進を図っていく。
D特定求職者雇用開発助成金の活用→有効、今後も引き続き実施
E試行雇用を通じた早期就職の促進→有効、今後も引き続き実施。生活の安定と向上のためトライアル雇用助成金の活用促進を図っていく。
F助成金を活用した正規雇用への転換等の促進→母子家庭の母等を含む、非正規雇用労働者の正規雇用への転換等を促進する上で有効である。 より一層の活用を図るため、事業主・求職者等に対して更なる周知を行うとともに、母子家庭の母等の生活の安定と向上のためキャリアアップ助成金(正社員化コース)の活用促進を図っていく。
G厚生労働省関係機関等における母子家庭の母及び父子家庭の父の雇用の促進→毎年度継続的に雇用の実績があり、ひとり親家庭の親の雇用に有効、今後も引き続き実施する。
H事業主に対する母子家庭の母及び父子家庭の父の雇用に関する啓発活動等の推進→有効、今後も引き続き実施。
I都道府県及び市町村、企業等における母子家庭の母及び父子家庭の父の雇用に関する好事例の周知→都道府県及び市町村、企業等におけるひとり親家庭の親の雇用に関する好事例の情報を収集し提供することは、ひとり親家庭の親の雇用の促 進につながることから、今後も引き続き実施する。
J母子・父子自立支援プログラム策定等事業の支援→母子家庭等の就業及び継続的な自立促進に有効であることから、今後も引き続き実施する。
K母子家庭等就業・自立支援事業の支援→ひとり親家庭の親の就業促進につながることから、今後も引き続き実施する。
L母子・父子福祉団体等の受注機会の増大への努力→毎年度、国等から母子・父子福祉団体等に調達の実績があり、ひとり親家庭の親の就業の促進につながる業務をより多く受注していることか ら、今後も予算の適正な使用に留意しつつ、優先的に母子・父子福祉団体等から購入するように努める。
M母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の促進を図るための措置に関する留意→平成21年度より、安心こども基金を活用し実施されたひとり親家庭等在宅就業支援事業については、「ひとり親家庭等の在宅就業支援事業評 価検討会報告書」(平成26年8月)において、その趣旨は有意義であったが、費用対効果が低い結果となり、このままの形での継続は妥当で ないとされたところ。一方で、今後の在宅就業支援の在り方については、在宅就業はひとり親にとって有効な働き方の一つであり、これまで 蓄積されたノウハウを活用しながら、事業計画、事業実施者、能力開発、発注に関する奨励等、就業支援に係る課題を整理し実施すべきとさ れた。今後の在宅就業支援についても、本報告の趣旨や事業の実施状況等を踏まえ適切に対応していくこととする。
N母子家庭及び父子家庭に対する生活の場の整備→居住の安定を確保するため、都市機構賃貸住宅の優遇措置について今後も引き続き実施。 母子家庭等の居住の安定を確保するため、家賃債務保証業者登録制度の運用や、「居住支援協議会」及び「居住支援法人」の活動について今後も引き続き支援を実施する
O親の扶養義務の履行を確保するための施策の推進等→・養育費相談支援センター事業では、毎年度ひとり親家庭等への相談支援、母子・父子自立支援員や養育費専門相談員等への研修の実施、養育費の取り決め方法等に関する情報提供等を着実に実施しており、センターの役割が果たされている。養育費の履行確保等に向けては、引き続き、相談支援や情報提供等が必要であり、今後も関係機関との役割分担に留意しつつ事業を実施。 ・未成年の子がいる夫婦の離婚届出のうち、「養育費の取り決めをしている」にチェックをしている者の割合は、パンフレット配布前の62. 6%(平成27年度)から64.7%(平成30年度)に上昇しており、一定の効果が認められる。引き続きパンフレットの配布とともに、適時の改訂を実施していきたい。 ・民事執行法の改正についても、新制度を周知するため、関係機関等にパンフレットやポスターを配布していきたい。
P母子福祉資金貸付金等の貸付条件に関する配慮→、貸付利率の引下げ等の貸付条件の見直しを着実に行っている。母子父子寡婦福祉資金貸付金 の貸付を通じて、母子家庭の母等の就業等の支援を促進するため、今後も引き続き、貸付条件の必要な見直しを行う。
Q効果的な母子家庭及び父子家庭並びに寡婦施策を展開するための実態把握・研究→平成28年度全国ひとり親世帯等調査から得られた母子世帯等の実態を踏まえ、支援施策の見直しを行った。全国ひとり親世帯等調査について は、母子世帯等に対する福祉対策の充実を図るための基礎資料として有用であることから、今後も引き続き実施する。

(2)都道府県、市町村等が講ずべき措置に対する支援
@相談支援体制の整備(アとイ
)→有効、今後も引き続き実施。
→「ひとり親家庭支援の手引き」により、各自治体における窓口業務の様々な相談事案に対しての対応方針を示すことで、母子・父子自立支援員の窓口対応等の質の向上、業務負担の軽減及び支援員間の統一化を図った。今後は引き続きマニュアルを活用するとともに、必要に応じ見直しを行う。
エ→ひとり親家庭に対する支援施策や相談窓口をわかりやすく示すことは、ひとり親家庭への支援を実施する上で必要なことであるため、今後も 必要に応じて内容の見直しを行う。

A子育て支援、生活の場の整備
ア保育所等の優先的利用の推進等
→延長保育、夜間保育、病児・病後児保育及び一時預かりのいずれの事業においても、実施主体である市町村が地域のニーズを適切に把握し、 市町村子ども・子育て支援事業計画に基づく取組みを着実に遂行していると考える。 子ども・子育て支援新制度では、地域のニーズに応じた多様な保育等の充実を図ることとしており、これらの事業については、市町村が実施 主体となり、令和2年度から5か年の第2次事業計画を策定して、計画的に整備を進めていく予定。 ファミリー・サポート・センター事業については、少子化社会対策大綱(平成27年3月20日閣議決定)において、子育て家庭における様々な ニーズに対応した多様な保育等の一つとして充実を図ることとしているところ。実施市町村数は各年度増加しており、着実な事業展開がなされ ている。同大綱については、今後おおむね5年後を目途とした見直しが行われる予定であるが、引き続きひとり親家庭等に対する利用支援を含 め、地域のニーズに応じた取組を推進していく。
イ放課後児童クラブの優先的利用の推進→ひとり親家庭の保護者の子育てと就労の両立支援にとって、有効であると考えている。 今後の方向性→今年度より実施している「新・放課後子ども総合プラン」により、引き続き、総合的な放課後対策を実施していく。
ウ母子生活支援施設の整備・機能の拡充→母子家庭の自立に資する事業であり、今後も引き続き実施する。また、引き続き、ひとり親家庭支援施策との連携を促進する。
エ公営住宅の積極的活用の推進(優先入居の推進等)等→公営住宅の優先入居について今後も引き続き推進する。 母子家庭等の居住の安定を確保するため、「居住支援協議会」及び「居住支援法人」の活動について今後も引き続き支援を実施する。
オ身元保証人確保対策事業の実施→今後も引き続き実施。
母子父子寡婦福祉資金貸付金の住宅資金や転宅資金の貸付けの実施→今後も引き続き実施。
キひとり親家庭等日常生活支援事業の実施→毎年度着実に家庭生活支援の派遣等が行われていることから、事業のニーズが高いと考えられ、今後も引き続き実施する。
ク子育て短期支援事業の実施→毎年度着実に実施施設数が増加、事業のニーズは高く、孤立した育児による児童虐待の防止の観点からも本事業は有効、今後も引き続き実施。
ケひとり親家庭等生活向上事業の実施→毎年着実に事業が実施されていることから、事業のニーズが高いと考えられ、今後の引き続き実施する。

B就業支援策
ア母子・父子自立支援プログラム策定等事業の実施
→有効、今後も引き続き実施
イ母子家庭等就業・自立支援事業の実施(a〜d)→母子家庭等就業・自立支援センター事業は、実施率が概ね100%であり、ひとり親家庭に対する総合的な支援の役割を果たす有効な事業であることから、今後も 引き続き実施する。
ウより良い就業に向けた能力の開発(a〜c)→・自立支援給付金事業は、着実に資格取得件数が伸びており、ひとり親家庭の自立の促進に有効であることから、今後も引き続き実施する。 ・技能習得資金及び生活資金については、毎年度着実に貸付が実施されており、ひとり親家庭の就業支援策として有効であることから、今後も引き続き実施する。・(c)母子家庭の母等について、家庭的保育事業の補助者としての経験を保育士資格取得の際に評価し、指定保育<士養成施設における保育実習 や、保育士試験における実務経験として取扱うことにより、保育士資格の取得の際の負担軽減や機会の拡大を図るものであり、母子家庭の母 等の保育士資格取得及び保育現場における就労の促進に資することから、今後も引き続き実施する。
エ母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の状況に応じた就業あっせん(公共職業安定機関等との連携)aとb→ひとり親家庭への総合的な支援のための相談窓口の強化事業及び母子・父子自立支援員等就業支援関係者に対する研修の実施は、ひとり親 家庭の親が抱える様々な課題の解決のために適切な支援メニューにつなげる上で有効であることから、今後も引き続き実施する。
オ公共職業訓練の実施→有効、今後も引き続き実施。
カ所得の増大に結び付く就業機会創出のための支援(a〜c)→(a) 起業は就業による自立の選択肢の一つであり、セミナーにおいて起業の方法等の講習をすることはひとり親家庭の親の就業支援に資すること、また、事業開始資金は、事業を開始する際に必要な設備、機械等の購入のために必要な貸付制度であることから、今後も引き続き実施。 (b) 毎年度継続的に雇用の実績があることから、今後も自治体における取組が進むよう、都道府県担当部局長会議等の場を活用し、引き続き要請を実施。 (c) 自治体からの事業受注はひとり親家庭の親の就業促進につながることから、都道府県担当部局長会議等の場を活用し、引き続き要請を実施する。
キ母子家庭の母及び父子家庭の父の雇用に関する啓発活動等・情報提供(a b)→自治体や企業等において、ひとり親家庭の親の雇用を促進する社会的な機運を醸成するため、今後も引き続き実施する。
ク母子・父子福祉団体、NPO等に対する支援(a〜c)→・無料職業紹介事業を行う母子・父子福祉団体等に求人情報の提供を行うことは、母子家庭の母等の就業を推進する上で必要、 今後も引き続き実施。 ・母子家庭の母等の福祉の増進を図るための事業として社会福祉事業等を行う場合の母子福祉資金等の貸付けや、母子・父子福祉団体等から優先的に物品及び役務を調達→ひとり親家庭の親の就業の促進を図るため、今後も引き続き実施。
ケ母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の促進を図るための措置に関する留意→毎年度母子家庭等への相談支援や情報提供等が着実に実施されている。養育費の取り決めや支払いが適切に行われるためには相談支援や情報提供等が必要であること から、今後も引き続き実施する。

C養育費の確保及び面会交流に関する取り決めの促進(ア〜エ)→毎年度母子家庭等への相談支援や情報提供等が着実に実施されている。養育費の取り決めや支払いが適切に行われるためには相談支援や情報提供等が必要であること から、今後も引き続き実施する。

