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難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ(第5回) [2019年12月31日(Tue)]
難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ(第5回)(令和元年12月19日)
《議事》(1) とりまとめ(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08520.html
◎資料1 難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループとりまとめ(案)
第1 はじめに
・ 難病対策
→昭和 47 年の「難病対策要綱」の策定から約 40 年にわたり予算事 業として研究事業や医療費助成等の取組が行われてきた。様々な課題が指摘されていた中で、持続可能な 社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成 25 年法律第 112 号。「プログラム法」。)に基づく措置として、平成 26 年に難病の患者に対する医療 等に関する法律(平成 26 年法律第 50 号。以下「難病法」という。)及び児童福祉法の一 部を改正する法律(平成 26 年法律第 47 号。「児童福祉法改正法」。)が成立 し、公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立、調査研究の推進等が図られることとなった。
・ 難病法の基本理念の難病に関する施策→「難病の克服を目指し、 難病の患者がその社会参加の機会が確保されること及び地域社会において尊厳を保持し つつ他の人々と共生することを妨げられないことを旨として」「総合的に行わなければな らない」こととされており、この理念のもとで、医療をはじめとした総合的な対策の充実 が図られてきた。
・ 難病法及び児童福祉法改正法の附則→施行後5年以内を目途とした見直し規 定が置かれ、当該規定を踏まえ、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会及び 社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合同委員会において議論が行われ、令和元年6月 28 日に「今 後検討するべき論点」が示されたところ。この「今後検討するべき論点」に掲げられた論 点について、専門的見地から、対応の具体的かつ技術的な方向性を検討するため、「難病・ 小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」及び「難病・小児慢性特定疾病地域共 生ワーキンググループ」が設置された。
・ これを受けて、「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」においては、同年8月から●回に亘り、当該論点のうち、医療費助成制度、 医療提供体制及び調査・研究のあり方について、検討を行ってきた。
・ 今般、合同委員会に報告すべき内容として、具体的な方向性についての本WGの考えを 整理したので、ここに提示する。二つのWGで取り扱う事項は相互に関連するものもある ため、第2〜第5において引き続き検討すべきとした事項を中心に、両WGの報告を踏まえ、合同委員会において更なる検討が行われることを期待する。

第2 基本的な考え方
・ 引き続き、難病法の基本理念にのっとり、難病の克服を目指し、難病の患者が長期にわ たり療養生活を送りながらも社会参加の機会が確保され、地域で尊厳を持って生きること ができるよう、共生社会の実現に向けて総合的に施策が講じられるべきである。
・ そのうち、医療費助成→ @ 治療方法の開発等に資するため、難病患者データの収集を行い、治療研究を推進する という目的 A 効果的な治療方法が確立されるまでの間、長期の療養による医療費の経済的な負担が 大きい患者を支援するという福祉的な目的 を併せ持つものとして、広く国民の理解が得られる公平かつ安定的な仕組みとなるよう、 必要な財源を確保しつつ、法制化されたものである。
・ 今回の見直し→難病法の基本理念や法制定時に整理された上記の基本的考 え方に則って検討を行うことが適当である。
・ また、難病法及び児童福祉法改正法の成立時の附帯決議において示された事項に関し、 法施行後の状況を踏まえ、運用面も含む取組のあり方について検討することが適当である。

第3 医療費助成制度について
1 対象疾病について
(これまでの状況)

・ 指定難病の追加の検討→法施行後に新たに設置された指定難病検討委員会において、各疾病が指定難病の各要件を満たすかどうか医学的見地から検討を行い、当該各 要件を満たすとされた疾病について、指定難病の指定を行ってきた。 これにより、医療費助成の対象となる疾病(指定難病)は、法制定前の 56 疾病から 333 疾病へと大幅に拡大。この拡大により、より多くの疾病について、その臨床データの収集が可能となり、今後の治療研究の推進が期待され、長期の療養による経済的な負担への支援が図られるようになった。
・また、難病法制定時の議論においては、制度の持続可能性・安定性を確保するため、効 果的な治療方法が確立するなどの状況の変化が生じた疾病については、定期的に評価し、見直すこととされている。 児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病対策は、児童の健全育成の観点から、慢性に経過 する疾病であること等の要件に該当する疾病を対象として実施されている。難病法制定と 同時に行われた児童福祉法の改正後、医療費助成の対象疾病について、児童福祉法改正前 の 516 疾病から 762 疾病へと着実に拡大されるとともに、シームレスな医療体制の構築に 向けて移行期医療支援センターの整備に向けた取組や、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の創設といった自立支援の強化のための取組が行われてきた。
(対応の方向性)
・ 今後も、公平かつ安定的な仕組みとするため、制度創設時の考え方に基づき、指定難病 の各要件を満たすと判断された疾病について、指定難病に指定することが適当。他方で、診断基準が確立していない等、指定難病の要件を満たさないと判断された疾病や、各要件の該当性を判断するに足る情報が収集されていない疾病については、研究事業により、必要に応じ、当該疾病に関する調査研究を支援するべき。
・既に指定難病に指定されている疾病→指定難病検討委員会における研 究進捗状況のフォローにより、治療成績の改善状況等を評価していく必要がある。その上で、将来的には、フォローの結果、調査研究及び医療技術の進展による治療方法の進歩に伴い、長期の療養を要しなくなる等、指定難病の要件に合致しない状況が生じていると判断される場面も出てくることが想定される。こうした場合には、医療費助成の趣旨・目的に照らし、対象疾病の見直しについて検討することが適当ではないかとの指摘があった。 また、「指定難病の要件に合致しない状況が生じている」の判断に当たっては、附帯決議 の内容も踏まえ、指定難病検討委員会において指定難病の要件に該当しているかどうかを 総合的に判断することが妥当と考えられるが、具体的には、上記のフォロー結果を踏まえて検討される必要がある。見直しを行う際には、一定の経過措置等について検討することが妥当であるとの指摘もあった。
・ 小児慢性特定疾病児童等の成人移行(いわゆるトランジション)への対応については、 難病法制定以前からの課題であり、今回の見直しにおいて取組の改善が図られる必要があ る。上述のとおり、これまでも、指定難病の対象疾病数の拡大、移行期医療支援センター の設置、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の創設など、成人期に向けた切れ目のない 総合的な支援が行われてきたが、一層の強化が求められる。
・ 医療費助成→まずは小児慢性特定疾病のうち指定難病の要件を満たすものについて、対象から漏れることのないよう、着実に指定難病に指定していくことが重要。そのためには、国において、指定難病に指定されていない小児慢性特定疾病について、 患者の実態把握や客観的指標に基づく診断基準等の確立のための調査研究をを強化していくべきである。
・ 加えて、希少な疾病を対象とする指定難病の医療費助成の対象とならない場合であって も、小児期から成人期にかけてシームレスに適切な医療が受けられる体制づくりや、福祉 や学習等の支援が受けられるようにすることが必要である。そのため、第4において後述 する移行期医療に関する体制整備を一層促進するとともに、別途、地域共生WGで議論さ れている小児慢性特定疾病児童等の自立支援について強化を図る必要がある。

2 対象患者の認定基準について
(これまでの状況)

・ 患者の認定基準(重症度基準)→プログラム法において、新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度を確立するため、その見直しについて検討するものとされた。これを踏まえ、難病法制定時の難病対策委員会での様々な議論を経て、その報告書で「広く国民に理解を得る観点から、対象疾患に罹患している患者であって、日常生活又は社会生 活に支障がある者とすることが適切である。すなわち、医療費助成の対象は、対象疾患に罹患している患者のうち、症状の程度が重症度分類等で一定程度以上である者とする。」とされたところ。
・ 難病には様々な種類の疾病があり、症状も多様であることから、現行の基準は、前述の 法制定時の考え方に基づき、厚生労働省の告示において「個々の指定難病の特性に応じ、 日常生活又は社会生活に支障があると医学的に判断される程度」とされている。これに基づき、疾病を新たに指定難病に指定する際には、当該疾病の認定基準についても、指定難 病検討委員会の意見を聴いて、疾病ごとに個別に設定している。これにより、指定難病に指定された全疾病に対し認定基準が導入され、指定難病間や他の疾病との公平性が確保されるとともに、制度の持続可能性・安定性が確保されることとなった。
・ 他方で、難病法の施行後、医療費助成の対象疾病が 56→333 疾病へと大幅に拡 大される中で、各疾病が追加される度に個別に認定基準を設定してきた結果、類似の症状を呈する疾病間で基準に差異があるといった状況が生じている。
(対応の方向性)
・ 認定基準が導入された経緯や、制度の持続可能性・安定性、疾病間の公平性を考慮する と、今後も認定基準の仕組みを維持することが適当である。
・ その上で、難病法施行後の状況も踏まえつつ、現行の認定基準について、医学的観点か らより公平なものとなるよう、見直しが行われる必要がある。指定難病には、様々な症状 等を呈する疾病が多くある中で、異なる疾病であっても一部に同様の症状等が見られるこ とが多くある。これを踏まえると、対象疾病間の公平性を確保する観点から、まずは、同 様の症状等を評価する場合には、可能な限り当該症状等を評価する客観的指標の標準化を 図ることが適当である。また、基準の見直しについては、あくまでも医学的観点から必要 な範囲で行われるものであることから、基準の設定時と同様に、難治性疾患政策研究班や 関連学会からの情報を基に、指定難病検討委員会において行われることが妥当である。

3 患者の自己負担について
(これまでの状況)

・ 医療費助成の患者負担の在り方→プログラム法や、法制定時の難病対策委員 会の取りまとめに基づき、「病気がちであったり、費用が高額な治療を長期にわたり継続 しなければならない患者(高齢者、障害者等)を対象とする他制度の給付との均衡を図る」 観点から、現行の給付水準(自己負担額)が設定されているところである。
(対応の方向性)
・ 自己負担の水準を考えるに当たっては、月ごとの自己負担限度額のみならず、自己負担 割合や対象となる医療の範囲等の要素を総合的に勘案して、検討していくことが必要。
・ その上で、前述のとおり、現在の自己負担限度額は、制度の持続可能性・安定性の観点 から定められたものであり、難病法の施行後、現時点において特段の事情変更があるとま では言い難い。他方で、自己負担の水準→客観的なデータに基づいた議論が必要のため、引き続き、現行の水準を維持しつつ、国において、必要なデータ収 集を行っていくべき。また、その結果を踏まえて議論する際には、一人当たりの公費による給付額の推移、医療費助成の受給の実態等も留意しつつ、制度の持続可能性・安定性を確保することが必要。

4 患者の利便性の向上・自治体の事務負担の軽減について
(1)医療費助成の対象とならない患者の登録ついて
(これまでの状況)

・ 第2の基本的な考え方において言及したとおり、指定難病の医療費助成は、研究目的の 要素を併せ持つものである。他方で、現行の仕組みでは、医療費助成の申請を行った者で あって、データの登録に同意した患者のデータのみしか登録されておらず、悉皆性を有す るデータベースとはなっていない。
・また、データ登録の方法は、現行の仕組みにおいては、医療費助成の申請時に、患者か ら地方自治体に対し提出された臨床調査個人票について、地方自治体がそのコピーを登録 センターに送付する仕組みとなっており、患者や地方自治体の事務負担が課題となっている。 (対応の方向性)
・ 研究を促進する観点からは、医療費助成の対象とならない患者についても、データを登 録することができる仕組みを設けることが望ましい。 〇 こうしたデータ登録の仕組みを設けることは、患者や医師、医療機関、研究者、行政(国・ 地方自治体)といった関係者にとって、研究が促進され治療方法の開発に資する、福祉支援等の他の支援が患者に行き届きやすくなるといったメリットをもたらすことが期待される。他方で、新たな仕組みの導入は、各関係者の負担の増大につながることから、メリットと負担のバランスを十分に考慮した上で、仕組みを構築することが必要となる。具体的な仕組みの構築に当たっては、データの登録や登録されたデータの管理等のためのシステム開発に係る技術的な課題への対応も踏まえて、引き続き国において検討を進める必要 があるが、その際には、次のような視点を踏まえるべきである。↓↓

@ 指定難病患者にとって、過度な負担を課さないものであること。 具体的には、登録する項目又は登録の頻度について、毎年、臨床調査個人票の 記載事項を登録することとされている現行の医療費助成と比べて、負担軽減が図 られるべき。また、検討に際しては、この登録の仕組みが、研究を促進するためのものであるとの目的を踏まえた議論が必要。
A データの提供は、患者の同意を前提としたものであること。 希少な疾病である指定難病の特性を踏まえれば、現行の医療費助成と同様に、患者の同意を前提とし提供が行われるべき。同意の取得方法→患者に対し丁寧な説明が必要、指定医が同意を取ることが望ましいが、 その場合は指定医にとって過度な事務負担とならないよう配慮すべきである
B データの登録が促進される工夫を行うこと。 具体的には、データ提供を行った患者に対し、指定難病患者として臨床データ が国のデータベースに登録されたことを証する「指定難病登録者証」(仮称)を発行することについて、検討すること。また、「指定難病登録者証」(仮称)を有する 患者については、各種福祉サービスが円滑に利用できるように運用上の工夫を行 うとともに、例えば、急な重症化がみられた場合にも円滑に医療費助成が受けら れる仕組みを設けることについて検討するべきである。あわせて、提供したデー タの研究における活用状況や成果について、患者側にフィードバックする等、患者側がデータ登録の意義を理解しやすい仕組みを設けることも重要である。
C 登録の仕組みを構築する前提として、データ登録におけるオンライン化を早急 に進めること。 新たな登録の仕組みを設けるに当たっては、特に地方自治体の負担が増大する ことが見込まれる。その軽減を図るため、まずは現行の仕組みのオンライン化を 進めることが必須であり、国において、ロードマップを検討し、早急に具体的な 取組を進めるべき。また、オンライン化の実現に当たっては、都道府県等による登録センターへのデータ登録のみならず、指定医が診断時に直接データの登録を行う仕組みについても検討すべき。

・ なお、文書料(化)については、他の公費負担医療制度においても、生活保護等を除き、自己 負担とされていることを踏まえると、国の仕組みとしては、現在の形を維持することはや むを得ない。他方で、医療費助成の対象となっている患者を含め、データの登録が促進さ れるよう、研究の意義の周知に加えて、医療費助成以外の支援を含む支援について周知の 強化を図るなど、工夫が行われる必要がある。

(2)医療費助成の実施主体について
(これまでの状況)

