第86回労働政策審議会雇用環境・均等分科会 [2025年12月09日(Tue)]
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第86回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(令和7年11月6日)
<議題> 障害者団体へのヒアリング https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65646.html ◎資料1−6 特定非営利活動法人 DPI(障害者インターナショナル)日本会議提出資料 カスタマーハラスメント防止措置に関する指針へのDPI日本会議意見 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の一部改正(改改 正法第1条及び第2条関係) 特定非営利活動法人DPI改障害者インターナショナル)日本会議 事務局長 佐藤 聡 2023 年に改正された旅館業法では、指針の策定時に多様な障害者団体へのヒアリングを行い、障害者が合理的配慮の提供を求めることは宿泊拒否事由には当たらないことを明記するなど、旅館業法と障害 者差別解消法の関係改不当な差別的取り扱いの禁止、障害特性を踏まえた対応と合理的配慮の提供、環境 整備等)を丁寧に記載しております。 合理的配慮の提供を求めることや、障害特性の理解がないことによって事業者が誤った判断・対応を することがないように、カスタマーハラスメント対策措置に関する指針(改下 (指針)においても、下 の事項を盛り込んでいただけますようお願いいたします。 1. 指針に盛り込んでいただきたいこと (1) 障害者差別解消法の遵守→・ 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられる ことなく、相互に人格と個性を尊重し合いなが ら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的に2016年に障害 者差別解消法が施行され、2024年4月からは事業者も合理的配慮の提供が義務化されました。 ・ どの事業者においても障害者差別解消法を遵守することは当然の責務であり、障害者に対し、障害 を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならないこと、障害特性を踏まえた対応をすること、合 理的配慮の提供を行うことが求められています。 ・ 指針においても、障害者差別解消法の趣旨を踏まえた対応を行うように、障害者差別解消法の遵守 を明記してください。 (2) 障害者が合理的配慮の提供を求めることはカスタマーハラスメントに当たらない (建設的対話)→・ 障害者差別解消法において、事業者には障害者から合理的配慮の提供を求められた場合は対応する ことが定められています。これを踏まえて、障害者から合理的配慮の提供を求めることは、カスタマーハラスメントには当たらないことを指針に明記してください。 ・ 合理的配慮の提供に当たっては、障害者と事業者の建設的対話が重要かつ不可欠です。建設的対話 には検討の手間が必要だったり、あるいは障害特性やコミュニケーション方法によって時間がかかる場合があります。( 合理的配慮の提供のために建設的対話を求めようとしたらカスタマーハラスメ ントとみなされるのではないか」と障害のある客を萎縮させて、合理的配慮を求めることをためらわせるということが起きないようにしてください。 (3) 障害特性の理解→・ 障害者と接した経験が少ない人は、言語障害や知的障害、聴 覚障害等によってコミュニケーション がうまく取れない場合があります。改正労働施策総合推進法では、 社会通念上許容される範囲を超 えた言動(改客客等言動)」をカスタマーハラスメントとしていますが、障害特性への理解が不十分な ことによって、誤ってカスタマーハラスメントと受け取ってしまうことも実際に起きています。 ・ 指針において、障害特性を踏まえた対応をするように明記してください。 (4) 障害者が障害を理由とした不当な差別的取り扱いを受けないように求めること→ ・ 旅館業法の指針においては、 障害者が障害を理由とした不当な差別的取り扱いを受け、謝罪等を求 めること」はカスタマーハラスメントには当たらないと明記されました。 ・ カスタマーハラスメント防止措置の趣旨は、労働者の権利を守ることであると受け止めています。 ただし、実態として客客である障害者が事業者から不当な差別的取り扱いを受けて、建設的対話に 至らない実態も数多くあリます改参考2(2)A)。 ・ 事業者が障害を理由とした不当な差別的取り扱いを行なってしまった場合においては、障害者が不 当な差別的取り扱いの解消と適切な対応を求めることはカスタマーハラスメント当たらないことを 指針に明記してください。 (5) 事業者による研修の実施→ ・ 多様な障害者がおり、障害特性への理解は不可欠です。事業者においては、職員に対し障害特性の理 解を深める研修を実施するように求めてください。 2. 参考 (1) 改正旅館業法→ 2023 年に改正された旅館業法では、指針で宿泊拒否に該当しな いものの例として、下 が盛り込まれました。障害者団体へのヒアリングで、障害者への宿泊拒否が実際に起きていることが報告され、それ踏まえて盛り込まれたものです。 ・ 障害者が社会的障壁の除去を求める場合 ・ 障害者が障害を理由とした不当な差別的取り扱いを受け、謝罪等を求めること ・ 障害特性により場に応じた音量の調整ができないまま従業者に声をかける等、その行為が障害の特 性によることが本人やその同行者に聴くなどして把握できる場合 (2) 障害を理由とした差別の事例改DPI日本会議調査) @ 建設的対話で解決した事例→ a 湯船に入るためにシャワーチェアが必要なのだが、宿泊したホテルではシャワーチェアーがなかった。パイプ椅子でも代用できるので貸し出しをお願いしたら、 客用備品リストにはない」 ということで断られた。その後、対話を通じて借りることができることになり、無事に入浴することができた。 b 映画を見に行った時、車いすスペースが1つしかなく、隣の介助者席が空いていなかった。介 助者は次の上映にお願いしたいと言われたが、マネージャーと話し合った結果、予備席という スペースがあるということで、一緒に観ることができた。 2 c 映画館で一般席に移るので、車イスを支えるだけ手伝ってほしいとスタッフに伝えたが、 介助 資格がないのでできません」と断られた。資格の有無は関係ないし理由にはならないと伝え、 粘り強く話し合ったら、最終的には手伝ってもらうことができた。 d電動車いす一人で入店。店内はカウンター席の固定椅子とソファー席しかなかったが、店内で 食べたいと伝えたところ、車いすでもテーブルに近づけそうな場所を一緒に探してくれた。カ ウンターの角なら椅子と椅子の間隔が広くて車いすでも近づけると言ってくれて、醤油差しや 箸立て等を届きやすい場所に移動させてくれた。また、他のお客さんが角の椅子に座らないように調整してくれた。 e 2 段の階段のある飲食店のメニューを見ていたら、店員さんが お食事ですか」と聞いてくれた が 階段があるので車いすでは入れません」と言うと ちょっとお待ちください」と言い数人 の店員さんで車いすを持ち上げてくれた。おかげて食べたいものを食べることができた。帰りも同様に店員さんが階段を降ろしてくれた。 f 内閣府の建設的対話の事例改別紙) A 建設的対話に至らなかった事例→ a ホテルの部屋のユニットバスの入り口に段差があって入れないので、段差解消のためにフロン トの椅子を貸してほしいとお願いしたら、 これはお貸しするものではありません」と断られた。 その椅子さえあれば入れるようになると伝えても、上司に相談してもらったが、結局貸しても らえなかった。 b全盲の車いす利用者と一緒に店内を散策中、化粧品店で簡単エステというのを発見した。エス テをしたことがないというので受け付けに行くと、車いすに乗っている姿を見ただけで店員の 顔色が変わり、どんな病気ですか?などさんざん聞かれ、何かあったら責任がとれないの一点 張り。本人は大丈夫です、エステ受けれますと言っても対応は変わらず、拒否された。 c車いす使用者を含め総勢20名で大阪に行くことになり、飛行機のチケットを取ろうと旅行会社 に電話したところ、車いす使用者と聞くなり うちは取り扱ってません」と断られた。合理的配慮の義務化のことを伝え、正当な理由もなく断るのは法律違反だと抗議すると、障害者に接遇した経験がないことと、スタッフの余裕がないのでできませんと拒否された。 d車いすで4DXのシアターでの映画鑑賞を希望したところ、座席が動くなどの理由で拒否された。 介助者がいるので介助者に座席に移してもらうことができることを伝え、通路でも良いなど 色々お願いしたが、認めてもらえなかった。 e車いす使用者と一緒にキャンプ場を利用したいという内容の電話をかけたが、一部砂利道があるので難しいと言われた。手動車いすなので介助者が持ち上げて移動すれば使用可能ではないかと思い、交渉しようとしたが、対応してくれず、別のバリアフリーのキャンプ場に行ってく ださいと言われた。 