若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回) [2025年05月19日(Mon)]
若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回)(令和7年4月21日)
議題 (1) 議論のまとめ(最終報告(案)) 2.あいさつ 内閣府特命担当大臣 (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画 共生・共助) 三原 じゅん子 https://www.cfa.go.jp/councils/lifedesign-wg/6bd5258e ◎資料2.【概要案】 議論のまとめ(最終報告(案)) 若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ議論のまとめ(最終報告案)概要案↓ ○若い世代が描くライフデザインや出会いについて、若者自身の認識や意見を把握し、希望の実現を阻む課題等を明らかにするため、大臣主宰の下、 若者と有識者からなるワーキンググループ(WG)を開催。[松田茂樹 中京大学教授等の有識者5名 + 大学生・社会人等の20代若者7名で構成。] ○令和6年7月以降8回に渡り、@結婚をめぐる現状や課題、AZ世代を始めとする若者の価値観、Bライフデザイン支援、C官民の出会い支援等につき 議論(特に第5回以降はライフデザイン支援の具体的な在り方について議論)し、最終報告として取りまとめ。※以下は第5回以降の議論の主な要点。↓ 「こども未来戦略」等に基づく若い世代の所得を増やすための取組や共働き・共育ての推進等を着実に実行していくことは大前提とした上で、以下の意見等があった。↓ 【ライフデザイン支援等の視点】→・ライフデザイン支援に当たっては、結婚するかしないかは自由であり、選択肢として 前向きにとらえたり、希望を叶えたりするための取組であることを改めて確認したい。 ・多様性や個性を尊重しようという世の中において、多様性があるからこそ混乱し、 情報も多く、どう選択していけばよいか分からないという面もあるのではないか。周囲からの影響を受ける中で、自分で選択することは勇気がいるものであり、若者の選択に寄り添っていく工夫が必要。 ・親の時代とは異なる価値観等の中にあっても、どのようにキャリアを設計していくか、こどもを育てていくかがイメージしやすくなるとよい。様々な子育て支援、両立支援の制度が整備されているが、それらを前提に一人一人の生活実感に落としていくことが必要。 ・女性の家事・育児負担が大きく、働きにくさや生きにくさを感じていると考えられる 一方で、若い男性の生きにくさにも目を向けていく必要があるのではないか。女性 よりも男性の方が稼ぐべきだという考えはまだまだ薄まっていないと感じられる。 ・未婚の若者の6割が「自分自身に満足している」かどうかについて「(あまり)そう思わない」と回答している。ライフデザインを考えることは、単に自分の将来を考えるだけではなく、自己肯定感が生まれる、自分自身が大切にされている、意思決定が 尊重されるといった「こどもの権利」に気づき、考えることにもつながるのではないか。 ・企業や社会が多様性に取り組んでいる意図が分かりにくい。多様性によりどう発展したいのか、具体的な施策や経営、雇用等につなげていってほしい。・若い世代と人生の選択肢について話をしていくと、結婚に対してネガティブな方はあまり多くなく、できることならば結婚したいという思いは深層心理にあると感じられる。 信頼のおける人間関係の中で、将来について話し合う機会をつくることも重要。 【ライフデザイン支援、出会い支援等の取組の具体化に向けて】→・学校での取組拡大に向けて、地域の専門家等の協力を得たり、地域学校協働活動の中で取り組むなどし、先生方の理解を得つつ、地域との連携を進めることが重要。そのためにも若い世代のライフデザインを応援しようという気運の醸成が必要。 ・大学等への働きかけも重要。授業の中に取り込む、就職支援の一環で行うなど、自治体との連携を含め、上手に取り組んでいる事例を発信しているくことにより、取組を広げていく方法もあるのではないか。 ・企業等に向けて取組を拡大するためには、経営層や管理職にその重要性を理解してもらうことが重要。その際、セミナー等の参加者の意識変容、満足度やエンゲージメントの向上に関するメリット、他の企業等の取組例も伝えていくことが重要。 ・先行自治体の例も参考に、乳幼児触れ合い体験、キャリア形成、プレコンセプションケア、ワークライフバランスなどを各年代に応じて適切に採り入れることが重要。 ・ひとり親家庭で育つこどもや非正規雇用の方など、様々な立場の方がライフデザインを描けるよう、関係の制度等を含め、丁寧に情報を伝えていくことが重要。 ・自分が知りたい情報は自分で調べる。流れてくる情報に手を止めるかどうかは、発信者に共感できるかどうか、ショートドラマや漫画仕立てなど見やすい作り方の工夫がなされているか。