・ 医療費助成に係る事務の実施主体に関しては、より身近な地域で支援を行うべきとの観 点を踏まえて、平成 30 年4月1日から、都道府県に加えて指定都市も加わった。 また、難病法制定時の附則において、実施主体の在り方について、施行状況等を勘案しつつ、検討を行うこととされている。
(対応の方向性)
・ 医療費助成の実施主体→希少な疾病である指定難病に関する審査業務につい ては専門性を確保する必要があること、指定医の異動に伴う再指定に係る業務負担への配 慮が必要であること等の事務的な側面に加えて、希少な疾病である指定難病患者に対し適 切な支援を行う観点からも、一定程度、広域的な地方自治体において事務を担うことが適 当である。そのため、引き続き、都道府県及び指定都市が事務を行うことが妥当である。
・ なお、患者の利便性の観点からは、中核市等のより身近な地方自治体において事務を担 うべきであるとの意見もある。しかしながら、現在も、申請書の受理や申請書の記入漏れ の確認、申請内容の事務的な確認といった、支給認定に直接は関連しない事務については、 都道府県から委任を受けている中核市が多く、当面は、こうした委任を進める形で、利便性の向上を図ることが患者側・地方自治体側双方にとって望ましい。

第4 医療提供体制について
(これまでの状況)

・ 難病の医療提供体制→平成 28 年 10 月に難病対策委員会においてとりまとめられた報告書において、その基本理念として、@できる限り早期に正しい診断ができる体制、A診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制、B遺伝子関連検査について、倫理的な観点も踏まえつつ実施できる体制、C小児慢性特定疾病児童等の移行期医療を適切に行うことができる体制が示されたところ。
・ これを踏まえ、都道府県が指定する難病診療連携拠点病院や難病診療分野別拠点病院が 中心となり、特に診断や治療が困難な例については、難病医療支援ネットワークと連携し ながら、より早期に正しい診断がつくよう整備が進められてきた。令和元年 10 月1日現 在、難病診療連携拠点病院→ 37 都府県(70 医療機関)、難病診療分野別拠点病 院→ 18 県(45 医療機関) において整備されている。
・ 遺伝子診断体制→令和元年9月現在、指定難病のうち 60 疾病については、 その診断のための遺伝学的検査が保険収載されているほか、難治性疾患実用化研究事業において、診断がつかない疾患(未診断疾患)に関する研究(未診断疾患イニシアチブ (Initiative Rare and Undiagnosed Disease。以下「IRUD」という。))や既知の難 病に関する研究が行われ、必要に応じて、遺伝子解析が行われている。
・ また、診療科・医療機関間の調整等を行うなど、移行期医療支援の拠点的役割を担う機関→平成 31 年4月現在、3箇所(埼玉県、千葉県、大阪府)設置されている。
(対応の方向性)
・ 難病患者がどこに暮らしていても、疾病の特性に応じて早期の診断がつき、適切な治療 が受けられるようにするために、まずは難病診療連携拠点病院の各都道府県における設置 を目指すべきである。その上で、重症患者の入院施設の確保を図る観点から難病診療連携 コーディネーターや難病診療カウンセラーの役割を十分に生かし難病診療分野別拠点病 院、難病医療協力病院との連携を図っていく必要がある。 また、治療方法が確立しておらず、中には診断がつきづらい疾病も少なくない難病分野 において、ゲノム医療の推進は重要。このため、遺伝学的検査の分析的妥当性、臨床的妥当性、臨床的有用性を確保しつつ、通常の診療の中で必要な遺伝子検査が適切に行 われるよう、引き続き、保険診療の対象となる疾病を検討していくことが重要である。加えて、「経済財政運営と改革の基本方針 2019〜「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦」 (令和元年6月 21 日閣議決定)における記述(※)を踏まえ、別途、国において具体的な 実行計画を定めるための議論を行い、取組を進めていくべきである。 ※「ゲノム情報が国内に蓄積する仕組みを整備し、(略)全ゲノム解析等による難病の早期診断に向けた研 究等を着実に推進するため、10 万人の全ゲノム検査を実施し今後 100 万人の検査を目指す英国等を参考 にしつつ、これまでの取組と課題を整理した上で、数値目標や人材育成・体制整備を含めた具体的な実行 計画を、2019 年中を目途に策定する。」
・ なお、ゲノム医療の推進→遺伝子検査の結果により、患者やその家族が不 利益を被ることがないようにすべきとの指摘があった。
・ 移行期医療→本WGで行われたヒアリングの中で、疾病特性に応じて、移行期医療において抱える課題は大きく異なるとの指摘があった。また、子ども病院と総合病 院の地理的な距離等の地域ごとの特性によっても、課題が異なる。まずは国において、その実態や課題の把握を行い、今後の移行期医療支援センターの設置促進のための対応について、財政支援のあり方を含め、検討すべきである。

第5 調査及び研究について
(これまでの状況)

・ 難病法の施行後、データベース(「DB」)が構築され、当面の利活用と して、患者からの同意に基づき、厚生労働省が補助を行う研究班等に対しデータの提供が開始された。小児慢性特定疾病についても、DBが構築され、医療費助成の対象となっている児童等について、同意に基づくデータの提供が行われている。令和元年 10 月には、 第1回指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの提供に関するワーキン ググループが開催され、研究班等に対するデータ提供の手続が始まっている。なお、指定 難病患者DB及び小児慢性特定疾病児童等DBのデータ提供については、ガイドライン に基づき行われているが、同ガイドラインの策定に向けて行われた有識者会合において、 その提供先について、将来的には、当面の利活用の状況及び患者のご意見等を踏まえつつ、 拡大を検討することとしてはどうかとの議論がなされている。
・ 平成 30 年の合同委員会の議論→「中長期的な課題」として、指定難病患者DB 及び小児慢性特定疾病児童等DBの統一化や、保健医療分野の他の公的DBとの連結解析の仕組みの構築等が指摘されている。他方で、保健医療分野の他の公的DBについては法 律上の根拠規定の整備が進む中で、指定難病患者DB及び小児慢性特定疾病児童等DBは、 現在の難病法及び児童福祉法上に規定が置かれていない。
(対応の方向性)
・ 個人情報保護に十分に配慮しつつ、NDB等の他の公的DBとの連結解析データなど治 療研究に有用なデータの提供が促進されるよう、指定難病患者DB及び小児慢性特定疾病 児童等DBについて法律上の規定を整備し、収集・利用目的・第三者提供のルール等を明 確に定めるべきである。その際には、希少な疾病である指定難病の特性に配慮しつつ、既 に法律上に規定が設けられているNDB等のルールを参考にして、所要の措置を講ずるべき。
・ 併せて、技術的には、連結解析に当たって、研究に必要な精度を保つ観点から確実性・ 正確性を確保することが必要であり、そのために個人単位化される被保険者番号の履歴を 活用した連結をすべきである。また、連結解析に当たっては、個人情報保護の観点から匿 名性を担保するため、所要の措置を講ずるべきである。
・ また、現在の難病法においては、調査研究に関しては、「国は、(略)難病の発病の機構、 診断及び治療方法に関する調査及び研究を推進するものとする」とされているが、調査研 究を推進するためには、できる限り多くの指定難病の患者から調査研究の意義について理 解を得られることが重要である。また、患者から登録されたデータが円滑に登録センター に集積されることが必要であり、臨床調査個人票等を受理し同センターに送付する地方自 治体の取組も重要となる。そのため、こうした患者の理解や地方自治体の取組の重要性を 念頭に置きつつ、調査研究に関する規定のあり方について、引き続き合同委員会において 検討し、必要に応じて、対応がなされることが望ましい。

◯難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ 議論の経過
◯難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ及び 難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループの 開催について
◯難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ構成員名簿

次回は、「新年のあいさつ」からです。
第6回 障害児入所施設の在り方に関する検討会 [2019年12月30日(Mon)]
第6回 障害児入所施設の在り方に関する検討会(令和元年12月18日)
《議事》(1)障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書(案)について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08451.html
◎参考資料1 障害児入所施設の概要
◯障害児入所支援の概要
→平成24年度から「障害児入所 施設」として一元化し、重複障害等への対応の強化を図るとともに、自立に向けた計画的な支援を提供。 従来の事業形態等を踏まえて、@福祉型障害児入所施設、A医療を併せて提供する医療型障害児入所 施設の2類型。
・医療型障害児入所施設
・福祉型障害児入所施設
◯平成24年児童福祉法改正による障害児施設・事業の一元化について→障害児支援の強化を図るため、従来の障害種別で分かれていた体系(給付)について、通所・入所 の利用形態の別により一元化。→障害児通所支援(児童発達支援 ・医療型児童発達支援 ・放課後等デイサービス ・居宅訪問型児童発達支援 ・保育所等訪問支援) が【市町村】に一元化。障害児入所支援(福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設)は【都道府県】。
◯18以上の障害児入所者への対応→:障害保健福祉関係主管課長会議(平成24年2月20日実施)→3つの方向性を選択。重症障害児施設の対応も同様。
◯15 障害児支援について→(4) 障害児入所施設の移行について※障害保健福祉関係主管課長会議(平成29年3月8日実施)資料より抜粋↓↓
【福祉型障害児入所施設】→平成 33 年3 月 31 日まで
入所者の年 齢や状態に応じた適切な日中活動を提供していくことを前提に、医療型障害児【医療型障害児入所施設等】→入所施設等 と療養介護の両方の指定を同時に受ける、現行のみなし規定を恒久化する。


◎参考資料2 障害児入所施設の現状
1.障害児入所施設の現状
→障害児入所施設 指定事業所数、児童数
2.入所児童年齢→福祉型、医療型
3. 入所経路→福祉型、医療型共に家庭からが一番多い。 続いては、福祉型は、児童相談所一時保護、児童養護施設、乳児院となっている。 医療型は、GCU、病院の医療機関、他の医療型入所施設、乳児院からの入所となっている。
4. 入所理由→措置では、福祉型、医療型ともに虐待(疑いあり)、保護者の養育力不足が多い。契約では、福祉型、医療型 ともにその他が最も多く、次いで保護者の養育力不足が多い。なお、保護者の養育力不足には、障害の状態により、家庭での養 育が困難という場合も含まれていると考えられることに留意する必要がある。
・その他(自由記述)の内訳
5.合併障害の割合↓
・知的障害児施設→自閉症を主とする「発達障害」児もしくは「発達障害」を伴う児が多い傾向がある。
・施設種別→「盲ろう児を主な対象とする」施設においても、視覚、聴覚だけでなく、知的障害を合併する、あるいは知的障害が主な障害である児童が多く、発達障害を合併する児童も存在する。
・「肢体不自由児を主な対象とする」施設→福祉型、医療型のいずれにおいても、知的障害のある児童が多数。福祉型肢体不自由児施設→重症心身障害児が14.5%であり、医療型肢体不自由児施設→重症心身障害児が40%である。
6. 被虐待児童→入所児童のうち被虐待児は、全体では入所児童の31.5%である。
7. 児童養護施設における障害等のある児童の増加→児童養護施設は28.5%が障害あり。
8.家庭外泊、帰省の状況→は外泊、帰省なしが措置では51%、契約15%。加えて、年に1 〜2回程度が措置、契約共に28%となっている。理由として一番多いのは、家庭状況から帰せない57%。
9. 移行先→福祉型は障害者入所施設、家庭、共同生活援助への移行が多い。医療型 は家庭復帰が最も多く、次いで療養介護への移行となっている。
10. 18歳以上で引き続き入所している者の現状(福祉型)→平成30年1月時点では1,652人 だったが、平成31年3月時点では1,500人となっている。主に知的障害児施設に在籍 している。
・18歳以上で引き続き入所している者の現状(福祉型)(都道府県別)→
・障害児入所施設(主に知的)の18歳以上で入所している者の推移
11.入所児童の障害種別(福祉型)
・入所児童の障害種別(医療型)
12.在籍年数(福祉型)
・在籍年数(医療型)
13.都道府県別措置と契約 割合(福祉型)
・都道府県別措置と契約 割合(医療型)

◆障害児入所施設の在り方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai_321418_00001.html

次回は、「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ(第5回)」からです。
第6回 障害児入所施設の在り方に関する検討会 [2019年12月29日(Sun)]
第6回 障害児入所施設の在り方に関する検討会(令和元年12月18日)
《議事》(1)障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書(案)について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08451.html
◎資料1 障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書案(見え消し版)
今までの論議での「修正点」「付け加え」は、前回同様赤字で書かれています。
◎資料2 障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書案(とけこみ版)
1.はじめに
障害児入所施設→
平成 24 年に「福祉型」と「医療型」の2つに分類。平成 26 年7月「今後の障害児支援の在り方について」で、1)発達支援機能、2)自立支援機能、3)社会的養護機 能、4)地域支援機能、の4つが整理された。
障害児入所施設に入所する児童の状況→被虐待児(疑いを含む)の割合が3割を超えるなど、社会的養護を必要とする児童が多く含まれている。平成29年8月 「新しい社会的養育ビジョン」→障害児入所施設も社会的養護の役割を担っているという認識を深める必要もある、とされている。 これに加え、喫緊の課題→18歳以上の障害児入所施設入所者への対応(いわゆる 「過齢児問題」)。→福祉型については、現に18歳以上の入所者が1,500人 、障害児入所施設の指定を受けていることをもって障害者支援施設の指定基準 を満たすものとみなす措置が令和3年3月31日まで、この措置の在り方について検討する必要。
 本検討会では、以上のような経緯や状況等を踏まえつつ、現在の障害福祉施策や社会的 養護施策等の動向、さらには障害児入所施設の実態等を考慮して、上述の「今後の障害児 支援の在り方について」で整理された4つの観点を中心に、障害児入所施設の在り方に関する検討を行ったもの。これまで、関係団体からのヒアリングを含め、検討会を7 回、福祉型・医療型のワーキンググループを各4回にわたり開催し、議論を重ねてきた。 その結果としてここに報告書をとりまとめる。
2.障害児入所施設の現状
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課障害児・発達障害者支援室調べ→平成31年3月時点、施設数は福祉型が260施設、医療型が268施設、入所児童(18歳以上で引き続き入所している者を含む。)数は福祉型が6,944人 (うち18歳未満5,444人、うち18歳以上1,500人)、医療型が21,424人(うち18歳未満 3,283人、うち18歳以上18,141人)。 このうち、福祉型の多くを占める旧知的障害児入所施設について、18歳以上の入所児童数の推移→日本知的障害者福祉協会の調査によれば、平成24年時点1,809人であったものが、平成29年度には1,204人で減少傾向にある。 入所経路→福祉型、医療型ともに家庭からが最も多く、ともに過半数を超えている。続いて、福祉型は、児童相談所一時保護所、児童養護施設、乳 児院からの順となっており、医療型は、GCU(新生児治療回復室)、医療機関、他の医療 型障害児入所施設からの順となっている。
入所児童に占める被虐待児の割合→平成28・29年度厚生労働科学研究事業「障害児入所支援の質の向上を検証するための研究」報告書によれば、福祉型で3割から5割程度、医療型で1.5割から4割程度となっており、全体では3割強、 入所児童の措置と契約の割合を見ると、福祉型では、措置 66%、契約 34%。医療型では、 措置 29%、契約 71%。 家庭環境などを主に調査した入所理由→福祉型、医療型ともに、措置では虐待(疑いあり)が最も多くなっており、福祉型で43%、医療型で48%を占めている。 ついで、保護者の養育力不足→福祉型36%、医療型で35%。また、契約では、その他を除くと保護者の養育力不足が福祉型、医療型ともに最も多い。
入所児童の在籍年数→18 歳でみた場合、福祉型では、1年未満6%、1年以上 2年未満 11%、2年以上3年未満 24%、3年以上4年未満 11%、4年未満で約半数となっている。他方で、在籍年数が 20 年以上となっている 30 代、40 代、50 代の 入所者も一定数存在。また、医療型では、18 歳以上の入所者が多くなっている。
障害児入所施設における職員の配置→平成 28・29 年度厚生労働科学研究事業 「障害児入所支援の質の向上を検証するための研究」報告書によると、福祉型障害児入所施設の保育士・児童指導員の職員配置では「主として知的障害児」施設では、1.6:1〜2: 1 の配置が、「主として盲児又はろう児」では、2.6:1〜2:8:1 の配置が、「主として肢体不自由児」では、1.8:1〜2:1 の配置が一番多いという実態となっている。

