第9回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会 [2018年11月30日(Fri)]
第9回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会 (平成 30 年 10 月 30 日)
≪議事≫(1)女性の活躍の推進のための対策について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02044.html ◎資料3 女性の活躍の推進のための対策に関する主な論点 (1)女性活躍推進法について @ 行動計画策定について ア 企業における女性活躍に関する計画的な PDCA サイクルを広く促すため、例 えば、次世代育成支援対策推進法と同様に、101 人以上 300 人以下の企業にも 行動計画策定を義務付けることが考えられる。このことについて、どのように 考えるか。また、この場合、特に中小企業の負担に配慮する方策として、どの ようなことが考えられるか。 <策定義務の対象を拡大すべきというご意見>→全ての企業に義務付けるべき。 <拡大すべきでないというご意見>→て慎重に検討すべき。 <企業規模によって対応内容を変えてはどうかというご意見>→より項目を選択可能にするなどの方法もある。 イ 状況把握について、現行は、各社の共通の課題となる基礎項目について状況 把握・課題分析を行い、その結果を踏まえて任意項目の状況把握・課題分析を行う仕組みとしている。更に一定の項目を基礎項目に追加することについてどのように考えるか。 <基礎項目を追加すべきというご意見>→男女の賃金格差は女性活躍の取組の結果指標として重要。基礎項目とすべき。 <基礎項目を追加すべきでないというご意見>→行動計画策定指針で示している取組の方法のチャートを周知し、取組例を提示して いく方法もあるのではないか。 ウ 数値目標について、各企業の状況に応じた自主的な判断を尊重しつつ、より 効果的なものになるよう、その設定の在り方を見直すことについてどのように 考えるか。→労使協定を結ぶなど、行動計画の策定に労働者の代表や組合が関与できるように すべき。また、目標達成を義務化すべき。 A 情報公表について ア 情報公表の対象について、現行は 301 人以上の企業について公表を義務付けている。経済財政運営と改革の基本方針 2018 において「「女性活躍加速のための重点方針 2018」を着実に実施しながら、女性の活躍状況の「見える化」が徹底されるよう、女性活躍推進法の見直しも含め、必要な制度改正を検討する。」 とされていること等を踏まえて、より多くの企業に情報公表を促すため、101人以上 300 人以下の企業について情報公表を義務付けることが考えられる。こ のことについて、どのように考えるか。 <情報公表を義務付けるべきというご意見>→300 人以下の企業は、情報公表していない企業が多いと考えられる。情報公表が さらに行われるよう、促していくべき。 <情報公表を義務付けるべきではないというご意見>→企業の裁量にゆだねることが適当。 イ 情報公表の方法について、現行は、301 人以上の企業について、省令で示す 14 項目の中から任意の項目を一つ以上公表することとしている。また、未来投資戦略 2018 において、「管理職への女性の登用、多様で柔軟な働き方の導入、仕事と家庭生活との両立やキャリア形成への支援等について、数値目標設定や情報開示の拡大、取組状況に応じた企業へのインセンティブの充実等について検討する」こととされている。 求職者の職業選択に資するよう、例えば、以下の項目等の情報公表を促進する方策についてどのように考えるか。 <情報公表を義務付けるべきというご意見や、項目等を追加すべきというご意見>→状況把握項目の基礎項目については情報公表を義務付けるべき。非正規を含めた 雇用管理区分ごとの情報公表を進めるべき。また、状況把握項目と同じように項目 数を増やすべき。求職者の関心が高い育休の取得率なども公表すべき。残業時間や年休取得率などは雇用管理区分ごとに情報公表するべき。 <情報公表を義務付けるべきでないというご意見>→取組は各社各様であり、情報公開についても企業の裁量に任せるべき。 