第6回福祉人材確保専門委員会 資料 [2025年12月24日(Wed)]
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第6回福祉人材確保専門委員会 資料(令和7年11月10日)
議事(1)福祉人材確保専門委員会における議論の整理(案)について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65751.html ◎資料1 福祉人材確保専門委員会における議論の整理(案) 令和7年11月10日 社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 T.はじめに (基本的な考え方) 1.介護人材を取り巻く状況 (介護人材を取り巻く状況)→2040年には、65歳以上の高齢者数がピークを迎えるとともに、介護と医療の複合ニーズを抱える 85 歳以上人口が増加する。このような一層の高齢 化の進展とともに、認知症高齢者の増加や独居の高齢者等の増加も見込まれるなど、介護ニーズは多様化・複雑化していく。 一方で、現役世代である生産年齢人口の減少も見込まれる中、将来にわたって必要な介護サービスを安心して受けられるよう、その担い手を確保することは喫緊の課題である。 (介護職員の必要数・推移)→・こうした中、現在の第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、⇒・ 2026年度には約240万人(+約25万人) ・ 2040年度には約272万人(+約57万人) の介護職員数が必要とされている。 ※ 括弧内は2022年の介護職員数215.4万人と比較して新たに確保が必要な介護職員の数。 ・ 介護保険制度が創設された 2000 年時点には、要介護・要支援認定者数は 約244万人であったところ、2023年には約705万人と、3倍近く増加して いる状況。利用者に対して介護サービスの提供を行う介護職員数についても、同様に増加しており、2000年時点では約54.9万人であったところ、 2023 年の介護職員数は212.6万人と、4倍近く増加している(※)。一方で、 2022 年からは約2.9万人の減少と、初めて減少に転じた。 ※「労働力調査」によると、全産業の労働者数は2000年時点では約6,446万人であったところ、2023 年時点では約 6,747 万人と約1.05 倍の増加であり、他産業と比較して、これまで介護職員の確保が行われてきたことが伺える。 (介護人材確保に係るこれまでの取組)→・ 介護人材確保のため、国においては介護職員の処遇改善、多様な人材の確保・育成、離職防止・定着支援・生産性向上、介護職の魅力向上、外国人材の受入環境整備に取り組むとともに、地域医療介護総合確保基金においても、 都道府県における地域の実情に応じた介護従事者確保のために、参入促進、 資質の向上、労働環境・処遇の改善の観点から様々なメニューを設けるなど、総合的な対策を講じている。 ※ このうち、処遇改善については、経済財政運営と改革の基本方針 2025(令和7年 6月 13 日閣議決定)において、「2025 年春季労使交渉における力強い賃上げの実現 や昨今の物価上昇による影響等について、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々 の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行う。」「 介護・障害福祉分野の職員の 他職種と遜色のない処遇改善や業務負担軽減等の実現に取り組む」とされている。 2.議論の経緯 (「 2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会について)→ 2040年に向けて、人口減少のスピードが地域によって異なる中、 ・ 予防・健康づくり、人材確保・定着、デジタル活用等を通じて、地域包括ケアを維持した上で、地域別のサービス提供モデルや支援体制を構築する必要があること、 ・ 地域の状況によっては、事業者間の連携等を通じ、人材確保を図りなが ら将来の状況を見越した経営を行うことにより、サービス提供を維持して いく必要があること を踏まえ、2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方について、高齢者等に係る施策や、他の福祉サービスも含めた共通の課題等の検討を行うため、 厚生労働省において「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討 会が開催された。 (本専門委員会について)→・ 同検討会においても介護人材確保は重要な課題として議論されたことを踏まえ、介護人材の確保・定着に向けてより一層取組を強化していく必要があることから、社会保障審議会福祉部会において、関係者による専門的観点から検討を進めるため、「福祉人材確保専門委員会」を設置した。 ・ 本専門委員会においては、同検討会の議論を踏まえ、以下の4つの論点を 示しながら、計6回にわたって議論を行った。なお、第2回及び第3回においては、本専門委員会の委員のほか、介護人材確保に関する有識者にも参考 人として出席いただき、ヒアリングを実施した。 ・ 高齢化や人口減少のスピードに地域によって差がある中、各地域における人材確保の取組をどのように進めていくべきか。具体的には、地域の状況を踏まえた課題の発見・分析・共有をどのように行っていくべきか。その際、都道府県をはじめとした地方公共団体の役割、ハローワーク・福祉 人材センターなどの公的機関の役割、介護福祉士養成施設の役割、地域の職能団体や事業者などの役割、それぞれの主体の連携について、どのように考えるか。 ・ 若者・高齢者・未経験者などの多様な人材をどのように確保していくか。 多様な人材とのマッチングを図るための介護事業所の業務の整理・切り出し等について、どのように進めていくか。 ・ 介護福祉士をはじめとして、介護現場において中核的な役割を担う中核的介護人材について、どのように確保していくべきか。