3.障害児入所施設改革に関する基本的視点と方向性
「今後の障害児支援の在り方について」→「基本理念」として、「地域社会への参加・ 包容(インクルージョン)の推進と合理的配慮」「障害児の地域社会への参加・包容を子育て支援において推進するための後方支援としての専門的役割の発揮」「障害児本人の最善の 利益の保障」「家族支援の重視」の4つを基本的な視点。
(1)基本的視点

平成 28 年改正児童福祉法第1条で児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)の精神にのっとり、適切に養育されるべきことが規定され、第2条では子どもの最善の利益が優先して考慮されるべきことが規定。さらに、第3条の2において、子どもが家庭において健やかに養育されるよう、保護者を支援すること。ただし、子ども及び保護者の心身の状況、環境その他の状況を勘案し、家庭において養育することが困難又は適当でない場合は、家庭における養育環境と同様の養育環境で、それが適当でない場合には子どもはできる限り良好な家庭的環境で暮らすべきことが規定された。それは、子どもと特定の大人との愛着関係の形成こそが子どものその後の発達にとって最も重要であること、そして、何より、子どものウェルビーイングにそうした環境が不可 欠であることを示すもの。このことは、障害児童であっても例外ではない。 また、子どもの権利条約第6条第2項は、子どもの最大限の発達保障を規定し、第 20 条 では家庭環境を奪われた児童等の保護及び援助のあり方が、第 23 条では、障害を有する児 童に対する特別の養護及び援助のあり方がそれぞれ規定。さらに、障害者の権利に関する条約第7条では、障害のある児童の福祉に関する基本的視点が提示されている。障害児入所施設のあり方を検討する際には、まず、これらの視点を最優先すべき。 障害児入所施設に入所している児童のなかには、障害があるということに加え、何らかの理由により自宅で暮らすことができないほど極めて困難な状況下の家庭もある。こうした困難な状況にある障害児本人の最善の利益を保障する観点から、障害児入所施設の機能を考えることが必要である。
障害児入所施設→これまで、主に障害の重い児童を受け入れる役割を担ってきた。社会・経済環境の変化等を背景に、被虐待児も多くなっており、このような変化にも対応した機能を発揮していくことが求められている。 この間、社会的養護の分野→平成 29 年8月に「新しい社会的養育ビジョン」がとりまとめられるなど、社会環境の変化等に対応するための議論が積み重ねられてきた。他方で、障害児入所施設→障害児支援全般に着目した検討の中で言及されることはあったものの、障害児入所支援の在り方について必ずしも十分な議論やそれを踏まえた支援 の充実がなされてきたとは言い難い。 このため、先に述べた「今後の障害児支援の在り方について」で整理された4つの機能 (@発達支援機能、A自立支援機能、B社会的養護機能、C地域支援機能)が、実際に支 援の現場で発揮されるよう、取組を強化することが必要。これらの機能については 相互に関連するものであり、総合的に取り組むことにより、障害児入所支援の質の向上に つながるものである。
(2)基本的な方向性
@ ウェルビーイングの保障:家庭的養護

障害児支援においては障害の有無に関わらず児童福祉法第 1 条「児童の福祉を保障す るための原理」から子どもの生活が保障され、個々に応じた成長・発達・自立が図られる ことで、子どものウェルビーイングを向上させることが必要。子ども個々に応じたニーズを満たすためには、障害児入所施設においても、できる限り良好な家庭的環境の中で、特定の大人を中心とした継続的で安定した愛着関係の中での育ちを保障することでウェルビーイングの向上を目指す必要がある。
A 最大限の発達の保障: 育ちの支援と合理的配慮
子どもの最善の利益の保障という観点から、障害児入所施設→「子どもが育つ環境を整える子どもの施設」「子ども本人が望む暮らしを保障する施設」といった 幼児期からライフステージを通じて、子どもの育ちを支援すること、加えて発達段階、 障害特性に応じて個々に配慮した環境設定、支援を行う必要がある。
B 専門性の保障: 専門的ケアの強化と専門性の向上
障害児を取り巻く状況は家族背景まで含めると多様化してきており、障害児本人の状 態像も個人差がある。障害児支援→家族や周囲との関係性の観点で本人をとら えながら成長発達を中心においた関わりが重要な視点であるが、強度行動障害、医療的ケア、虐待等による愛着形成の課題など、ケアニーズの高い入所児童が多くなっており、 こうした複合的な課題を抱える障害児への更なる支援を図る必要がある。こうした課題に対応するために、医療機関との連携や医師・心理師等の専門職の配置の推進や専門性 を向上させる研修として強度行動障害支援者養成研修などが例として考えられるため、 更なる体制の整備や研修等により、専門性の向上を図っていく必要がある。
C 質の保障: 運営指針の策定、自己評価・第三者評価等の整備 支援の質を保障するという観点から
、障害児入所施設でも、児童発達支援及び放課後 等デイサービスガイドラインのように運営指針を作成しそれにそった運営、支援が行わ れる必要がある。それに合わせて、質の確保・向上を図るうえで外部からの視点を取り入 れることで運営、支援の透明性が担保され、施設が課題に気づき、質の改善を図っていく 上で重要であるため、自己評価、第三者評価の仕組みを導入する必要がある。
D 包括的支援の保障: 家族支援、地域支援の強化、切れ目のない支援体制の整備、他施 策との連携
・ 障害児の支援→当該障害児のみならず、家族への支援も重要。障害児本人の状態像や取り巻く環境等の影響から、子育てに不安や孤立感 を感じる家庭もあると考えられるため、地域全体で支える仕組みが重要である。障害児入所施設→短期入所や有期有目的の入所の利用も視野に入れ、施設入所中であっても、家族の実情を考慮しながら可能な限り、親子関係が維持できる支援を行う必要がある。このように、家族を孤立させないように、家族を含めたトータルな支援を行っていくという視点が大切である。
・ 不適切な養育や虐待の疑い等で保護された児童にあっては、施設での養育の後、 その後の家庭環境を児童相談所や関係機関とアセスメントを見直し、親子関係の再 構築等の家庭環境の調整や、家庭復帰後の虐待再発防止のための更なる親支援も必要である。
・ 障害児入所施設が地域の医療的ケア児や里親等を支える地域支援や、短期入所の 活用などによる地域の子育て支援の機能も重要。障害児入所施設においても 地域の児童発達支援センター等と連携し、地域の障害児と家族を支える中核的機能の役割を担う必要がある。これらの更なる家族支援、地域支援を図っていくことが必要である。
・ 子どもと家族が、入所前に地域で支援を受けていた段階から、入所時、入所中、 退所後と子どもと家族が、今まで暮らしていた地域から離れ、支援の内容が継続されなかったり、家族が孤立するなど不利益が起こらないよう、切れ目なく支援が継 続されることが必要である。 その支援体制としては、障害児入所施設だけではなく、市町村域、児童相談所を 含む都道府県等、また地域の障害福祉サービス事業所、学校等、関係機関が積極的 に関与し連携を図る必要がある。 これらの実現のためには、市町村域を基盤とした制度間の切れ目のない多機関・ 多職種連携による相補的なシステムづくり並びにそのシステムに基づく包括的で 継続的な支援を行える体制整備が必要である。
・ 地域を取り巻く課題が複雑化している昨今、また地域共生社会の実現を目指すと いう観点からも、障害児施策だけで完結するのではなく、母子保健施策、子ども子 育て支援施策、社会的養護施策等と連携をし、包括的に課題に対応していく必要がある。

4.施設種別ごとの課題と今後の方向性
(1)福祉型障害児入所施設の課題と今後の方向性
1)発達支援機能
@ 家庭的な養育環境の推進
障害児入所施設における支援
は、障害に対する正確な理解と、障害特性に応じた環境の提供に加え、できる限り良好な家庭的環境の中で、特定の大人を中心とした継続的で安定した愛着関係の下で行われる必要がある。より家庭的な環境として、里親やファミリーホームがある。これらに委託される児童の中には、障害児も多く含まれているため、ファミリーホームの活用を一層推進す るための検討をすべき。その際、障害に関する研修の実施など支援を強化することが重要。こ うした支援について、障害に関する専門性を有する障害児入所施設も一定の役割を担うことが期待される。
A 専門性の高い支援
愛着形成の課題や、強度行動障害など、ケアニーズの高い入所児童が多くなってお り、こうした複合的な課題を抱える障害児に対して特にきめ細かい支援が必要になる ことから更なる支援を図ることが必要。強度行動障害に関する研修の推進や、 強度行動障害児を受け入れた場合の更なる支援等により、職員の専門性を高めるための支援を強化すべき。 また、視覚障害、聴覚障害のある子どもには、環境整備や支援機器の適切な活用も大切。あわせて、医療機関や医師・看護師等の専門職との連携を強化すべきである。
B 教育との連携
教育の機会の保障は重要な観点である。一方福祉側から見た時には、日中活動の 一つである学校生活において学んだ対人関係のスキルや生活のスキル等が、施設の生活と方針の整合性がとれていなければ、子どもは混乱をしてしまう。このような観点 からも学校と施設の連携が重要。
3)社会的養護機能
@ 被虐待児等の増加を踏まえた支援力の強化
虐待を受けた子どもたちは
、愛着形成の課題や心の傷 を抱えていることが多い。適切な愛着関係に基づき他者に対する基本的信頼を獲得し、 安定した人格を形成していけるよう、また、子どもが心の傷を癒して回復していけるよう、専門的な知識や技術を有する者によるケアや養育が必要。 このため、支援力を強化する観点から、心理的ケアを行う専門職の配置の推進や、職 員に対する更なる研修等を行うべき。 また、被虐待児の支援を考えるに当たっては、児童相談所との連携が不可欠。 入所児童の親が、子どもの成長を共有できるような支援など、家族再構築に向けた支 援も含め、入所施設と児童相談所が、定期的に入所児童の状況や支援方針について情 報共有するなど、両者の連携を強化することが必要。 A 児童養護施設等との連携強化
障害児入所施設に被虐待児が多くなっている一方で、児童養護施設、乳児院や里親、 ファミリーホームでも多くの障害児を受け入れている現状があり、児童養護施設から 障害児入所施設への措置変更が一定数見られている。それぞれの施設等がこれまで積 み上げてきたノウハウや専門性をさらに高めていくとともに、お互いのノウハウや専 門性を学びあうことにより、新たな課題への対応力を高めていくことが求められている。
4)地域支援機能
・ 家庭支援専門相談員の配置の必要性→
現在は、入退所や外泊の調整等を職員が子どもに直接支援の業務を行いながら兼務 で行っているという現状があり、地域のニーズに十分に応えるだけのマンパワーが不 足しているため、家庭支援専門相談員の配置が必要である。 また、障害児の代替養育として里親、ファミリーホームに委託されていることも多 いことから、障害児入所施設が里親フォスタリング機関としての委託を受けるなど、障害児を委託されている里親やファミリーホームを支援する必要もある。
5)その他
・ 職員の配置基準
→職員の配置基準を引き上げる取組が順次進められている。専門職員の配置な どが異なるため単純な比較はできないものの、例えば、児童養護施設では就学期の基 本配置を6:1から4:1に引き上げることを目標とするなど、障害児入所施設の基 本配置を上回る目標水準となっている。他方で、障害児入所施設については、例えば、 旧知的障害児入所施設の基本配置は、昭和 51 年に 4.3:1となって以来、引き上げら れていない。 このため、福祉型障害児入所施設の基本配置について、子どもとして適切な愛着形 成を図る観点、また、ケアニーズの高い子ども達をより専門的できめ細かく支援する 観点からも質、量共に強化が必要である。少なくとも、児童養護施設の目標水準並み に引き上げを図るべきである。

(2)医療型障害児入所施設の課題と今後の方向性
1)発達支援機能
@ 福祉的支援の強化

医療型の入所児童は、一般的に、状態安定のための医療的な支援が日常的に必要不 可欠であるが、それとともに成長・発達のための福祉的支援を強化させていくことが 必要。一見反応が非常に乏しい児童であっても、適切な支援により周囲からの 働きかけを受け止め、意識し、感じ、表出につながっていく可能性があり、障害の軽重にかかわらず発達支援は重要である。 こうした福祉的支援を強化するためには、重度の障害児にとっての発達とは何かと いうことや、発達支援が重要であることの認識を職員間で共有することが重要であ る。あわせて、支援の主な担い手となる保育士等について、その配置を促進すべきで ある。 A 強度行動障害児等への対応
医療型→著しい睡眠障害(昼夜逆転)、自傷・他傷、著しい多動、異食 行動など、常に見守りが必要な入所児童が一定数存在。他方で、強度行動障害児特別支援加算は福祉型に限られているなど、医療型における対応困難事例に対す る更なる支援を図る必要がある。
B 医療的ケア児への対応
医療技術の進歩等を背景に医療的ケア児が増加している。医療的ケア児の中に は、歩ける児童や知的障害を伴わない児童もあり、この場合には重症心身障害児とな らないことが一般的である。現行制度では、重症心身障害児の判定を踏まえた報酬設 定となっている。このため、現在、障害福祉サービスにおける医療的ケア児の判定基 準について、厚生労働科学研究による研究が行われており、その研究成果も踏まえ、 こうした重症心身障害児以外の医療的ケア児に対する更なる支援を図る必要がある。
C 教育の強化
学齢期においては、訪問教育や院内学級等により教育が行われているが、子どもの 一生涯を見据え、子どもの状態に応じて、教育の強化を図ることが重要である。
D 家庭的な養育環境の推進
ユニット化等によりケア単位の小規模化を推進すべき。小規模化 を進めるにあたり、専門性の向上を目的とした研修を通して職員の質の向上への取り 組みや孤立化・密室化を防ぐための体制強化が必要になることから、小規模化に取り 組む施設に対する更なる支援を図るべきである。 また、入所中であっても家族との関係性が途切れないことが重要であるため、外泊 や面会を通した家族とのふれ合いの機会を確保するための支援が必要である。
2)自立支援機能
@ 児者一貫のもとでの発達・自立支援

