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第202回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2025年10月15日(Wed)]
第202回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和7年9月4日)
議題 (1)労働基準関係法制について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62773.html
◎資料No.1 各側委員からの主な意見の整理(案)
<労働基準法における「労働者」>
<家事使用人>
<労働基準法における「事業」>
<労使コミュニケーションの在り方>
→(労働者側)⇒・ 集団的労使関係の中核的役割を果たすのは、労働三権を背景として労働者が自主的に団結した組織である労働組合であり、過半数代表者の適正化を図ったとしても労働組合の代わりにはなり得ない。また、団結権等の基盤を有しない組織が、使用者と対等に労使交 渉できるのか疑問。過半数労働組合がない企業における新たな労使コミュニ ケーションの選択肢の検討ではなく、 過半数代表者の適正運用を徹底すべ き。 ・ 経営者や過半数代表者も含めた、ワークルールや労働組合の役割・重要性の教育・啓発の推進など、行政においても、労働組合の活性化につながる政 策を行うべき。・ 過半数代表者の適正な選出を制度的 に担保するため、選出手続に関する規 定は法律に規定すべきであり、選出手続に問題があった場合には当該協定は無効になることを法律で明確に定める べき。あわせて、不適切な選出方法を 明確にする必要がある。
・ 労働基準法は労使が合意したとしても引下げや緩和ができない最低基準を 定めた強行法規であり、その根幹を揺るがすようなデロゲーションの拡大等は、行うべきではない。

<時間外・休日労働の上限規制>→(労働者側)⇒・ 現在の上限規制は過労死ラインの水準であり、それを超えるような働き方をさせてはならず、労働者の命と健康を守るという労働時間法制の 趣旨に反する柔軟化や見直しは行うべきではない。 ・ 上限規制の実効性を高めるため、 労働時間の把握が確実に行われるよう、「労働時間の適正な把握のために 使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を法令へ格上げし、罰則等も含めた義務づけを行うべき。  (使用者側)⇒・ 労働時間の把握は労働基準法の義務履行の手段として現在の規制に包含されており、また、健康確保のための労働時間の状況の把握義務は労働安全衛生法において規定されている。労働時間把握の新たな義務付けは過度な規制となり得るため慎重な検討が必要。

<労働時間等の情報開示>
<法定労働時間週44時間特例措置>
<テレワーク等の柔軟な働き方>
→(使用者側)⇒・ 育児や介護との両立による制約が 大きな課題となっている中で働きやすさや働きがいを高めていくために フレックスタイム制は有効であり、 フレックスタイム制と通常勤務日とを組み合わせることで部分的にフレックスタイム制を適用できるよう見直すべき。