そうした若者の視点をいかし、SNS等を活用した情報発信が重要。 ・出会いや交際に対して、自信がない、何をすればよいか分からないといった若者も、出会いの支援においては、若者が独身でいる理由や相手を見つける行動をしていない理由が様々であることを踏まえた対応が必要。 ・出会いの支援に当たっては、福利厚生等を通じて若い世代の出会い・結婚を応援する企業等と連携・協力を得ていくことも方法の一つ。 ・ライフデザイン支援は息の長い取組が必要。若い世代の多様な意見も聴きつつ、審議会等の場で効果検証等も行いながら取組の改善を継続していくことが重要。 ○第1回から第4回までの議論の取りまとめ(中間報告)概要 【若い世代の現状認識や価値観に関する主な意見等】→・社会的に正解とされる生き方が消失した中で、今の若い世代は、「他人や社会にとっての正解」よりも「自分自身が納得できているか(自分なりの 納得解)」を大切にする傾向がある。 ・自分たちが生きている今の時代は、親の世代が若い頃を過ごした時代 と、社会の価値観や選択肢の幅が全く異なっていると感じている。こうした中で、今の若い世代には、自分の親とは異なるバックグラウンドを持つ、近い世代の様々なロールモデルを知り、自身の将来についての「解像度」を 高めたいというニーズがある。 ・結婚やこどもをもつことは、「当たり前のこと」ではなく、自分にとっての幸せを実現する手段の1つに過ぎず、本人が希望する場合に選択するもの。 ・経済的に自立して生きていけると感じている女性も増えており、女性は経済的に男性を頼って結婚をするものという見方には共感しにくい。子育て期も夫婦ともに働き続けることを理想の夫婦像とする若者が増えている。 ・核家族化や地域コミュニティの希薄化の影響で、乳幼児の世話をしたり 触れ合ったりした機会がないまま大人になる人も少なくない。乳幼児の世話をした経験、妊孕力に関する知識を得たとき、ライフプランについて考える授業を受けたときなどは、こどもや妊娠・出産について考えるようになるきっかけとなりうる。 ・ 20代前半の新卒男女が就職を機に地方から都市部へ大量に流出する 現象など、地方における少子化の実態を捉え、効果ある取組につなげる 上で、地域間の人流を始め、各地域の特性を考慮することが重要。 【今後の取組に関する主な意見等】→「こども未来戦略」等に基づき取り組むこととしている、若い世代の所得を 増やすための取組や共働き・共育ての推進等を着実に実行していくことは 大前提とした上で、今後の取組について以下の意見等があった。↓ (1)ライフデザイン支援について→・学校、地方自治体、企業での取組を促し、ライフデザイン支援の裾野 を広げていくことが重要。 ・ライフデザイン支援では、将来の選択に関わる事実の知識と、実際に体験して得られる実感の両方が重要。地域性も考慮することが必要。 ・全ての年代に共通の1つのコンテンツを提供するのではなく、年代に応じて、必要な内容を適切な方法で提供することが重要。 (2)マッチングアプリ・結婚相談所について→・マッチングアプリについては、利用者が安心して安全に利用できるよう、第三 者認証の仕組みや安全な利用方法等に関し、周知啓発を図ることが重要。 (3)行政が提供する出会い・結婚支援サービスについて→・行政が提供する出会い・結婚支援の課題は、その認知度の低さ。 ○地域の結婚支援の効果を高めるため、国が支援フェーズごと効果検証の枠組みを構築し、優良事例の横展開に取り組むことが必要。マッチングシステムの都道府県間の連携方策の検討を進めていくこと等も必要。 ・サービス向上のために官民の連携協力もさらに進めていくべき。 (4)若い世代による情報発信等について→・若い世代自身の意見・アイデアや協力を活かして、公的機関が発信する情報を敬遠しがちな若い世代にも伝わる情報発信の手法やコンテンツについて様々な工夫や仕掛けを講じることが必要。 ・特定のメディア媒体で一方的に発信するよりも、SNSでの発信や広告に加え、友達同士の口コミなど、様々な情報流通経路を通して多面的に情報が届くようにすることが効果的。 ◎資料3.第5回ワーキンググループでの委員からの御意見 〇民間事業者におけるライフデザインに関する取組について→8意見あり。 ・(民間のライフデザインセミナー受講後のアンケート結果について)「ライフデザイ ンを会社にサポートしてほしいですか」という問いに対して、約7割の方が「サポー トしてほしい」と回答したことは、正しく広まってほしい。・今の若者は、親や先生のような生き方は難しく、ロールモデルになっていない。それ ぐらい多様性がある世の中で、自分自身で人生の解像度を上げていかなければいけな い。だから、「自分の人生を考えることが大事」というのは、とても理解できる。 〇学校でのライフデザイン関連の現状について→10意見あり。・先生自身がそもそもライフデザインを考えているのだろうか。まずは先生のライフデ ザイン講座を実施してもいいのではないか。・乳幼児に苦手意識を持っている児童・生徒の場合、泣きだした赤ちゃんを見て、さら に不安になり、苦手意識が増してしまい、かわいいというような肯定的な感情を抱け ず終わってしまう可能性もある。