D経済的支援策
ア母子父子寡婦福祉資金貸付金に関する情報提供、適正な貸付業務の実施
→母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、母子家庭等の自立に有効な施策であり、地方自治体において母子家庭の母等に対して情報提供を積極的 に行うことが必要であることから、今後も引き続き実施する。また、母子父子寡婦福祉資金貸付金の貸付けに当たり、世帯構成等詳細な事項 について質問する必要が生じる場合もあることから、今後も引き続き、プライバシーの保護に配慮した適正な貸付業務を実施する。
イ児童扶養手当に関する情報提供及び適正な給付業務の実施
ウ児童扶養手当窓口における相談、情報提供等適切な自立支援の実施→児童扶養手当に関する情報提供については、多子加算額の増額(平成28年8月)や、全部支給所得制限限度額の見直し(平成30年8月)、 支払回数の見直し(令和元年11月)などの制度改正が行われており、地方公共団体において母子家庭の母及び父子家庭の父に対して情報提供を積極的に行う必要もあることから、今後も引き続き実施する。 また、プライバシーの保護に配慮した適正な給付事務の実施については、児童扶養手当の支給要件が多岐にわたっており、詳細な事項について質問する必要が生じる場合もあることから、今後も引き続き実施。 児童扶養手当窓口において、生活及び就業等に関する相談や情報提供を積極的に推進→児童扶養手当法第28条の2の規 定もあることから、今後も引き続き実施する

E広報啓発→ 広報啓発・広聴、ニーズ把握活動等事業の実施等により、母子家庭及び父子家庭並びに寡婦施策に係る要望・意見の聴取やニーズ調査等を行うとともに、各種の 広報手段を活用し、地域の特性を踏まえた広報啓発活動を実施→母子家庭等の要望等を支援施策に反映させる上で有効であることから、今後も引き続き実施。

次回も続き「資料2 これまでの本専門委員会での主な意見」からです。
「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」のとりまとめを公表いたします [2020年01月19日(Sun)]
「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」のとりまとめを公表いたします(令和元年12月27日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08732.html
◎第5回「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」とりまとめ(案)(令和元年12月19日)と同じですので、大事な部分のみ抜粋します。
第1 はじめに
第2 基本的な考え方

第3 医療費助成制度について
1 対象疾病について

・医療費助成の対象となる疾病(指定難病)は、法制定前の 56 疾病から 333 疾病へと大幅に拡大。児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病対策は児童福祉法改正前の 516 疾病から 762 疾病へ。
・希少な疾病を対象とする指定難病の医療費助成の対象とならない場合であっても、小児期から成人期にかけてシームレスに適切な医療が受けられる体制づくりや、福祉や学習等の支援が受けられるようにすることが必要
2 対象患者の認定基準について
3 患者の自己負担について
4 患者の利便性の向上・自治体の事務負担の軽減について
(1)医療費助成の対象とならない患者の登録ついて
(2)医療費助成の実施主体について
第4 医療提供体制について
・基本理念→@できる限り早期に正しい診断ができる 体制、A診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制、B遺伝子 関連検査について、倫理的な観点も踏まえつつ実施できる体制、C小児慢性特定疾病児童 等の移行期医療を適切に行うことができる体制。

第5 調査及び研究について
・自治体及び国、患者家族、研究者間のデーターベースで共有が必要。
・個人情報保護に十分に配慮しつつ、NDB等の他の公的DBとの連結解析データなど治 療研究に有用なデータの提供が促進されるよう、指定難病患者DB及び小児慢性特定疾病 児童等DBについて法律上の規定を整備し、収集・利用目的・第三者提供のルール等を明確に定めるべき。その際には、希少な疾病である指定難病の特性に配慮しつつ、既 に法律上に規定が設けられているNDB等のルールを参考にして、所要の措置を講ずるべき。

次回は、「第15回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」」からです。
社会保障審議会年金部会における議論の整理 [2020年01月18日(Sat)]
社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和元年12月27日)
社会保障審議会年金部会の「議論の整理」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08721.html
V 今後の年金制度改革の方向性
・ これまで述べたように、本部会では、社会保障制度改革国民会議報告書や社 会保障制度改革プログラム法に規定された課題のうち、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大及び高齢期の就労と年金受給の在り方について、 2019(令和元)年財政検証におけるオプション試算の結果も参照しながら、議論を進め、今般の年金制度改革として行うべき事項を整理した。 しかし、公的年金制度が、2004(平成 16)年改正の財政フレームの下、長期にわたり老後生活の基本を支えるという役割を引き続き果たすためには、 今回の年金制度改革が与える影響や今後の社会経済の変化の動向などを検証し、社会経済や労働市場の変化に対応した制度の在り方について雇用政策とも連携しながら今後とも検討を進めていく必要があることは言うまでもない。 社会経済状況に応じて5年に1度財政検証を行う公的年金制度には、制度改革、その効果検証、社会保障の動向把握、年金財政の現状把握と将来像の投影 というPDCAサイクルが組み込まれている。このサイクルにおいて、オプション試算は社会経済の変化に対応した改革志向の議論を進めていく上で必要不可欠なものである。今後とも、課題に対応した内容の充実も含めて、オプション試算を重視した改革論議を進めていくべきである。
・ 以上のような視点を持ちつつ、本部会として、今般の制度改正に加えて、さらに検討を進める年金制度改革の方向性について、下記の通り整理する。

1 被用者保険の適用拡大
・ 今般の改革
→短時間労働者に対する適用拡大は、中小企業への負担 に配慮する観点からまずは 50 人超の企業までの適用となったが、本来は、企業規模要件を撤廃し、50 人以下の企業に対しても、被用者である者には被用 者保険を適用すべきである。
・ したがって、今後は、今回の 50 人超規模までの適用拡大により生じる影響 の検証を行った上で、更なる拡大をどのように進めていくかを議論すべきである。検証の際は、今回の適用拡大で中小企業や従業員がどのように行動した か調査するとともに、企業経営にどのような影響を与えたかなどについて、関係者からの意見を聞くことも必要である。
・ 個人事業主の事業所の適用業種の見直しについても、今回の改正では、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業を適用対象に加えることとしたが、本来被用者には全て被用者保険を適用すべき、との原則 からすると、この適用業種についても、その他の業種への拡大を引き続き検討すべきである。さらに、労働者にとっては少しでも早期に保障が確保されることが望ましいことから、各業界の任意包括適用の活用を促す取組状況を適宜 聴取・把握していく必要がある。
・ また、短時間労働者への適用拡大により、複数の事業所において短時間就労 で保険適用を受ける者が今後増加する可能性もあり、複数事業所就業者に係 る適用事務を合理化し、事業主の事務負担軽減を図るよう、関係者の意見を広 く聞きつつ検討を進めるべきである。
・ なお、兼業・副業も含め、適用基準を満たさない就労を複数の事業所で行う者に対する保障の在り方についての問題が提起されている。この問題は、事業 主の責任で適用事務を行うという被用者保険の基本的枠組みや、実務上の実 行可能性、適用拡大の進展状況等も踏まえつつ考えるべき課題である。 さらに、フリーランスやギグワーク、請負型で働く者などが増加する中、制度的には個人事業主であっても実態は雇用に近い働き方をしている者への保障の在り方についての問題も提起されている。この問題は、労働法制上の整理 とともに、保険料を賦課する報酬や保険料負担・納付を行う者の定義等の従来 の被用者保険にはない困難な論点をはらむ問題であるが、働き方の広がり等も 踏まえつつ、検討していく必要性が指摘された。
・ 第3号被保険者制度→前回の「社会保障審議会年金部会における 議論の整理」(平成 27 年 1 月 21 日)において、第3号被保険者を将来的に縮小していく方向性を共有するとともに、第3号被保険者については単に専業 主婦(夫)を優遇しているとの捉え方ではなく、多様な属性を持つ者が混在していることを踏まえた検討が必要であることについても認識を共有した。その上で、まずは、被用者保険の適用拡大を進め、被用者性が高い人については 被用者保険を適用していくことを進めつつ、第3号被保険者制度の縮小・見直 しに向けたステップを踏んでいくことが必要であると整理されている。 今回の適用拡大はこの方向性に沿って一歩前進するものであり、引き続きこの方向性に沿った対応を進めていく必要がある。

2 高齢期の就労と年金受給の在り方
・ 先に述べたように、在職老齢年金制度は拠出制年金における例外的な仕組 みであり、同じような所得を得る者間での公平性の問題、賃金増加分の半分に 相当する年金が停止されるという比較的厳しい制度であるという制度の性質、 また、繰下げ受給をしても在職支給停止相当分は増額対象とならないことを考えると、今回は改正しない高在老を含めた高齢期の年金と就労の在り方については、引き続き検討を進めていく必要がある。 今後、生産年齢人口の減少が加速化する中で高齢期の就労の重要性が増し、 高齢期の就業が多様化する中、フルタイムなど現役期の働き方に近い形で就労 する高齢者も増加していけば、現行の制度のままでは、高齢期にも現役平均程 度で就労を続ける者にとって、年金水準の充実の効果が得にくいこととなる。 今後、マクロ経済スライドの調整により、将来世代の所得代替率が長期的に 調整されていくことも踏まえれば、就労の長期化を年金制度に反映することにより、長期化する老後生活の経済基盤の充実が図られるよう、今後の高齢期の 就労の変化を念頭に、高齢期の就労と年金の在り方について検討を進めていくことが求められる。
・ また、高齢者が個々人の生活スタイルに合わせて、年金受給開始時期を柔軟 に選択できるようになることは、高齢者の働き方の多様化が進む中で非常に 意義が大きい。高齢者雇用においては、より多様な形での就業機会の確保が進められる中、就労と年金の組合せの選択がより多様で柔軟にできるよう、引き 続き検討を続けるべきである。

3 年金制度の所得再分配機能の維持
・ 2009(平成 21)年、2014(平成 26)年財政検証結果に引き続き、2019(令 和元)年財政検証結果においても、1階部分の基礎年金部分のマクロ経済スラ イド調整期間は、2階部分の厚生年金(報酬比例部分)よりも長期化していることが確認された。基礎年金は、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障する所得再分配機能を有する給付であり、この調整期間の長期化は、年金制度 の所得再分配機能の低下を意味することとなる。この再分配機能を維持することは、基礎年金のみを受給する者だけでなく、厚生年金の受給者にとっても、 その高齢期の経済基盤を充実させるために非常に重要である。
・ 被用者保険の適用拡大は、その分国民年金の拠出金負担を減少させ、国民年金財政を改善させて基礎年金のマクロ経済スライド調整の早期の終了に資するものであることから、基礎年金の所得再分配機能の維持のためにも、被用者保険の適用拡大を、今回の適用拡大以上に、さらに徹底して進める必要があることは明らかである。
・ なお、2019(令和元)年財政検証において、平成 28 年年金改革法による年金額改定ルールの見直しの影響が、将来世代の給付水準の上昇につながることが確認されたところであるが、マクロ経済スライドの効果については、引き 続き、その状況の検証を行うべきである。
・ その上で、今後は、基礎年金の所得再分配機能を維持する更なる方策として、 保険料拠出期間の延長についても、必要となる財源確保の在り方も検討した 上で、就労期間の長期化等の高齢者の雇用実態等も踏まえて検討すべきである。 また、基礎年金が、厚生年金と国民年金の被保険者が公平に拠出して支える仕組みであることを踏まえつつ、報酬比例部分と基礎年金のバランスを確保して基礎年金の所得再分配機能を維持していくため、どのような方策が可能か、 引き続き検討するべきである。

