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「令和7年版 労働経済の分析」を公表します [2025年10月30日(Thu)]
「令和7年版 労働経済の分析」を公表します(令和7年9月30日)
〜分析テーマは「労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて」〜
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63870.html
厚生労働省は、本日の閣議で「令和7年版 労働経済の分析」(労働経済白書)を報告しましたので、その内容を公表します。
 労働経済白書は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で、今回で76回目の公表となります。
 今回の白書では、「労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて」をテーマとして分析を行いました。第T部では、2024年の雇用情勢や賃金、経済等の動きをまとめています。また、第U部では、労働力供給制約の下での持続的な経済成長を実現するための対応について、労働生産性の向上に向けた課題、社会インフラを支える職業の人材確保、企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理といった観点から分析を行っています。
労働経済白書の主なポイント
• 持続可能な経済成長には労働生産性の向上が重要であり、医療・福祉業等をはじめとして、AI等のソフトウェア投資による業務の効率化が重要。
• 社会インフラに関連する分野の人材確保には、賃金をはじめとしたスキルや経験に応じた処遇の改善が重要。
• 企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化を踏まえた柔軟な雇用管理が重要。
「令和7年版 労働経済の分析」本文、要約版はこちら


◎令和7年版 労働経済の分析―労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて〔概要〕  令和7年9月  厚生労働省
○令和7年版 労働経済の分析の主な内容
→ 令和7年版労働経済の分析では、2024年の我が国の一般経済の動向、雇用情勢の動向、労働時間・賃金等の動向を振り返る(第T部)とともに、我が国における労働力供給制約の下での持続的な経済成長を実現するための対応について、@労働生産性の向上に向けた課題、A社会インフラを支える職業の人材確保、B企業と労働者の関係性の変化や 労働者の意識変化に対応した雇用管理といった観点から分析を行った(第U部)。◆2024年の雇用情勢は前年に引き続き改善。実質賃金の一般、パートはマイナスを脱した。<第T部>
◆持続可能な経済成長には、労働生産性の向上の推進が重要。国際的にみても高齢化率が高まるにつれて就業者の割合が高まる傾向のある医療・福祉業等をはじめ、AI等ソフトウェェア投資等による業務の効率化や省力化の推進、事務的な業務の軽減が重要。<第U部第1章>
◆社会インフラに関連する分野の人材確保は、持続的な経済成長に向けた重要な課題。人材確保には賃金をはじめとしたスキルや経験に応じた処遇の改善が必要。長期的に安心して働くために、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する「キャリアラダー」と呼ばれる仕組みの構築を進めることが重要。<第U部第2章>
◆日本的雇用慣行の変化に加え、ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まりなど、雇用を取り巻く環境に様々な変化が生じている。これに対応して企業が人材を確保するためには、賃金等の処遇改善に加え、労働者それぞれの意識やライフイベントに合わせた働き方を可能とする柔軟な雇用管理を行うことが重要。<第U部第3章>
第T部 完全失業率、有効求人倍率はほぼ横ばいで推移
第U部第1章 非製造業のソフトウェア投資の伸びが低迷
第U部第2章 社会インフラ関連職の 賃金カーブの傾きは緩やか
第U部第3章 就業意識の多様化が進んでいる             参照のこと。

○令和7年版労働経済の分析〔概要〕〕→令和7年版労働経済の分析では、2024年の我が国の一般経済の動向、雇用情勢の動向、労働 時間・賃金等の動向を振り返る(第T部)とともに、我が国における労働力供給制約の下での持続 的な経済成長を実現するための対応について、@労働生産性の向上に向けた課題、A社会イン フラを支える職業の人材確保、B企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した 雇用管理といった観点から分析を行った(第U部) 。

第T部:労働経済の推移と特徴→◆2024年の雇用情勢は前年に引き続き改善の動きがみられた。完全失業率、有効求人倍率はほぼ横ばいで推移し、労働力人口、就業者数及び雇用者数は過去最高となった。 ◆2024年の現金給与総額は4年連続で増加し、実質賃金は一般、パートともマイナスを脱した。

