第11回 子ども・子育て支援等分科会 [2025年10月03日(Fri)]
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第11回 子ども・子育て支援等分科会(令和7年8月8日)
議題 (1)こどもまんなか実行計画2025の策定等(2)児童福祉法等の一部を改正する法律の施行に向けた準備状況(3)こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討状況(4)子ども・子育て支援法に基づく基本指針の改正案(5)保育施策関係の最近の動向(6)こども性暴力防止法の施行に向けた主な論点及び検討の方向性について https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kodomo_kosodate/8500e055 ◎参考資料1 子ども・子育て支援等分科会委員名簿 →34名。 ◎参考資料2 こども家庭審議会関係法令 ↓ ○こども家庭審議会令(令和五年政令第百二十七号)→ 内閣は、こども家庭庁設置法(令和四年法律第七十五号)第七条第三項の規定に基づき、この政令を制定。第1条〜第10条。 ○こども家庭審議会運営規則 令和5年4月 21日 こども家庭審議会決定→こども家庭審議会令(令和5年政令第127号)第10条の規定に基づき、この規 則を制定する。 (会議の招集)第1条〜(雑則)第7条まで。 ◎参考資料3 保育所、認定こども園における保育の内容の基準等の在り方について(諮問) (令和7年4月25日こども家庭審議会に対し、内閣総理大臣より諮問) ○【背景等】【審議いただく内容】→保育所、幼保連携型認定こども園及び幼稚園の教育・保育内容の基準の整合性を確保する観点から、幼 稚園及び幼保連携型認定こども園における教育の基準等に関する重要事項の調査審議を行う中央教育審議会と緊密に連携いただきつつ、 乳幼児がいずれの施設に通っているかにかかわらず、質の高い保育が保障されるよう、幅広く御検討いただきたい。 ◎参考資料4 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律の概要 ○趣旨→教員に優れた人材を確保する必要性に鑑み、公立の義務教育諸学校等における働き方改革の一層の推進、組織的な学校運営及び指導の促進並びに教員の処遇の改善を図るため、教育委員会に対する業務量管理・健康確保措置実施計画の策定及び公表等の義務付け、 主務教諭の職の新設、教職調整額の基準となる額の引上げ、義務教育等教員特別手当の内容に関する規定の整備等の措置を講ずる。 ○概要 ↓ 1.学校における働き方改革の一層の推進→(1)教育委員会における実施の確保のための措置 (2)学校における実施の確保のための措置 参照のこと。 2.組織的な学校運営及び指導の促進 3.教員の処遇の改善→(1)高度専門職にふさわしい処遇の実現(2)職務や勤務の状況に応じた処遇の実現 参照のこと。 ○施行期日→1及び2については、令和8(2026)年4月1日、 3については、令和8(2026)年1月1日 ◎公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律 新旧対照表 目次のみ↓ ○ 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和四十六年法律第七十七号)(第一条関係 ) ○ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)(第二条関係) ○ 市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)(第三条関係) ○ 教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)(第四条関係) ○ 教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)(第五条関係) ○ 学校図書館法(昭和二十八年法律第百八十五号)(第六条関係) ○ 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法(昭和二十八年法律第二百三十八号)(第七条関係) ○ 義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法(昭和二十九年法律第百五十七号)(第八 