4 その他
・ 今回行う制度改革は、働き方の多様化、高齢期の長期化に対応する観点から、 主に老齢年金を射程とした改革となっている。しかし、公的年金制度について は、障害年金・遺族年金についても、社会経済状況の変化に合わせて見直しを 行う必要がないか検証し、その結果に基づいた対応についての検討を進めて いくべきである。
・ また、働き方の多様化、高齢期の長期化が進む中、老後の所得保障や退職後の生活設計の情報に対するニーズは高まっている。年金制度→広報 媒体の多様化や世代の特性も踏まえつつ、様々な媒体を適切に用いた周知を行いながら、正しい情報を正確に伝え、関係者の理解を得ていくことが重要である。その際、地域や事業所における年金委員の活用も図っていくべきである。 これに関連して、年金に関して様々なウェブサイトがあることで、かえって 知りたい情報にアクセスすることが難しいとの指摘もあったことから、2019 (平成 31)年4月、厚生労働省ホームページ上に、ライフイベントごとに必 要な年金情報が整理されたサイトである「年金ポータル」が開設されたところであり、引き続き広報の充実・強化に取り組むとともに、戦略的な広報展開を 検討すべきである。 また、2019(令和元)年財政検証でも、世帯類型ではなく一人当たりの賃金 水準によって所得代替率が決まることやその水準がどのようになるかを示し ているが、このように、モデル年金以外の所得保障の状況についてもイメージ できるようにわかりやすく示す工夫を重ねていくことが今後とも重要である。
・ 高齢期の生活は多様であり、それぞれの方が望ましいと考える生活水準や、 働き方の希望、収入・資産の状況なども様々である。公的年金制度に関する関 心内容として「自分が受け取れる年金はどのくらいか」が最も高くなっており、 制度自体の広報・周知に加えて、個々人の老後の公的年金の支給額等がいくら となるか若い頃から見通せるようにすることが、老後生活や年金に対する不 安を軽減するためにも重要である。次期制度改正で、高齢者が自身の就業状況 等に合わせて年金の受給開始時期の選択肢を 60〜75 歳までに拡大することも 踏まえれば、その必要性は一層高まる。 こうした観点から、これまでも「ねんきんネット」による年金見込額試算の 充実などが取り組まれているが、さらに、公的年金、私的年金を通じて、個々 人の現在の状況と将来の見通しを全体として「見える化」し、老後の生活設計 をより具体的にイメージできるようにするための仕組みを検討すべきである。
・ さらに、個別の制度の仕組みや個々人の状況の情報提供にとどまらず、誰もが人生を歩んでいく上で避けることのできないリスク(年金制度の場合は稼得能力の喪失)に対して、社会全体で連帯して備える社会保障制度という大きな枠組みの中で、貯蓄ではなく保険の考え方を基本に構築されている年金制度の意義や位置付けを理解してもらうことも重要であり、子どもの頃から生 涯を通じた年金教育の取組を進める必要がある
・ 最後に、公的年金制度の在り方については、様々な意見があるが、国民全体の幸福、我が国全体の発展に資するような改革が何かを十分に検討し、今後も、 将来世代のための改革の議論を続けていくことが重要である。

次回は、新たに「「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」のとりまとめを公表いたします」からです。
社会保障審議会年金部会における議論の整理 [2020年01月17日(Fri)]
社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和元年12月27日)
社会保障審議会年金部会の「議論の整理」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08721.html
U 今般の年金制度改革
1 短時間労働者等に対する被用者保険の適用拡大

被用者は本来であれば働き方や企業規模・形態にかかわらず厚生年金の被保険者となり、報酬に比例した保険料負担を行った上で、報酬にかかわらず定額が給付される基礎年金に加え、報酬比例給付による保障を受けるべきである。 その一方で、被用者でありながら国民年金の加入となっている者も相当数に上ることにも鑑みれば、こうした被用者である者には被用者保険を適用し、適用事業所に勤務する労働者はその事業所の規模を問わず被用者保険が適用されるべきであるこうした適用拡大は、将来の無年金・低年金が心配される単身世帯やいわゆる就職氷河期世代等で、現在、国民年金第1号被保険者である者にとって、将来の年金水準を充実させることにつながる。
・ また、労働者の働き方や企業による雇い方の選択において、社会保険制度における取扱いによってその選択が歪められたり、不公平が生じたりすること がないようにし、適用拡大を通じて雇用や働き方に中立的な制度が実現すれば、働きたい人の能力発揮の機会、企業運営に必要な人材が確保されやすくなり、結果として公平な経営条件の確保に資することが期待できる。 特に、給付は増えず国民年金保険料負担が新たに生じる被扶養認定基準(年 収 130 万円)に直面している第3号被保険者にとっては、適用拡大が行われれ ば、被用者保険に加入することで給付増を享受しつつ、扶養から外れ、自らの 希望する働き方を実現できるようになる意義がある。
・ さらに、被用者保険の適用拡大は、現在被用者でありながら国民年金加入者 となっている者が、厚生年金の被保険者となることで、国民年金財政を改善さ せることを通じて、マクロ経済スライドによる調整終了後の所得代替率の改善や基礎年金水準の確保につながるものであり、年金制度における所得再分 配機能の強化にもつながる。 こうしたことから、法律の規定上も附則に規定され、「当分の間」の経過措置として位置づけられている現行の 500 人超という企業規模要件は撤廃し、 本来全ての被用者に被用者保険が適用されるように見直されるべきものである。
・ 他方で、本部会では、被用者保険の適用拡大は、事業者側の社会保険料の負担を増加させるものであり、適用拡大に当たっては中小企業への負担に配慮した慎重な検討が必要であるという意見もあった。 このような本部会での議論を受けて、被用者保険の適用拡大には、本来全て の被用者に被用者保険が適用されるべきとの要請と、中小企業の経営配慮を すべきとの要請の、2つの要請があり、この2つの要請を調和させる観点から、 企業規模要件見直しの具体的なスケジュールについて、政府・与党内で議論・ 調整が行われた。 この調整の結果、具体的には、2024(令和6)年 10 月に 50 人超規模の企業 まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働者の保 障を充実させるため、2022(令和4)年 10 月に 100 人超規模の企業までは適用することを基本とする、との結論に至った。
・企業規模要件が 2012(平成 24)年改正法の規定上附則に規定され、「当分の間」の経過措置として位置付けられていることを踏まえれば、今回の政府・与党で の調整結果に加えて、今後、引き続き適用拡大に取り組んでいくことが求められる。
・また、短時間労働者への適用要件の中でも、1年以上の勤務期間要件は、できるだけ適用要件は少なくする方が望ましいとの観点や、実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、本則に規定されているフルタイム相当の被保険者と同様の2か月超の要件が適用されるようにする。 労働時間要件→まずは週 20 時間以上の労働者への適用を優先するため、現状維持とする。月額賃金 8.8 万円の賃金要件は、最低賃金の水準との関係も踏まえて、現状維持とする。
・ 個人事業所の場合、現行制度上の適用事業所は、法定 16 業種に該当する常時5人以上の従業員を使用するものに限られているが、この 16 業種は、1953 (昭和 28)年以来、一度も見直されていない。しかし、現行の非適用業種の事業所で働いている被用者も、被用者であることには変わりはなく、被用者である者には被用者保険を適用すべきという考え方に立つと、個人にとって、適 用事業所か否かで将来の年金給付が変わることは適切でない。非適用業種についても、実態を踏まえた見直しを図っていくべきである。 特に、5人以上の個人事業所のうち、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業については事務処理等の面からの支障はないと 考えられ、さらに他の業種と比べても法人割合が著しく低いこと、法人化に際 して制度上の制約があることなどから、適用業種に追加すべきである。
・ 今回の改革は、従業員数 50 人超の企業を対象にするものであるが、ここで いう「従業員数」は、より正確には、「労働時間が通常の労働者の4分の3以上の者」の総数であり、それ未満の短時間労働者を算定に含めない。また、賃金や労働時間の要件についても、必ずしも実績値ではなく、契約上の所定賃金・労働時間によって判断する。企業側に対しては、こうした制度改正の内容や、適用拡大は人材確保にも役立つことを丁寧に説明し、適用拡大による中小企業の負担増加に対する懸念を和らげることに努めるべきである。なお、適用拡大に際しては、労働者が自らの労働時間の短縮等によって保険 適用を回避する行動、いわゆる就業調整が発生し、企業の人材確保に支障をきたすと懸念する向きがある。 しかし、適用拡大は全ての短時間労働者を対象とするものではなく、週 20 〜30 時間かつ月額賃金 8.8 万円以上で働く短時間労働者に限られる。 さらに、週労働時間 20〜30 時間かつ月額賃金 8.8 万円以上で働くパート労働者の内訳を見ると、適用拡大によって保険料負担が減り、給付増を享受する 国民年金第1号被保険者が半数近くを占めている。保険料負担が新たに発生す るために就業調整を行う可能性のある第3号被保険者は、4分の1程度である。 加えて、前回の適用拡大が労働者の働き方に与えた影響を検証すると、適用 拡大前の時点で第3号被保険者であった者についても、労働時間を延ばし、保険加入を選択した者のほうが、労働時間を短縮した者よりも多かった。 今回の適用拡大によって見込まれる影響を論ずるに当たっては、こうした事 実関係に関する正確な理解の上に立脚する必要がある。
・ また、被用者保険の加入のメリットについても、事業主・労働者の双方に十分な理解を促す必要がある。 被用者保険に加入すれば、将来、基礎年金に加え、報酬比例部分の年金を終 身にわたって受給できるようになり、障害・死亡に際しての保険給付も手厚く なるほか、健康保険による傷病手当金等の生活保障を受けられるようになる。 前回の適用拡大の際には、企業が従業員に個別に対応し、こうした被用者保 険の加入のメリットや、手取り収入維持のために必要な追加的労働時間数等に ついて丁寧に説明することで、就業調整を抑えることができたとの結果が指摘された。
特に、被扶養者にとって、適用拡大以前に直面していた被扶養認定基準(年 収 130 万円)と被用者保険適用基準(月額賃金 8.8 万円(年収 106 万円程度)) とは、給付面でのメリットの有無等の点で大きく異なる。適用拡大は、被扶養者にとって超える際の抵抗感が強い「130 万円の壁」を消失させ、給付増を伴 う被用者保険適用基準に置き換える意味を持つものであり、この点について 十分な理解がないまま就業調整が行われれば、企業にも労働者本人にも不利 益であるため、正確な理解の促進に向けた対応が必要である。
具体的には、政府が制度の内容を周知するとともに、事業主自身が労働者に対し、労働者本人が自らの適用の状況について理解できるよう、正確かつ丁寧 に説明することも重要。 その際、今回の適用拡大の対象となるのは中小企業が中心であり、従業員への丁寧な対応に必要な知見や人員が十分でない可能性があることから、個々の企業が社会保険や労務の専門家を活用し、従業員への対応を十分に行えるようにするための支援を行うことが考えられる。専門家による企業向け説明会等を 開催するほか、個々の企業が従業員向けに行う説明会に専門家を派遣するなど、 踏み込んだ対応も検討すべきである。 また、企業が従業員への説明に使えるよう、または労働者本人が自ら被用者 保険加入のメリットを実感することができるとともに、自らの適用状況が適 切であるかを確認できるよう、非専門家でも理解しやすい説明ツールを整備 することも必要である。
・ 本来、企業規模要件の撤廃が望ましいことからすれば、この問題を考えるに当たって、中小企業の経営体力を高めるという能動的な観点から、生産性向上や人材育成、競争力強化につながる産業政策と連携することも重要。加 えて、適用拡大は、人材定着や従業員の士気を高める観点から、人材不足が深 刻な中小企業にとってプラスの面があることの理解を広めることも望まれる。
・ 被用者保険の適用拡大が、基礎年金部分のマクロ経済スライド調整期間を 短縮し、将来の所得代替率の水準を引き上げることは、財政検証結果でも確認されている。今般の被用者保険の適用拡大は、マクロ経済スライド調整期間が 長期化する傾向にあった基礎年金部分の将来の所得代替率の向上をもたらす 制度的な対応として、将来世代にとっても、非常に重要な役割を果たすものである。 また、前回の適用拡大によって厚生年金加入となった者のうち約4割が国民 年金第1号被保険者であり、その約半数が保険料を免除または未納の状態であった。このことから、適用拡大は、結果として、就職氷河期世代等、短時間で の就労を余儀なくされ、被用者でありながら国民年金第1号被保険者に留まっていた者の将来の年金給付の充実に非常に効果があったことがわかる。
・ 以上のように、短時間労働者に対する適用拡大を進めるに当たっては、被用者保険加入によるメリットへの理解を十分に広めながら取り組むことが望まれる。 なお、適用拡大と併せて、未適用事業所等への適用促進の取組も重要である。