具体的には、介護福祉士養成施設における教育の在り方、介護福祉士の資格取得の在り方、 山脈型をはじめとする介護人材のキャリアアップの在り方についてどのように考えるか。また、潜在介護福祉士の活用についてどのように考えるか。 ・ 外国人介護人材の確保・定着に向けてどのような対策をとっていくべきか。具体的には、小規模な法人等でも受入を可能とするための都道府県をはじめとした地方公共団体の役割、日本語支援の在り方をどのように考えるか。 ・ 本報告書は、上記の4つの論点を踏まえ、これまでの本専門委員会における議論を整理し、とりまとめたものである。 U.地域差を踏まえた各地域における人材確保の取組 →1.各地域・各事業所における人材確保に係る課題 (有効求人倍率の状況)→・介護関係職種の有効求人倍率は、令和7年9月時点で 4.02 倍と全職業の有効求人倍率(同月時点で 1.10 倍)と比較しても高い水準である。また、有効求人倍率を都道府県別に見ると、全都道府県で2倍を超えておりどの地域でも人材確保が厳しい状況が見て取れるが、都道府県によっては2倍台から8倍台まで、人材確保の厳しさに一定の地域差があることも見て取れる。 (介護職員の入職経路)→・また、介護職員の入職経路は様々であるが、「令和6年雇用動向調査」によれば、福祉分野におけるハローワークからの入職の割合が全産業と比較して高い状況にある。 一方で、入職経路の観点からは、民間の有料職業紹介について、紹介料が 経営的な圧迫要因となっていることから、ハローワークや福祉人材センター等の公的機関について、より細やかで迅速な対応ができるよう機能強化が必要であるとの意見があった。本年4月から個々の職業紹介事業者の紹介手数料の徴収実績の公開義務付けや、募集情報を提供する事業者について労働者等へのお祝い金等の提供の原則禁止といった、安心・納得して雇用仲介業を利用するための対応を行っており、こういった取組を引き続き進めていくとともに、後述するプラットフォーム機能の充実を行っていくことにより、公的機関の機能・連携の強化による個別事業者への支援を図っていくことが重要。 ※ 入職経路(新卒以外)について、全産業と福祉分野の比較を行うと、 ・ 全産業:ハローワーク17.5%、民営職業紹介所8.1% ・ 福祉分野(社会保険・社会福祉・介護事業):ハローワーク 26.9%、民営職業紹 介所12.2% (出典:令和6年雇用動向調査) (採用活動の実施状況)→また、採用活動における取組としても、ハローワークや福祉人材センター への相談や、職員を通じて友人や知人の紹介を受けている事業所が多い。一 方で、小規模な法人においては採用活動を行っていない割合も高い。 ※ 介護事業者における、採用活動の取組として、以下の2点が多い状況。 ・ ハローワークや福祉人材センターの担当者に相談:66.9% ・ 職員に対して友人・知人などの紹介を依頼:65.6% また、小規模法人(19 人以下)では、「採用活動を特に行っていない」と回答した法人が24.4%。 (出典:令和6年度介護労働実態調査) 2.プラットフォーム機能の充実の必要性 (プラットフォーム機能の充実の必要性)→・人材の確保にあたっては、高齢化や人口減少の状況、地域における人材の供給量など、地域差や地域固有の問題が存在することから、処遇改善や生産性向上に必要な予算・財源の確保、外国人の受入に係る必要な制度整備など、 国で全国共通で行うべき人材確保策を進めることに加え、地域の実情に応じた人材確保策に取り組んでいくことが必要。 ・どの地域・法人等でも共通する介護人材確保という課題は、関係者の参画 意欲・意識が高まりやすいテーマであるところ、こうした課題に対し、地域軸・時間軸も踏まえながら対応していくためには、関係機関間での情報共有や地域の関係者のネットワーク化を図ることなどにより、地域における連携・協働を強化していく必要がある。特に介護分野では、入職経路や採用活 動の取組の状況から、公的機関の役割や地域内における人と人との繋がりが特に重要であることが見て取れ、こういった取組を推進していくことが必要。 ・ 一部の地域においては、介護福祉士養成施設と福祉人材センターが連携して介護に関する入門的研修の実施からマッチングまでを一体的に実施する例や、事業所の採用担当者と介護福祉士養成施設がネットワークを立ち上げ現場目線で人材確保策を協議する例などがあるが、全国的に行われている状況にはないことから、こうした取組を全国的に広げ、定着させるための制度的な仕組みとして構築することが必要。 ※ 上記で例示した取組においては、実際に介護現場への就労につながっているものがあるほか、事業所と養成施設の関係性が構築されることでお互いの課題についての情報連 携を継続し実習の協力関係が構築されているなどの効果が表れている。 (プラットフォームの仕組み)→・このための仕組みとして、地域の状況を分析するデータを保有し需給推計を行い、かつ、地域医療介護総合確保基金を用いて人材確保に係る事業を実施している都道府県が設置主体となって、介護人材確保に関するプラットフ ォームを構築し、介護人材確保に関する地域の関係者(市町村・ハローワー ク・福祉人材センター・介護労働安定センター・介護事業者・介護福祉士養成施設・職能団体等)が地域の実情等の情報を収集・共有・分析することで 課題を認識するとともに、それぞれの役割・機能を果たしながら、ネットワ ークの中で協働して実践的に課題解決に取り組むための機能が必要。 加えて、事業者等が抱える個別の課題については、プラットフォームで構築されたネットワークを活用し、公的機関による必要な支援につなげていくことが期待される。その際、課題解決に向けた具体的な取組が進むよう、各 関係機関の主体的・積極的なプラットフォームへの参画と、その旨の国からの方針の周知徹底などによる連携体制の構築が重要である。 ・ このような取組に当たっては、単に地域の介護人材の状況に関する情報を収集・共有・分析するだけでなく、ネットワークの中で課題解決に取り組むことや、その取組について検証・改善し、取組を継続的なものとしていく仕組みが必要。 