<管理監督者>
<休憩>
<休日(連続勤務規制)>
<休日(休日の特定)>
<勤務間インターバル>
<つながらない権利>
<年次有給休暇(時季指定義務)>
<年次有給休暇(賃金の算定方法)>
<年次有給休暇(その他)>↓
◆制度の現状等
→・労働基準法第39条において、「全労働日の八割以上の出勤」を年休付 与の要件としている。 ・ 年次有給休暇の取得に伴う不利益取扱いについては、労働基準法の附則である第136条において、「有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしな いようにしなければならない」としている。
◆(労働者側)→・ 出勤率要件は、日本に特異な制度であり、労働者の心身の疲労回復を図り、ゆとりある生活に資するといった年休の趣旨を踏まえると不要ではないか。 ・ 年休取得に伴う不利益取扱いについては、現在は曖昧な訓示規定に留まり実効性に疑問があるため、本則に明確に禁止規定を設けるべき。
◆(使用者側)→・ 年休の出勤率要件をなくして出勤の実態の乏しい者にも一律に年休を付与することについては、制度の趣旨や労働者間の公平性の観点も踏まえた慎重な検討が必要。
<割増賃金規制>→・ 2024年度に見直しの内容が施行さ れたばかりであり、健康・福祉確保 措置の強化、本人同意や同意撤回の・ 所定内賃金の引上げは個別労使の団体交渉が前提にあり、割増率の引上げによって妨げられるものではない。安心して働き続けられる環境整 備を進めることが必要であり、その施策として割増率の引上げを考えるべき。
(使用者側)⇒・ 割増率の引上げは、企業活動への 影響が大きく、経営体力が強くない 企業を中心に経営を圧迫することに なる。また、賃上げのモメンタムを定着させるべきところ、基本給引上げを控える動きになりかねないため慎重な対応が必要。
<副業・兼業>→(労働者側)⇒・ 働き方改革で推し進めてきた長時 間労働の是正と過労死等ゼロの取組 に逆行するものであり、割増賃金に 係る労働時間の通算を廃止すべきで はない。
<裁量労働制>→(労働者側)⇒・2024年度に見直しの内容が施行されたばかりであり、健康・福祉確保 措置の強化、本人同意や同意撤回の手続等の適正運用の徹底を着実に進めていくことが重要。 ・ 国際競争力の向上は、産業政策等 で対応すべきものであり、労働法制の緩和で実現すべきものではない。 裁量労働制が本来の趣旨に沿った運用が徹底されることが重要であり、 要件の緩和は行うべきではない。 ・ 通常の労働時間規制の逸脱を認めるものについての手続や運用が厳格であることは当然である。 (使用者側)⇒・ 現在の裁量労働制は対象業務が厳格に規定されているため、企業で適用可否を判断することが難しく、また、手続も煩雑である。適用労働者の満足度や健康状態の認識の調査結果も勘案しつつ、裁量労働制の見直しについて必要な議論を進めるべき。 ・ 国際競争力の向上や付加価値の創出の観点からも、裁量労働制の拡充が必要。労使の対等かつ十分な協議や適切な健康確保措置、適正な報酬を条件とし、過半数労働組合との合意のもとで裁量労働制を適用するにふさわしい対象業務の範囲を決められるような仕組みの導入の検討を行うべき。 ・ 中小企業では複数の業務を兼務することが多く、非対象業務との兼務が一部でもあると適用が認められない。主たる業務が対象業務であり働き方に裁量がある労働者は適用可能となるよう検討すべき。
<賃金請求権等の消滅時効>→(使用者側)⇒・ 労基法における時効と資料保存期間の在り方を検討するに当たっては、労働債権は短期で権利義務関係を確定させる必要性が高いことや、 賃金未払いの立証には勤務実態や残業の指示に関する証明が必要である。企業の資料保存の負担感も含めて総合的に検討する必要がある。調査結果はあくまでも参考データとして取り扱うべき。
<その他> ↓
◆制度の現状等
→・労働基準法第35条に規定する休日は原則として暦日を単位として付与 されるべきものとされている。 ・ 労働条件の明示方法は書面の交付に限られていたが、平成31年4月以 降、労働者が希望した場合は、FAX や電子メール、SNS 等でも明示が可能となった。 (労働者側)⇒・ 休日の暦日付与の原則については、業界特有の課題がある場合であっても例外の拡大は慎重に検討する べき。  (使用者側)⇒・ 鉄道業における夜間のメンテナンス工事など、業務の特殊性を踏まえ、暦日単位での休日付与の原則の見直しを検討するべき。 ・ 労働条件の明示方法について、労働者の利便性向上のためにも、労使 協定の締結等を条件に電子メールの 送付等による明示を可能とする見直しの検討を行う必要がある。


◎資料No.2 労働時間法制の具体的課題についてC
○「均衡割増賃金率」の試算について→令和3年の「均衡割増賃金率」:約44.3%。

<計算式><定義>については参照のこと。
○年次有給休暇の国際比較について→日本、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、参照。
○一斉休憩➀現行の規定・解釈
・労働基準法(昭和22年法律第49号)(抄)→(休憩) 第三十四条
・労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)(抄)参照。
・令和3年版労働基準法上(厚生労働省労働基準局編)(抄)参照。
○一斉休憩A現行の規定・解釈
・労働基準法(昭和22年法律第49号)(抄)→(労働時間及び休憩の特例)第四十条
・労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)(抄)→第三十一条 参照。
・令和3年版労働基準法上(厚生労働省労働基準局編)(抄)→施行規則第31条列記の事業については、いずれも公衆を直接相手とする業態であり、労使協定の締結がなくとも交替休憩を実施できることとしたもの。
○一斉休憩B 労働基準関係法制研究会報告書概要  参照のこと。

○労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(概要)
○労働者の種別に応じた健康・福祉確保措置等

・労働安全衛生法第66条の8の3の労働時間状況把握に係る違反の状況について→令和5年7,559  その他の参照。
○農業・漁業に係る労働時間等の規制の適用除外→労働基準法(昭和22年法律第49号)(抄)⇒(労働時間等に関する規定の適用除外) 第四十一条