fセルフスタンドで給油の為に寄った時、(改車いす使用者ため)車から降りることが大変なのでお願いできますか?と店員に言ったところ 当店ではやれませんので他の店を紹介します」と断られた。 gお墓参りに行きたいので、詳しい場所を教えてもらうために寺に連絡をしたとき、視覚障害が あると伝えたら、お墓は段差もいっぱいあり危ないから視覚障害がある方はお墓参りに来ないでくださいといわれた。 h ガラガラの店内、 車いすで入店は大丈夫ですか?」と店員に尋ねたところ 店長に確認します」 と一度扉を閉められました。数秒後 他のお客様の迷惑になるのでお断りします」と言われました。合理的配慮などの提案は一切ありませんでした。 B 障害特性の不理解→ a ホテルを予約しようと電話したところ、私は言語障害があるので聞き取りにくかったのか、 あなたみたいな人が泊まるホテルではない」 当ホテルは狭いので車いすでは入れませんよ」門前 払いされた。 C その他の好事例→ a 倉敷に旅行に行った際に、レストランを事前予約しました。目が見えないためにナイフがうまく使えないのでお肉を一口大に切って提供してほしいとお願いしました。当日はお肉を切って 提供してくれて、さらに付け合わせの説明やお皿の形状、配置なども説明してくれて安心して 食事ができました。 ◎参考資料 職場におけるカスタマーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する 指針の骨子(案)(令和7年10 月27 日 労働政策審議会雇用環境・均等分科会資料) 職場におけるカスタマーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の骨子(案) ↓ 1 はじめに 2 職場におけるカスタマーハラスメントの内容 ・ 職場におけるカスタマーハラスメントの定義(職場において行われる@顧客等の言 動であって、Aその雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、B労働者の就業環境が害されるもの。 なお、顧客等からの正当な申入れ等は職場におけるカスタマーハラスメントに該当しない) ・ 「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者 が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所に ついては、「職場」に含まれること。 ・ 「労働者」の範囲(派遣労働者も含まれること) ・ 「顧客等」の範囲(潜在的な顧客等が含まれることなど) ・ 「その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えた」言動の考え方、典型的な例 ・ 「労働者の就業環境が害される」ことの考え方(「平均的な労働者の感じ方」を基準とすべきであることなど) 3 事業主等の責務→・ 事業主の責務、労働者の責務 4 事業主が雇用管理上講ずべき措置の内容 ・ 措置の内容 ⑴ 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発 ⑵ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 ⑶ 職場におけるカスタマーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応(迅速・正確な事実確認、被害者への配慮措置、再発防止) ⑷ 職場におけるカスタマーハラスメントへの対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置 ⑸ ⑴から⑷までの措置と併せて講ずべき措置(相談者等のプライバシー保護、相談等を理由とした不利益取扱いの禁止) ・ 措置を講じる際に留意が必要なこと(消費者の権利、障害者への合理的配慮の提供義務、各業法等の定め) 5 他の事業主の講ずる雇用管理上の措置の実施に関する協力 6 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関し行うことが望ましい取組の 内容 7 事業主が職場において行われる自らの雇用する労働者以外の者に対する顧客等の言動 に関し行うことが望ましい取組の内容 次回は新たに「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 「小規模事業場ストレスチェック実施マニュアル」作成ワーキンググループ 第4回資料」からです。 |