ウ 男女間の賃金格差を情報公表項目に追加することについて、どのように考え るか。 <情報公表項目に追加すべきというご意見>→新卒で大卒なら男女間に格差はないが、人事考課や査定で上司の判断にジェンダ ーバイアスがあると考えている。企業に残っているそうした性差別をあぶりだすた めに、賃金格差等の情報を公表することが必要。 <追加は慎重に検討すべきというご意見>→人事情報や賃金情報など社内でも公表していない項目が外部に出ることに違和感 がある。状況把握と情報公表は分けて考えるべき。 B えるぼし認定について ア 未来投資戦略 2018 において、「管理職への女性の登用、多様で柔軟な働き方 の導入、仕事と家庭生活との両立やキャリア形成への支援等について、数値目 標設定や情報開示の拡大、取組状況に応じた企業へのインセンティブの充実等 について検討する」こととされている。 認定を取得している企業のほとんどが三段階目の認定を取得していること を踏まえて、企業において更なる取組が推進されるよう、更に高い基準を設け ることについてどのように考えるか。→えるぼし認定を取得している企業はほとんど第三段階。三段階の基準にしている意味があるのか。えるぼし認定のインセンティブを拡充すべき。 イ えるぼし認定の基準について、女性が活躍している企業がえるぼし認定を受 けられるようにするため、男女の競争倍率等の基準を見直ししてはどうか。→性的指向、性自認、LGBT、SOGI の観点などで採用の性別欄を削除した場合に、採 用倍率の基準が原因でえるぼし認定が受けられなかった事例を踏まえ、女性が多い 企業向けの基準を検討すべき。 ウ その他えるぼし認定の取得を促進するためにどのような方策が考えられる か→えるぼし認定の取得企業を増やすべき。し取得企業の掲載の仕方が地味。もっと見やすくすべき。 C 履行確保について ア 求職者の職業選択に影響を与える情報公表をはじめとする事業主の義務の 履行確保を強化することについてどのように考えるか。→勧告等を受けた企業が速やかに対応していればよいが、そうでなければ履行確保 の実効性に懸念がある。女活法の信頼性を損ねないための方策が必要。 (2)男女雇用機会均等法について @ 法の理念に仕事と生活の調和を追加し、目的に男女間賃金格差の解消が含まれ ていることを明確化することについて、どのように考えるか。 <理念に追加すべきというご意見>→男女間賃金格差の解消が均等法の目的に含まれることを明確化し、取組を指針で 示すべき。また、仕事と生活の調和も理念に入れるべき。 <追加は慎重に検討すべきというご意見>→均等法はあくまで男女の均等確保のための法律であり、趣旨がぼやけることのないようにすべき。賃金格差は様々なフェーズの格差が無くなれば無くなっていくはず。均等法がしっかり守られていれば、賃金格差は無くなるはず。 A 間接差別の規定を見直すべきとのご意見について、判例の動向等を踏まえてどのように考えるか。 <間接差別の規定を見直すべきというご意見>→男女雇用機会均等政策研 究会報告書(平成 16 年6月取りまとめ)で示された7項目のうち、法的仕組みで対 応されなかった世帯主要件などの残り4項目も法制化すべき。 <見直しは慎重に検討すべきというご意見>→均等法で一通り法的措置ができている。履行確保をどうするかという論点はある ものの、均等法にこれ以上内容を追加するのは難しいと思う。 B コース別雇用管理指針において、無期転換した労働者の位置づけを明確化する ことについてどのように考えるか。 <コース別雇用管理指針を見直すべきというご意見>→コース別雇用管理指針について、無期転換した人も想定したものにすべき。また、 当該指針を法律に基づくものに格上げすべき。さらに、異なるコースで同じ仕事を していることもあるので、性差別禁止の判断を雇用管理区分ごとに行うという指針 の規定を削除すべき。 <見直しは慎重に検討すべきというご意見>→雇用管理区分ごとに比較しなければ判断できないため、削除すべきでない。指針 を策定する際に、厚労省から、総合職と一般職のみを対象に想定したものではない と説明があった。 次回は、「平成30年版過労死等防止対策白書」からです。 |