条関係) ○農業、水産、工業又は商船に係る産業教育に従事する公立の高等学校の教員及び実習助手に対する産業教育手当 の支給に関する法律(昭和三十二年法律第百四十五号)(第八条関係) ○ 女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律(昭和三十年法律第百二十五号)(第九条関係) ○ 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)(第十条関係) ○ 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)(第十一条 関係) ○ 公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十八号)(第十二条関 係) ○ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)(第十 三条関係) ○ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成二十四年 法律第六十六号)(第十四条関係) ○ 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和六年法律第 五十三号)(第十五条関係) ○ 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和六年 法律第六十九号)(第十六条関係) ◎参考資料5 令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果(確定値) 1.令和6年度経営実態調査の集計結果の概要 @ 私立施設・事業所の収支差率→• 前回調査結果から、保育所は増、幼稚園(新制度)、認定こども園は減となっている。 • また、家庭的保育事業、小規模保育事業(A型・B型・C型)、事業所内保育事業(A型適用)についてはいずれも前回調査結果より収支差が下がっている又は同水準だが、他の種別と比べ高い水準となっている。 A 私立施設・事業所の人件費比率→• 全体的に約6割〜8割程度が人件費に充てられている。保育所は、7割程度。 • 保育所については前回調査結果から微減だが、幼稚園・認定こども園・地域型保育事業については、いずれも上がっている。 B 私立施設・事業所の保育士等(常勤)の1人当たり給与月額(賞与の1/12を含む)→ • 保育所、幼稚園(新制度)、認定こども園の保育士等については、給与月額が約4〜5万円程度増額している。 • 地域型保育事業については、給与月額が増額しているが、家庭的保育事業、小規模保育事業(C型)、事業所内保育事業(B型)については、増額が他と比べ少ない。 C 私立施設・事業所の保育士等(常勤+非常勤)の配置状況→• 全施設・事業所において、公定価格基準と実際の配置の差が生じている。 2.令和6年度経営実態調査の集計結果の詳細版 (1)経営の状況(私立施設)→ @ 保育所 収支状況 A 幼稚園(新制度) 収支状況 B 認定こども園 収支状況 C 地域型保育事業(家庭的保育事業、小規模保育事業) 収支状況 D 地域型保育事業(事業所内保育事業) 収支状況 それぞれの参照のこと。 (2)職種別職員1人当たり給与月額(全体状況)→@ 保育所(私立・公立)A 幼稚園(新制度)(私立・公立)B 認定こども園(私立・公立)C 家庭的保育事業(私立)D 小規模保育事業(A型、B型)(私立)E 小規模保育事業C型(私立)F事業所内保育事業(私立) (参考)私立施設・事業所の保育士等(常勤・非常勤)の給与月額の中央値 参照のこと。 (3)職員配置の状況(私立施設)→@ 保育所 A 幼稚園(新制度)B 認定こども園 C 家庭的保育事業 D 小規模保育事業A型 E 小規模保育事業B型 F 小規模保育事業C型 G 事業所内保育事業(A型適用) H 事業所内保育事業(B型適用) I 事業所内保育事業(20人以上) それぞれ各項目の参照のこと。 ◎参考資料6 令和7年度放課後児童クラブの実施状況(速報値) 1.放課後児童クラブの概要→・児童福祉法に規定する「放課後児童健全育成事業」として、平成10年度に 創設。