2 高齢期の就労と年金受給の在り方
・ 社会保険方式をとる公的年金制度
→保険料を拠出された方に対し、それに見合う給付を行うことが原則である中、就労し、一定以上の賃金を得ている厚 生年金受給者に対し、年金支給を一部停止する在職老齢年金制度は、例外的な仕組みである。
高齢期の就労が多様化する中で、現役期の働き方に近い形で就労する高齢者が増加し、政府としても繰下げ受給を選択しやすくする取組を進める中、今後 さらに高齢期の就労が進んでいくことが見込まれることや、一方で雇用環境の 変化や個々人の高齢期への準備には多くの時間を要するものであることも踏 まえると、変化する高齢者の雇用環境に併せて今から在職老齢年金制度の見直 しを図ることは、将来の変化を展望した制度的な対応として意義を持つもので ある。こうした観点から、本部会では、現在の 65 歳以上の者に対する在職老齢年 金制度(高在老)の在り方を見直すべきとの意見も多かった。また、厚生年金 は所得再分配機能が組み込まれた制度であるとの意見もあった。
・ 他方で、在職老齢年金制度の撤廃又は基準額の緩和は、見直しによる就労の変化を見込まない場合、将来世代の所得代替率を低下させることが 2019(令 和元)年財政検証オプション試算の結果でも確認されている。 また、現在の高在老の適用基準(47 万円)の対象者が、年金と賃金を合計すれば同世代あるいは現役世代と比較しても比較的フロー所得に余裕があることからすると、在職老齢年金制度の単純な見直しは、高所得の高齢者を優遇す るものであるとの指摘もある。
・ このように、在職老齢年金制度の見直しについての意見は分かれた一方で、この問題を考える際に在職老齢年金制度だけで考えるのではなく、他の要素 を総合的に考慮して判断すべきとの立場からの意見も多かった。 例えば、所得代替率への影響は、在職老齢年金制度によるもの(撤廃の場合 は 0.4 ポイント、基準額 62 万円への引上げの場合は 0.2 ポイント(ケースV の場合))のみではなく、財政検証の際にオプション試算で示されたAとBを 全て実施した場合の所得代替率引上げ効果(約7〜12 ポイント)のように、 年金制度改正全体で見ていくべきとの意見があった。 また、在職老齢年金制度による支給停止の対象は、厚生年金の適用事業所で 働く被保険者及び 70 歳以上の者の賃金であり、自営業や、請負契約、顧問契 約で働く収入や不動産収入を有する者等は対象にならないといった、就業形態 の違いによる公平性の問題も存在し、この問題は年金制度だけで考える限りは 解決できないという指摘もあった。
・ また、65 歳以上の者向けに、退職年金制度の時代に由来する資格喪失時(退職時・70 歳到達時)に初めて年金額改定を行うという制度を改め、在職中から、年金額の改定を毎年行い、早期に年金額を増額させる在職定時改定を導入 することについては、本部会では、就労期間の延伸による年金額の増加を実感 しやすいことや、年金額が比較的低く就労による賃金と合わせて生計を立て ている者への改善につながることなどから、導入を支持する意見が多かった。
・ これらの議論を受けて、在職中の年金受給の在り方については、政府・与党 内でも議論・調整が行われた。政府・与党内での議論・調整において、高齢期の就労と年金をめぐる調整に ついては、年金制度だけで考えるのではなく、税制での対応や各種社会保障制度における保険料負担等での対応を併せて、今後とも検討していくべき課題 であるとされた。他方で、今般の制度改正においては、65 歳以降の老齢厚生年金について在職定時改定の導入を行うこととされた。
・ 60〜64 歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度(低在老)→就労に与える影響が一定程度確認されているという観点、60 歳台前半の就労、特に 2030(令和 12)年度まで支給開始年齢の引上げが続く女性の就労を支援するという観点から、見直すことが適切。 また、高在老と低在老の基準額が異なる現行制度では、同じ 60 歳台前半であっても、65 歳からの本来支給の老齢厚生年金を繰上げ受給した場合には高在老の基準が適用される(支給開始年齢が 65 歳に引き上がる世代である 1961(昭和 36)年4月2日以降生まれの男性が 60 歳になる 2021(令和3)年度以降に生じる)一方、特別支給の老齢厚生年金を受給している場合には低在老の 基準が適用され、60 歳台前半の老齢厚生年金に適用される在職老齢年金制度の基準が混在することとなる。低在老の見直しについては、高在老と同じ基準 とすることで、制度をわかりやすくするという利点もあることから、現行の 28 万円から高在老と同じ 47 万円の基準に合わせるべきである。 低在老の見直し→特定の世代にしか効果が及ばないとの批判もあるが、60 歳台前半の年金制度が賃金水準に一定の影響を与えているという実態があるという指摘があり、低在老の見直しによって、60 歳台前半の年金制度をなるべく早期に、就労に対して中立的となるようにすることは、支給開始年齢が 65 歳に引き上がる将来世代にとっても意義があると考えられる。
・ また、年金の受給開始時期→今後の更なる高齢期の就労の進展を 踏まえると、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年金受給の方法を、現行よりもさらに柔軟に選択できるよう、その選択肢を増やす観点から、現行の 60 〜70 歳から 60〜75 歳へと拡大すべきである。 繰上げ・繰下げの増減率は、年金財政への中立を基本に最新の生命表等による試算結果を踏まえ、1月当たりの繰上げ減額率を 0.4%に、繰下げ増額率は 0.7%とすべきである。 なお、繰上げ・繰下げの増減率は、今般の受給開始時期の選択肢の拡大に当たって見直しを行ったものであるが、年金受給者の生活設計の安定のため、頻繁に変えるべきものではない。

3 その他の制度改正事項及び業務運営改善事項
・ 年金制度については、上記に挙げた改革事項以外にも、より時代に合った制度とする観点から、今回の改正の機会を捉え、必要な改革を行うべきである。

・ 具体的には、本部会での議論も踏まえ、以下の改正を行うべきである。
(1)厚生年金・健康保険の適用について、雇用契約の期間が2か月以内であっても、実態としてその雇用契約の期間を超えて使用される見込みがある と判断できる場合は適用対象とするよう見直す。
(2)国民年金保険料の申請全額免除基準の対象について、地方税法上の非課 税措置の対象に合わせ、未婚のひとり親や寡夫を追加する。
(3)脱退一時金制度の支給上限年数→特定技能の在留資格の創設などを含む改正出入国管理法が 2019(平成 31)年4月より施行されたことなどを踏まえ、現行の3年から5年に見直す。
(4)年金生活者支援給付金→給付金の受給資格者になり得る者も所得・世帯情報の取得の対象とし、2020(令和2)年度以降新たに支給対象 となる者にも簡易な請求書を送付できるようにする等の見直しを行う。
(5)現行の国民年金手帳→その求められてきた機能・役割の変化に 照らし、「基礎年金番号の本人への通知」機能を有する通知書で代替する よう見直す。
(6)厚生年金保険法に基づく事業所への立入調査について、例えば、国税庁 からの給与支払いの情報提供等により適用事業所である蓋然性が高いと 認められる事業所もその対象とできるようにする。
(7)年金担保貸付事業について、閣議決定に基づき廃止する。

次回も続き「V 今後の年金制度改革の方向性」からです。
社会保障審議会年金部会における議論の整理 [2020年01月16日(Thu)]
社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和元年12月27日)1/16
社会保障審議会年金部会の「議論の整理」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08721.html
T はじめに
1 これまでの年金制度改革の経緯
・ 現在の公的年金制度の財政フレーム
→2004(平成 16)年の年金制度改正 により導入され、2004(平成 16)年改正前は、社会経済情勢の変動に応じて、5年ごとの財政再計算の際に、人口推計や将来の経済見通し等の変化を踏 まえて、給付内容や保険料水準を見直してきた。少子高齢化の進展の中、支給 開始年齢の引上げ等の給付の見直しが行われる一方、最終保険料率が 25%を 超えるという見通しが示され、若い世代にとっては、将来の給付水準も保険料 水準も見通しにくく、年金制度に対する不安につながっているという意見が 強かった。
・ そこで、2004(平成 16)年の年金制度改正では、給付と負担の見直し方法 を改め、保険料の引上げを極力抑制しつつ将来の保険料負担の上限を固定し、 その保険料上限による収入の範囲内で給付水準を自動的に調整するという、 新しい給付と負担の見直しの方法を導入した。 具体的には、@保険料水準の引上げスケジュールと将来の保険料の上限を固定し、A基礎年金の国庫負担を2分の1へ引き上げることとした。さらに、B 財政の均衡を図る期間を概ね 100 年とした上で、その期間内で積立金の運用 収入と元本を活用することとした。この@〜Bにより、財源の枠組みが固定された。その上で、C年金の給付水準については、財政均衡期間である概ね 100 年間で年金財政が均衡する水準まで自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド調整)とした。これにより、長期的な年金財政の枠組みが構築され、年金制度に対する将来への不安の解消を図った。
・ その後、2009(平成 21)年の財政検証と 2012(平成 24)年の社会保障と税の一体改革を受け、基礎年金国庫負担2分の1の恒久化、被用者年金制度の一 元化、500 人超企業における短時間労働者への被用者保険の適用拡大等の制度改正が行われた。 そして、これらを踏まえて行われた社会保障制度改革国民会議の 2013(平 成 25)年8月の報告書では、@マクロ経済スライドの見直し、A短時間労働 者に対する被用者保険の適用拡大、B高齢期の就労と年金受給の在り方、C高所得者の年金給付の見直しが、今後の年金制度の課題として設定され、これら の課題は、2013(平成 25)年 12 月 13 日に公布された社会保障制度改革プログラム法にも規定された。
・ 2014(平成 26)年の財政検証→社会保障制度改革国民会議報告書や社会 保障制度改革プログラム法において規定された課題の検討に資するため、一 定の制度改正を仮定したオプション試算(マクロ経済スライドの見直し、被用者保険の更なる適用拡大)を初めて実施し、本部会では、このオプション試算 を参照しながら、課題に対応するための制度改革の議論を行った。 その結果、2016(平成 28)年 12 月には、500 人以下の企業で働く短時間労 働者も労使合意により厚生年金への任意加入を可能とする被用者保険の適用拡大の促進、マクロ経済スライド調整の見直し、賃金変動に合わせた年金額改定(賃金スライド)の徹底等を行う年金改革法(平成 28 年年金改革法)が成 立した。
・ 平成 28 年年金改革法は、将来世代の給付水準を確保するため、マクロ経済 スライドについて、現在の高齢世代に配慮しつつ、できる限り早期に調整を終える観点から、名目下限措置を維持しつつ、賃金・物価上昇の範囲内で前年度 までの未調整分を調整するルール(キャリーオーバー制)を 2018(平成 30) 年4月から導入するとともに、賃金・物価スライドについて、支え手である現 役世代の負担能力に応じた給付とする観点から、賃金変動が物価変動を下回る場合には賃金変動に合わせた改定をする考え方を 2021(令和3)年4月か ら徹底することとした。これは、長引くデフレ経済下でマクロ経済スライドに よる調整が発動しないこと等により生じた課題に対応するためのものであり、 社会保障制度改革国民会議報告書の課題@に対応している。法的措置による 特例水準の解消や最近の経済の回復基調等もあり、2015(平成 27)年度に初 めてマクロ経済スライドが発動し、2018(平成 30)年度に生じたキャリーオーバー分が、2019(令和元)年度の2度目のマクロ経済スライド発動とともに解消した