そのため、複数回実施することで成功体験を積み 重ねて、不安を解消することも重要。 〇自治体でのライフデザイン支援の現状について→8意見あり。・婚姻数や出生数が少なくなっているからライフデザイン支援が必要なのではなく、こ ども・若者が結婚に希望を持てなかったり、自己実現を叶えられないからこそ、ライフデザイン支援や教育が必要なのだと考える。・発表であったように、島根県では世帯年収550万で暮らせたとしても、男性側が主に 稼がなければいけないという価値観ならば、結局、今の若者は理想のライフデザイン からは遠く、「島根を出ていこうかな」となってしまうのではないか。雇用・産業の 関係課とも連携しながら、さらに取り組んでいっていただきたい。 〇ライフデザインの拡充方策について→16意見あり。・共通の認識として、ライフデザインは大事だよねというのはあるが、ずっと解が出て いないのはどうやって広めていくかということ。・結婚を希望する人もそうでない人も、それぞれが選択肢を持ち、セミナーを通じて他 者の意見を共有することで理解し合える環境をつくることが重要。・結婚意欲と職場環境は、一定程度、影響するという調査結果が出ている。結婚と職場 や、夫婦・パートナー関係と職場、子育てと職場は、すごく関係性が深いということ が分かっている。そこをうまく連動させながら企業理解を進めていくことも、とても 重要な観点。 ◎資料4. 第6回ワーキンググループでの委員からの御意見 〇「結婚に対する意識や価値観等」を聴いて感じたこと→3意見。・パートナーシップの形や夫婦の形が多様にあることを伝えていくことが重要。実際のライフデザイン講座では、独身の方も含め多様なロールモデルの映像を見てもらうと、学生からの反応がとてもよい。 〇若い世代が面白いと思う恋愛・結婚等のコンテンツとは→15意見。・祖父母と孫の動画は、祖父母への孫の接し方がうまいなと感じ、将来、祖父母や両親 の介護が必要になったときに、これぐらいの距離感で接することができれば同居して もいいな、こういう喋り方で対応すればいいんだな、と参考に見るようになってきた。・動画でかわいいなと思って見ていた子が、3か月後、5か月後に見ると、話す言葉が 増えたり、立ち上がったりしている。成長しているこどもの姿を見ると、今まで知ら なかった感情を覚えることがある。 〇SNSの情報が正しいかどうか判断するポイントとは→15意見。・恋愛や生き方について「正しい情報」というものはないと思う。自分が共感できるか、 自分と同じ価値観を持っている人がいるんだなと感じることが大事だと思う。 ・長く見続けている自分が好きな人の発信であれば、信頼して見る。結局、自分から掴 みにいく情報や周りの人に聞いた情報が、正しいと思える情報ではないかと思う。 〇若い世代に情報を届けるためには→7意見。・正しいか正しくないかというより、本人が納得するかどうかが大切。「納得」は、 色々なパターンが提示されて、自分ごと化しないとうまれにくいので、伝統的なパ ターンのほかにも多様な事例を提示していくことが重要だろう。 ◎資料5.第7回ワーキンググループでの委員からの御意見 〇共働き・共育ての実現に向けた雇用環境の整備〜 育児・介護休業法改正を中心に 〜について→6意見。・若者世代は、育児休業取得の関心は高く、取らせていない企業は若者から選ばれない 時代だと思う。若者が「就職する際にその企業の働き方を見ている」ということを発 信していけば、変わっていくのではないか。 〇ダイバーシティ経営と実践事例について→3意見。・多様な人材を活かし、イノベーションを生み出す「ダイバーシティ経営」が大切とい うのは理解したが、多様な人材が集まると、文化の違いなどで衝突が起き、集まった だけではイノベーションにはつながらないのではないか。例えば、文化が違う人同士 でもイノベーションを起こすまでにどのようなコミュニケーションを取ればよいのか。 〇女性活躍に向けた男女双方の意識改革・理解促進について→10意見。・多様性があるからこそ混乱してしまうし、情報がたくさんあることで、そこからどう 選択していけばいいのか分からないということもあると思う。たくさんの選択肢があ る中で、家族や社会の影響を受けながらも、自分でこの先どういうふうに生きていく か選択することはとても勇気が要ること。 〇働き方の観点から→10意見。・働くことの周辺の環境整備が必要ではないか。例えば、余暇の創出や、地域への参画 など。ふだんまちづくりや町のイベントに積極的に参加しているが、40代以上が中心 であり、20代、30代も働きながら町のことに関わったりする機会があるといい。・家事を外注するのは賛成だが、女性側に収入がないと、男性側から「俺より収入が低 いくせに、なんで家事をやらないんだ」といったことになりかねない。共家事がなけ れば、共育児はできない。 次回も続き「参考資料1.ワーキンググループの議論を踏まえたここまでの対応について」からです。 |