医療型は、施設を移動することなく障害児入所支援と療養介護を一貫して サービス提供する仕組みが恒久化されており、入所児童が 18 歳になると療養介護に移 行するケースが多い。 一人一人により適切な支援を行う観点から、こうした移行が自動的に行われることなく、移行に当たっては改めて必要なアセスメ ントが行われることが必要。 このため、療養介護への移行に当たり、家族や地域、自治体、教育機関、相談支援 事業所、障害福祉サービス事業所、医療機関など関係者・関係機関が連携して、対象となる児童のアセスメントやその後の適切な支援の在り方について協議が行われるようにしなければならない。
A 地域生活への移行に向けた支援
医療型においても、在宅への移行に向け、週末や長期休暇などに外泊する取組が行 われており、保育士や児童指導員が支援に当たっている。他方で、外泊時の加算は福 祉型に限られているため、医療型における地域生活への移行に向けた更なる支援を図 る必要がある。 B 有期有目的支援の強化
期限を限って集中的なリハビリテーションを行う等の有期有目的の入所支援は、主 に肢体不自由児に対して活用がなされており、運動機能予後に違いを生ずるなど効果 を上げていることから、その一層の活用を促進すべきである。また、重症児に対し も、在宅移行に必要となる医療的ケアや遊び方、リハビリテーションを親等が体験す る機会となりうることから、自立に向けた支援としてその活用促進について検討すべ きである。また、その際には切れ目のない支援を継続するために地域生活への移行を 見据えた視点で支援することが重要である。
【11 月 22 日の福祉型ワーキンググループでの意見】→現在入所している既に 18 歳以上となっている入所者については、成人期にふさわしい 暮らしの保障と適切な支援を行うために、みなし規程の期限(令和3年3月 31 日まで) をこれ以上延長すべきではない。
3) 社会的養護機能
・ 被虐待児等の増加を踏まえた支援力の強化→愛着形成の課題と知的障害や発達障害との重複など、支援に当たり高い専門性が求められるケースも少なくない。このため、支援力を強化する観点から、心理的ケア を行う専門職の配置の推進や、職員に対する更なる研修等を行うべき。 被虐待児の支援を考えるに当たっては、児童相談所との連携が不可欠である。入所 児童の親が、子どもの成長を共有できるような支援など、家族再構築に向けた支援も 含め、入所施設と児童相談所が、定期的に入所児童の状況や支援方針について情報共 有するなど、両者の連携を強化することが必要である。
4) 地域支援機能
@ 短期入所を活用した支援について
→特に医療を必要とする障害児は利用できる事業所が地域によっては 限られていることから、医療型障害児入所施設が実施する短期入所の役割は大きいと考えられる。一方で、障害児の状態像・支援ニーズによっては福祉型での受け入れが 適切な場合もある。また、短期入所のニーズを踏まえると障害児入所施設以外の医療 機関が行う短期入所の取組の拡充も期待されるが、医療機関においては日中活動等の 療育や発達支援の提供に課題がある。 短期入所は単に家族のレスパイト利用だけに止まらず、障害児の育ちの保障とその家族が安心して豊かな生活が送れるよう、家族全般のニーズを把握し、サービスをマネ ジメントする必要がある。そのためには、施設単位で補うのではなく、障害児の状態像に応じて対応できる福祉型・医療型短期入所が地域の中で計画・運営されるよう、次期障害児福祉計画の中で明示すべきである。また、医療型短期入所を必要とする障害児→ニーズが多様化しており、適切な対応が望まれるため、体制を整備するうえでも、報酬の見直しも必要である。
A 通所支援の活用について→在宅障害児の日常生活を支援する上で、通所支援の役割は重要。特に乳幼児期 は早期療育の場でもあり家族にとっては障害受容や子育てを行う上での他家族との交流の場としても意義がある。医療型障害児入所施設は医療・看護・福祉等の機能を有しており、多角的なアプローチが可能。その有するノウハウを障害児とその家族へ の支援の場として通所支援の機能を保有し、支援の強化につながることを今後、更に期 待する。
B ソーシャルワーカーの配置について→ 個別の課題(生活上の課題)の解決に向けて、障害児とその家族が望む生活の実現 など個々の場面に応じて、様々な社会資源の間に立って、必要な支援を適切に結びつける役割を担うソーシャルワーカーの支援への介入は重要。 特に社会的養護においては被虐待児の家族をサポートする役割を医療型障害児施設は担っている現状もあり、被虐待児を地域に帰す時に、現存する社会資源の活用や改善までも含めた働きかけや、各専門職による多角的アプローチの総合調整など、中心 的役割を担っているのがソーシャルワーカー。配置等の促進について検討す べき。
(3)福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性
@ 契約入所と措置入所の整理
→制度上、契約によるものと措置によるものがあり、その考え方については、「障害児施設給付費等への支給決定について」(平成 19 年3月 22 日付け障発第 0322005 号)及び「障害児施設の入所に係る契約及び措置 の適用について」(平成 21 年 11 月 17 日付け障障発 1117 第1号)において整理されているが、入所児童に係る契約入所と措置入所の割合をみると、全国でばらつきが生 じている実態にある。 このため、上記通知を再度周知するとともに、全国の状況についてフォローアップ を行い、その状況について継続的に把握・共有すべきである。
A 質の確保・向上→入所支援は、繰り返す毎日の生活を支える営みであるがゆえに、ともすれば密室化 により支援の質が低下するおそれもある。このため、地域との交流機会の確保など、 施設を地域に開かれたものとする必要がある。 社会的養護の分野→支援の質の向上を図るため、施設種類別の運営指針や手引書が作成されるとともに、自己評価や第三者評価が義務づけられている。このほか、 施設長の研修が義務化されており、2年に1回以上の受講が義務づけられている。また、障害児福祉の分野→児童発達支援及び放課後等デイサービスについて ガイドラインが策定されている。 こうしたことを踏まえ、障害児入所施設についても、運営指針の策定や第三者評価 など、質の確保・向上を図る仕組みを導入することについて検討すべき。 その際には、現在、各施設で障害児一人一人に作成されている入所支援計画の内容と運営指針の内容とが整合性がとれるようにする必要がある。
B 権利擁護について→ 子どもの権利条約、障害者権利条約の批准、また児童福祉法の改正から子どもが権利 の主体であり、最善の利益が保障されることが記載されている。これらを受けて、障害のある子ども達の意見表明→支援を行う上で、より具体的な検討が求められている。そこで、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」や、 社会的養護分野で導入の検討が進められているアドボケイト制度を参考に進めていく 必要がある。検討するうえでは、子ども自身が自分の成長を知るための権利を保障する ために、社会的養護分野で取り組まれている権利ノートなど好事例を収集するなどを 行うべき。 また、就学前については、入所児童と地域の児童がふれあう機会が少ないため、子ども同士の育ちあいを促進する等の観点から、入所児童と地域の児童との交流の機会を増やしていくべきある。
C 入所施設間の連携強化について→ 人口減少社会の進展により、地域に障害児福祉施設が少なくなり、遠方に入所され、 子どもの精神的安定や家族再統合等に支障が出る例も出てきている。これらの解消の ためには、医療の必要がなくなった児童について医療型障害児入所施設を経営する法 人が福祉型の地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)(仮)を設置すること、 児童養護施設を経営する法人が地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)を 併設できるようにするなど、施策間の連携を強化していくことが必要。さらに、 障害児入所施設がフォスタリング機関となって、障害児を受け入れる専門里親やファ ミリーホームなどを支援できるようにしていくことも必要とされる。 上記のような措置がとれるようになることで、例えば兄弟に障害がある場合に兄は 児童養護施設、弟は障害児入所施設へと地域を離れて別々に入所するようなことが起こらないようにすることが可能になる。地域の限りある資源を活用し、入所児童であ っても出来るだけ地域で育つことが出来る環境を整えられるよう検討すべきである。
D 他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用 入所児童については、原則として、児童発達支援や放課後等デイサービス、生活介 護といった他の障害福祉サービスを利用することができないが、発達の観点や生活の 広がり、また、退所後の生活を見据えると、こうした地域の障害福祉サービスを、入 所中から柔軟に利用できるようにすることについて検討すべきである。なお、その際 には、障害児入所施設と二重給付とならないように配慮する必要がある。
E 障害児入所施設の名称の変更→ 現在は、児童発達支援と変更。入所支援→障害児入所施設から児童発達支援入所施設(仮)等への変更が求められているため、名称の検討も必要。ただし、検討過程においては、外面的にどのよう な支援を行っている施設なのか、医療型と福祉型の区別も含めて考慮する必要がある。
F 都道府県・市町村の連携強化→入所児童の退所後の地域生活を支える役割は主として市町村が担うことになるが、 入所の措置権限は都道府県等が有しているため、両者の連携を図る必要がある。上に述べた関係者・関係機関による協議に、 児童相談所を含めた都道府県等や市町村も積極的に参画するとともに、入所施設とこれら自治体職員とが日頃から顔の見える関係を築くことが重要である。地域で子ども の支援を構築していくが、入所と同時に関わりがなくなり、また退所の時に新たに支 援を構築するという現状があり、子どもと家族が地域から孤立せず、安心して暮らせ るよう切れ目のない支援を行う必要がある。 また、社会的養護における議論とあわせ、入所の決定権限を市町村に付与すること により、入所前から退所後まで市町村が一貫して支援を行う体制とすることについても検討すべき。その際、市町村規模によっては単独での体制整備が困難なことも考えられるため、総合的な支援体制整備の観点から都道府県が市町村をバックアッ プできる体制を検討すべき。

5 まとめ →本報告書では、今後の障害児入所施設が進むべき方向性について全体的な議論を行った。これらの議論を踏まえ、厚生労働省では、第2期障害児福祉計画への反映や令和3年度障害福祉サービス等報酬改定において、必要な財源を考慮しつつ実現が図られるよう、速やかに検討すべきである。さらに、運営指針の策定など、研究が必要なものについては、 来年度の調査研究において着手できるよう検討すべきである。また、制度改正が必要とな る事項については、児童福祉法改正などの取り組みを強化する必要がある。
・ また、本検討会では、障害児入所施設も児童養護施設等と同様、社会的養護機能とし て地域のセーフティーネットの機能を発揮するべきという意見も出された。社会的養護施策と障害児入所施設の担当部局が異なるために、様々な関連施策の進展に差異が生じているという意見があった。厚生労働省においては、提言を受けて関係部局で施策をさらに一 層推進することが極めて重要である。これに関して障害児支援を担当する障害保健福祉部は、社会的養護施策を担当する子ども家庭局と共に施策を進めるべきである。 更に厚生労働省として、都道府県・市町村に対しても担当部局間の緊密な連携及び都道 府県・市町村間の連携を定期的に要請すべきである。さらに、教育等その他の分野との連 携の観点から、文部科学省等他省庁との連携も併せて進めるべきである。
・ これまで、障害児本人の最善の利益を保障することの重要性については「今後の障害児支援の在り方について(報告書)」に明記はされているが、障害児入所施設との関連性のなかで、これまで十分な検討がなされてこなかった。 この検討会が、障害児入所施設の果たすべき役割と機能を考えるとともに、日々障害児 支援に取り組んでいる方々の課題の改善につながり、そのことで、障害児と家族が安心し て子育てが出来る環境づくりが進むことが期待される。そして、障害児本人の発達を最大 限に保障すべきことに光が当てられることにより、子ども達自身が輝く存在になる後押し となることを願うものである。


次回は、「参考資料1 参考資料2 」からです。
第94回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料) [2019年12月28日(Sat)]
第94回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)(令和元年12月16日)
《議題》 (1)障害者の雇用の促進等に関する法律施行令の一部を改正する政令案要綱について(諮問) 等々
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08318.html
◎資料1 障害者の雇用の促進等に関する法律施行令の一部を改正する政令案要綱↓
労働政策審議会 会長 鎌田 耕一 殿へ、 厚生労働大臣 加藤勝信→ 別紙「障害者の雇用の促進等に関する法律施行令の一部を改正する政令案 要綱」について、貴会の意見を求める。
別紙↓
第一 附則の規定を改正し、令和六年十二月三十一日までの間、別表第一第二号に、在外公館(政府代表部 を除く。)に勤務する外務公務員を加えることとすること。(本則関係)
第二 この政令は、公布の日から施行することとすること。(附則関係)


◎資料2 障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱↓
労働政策審議会 会長 鎌田 耕一 殿へ、 厚生労働大臣 加藤勝信→別紙「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」について貴会の意見を求める。
◯別紙↓
第一 特定短時間労働者の雇入れ又は雇用の継続の促進を図るための特例給付金制度等
第二 基準に適合する事業主の認定等
第三 その他
第四 施行期日 この省令は、改正法の施行の日(令和二年四月一日)から施行することとすること。


◎資料3 障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則第十六条の二第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める特例給付金の額等を定める 件案要綱
労働政策審議会 会長 鎌田 耕一 殿へ、 厚生労働大臣 加藤勝信→別紙「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則第十六条の二第三項の 規定に基づき厚生労働大臣が定める特例給付金の額等を定める件案要綱」に ついて、貴会の意見を求める。
◯別紙↓
第一 特例給付金の額
第二 特例給付金の申請期間
第三 特例給付金の支給を受けようとする事業主の申請
第四 特例給付金の支給時期
第五 その他 この告示は、令和二年四月一日から適用することとすること。


◎参考資料1 労働政策審議会障害者雇用分科会委員名簿
(公益代表)6名。(労働者代表)5名。(使用者代表)5名。(障害者代表)4名。計20名。

◎参考資料2 特例給付金の支給要件等につい
◯特例給付金の支給要件等について
・基本的な考え方→「常用労働者→職業的自立の目安である週20時間以上」「週20時間未満の雇用障害者数に応じて、納付金を財源とする特例給付金」「調整金・報奨金の単価、週20時間〜30時間の短時間労働者の雇用率カウント(0.5)との均衡等を踏まえ1/4程度」「、トライアル雇用助成金」
・改正障害者雇用促進法の規定(抜粋)→(納付金関係業務)第四十九条
・支給要件・額→事業主区分100人超(納付金対象)と100人以下(納付金対象外)あり。
・申請・支給の時期・要領→申請対象期間、申請(100人超、100人以下事業主)、支給記載。


◎参考資料3 中小事業主の認定基準について
◯中小事業主の認定制度の創設の背景及び狙い→「
現状→中小事業主における障害者雇用の取組が停滞」「課題→インセンティブ不足、認知度不足」「現行制度」「認定制度の狙い→各認定事業主の取 組・成果の可視化」
◯認定制度のグランドデザイン(イメージ)→全国的・総合的なロールモデルづくり。
◯具体的な認定基準↓↓
@以下の評価基準に基づき、20点(特例子会社は35点)以上を得ること。(取組関係で5点以上、成果関係で6点以上、情報開示関係で2点以上を得ること。)
A実雇用率が法定雇用率を下回るものでないこと。(雇用不足数が0であること)
B障害者(A型事業所の利用者は含まない。)を雇用していること。
C障害者雇用促進法及び同法に基づく命令その他関係法令に違反る重大な事実がないこと。