○裁量労働制➀概要→対象、労働時間、手続きあり。
・専門業務型 裁量労働制〔法第38条の3〕
※適用労働者の割合: ⇒1.4% ※導入企業の割合: ⇒2.2%
・企画業務型 裁量労働制 〔法第38条の4〕
※適用労働者の割合: ⇒0.2% ※導入企業の割合: ⇒1.0%
○裁量労働制A主な見直し内容(令和6年4月1日施行)
・対象業務に係る見直し→•専門業務型裁量労働制の対象業務は、新商品や新技術の研究開発、人文科学や自然科学の研究、情報処理システムの設計、コピーライター、新聞記者など ⇒銀行・証券会社におけるいわゆるM&Aアドバイザーの業務を対象業務に追加。 •対象業務の明確化として、専門業務型について複数の対象業務に従事している場合や、企画業務型の対象業務を遂行する過程における自己の業務に関係する情報・資料の収集、整理、加工等の作業についての考え方を周知。
・本人同意・同意の撤回→・@専門業務型について、制度適用に当たっての本人同意を労使協定事項にするとともに、A企画業務型・専門業務型ともに、同意の撤回の手続を労使協定・労使委員会決議事項として整備
・健康・福祉確保措置→•裁量労働制の対象労働者の健康確保を徹底するため、以下の健康・福祉確保措置の選択肢の追加等を実施⇒@勤務間インターバルの確保 A深夜業の回数制限 B労働時間の上限措置(一定時間を超えた場合の適用解除) C一定の労働時間を超える対象労働者への医師の面接指導。
・労使委員会の機能強化→•労使委員会の役割として、制度の実施状況の把握と運用改善を明確化するとともに、使用者が労使委員会に開示することが適当で ある情報として、当該事業場が属する企業の労働者の賃金水準、対象労働者に適用される賃金・評価制度の運用状況を追加。 •労使委員会の運営規程に定める事項の追加⇒a.対象労働者に適用される賃金・評価制度の内容についての労使委員会への説明に関する事項  b.制度の趣旨に沿った適正な運用の確保に関する事項  c.労使委員会の開催頻度(6か月以内ごとに1回)。

○(参考)労働者の現在の働き方に対する認識(適用労働者と非適用労働者の比較)【労働者調査】
○(参考)裁量労働制の適用に対する満足度【労働者調査・適用のみ】
○(参考)労働時間の分布(階級での回答を除く)【労働者調査】
○(参考)深夜労働・休日労働の状況【労働者調査】
○(参考)健康状態
○(参考)労働者の裁量の程度@具体的な仕事の内容・量【労働者調査】
○(参考)労働者の裁量の程度A進捗報告の頻度【労働者調査】
○(参考)労働者の裁量の程度B業務の遂行方法、時間配分等【労働者調査】
○(参考)労働者の裁量の程度C出退勤時間【労働者調査】
○(参考)事業場の労働時間の状況の把握方法【事業場調査】
○労働者の昨年(平成30年)の年収【労働者調査】
○(参考)みなし労働時間(適用労働者の認知状況、1日の平均みなし労働時間)【適用のみ】
○(参考)裁量労働制適用の満足度(昨年の年収階級別)@【労働者調査・適用のみ】
○(参考)裁量労働制適用の満足度(昨年の年収階級別)A【労働者調査・適用のみ】
○(参考)労使委員会の実効性が労働時間に与える影響(企画型)


◎資料No.3 労働条件分科会におけるこれまでの意見
(※)第200回労働条件分科会(令和7年6月16日)までの御意見
○労働基準法における「労働者」→・プラットフォームを通じた労働や、雇用類似の働き方といった労働法の保護を受けることができない働き方が増えているのは問題。 労働者性研究会ではこういう実態をしっかりと検証し、より多くの方が労働法の保護を享受できるような観点から議論を行っても らいたい。検討に当たっては、就業者の労務提供等の実態も踏まえて、使用者、発注元企業等が負うべき雇用・使用者責任の明確 化についても議論を深める必要があるのではないか。また、労働者概念を拡大してもなお、労働者性が認められない就業者は存在 するため、働き方に応じた保護方策も考えていくべき。
○家事使用人→・家事使用人をめぐる近年の実態の変化を踏まえれば、通常の労働関係とは異なった特徴を有するという適用除外規定の趣旨・目的 が今なお妥当するとは言いがたく、労働基準法を適用する方向性を示した労働基準関係法制研究会の報告書の方向性に賛同。一方 で、安衛法の措置や労災保険料の申告・納付等について、視線を下げた議論が必要。労働基準法第116条第2項の適用除外規定を 単に削除するのではなく、行政の監督や指導、個人家庭に家事使用人を紹介する事業者が果たすべき役割も含めて、どうすれば実 効性のある保護が可能になるのかという観点から議論することが大切。
○労働基準法における「事業」→・36協定について、本社一括届出にするために、短絡的に一律の上限時間数で締結をしようとする行為が促される懸念がある。例外で ある時間外・休日労働を抑制させるための手続であり、それを事務負担軽減のために形骸化させてはならず、本社一括届出の場合で あっても、労基署による牽制機能が低下することのないような対策が必要。