保護者が労働等により昼間家庭にいない小学生(1〜6年生)に、授 業の終了後に学校や児童館等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業。 ・年度後半にかけて登録児童数、待機児童数共に減少する傾向。 2.放課後児童健全育成事業の実施状況調査の概要→・速報値調査は、令和5年度から実施。 ・内容 対象:放課後児童クラブを実施している自治体 1,633市区町村。・調査時点:令和7年5月1日。 ・ 今後、詳細を調査した上での確報値ならびに、本年10月1日時点の速報値を収集し、本年12月下旬を目途に公表する予定。 2.調査結果(速報値)→本調査は、速報値のため、今後自治体による修正等により、若干の数字の変 動が発生することにご留意いただきたい。⇒・登録児童数 :1,568,588人(前年比48,636人増) ・支援の単位数 :39,148 支援の単位(前年比 1,026支援の単位増) ・ 利用できなかった児童数(待機児童数):17,013 人(前年比673人減) ○各都道府県別の状況 参照のこと。 ○参考:昨年度の調査結果 →・ 令和6年5月1日時点(確報値) 登録児童数:1,519,952人、 支援の単位数:38,122支援の単位、 待機児童数:17,686人。 ・令和6年10月1日時点(速報値) 登録児童数:1,471,315人。 支援の単位数:38,071支援の単位、 待機児童数:8,794人。 ◎参考資料7保育士特定登録取消者管理システムの登録・活用状況等に関する調査について @目的→令和4年6月の児童福祉法の改正を受け、国において、児童生徒性暴力等を行ったことにより保育士登録を取り消された者 等(特定登録取消者)の情報を管理する保育士特定登録取消者管理システム(「データベース」)を整備。 ・令和6年4月1日のシステム稼働から1年が経過したことから、各施設・事業所におけるデータベースの利用者登録・活用 状況等に関する調査を行う。 A概要(案)→【調査項目】 @データベースの利用者登録・システム活用状況 A個人情報保護法第23条に基づく安全管理措置の実施の有無等。 【調査対象(データベース活用対象施設・事業所)】 ※下記の該当する施設⇒・児童福祉法第18条の4に規定する「保育士」を置くこと等が法令等により明らかであること ・所轄庁による指導監督権限が及ぶこと ・継続的に保育士を任命・雇用し保育事業を行うものとして施設等ごとにアカウントの付与先が明確であること。 【対象施設・事業所】→保育所など全体で25か所 ◎参考資料8 委員提出資料 ○NPO法人 全国小規模保育協議会 理事 認定NPO法人フローレンス 代表理事 赤坂 緑 意見書 ◎1歳児配置加算の要件(3)「平均経験年数10年以上」について、小規模保育を対象外とする例外を認め、園の配置改善を後押ししてください。 ○全日本私立幼稚園連合会 政策委員長 石田明義 T.議題(3)こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討状況について 資料3「こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討状況」に関する事項 →以上のことから、本格的実施に向けた「こども誰でも通園制度」では『親子通園』を要件から外すのではなく、多様な通園要件のひとつとして対象に加えていただいてもよろしいのでは ないかと思います。 ○社会福祉法人 全国社会福祉協議会 全国保育協議会 1. 保育に携わるすべての職員の配置や処遇改善について(資料1) (1) 保育に携わるすべての職員の配置基準について→ • 職員の配置は、子どもの一人ひとりの教育・保育に必要な人員であり、保育の質の向 上に必要不可欠なものです。 • 近年、子どもの発達においては個人の差が大きく、個別に対応する必要性が増しています。配慮が必要な子ども、気になる子どもも増えています。子どもたちにきちんと 向き合うため、基準以上の職員の配置については、各施設の努力により対応してきた現状があります。 • 1歳児の配置基準が改善されたことに感謝申しあげますが、加算であるうえに、要件が課され、例えば要件(2)であれば、ICTによる登降園管理とさらに1機能を活用していなければ加算を取得できないということになっています。子どもにきちんと向き合うための配置基準の改善であることから、要件を課すのではなく、根本的に1歳 児の配置基準を改善するようお願いします。 • 4・5歳児の配置基準の改善についても、改善された配置基準(3歳児15:1、4・5 歳児25:1)にとどまらず、OECD加盟諸国における就学前施設の配置基準をめざすことを要望します。 • また、令和6年度の配置基準の改善では、「チーム保育推進加算(略)を取得している施設は、25対1以上の配置が実現可能となっているため、引き続き、当該加算のみ を適用」とされました。しかし、チーム保育推進加算は、チームリーダーの位置づけ 等、チーム保育体制を整備し、職員の平均経験年数(12年以上)やキャリアを積んだ保育士が若手保育士とともに保育する体制を整備することで得られる加算です。配置 基準の改善とは根本的に主旨が異なるものです。今後、配置基準の改善に加えてチー ム保育の体制を整備している場合などには、別途チーム保育推進加算が獲得できるよ う整理していただくことを要望します。 • 同様に、認定こども園におけるチーム保育加配加算を取得している施設にも同様の措 置がとれるよう要望します。 • もちろん、応答的な関りが求められる2歳児の保育士の配置基準の改善も必要です。 • また、配置基準については、保育士・保育教諭はもちろん、配慮が必要な子どもやアレルギー対応が必要な子どもが増えていることも踏まえ、看護師や栄養士、調理員、 事務員等の保育士以外の職員の配置の取り扱いが適当なのか、しっかり精査してください。 (2) 保育士が長きにわたってキャリアを積み上げ、専門性を高めるために→ • 保育士の平均勤務年数が年々伸びているなか、現在の処遇改善等加算「区分1(基礎 分)」「区分2(賃金改善分)」は11年で加算率が頭打ちとなります。経験が豊富で専 門性の高い職員は、現場に必要不可欠な存在です。 • 保育士のさらなる定着をめざして、加算のあり方を見直すとともに、福祉職俸給表に おける格付の見直しも含めた公定価格の基本単価の引き上げ等、さらなる処遇改善を 進めてください。 (3) 主任保育士の役割について→ • 「こども誰でも通園制度」の試行的事業の前に実施されていた「保育所の空き定員等 を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業」の中間評価集計結果では、担当職 員の約63%が保育の経験年数が11年以上となっています。 • 時間的な制約等のある「こども誰でも通園制度」を進めるにあたっても、経験や専門 性のある主任保育士が果たす役割が重要であり、期待されることは明白です。 • 主幹保育教諭の配置が公定価格上の配置基準に含まれている一方で、主任保育士の配 置については、要件を満たした場合に加算により措置されるという、果たしている役割の重要性に比べて非常に不安定な状況です。 • 主任保育士がその専門性を十分に発揮し、保育の質をさらに向上させるため、加算ではなく、公定価格上の配置基準に含み、専任必置化としてください。 (4) 施設長の資質向上のために→ • 保育者がやりがいを持って働き続けられるような風通しのよい職場をつくり、園をマ ネジメントする役割を担うのは施設長です。 • また、近年、理不尽な要求を園に求める、いわゆるカスハラ等への対応も必要であり、現場で働く職員を守るためにも、施設長がその責任を果たすために必置化するとともに、必修研修や資格等の要件などを的確に定めることが必要です。 2. こども誰でも通園制度について(資料3・4)→•試行的事業実施のなかで、補助金額が増額されましたが、実際には利用時間に加え、 利用園児と保護者との面接や利用後に園での様子を伝える時間もあります。限られた日数・時間のなかでのかかわりだからこそ、この時間はより大切な時間です。 •これらは、事業の利用時間ではないため単価の対象になっていません。実利用時間以外に費やす時間や労力等も含めた単価を設けてください。 •また、常時保育士等を雇用する必要のある一般型で運営するには、現在の単価では到底不十分であり、基本分単価を設定するなど、大幅な増額が必要です。 •さらに、令和8年度からの事業開始における手続きについて、定款への記載が必要となると、多くの施設が変更するのに時間を要するため、記載の必要の有無やスケジュ ールについてもご配慮ください。 3.子どもの育ちをまんなかに据えた政策の実施(資料2)→•「児童福祉法等の一部を改正する法律の施行に向けた準備状況について」(資料2)において、「3〜5歳児のこどものみを対象とする小規模保育事業の創設」が、令和8年 4月1日に施行されることが説明されました。 •3〜5歳の子どもたちは、身体活動が活発になるとともに、集団としての保育の重要性も増す時期です。小規模保育事業所で3〜5歳の子どもの育ちを保障できるのか疑問です。 •国の規制改革という視点だけで判断するのではなく、日本の将来を担う子どもの育ち という視点からご検討・ご判断いただくことが必要だと考えます。 4. 保育現場でのDXの推進について(資料7)→ •保育現場でのDXの推進にあたっては、現実としてまだまだICT化されていない自治体や施設があるとの声があります。 •保育現場のDXを実現するにあたっては、実際に使用する自治体・施設においてICT環境の整備が拡充されることがまず必要です。全国的に拡充が進むよう、自治体に さらなる働きかけをしてください。 •また、一律の運用を進めるにあたっては、各施設で必要な環境性整備等、具体的にお示しいただくことで取り組みやすくなると考えます。施設での管理・運用が特殊、複雑化したものとならないようにしてください。 •とくに、費用面においては、過去に補助金等で購入したソフト等が経年で陳腐化している場合もあり、ICT環境整備にかかる初期投資のみでなく、システム等の維持更新 費の対応をお願いします。 5. 「こどもまんなか社会」を実現するための日本の働き方改革(資料1)→ •安心して子どもを産み育てる環境を整えるとともに、家族で過ごす時間を大事にしながら子育てができる社会とし、保護者の働き方も「こどもまんなか」にすることが、 少子化反転につながると考えます。 •そのためには日本の長時間労働を是正する施策をすすめることが必要であり、資料1 の「こどもまんなか実行計画2025(概要)」の「こども施策に関する重要事項」の1つに「共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの主体的な参画促進・拡大」とあり、「柔軟な働き方の推進」「長時間労働の是正」が挙げられています。 •その一方、保育所等においては11時間開所や土曜開所が求められています。保護者の就労の関係で、開所時間のすべてを園で過ごす子どもたちもいます。それは、国がめざす「こどもまんなか」の社会なのでしょうか。 •働き方改革は早急に行うべき課題です。日本の長時間労働を是正する施策を進めるとともに、子どもたちの育ちとその家庭を支える側である保育士の働き方を改善するために、例えば、6時間の短時間勤務が義務化されている3歳未満児の保育標準時間を 8時間にすることや、週40時間勤務の実態に合わせ、週の保育日数を5日にし、それをこえる部分は自己負担にするなど、現在の、11時間開所、週6日開所が求められる保育所等の開所時間等のあり方等についても検討してください。このことは保育士の人材確保・定着に直結する問題でもあると考えます。 ○全国私立保育連盟 常務理事 谷俊英 1.人口減少地域の保育への対応 @恒常的に定員を上回る施設に適用される減算措置だけではなく、定員20名の 施設において一定の期間定員を下回る児童数が継続した場合には「加算措 置」について新設すること A人口減少地域における保育の存続のため、当該地域における勤務を評価した 新たな手当を新設すること 2.公定価格の充実→・@公定価格の改定は国家公務員の人事院勧告に準拠するとともに、その算定に あたっては個別費目の積み上げ方式を堅持すること A福祉職俸給表における保育士等の格付けを平均勤続年数の実態(※1)に応じたものに見直すこと B施設長の俸給格付けの見直すこと(※2) C主任保育士の役割と責任を公定価格上で評価すること ※1保育士の福祉職俸給表1級29号俸(勤続4〜5年程度)を令和6年経営実態調査 に基づく平均勤続年数11年程度に応じた号俸に見直すこと ※2施設長について福祉職俸給表2級33 号俸(国家公務員では主任保育士格付け) を改善すること。 ・保育士等の配置改善→ @3歳児、4・5歳児、1歳児の保育士の配置改善加算措置に対する「要件」 を緩和・撤廃すること A2歳児への対応を含めOECD加盟諸国における実態を念頭に、我が国の職員配 置はどうあるべきかの検討を早期に実施しその内容を公表すること。 ・その他の職員の配置改善→ @看護師や栄養士、調理員、事務員等の保育士以外の職員の配置を改善すること。 ・保育DXを推進するための経費 @初期投資だけではなく、クラウド化されたシステムに対応できるようICTソ フト等維持更新費として公定価格の基本分に盛り込むこと(※) 31 ※別紙調査資料参照 3.