◯各評価基準における評価要素(取組関係@〜C)↓
・「体制づくり」→@組織面 A人材面
・「仕事づくり」→B事業創出C職務 選定・創出D障害者 就労施設 等への発注
・「(障害特性に配慮した)環境 づくり」→E職務環境 F募集・採用 G 働き方 Hキャリア形成 Iその他の雇用管理
◯各評価基準における評価要素(成果関係@〜B)↓
・「数的側面」→J雇用状況 K定着状況
・「質的側面」→L満足度・エンゲージメント Mキャリア形成
◯各評価基準における評価要素(情報開示関係)↓
・「取組(アウトプット)」→N体制・仕事・環境づくり
・「成果(アウトカム」→O 数的側面 P 質的側面
◯↑↑上記の評価→中項目、小項目、評価基準、評価方法、評価要素から構成→認定基準。


◎参考資料4 通勤や職場等における支援の在り方について
◯通勤や職場等における支援の在り方について

・現状→十分な対応が出来ていない。雇用と福祉の一体的展開の推進に係る諸課題の一つとして、「通勤や職場等における支援の在り方」についても総合的に対応策を検討中。
・主な論点→実態を踏まえ、実際の支援の 提供に当たって、どの範囲までその支援の対象とするかなど、内容を整理する必要。通勤や職場等における支援について早期に検討を進め、段階的に対応策を講じる必要があるのではないか。
・現時点の主な検討内容→(前回議論)雇用施策と福祉施策が連携 して「制度の谷間」に対応していくため、意欲的な企業や自治体について、次の取組を令和2年度に実施してはどうか。 → 障害者雇用納付金制度に基づく助成金の拡充を図るとともに、自治体が必要と認める場合には、地域生活支援事業の新事業により各自治体が支援を行う

◯(参考1)「重度障害者の在宅就業に関する調査研究」について【概要】
・調査目的→常時介護を必要とす る障害者の在宅での就業支援の在り方について検討し、2021年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて結論を得る とされたことを踏まえ、在宅就業中の重度障害者の支援の在り方を検討するためその実態を把握する。
・アンケート調査結果(速報値)(精査中)→就労率 6.0%。就労希望率 5.4%。
・今後のスケジュール(予定)→10〜11月 アンケート調査(速報値集計)。12月〜 ヒアリング調査。3月 調査報告。

◯(参考2)障害者雇用・福祉連携強化PTについて→「構成」「主な検討事項(現段階のイメージ)」「(参考)開催状況」

次回は、「第6回 障害児入所施設の在り方に関する検討会」からです。
令和元年度厚生労働省補正予算案の概要をお知らせします [2019年12月27日(Fri)]
令和元年度厚生労働省補正予算案の概要をお知らせします(令和元年12月13日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08398.html
◎令和元年度 厚生労働省補正予算案の概要をお知らせします
追加額 1,272億円 (うち労働保険特別会計 1億円)

第1 災害からの復旧・復興と安全・安心の確保 786億円
・ 水道施設の災害復旧 76億円
・ 医療施設等の災害復旧 9.9億円
・ 社会福祉施設等の災害復旧 112億円
・ 医療・介護等の窓口・利用者負担等の減免措置 17億円
・ 生活衛生関係営業者の資金繰り支援 12億円
・ 水道施設の停電・土砂災害・浸水災害対策の拡充等 214億円
・ 医療施設の非常用自家発電設備及び給水設備の整備等 22億円
・ 社会福祉施設等の非常用自家発電設備及び給水設備の整備等 95億円
・ 社会福祉施設等の災害時情報共有システムの整備 3.5億円
・ 緊急風しん抗体検査の実施 69億円

第2 経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援 35億円
・中小企業・小規模事業者の生産性向上の支援 14億円
・ 生活衛生関係営業者の生産性向上の支援 2.8億円
・ 介護事業所における生産性向上の推進 1.5億円
・ 就職氷河期世代への支援 18億円→就職氷河期世代を支援するため、ハローワークに専門窓口の設置を進め、就職から職 場定着まで一貫した支援を実施するほか、トライアル雇用を行う事業主、正社員として 雇い入れ定着させた事業主等への助成金の拡充等、技能修得期間における生活福祉資金 の貸付を行う新しいメニューの創設等により、就職氷河期世代の正社員雇用や就労を支 援する。また、市町村におけるひきこもり支援を強化するため、ひきこもり支援施策の前提となる調査研究に要する経費や広報経費について補助を行う。

第3 未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上 275億円
・ 待機児童解消に向けた保育所等の整備 228億円
・ 介護・障害福祉・保育分野のICT・ロボット等を活用した生産性向上等の支援 11億円
・ 介護福祉士修学資金等貸付事業における貸付原資の確保 5.2億円
・ 感染症対策に係る医薬品研究開発等の支援 25億円
・ 全ゲノム解析等によるゲノム医療推進のための体制整備 5.8億円
※ (内閣府計上) 健康・医療分野におけるムーンショット型研究開発等 100億円

第4 その他 177億円
・ 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金のための基金の積み増し 177億円
◆続いて、上記補正予算の各項目についての説明文あり。

◆安倍内閣は、よくこのような予算を組んだと思います。就職氷河期世代への支援やオリンピック後の見越した予算など、もっと言えば、プライマリーバランスも大事ですが、引きこもりといわれている貧困層に対する予算をもっともっと大事にしてほしい。


次回は、「第94回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)」からです。
「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」の報告書を公表します [2019年12月26日(Thu)]
「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」の報告書を公表します(令和元年12月13日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08411.html
◎社会福祉法人の事業展開等に関する検討会 報告書
社会福祉法人
→戦後、社会福祉事業が公的責任により実施されることになると、民間の社会福祉事業の自主性の尊重と経営基盤の安定等の要請から、旧民法第 34 条の公益法人の特別法人として昭和 26 年に制度化された。社会福祉法人は、旧社会福祉事業法に基づく規制や監督を受けながら、主として国からの措置事業を担う公共的な性格を有する法人 として機能してきた。以来、長きにわたり、社会福祉法人は、社会福祉 事業の主たる担い手として、我が国の社会福祉を支えてきた。
その後、平成 12 年の介護保険法の施行、同年の社会福祉事業法の改 正による社会福祉法の成立→サービスの利用の仕組みを措置から契約に転換し、多様な供給主体を参入させることにより、利用者の選択 の幅を広げるとともに、事業者の効率的な運営を促し、サービスの質の向上と量の拡大を図る政策がとられた。
今日、社会福祉法人の意義→社会福祉事業に係る福祉サービスの供 給確保の中心的役割を果たし、他の事業主体では対応できない様々な福 祉ニーズを充足することにより、地域社会に貢献することにある。平成28 年の社会福祉法の改正→社会福祉法人の公益性・非営利を確保する観点から、経営組織のガバナンスの強化や事業運営の透明性の向上等の制度の見直しが行われ、地域社会に貢献する法人の在り方がさらに求められることとなった。
一方、我が国の社会の人口動態→いわゆる団塊の世代が全員 75 歳以上となる 2025 年に向けて高齢者人口が急速に増加した後、その増加が緩やかになる。また、大都市とその郊外では高齢者が増加する傾向にある一方で、地方では高齢者が増加せず、減少に転じる地域も。さらに、現役世代(担い手)となる生産年齢人口の減少が 2025 年以降加速する。こうした人口動態の変化に加え、血縁、地縁、社縁と いった共同体の機能の脆弱化といった社会構造の変化が起きており、子育てや介護、生活困窮など、福祉ニーズがますます複雑化・多様化してきている。
このため、社会福祉法人が、法人の自主的な判断のもと、地域における良質かつ適切な福祉サービスの提供を可能とし、社会福祉法人の経営 基盤の強化を図るとともに、複雑化、多様化する福祉ニーズに対応する 観点から、住民に身近な圏域で様々な地域づくりの活動に参画する非営 利セクターの中核として、福祉分野での専門性を生かし、地域住民の抱 える様々な地域生活課題への対応を進められるようにするため、円滑に 連携・協働化しやすい環境整備を図っていくべきである。
こうした背景を踏まえ、本年6月に閣議決定された「成長戦略フォロ ーアップ」において、「社会福祉法人の事業の協働化・大規模化の促進方策等について、有識者による検討会を開催し、2019 年度中に結論を得る。また、希望する法人が、大規模化や協働化に円滑に取り組めるよう、 合併等の際の会計処理の明確化のための会計専門家による検討会によ る整理も含め、2019 年度中を目途に、好事例の収集やガイドラインの策定等を行う。」こととされた。 以上の問題意識の下、本検討会では以下の提言を報告する。
1 社会福祉法人の連携・協働化の方法→連携・協働化を推進する手法としては以下の3つが考えられる。
(1) 社会福祉協議会による連携や社会福祉法人の法人間連携

社会福祉協議会は、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として、地域の社会福祉を目的とする事業を経営する者(社会福祉法 人等)等の過半数が参加している。現在、都道府県社会福祉協議会を中心に、都道府県域での複数法人間連携による地域貢献の取組が進 められており、平成 31 年3月末時点で 45 都道府県において、居場所づくりや総合相談、生活困窮者支援等の取組が進められている。 社会福祉法人間の連携に加え、社会福祉協議会の役割に鑑み、社会福祉法人の連携の中核として、都道府県域での複数法人間連携による地域貢献の取組を更に推進するなど、社会福祉協議会の積極的な活用を図っていくことが重要。 現在、厚生労働省において、単独で地域貢献の取組を実施することが困難な小規模法人において円滑な取組を推進できるような環境整備を図る観点から、平成 30 年度から、「小規模法人のネットワー ク化による協働推進事業」を実施しており、平成 30 年度は合計 23 府県市でネットワークの構築の取組が実施されている。引き続き、社会 福祉協議会とも連携しながら、「小規模法人のネットワーク化による 協働推進事業」における実施状況や課題を把握し、法人間連携の更なる推進を図る必要がある。 また、多様化・複雑化する福祉ニーズへの対応など、地域貢献の責務を負っている個々の社会福祉法人が、自主的に連携・協働化の取組を進めることも重要であり、厚生労働省は事例収集等による横展開にも努めるべきである。 さらに、各都道府県において、平時から災害時の支援体制(災害 福祉支援ネットワーク)の構築を進めるケースが増加しており、厚生労働省も「災害福祉支援ネットワーク構築推進事業」により推進している。災害対応の重要性に鑑み、災害時に備えた連携が法人間連携の きっかけとしても有効であることから、引き続き推進することが望ましい。

(2) 社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度の創設
医療分野においては、医療法人等の連携・協働化の方策の一つとして、地域医療構想の実現を目的とする地域医療連携推進法人制度が設けられている。 社会福祉の分野では、法人間連携の枠組みとして、1(1)で述べた 社会福祉協議会を通じた連携や下の(3)で述べる合併・事業譲渡がある。これらの方策についても法人の希望で活用できる環境を整備することも重要であるが、社会福祉法人の非営利性・公益性等を踏まえ つつ、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度により、既存の 方策の中間的な選択肢の創設を図るべきである。具体的な制度は「2」 で記述する。

(3) 希望する法人が合併・事業譲渡に円滑に取り組めるような環境整備
社会福祉法人の数は約2万法人であるのに対し、合併認可件数は、 年間 10〜20 件程度で推移している。 所轄庁が合併等の手続への知見に乏しいとの意見や、実際に法人が合併等に苦労したとの意見等を踏まえ、合併や事業譲渡、法人間連携の好事例の収集等を行い、希望する法人向けのガイドラインの策定を進めるべき。 なお、ガイドラインの策定にあたっては、組織再編に当たっての 会計処理について、社会福祉法人は法人財産に持分がないことなど に留意しつつ、会計専門家による検討会で整理を進めるべきである。

2 社会福祉法人を中核とする非営利連携法人
今後ますます高まる地域の福祉ニーズに対応するため、社会福祉法人や社会福祉事業者が、地域の福祉サービスの需要にあった供給量や質を維持・向上することが必要。良質かつ適切な福祉サービスの 提供や社会福祉法人の経営基盤を強化するための連携・協働化の選択 肢を増やすため、社会福祉法人を中核とした非営利連携法人(以下「連携法人」という。)の制度を創設することが適当である。 具体的な仕組みとしては以下の通りとすることが適当
である。

(1) 法人格
法人として参加できる法人格とすることが適当。このため、 連携法人は、一般社団法人のうち、「社会福祉に係る業務の連携を推 進するための方針」の策定等、一定の基準に適合すると認めるもの を、都道府県知事などの(9)の所轄庁が認定する仕組みとすることが 適当である。
(2) 業務
連携法人の業務→福祉サービスの取り巻く課題に社会福祉 法人等が連携して対応するため、社会福祉事業を行わず、連携の推進 を図ることを目的とする業務として↓↓
@ 地域包括ケアシステムの構築も含めた、地域共生社会の実現に向けた連携
A 災害対応に係る連携
B 福祉人材確保・育成
C 本部事務の集約や生産性向上のための共同購入など、社会福祉事業の経営に係る支援 D 社会福祉法人への貸付 を対象とすることが適当である。
連携法人がこれらの業務を実施するにあたっては、連携法人が作成する「社会福祉に係る業務の連携を推進するための方針(仮称)(以 下「方針」という。)に記載し、(9)の所轄庁の認定を受けることが適当である。なお、災害対応に係る連携など地方公共団体等の取組と重 なる業務を行う場合には、当該業務と関係地方公共団体等の取組と 調和が図られるよう努めることが適当である。 上記@〜Dの連携の推進を図ることを目的とする業務以外の業務 を実施することについては、地域医療連携推進法人と同様、実施可能 とするが、@〜Dの業務に支障を及ぼす恐れがない範囲にとどめる ことが適当である。

(3) 連携法人に参加できる社員
連携法人の社員は、社会福祉法人を始めとする社会福祉事業を行う事業者の他、社会福祉従事者の養成施設、連携業務に関する業務を行う者を認めることが適当。社員は社会福祉事業を実施している法人を2以上とし、社員の過半数が社会福祉法人であることを 必須とすることが適当である。 なお、地域医療連携推進法人では社員のうち、「参加法人」は、予 算や事業計画等について参加する地域医療連携推進法人にあらかじ め意見を求めなければならない仕組みが設けられているが、連携法 人については社員に対し、(7)を除き設けないものとすることが適当である。

(4) 連携法人の活動区域
医療法人と異なり、都道府県域、市町村域に社会福祉協議会が存在することから、連携法人の活動区域は、自治体に関わらず、連携法 人の自主的な判断で決めることが適当である。ただし、活動区域については方針に盛り込むことを必須とすることが適当である。