その点で、都道府県単位の情報を共有する協議の場に加えて、市町村単位や複数市町村の圏域単位など都道府県単位より狭い圏域で、地域の実情に応 じた個別課題に対する実践的な取組を創出していくため、例えば「人材確 保・定着」「職場環境の改善、生産性向上・経営支援」「介護のイメージ改善・理解促進」などの地域ごとの個別の課題に応じたプロジェクトチームを 設置し、プロジェクトチームごとに意欲のある関係者を中心に取組を推進し ていくことが必要であり、特に地域性を踏まえた人材確保の観点からは、市町村の協力が重要である。 こうした重層的な構造を取ることによって、情報の収集・共有・分析、課 題の発見を行い、それに応じた取組を実施し、取組の効果を検証し、改善して次の取組につなげていくPDCAサイクルを回すことが可能となる。 ・ このプラットフォームの機能を充実させていくためには、単に関係者が集まるだけでなく、関係者の個別の活動・取組を連携させていくためのコーディネーター的役割が必要。この点、地域の実情も踏まえつつ、社会福 祉事業等従事者の確保を図ることを目的として設置されている福祉人材センターがプラットフォームの事務局機能などの中核的な役割を担うことが考えられる。 また、プラットフォームについては、地域ごとの実情に応じて、地域における既存の協議会等と一体的に運営するなど、適切な連携・役割分担を図ることが必要。 ・こうしたプラットフォーム機能については、介護人材だけでなく、広く福祉人材の確保の観点から捉えることも必要であり、そういった観点でプラッ トフォームにおける構成員を検討することも重要。その際、福祉分野の中でも各分野における課題が異なる場合もあることから、地域の実情も踏 まえた会議体とすることが必要であるとの意見があった。 なお、必ずしも現場で従事する人材の確保・育成という観点だけではなく、 地域における福祉に関係する人口を増やしていくという観点から、地域の介護力向上等の地域ごとの課題や、地域における好事例なども踏まえながら、プラットフォームにどのような関係者がどのような役割で参画すべきか地域ごとに柔軟に考えることも必要との意見があった。 また、国においても、福祉分野ごとに必要な財政措置の検討を行うとともに、柔軟に活用できるメニューの整備などの工夫が必要であるとの意見があった。・ いずれにせよ、このプラットフォーム機能については、地域の実情に応じた課題に実践的に取り組むための仕組みであり、実効性を伴う必要があることから、必要な制度化を行うとともに、取り扱う内容・構成員・会議体の構 造等については、地域ごとに柔軟に設定する仕組みとすることが必要である。 V.若者・高齢者・未経験者などの多様な人材の確保・育成・定着 1. 多様な人材の確保・育成・定着の必要性 (多様な人材の確保・育成の状況)→・現在の第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、2040年度には約272万人の介護職員数が必要とされている。 生産年齢人口が減少していく中で、介護分野で働く人材を増やすためには、 これまで以上に、介護に知見のある者だけでなく、若者・高齢者・未経験者 などの多様な人材を確保し、働きやすい職場づくりを推進することが必要で ある。 ・ 介護職員の年齢構成について、施設等の介護職員と訪問介護員で多少の差異はあるものの、いずれも40~49歳・50~59歳がボリュームゾーンとなっている。また、65 歳以上の職員は施設等では 7.6%、訪問介護では 14.5% 。 性別で見ると、女性が施設等では 70%以上、訪問介護では 80%以上を占めている。 また、就業形態としては、施設等では 25.7%、訪問介護では 30.8%が有 期雇用となっている。 ・ さらに、介護福祉士養成施設の状況を見ると、令和7年4月1日時点の定 員13,628 人に対し、入学者が 7,970 人と、定員充足率は 58.5%と。また、そのうち留学生が4,532人と、半数以上を占めている現状。 2. 多様な人材の確保・育成・定着のための取組 (介護に関する情報発信・魅力発信)→・このような状況の中、多様な人材に介護分野で働いてもらうためには、介護に関する情報発信・魅力発信が必要である。また若者との関係では、教員 や保護者などが魅力的な就職先として介護分野を認識していないことなどが 考えられ、情報発信の方法について工夫が必要である。 ・ これまでも、魅力発信に関するポータルサイトを作成するとともに、現役の介護職員により仕事の魅力・やりがい・誇りなどを発信してきた、更にこういった取組の中で、介護現場ではテクノロジーの導入が進んできていることや、社会的課題に対応していることなど、介護現場における最新かつ的確な情報発信を、確保したい人材の属性を踏まえて推進することが必要。 テクノロジーを例にすると、生産性向上によって、介護職員の負担を軽減し、利用者と関わる時間を確保して、利用者・職員の双方の笑顔を生み出し、 笑顔で働き続けられる環境づくりにつながっているという意見があった。こういった、職員の負担軽減と介護の質の向上を両立させる最新の介護の取組 を積極的に情報発信していくことが必要。 また、他産業と比較した介護分野の魅力は、地域の産業体系などによっても異なるところであることから、介護に関する情報発信・魅力発信といった 広報戦略については、国・地方公共団体・関係団体が協働し、加えて前述したプラットフォームの中でも議論をしながら、地域の実情も踏まえて検討していくことが必要。 ・ また、実際に介護現場を体験してもらうことも、人材確保の観点からは重要。職場体験やインターンシップなどによって、実際に高齢者とのコ ミュニケーションをとること、ICT 機器の活用状況の見学・体験などを通じ、 地域の関係者に福祉の現場を理解してもらうことが重要である。 (介護職員の定着支援)→・また、人材の確保だけでなく、その定着についても取り組むべき重要な課題。