急激な物価高騰への対応 @保育施設においては特に食材費や水道光熱費の高騰が経営に大きな負担となっている(別紙調査資料参照)。早急な物価高騰への対応をお願いするとともに、令和8年度予算編成にあたっては、今後の物価高騰による影響が公定価 格へ遅滞なくかつ適正に反映できる仕組みを検討すること 4.「こども誰でも通園制度」の改善→ @「こども誰でも通園制度」について、あらためてのその主旨を徹底すること A補助額の改善をはじめ、新たな負担なくこの制度を活用することができる環 境を構築すること 5.保育指針等の改定 @現行の三要領・指針の見直しに際し、こどもまんなかの理念に沿って現保育 の現場に携わる者の意見を十分聴いていただくこと A乳幼児がいずれの施設に通っていても質の高い保育が等しく保障されるよう 現在の三要領・指針の一本化に向けて検討を進めていただくこと 6.こども性暴力防止法の施行への対応 @こども性暴力防止法の施行に際し、現場での混乱がないよう早期にガイドライン 等の作成・公表を行い、対応を周知すること 7.社会福祉施設職員等退職手当共済制度の堅持・継続 @社会福祉施設職員等退職手当共済制度の公費助成については、保育人材確保やその運営主体の概ね8割を公営もしくは社会福祉法人が占めていることに鑑み、引き続き堅持・継続すること ○全日本私立幼稚園PTA連合会 寺尾 康子 【「資料1こどもまんなか実行計画 2025の策定等について」より】 <P2 概要A 2−(1)ライフステージの重要事項について>→誕生前〜幼児期のライフステージの重要事項を入れていただいておりますが、まさにその通りと考えており、この時期は親子の時間を最も大切にしていただきたいです。育児休業期間の延 長、例えば現状満2歳まで→満3歳までに延長+小学校入学まで時短勤務可としていただくような、企業や保護者側の働き方改革の改善も対象に入れていただきたいです。育児休暇中による長 時間の子育てに疲れを感じたら、こども誰でも通園制度や一時預かり保育などを利用すれば、保育所の負担軽減につながるのではないかと思います。食事やトイレを教えるのは、保育者ではなく親であって欲しいです。そして親と一緒にいることでの安心感を幼児期までに、お子様にじっ くり感じていただきたいです。そういった環境が「こどもまんなか」の基礎となる環境づくりに なるのではないかと思います。 <P2 3−(3)共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの主体的な参画促進・拡大につい て>→「共育て」推進は賛成ですが、「共働き」について国が社会に対して推進しているような雰囲気になってしまいかねないかと憂慮しています。 共働きが当たり前のことのように聞こえ、共働きが有利に働く子育て支援がなされていないだ ろうかと感じています。働かざるをえない家庭もあると思いますが、中には子供を預けて働くことで自分の時間・ひとり時間を得ている保護者もおられるかと思います。私は、働かずして子どもと日々向き合い、子育てをされている保護者も賢明なご判断だと思っています。現代は、『多様な考え方、働き方、子育て支援』などが存在しています。社会全体が、共働きをされている方々 に『恩恵』と受け取られかねない『子育て政策』を推進するのではなく、『子育てにも多様性』があることを国として社会へ伝えて欲しいと強く願っております。 【「資料4 子ども・子育て支援法に基づく基本指針の改正案について」より】 <P7 こども誰でも通園制度について>→ わかりやすい表に賛成です。こども誰でも通園制度のPRチラシやポスターに、是非、この形の 表でご案内いただきたくお願い申し上げます。また満3歳により、こども誰でも通園制度から幼 稚園へのスムーズな移行の推進にも、引き続きご尽力いただけますと幸いです。 ○滋賀県知事 三日月 大造 (全国知事会子ども・子育て政策推進本部本部長) 1.こども誰でも通園制度の安定的な制度運営に向けた支援について→・給付化に伴う公定価格の設定については、制度を安定的に運用できるよう、保 育士等の配置にかかる人件費や管理費等を勘案し、十分な額としていただきたい。 また、公立園で実施する場合や、給付化に当たって生じる地方自治体の費用負担 分に係る財政支援措置を講じていただきたい。 ・ 子ども1人につき月10時間の利用時間について、子どもが園に慣れ、園で安心して過ごせるようになるまで時間がかかる例もあり、制度の趣旨に沿った利用ができるよう、例えば、週1回(1回当たり6〜8時間程度)利用可能な時間数とするなど、利用可能枠を拡大いただきたい。また当該拡大分に係る国からの財政 支援をお願いしたい。 ・ これら公定価格や利用時間については、自治体の予算編成や、事業者が事業実 施を検討する際に重要な情報であることから、早期かつ具体に内容をお示しいただきたい。 ・ 本制度は、生後半年から3歳未満児が対象であり、満3歳の誕生日以降は教育・ 保育給付や施設等利用給付へ移行することとなるが、年度途中での受入れ施設を 確保できない場合もあり、満3歳到達後の受け入れ先の確保について、国において、例えば、幼稚園で円滑に受け入れられるようにする等の呼びかけをお願いしたい。 ・ 広域利用について、受益と負担の観点からは、市町村が、まずは自分の市町村 の住民の受入枠を十分に確保することが最優先であると考える。他の市町村の住民の利用によって、住民が居住地の施設の利用を制限される懸念が大きいことか ら、広域利用の在り方の検討に当たっては、地方自治体の実情を丁寧に把握し、意見を反映した制度の構築をお願いしたい。 ・ 突発的な広域利用(例:里帰り出産時における里帰り先での兄弟姉妹の利用) を利用可能とするのであれば、自治体間による協定でなく、全国的な利用ルールの統一をお願いしたい。 2.地域限定保育士試験の実施について→・ 本制度が全国展開されることを踏まえ、実施を希望する都道府県等がそれぞれの自主性や主体性のもと円滑に試験を実施できるよう、認定地方公共団体となるための手続が過度な負担とならないよう配慮いただくとともに、認定に向けたス ケジュールや必要書類等の詳細を早期にお示しいただきたい。 ・ 試験実施に当たって必要となる保育士試験システムおよび保育士登録システムのシステム改修については、改修内容が不明であるが、全国展開に当たって先行 実施自治体のみが負担しなければならない経費があるのであれば、国において改修費用を負担していただきたい。 ・ 試験実施に伴う都道府県等の費用負担が大きいことから、試験実施に係る経費 について国からの財政支援を継続いただきたい。 3.保育所等の職員による虐待に関する通報義務化について→・「保育所等における虐待の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」の 全体版の資料や国の予算措置の内容について、地方自治体において円滑に準備を進め、実効性を担保できるよう詳細を速やかにお示しいただきたい。 ・ 虐待の判断基準については、令和6年度子ども・子育て支援等推進調査研究事 業で実施された「保育所等における不適切な保育に関する調査研究」の調査結果も踏まえ、判断プロセスや判断の指標等を具体的にお示しいただきたい。 ○特定非営利活動法人 全国認定こども園協会 意 見 書 1.職員配置基準の改善について→令和7年度より、1歳児の職員配置の改善を進めるため、公定価格上の加算措置として、 新たに「1歳児配置改善加算」を措置いただいたが、加算をとるには、1歳児の職員配置を 5:1以上に改善した上、3つの要件が必要となっている。5:1 の配置がされていることのみをもって加算する必要があると考えるので、3要件は撤廃を検討していただきたい。 また、「こども未来戦略」を踏まえ、3歳児の配置基準が15:1、4・5歳児の配置基準が 25:1に改善されたものの、3歳児配置改善及びチーム保育加配を含めれば、既に多くの施設で15:1 及び25:1は実現されていることに加え、チーム保育加配加算を取得している事業所は公定価格上の金額に変更がなく、事実上改善がなされたとは言い難い。 「こどもが権利の主体」であるという、こども基本法の趣旨及び幼保連携型認定こども園教育・保育要領が掲げる「子どもの最善の利益を守り、園児一人一人にとって心身ともに健 やかに育つためにふさわしい生活の場であること」を実現するためには25:1は十分ではない。令和7年度以降の早期に1歳児の配置を5:1に配置基準上から改善いただくとともに、 4・5歳児の配置基準をユニセフのイノチェンティ研究所レポートカード8(2008年12月 発行)に記載されている、配置基準のベンチマーク(評価基準)が15:1であることを踏まえ、これに相当する配置を配置基準上で定めて頂きたい。 2.