○労使コミュニケーションの在り方→・労働組合の活性化と過半数代表者の機能の改善に関する議論を行った上で、労使の意見を踏まえて諸外国のような労働者代表制の導入検討まで視野に入れた議論ができるとよい。 ・時代や働き方は変化しているが、労使の交渉力には未だ厳然たる格差がある。その中で労働組合は、労働三権を背景として、労使対 等の立場で協議・交渉を行うために労働者が自主的に団結した組織であり、労使コミュニケーションの中核的担い手であると考える。 労働組合の重要性は数字でも明らかになっており、賃上げ率や労使関係の安定性、紛争の未然防止という観点でも役割を果たしている。組織化は我々自らが率先して取り組むものであるが、行政としても労働組合の重要性をアピールするようなワークルール教育の 充実や、労働組合の有無に関する情報開示の充実も含め、労働組合の活性化につながる政策を講じていただきたい。まずは、現状の施策の全体像を把握できる資料を提示してほしい。 ・「労使協創協議制」は、過半数労働組合のない職場で一定の認証を受けた者にデロゲーションなどの権限を付与する仕組みと理解し た。団結権等の基盤を有していない仕組みの下で対等な労使交渉というのが本当に担保されるのか、また、労働者の意見反映が十分 になされるのかというところは非常に疑問。選択制であっても、いわゆるデロゲーションを念頭に設置させることも考慮すると、使 用者と労働者の間の厳然たる力関係がある中で使用者による導入が強行されるのではないかということも非常に懸念される。労働組 合による対等な労使関係の構築を促進するのが重要。 ・労働組合には職場の生の声が上がってくることが大きな強みであり、労働組合が現場の声を察知し、集団的労使関係の枠組みの中で 課題を解決していくことが可能。通信工事の人身事故撲滅に向けた安全対策について労使で徹底したコミュニケーションを取ってい る。組合役員が現場にヒアリングに赴き、事故発生の要因の確認、過去の同様の事故の再発防止策の浸透状況を聞き取って労使での 安全協議に活かしている。発注者、元請会社、協力会社までの労使が一堂に会して議論を行う。また、中小の加盟組合の事例では、 コロナ禍において、休業補償などに関する団体交渉と並行して、労働組合の独自のネットワークを通じた販路の拡大などに取り組み、 経営危機を乗り越えた実績もある。このように労働組合が重要な役割を発揮した事例についても広く収集し、周知・啓発に努めるこ とで、労働組合の組織化や組織拡大の後押しを行政としても行うべき。 ・小規模企業においては、一般的に経営者と従業員の距離が非常に近く、率直な意見を交わすことができる一方、近いがゆえに言いたいことが言えないことがあるというのもまた事実。状況によって、事業所によって、業種業態によっても大きく異なる。過半数代表 者の選出について、特に小規模事業者においては、事業主以外、従業員全員が横並び、上下関係がないという状況が非常に多い。そ の場合、従業員側で自発的に代表者を選ぶことはなかなか難しい状況であり、一定程度の事業主側の関与は必要。企業によって状況 が様々だということを前提にして考えると、規則等によって一律な対応を求めるだけではなく、今回のような事例を通じて企業の特 性に応じた対応や得られる効果を共有しながら、過半数代表者の適正選出、労使コミュニケーションの環境整備を促していくことが 重要。 ・例えば36協定を締結する場面において、労働者の意見を集めて様々な方法でそれを参考に過半数代表者が36協定を締結することは望 ましい。ただ、労働基準関係法制研究会の報告書が「公正代表義務」という表現で義務という点を強調している点については賛成し かねる。一点目の理由として、仮に自ら意見集約をするということがルール化されるような場合には、過半数労働者の方が負担に感 じ、さらになり手が現れなくなることを強く懸念している。二点目の理由として、労働基準法は事業主に義務を課す法律で、労働者 に義務を課すことが法体系上適切かどうかという問題もある。三点目の理由として、仮に過半数代表者ないし過半数労働組合が全労 働者の代表として意見集約することについて義務という形で措置されることになれば、意見集約が行われない形で労使協定が結ばれ たときに、協定が無効になる事態が生じかねない。会社側が何も意見集約に関与できないままに労使協定が無効になるということに ついて、強い懸念を持っている。したがって、義務とすることは避け、労使コミュニケーションの成熟度、これは各社・各職場で多 様であるので、そのことを前提に、社員の意見集約は多様で柔軟な方法を認め、かつガイドラインのようなソフトな措置から検討することが望ましい。