第U部第1章:持続的な経済成長に向けた課題→◆我が国の過去約40年間の実質GDP成長率は、米国及び英国を除く主要国と比較すると大きな差がない水準ではあるが、1990年代以降、実質労働生産性の実質GDP成長率への寄与が低下している。このため、労働力供給量をできるだけ維持することを前提としつつ、我が国の持続可能な経済成長には、労働生産性の向上を推進していくことが最も重要であると考えられる。【図4】 ◆名目労働生産性の上昇率を寄与度分解すると、人的資本投資やソフトウェア投資などの無形資産の名目労働生産性への寄与度が、我が国では低い水準にとどまっている。米国、英国及びドイツと比較すると、無形資産投資の対名目GDP比は小さく、その上昇率も弱い動きとなっている。 【図5・図6】 ◆我が国は、無形資産投資の中でも特に非製造業におけるAI投資の中核を構成しているソフトウェア投資について、米国、英国及びドイツと比べて伸びが低迷している。【図7】 ◆国際的にみると高齢化率が高まるにつれて医療・福祉業及びサービス業等の就業者の割合が高まる傾向にあるため、これらの産業における労働生産性の向上も重要である。【図8】 ◆しかし、我が国の医療・福祉業、卸売・小売業及び宿泊・飲食業の実質労働生産性の上昇率は米国、英国、ドイツと比較して低水準になっており、これらの産業をはじめ、AI等ソフトウェア投資などによる業務の効率化や省力化の推進、事務的な業務の軽減が重要である。【図9】
図4実質労働生産性の実質GDP成長率への寄与が低下
図5無形資産の名目労働生産性への寄与度は低水準 (2011〜2019年・年平均)
図6無形資産投資の対名目GDP比は 小さく、その上昇率も弱い動き
図7非製造業のソフトウェア投資の伸びが低迷
図8国際的にみると主要国では医療・福祉業及びサービス業等の就業者の割合が高まる傾向
図9我が国の医療・福祉業、卸売・小売業及び宿泊 ・飲食業の実質労働生産性の上昇率は低水準 (2000年代〜2010年代・年平均)

第U部第2章:社会インフラを支える職業の人材確保に向けて→◆医療・福祉業をはじめとした人々の生活に密接に関係している社会インフラに関連する分野で労働力需要に見合った労働力を確保できない場合、生活に直結するサービス提供が困難となり、生活の質が低下し、経済活動への影響が懸念される。このため、この分野の人 材確保は、我が国の持続的な経済成長に向けた重要な課題である。 ◆安定的な人材確保が求められる社会インフラ関連職(次ページ冒頭に定義を記載。)の就業者は就業者全体の約35%となっており、過去10年間では、非社会インフラ関連職は322万人 増加した一方、社会インフラ関連職の増加は58万人にとどまっている。【図10・図11】 ◆人材確保にはスキルや経験の蓄積に応じた処遇の改善が重要。社会インフラ関連職と非社会インフラ関連職の賃金を比較すると、月額賃金で約5万円低い。【図12】 ◆非社会インフラ関連職の事務職と社会インフラ関連職の月額賃金の分布を比較すると、事務職の方が中央値は高く、高所得者層への裾野が広がっており、社会インフラ関連職はスキルや経験の蓄積に応じて賃金が上昇する仕組みが相対的に弱い可能性がある。【図13】 ◆賃金プロファイルを比較すると、非社会インフラ関連職では、賃金カーブは山なりの形状。 一方、社会インフラ関連職では、年齢とともに賃金が上昇する傾向はあるものの、賃金 カーブの傾きは緩やか。【図14・図15】 ◆長期的に安心して働くために、社会インフラ関連職でも、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する「キャリアラダー」と呼ばれる仕組みの構築を進めることが重要。

【「社会インフラ関連職」の定義】→社会インフラに関連する分野で働く人々は、感染症の拡大以降、「エッセンシャルワーカー」や「キーワーカー」と呼ばれているが、国際的に統一された定義はなく、国際機関、各国ごとに独自に定義を設けている。本白書では、安定的な人材確保が求められる等の社会インフラを支える職業として、命に関わる仕事、物流・インフラに関わる仕事、日々の生活に関わる仕事の三つを想定し、これらに対応する職業を「医療・保健・福祉グループ」「保安・運輸・建設グループ」「接客・販売・調理グループ」の三つに分類した上で、その総称を「社会インフラ関連職」と定義した。この定義は、第U部第2章の中で社会インフラに直接関わる職業の特色を分析するために設けたものであり、今回社会インフラ関連職に分類されなかった職業も含めて全ての職業が社会機能の維持に重要な役割を果たしている点には留意が必要である。
図10社会インフラ関連職の就業者は全体の約35%
図11社会インフラ関連職の就業者数の増加は58万人にとどまる
図12 社会インフラ関連職の月額賃金は約5万円低い
図13社会インフラ関連職(本図は「医療・保健・ 福祉グループ」(医師等を除く))では 高所得者層への裾野が広がっていない 図