介護職員の離職率は、令和6年度で 12.4%(※)と低下傾向、一定程度定着策の効果が見て取れるが、離職理由や早期離職防止・定着 促進に効果のある方策を見ると、人間関係や職場の働きやすさが定着のため に必要な取組である。 ※ 産業計の離職率は令和6年度で14.2%であり、介護職員の離職率は他産業よりも低い状況にある。 そのためには、国が示す生産性向上ガイドラインも踏まえ、テクノロジー の活用による介護の質の向上と業務負担軽減が重要。その際、テクノロジー導入によって安易に人員配置基準を緩和することは逆に利用者や働く人にしわ寄せが及ぶ可能性があることを懸念する意見があった。また、現場 でテクノロジーを活用できる人材の育成の取組も必要。 加えて、賃金体系・キャリアパス制度・人材育成の仕組みなどの雇用管理 の状況は事業所間に差があることから、前述したプラットフォームの中でも 議論をしながら、働きやすい環境づくりの取組を進めていく必要。適性のある貴重な人材が介護職を担っていることから、そのような人材が他産 業に流出することのないよう定着策も含めた人材確保策を図っていくこと。 (介護助手の活用)→・また、業務負担の軽減やサービスの質の維持・向上の観点からは、介護現 場における周辺業務を担ういわゆる介護助手の活用も1つの手法である。テ クノロジーの導入とタスクシフト/シェアをあわせて進めていくことにより、 業務改善や生産性の向上が推進される。高齢者や未経験者の活用の観点から も、介護助手の一層の活用を検討すべきである。 その際、介護助手の導入には、介護職チームにおける介護助手との連携の 在り方の整理を前提としたうえで、業務の整理・切り出しによる介護の直接 業務とその他業務の区分が必要になるが、これは人手不足解決だけを目的とする取組ではなく、サービスの質の向上にも不可欠な取組であり、介護の専 門性の明確化に繋がるものであることに留意が必要である。 W.中核的介護人材の確保・育成 1.中核的介護人材の役割 (これまでの議論の経緯)→・介護人材については、従前、「将来展望・キャリアパスが見えづらい」「専門性が不明確」「役割が混在」などの課題を抱えていた、若年者人口の減少、介護ニーズの高度化・多様化等の課題を踏まえ、本専門委員会において平成 27 年2月に報告書をとりまとめ、従前の「まんじゅう型」から、目指すべき姿として「富士山型」を示し、以下のような方向性を示している。⇒ @「すそ野を拡げる」〜人材のすそ野の拡大を進め、多様な人材の参入促進を図る〜 A「道を作る」〜本人の能力や役割分担に応じたキャリアパスを構築する〜 B「長く歩み続ける」〜いったん介護の仕事についた者の定着促進を図る〜 C「山を高くする」〜専門性の明確化・高度化で、継続的な質の向上を促す〜 D「標高を定める」〜限られた人材を有効活用するため、機能分化を進める〜。・ 一方で、介護人材の目指すキャリアパスについて、全員がマネジメントを到達点とするのではなく、自らの選択でキャリアアップを目指すことが必要から、厚生労働省において令和5年度に「山脈型キャリアモデル」 の絵姿が示された。山脈型キャリアモデルの中では、サービスや経営のマネ ジメントを行う役割に加え、認知症ケア・看取りケア等の特定のスキルを極めることや、現場に加え地域全体の介護力向上を進めることなど、介護人材が目指すキャリアパスとして複数の道筋が示されている。 この山脈型キャリアモデルについては、それぞれのキャリアパスに対応した研修体系もあわせて整理されているところである。 (中核的介護人材の確保・育成)→・介護現場における中核的介護人材としては、国家資格である介護福祉士が中心となることが考えられる、多様な介護人材の指導・育成、介護職チームによるケアのコーディネートとチームメンバーの人材マネジメントなど、担うべき役割は多様かつ重要。また、新規の人材だけでは介護現 場でうまく機能しないことから、多様な人材の確保を目指すにあたっては、 介護職チームを適切に機能させるために必要な中核的な役割を担う人材の確保・育成が必要。 前述した山脈型キャリアモデルも参考にしながら、中核的介護人材が担うべき具体的役割・機能、そのために必要な資質・能力の整理をめるとともに、これを身につけるための研修体系の整備に向けた検討をより一層進めていくことが必要。 その際、中核的介護人材の育成にあたっては、専門性の向上とともに、マ ネジメント、リーダーシップ、コミュニケーションに関するスキル、教育・ 育成のノウハウ、生産性向上への対応(デジタルリテラシーを含む)といった多様な視点での研修の整備が必要、あわせて山脈型キャリ アモデルのキャリアの姿を増やしていくなど、より深化させていくことも検討していく必要がある。こうした中核的介護人材の育成にあたっては、前述のプラットフォーム機能も活用しながら、地域ごとの課題に応じた必要な研修やリカレント教育を実施していくことが重要。 なお、介護現場における中核的介護人材については、介護現場での配置を制度上明確に位置づけることや、福祉・介護分野における処遇改善を進めていくほか、平成 19 年法改正時の附帯決議に端緒のある認定介護福祉士の仕組みの制度的な位置づけ等についての検討を進めるべきとの意見があった。 また、キャリアモデルを検討するにあたっては、その基盤となる国家資格である介護福祉士の資格取得の在り方についてもあわせて検討が必要であり、 その内容については4で述べることとする。 2.潜在介護福祉士に係る届出制度の在り方について (現在の届出制度の状況)→・介護福祉士が離職等した場合には、社会福祉法(昭和26年法律第45号) に基づき、都道府県福祉人材センターに必要な事項を届け出ることが努力義 務となっているが、この届出制度を活用している潜在介護福祉士等が令和7年9月末時点で約 56,000 人と、十分に機能しているとは言えない状況。 また、地域の実情に応じた必要な人材確保策を講じていくためには、介護現場で中核的役割を担う介護福祉士が各地域にどの程度存在しており、どの程度従事しているのかを把握することは、貴重な人材の活用策を検討する上でも重要である。 (届出制度の拡充)→・そのため、現行の届出制度について、離職等した潜在介護福祉士の復職支援の観点から実施するだけでなく、現任の介護福祉士についても届出の努力義務を課すことで、地域における介護人材の実態把握や山脈型キャリアモデルを見据えた必要なキャリア支援を行うための仕組みとして、発展させていくことが必要。 なお、発災時を含め、地域での福祉ニーズに対応できる専門性を有する人材の登録も重要であること等を踏まえれば、対象となる資格についても社会福祉士等に拡充することを検討すべきとの意見があった。 ・ その際、届け出られた情報の有効活用や、届け出た者に具体的なメリット を提供することが必要。 現行の制度においては、潜在介護福祉士等に対し、求人情報の提供や、就職フェア・カムバック研修の情報提供などを行ってきた、こうした取組を引き続き進めていくとともに、情報発信の手法についても、より若い世代に届きやすくするための工夫が必要である。届け出られた情報を用いて、 潜在化した要因分析を進め、復帰策を検討していくことが必要。 また、新たに対象となる現任の介護福祉士に対しては、キャリア支援を充実させていく観点から、各介護福祉士が未受講であり、例えばDWAT養成研修の情報など、興味・関心を持っている分野の研修情報を、プッシュ型で提供していくことが必要である。その際、都道府県福祉人材センターが提供できる研修情報を充実させていく観点から、前述したプラットフォームで構築されたネットワークを活用することも考えられる。 こういった届出制度のメリットを見据えながら、届出の負担をできるだけ軽減しつつ、各介護福祉士の研修の受講履歴などを含め、届出事項を検討することが必要。また、届出情報の有効活用という点では、対象者の属性に応じて就業意欲の向上等につなげるため、発信する情報の内容や情報発信のタイミングなどを効果的なものとする観点から、届出事項を検討する必 要があるとの意見があった。 (届出に係る事業所の支援)→・また、介護福祉士が届け出るに当たっては、この届出制度の周知徹底が必要になる。国による制度周知に加え、介護事業者や介護福祉士養成施設・福 祉系高校などにおいては、現行制度においても届出に係る支援の努力義務がかかっているが、定期的な届出の促進を従業員・学生に行うほか、職能団体の協力を得るなど、届出制度の周知徹底を行うことが必要である。 こうした取組による届出数の増加・届出内容の正確性の確保を図ることにより、この届出制度のメリットがより大きくなるものと考えられる。 3. 国家試験の受験資格に関する仕組みについて (複数資格の取得に係る方策の検討の必要性)→・介護ニーズが増大していく状況にあっては、現在介護分野で働いていない者を介護分野に呼び込み、介護人材を増やしていくことも必要であるが、生産年齢人口が減少していく中では、単に人数を増やす方策だけではなく、1 人で複合的役割を担う人材を育成することの必要性も指摘されており、特定の人材に負荷が偏ることのないよう配慮をしつつ、こういった観点から、国家試験の受験資格に関する仕組みについて工夫するなど、複数資格の取得に係る方策の検討が必要。 特に、「2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめ」 において、協働化や分野を超えた連携が求められている中で、地域の多様な ニーズに対応する観点から、特定の分野にとどまらない幅広い専門性や視点を有する人材の確保・育成は不可欠である。 (これまでの取組)→・こういった取組については、国においてもこれまで必要な制度改正を行ってきた。 例えば、本専門委員会で平成30年3月にとりまとめられた「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」を踏まえ、社会福祉士養成課程の教育内容等の見直しが令和3年度から施行されているが、 その改正内容の1つとして、ソーシャルワーク専門職である社会福祉士と精神保健福祉士の養成課程において、相互に資格を取得することを希望する者の負担の軽減を図るため、それぞれの専門性に留意しつつ、共通となる科目数・時間数を拡充している。 また、保育士に関しても、他の福祉系国家資格(社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士)を保有している場合における保育士試験の一部試験科 目の免除や、介護福祉士養成施設の卒業者が指定保育士養成施設で学ぶ場合の一部科目の履修免除が行われている。 (実務者研修に係る科目等の免除)→・この点、介護分野の人材育成の観点からも取組を行っており、具体的には、 現在の介護福祉士養成課程において、原則の修業年限2年以上・時間数 1,850 時間以上から、保育士養成課程の修了者については修業年限1年以上・時間数1,205時間以上まで、社会福祉士養成課程の修了者については修業年限1年以上・時間数1,220時間以上まで、時間数の短縮が認められている。 こういった仕組みも参考にして、実務経験ルートにおいて介護福祉士国家試験の受験資格を得るために必要な実務者研修(修業年限6月以上・時間数 450 時間以上)について、他の国家資格の養成課程を修了している場合等に おいて、可能な範囲で科目等の免除を行うことが必要である。 (単位制の導入)→・また、現行の社会福祉士・介護福祉士の養成課程では時間制による教育内容を示しており、例えば介護福祉士養成課程であれば1,850時間以上の履修 が必要とされている。一方で、令和6年通常国会で成立した学校教育法の一部を改正する法律(令和6年法律第 50 号)等において、専修学校の専門課程について単位制による修了認定を導入することとしており、また、他の国 家資格の養成課程においては既に単位制が導入されていることを踏まえると、 教育の質の担保等の観点も踏まえつつ、社会福祉士・介護福祉士の養成課程についても、単位制の導入が必要。その際、単位制の導入によっても、 これまでの養成課程において求められている必要な時間数の学習が担保され、 修得する内容に差が生じないようにすることが必要である。なお、時間制・ 単位制のいずれであっても最終的に身につけるべき資質・能力が担保されることが重要であるとの意見があった。 (検討における留意点)→・これらを含む複数資格の取得に係る方策の検討に当たっては、それぞれの 資格が有する役割や専門性、教育内容の文脈・目的の違い等にも配慮しなが ら、より具体的な仕組みの検討を行っていくことが必要である。 加えて、単に複数資格を取得しやすくするために検討を行うのではなく、 共通の科目の履修の重複を避け、既に身につけている能力を読み替えることにより資格保有者の負担を軽減するといった、効果的な学習による複数資格の取得という観点からの検討が必要。 あわせて、現行のカリキュラムについて、教育現場等での実情を踏まえ、 真に必要な時間数であるかや、前回の見直し以降の状況を受けた教育内容になっているかについても検討が必要である。 ・ そのほか、専門人材の機能強化・最大活用の観点からは、対人支援を行う 専門資格に共通の基礎課程創設についても、対人支援職種に共通して求めら れるコンピテンシーやモデルカリキュラムの検討状況を踏まえつつ、地域共生社会の実現に資する人材の育成に向け、質的な側面からも対応を行う必要 があるとの意見があった。 4. 介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置の取扱いについて (本経過措置に係るこれまでの経緯)→・介護福祉士養成施設の卒業者については、従前、国家試験を受験せずとも 介護福祉士の国家資格が取得可能であったところ、介護福祉士の資質の担保・向上を図るため、介護福祉士養成施設の卒業者も国家試験の合格を介護福祉士の資格取得の要件とするよう、平成 19 年に社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)を改正した。 ・上記改正については、数度の施行延期を経て平成 29 年度に施行されたが、 その際、国家試験の義務付けの漸進的な導入を図る観点から、円滑な制度施 行に向け、以下の経過措置を設けている。⇒ @ 卒業後5年間は、国家試験を受験・合格しなくても介護福祉士の資格を取得可能 A 6年目以降、卒業後5年間、介護等の業務に継続的に従事していれば、 引き続き介護福祉士の資格を取得可能。 この経過措置については、令和3年度の卒業者までの措置として創設されたが、令和2年の法改正にあたっては、福祉部会における種々の議論・意見を踏まえつつ、介護の人材不足の深刻化、養成施設数・入学者数の減少、外国人留学生が急増した中で留学生の合格率が低調となっていることを受け、 介護サービスの提供に支障が生じないよう、令和8年度の卒業者まで、経過 措置を延長している。 ・ 上記の令和2年の法改正による経過措置の延長に際しては、衆議院・参議院ともに法律案に附帯決議が付され、その中では、以下の点について適切な 措置を講ずることが求められている。⇒ ・ 経過措置の終了に向けて速やかに検討を行うこと ・ 養成施設ごとの国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態を 調査・把握の上、公表し、必要な対策を講ずること ・ 介護福祉士資格の取得を目指す日本人学生及び留学生に対する支援を充実すること。 ・ 国においては、この間、上記の附帯決議も踏まえ、以下のような取組を実施。 ⇒・ 令和2年度より養成施設ごとの合格率の公表 ・ 介護福祉士養成における教育の向上や留学生指導についてのガイドライ ン等を作成し、介護福祉士養成施設などで活用 ・ 介護福祉士修学資金貸付事業において、介護等の業務に一定期間従事し た場合には返済を免除する学費等の貸付を行うための原資の確保 ・ 地域医療介護総合確保基金において、外国人留学生の資格取得支援やコ ミュニケーション支援を行う事業者への補助や、介護福祉士養成施設の教 員の質の向上に資する研修等の経費を補助 ・ 介護福祉士国家試験のための多言語による学習教材の作成や国家試験対策講座の開催 (本経過措置に係る本専門委員会における議論)→・こういった状況を踏まえ、本専門委員会においても、経過措置の取扱いに ついて多くの意見が出されている。 ・ 具体的には、以下の観点から、現在の規定どおり、本経過措置は令和8年 度卒業者までで終了すべきといった意見があった。⇒ ・ 暫定的な措置である経過措置の終了による国家試験の一元化によって、 資格の質の担保が図られること ・ 経過措置の延長によって人手不足が解消したわけではない中で、経過措 置の延長は資格に対する信頼性を失いかねず、経過措置の終了により資格 の専門性・信頼性・イメージの向上が進み、日本の介護を学ぶために留学 生が日本に来るという循環を作ることができると考えられること ・ 令和2年法改正時の附帯決議において、経過措置の終了に向けてできる 限り速やかに検討を行っていくこととされており、それに向けた介護福祉士養成施設や国の対策も行われてきたこと ・ 国家試験の合格が必須である福祉系高校の卒業者との整合性をとることが必要である中で、国家試験義務付けの趣旨を踏まえた制度運用が必要であること ・ 国家資格は専門職の質の担保を図るものであり、利用者が安心してサービスを受けられるようにするためにも、試験に合格し一定の基準に到達した者とそうでない者については区別する必要があり、同列に扱うべきではないこと ・ 介護福祉士養成施設の留学生は国家試験に不合格であった場合も、特定 技能評価試験を受けずに、特定技能に移行できること ・ 令和7年度(令和8年1月実施予定)の国家試験から複数の科目を1つ のパートとして合否判定するパート合格(合格パートの受験免除)の仕組 みが導入されるなど、働きながら受験しやすい環境整備が進んでいること ・ 今後、留学生への支援等の対策は丁寧に検討するにしても、経過措置に ついては一度区切りをつけるべきであること。 ・ 一方で、以下の観点から、本経過措置を延長すべきといった意見があった。