○総論、時間外・休日労働時間の上限規制→・36協定の締結割合が5割を切るという調査結果は、時間外労働の実勢とかけ離れているのではないかという印象。36協定を含めた法 内容を改めて周知するとともに、法令遵守をしっかり徹底することと、過半数代表者の適正化など、36協定の適切な締結に向けて実 効性ある法対応を検討すべきではないか。 ・労働時間の規制の強化によって働きがいが失われる事態が生じているとの指摘について、データ等の根拠を示してほしい。例えばヨー ロッパなどでは日本より労働時間規制が厳しい国は多いが、そのような国で働きがいを持てていないというわけではないと思う。法 改正直後の短期的な要素であるのか、より構造的な要素として考えられているのか、併せて示していただけると、今後インターバル 規制の議論においても有益ではないか。

○労働時間等の情報開示→・就職活動に際して、採用に影響するので、ワークライフバランスや労働時間、残業時間について質問しないようアドバイスする会社が あるようだが、就業環境を求職者が聞きづらい状況は健全ではないため、社内・社外への情報開示は適切に進めていく必要がある。 比較しやすい形で、新卒者や転職を考える人からの情報へのアクセスに配慮しつつ、企業側が正しい情報を低コストで登録できるような支援も同時に考える必要がある。
○法定労働時間週44時間特例措置→・この特例に依存して運営している零細事業者もあると思う。人手が足りないところで、週40時間ではどうしても回らないという現実 もあると思う。家族経営や地域密着型企業にとっては死活問題になるところもある。将来的に段階的縮小も念頭に置きながら、この 制度の周知や十分な移行支援が必要ではないか。人員確保や設備投資に対する補助制度を継続的に実施いただきたい。
○テレワーク等の柔軟な働き方→・就業時間または中抜け時間について、何らかの方法で管理している割合が大半であり、管理していないところをいかに是正していくの かが今後の課題。適正な労働時間の管理を徹底していくことが重要。