職員の処遇改善について→ 昨年度の処遇改善は、人勧連動により大幅に改善されたが、物価高騰に対応するための、 他産業の賃上げにより、未だ、全産業平均から月額12,000円程度の差が生じているところ である。他産業との働き手の奪い合いが続いている中で、現在の保育士等の処遇であれば、 保育業界の人材確保は絶望的な状態である。 保育者はこどもの健やかな成⻑と命を守り、その保護者の就労と日常を守ることで社会的 に大きな役割を果たしている専門性の高いエッセンシャルワーカーである。骨太2025でも 記載されている「保育・福祉等の人材確保に向けて」「 公定価格の引上げを始めとする処遇 改善を進める。」べく、更なる財政措置による処遇改善を早急に実施して頂きたい。 また併せて、認定こども園は経過措置があるものの、幼稚園免許と保育士資格を併せ持つ 保育教諭である。現在の公定価格の基本分単価内の人件費算定根拠となっている福祉職俸給表から、教育職俸給に切り替え、基本分単価上からも抜本的に向上していただき、保育者の 地位も併せて向上していただきたい。 3.事務負担軽減等について 処遇改善の一本化においては提出書類などの一部が簡素化され、配分方法の自由度が向上 した点については評価できる一方で、配分後の確認方法では従来の煩雑さが残ったままとなっており、引き続き保育現場の、処遇改善加算に係る事務が煩雑で負担となっている。 処遇改善加算事務については、処遇改善の趣旨を踏まえ、年度内に給付された処遇改善加 算を一定のルールの下で、加算額が職員に支給されていることを確認する、簡素な仕組みに していただきたい。 また、「幼児教育・保育における継続的な経営情報の見える化」に係る情報提供や、監査の 為の調書等様々な行政に対する資料提供について、保育DXの活用と共に一元化し、現場の事務負担軽減を図られたい。更に、今回のような重要な変更点については、こども家庭庁より、自治体及び現場に対し、十分な周知と説明が行われた上で変更が行われることを強く要望する。 4.各計画及び方針における具体的施策について→「こどもまんなか実行計画2025」「 経済財政運営と改革の基本方針2025」「 新しい資本主 義のグランドデザイン」及び「実行計画 2025 年改訂版」「 地方創生 2.0 基本構想」に子ど も・子育て分野に関する記載がされているところである。 各計画及び方針等に掲げられた子ども・子育て分野に関する、目標やKPIを具体的に実現するために、令和7年度以降の事業にどのように落とし込んでいくのか、また具体的な施 策や公定価格などに反映していくのかをお示しいただきたい。 特 に『 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版』において『(4) 医療・介護・保育・福祉等の現場での公定価格の引上げ』という記載があるが、令和8年度 の公定価格に対し、どのような具体策がとられるのかをお示しいただきたい。 5.認定こども園における利用調整について→利用調整については、『子ども・子育て支援新制度における利用調整等について(平成26年8月27日)』において説明されており、認定こども園等については、一定の条件を満たす場合、第1希望の保護者を優先的に選考することが可能になっている。 しかし、供給過多となっている一部の自治体でも、待機児童がいる状態と同様の利用調整 が実施されており、すべての第一希望者が入園できているわけではない状態が発生している。 認定こども園と保護者は直接契約であり、市町村の委託で保育を実施している私立保育所と違い、地域に待機児童がいなくなれば、第1希望の保護者から優先的に選考することが可能であることが大前提である。今一度自治体に対し、正確な利用調整の考え方を再度お示しいただきたい。 6.認定こども園に移行する場合における需給調整に係る特例措置について→ 平成25年12月18日の事務連絡において、既存の幼稚園や保育園からの移行を促進する ために、供給過剰区域においても認可又は認定を可能とするための需給調整の特例が設けられており、現在もこの特例は継続しているものと認識している。 認定こども園の「就学前の教育・保育と地域における子育て支援を一体的に捉え、一貫して提供する枠組み」である機能は、地域における子ども・子育ての拠点として大きな存在である。今一度、認定こども園の一層の推進を図っていただきたい。 以上 次回は新たに「第28回社会保障審議会福祉部会 資料」からです。 |