⇒ ・ 仮に経過措置を終了した場合には、留学生が確実に在留資格を取得でき、 修学資金の返済免除を受けられる保証がないため、留学先として日本を選 ばず、または留学生が在留資格の取得が不確実な介護分野を選ばなくなり、 介護福祉士養成施設の入学者が減少することで、介護福祉士養成施設が減 少し、日本人の学生を含めた介護の教育の機会が喪失するおそれがあること ・ 留学生の減少、介護福祉士養成施設の閉科・閉校、日本の学生が介護を学ぶ場が失われることは、世間への介護分野のネガティブイメージにつながりかねないこと ・ 留学生の受入状況には地域差があり、今後受入を進めていく地域・学校 にとっては経過措置の延長が必要であること ・ 介護人材の不足状況・地域福祉の教育基盤の維持・介護福祉士養成施設の厳しい運営状況等を考慮すれば、介護福祉士養成施設への一定の配慮が引き続き必要であること ・ 留学生の合格率を上げるための教育の質の向上等の環境整備のためには時間が必要であり、パート合格の仕組みの効果検証も必要であること ・ 特定技能制度やパート合格の仕組み等の環境整備といった出口ではなく、 入学者の確保という入口の観点から考える必要があること。 ・ 加えて、人材確保に当たっては、人材の質・量の両面での検討が必要であることから、本経過措置を延長するか否かという二者択一の議論だけでは不十分であるといった意見や、本経過措置は人材確保・介護福祉士養成施設の入学者確保・介護福祉士の質の担保の3点をいかに両立させていくのかが議論の本質となるといった意見があった。 また、国家試験における取組としては、令和7年度の国家試験からパート 合格の仕組みを導入することとされており、この仕組みは一人ひとりの状況に応じた学習の選択肢を拡大するものであることから、この仕組みをしっかり周知していくことが必要との意見があった。 加えて、現在の本経過措置では、国家試験を受験しなくとも資格を取得できる仕組みであることから、仮に延長する場合であっても受験を必須にする とが必要であるとの意見があった。 ・ 厚生労働省においては、資格の質の担保・専門性の向上等の観点から終了すべきといった意見や、介護福祉士養成施設の入学者・介護人材確保等の観点から延長すべきといった意見、人材の質・量の両面での検討が必要であり 本経過措置を延長するか否かという二者択一の議論だけでは不十分であるといった意見など、上記の意見を含めた本専門委員会における種々の意見を十 分に踏まえつつ、次に述べる介護福祉士養成施設の役割も勘案しながら、経過措置の在り方について必要な対応を講じられたい。 5. 介護福祉士養成施設の今後の在り方について (介護福祉士養成施設の役割の再整理)→・今後、学生となる若者の減少が進行していくことを踏まえれば、介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置の取扱いの結果の帰趨にかかわらず、介護福祉士養成施設の地域での役割の再整理・これからの方向性 を示していくことが必要であるとの意見があった。 この点について、本専門委員会で出た意見を踏まえると、これからの方向性については、主に以下の2つの観点での検討が必要。 ⇒@国家資格の取得に向けた取組の強化 A学生に対する授業を中心とした教育以外の地域において期待される役割 (国家資格の取得に向けた取組の方向性)→・最近の国家試験の結果を見ると、日本人学生は90%以上の合格率である一 方、留学生の合格率は30%台であることを踏まえ、以下のような対応が必要であるとの意見があった。⇒ ・ 留学生でも合格率が 100%に近い状況の介護福祉士養成施設もあれば、そうでない介護福祉士養成施設もあることを踏まえた、好事例の分析・収集・展開 ・ 日本語能力が高いほど国家試験の合格率も高いことを踏まえた、日本語教育の充実 ・ 留学生等が介護福祉士養成施設を選ぶ材料を提供する観点から、介護福 祉士養成施設ごとの合格率の多言語による公表 (介護福祉士養成施設の地域において期待される役割)→・また、各介護福祉士養成施設においては、養成施設の地域において期待される役割として、事業所や職能団体等とのより一層の連携・協働により、以下のようなことに取り組んでいくことが必要であるとの意見があった。⇒・ 地域ごとに異なる社会環境や支援ニーズを踏まえて地域ごとの課題を解決し、地域共生社会を実現していくための能力を有する人材を育成する教育に取り組むとともに、地域における福祉に関わる人口を増やしていく観点から、前述のプラットフォームも活用しながら、地域の担い手に対する 入門的研修・初任者研修等の各種研修の実施 ・ ICT やデジタルリテラシーに関する教育の実施など教育の質の向上を図りつつ、現任・潜在それぞれの介護福祉士のキャリアアップを図る観点や、1人で複合的役割を担う人材を育成する観点から、養成施設の資源を活用した、介護職員や他分野で働く人材への実務者研修をはじめとするリカレント教育の実施 ・ 留学生の既卒者の国家試験合格率が特に低いことを踏まえた、既卒者へ の国家試験対策講座等の実施。 ・ 前述した介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けの経過措置の取扱いの検討と並行して、こうした今後の介護福祉士養成施設が主体的に担う役 割の検討も必要である。 X.外国人介護人材の確保・定着 1.外国人介護人材の必要性とその確保・定着策 (外国人介護人材の現状)→・高齢者が増加し介護ニーズが増大する一方で、日本人の生産年齢人口が減 少していく状況にあっては、外国人介護人材を活用することが必要不可欠。 ・介護分野においては、外国人介護人材の受入れの仕組みとして、EPA(経済連携協定)・介護・技能実習・特定技能の4つの在留資格(※)を設けている。介護事業者においては、それぞれの制度趣旨に沿って外国人を受け入れている、特に人手不足への対応として、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格である特定技能については、 平成31年4月の制度創設から、令和7年6月末時点において54,916人まで 増加している。(※)EPA(経済連携協定)の在留資格は「特定活動」。 ・ 介護現場で外国人介護人材が働いていることについては、一定程度浸透してきており、今後もより活用していく観点から、外国人介護人材の確保・定着のための対策が必要。なお、外国人介護人材の受入れに関して、現状は介護保険施設等に限定されているが、福祉施設全般への拡大を検討することが必要との意見があった。 (小規模法人における受入支援等)→・この点について、外国人介護人材の確保・定着のためには、海外現地での働きかけなどの確保策や、日本語教育や文化の違いへの対応、生活環境整備 などの定着策が必要であることから、特に小規模な法人では受入れが厳しい状況にあるとの意見があった。 一部の都道府県では、県が事業者団体との共同事業として、マッチング支援や技能実習の監理団体として活動するセンターを立ち上げている事例もあり、外国人介護人材を受け入れるにあたって、教育体制を含む受入体制の構築・整備のために地方公共団体の協力が必要である。 その際、前述のプラットフォーム機能を活用することで、外国人介護人材についても、地域ごとに必要な確保・定着策を検討することが必要である。 (外国人介護人材の訪問系サービスの従事)→・また、従来、外国人介護人材については、訪問介護等の訪問系サービスの従事について、介護福祉士の国家資格を有する者に限られていたが、訪問介護員等の人材不足の状況などを踏まえ、令和7年4月より、一定の要件を付した上で、技能実習生と特定技能外国人についても従事することが可能になった。 この点については、緊急時の対応やトラブルの未然防止に向けたリスク管理が重要であり、外国人介護人材が利用者の居宅に入って介護サービスを提 供することについての利用者・家族からの同意や、利用者・家族からのハラ スメント対策としてのマニュアル整備等の対応が重要であるとの意見があった。加えて、相談窓口の拡充・雇用管理の徹底・適正な受入につなげるため の監督体制の強化等も重要であるとの意見があった。 2.准介護福祉士について (准介護福祉士に係るこれまでの経緯)→・准介護福祉士は、介護福祉士養成施設卒業者のうち、国家試験に合格しなかった者に付与される資格であり、准介護福祉士の名称を用いて、介護福祉士の技術的援助及び助言を受けて、専門的知識及び技術をもって、介護等 (喀痰吸引等を除く。)を業とする者をいう(※)。 これは、フィリピンとの EPA(経済連携協定)の締結当時、フィリピンの 「就学コース」介護福祉士候補者について、養成施設を卒業すれば国家試験を経ることなく資格を取得することができるという前提で交渉し合意に至っ た中で、平成19年法改正時に介護福祉士養成施設卒業者への国家試験の義務付けをしつつ合意も維持するという経緯から創設したものである。 なお、現状において、准介護福祉士には在留資格は付与されていない。 (※)令和7年9月末時点で有資格者は1名。 ・ 一方で、フィリピンからの就学コースの送り出しは平成 22 年を最後に行われておらず、フィリピン国政府との協議においても准介護福祉士の廃止については明示的な反対意見がなかったところである。 (准介護福祉士に係る本専門委員会における議論)→・平成19 年法改正時の附帯決議に加え、令和2年法改正時の附帯決議にお いても、フィリピン国政府との協議を早急に進め、当該協議の状況を勘案し、 准介護福祉士の在り方について、介護福祉士への統一化も含めた検討を開始することとされている。 また、本専門委員会においても、准介護福祉士は国家試験に合格していないことを証する信頼性に欠ける仕組みであり、フィリピンへの影響の懸念が 払拭されるのであれば、資格に対する社会的評価・資質の担保や、介護福祉士の専門職としての地位の向上・確立の観点から、廃止すべきとの意見があった。 ・ 上記を踏まえ、准介護福祉士については、フィリピン国政府との関係等も考慮しながら適切に対応すべきである。 Y.おわりに→・本専門委員会においては、これまで国が行ってきた総合的な介護人材確保 対策や、地域医療介護総合確保基金等を活用して都道府県が行ってきた人材確保策に加え、より地域軸・時間軸を意識して議論を行ってきた。 今後の人口減少のスピードが地域によって異なる中で、地域のサービス提供体制を確保するために、その人材の確保は最重要課題であり、地域ごとに抱える課題の共有とそれに応じた必要な対応の実行の在り方、外国人を含む 多様な人材の確保の在り方、介護現場で中核的な役割を担う介護福祉士等の確保・養成の在り方など、介護人材確保策を検討する上で勘案すべき要素は多岐に渡るもの。加えて、地域共生社会の実現の観点からは、支える側・支えられる側を固定化することなく、地域の生活の中でケアを行い合う文化を培うことも重要である。 ・ また、本専門委員会では介護人材の確保策を中心に議論をしてきたが、介 護事業者の協働化や大規模化の議論が進められており、また地域の福祉ニーズも多様化・複合化している状況の中で、介護人材の確保に絞った議論だけではなく、ソーシャルワークの面も含めて、分野横断的・総合的な人材確保、 多様な職種・専門性の人材確保について議論が必要。 ・ 加えて、人材確保の観点からは、福祉・介護分野の処遇改善や、専門性を評価することが重要であるとの意見があった。処遇改善なしに人材確保はなしえず、全産業で賃上げが進んでいる中で、福祉・介護分野の処遇改善が進まない限り、また、専門性が適切に評価されない限り、福祉・介護業界から の人材流出につながることに対する懸念が多くの委員から示された。 ・ 本専門委員会で示された意見は、社会保障審議会福祉部会に報告しさらに議論を深めるとともに、必要な点については介護保険部会その他関係審議会等においても議論を進めていくことにより、多面的な観点で今後の介護人材確保策をより一層進めていくことが重要である。 ○社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 委員名簿 令和7年11月10日現在 →13名。 <第2回出席参考人>→2名。<第3回出席参考人>→3名。 次回も続き「資料2 福祉人材確保専門委員会における議論の整理(案)(概要)」からです。 |