(5) 連携法人の経費
貸付業務を除き、社員からの会費、業務委託費で運営することが 適当。また、貸付業務については、(7)のとおり行うことが適当である。

(6) 議決権
原則として社員は各一個の議決権を有することとし、公益社団法人等と同様の趣旨である、不当に差別的な取扱いをしないなどの一 定の要件のもと、定款で別段の定めをすることができることとすることが適当。 連携法人が社会福祉法人を中核とした連携・協働化の選択肢であるという観点を踏まえ、議決権の過半数を社会福祉法人とすることが適当。

(7) 社会福祉法人への貸付業務を行う場合の取扱い
社会福祉法人への貸付業務については、社会福祉法人の収入・収益について法人外への支出が認められていない現状を踏まえて、次 の通りの仕組みとする。なお、貸付業務が個々の社 会福祉法人の経営に重大な影響を与えないよう、制度の詳細につい ては、施行までに慎重かつ十分に検討することが適当。
・ 貸付を受ける社会福祉法人毎に、当該法人への貸付の内容を(9) の所轄庁が認定する仕組みとすること
・ 社会福祉法人への貸付の原資として、貸付対象ではない社員で ある社会福祉法人から連携法人への貸付(※)を認めること 認める貸付の限度額は、連携法人の貸付が当該社会福祉法人の 拠点において運営に影響を与えないようにするため、拠点から法 人本部に繰入が可能な範囲で認めること (※)当該貸付資金については、社会福祉充実財産においては、控除対象財産に該当 するものと整理する。
・ 連携法人は社員である社会福祉法人から貸し付けられた資金について他の資金とは区分経理をし、社会福祉法人への貸付以外の用途への使用は一切認めないこと
・ 貸付を受ける社会福祉法人社員が予算や事業計画等の重要事項 を決定する際には、連携法人の承認を受けなければならないこと

(8) 地域の意見の反映
連携法人が活動区域の地域住民の意向を十分に反映し、地域の福祉サービスの維持・向上に資する存在となるよう、福祉サービスを受ける立場にある者や、社会福祉に関する団体、地域福祉の実情を知る専門家(社会福祉士等)等の地域関係者からなる評議会を設置すること。 評議会は、連携法人の運営状況を評価する役割や、社員総会及び 理事会に意見具申をする役割を持たせることが必要である。また評議会が把握した連携法人の運営状況の評価を地域住民に伝える仕組 みも合わせて整備することが適当である。

(9) 所轄庁
所轄庁は、主たる事務所の所在地、事業区域に応じた、社会福祉 法人の所轄庁と同様とすることを基本とすることが適当。また、所轄庁の職務→連携法人の認定、方針の認定、貸付業務 に関する認定等を行うほか、連携法人の指導監督を行うことが適当である。

(10) その他
(2)のとおり、連携法人は社員の人材確保を受託して行う業務を行うことから、連携法人の社員(社会福祉事業を経営する者)が行う労働者の募集の委託について、一定の要件のもと、労働者の委託募集の 特例を認めることが適当
である。 また、代表理事の選任等、連携法人のその他の仕組み→地域医療連携推進法人の仕組みを参考に、次のようにすることが適当である。
・ 連携法人の代表権を持つ代表理事の選任は所轄庁の認可を必要。理事会は必置。
・ 名称は「社会福祉連携推進法人」を基本に、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人であることが明らかになるものとすること。
・ 連携法人の合併は、地域医療連携推進法人と同様に認めないこととする。
・ 連携法人の社員は、当該法人の社員であることを示すこと。
・ 連携法人の公益性に鑑み、次に掲げる項目等の法人のガバナンス→社会福祉法人と同様。
→「 理事会・理事・監事・会計監査人の機関の設置」「定款変更の所轄庁認可」「財務諸表等の閲覧・公表義務」「解散・清算の手続」「残余財産の帰属先」
・ 連携法人の会計基準は、貸付業務における区分経理の取扱いや 社会福祉法人の会計基準に留意した取扱いとすること。

3 連携・協働化に向けた今後の課題
本報告書→
社会福祉法人が人口構造の変化や複雑化・多様化する 福祉ニーズに対応するため、連携・協働化が可能となるよう、既存の仕組みの活性化を図るとともに新たな制度を創設することを盛り込んだ。
今後、福祉サービスの質の向上のためには、こうした仕組みが実際に 機能するよう、厚生労働省が関係団体と協力して取り組む必要がある。 こうした観点から、社会福祉法人の実質的なガバナンスを高めるため、 例えば、社会福祉法人版のガバナンスコードのようなものを策定する 等、関係団体が必要な取組を行うべきではないかとの意見があった。また、小規模法人が会費の負担が困難なために結果として連携法人に参加できないことがないように配慮すべきとの意見もあった。
一方、社会福祉法人本体の経営基盤を高める観点から、現行の社会福 祉法人の資金等の取扱いについて見直すべきではないかとの意見があった。特に、法人本部の運営に要する経費に充当できる範囲を拡大するべきとの意見や、法人内の1年以上の貸付を認めるべきとの意見があった。この点については厚生労働省において、必要性、実施可能性も含 めた検討を行うべきである。 今後とも、地域における良質かつ適切な福祉の提供主体として社会 福祉法人が事業展開していくことが期待される。

◯(参考資料1)社会福祉連携推進法人(仮称)の創設(案)→社会福祉法人間の連携方策に、社会福祉法人の自主性を確保しつつ、連携を強化できる新たな選択肢の一つとして、 社会福祉法人を中核とする非営利連携法人である「社会福祉連携推進法人(仮称)」を創設

◯(参考資料2)社会福祉連携推進法人(仮称)の業務のイメージ→地域生活課題や福祉サービスの提供のための課題に対し、社会福祉法人等の連携により対応する選択肢の1つとして制度化。 具体的な業務として、「地域共生社会の実現に資する業務の実施に向けた種別を超えた連携支援」、「災害対応に係る連携体制 の整備」、「福祉人材不足への対応」、「設備の共同購入等の社会福祉事業の経営に関する支援」などが想定される。

◯(参考資料3)社会福祉法人への資金の貸付業務イメージ→社会福祉事業を安定的に行うために実施する連携法人から社会福祉法人への貸付の原資として、貸付対象ではない社員である社会福祉法人 から連携法人への貸付を認める。 連携法人への貸付額は、当該社会福祉法人の拠点において経常活動収支差額が黒字かつ資金不足が生じない範囲等(法人本部への繰入れ 可能額)の範囲で認める。 (※)社会福祉法人から連携法人への貸付額は、社会福祉充実財産(法人全体における「活用可能な財産」から事業に活用している財産や運転資金などの 「控除対象財産」を除いたもの)においては「控除対象財産」に当たる。

◆社会福祉法人の事業展開等に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04399.html

次回は、「令和元年度厚生労働省補正予算案の概要をお知らせします」からです。
第14回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」 [2019年12月25日(Wed)]
第14回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」(令和元年12月12日)
《議題》 母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な 方針及び平成26 年改正法の改正後の施策の実施状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08396.html
◎資料4 佐藤参考人提出資料→ハンド・イン・ハンドの会
ひとり親家庭への支援施策の 在り方について
1-1 ハンド・イン・ハンドの会について→「手に手をとって」という意味。1979年3月、母体となる「ニコニコ離婚講座」を東京で開講したのが始まり。活動実績40年。
・活動内容→前向きな離婚、明るい母子家庭生活を応援する3つの柱(仲間、情報、社会変革)→家族問題研究の先駆者として活動
・理念→@〜C。つねに当事者の立場 から、社会で見過ごされがちな問題の解決、誰もが安心して生 きられる社会の実現を目指す。
2-1 基本方針について
・母子家庭・父子家庭の現状
・平成23年度全国母子世帯等調査 との比較
・暮らし向きは良くなったのか→
3-1 施策の実施状況について→たくさんの事業メニューを見る限り、施策は多岐にわ たって展開されたといえる。
・メニューは豊富でも、利用は低調
・なぜ利用が低調なのか→制度を知っていても大半は利用していない。それはなぜか。 それよりも問題なのは、半数が制度を知らないと回答して いることだ。知らなければ利用できない。
・支援は届いているのか→公的機関と回答(母子家庭1.9%、父子家庭1.5%)。真に必要な支援策について再検討すべきではないか。
4-1 これからの支援施策の在り方について→ひとり親家庭が100あれば100のニーズ
・ひとり親家庭の自立に向けたステップ、5段階→生活基盤を確保するには離婚前、 離婚直後の支援が最重要課題。生活の基盤が確保されて初めて自立に向かう。
・いかにニーズをつかむか→端緒となる公的機関等によるファーストカウンセリングの 重要性。「相談機関の充実」と「専門人材の育成」は待ったなし。
・まず、相談機関にどうつなぐか→電子母子手帳のような仕組みを利用 して相談機関につないではどうか「シングルペアレントアプリ(仮称)」。SNSの相談も可能にし、アクセスが 多い項目をAIで処理すれば、現状 分析が容易になる。
・相談機関につないだあとは?→「ハンドの会合に参加したあるお母さんの声」(たくさんの人と会い、たくさん学んでください。どうしようと 悩まないで、まず会いに来て、思いっきり泣いてください。心 が軽くなりますよ。まず第一歩からです。)
・専門人材をどう育成するか→児童・母子関係に就労している社会福祉士は4.8%、専門人材が圧倒的に少ない現状がある。
・母子自立支援員等の処遇改善→困難を抱えているひとり親は、経済的困窮や就労に係る問題、子どもの保育や教育、健康、生活環境の変化、住居、 DV被害や虐待など、いくつもの問題を抱えている。しかも、問題は一つではなく、複雑に絡み合っている。 →母子自立支援員等には高い専門性が求められる。
・養育費相談支援と面会交流→「参考となる明石市の取組み」「離婚しても親はふたり「共同養育」の発想を!→子どもの健全な発達につながる」
・日常生活支援の強化→「子ども食堂や学習支援、放課後学童クラブなど」「住居の安定確保」
・就業支援の強化→「働く」ことは自己肯定感を高める。→困難な状況を克服して自立をし た人は、今困難を抱えている人を助ける側に回ることができるように なり、良い循環が生まれるので、継続的な支援を就業支援につなげ、 自立を促すことは、重要な支援のプロセス
・地域での子育て→みんなで子育てするという「地域での子育て」は、どの子にも、どの 家族にも、そして地域にも良い「つながり」を生み、社会全体の活力 になる。ひとり親家庭の支援と合わせ「地域共生社会」の核となるよ うな「地域での子育て支援」も併せて検討することを希望する。
・関係機関等の連携→地域の人と みんなつながることが大事。 令和元年を「地域で子育て」元年に!


◎資料5 新川参考人提出資料→特定非営利活動法人M-STEP 理事長 新川てるえ
母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向 上のための措置に関する基本的な方針 及び平成26年改正法の改正後の施策の 実施状況についての意見
◯N P O法人M-STEPについて→ひとり親家庭の恋愛と再婚、ステップファミリーを応援 します ! 離婚後の親子のあり方に対する啓発


◯基本方針についてのご意見
・情報周知について
・・就労支援について
・相談窓口について→相談窓口の敷居が高く感じてしまわないような窓口の設置の工夫が必要
・児童扶養手当について→きっと楽になると思います。
・養育費について→支払い率があがったといっても、まだ20%。少なすぎます。
・面会交流について→全国的に第三者機関の設置が必要かと思います。
・養育費の確保について→4人に1人しか払われていません。
・養育費支払いに関する自治体の取り組み→「明石市・大阪市・湖南市がすでにスタート」「関東圏でも4月から取組を予定している自治体が数か所あり」
・養育費保証制度について→初期登録の保証料を上限5万円まで自治体が負担。5万円以上の養育 費の方はオーバーする分の初期登録料を自費負担。
・面会交流支援について→取決め率が上がっても、支援する団体がないと面 会交流ができない親子が沢山います。
◯平成26年改正法の改正後の施行状況に対するご意見
・相談窓口の強化
・養育費支払いの継続性の確保
・面会交流支援への取り組み
◯その他(課題等について)→ひとり親家庭の恋愛と再婚、ステップファミリーに潜む問題点を把握し対策を!!→「子連れ恋愛・再婚に関する調査を要望」「恋愛や再婚について、 相談しやすいようなしくみつくりを」「学ぶ機会や情報の提供」「子連れ再婚後に生活が安定するまでの見守り、相談支援が必要」


◎参考資料1 令和元年12月10日 第9回地域共生社会推進検討会 資料 (地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案))
◯目次のみ↓ (再掲ですので)
T 地域共生社会の理念と検討の経緯
1 地域共生社会の理念とその射程
2 「地域共生社会の実現」に向けた検討の経緯
U 福祉政策の新たなアプローチ
1 対人支援において今後求められるアプローチ
2 専門職の伴走型支援と住民相互のつながりによるセーフティネットの強 化
3 重層的なセーフティネットの構築に向けた各主体の役割分担の在り方
V 市町村における包括的な支援体制の整備の在り方
1 市町村における包括的な支援体制の構築に向けた事業の枠組み等
2 断らない相談支援
(1)相談支援の現状と今後の方向性
(2)具体的なスキーム
(3)多様な主体との連携
3 参加支援
(1)社会参加に向けた支援の現状と今後の方向性
(2)具体的なスキーム
4 地域づくりに向けた支援
(1)地域づくりの意義、地域づくりに向けた支援の現状と今後の方向性
(2)具体的なスキーム
(3)多様な主体との連携
5 市町村における包括的な支援体制の構築の際のプロセスと留意すべき点
6 介護、障害、子ども、生活困窮等の各制度から拠出する際の基本的な考え方
W 市町村における包括的な支援体制の整備促進のための基盤
1 人材の育成や確保
(1)専門職に求められる資質
(2)自治体の人材の育成・確保
2 地域福祉計画等
3 会議体
4 都道府県及び国の役割
X 終わりに


◎参考資料2 母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の家庭生活及び職業生活に関する動向
1.離婚件数の推移等
2.世帯数等の推移
(1)世帯数
(2)母子世帯、父子世帯の理由別の構成割合→ @母子世帯、A父子世帯
(3)寡婦の理由別の構成割合
(4)児童扶養手当の受給世帯
3.年齢階級別状況等 →(1)母子世帯 (2)父子世帯 (3)寡婦
4.住居の状況 (1)母子世帯 (2)父子世帯 (3)寡婦
5.就業状況 (1)母子世帯の母 (2)父子世帯の父 (3)寡婦
6.収入状況 (1)母子世帯(2)父子世帯(3)母子世帯の母の最終学歴別の前年の平均年間就労収入(4)父子世帯の父の最終学歴別の前年の平均年間就労収入
7.学歴の状況 (1)母子世帯の母の最終学歴(2)父子世帯の父の最終学歴
8.相対的貧困率
9.養育費の取得状況 (1)母子世帯(2)父子世帯
10.面会交流の実施状況 (1)母子世帯(2)父子世帯
11.子どもの状況等 (1)母子世帯(2)父子世帯(3)母子世帯及び父子世帯の子どもの状況
12.その他 (1)公的制度の利用状況等(2)子どもについての悩み(3)困っていること(4)相談相手について