2 平成 28 年年金改革法成立後の検討
・ 平成 28 年年金改革法成立後、2018(平成 30)年4月から再開した本部会
→上記のようなこれまでの年金制度改革のレビューからスタートし、社会保 障制度改革国民会議報告書の課題であるA短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、B高齢期の就労と年金受給の在り方、C高所得者の年金給付の見直しに向けた議論を開始した。
・ 短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大→2012(平成 24) 年8月に成立した年金機能強化法の規定により、2019(令和元)年9月末まで に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずることとされている。また、 近年は、高齢者雇用の進展や働き方の多様化に向けた動きが生じており、こう した社会の変化は、正社員への適用を中心として構築されてきた社会保険制度において、短時間労働者への適用拡大の必要性を高めるものとなっている。 以上を踏まえ、2018(平成 30)年 12 月より、「働き方の多様化を踏まえた 社会保険の対応に関する懇談会」(保険局長及び年金局長が開催)において、 適用拡大に伴う関連データや動向の検証、関係者からのヒアリング等による実態把握、更なる適用拡大に伴う諸課題の分析・整理が行われ、2019(令和元) 年9月 20 日の議論のとりまとめが、本部会にも報告された。
・ また、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(令和元年6月21日閣議決定) 等の各種閣議決定・政府決定にも、働き方の多様化や高齢期の長期化・就労拡大に応じた年金制度を構築する観点から、短時間労働者への被用者保険の適 用拡大、年金受給開始時期の選択肢の拡大、在職老齢年金制度の在り方の検討が、課題として盛り込まれている。
・ 本部会→こうした政府全体による課題の設定も踏まえつつ、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、高齢期の就労と年金受給の在り方等、年金制度 において改革を進めるべき事項について、2018(平成 30)年4月から 2019(令 和元)年 12 月までの 15 回にわたり、精力的に議論を行った。

3 2019(令和元)年財政検証
・ 2019(令和元)年は、5年に1度の財政検証を行う年
に当たり、同年8月 27 日に財政検証結果が公表され、本部会で報告を受けた。2019(令和元)年財政検証は、新しい将来推計人口と幅広い経済前提の設定に基づき試算を行うだけでなく、2014(平成 26)年財政検証とともに行ったオプション試算の有用 性を踏まえ、今回も更に充実させたオプション試算を行うべき、という意見が 具体的な追加のオプションの要望とともに本部会に出されたことも踏まえ、 被用者保険の更なる適用拡大、保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択 肢の拡大等、制度改革を実施した場合を仮定したオプション試算を実施した。

・ この財政検証の結果からは、以下の点が明らかになった。
@ 経済成長と労働参加が進むケースでは、現行の年金制度の下でも、引き続き、所得代替率 50%の給付水準を今後概ね 100 年間にわたり確保できることが確認できた。したがって、経済成長と労働参加を促進することが、将来 の年金の水準確保のためにも重要であると言える。 A オプション試算Aとして行った被用者保険の更なる適用拡大では、適用 拡大を 125 万人、325 万人、1,050 万人の3つのケースで試算を行い、対象者の規模が大きいほど所得代替率や基礎年金の水準確保に効果が大きいことが確認できた。 B オプション試算Bでは、基礎年金の加入期間の延長、在職老齢年金制度の 見直し、厚生年金の加入年齢の上限の引上げ、就労延長と受給開始時期の選 択肢の拡大について試算を行い、就労期間・加入期間を延長することや、繰 下げ受給を選択することは、年金の水準確保に効果が大きいことが確認できた。

4 今後の方向性
・ 以上のような、社会経済の変化や年金制度の現状についての確認や 2019(令 和元)年財政検証結果を踏まえ、本部会では、これらの結果等を前提として、 年金制度についても、働き方の多様化・高齢期の長期化という今後の社会経済の変化を見越した制度改革を行うことが必要、という共通認識に達した。 そこで、本部会では、2019(令和元)年財政検証結果を踏まえ、 ・ 多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大 ・ 就労期間の延伸による年金水準の確保・充実 を2つの大きな柱とし、業務運営改善関係の見直し等の課題も含めて、今後の 年金制度改正について、2019(令和元)年9月より議論を行った。
・ この結果、本部会では、検討項目全体を貫いて今後の年金制度改革の基本に 置くべき考え方として、概ね次の様な方向性を共有した。 ↓
@ 短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大→被用者は、被用者による支え合いの仕組みとしての被用者保険に加入するのが基本であること、厚生年金の適用により将来の年金を手厚くできることが期待されること、社会保険制度の適用の仕方によって働き方や企業 の雇い方、経営条件などに影響をできるだけ与えないことが望ましいことから、被用者として働く者には被用者保険を適用するという基本的な考え 方に立つ必要がある。ただし、具体的な適用拡大は、人手不足や社会保険料 負担を通じた企業経営への影響等に留意しつつ、丁寧に進める必要がある。 A 高齢期の就労と年金受給の在り方→ 基礎年金創設時と比べると、今日まで 65 歳の平均余命は5年程度伸長しており、将来人口推計では、今後さらに3年程度伸長することが仮定されている。また、65 歳を迎えた人が 90 歳に達する確率は、1950(昭和 25)年生 まれで男性の3割以上、女性の約6割であるところ、1990(平成2)年生まれでは男性の4割以上、女性の約7割になる見込みである。医学的見地から も、高齢期の健康状態が若返り、就労意欲が高い状況を踏まえると、年金制 度において、より多くの人がこれまでよりも長く多様な形で働く社会となることを展望した上で、高齢期の経済基盤の充実のために行っておくべき 制度的な対応を今の段階から図っておくことが重要である。 こうしたことから、在職老齢年金制度の在り方の見直し及び在職定時改 定の導入、年金受給開始時期の選択肢の拡大を行うとともに、今後、必要と なる財源確保の在り方も検討した上で、平均寿命の伸長、就労期間の延伸等 に対応した被保険者期間(保険料拠出期間)の延長等、残された課題につい ても議論を続けていくべきである。
・ 以下、これまでの本部会における議論に沿って、上記の方向性等を踏まえた 今般の年金制度改革の具体的内容、さらにはそれ以降の年金制度改革の目指 すべき方向性を整理する。

次回も続き「U 今般の年金制度改革」からです。
難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第5回) [2020年01月15日(Wed)]
難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第5回)(令和元年12月26日)1/15
《議事》 (1) とりまとめ(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08690.html
◎資料1 難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループとりまとめ(案)
第4 福祉支援について
(これまでの状況)

・ 平成 25 年の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成 17 年法律第 123 号。「障害者総合支援法」。)の改正により、障害者の定義に 新たに難病患者等が追加され、障害者手帳を取得できない難病患者等も障害福祉サービ スを利用できるようになった。対象疾病は施行当時の 130 疾病から見直され、2019(令和元)年7月現在で 361 疾病。 このように、難病患者等に対する福祉支援は、着実に実施されてきているが、他方で、 難病患者に対するアンケート調査によれば、「福祉サービスを利用できることを知らなかった」との回答が約半数に上るとの結果が得られており、周知に課題があると言える。
(対応の方向性)
・ 最近では、「難病」という用語を用いたリーフレットを活用して、より分かりやすい 周知を図るなど、国による取組の改善が図られており、まずはこうした取組を継続して いくことが必要。また、患者側のみならず、難病相談支援センターの職員、医療 機関の関係者等の支援者側に対する周知も重要。

第5 就労支援について
(これまでの状況)
・ ハローワークにおける難病患者の新規求職申込件数及び就職件数
は、いずれも年々増加。難病患者のニーズは多様であることから、「難病患者就職サポーター」 等によるきめ細やかな支援を引き続き行っていく必要がある。 ○ また、就労支援は、医療機関では対応が難しい部分であるが、医療機関と他の関係機 関との連携状況を見ると、障害福祉や生活保護に係る行政窓口との連携は一定程度進んでいる一方で、就労支援機関との連携は十分でないとの調査結果もある。
(対応の方向性)
・ 就労支援は、難病患者の収入確保にとどまらず社会参加を促進する上で重要、難病患者のニーズは多様であることから、難病相談支援センターがハローワーク、 障害者就業・生活支援センター等の就労支援機関をはじめとする地域の関係機関と連携していくことが重要。 そのため、難病相談支援センターがハローワークに配置する「難病患者就職サポーター」と連携して、きめ細やかな支援を行っていくことが重要であり、同センター及びハローワークによる支援の充実を図ることが必要。
・ また、医療機関によっては必ずしも就労支援機関との直接のつながりがない場合があり、時に医療機関の負担になる可能性がある。このため、就労分野においては、難病相 談支援センターが適切な支援機関につなぐ機能を果たすことが特に期待され、同センターの主要な役割の一つとして、位置付けていくことが重要。その際、難病患者等自身が、症状や配慮を要する事項等の関係情報について、難病相談支援センター、就労支援機関、企業等に対して説明することが難しい場合があり、適切な支援や配慮を受けにくい場合があることが指摘された。このため、こうした関係情報を整理し、円滑に関係者間で共有することができるようなツールの開発が必要である。 また、就労支援に当たっては、新規就労と就労継続の場合では、必要となる支援や関与する関係者が異なり得る。新規就労の場合には、指定医療機関と難病相談支援センターが連携し、ハローワーク等の就労支援機関につなぐことが重要である。就労継続の場合には、患者本人が希望する場合、可能な限り辞めずに済むよう、企業側の理解を得ていくことが重要であり、指定医療機関やハローワーク等の就労支援機関のみならず、産業医、産業保健総合支援センターとの連携が重要となることから、具体的な関係強化の取組を進めるべき。あわせて、中小企業にも配慮しつつ、企業に対する支援を行 っていく必要があり、例えば、企業に対し雇用管理における配慮事項等を周知するために、高齢・障害・求職者雇用支援機構の作成するマニュアル等の既存のものを含むツールの普及・活用を図っていく必要がある。
・ 難病患者の治療と仕事の両立支援→診断までに時間がかかったり、症状が 日によって不安定になったりする等の難病の特徴を踏まえるとともに、多様な働き方の 選択肢があることを念頭に置いて支援が行われるべきである。このため、様々な働き方 に関する事例を収集し、多面的な支援を展開する必要がある。
・ さらに、合同委員会及び本WGにおけるヒアリングを通じて、地域協議会に就労に関する部会を設置している地方自治体もあることが確認された。就労支援は、様々な関係者の連携が不可欠な分野であり、地域協議会をうまく活用する必要がある。なお、難病患者の雇用を促進する観点から、難病患者を障害者雇用における法定雇用 率の算定基礎に入れるかどうかという議論を労働政策審議会において始めるべきでは ないかとの意見もあった。