第U部第3章:企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理→◆我が国が持続的な経済成長を実現するためには、労働生産性の向上に加え、多様な労働者の 労働参加を促し、企業が直面する人手不足を緩和していくことが必要である。我が国では、 日本的雇用慣行の変化や転職市場の拡大に加え、ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まりなど、雇用を取り巻く環境に様々な変化が生じている。 ◆企業と労働者の関係性についてみると、転職者が増加するとともに、新卒で採用された時から継続的に同一企業に就業している「生え抜き社員」割合は低下し、年功的な賃金体系の賃金上昇幅が鈍化している。【図16・図17】 ◆労働者の就業意識も変化しており、仕事と余暇のあり方に対する意識をみると、1973年には 「仕事優先型」の割合が約44%と高かったが、近年では「仕事優先型」の割合は約23%まで 下がり、「余暇・仕事両立型」(約38%)と「余暇優先型」(約36%)の割合が高くなっており、多様化がみられる。【図18】 ◆若年層ほど、仕事内容よりも賃金水準を重視し、自己成長への関心が高いなどの傾向がみられる。また、「働きやすい」と感じているグループの方が継続就業希望が高い傾向にあり、職場環境の改善は社員の継続就業につながることが示唆される。【図19・図20・図21】 ◆雇用を取り巻く環境変化に対応して企業が人材を確保するためには、賃金及び福利厚生といった処遇改善に加え、賃金以外の労働条件の改善や働きやすい職場環境整備など、労働者それぞれの意識やライフイベントに合わせた働き方を可能とする柔軟な雇用管理を行うこと が重要。
図16 生え抜き社員割合は低下傾向
図17 生え抜き社員の年齢に応じた賃金上昇幅が鈍化
図18 労働者の就業意識の多様化が進んでいる
図19 若年層ほど仕事内容よりも賃金水準を重視する傾向
図20 若年層ほど自己成長への関心が高い
図21 「働きやすい」と感じているグループ の方が継続就業希望が高い傾向


◎令和7年版 労働経済の分析―労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて〔本文〕  令和7年9月  厚生労働省
○目次

はじめに
凡  例
第T部労働経済の推移と特徴
第1章一般経済の動向
第1節 GDPの動向
第2節 企業部門の動向
第3節 家計部門の動向
第2章雇用情勢の動向
第1節 完全失業率及び有効求人倍率の動向
第2節 労働力需要の動向
第3節 労働力供給の動向
第4節 就業者・雇用者の動向
第3章労働時間・賃金等の動向
第1節 労働時間・休暇等の動向
第2節 賃金の動向第3節 春季労使交渉等の動向

第U部 労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて
第1章 持続的な経済成長に向けた課題
第1節我が国のGDP成長率と労働力供給量の推移
第2節 労働生産性の向上に向けた課題と対応
第2章 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて
第1節 社会インフラを支える職業が直面する人手不足の現状
第2節 社会インフラを支える職業の特徴
第3節 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて
第3章 企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理
第1節 企業と労働者の関係性の変化
第2節 労働者の意識変化
第3節 継続就業を促す雇用管理
付属統計図表
図表索引
付属統計図表索引
参考文献一覧

コラム索引 ↓
1– 1 サービス収支における「デジタル関連サービス」について
・【コラム1−(1)−1図 経常収支の推移】
→サービス収支の赤字は、2010年代と比較すると、2020年以降は拡大傾向。
・【コラム1−(1)−2図 デジタル関連サービスの収支の推移】→2024年の「デジタル関連サービス」の赤字は6.8兆円。

1–2 我が国と主要国における女性の労働参加の状況
・【コラム1−(2)−1図 女性の年齢階級別就業率】
→我が国の女性の「20〜24歳」「25〜29歳」の就業率は、主要国よりも高い水準。
・【コラム1−(2)−2図 女性の年齢階級別正規雇用労働者比率】→我が国の女性の正規雇用労働者比率は、「25〜29歳」をピークとして、30代以降は低下傾向。

1–3 就業者の年齢構成割合
・【コラム1−(3)−1表 就業者の年齢階級別構成割合】
→就業者の年齢階級別構成割合の長期的な変化に着目すると、過去10年間で70歳以上の割合が大きく上昇。
・【コラム1−(3)−2表 正規雇用労働者数の年齢階級別構成割合】→正規雇用労働者の年齢階級別構成割合の推移をみると、過去10年間で60歳台の割合が大きく上昇。

1–4 賃金の実質化について
・【コラム1−(4)−1図 実質化に用いる消費者物価指数別実質賃金(年次)の推移】
→2024年の消費者物価指数「持家の帰属家賃を除く総合」で実質化した実質賃金は前年比 0.3%減となり、消費者物価指数「総合」で実質化した実質賃金は同0.0%となる

2–1 労働者の意識の国際比較
・【コラム2−(1)−1図 仕事と余暇の重要度】
→一人当たり名目GDPが高い国ほど仕事中心性が低くなる傾向。 (1)仕事と余暇の重要度 (2)一人当たり名目GDPと仕事-余暇スコアの関係⇒経済状況と仕事及び余暇に対する価値観の関係を検討するために、米田(2024)を参考 として、仕事の重要度スコアから余暇の重要度スコアを差し引いて算出した「仕事中心性 スコア」と、一人当たり名目GDPとの関係を分析した。その結果、一人当たり名目GD Pが高い国ほど、仕事中心性が低くなる傾向が確認された(コラム第2−(1)−1図(2))。 このことから、我が国において仕事よりも余暇を重視する傾向が以前よりも強くなってい ることは、我が国特有の傾向ではなく経済成長による経済の成熟化が進んだ結果であると 考えられる。

次回は新たに「第203回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

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