次回は、「「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」の報告書を公表します」からです。
第14回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」 [2019年12月24日(Tue)]
第14回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」(令和元年12月12日)
《議題》 母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な 方針及び平成26 年改正法の改正後の施策の実施状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08396.html
◎資料1 鈴木委員提出資料 →浜松市こども家庭部 子育て支援課
◯目 次 ↓

1 浜松市の概要 2 浜松市の組織 3 子ども・若者支援プラン (ひとり親家庭等自立促進計画) 4 ひとり親家庭等福祉対策事業

◯まとめ(現状・課題・意見・要望など)↓
@母子家庭等就業・自立促進センター事業
・弁護士による無料法律相談も実施しているが、「養育費」に関する相談が最も多い。
【課題】個々間の問題のため、自治体による直接折衝・干渉は極めて難しく、啓発・支援までが限度  
養育費の「確実」な確保までの支援は難しい ・・・
A自立支援プログラム策定事業 【意見】伴走型の支援であり、今後も有用である
B自立支援給付金(教育訓練/高等職業訓練促進給付金)
【意見】就業や収入の増に繋がるものであり、今後も有用である 制度改正(修学最終学年の給付額増)は、資格取得や就業への意欲を高めることにも繋がる
C日常生活支援事業
【課題】確実な制度運用ができない(支援員と利用者のマッチングが成立しないケース) 【要望】支援員の確保増に繋げられるよう、報酬基準額の増・支援員養成に関する助成等
D生活向上事業・学習支援事業
【意見】(生活向上)相談する相手がいないひとり親家庭の孤立の防止に繋がり、有用である 【課題】(学習支援)支援する側(ボランティア)の確保
E高卒認定試験合格支援事業・・・【意見】利用は少ないが、今後も必要である
F高等職業訓練促進資金貸付事業
【意見】高等職業訓練促進給付金の利用促進に繋がり、有用である

●その他
・児童扶養手当支給事業・・【意見】給付回数の見直しにより生計の安定に繋がると考える
・母子父子寡婦福祉資金の貸付
【現状】子の修学資金の貸付相談時に、他制度(文科省-修学支援制度)についても説明するよう 努めている
【意見】子の修学資金の貸付相談時に、さらに他制度(文科省-修学支援制度)も含め、 周知徹底や啓発を図るべきと考える


◎資料2 森内委員提出資料 →全国母子・父子自立支援員連絡協議会 会長 森内純子
◯はじめに(協議メンバーからの意見)↓
・福祉資金の滞納者の多くは、母子家庭の母が寡婦となり健康を損ねて就労がままならぬこと、 連帯借主の子供が成人しても自身に課題を抱えて就労が安定せず働いていないのが主な要因 ですが、自己責任だと言わないでください。努力を重ねてきたことを支援員は見てきました し、困難を乗り越えられるようこれからもお声掛けをしていきたいと存じます。
・「子どもの自立」あってこその「母子・父子・寡婦の自立と幸せ」 所得や年齢に制限されることなく支援策が届くことを望みます。

@ 基本方針についての意見(基本方針に定める施策の実施状況・新たに盛り込みたい事項、 修正を希望する事項)↓↓
・就労→寡婦やひとり親の子供に対する就業・就労支援の創設
・事業の対象者の拡大→児童扶養手当の受給者の拡大が多くの支援事業の対象者拡大につながる。 「所得制限のさらなる引き上げ」「同居する扶養義務者は両親のみ」「初年度の所得制限において、扶養する子供数の所得制限としてみなす」「寡婦の支援の拡大→給付金事業、自立支援プログラム事業、生活保 護受給者等就労自立促進事業の対象者に加える」。
・母子父子寡婦福祉資金の見直し→「就学支度資金:修業施設の償還期限を20年に延長」「公立高校の就学支度資金の限度額の引き上げと、小・中学就学支度 資金の引き上げ」
・寡夫福祉資金の創設→
・正しい離婚協議キャンペーンの展開と離婚前相談の充実→養育費の確保及び面会交流に関する取り決めの促進のため。
・母子・父子プログラム策定事業→とても有効な支援だが、地域の取組みに差があるなぜか→事業の実施自治体、策定件数が減少。⇒ 事業の地域による取組の差とばらつきの検証をして自治体に取組みを推進する
・相談体制の整備→母子・父子自立支援員が役割を遂行できる処遇と、専門性が発揮できる働き方を検証し、雇用・待遇の就労環境を整えて人材を育成する。母子・父子自立支援員への理解。ひとり親家庭支援の手引きの活用。ひとり親家庭支援ナビの活用。

A平成26年改正法の改正後の施行状況に関する事項→母子・父子自立支援員の配置数は 増員しているが、兼務が多くその兼務職と職員の補助事務に追われている。ひとり親家庭・ 寡婦への支援が埋もれている傾向。「自治体内での相談窓口に誘導するシステムを構築し てほしい」「ひとり親家庭の総合的な支援に同行支援、アウトリーチを取り入れる」「母子家庭等自立支援給付金等は有効な支援で拡充されているが、対象に寡婦を加える」

Bその他(ひとり親家庭支援策の取り組み状況、課題等について)
・寡婦の支援施策について→ 寡婦家庭、寡夫家庭として母と子に、父と子に一体化した支援をする 教育訓練等1-4年間の訓練中の途中に寡婦となれば給付金支援が終了する 寡婦・寡夫のみでなく子どもに支援(就労・教育学習支援等)をしないと自立につながらない
・父子家庭の支援施策について→子育て・家事と仕事の両立支援、児童へ教育学習支援が重要 寡夫福祉資金の創設
・母子・父子自立支援員の地位の向上→ 母子・父子自立支援員の専門性を確保し長期的な雇用環境と、本来の 職務遂行の確保
・全国母子・父子自立支援員等研修の開催実施について 自治体が開催に対して消極的、非協力的、県母子・父子自立支援員連絡協議の負担が増し、全国母子・父子自立支援員連絡協議会からの脱会 が続き全国研修会開催が窮地に陥っている
全国母子・父子自立支援員等研修会の安定した実施要綱の構築

・自治体の取り組む相談支援体制への整備→自治体の利用率の低さを真剣に受け止めて信頼される相談窓口体制の 構築に取り組む。  母子・父子自立支援員がひとり親家庭、寡婦の福祉につながる働き方 ができる体制を整える。同行訪問、アウトリーチ、本来の職務に専念。  ひとり親家庭等への相談支援を行うにあたっては、厚生労働省作成 「ひとり親家庭支援の手引き」に則して業務を行う等の相談支援体制の 整備を行う。
・自治体、職員の養成→担当職員の研修会参加によりひとり親家庭、寡婦等の福祉支援策の実現 に取り組む

◯全国母子・父子自立支援員連絡協議会(所在地 : 東京都千代田区霞が関1-2-2厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課内)
・昭和35年11月に「全国母子相談員連絡協議会」として発足
・目的→ 母子・父子自立支援員等の資質並びに社会的地位の向上を図る
・目的を達成するための事業→ ・単位団体相互の連絡 ・ブロック連絡協議会の開催 ・各関係機関との連絡 ・母子家庭父子家庭寡婦の福祉に関する諸問題の研究 ・その他本会の目的達成に必要な事業
・主な事業は、全国母子・父子自立支援員研修会の運営と厚生労働省のひとり 親福祉行政への協力、各ブロック協議会の助成など


◎資料3 芹澤委員提出資料→全国母子生活支援施設協議会 副会長 芹澤出
母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針及び 平成 26 年改正法の改正後の施策の実施状況について
1. 基本方針について

@特別な支援が必要な母子世帯(DV 被害者、障害や疾患、児童虐待リスク等)については、母子生活 支援施設の積極的な利用を勧奨し、適切に保護すること。また、一律に利用期間を限定するのではなく、 ソーシャルワーク機能を活用した適切なアセスメントに基づき、必要な保護を実施すること。
A地域の実情を踏まえ、地域のひとり親家庭支援の拠点として母子生活支援施設を積極的に位置づけること。
2. 平成 26 年改正法の改正後の施行状況等について
@ 子どもの貧困世帯におけるひとり親家庭の割合から→子どもの貧困世帯の内、ひとり親世帯の割合は 61.0%であり、子どもの貧困問題解決にはひと り親世帯の貧困解消が大きなウエイトを占めます。 また、様々な要因から貧困世帯に児童虐待が多く発生しているとの指摘があります。児童虐待 防止のためには、母子がともに生活しながら必要な支援を受けることができる、母子生活支援施 設機能を活用した保護の促進と支援体制の充実を図ることが有効です。
A ひとり親家庭の現状(支援がつながりにくい)から
B 地域支援に活用できる母子生活支援施設機能(実施実績のあるもの)から
C 母子生活支援施設機能を活用した地域のひとり親支援のメリットから

3. ひとり親家庭支援策の取組状況、課題等について
ひとり親家庭に対する支援施策が展開されていますが、ひとり親家庭に十分活用されていない現状 があります。このような状況を改善するためには、身近な地域で日常的に気軽に相談し、必要な支援 を受けることのできる相談支援体制の構築が不可欠であり、夜間、休日でも相談対応が可能で、必要な 時には保育や同行、代行、訪問支援など様々な支援を提供できる母子生活支援施設の機能の活用が大変 有効です。母子生活支援施設には、様々な研修や訓練を受け、知識や経験をもつ保育士や社会福祉 士、心理専門員等がいます。また、日常的に福祉事務所を始めとする様々な関係機関との連携も行な っており、母子生活支援施設の機能を活用した地域のひとり親家庭支援はまさに的策です。

次回も続き、「資料4佐藤参考人提出資料」からです。
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 [2019年12月23日(Mon)]
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(令和元年12月10 日)
《議事》  ・最終とりまとめ案について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00019.html
◎資料1-2 参考資料
◯地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会
◯日本社会や国民生活の変化(前提の共有)
◯対人支援において今後求められるアプローチ→本人を中心として、“伴走”する意識
◯伴走型支援と地域住民の気にかけ合う関係性によるセーフティネットの構築
◯新たな包括的な支援の機能等について→市町村が@断らない相談支援 A参加支援(社会とのつながりや参加の支援) B地域づくりに向けた支援。→本事業全体の理念は、アウトリーチを含む早期の支援、本人・世帯を包括的に受け止め支える支援、本人を中心とし、 本人の力を引き出す支援、信頼関係を基盤とした継続的な支援、地域とのつながりや関係性づくりを行う支援である。
◯市町村の包括的支援体制の構築→新たな事業の枠組み@〜Bを一体的に。
(市町村が取組を進めるに当たって留意すべき点)
◯新たな事業について(イメージ)→地域住民や関係機関等と議論しながら、管轄域内全体で断らない包括的な支援体制を整備する方策を検討。→断らない相談支援の機能に繋がった本人・世帯では複雑・複合的な課題が存在している場合には、新たに整備する多機関協働の中核の機能が複数 支援者間を調整するとともに、地域とのつながりを構築する参加支援へのつなぎを行う。支援ニーズが明らかでない本人・世帯は、アウトリーチによる支援など継続的につながり続ける伴走の機能により、関係性を保つ。これらの機能を地域の実情に応じて整備しつつ、市町村全体でチームによる支援を進め、断らない相談支援体制を構築していく。 また、地域づくりに向けた支援を行うことにより、地域において、誰もが多様な経路でつながり、参加することのできる環境を広げる。
◯新たな事業の枠組み↓
◆断らない相談支援
→属性を超えた支援を可能とするため、各制度(高齢、障害、子ども、困窮)の相談支援事業を一体的に行う事業とするとともに、(ア)世 帯をとりまく支援関係者間を調整する機能(多機関協働の中核)、(イ)継続的につながり続ける支援を中心的に担う機能(専門職の伴走支 援)をそれぞれ強化。
◆参加支援(社会とのつながりや参加の支援)→属性毎に準備された既存制度の様々な支援メニューを活用するとともに、既存制度に適した支援メニューがない場合、本人のニーズを踏ま え、既存の地域資源の働きかけ、活用方法を広げるなど、本人と地域資源の間を取り持つ総合的な支援機能を確保し、本人・世帯の状態に寄 り添って、社会とのつながりを回復する支援を実施。
◆地域づくりに向けた支援→各制度(高齢、障害、子ども、困窮)の関連事業を一体的に行う事業とし、「ケアし支え合う関係性を広げ、交流や参加の機会を生み出すコーディネート機能」「住民同士が出会い参加することのできる場や居場所の確保」以上の機能を確保。
◯現行の各種相談支援事業の財政支援等の状況

◯複合的な課題を抱える家族への支援事例
◯ひきこもりの相談支援事例
◯新たな事業において実施が期待される支援について
◯参加支援の事例
◯地域づくりの事例⇒常設型の居場所の設置を通じ、各取組ごとに確保していた活動場所が確保しやすくなるとともに、コーディネーターによる 地域支援の取組が強化されることを通じて、既存の地域活動が強化されるとともに、多様な活動が新たに生まれやすくなる。
◯地域共生に資する取組の促進 〜多様な担い手の参画による地域共生に資する地域活動の普及促進〜
・多様な主体による地域活動の展開における出会い・学びのプラットフォーム

◎関連資料
◯地域共生社会とは
◯「地域共生社会」の実現に向けた地域づくりに関するこれまでの経緯
◯改正社会福祉法の概要 (地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律による改正)
◯「地域共生社会」の実現に向けた地域づくりの強化のための取組の推進
◯相談支援等の事業の一体的実施に当たっての課題(自治体職員へのヒアリング結果)
◯「地域づくりに資する事業の一体的な実施について」
◯地域共生・地域の支え合いの実現に向けて
◯包括的な支援体制の整備例(1)@A→「モデル事業においては、「まるごと相談窓口」として分野を包括した専門職による相談支援窓口や、住 民に身近な地域で相談を受けとめる窓口が配置」「モデル事業における包括的な支援を実現するための体制については、相談窓口の配置、専門職の配置、 またそれぞれの機関、人がカバーする圏域の範囲など、具体的な整備のあり方は多様であり、自治体の 人口規模や広さ、地域資源の状況等に応じて創意工夫しながら取り組んでいる。」
・包括的な支援体制の整備例(三重県名張市)
・包括的な支援体制の整備例(福井県坂井市)
・包括的な支援体制の整備例(茨城県東海村)
・包括的な支援体制の整備例(愛知県豊田市)
◯コミュニティソーシャルワーカーが支える住民主体の地域活動(大阪府豊中市)
◯既存の相談支援機関の人員配置基準・資格要件等
◯「断らない相談支援」に必要な機能
◯地域福祉計画・地域福祉支援計画について(社会福祉法の規定)→(市町村地域福祉計画) 第107条。(都道府県地域福祉支援計画) 第108条。
◯包括的支援体制の整備に関する地域福祉計画の規定〜告示、通知 「包括的な支援体制の整備に関する指針」(大臣告示)「地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進について」(局長通知)
◯「市町村地域福祉計画、都道府県地域福祉支援計画策定ガイドライン」(局長通知)→1 市町村地域福祉計画、2 都道府県地域福祉支援計画
◯既存事業における都道府県の役割