第6 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について
(これまでの状況)
・ 改正児童福祉法
→小児慢性特定疾病児童等自立支援事業が法定化され、実施が 開始された。相談支援事業に加えて、就職支援、きょうだい支援、学習支援 等を提供できる仕組みとなっており、小児慢性特定疾病児童及びその家族が抱える悩みを受け止める上で、意義のある事業である。
・ 他方で、都道府県等における実施が義務である相談支援事業は、ほぼ全ての都道府県等において実施されているが、任意事業の実施率は低い。任意事業は地域のニーズや支 援資源等の実情に応じた事業展開が可能であるという趣旨の事業であり、必要ではない という意味合いではないことを改めて意識する必要がある。未実施である理由としては、 実施方法が分からない、ニーズを把握してない、予算がない等を挙げる都道府県等が見られた。

(対応の方向性)
・ 小児慢性特定疾病児童等の自立を支援するためには、医療・保健・教育・福祉等の分 野の専門職を含む関係者が連携し、生活者の視点からも支援のあり方を考えるべきである。その際には、相談支援事業を通じて、小児慢性特定疾病児童等自立支援員等が患者及びその家族のニーズや課題を把握していくことがまず は重要であり、自立支援員の更なる資質の向上も必要となってくる。資質向上のために、 自立支援員の研修の在り方を見直すことが必要との意見もあった。また、医療費助成の 申請手続の機会等を活用したニーズ把握も重要。こうした取組を通じて把握した 個々のニーズや課題を地域の関係者で共有し、積み重ねていくことにより、地域における任意事業の企画及び実施につなげていく必要がある。
・ また、自立支援事業は、多様なニーズに応じた支援を行うことができる仕組みであり、 地域で切れ目のない支援を行うために、同事業と他の支援との連携を一層充実させることが重要である。例えば、学習に関する支援は非常に重要であり、地域の福祉関係者と教育関係者が連携し、同事業の学習支援を展開していくことが考えられる。また、小児慢性特定疾病児童のうち医療的ケアが必要となる児童のいる家庭では、きょうだいが孤独感を抱える場合もあり、同事業により対応できると 考えられるほか、小児慢性特定疾病児童を抱える保護者の就労問題への対応としての活用も考えられる。
・ 任意事業が未実施の理由として、実施方法が分からない等としている都道府県等があることから、引き続き、国において好事例を周知していくべき。また、任意事業 の現状や課題について分析するとともに、単なる好事例の周知に留まらない具体的な立 上げ支援など、さらに一歩踏み込んだ国の取組が必要である。
・ また、小児慢性特定疾病児童の中には医療的ケア児や障害児も一定程度含まれること から、小児慢性特定疾病対策と実施主体は異なるものの、医療的ケア児や障害児に関する施策との連携を促進すべきである。このため、国と地域のそれぞれのレベルにおいて、 担当者が情報や課題を共有する会議を行うなど、具体的に連携を強化する取組を行うことが重要である。特に、地域レベルにおいては、顔の見える関係づくりを進めるとともに、地域の課題を共有し、地域の状況を評価し、これを課題解決につなげていくために、 慢性疾病児童等地域支援協議会を活用することが重要である。しかしながら、当該協議 会の設置は十分に進んでおらず、こうした現状を踏まえて、国が地方自治体に対し、当 該協議会の意義について示すとともに、難病や医療的ケア児等の他の協議会と共同して 開催して差し支えないことについて、改めて周知すべきである。
・ 任意事業の活用を進めるためには、患者及びその家族への周知を強化することも必要 であり、医師や医療機関に事業の存在を知ってもらい、受療時に伝えてもらえるように することが効果的と考えられる。加えて、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業という 多様なニーズに応えられる仕組みがあることについて、医療機関、NPO法人等の地域の関係者に認識されることが、任意事業の立ち上げの促進に資すると考えられることから、個別の事業のみならず自立支援事業の仕組みについての周知が図られるべきである。
・ また、任意事業については実施主体ごとに取組状況に差があることから、同じ都道府 県内においても、地域により利用できるサービスが異なることもある。実施主体ごとに よる取組の差を解消するためにも、任意事業の共同実施を行う仕組みも必要であるとの指摘もあった。


◎参考資料 これまでに示された意見
https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/000581166.pdf
◯難病相談支援センターについて
◯地域協議会について
◯福祉支援について
◯就労支援について
◯小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について→現状、行政においては、障害児は障害分野、小児慢性特定疾病児童は保健分野、学校関係 は教育分野として必ずしも十分な連携が図られていない場合もある。関係分野が意識して取り組んでいくためにも、法的部分や、国からの文書等に、それぞれの連携ということが記載されることを望んでいる。

次回は、「社会保障審議会年金部会における議論の整理」からです
難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第5回) [2020年01月14日(Tue)]
難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第5回)(令和元年12月26日)
《議事》 (1) とりまとめ(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08690.html
◎資料1 難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループとりまとめ(案)
第1 はじめに
・ 難病対策→難病の疾病間で不公平感があることや、医療費助成について都道府県の超過負担の解消 が求められていること、難病に関する普及啓発が不十分なため、国民の理解が必ずしも十分でないこと、増加傾向にある難病患者の長期にわたる療養と社会生活を支える総合的な対策が不十分であることなど、様々な課題が指摘されていた。こうした中で、持続可能な 社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成 25 年法律第 112 号)に 基づく措置として、平成 26 年に難病の患者に対する医療等に関する法律(平成 26 年法律 第 50 号。「難病法」。)及び児童福祉法の一部を改正する法律(平成 26 年法律第 47 号。「児童福祉法改正法」。)が成立し、公平かつ安定的な医療費助成 の制度の確立、調査研究の推進等が図られることとなった。
・ 難病法→その基本理念として、難病に関する施策は、「難病の克服を目指し、 難病の患者がその社会参加の機会が確保されること及び地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生することを妨げられないことを旨として」「総合的に行わなければならない」理念のもとで、医療をはじめとした総合的な対策の充実 が図られてきた。
・難病法及び児童福祉法改正法の附則→施行後5年以内を目途とした見直し規定が置かれ、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会及び 社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合 同委員会(以下「合同委員会」。)において議論が行われ、2019(令和元)年6月 28 日に「今後検討するべき論点」が示された。この「今後検討するべき論点」に掲げられた論点について、専門的見地から、対応の具体的かつ技術的な方向性を検討するため、「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」及び「難病・小児慢性 特定疾病地域共生ワーキンググループ」が設置された。
・これを受けて、「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ」(「本WG」 という。)→同年9月から●回に亘り、当該論点のうち、難病患者及び小児慢 性特定疾病児童等の療養生活の環境整備、福祉支援、就労支援並びに小児慢性特定疾病児 童等自立支援事業について、検討を行ってきた。
・今般、合同委員会に報告すべき内容として、具体的な方向性についての本WGの考えを整理したので、ここに提示する。二つのWGで取り扱う事項は相互に関連するものもある ため、第2〜第6において引き続き検討すべきとした事項を中心に、両WGの報告を踏まえ、合同委員会において更なる検討が行われることを期待する。

第2 基本的な考え方
・難病患者及び小児慢性特定疾病児童等→地域において安心して療養生活及び日 常生活を営むことができるよう、共生社会を実現するための支援が不可欠。これまでも、難病相談支援センター、保健所、ハローワーク等の就労支援機関、患者会 等の関係者・関係機関等による支援が行われてきているが、難病患者及び小児慢性特定疾病児童等のニーズは、その疾患特性や個々の状況等に応じて、多様であることから、こう したニーズに適切に対応するために、地域における関係者の一層の関係強化を図っていく ことが重要である。

第3 療養生活の環境整備について
1 難病相談支援センターについて
(これまでの状況)
・難病相談支援センター
→難病法に基づく都道府県及び指定都市による事業、「難病の患者が地域で安心して療養しながら暮らしを続けていくことができるよう、難病の患者等に対する相談・支援、地域交流活動の促進及び就労支援などを行う拠点施設」として設置。2019 年2月時点で、都道府県及び指定都市に概ね1箇所(全国で 66 箇所)設置されており、地域の実情に応じて、自治体が直接 運営する方式、医療機関や患者・支援者団体に委託する方式等が採られている。 同センターにおいては、各種相談支援等を行う一般事業のほか、就労支援事業やピアサポートを行うこととされており、医療機関のみならず、ハローワーク等の就労支援機 関や患者団体と連携しながら、支援が行われ、保健師や看護師、社会福祉士の資格を持つ難病相談支援員が配置され、専門職による支援も行われている。
・ 同センターの利用状況に関するアンケート調査→同センターに相談したことのある難病患者の満足度は約8割と一定の役割を果たしている。他方で、同センターを「知らない」との回答が約4割あるとの結果が出ており、さらなる周知 が必要であると言える。 加えて、同センターに相談して「不満だった」と回答した患者の理由→「専門的知識・スキルのある人に対応してもらえなかった」が 約5割、「難病の辛さをわかってもらえなかった」が約4割との調査結果が出ており、 同センター自体の質の向上や地域の関係機関との関係強化を図ることが必要である。
(対応の方向性)
・難病患者のニーズは
、その疾患 特性や個々の状況等に応じて、多様のため、難病相談支援センターが単独で 全ての課題を解決することを目指すのは現実的ではなく、同センターが地域の関係機関を結ぶハブ的役割を担い、円滑に適切な支援につなげていくことを目指すべきである。そのためには、地域の特性を活かしつつ、難病相談支援センターによる支援の質の向上及び底上げを図り、患者のニーズに対応できる体制づくりを進めるとともに、難病患者や地域の関係者による同センターの認知度を高めていくことが必要である。
・ 難病相談支援センターの役割→都道府県及び指定都市に一箇所の設置であることを踏まえれば、専門性が求められる相談事項への対応やピアサポーターの養成といった保健所では対応が難しい分野において、役割を果たすことが求められるのではないかといった指摘や、ピアサポーターの処遇改善が必要であるとの指摘があった。同セ ンターによる支援に当たって、地域の実情に応じた独自性が発揮されることは望ましいが、同時に、どの地域においても、難病患者が適切に支援を受けられるようにすることが重要。そのため、国において、好事例の収集や比較を行うとともに、これを踏まえて地方自治体の取組を促すような具体的な方策について検討すべきである。また、 支援員に対する研修の充実等を通じて支援の向上を図ることが必要である。
・ 難病相談支援センターの周知促進→指定医療機関や難病診療連携拠点病院等へのポスター掲示、申請時のチラシの配布等や、都道府県等による指定医向け研修等の機会を活用した指定医や医療ソーシャルワーカーに対する周知が有効と考えられる。また、介護サービスを受けている難病患者もいることから、 地域包括支援センターやケアマネジャー等の介護関係者への周知も有効と考えられる。 さらには、難病情報センターに掲載されている難病相談支援センターの一覧情報に、各種支援内容を盛り込むなど、難病患者が理解しやすい公表も効果的であると考えられる。
・ あわせて、難病相談支援センター間の連携を促進することも重要。他方で、難病相談支援センター間のネットワークシステムは、地域ごとに相談の様式が異なることやシステム上の問題から、適切な活用ができていないとの指摘もあった。また、全国難病センター研究会研究大会等を通じた顔の見える関係の構築も、連携を促進するために は重要であるとの指摘もあった。
・ 地域の関係者との関係強化→合同委員会及び本WGにおいてヒアリングを行った難病相談支援センターは、いずれも地域協議会に参加。 地域の関係者間の顔の見える関係を作り、同センターが地域の関係機関のハブ的役割を果たしていくためにも、積極的に同協議会に参加することが望ましい。また、障害者施策に関する地域の協議会と連携していくことも重要である。