○実労働時間規制が適用されない労働者に対する措置(管理監督者)→・JILPTの調査結果からは、各社とも、管理職に対する健康・福祉確保措置は相当程度実施されているように感じた。管理監督者に仕事 のしわ寄せが生じる傾向があるとの声は現場の担当者からも聞く。経団連では、管理監督者の健康確保に十分配慮する必要があることを呼びかけている。今後、管理監督者の健康確保の在り方を検討するに当たっては、2022年のJILPTの調査結果のように健康状態 が通常労働時間制度が適用されている方と遜色がないことを示すデータもあるということを踏まえ議論していく必要があるのではないか。
○休憩の一斉付与→・休憩の一斉付与原則を緩和すると、実態把握や監督が困難になり、また、労働者にとっては、職場で周りに気兼ねして休憩が取りにくくなる懸念があるため、緩和すべきではない。
○休日(連続勤務規制)→・1日の中でのリズムだけではなく、1週間、1か月単位でも勤務日と休日のリズムを平準化していくことが重要。休日労働を含めた連 続勤務日数規制を早期に導入すべきであり、少なくとも労働基準関係法制研究会報告書でも提案されている13日を超えるような連続 勤務をさせてはならないという内容については重要視すべき。災害時などの対応の場合についても、例外措置は極めて限定的なもの にしていく必要がある。商慣行の課題等にも留意し、商慣行を変えていくための後押しとなるような法改正をしていただきたい。
○休日(休日の特定)→・法定休日の特定に関するルールを明確化することで、労務管理がしやすくなり、ひいては法律の履行遵守にもつながり、労使双方に メリットがあり、ルールの明確化という観点で法定休日の特定について賛成する。なお、いつまでに法定休日を特定するかという議 論については、業種・業態によっても異なるため、実態を踏まえて検討いただきたい。
○勤務間インターバル→・勤務間インターバルの導入促進を図るという方向性で検討することは適切。一方で、勤務間インターバルの扱いにも幾つかのものがあるということ、また、自社にとっては関係ないという認識の企業もまだそれなりにあるのではないかということ、労働者調査の様々 な項目で「わからない」という回答が最多である設問が結構あることからすると、勤務間インターバルの概念や意義はまだ社会に必 ずしも十分に浸透し切ってはいないのではないか。審議した結果を制度として社会に反映させていくという方法もあるが、実際に制 度を導入している企業の事例を示すなど、審議においても勤務間インターバルにある程度多様なものがあり得るということを確認しながら進めていくことが重要ではないか。
○つながらない権利→・終業時や休日に、自分の職場、上司や顧客からメールや電話があるというのは、労働者にとってみればストレスのある話であるため、 一つの課題。ただ、天災事変やシステムダウン、昨今のサイバー攻撃のような突発事象も想定されるため、勤務時間以外でも緊急の 連絡が取れる体制は各社それぞれあるだろうと思っており、場合によっては休日や終業後にも対応が必要だというケースもあると思 う。連絡を取り合うのは、社内、顧客を含めて社外など、いろいろなケースがある。その中で対応の必要性の有無や、連絡をする側、 受ける側の対応方法も様々。特に社内の連絡として言えば、それぞれ仕事のスタイルや個人ごとの考えも様々であり、この問題は労 働条件というよりも働き方そのものという感じがする。そのため、まずはメールの送付の抑制やシステムへのアクセス制限等、テレ ワークガイドラインの周知をまずは行っていきながら、勤務時間外での連絡を抑制するような社会全体での意識改革を進めることが 重要ではないか。
○年次有給休暇<時季指定義務>→・5日取得できていない割合が全事業計で11.6%にのぼることから、年次有給休暇に関しては、まずはしっかりと取得させる取組が不 可欠。
○年次有給休暇<時間単位年休>→・時間単位年休について、労働者側にも一定のニーズがあることは理解するが、年次有給休暇の制度趣旨を踏まえれば、1日単位で休暇 を確保することが極めて重要。時間単位年休については、休暇確保や年次有給休暇の取得促進のための環境整備を進める観点を踏まえて議論すべき。
○年次有給休暇<その他>→・日本の年次有給休暇は付与に当たって8割の出勤率の要件があるが、諸外国、ヨーロッパではどのような仕組みになっているか教えて いただきたい。
○割増賃金規制<割増賃金の趣旨・目的等>→・育児・介護等を行う労働者にとって、柔軟な就労を可能にする深夜労働の割増賃金規制の見直し等は、働き方の多様化に対応する法制 を考える上で重要。
○副業・兼業→・本業と副業・兼業それぞれの働き方の実態、割増賃金の支払いなどとの関連性が分かるような集計をお願いしたい。
○裁量労働制→・柔軟な働き方や裁量労働制の拡大は、長時間労働を助長しかねないため、安易に行うべきではない。裁量労働制については、2024年 の省令等改正で講じた健康・福祉確保措置、本人同意や同意撤回の手続等の適正運用の徹底を着実に進めていくことが重要。
○賃金請求権等の消滅時効→・5年前の消滅時効の議論では、企業負担を踏まえた準備期間という趣旨も含めて、当面の間3年とした。5年を超えて文書を保存して いる事業所も少なくはないことから、今後の議論にはこのようなデータも参考にすることは重要。
○その他→・36協定を知らない事業所は結構多いのではないかと思う。残業させるに当たっては必ず36協定が必要なのだということが、立ち上げ たばかりの企業、社員を数人雇った企業は、どうしてもまだそこまで認識が及んでいないところも実態としてある。


◎資料No.4 働き方改革の「総点検」について
○「経済財政運営と改革の基本方針2025」等について→「経済財政運営と改革の基本方針2025(令和7年6月13日閣議決定)」「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版(令和7年6月13日閣議決定)」
○働き方改革の「総点検」について→令和7年9月を目途に、次の⑴⑵の調査を実施する。結果は11月目途に公表予定


◎参考資料No.1 労働条件分科会委員名簿→総員24名
・(公益代表)8名。(労働者代表)8名。(使用者代表)8名。

次回は新たに「第29回社会保障審議会福祉部会 資料」からです。

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