◯地域における自殺対策の推進について
◯各制度等における複合的課題等 (自殺対策(自殺既遂者))
・足立区における自殺対策と生活困窮者自立支援の連携
・江戸川区における自殺対策と生活困窮者自立支援の連携
・野洲市における自殺対策と生活困窮者自立支援の連携
◯都道府県及び市町村自殺対策計画策定の手引について(局長通知)

◯居住支援協議会の概要
◯権利擁護支援の地域連携ネットワークと中核機関
◯社会福祉法人による地域における公益的な取組について


◎参考資料1:構成員配付資料
地域共生社会推進検討会最終とりまとめに対する意見
NPO 法人子育てひろば全国連絡協議会 奥山千鶴子
1.子ども・子育て支援分野からの懸念

@「断らない相談支援」について→子ども・子育て支援分野において相談対応を行ってきた母子保健、子育て支援、児童虐待 対応等に関わる関係部局等との連携調整が整った自治体から取り組むべき。子ども家庭支援 分野での包括的支援もままならないまま、高齢・障害・困窮分野とより良い連携体制の構築が実 現できるとは考えにくい。 断らない相談支援において、子育て世代にとってこれまでより相談しにくい環境とならないよう、子ども・子育て分野の相談支援という看板を下ろすことなく、他分野との連携・伴走支援が できるよう制度設定が必要です。
A「地域づくりに向けた支援」について→地域子育て支援拠点事業は、一般型での実施基準は週 3 日以上一日 5 時間以上の実施、 連携型(児童館等)で週 3 日以上 1 日 3 時間以上の実施となっていますが、事業の対象である乳 幼児とその養育者がつどうという実施基準を順守したうえで、基準時間以外においては他の属性 の対象者も利用可能な柔軟な方向性を求めます。その基準時間以外の取り組みにこそ新たな交付 金を活用、その他多世代の利用類型など各既存の事業類型では取り組めなかった類型に対して、 新たな交付金を活用することを期待します。

2.財源の拠出と配分に対する意見→今回、新たな包括的な支援体制を選んだ自治体の交付金は、財源を子ども・子育ての交付金か ら高齢・障害の対象予算とともに新たに設置される交付金に一度集めて、再度配分という一体的 な執行となっていますが、以下の懸念があると考え意見を申し上げます。
@3 つの支援を一体的に行うと決めた自治体にあっても、既存の利用者支援事業、地域子育て支 援拠点事業は子ども部局の担当とし、地域子ども・子育て支援事業として実施していただきたい。 補助金の交付についても従来通りとし、共生型の新しい類型についてのみ新規の一括交付として ほしい。
A3 つの支援を一体的に行うと決めた自治体にあっても、既存の利用者支援事業、地域子育て支 援拠点事業を基盤とし、実施水準を確保したうえで、他分野との連携強化を図る場合(高齢者、 障害者、困窮者等の支援)は、プラスの共生型の補助金を交付としてほしい。 B3 つの支援を一体的に行うと決めた自治体→子ども・子育て、高齢、障害等を一体的にサポートする会議体をつくるとともに、子ども・子育て、高齢、障害、困窮支援分野の事業所(または実務者)をメンバーに加えて、透明性のある資金の積算、配分、運営について協議して進めることを要望する。この会議体設置を自治体に義務付け、体制整備を進めること先決である。その体制を見極めてから、あらたな事業スキームに対して共通の一括交付を実施。既存の事業まで 一括交付する必要性はないと考える。
C一括交付の対象となっている他分野の事業内容と予算、積算項目、人員配置基準等について詳 細に示し、交付金の一括交付の積算内容のモデルやシミュレーションを示すことなく、一体交付を決定するのは、これまでそれぞれの分野で事業を推進してきた事業者にとっての説明責任が果たされていないと考える。 着実な推進体制が構築されるためには、これまでの制度・実施体制を確保・強化したうえで、 共生型社会に向けてプラスの予算を確保して実施してほしいと考えます。

◎参考資料2:本検討会構成員名簿→19名。

◆地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04612.html

次回は、「第14回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」」からです。
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 [2019年12月22日(Sun)]
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(令和元年12月10 日)12/22
《議事》  ・最終とりまとめ案について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00019.html
◎資料1-1 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案)
W 市町村における包括的な支援体制の整備促進のための基盤
1 人材の育成や確保
(1)専門職に求められる資質
・ 市町村の専門職や新たな事業の委託を受けた事業所の専門職など、包括的支援に携わる人
→地域共生社会への意識を高めその意識を基に日々の実践を展開していくための倫理観を向上することが求められる。その上で、 その支援の質を担保することは、新たな事業を実施する上での要であり、研修カリキュラムや教材等の整備の推進、研修の実施等、人材の育成・確保に向けた取組を進めることが重要である。
・ 断らない相談支援→本人や家族を包括的に受け止めるためのインテークの方法や、課題を解きほぐすアセスメントの視点、さらに市町村全 体でチームによる支援を行うための総合調整等に関する手法・知識が求められる。また、自ら相談に来られない人も想定したアウトリーチの手法や、DV 被害者や性暴力被害者、児童虐待の被害者など回復に時間が掛かる状態も想定し、継続的に関わり、つながり続ける支援を進めるスキル等も求められる。
・ 参加支援→本人の抱える制度の狭間のニーズに対応するため、福祉分野のみならず地域の多様な分野とつながりながら、既存の人的・物的資源 を組み合わせたメニューを作ったり、資源がない場合には新たに作り出すた めのノウハウが求められる。
・ 地域づくりに向けた支援→地域の人と人のつながりや既存の活 動を把握した上で、それらを活性化すること、包摂的な地域社会を目指して、 共生社会への意識啓発を進めること、子どもから大人まで全世代にわたる福 祉教育、学習の場、新たな地域活動を創出することに関するスキルが求められる。

(2)市町村の人材の育成・確保
・ 新たな事業を円滑に進めるためには市町村の人材の育成・確保も求められる。   新たな事業を開始するに当たっては、庁内全体で包括的な支援体制について検討し、体制の構築を進めることが求められる。その中では、福祉部門の職 員だけではなく、職員全体に対して研修等を行う必要がある。また、例えば、 庁内にプロジェクトチームを設置し、自分の部署の役割を離れて、包括的な支 援体制の構築に向けてどのような取組が求められるか等を職員が主体的に考 えていくことも重要。 加えて、事業開始後も、例えば、新人職員や各役職の研修に包括的な支援体 制に関する内容を盛り込み、すべての職員が定期的に包括的な支援体制につ いて学ぶといった工夫も有効である。また、庁内において福祉領域全体はもち ろんのこと、教育やまちづくり等に関する制度や仕組み、財政等に関する知識 を有する人材を組織的に育成しつつ、チームで対応していくことが求められる。 ○ さらに、地域住民と市町村職員や専門職が共に研修を行う機会を作ること により、地域づくりの推進に向けて共に学び合うことができるようになり、地域で人と人のつながりや既存の助け合い活動の重要性などを理解し、地域住民が主体性を持って地域づくりを進められるようになる。

2 地域福祉計画等
・ 改正法で、地域福祉計画
→市町村に策定の努力義務が課されるとともに、福祉の各分野における共通事項を定め、上位計画として位置付けられた。また、市町村が包括的な支援体制の整備を進める場合には、地域福祉計画 に記載することとされている(都道府県が策定する地域福祉支援計画も同様)。今般、市町村が新たな事業を実施する場合にも、地域福祉計画の記載 事項とすべきである。
・ 計画の策定過程を通じて、市町村が、住民や関係者・関係機関との意見交換等を重ね、包括的な支援の考え方や新たな事業に関する共通認識を醸成する ことが重要。また、定期的に事業の実施状況等の分析・評価等を進める。 地域福祉計画の策定に当たっては、介護保険事業計画など他の分野の計画との記載の整合を図る必要がある。
・ また、都道府県においても、市町村の事業実施を支援することを始め、包括的な支援体制の構築における役割について、地域福祉支援計画の記載事項とすべきである。
・ 地域福祉計画等の策定に当たっては、自殺対策基本法(平成 18 年法律第 85 号)において、すべての都道府県及び市町村が地域自殺対策計画を定めるものとされていることから、記載事項等について調整を図るとともに、成年後見制 度等の権利擁護、再犯防止・更生支援に関する計画とも調整を図ることが求められる。 なお、地域共生社会の推進→地域福祉計画だけでなく、自治体の最上位計画である総合計画に記載する自治体もある。地域共生社会を総合計画に位置付け、福祉部局だけでなく、自治体全体で取組を推進することは重要であることから、国はそれらを好事例として積極的に周知していくべきである。

3 会議体
・ 包括的な支援体制の構築に向けては、多職種による連携や多機関の協働が重要な基盤となる。
これが充実するためには、多職種、多機関が集い情報共有 や協議を行う場(会議体)の機能が重要である。 既存の属性別の制度等による会議体(※)があることに十分に留意して、これらを有効活用し、市町村の職員も参画した上で、包括的な支援の提供に向け 個別事例の検討等を行うことが望ましい。これにより、包括的な支援の提供が 推進されるとともに、個別事例の検討が積み重なることで地域の課題が明ら かになり、その解決に向け、例えば、参加支援の充実の検討を進めるなど、市町村の取組が充実することも期待される。
・ なお、地域ケア会議(介護)、支援会議(生活困窮)、要保護児童対策地域協 議会(子ども)は、各法律で構成員に守秘義務が課されていることから、関係 者で個人情報を共有しながら個別事例の検討を行う場としての活用も可能である。

4 都道府県及び国の役割 (都道府県の役割)
・ 市町村における包括的な支援体制の構築を促進するため、広域自治体である都道府県は、管内自治体の実情に応じて
、→「市町村における包括的な支援体制の構築の取組の支援」「 市町村域を越える広域での人材育成やネットワークづくり」「広域での支援や調整が求められる地域生活課題への対応」などの役割を担うことが考えられる。 市町村における包括的な支援体制の構築の取組の支援としては、管内自治 体の実態を把握した上での広域実施や他の事業との一体的実施などに向けた 支援、管内自治体における先駆的取組やノウハウ等の情報収集及びそれらの 情報の発信が考えられる。
・ 市町村域を越える広域での人材育成やネットワークづくり→包括 的な支援体制の構築に係る人材の育成に向けた研修の開催や、支援員のバーンアウトを防止するために、支援員同士のネットワークづくりや、管内自治体 相互のネットワークをつくり、広域での地域づくりや参加支援等のバックア ップを行うことが求められる。
・ 広域での支援や調整が求められる地域生活課題への対応→DV 被害者や性暴力被害者、刑務所や少年院からの出所者など、住民の身近な圏域で対 応しがたい場合や、より専門的な支援が求められる場合等において、都道府県 が積極的に対応することが考えられる。具体的には、都道府県が自ら相談を受 け、支援を行うことに加え、広域的な支援という観点の下、市町村や断らない 相談支援に従事する支援員を後方支援する事業(スーパーバイズを行う事業) の実施や、複数の都道府県域にまたがるケースの場合には、都道府県同士が連携し、対応するということも重要である。 特に、小規模な自治体や自立相談支援機関を有しない町村に対しては、都道 府県によるきめ細かな支援が必要。 また、本人や世帯の状況に合わせた多様な支援の実施が求められる参加支援→生活困窮者自立支援制度の実践で見られるように、当該市町村と 意見交換しながら、事業の共同実施の調整、都道府県に対する事業実施の委託の調整等、サポートを積極的に行う必要がある。
(国の役割)→ 引き続き、SNS 等も活用しつつ、都道府県域を越える相談事業を進めるほか、市町村等に対して、→「標準的な研修カリキュラムや教材等の整備」「それぞれの地元の大学の力を活用するなど、都道府県と連携したブロック別研修等の実施を通じた人材育成の推進」「職員を個別に市町村へ派遣し、包括的な支援体制の構築に向けた気運を醸 成」「体制構築に関する事例の分析や共有」 といった支援を進めることが考えられる。
(留意すべき点)→国及び都道府県が、こうした役割を果たすに当たり、各市町村の直面する状況が非常に多様であり包括的な支援体制の姿やその構築に向けての歩 みも一様ではないことを十分に理解しできるだけ多くの住民が新たな事業による支援を受けられるように、各市町村に足を運び、状況の把握に努め、その時々で市町村が必要としている支援を柔軟に提供していくことが重要。特に小規模市町村の状況等には十分に留意しつつ、その支援を円滑に提供するために様々な支援手法の具体化を図っていくことも求められる。

X 終わりに
・日本社会の変化や個人の人生の多様化や複雑さが増していることを踏まえると
、今後、福祉の対人支援に求められるのは、一人ひとりの個別のニーズや 様々な生活上の困難を受け止め、自律的な生を継続していくことを支援する という視点である。 このような福祉政策の新たなアプローチを強化し、個人の尊厳の保持と存在そのものの承認を核としながら、包摂的な地域社会の実現を図るための一方策として、本検討会では、属性を超えた支援が可能となるよう、@断らない相談支援 A参加支援 B地域づくりに向けた支援 を内容とする事業を創設するとともに、財政支援の方法を改めるように提言を行った。 市町村が包括的な支援体制の構築を検討する際には、地域住民や関係機関 と協働していくプロセスを重視し、また、事業を実施する中でも試行錯誤を繰 り返しながら、地域のニーズに合わせて取組内容や組織体制等を変化させて いくという柔軟性は、属性毎の専門的な支援を充実させてきた福祉分野の成 り立ちからすれば、新たなパラダイムである。さらに、地域共生社会の理念の中で謳われている、一人ひとりの生きがいや 役割は、このような協働のプロセスを多くの関係者や地域住民と共有する中 から生まれてくるものと考えられる。
・ 今後、新たな事業の実施に向けて、より詳細な要件や基準、財政支援に係る 交付の在り方等に関する検討が行われるが、国においては各分野の支援関係 者や自治体の声を十分に聞いた上で、これまでの各分野での取組等も十分に 尊重しながら、丁寧で納得感のあるプロセスとすることが重要。
・ また、本検討会は社会福祉法に創設する新たな事業の枠組みに重きを置い た議論となったが、本来、地域共生社会の理念が捉えている射程は福祉の政策 領域にとどまるものではない。福祉以外の領域においても、地方創生施策、地域循環共生圏など、包摂的な地域社会を目指した取組が進められている。社会福祉法の新たな事業の創設が契機となり、他の分野との協働や省庁横断的な 取組が更に推進されるように、広がりのある議論やその具体化が進むことが求められる。 〇 2040 年の構造変化も見据え、日本において人と人とのつながり、人と地域とのつながりを生み出し、包摂的な地域社会を作っていくことは個人の幸福 や地域社会の存続という観点から極めて重要であり、新たな事業の推進がその第一歩につながっていくことを期待したい。

これで、「資料1-1 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案)」が終わり、次回は、「資料1-2 参考資料」からです。
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