2 地域協議会について
(これまでの状況)
・ 難病対策地域協議会
→難病法において、都道府県、保健所設置市及び特別区は、単独で又は共同して、「難病の患者への支援の体制の整備を図るため」に関係機関等により構成される協議会を置くよう努めることとされている。また、構成員となり得る関係者として、医療関係者、保健所等、難病相談支援センター、 就労支援機関、教育関係者、患者・家族等が挙げられており、本WGでヒアリングを行った事例も、幅広い関係者により構成されていた。 2018(平成 31)年3月現在、地域協議会の全体の設置率は約7割。また、約 9割の都道府県が設置している一方で、保健所設置市及び特別区→それぞれ 約6割及び約4割の市・区しか設置していない状況。開催頻度→年に 1回程度開催している都道府県等が多いという意見があったが、ヒアリングを行った地方自治体においては、地域協議会本体の会合とは別途、部会や担当者レベルの会議が行われていた。
(対応の方向性)
・ 地域協議会の設置は、手段であって目的ではなく、地域において適切な支援を行って いくために、いかに地域協議会を活用していくかという視点が重要。特に都道府県レベルの地域協議会においては、地域の課題を共有し、地域の状況を評価し、これを課題解決につなげていく場としていくことが必要である。
・ こうした目的を達成するためには、地域協議会本体の会合のみならず、必要に応じて、 様々なレベルでの会合を持ち、頻度の高い意見交換を行うことが効果的で、地域協議会の設置を進めていくためには、地方自治体が必要性を認識すること が必要であり、難病患者のニーズ把握を進める中で、地域において取り組むべきことが 明らかとなり、設置が進むのではないかという指摘があった。 地域協議会の取組について、各地域のさらなる難病対策の促進に向け、国 からも地域協議会の活性化を促すような具体的な方策について検討すべきである。

次回もこの続き、資料1の「第4 福祉支援について」からです。
第15回社会保障審議会年金部会 [2020年01月13日(Mon)]
第15回社会保障審議会年金部会(令和元年12月25日)
《議事》 社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00018.html

◎参考資料1 年金制度改革等に向けた提言(令和元年 12 月5日 自由民主党社会保障制度 調査会・年金委員会・医療委員会)
T はじめに

・少子高齢化が急速に進む中で、将来にわたって制度を持続可能なものとするため、長期的な年金財政の枠組みが構築。平成 24 年の社会保障と税の一体改革による基礎年金国庫負担2分の1実現に要する恒久財源の確保等により、この財政フレームは完成し、その後、平成 26 年、 令和元年と2回行われた財政検証においては、経済成長と労働参加が進むケースでは、モデル年金の所得代替率 50%が確保できることが確認されている。
・平成 16 年改正の財政フレームを前提としつつ、 公的年金が高齢期の生活の基本を支える役割を適切に果たし続けられるようにしていくかが課題。
・こうした考え方の下、自由民主党社会保障制度調査会年金委員会→本年8月に 厚生労働省から発表された令和元年財政検証結果も踏まえ、公的年金制度の今後の方向性について精力的に議論を進めてきた。今般、以下の点について公的年金制 度についての改革を進めるよう提言する。

U.当面の年金制度改革の方向性
@多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大(勤労者皆社会保険制 度の実現を目指す)
A就労期の長期化による年金水準の確保・充実のための在職老齢年金制度の見直し、 年金受給開始時期の選択肢の拡大 を、将来の日本社会の変化を踏まえた改革として行うべき。 1.被用者保険の適用拡大
(1)短時間労働者への適用拡大
・ 国民年金→老後も一定の生計の手段を有し緩やかに引退する自営業者を想定してできた制度、現在は、パート労働者等、被用者でありながら国民年金加入 となっている者が、国民年金第1号被保険者の4割近くを占めている。被用者である者 には被用者保険を適用すべきとの考え方に立つと、このような者には被用者保険の適用を促進すべきである。
・ しかし、最終的には企業規模要件を撤廃することが望ましいものの、これを 一気に進めることによって、企業の存立そのものに影響を与えてしまっては、雇用も維持されない。中小企業は日本経済を支える基盤であり、中小企業への経営配慮は必須である。
今回の改正→50 人超規模の企業まで適用するスケジュールを明記する。具体的には、 2024 年 10 月に 50 人超規模の企業まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働者の保障を充実させるため、2022 年 10 月に 100 人超規模の企業 までは適用することを基本とする。50 人以下の企業についても、今回の改正が与える 影響に配慮しつつ、引き続き検討を進めるべきである。合わせて、中小企業の負担軽 減のため、生産性向上や労働者の処遇改善を行った場合の支援策も講ずるべきである。
・ 短時間労働者への適用要件のうち、労働時間要件については、まずは週 20 時間以上労働者への適用を優先するため、現状維持とする。月 8.8 万円の賃金要件は、最低賃金の水準との関係も踏まえて、現状維持とする。1年以上の勤務期間要件は、実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2ヶ月超の要件を適用。学生除外要件→本格的就労の準備期間としての学生の位置づけ等も考慮し、現状維持とする。
(2)非適用業種の見直し
・ 法人事業所は、業種や従業員規模にかかわらず適用事業所であるが、個人事業所の場合は、法定された 16 業種に該当する常時5人以上の従業員を使用するものに限られており、この 16 業種は、昭和 28 年以来、見直されていない。しかし、現行の非適用業種で働いている被用者も、被用者であることには変わりはなく、被用者である者には被用者保険を適用すべき考え方に立つと、個人にとって、適用事業所か否かで将来の年金給付が変わることは基本的に望ましくない。
・ 個人事業所を規模や業種によって非適用としているのは、事務負担が過重となるお それがある等の理由からであるが、5人以上の個人事業所のうち、弁護士・税理士・社会保険労務士等(※)の法律・会計事務を取り扱う士業については、他の業種と比べ ても法人割合が著しく低いこと、社会保険の事務能力等の面からの支障はないと考えられることなどから、適用業種に追加すべき。その他の業種についても、将来的 にさらなる適用拡大を検討すべきである。 ※ 弁護士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、 弁理士、公証人、海事代理士の10業種

(3)健康保険の適用拡大
・ 厚生年金保険と健康保険は、被用者保険として一体適用が原則となっており、これ までの短時間労働者に対する適用拡大と同様、被用者にふさわしい保障の確保や働き方や雇用に中立で公平な制度の構築といった医療保険における適用拡大の意義を踏まえ、健康保険についても一体として適用拡大することとする。 その上で、財政が厳しく適用拡大の影響が大きい健康保険組合に対しては、必要な支援を行うべきである。

2.就労期の長期化による年金水準の確保・充実
・ 平均余命が延伸するとともに高齢期の就労が急速に拡大している経済社会の変化 を踏まえると、高齢期における職業生活の多様化に応じた個々人の状況を踏まえた 年金受給の在り方について、就労期間の延伸を反映し、長期化する高齢期の経済基 盤を充実させる観点から、在職中の年金受給の在り方(在職老齢年金制度、在職中の年金改定)や年金受給開始時期の選択肢の拡大について見直しが求められている。

(1)在職中の年金受給の在り方(在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入)
・ 社会保険方式をとる公的年金制度→保険料を拠出された方に対し、それに見合う 給付を行うことが原則。こうした中、就労し、一定以上の賃金を得ている厚生年金受給者に対し、年金支給を一部停止する在職老齢年金制度は、現役世代の負担とのバランスから、一部の方々に年金給付を一定程度我慢してもらうという観点から設けられた仕組みであり、あくまでも年金制度の例外的な仕組みである。
・ その一方で、在職中に支給停止となる仕組みを撤廃し、又は緩和した場合には、その分年金財政からの支出が増加し、長期の財政均衡を図るために、報酬比例部分のマクロ経済スライドが長期化し、現行制度のままの場合と比べると最終的な所得代替 率が低下する。
・ また、在職老齢年金の支給停止の対象は、厚生年金の適用事業所で働く厚生年金 被保険者であり、自営業や、請負契約、顧問契約で働く収入や不動産収入を有する者は対象にならないといった、就業形態の違いによる公平性の問題も存在する。
・ このように、年金制度の中だけでこの問題を考えると、高所得で見直しの恩恵を受け る人とそれ以外の人との間の再分配の問題や、就業形態の違いによる公平性の問題が絡むこととなる。このため、高齢期の就労と年金をめぐる調整については、年金制度だけで考えるのではなく、税制での対応や各種社会保障制度における保険料負担等 での対応を併せて、引き続き検討していくこととする。
・ このような整理のもとで、就労期間を延伸して長期化する高齢期の経済基盤を拡充すべく、今般の制度改正→「65 歳以降の老齢厚生年金について在職定時改定の導入」「60〜64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金(低在老)の見直し」 を行うべきである。
・ 老齢厚生年金の受給権を取得した後に就労した場合、現在は、退職時や 70 歳到達時に初めて、受給権取得後の被保険者期間を加えて老齢厚生年金の額が改定され、年金額が増額されている。
・ しかし、高齢期の就労が拡大する中、就労を継続したことの効果を、退職を待たずに 早期に年金額に反映することで、年金を受給しながら働く在職受給権者の経済基盤 の充実を図ることは重要であると同時に、就労を継続する高齢者にとっても、それによる年金の充実の効果が実感しやすい制度となる。このため、65 歳以上の者について は、在職中から、年金額の改定を毎年行い、早期に年金額を増額させる、在職定時 改定を導入すべきである。
・ また、低在老については、就労に与える影響が一定程度確認されているという観点、 2030年度まで支給開始年齢の引上げが続く女性の就労を支援するという観点、また、 制度をわかりやすくする観点から、現行の 28 万円から 65 歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ 47 万円の基準に合わせる。

(2)年金受給開始時期の選択肢の拡大
・ 年金の受給開始時期は、現行制度でも 60 歳から 70 歳の間で選択できる。今後の更なる高齢期の就労の進展を踏まえると、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年 金受給の方法を、現行よりもさらに柔軟に選択できるよう、その選択肢を増やす観点から、上限年齢を、75 歳に引き上げるべきである。これに合わせて、繰上げ・繰下げの増 減率を、年金財政への中立を基本に最新の生命表等に応じたものに見直すべきである。
・ こうした選択肢の拡大により、例えば、働く意欲が高く健康で働いている高齢者は、 本人の選択により、受給開始時期を遅らせて増額した年金を受給できるようになり、高齢期の経済基盤を充実させることができる。また、被保険者として保険料を支払う高齢者の増加は、意欲を持って働いていただける方には、社会全体の支え手に回っていただくという全世代型社会保障の理念にかなうものであり、また、年金財政にとっても プラスの効果も期待できる。

3.その他の改正事項
・ 年金制度
→上記に挙げた改革事項以外も、より時代に合った制度とする 観点から、必要な制度改革を不断に検討すべき。
・ 脱退一時金制度は、短期滞在の外国人の場合は保険料納付が老齢給付に結びつ きにくいことがあるという問題があることから、社会保障協定が締結されるまでの当分の 間の暫定的・特例的措置として、平成6年改正により導入されたものである。現在は、 短期滞在の外国人に対して、支給上限を3年として、被保険者であった期間に応じて 支給されている。 一方で、本年施行された改正出入国管理法により、期間更新に限度のある在留資格における在留期間の上限が5年となった。また、制度創設当時と比べて、3年を超えて滞在する外国人が増加している。
・ こうした現状を踏まえると、脱退一時金制度→支給上限を5年に引き上げるべきである。
・ その他、厚生年金・健康保険の適用除外要件の見直し、未婚のひとり親等の申請全額免除基準への追加、年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会 の対象者等の見直し、国民年金手帳から基礎年金番号通知書(仮称)への切り替え、 厚生年金保険法における日本年金機構の調査権限の整備、年金担保貸付事業の廃 止等、業務運営改善に資する事項等も、今回の改正で行うべきである。
・ 私的年金についても、本年 10 月 29 日に私的年金ワーキンググループから出された 「私的年金制度改革に向けた提言」を踏まえ、公的年金制度改革にあわせて、高齢期 の就労が拡大する中で長期化する高齢期の経済基盤を充実できるよう、また、中小企 業を含むより多くの企業や個人が制度を活用して老後所得を確保することができるよう、 確定拠出年金(企業型DC、個人型DC(iDeCo))及び確定給付企業年金(DB)につ いて、必要な見直しを行うべきである。

V.結びに〜今後の課題〜
・ 今般の財政検証結果によると
、一定の経済成長と労働参加が進めば将来的に所得代替率 50%を確保できるものの、2階部分の厚生年金(報酬比例部分)よりも1階部分 の基礎年金について、マクロ経済スライドの給付水準調整期間が長期化している。これは、2階部分に比べて、1階部分の基礎年金の水準の低下が大きくなっていることを 意味しており、2階部分の厚生年金(報酬比例部分)と1階部分の基礎年金のバランス が変化することになる。これにより、厚生年金の制度に組み込まれている所得再分配 の機能が弱くなる。
・ 基礎年金は、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障する所得再分配機能を有する給付であることから、この再分配機能が大きく損なわれないようにしていくことは、 基礎年金のみを受給する者だけでなく、厚生年金の受給者にとって、その高齢期の 経済基盤の充実のために重要。
・ 当面は、厚生年金、基礎年金双方にマクロ経済スライドの調整がかかり、マクロ経済スライドの調整は時間をかけて徐々に給付水準を調整する仕組みであることから、緊急に何らかの措置を講じなければならないものではない。
・ 被用者保険の適用拡大は、その分国民年金の拠出金負担を減少させ、国民年金財 政を改善させて基礎年金のマクロ経済スライド調整の早期の終了に資することから、まずは被用者保険の適用拡大を進める必要がある。
・ また、基礎年金加入期間の 45 年への延長も、財源確保の課題はあるものの、中期 的な政策の選択肢として検討を続けるべきである。 さらに、基礎年金が、厚生年金と国民年金の被保険者が公平に拠出して支える仕組 みであることを踏まえつつ、報酬比例部分と基礎年金のバランスを確保して基礎年金 の所得再分配機能を維持していくため、どのような方策が可能か、引き続き検討するべきである。


◎参考資料2 人生 100 年時代戦略本部取りまとめ 〜人生 100 年時代の全世代型社会保障 改革の実現〜(令和元年 12 月 17 日 自由民主党政務調査会・人生 100 年時代戦略本部) →再掲のため割愛。
◎参考資料3 安心の全世代型社会保障の構築に向けて(中間提言)(令和元年 12 月 18 日 公明党全世代型社会保障推進本部)→再掲のため割愛。
◎参考資料4 全世代型社会保障検討会議中間報告(令和元年 12 月 19 日 全世代型社会保 障検討会議)→再掲のため割愛。

次回は、「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第5回)」からです。
第15回社会保障審議会年金部会 [2020年01月12日(Sun)]
第15回社会保障審議会年金部会(令和元年12月25日)
《議事》 社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00018.html
◎資料2 年金制度改正の検討事項→資料1を視覚化した資料。
◯2019(令和元)年財政検証結果を踏まえた年金制度改正について
・年金制度改正の主な内容↓
@多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大→「企業規模要件を段階的に引き下げる。(現行500人超→100人超→50人超)」「士業を個人事業所の場合の適用業種に追加」
A就労期間の延伸による年金の確保・充実→「現行の28万円から65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ47万円の基準に合わせる。」「(在職定時改定)を導入」「年金の受給開始時期の選択肢を、60歳から75歳の間に拡大」
B企業年金・個人年金制度の見直し

◎↓以下、年金制度改正のための詳細。
《被用者保険の適用拡大》↓↓

◯被用者保険の適用拡大に係る見直し案@A↓
【1】 短時間労働者への適用拡大
(1) 企業規模要件 ⇒ 今回の改正では、50人超規模の企業まで適用するスケジュールを明記。→2024年10月に50人超規模の企業まで適用し、その施行までの間にも、 できるだけ多くの労働者の保障を充実させるため、2022年10月に100人超規模の企業 まで適用。
(2) 労働時間要件(週20時間) ⇒ まずは週20時間以上労働者への適用を優先するため、現状維持とする
(3) 賃金要件(月8.8万円) ⇒ 最低賃金の水準との関係も踏まえて、現状維持
(4) 勤務期間要件(1年以上) ⇒ 実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2か月超の要件を適用する
(5)学生除外要件 ⇒本格的就労の準備期間としての学生の位置づけ等も考慮、現状維持
【2】非適用業種 ⇒ 弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業については、他の業種と 比べても法人割合が著しく低いこと、社会保険の事務能力等の面からの支障はないと考えられることなどから、適用業種に追加

◯被用者保険の適用拡大を進めるにあたっての基本的な考え方
◯短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大の概要
◯短時間被保険者数及び対象事業所の推移→どちらも増加。
◯短時間被保険者の性別・年齢階級別分布→適用拡大によって厚生年金加入となった者の多くは女性または高齢者
◯短時間被保険者の適用拡大以前の公的年金の加入状況→適用拡大によって厚生年金加入となった者のうち約4割が国民年金第1号被保険者で、その約半数が 保険料を免除または未納の状態であった。
◯週20時間以上・月収8.8万円以上の短時間労働者の公的年金の加入状況→被用者保険に加入していない短時間労働者の 中で、半数近くは国民年金第1号被保険者であり、第3号被保険者(被扶養者)の割合は約4分の1。
◯個人の働き方と社会保険の適用区分→P11〜12参照。
◯適用拡大の労働者への影響について
◯被扶養者にとっての被扶養認定基準(130万円)と被用者保険適用基準(106万円)
◯個々の企業における追加的な保険料負担のイメージ
◯適用拡大に伴う企業の雇用管理の見直し状況
◯業種別のパート労働者の雇用状況
◯前回の適用拡大の実績 (短時間被保険者数・事業主負担の業種別分布)
◯適用拡大に伴う負担増加割合(500人超企業における実績値)
◯企業規模ごとのパート等比率
◯中小企業基本法等における中小企業者の定義
◯被用者保険の適用事業所について
◯被用者保険の強制適用事業所の変遷
◯非適用業種別の法人・個人比率
◯非適用業種別の規模別法人割合
◯士業の法人化について

◯2019(令和元)年財政検証結果のポイント
◯オプション試算の内容
◯2019年財政検証オプション試算結果(オプションA)→
「被用者保険の適用拡大」が年金の給付水準を確保する上でプラス(特に、基礎年金にプラス)であることを確認
◯適用拡大による基礎年金水準の向上について
◯制度改正による所得代替率への影響 (2019年財政検証のオプション試算結果を基に機械的に計算)
◯適用拡大に関する検討規定→平成三十一年九月三十日までに検討。短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲の拡大。(法律の定め)
◯短時間労働者に対する適用拡大に関する最近の政府方針@
◯短時間労働者に対する適用拡大に関する最近の政府方針A
◯短時間労働者に対する適用拡大に関する最近の政府方針B
◯「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」について


《在職老齢年金制度の見直し》
◯在職老齢年金制度の見直し
→支給停止の基準額を28万円⇒現行の高在老と同じ「47万円」に引き上げる。
◯在職老齢年金制度の概要
・60歳台前半→基本的には就労期間であるところ、低賃金の在職者の生活を保障するために年金を支給する仕組み。
・ 65歳以降→下記の2つの要請のバランスの中で、高賃金の在職者の年金を支給停止する仕組み。 @働いても不利にならないようにすべき A現役世代とのバランスから、一定以上の賃金を得ている者は、年金給付を一定程度我慢してもらい、年金制度の支え手に回ってもらうべき
◯60歳台前半の在職老齢年金制度の状況
◯性別・年齢別 在職支給停止者数(60歳台前半の在職老齢年金)
◯「繰上げ受給する本来支給の老齢厚生年金」と「特別支給の老齢厚生年金」 に対して適用される在職老齢年金制度
◯65歳以上の在職老齢年金制度の状況
◯在職老齢年金制度が高齢者雇用に与える影響の分析
◯在職老齢年金制度と就労についての意識(年金制度に関する総合調査)


《在職定時改定の導入》
◯在職定時改定の導入について

◯報酬額別の在職年金受給者の分布から見る在職定時改定の効果
◯報酬額及び年金月額別の在職年金受給者の割合(65歳以上)


《受給開始時期の選択肢の拡大》
◯受給開始時期の選択肢の拡大

◯繰下げ受給の上限年齢の引上げ
◯繰上げ減額率・繰下げ増額率について
◯年金の繰上げ減額率・繰下げ増額率の算出方法について
◯年金の繰上げ減額率・繰下げ増額率の算出方法について(補足)
◯上限年齢以降に請求する場合の上限年齢での繰下げ制度
◯70歳以降に請求する場合の5年前時点での繰下げ制度
◯受給開始時期(繰上げ・繰下げ受給制度)について(現行)
◯繰上げ・繰下げ制度の利用状況
◯繰下げ受給が選択されにくい要因として考えられるもの
◯加給年金・振替加算を受給しつつ繰下げを選択する方法

《公的年金・私的年金の加入・受給の全体像》
◯公的年金・私的年金の加入・受給の全体像

《その他事項》
◯2か月以上の雇用が見込まれる者の被用者保険の早期加入措置
→雇用契約の期間が2か月以内であっても、実態としてその雇用契約の期間を超えて使用 される見込みがあると判断できる場合は、最初の雇用期間を含めて、当初から被用者保険の適用対象。
◯未婚のひとり親等の申請全額免除基準への追加→2021(令和3)年度分の個人住民税から、「単身児童扶養者」(未婚のひとり親)(前年の合計所 得金額が135万円以下であるものに限る(※))が、個人住民税の非課税措置の対象に加えられることとなったことに伴い、 国民年金保険料の申請全額免除基準においても対象に追加。「寡夫」も同じ。
◯脱退一時金制度の見直し→短期滞在の外国人の場合支給上限年数について、現行の3年から5年に引き上げる。
◯脱退一時金制度の概要
◯脱退一時金裁定件数の推移
◯年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し等
◯年金生活支援給付金の所得情報の切替時期の変更について→、給付金の所得情報の切替時期を10月〜翌年9月に変更
◯(参考)参照条文 ◎年金生活者支援給付金の支給に関する法律(抜粋)
◯国民年金手帳から基礎年金番号通知書(仮称)への切替え
◯(参考)参照条文 ◎年金手帳の様式を定める省令(抜粋)
◯厚生年金保険法における日本年金機構の調査権限の整備
◯(参考)参照条文◎厚生年金保険法(抜粋)
◯年金担保貸付事業の廃止
◯年金担保貸付事業の廃止の経緯
◯年金担保貸付事業 貸付実行者数の推移等
◯年金担保貸付事業に代わる事業

◆年金のこれまでの流れ、マクロ経済スライド、オプション試算↓
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/introduction/index.html
(↑第0話→第12話まで。とても参考になりますよ。)

次回は、年金部会の「参考資料」からです。