第24回社会保障審議会年金部会 [2025年01月27日(Mon)]
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第24回社会保障審議会年金部会(令和6年12月24日)
議事 社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/nenkin_20241224.html ◎参考資料1 年金制度改正の検討事項 ≪令和6年財政検証について≫ ○令和6(2024)年財政検証の諸前提→<社会・経済状況に関する諸前提> 財政検証においては、将来の社会・経済状況について一定の前提を置く必要があるが、将来は不確実であるため、幅広い複数のケース を設定している。財政検証の結果についても、複数のケースを参照し幅広く解釈する必要がある。 ※ なお、現行制度に基づく財政検証は、令和6年10月に施行される適用拡大(企業規模要件100人超→50人超)等の影響を織り込んでいる。 ⇒<人口の前提><労働力の前提><経済の前提> 参照。 ○給付水準の調整終了年度と最終的な所得代替率の見通し(令和6(2024)年財政検証) − 幅広い複数ケースの経済前提における見通し −→足下の所得代替率※(2024年度)61.2%(比例・基礎)。所得代替率(61.2%) =(夫婦2人の基礎年金(13.4) + 夫の厚生年金(9.4))/ 現役男子の平均手取り収入額(37万円) 参照。将来の所得代替率もあり。参照。 ○所得代替率及びモデル年金の将来見通し (令和6(2024)年財政検証)→成長型経済移行・継続ケース(実質賃金上昇率(対物価)1.5%)⇒所得代替率 参照。 ○オプション試算の内容↓ 1.被用者保険の更なる適用拡大→ @:被用者保険の適用対象となる企業規模要件の廃止と5人以上個人事業所に係る非適用業種の解消を行う場合 (約90万人) A:@に加え、短時間労働者の賃金要件の撤廃又は最低賃金の引上げにより同等の効果が得られる場合 (約200万人) B:Aに加え、 5人未満の個人事業所も適用事業所とする場合 (約270万人) C:所定労働時間が週10時間以上の全ての被用者を適用する場合 (約860万人) 2.基礎年金の拠出期間延長・給付増額→ 基礎年金の保険料拠出期間を現行の40年(20〜59歳)から45年(20〜64歳)に延長し、拠出期間が伸びた分に合わせて 基礎年金が増額する仕組みとした場合 3.マクロ経済スライドの調整期間の一致→ 基礎年金(1階)と報酬比例部分(2階)に係るマクロ経済スライドの調整期間を一致させた場合 4.在職老齢年金制度→ 就労し、一定以上の賃金を得ている65歳以上の老齢厚生年金受給者を対象に、当該老齢厚生年金の一部または全部の 支給を停止する仕組み(在職老齢年金制度)の見直しを行った場合 5.標準報酬月額の上限→ 厚生年金の標準報酬月額の上限(現行65万円)の見直しを行った場合 ○(参考) 被用者保険の更なる適用拡大を行った場合の適用拡大対象者数→雇用者全体 (2023年度時点) 5,740万人 ※70歳以上を除く 1.被用者保険の更なる適用拡大を行った場合 2.基礎年金の拠出期間延長・給付増額を行った場合 (参考) 基礎年金の拠出期間延長・給付増額のイメージと試算の前提 3.マクロ経済スライドの調整期間の一致を行った場合 4.65歳以上の在職老齢年金の仕組みを撤廃した場合 5.標準報酬月額の上限の見直しを行った場合 ○年金額の将来見通し(令和6(2024)年財政検証 年金額分布推計)→雇用者全体 (2023年度時点) 5,740万人 ※70歳以上を除く⇒年金額(物価上昇率で2024年度に割り戻した実質額)は、実質賃金上昇と、労働参加の進展による厚生年金の加入期間の延伸が上昇要因とな る一方、マクロ経済スライド調整が低下要因となる。成長型経済移行・継続ケースでは、実質賃金上昇率が高いことからマクロ経済スライド調整 期間においてもモデル年金、平均年金額は物価の伸びを上回って上昇し、低年金も減少していく見通し。 年金額の将来見通し(令和6(2024)年財政検証 年金額分布推計)→過去30年投影ケース(実質賃金上昇率(対物価)0.5%)⇒年金額(物価上昇率で2024年度に割り戻した実質額)は、実質賃金上昇と、労働参加の進展による厚生年金の加入期間の延伸が上昇要因とな る一方、マクロ経済スライド調整が低下要因となる。過去30年投影ケースでは、マクロ経済スライド調整期間におけるモデル年金(特に基礎年 金)は物価の伸びを下回るものの、女性の平均年金額は、労働参加の進展に伴う厚生年金の加入期間の延長により物価の伸びを上回って上 昇し、概ね賃金と同等の伸びとなる見通し。低年金も減少していく見通し。 ≪令和6(2 024)年財政検証結果を踏まえた今後の 年金制度改正の議論について≫ ○令和6(2024)年財政検証結果を踏まえた今後の年金制度改正の議論について→社会経済の変化、令和6(2024)年財政検証結果⇒見直しの基本的な考え方、対応の方向性を議論。 ≪被用者保険の適用拡大≫ ○短時間労働者及び非適用業種に対する被用者保険の適用要件の考え方→@〜➃、常時5人以上の従業員を使用する法定17業種の個人事業所は適用事業所 参照。 ○短時間労働者及び個人事業所の被用者保険の適用範囲の見直しの方向性案→労働時間要件、賃金要件、学生除外要件、企業規模要件、個人事業所については? 参照。 ○都道府県別週2 0〜3 0時間就業する非正規職員と最低賃金→ 参照。 ○短時間労働者の企業規模要件を撤廃した場合のイメージ→【現行制度】⇒労使合意に基づく 任意の適用。【企業規模要件を撤廃した場合】⇒企業規模要件を撤廃した場合に 対象となる者。 ○個人事業所に係る被用者保険の適用範囲の見直しイメージ→参照のこと。 ○適用拡大に係る配慮措置・支援策について→・「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」議論の取りまとめを踏まえると、被用者保険の適用拡大 の対象となる事業所について、事務負担の増加や経営への影響等に配慮しつつ、必要な支援策を講じる等、円滑な適用を進められる 環境整備を行うことが必要。 ・具体的には、@準備期間を十分に確保するとともに、A積極的な周知・広報、B事務手続に関する支援や、C経営に関する支援に 総合的に取り組むことを検討する。 ○第2 0回年金部会における賃金要件に対するご意見と見直しの方向性案→見直しの方向性案⇒就業調整の基準として意識されていること、最低賃金の引上げに伴い労働時間要件を満たせば本要件を満たす地域や事業所が増加 していることを踏まえ、本要件を撤廃することとしてはどうか。、最低賃金の動向を踏まえつつ、本要件撤廃の時期に配慮してはど うか。また、最低賃金の減額の特例の対象となる賃金が月額8.8万円未満の短時間労働者については、希望する場合に、事業主に 申し出ることで任意に被用者保険に加入できる仕組みとしてはどうか。 ○短時間労働者に係る被用者保険の適用要件の見直し案のイメージ→<見直し後>⇒就業調整の基準となる 金額がなくなることで • 年収を意識する必要がなくなる • 賃上げに伴う就業調 整が生じなくなる ○被用者保険の適用拡大の進め方のイメージ→「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」及び年金部会の議論を踏まえ、以下のような進 め方としてはどうか。 <見直しの方向性> <進め方の考え方>⇒非適用業種の解消 参照。 ≪いわゆる「年収の壁」と第3号被保険者制度≫ ○いわゆる「年収の壁」への対応策の考え方について→・いわゆる「年収の壁」については、第3号被保険者が働いて収入が増加すると社会保険料が発生することによって、手取りが減少することを避けるため、就業調整が行われ、希望どおり働くことが阻害されているとの指摘。 ・ いわゆる「年収の壁」を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに引き 続き取り組む。 ・ 被用者保険の適用拡大の推進に向けた広範かつ継続的な広報・啓発活動を展開する。 ○保険料負担割合を変更できる特例についての論点↓ 1.労使折半の原則についての論点→ 健康保険法における負担割合変更とは異なり、組合自治の観点が無いことや、給付の性格として年金では保険料負担が給付に一定の比率で反映さ れるものであること、使用者の保険料拠出による受益の程度の差異等に鑑み、仮に年金制度において保険料負担割合を変更できる制度を導入するとしても、以下のように、時限措置とすることや対象者を被用者保険の適用に伴う「壁」を意識する可能性のある者に限定することにより、引き続き 労使折半を原則としてはどうか。 ・ 当該特例が例外的位置付けであることに加え、社会経済の変化によっては「壁」そのものの認識が変わりうることから、被用者保険の適用拡大の施行状況も勘案した時限措置とする。 ・ 特例の対象を外れるまで長く働く場合も含めて保険料負担による手取りの減少をなだらかにする観点から、保険料負担割合を変更できる特例の 対象標準報酬月額は12.6万円以下とする。 2. 中小企業への配慮についての論点→企業規模によらず、利用しやすくなるようにする観点からも、まずは、特例の対象を被用者保険の適用に伴う「壁」を意識する可能性のある者に 限定してはどうか(対象範囲は1のとおり)。また、導入に向けた検討を進める場合は、企業側の保険料負担軽減についても今後検討してはどうか。 3.賞与を特例の対象とすることについての論点→ 被用者保険の適用に伴い、賞与で手取り減が発生してしまうとそれ自体も社会保険加入を躊躇する要因にはなりうることや、現在の キャリアアップ助成金等の助成措置も対象に賞与を含めていること、健康保険における現行制度も賞与を対象に含めており事務負担の観 点から、特例対象者の賞与についても対象とできることとしてはどうか。 ※ 特例対象者は、標準報酬月額12.6万円以下の者を想定。 4.同一等級に属する者の負担割合をどうするかについての論点→同一の等級に属する者同士の保険料負担の公平性を確保し、企業において導入しやすくする観点から、本特例を利用する事業所内で、同一の等級に属する者同士の本人負担割合を揃えることとしつつ、等級ごとの具体的な割合は、事業所単位で労使合意に基づき任意に設定可能としてはどうか。 ○就業調整に対応した保険料負担割合を任意で変更できる特例(案)→負担割合の特例については様々な意見があり整理する必要があるが、仮に導入する場合は以下のようなものが考えられるのではないか。【見直しの方向性】⇒・ 現行制度では、被用者保険の保険料は原則として労使折半であるが、厚生年金保険法においては健康保険法のような保険料の負担割合の特例に関する規定はない。被用者保険の適用に伴う保険料負担の発生・手取り収入の減少を回避するために就業調整を行う層に対し、健康保険組合の特例を参考に、被用者保険(厚生年金・健康保険)において、任意で従業員と事業主との合意に基づき、 事業主が被保険者の保険料負担を軽減し、事業主負担の割合を増加させることを認める特例を設けてはどうか。 ・ 労使折半の原則との関係で例外的な位置づけであること等を踏まえて、時限措置とすることとしてはどうか。 ※ 検討に当たっては、より広く活用されるような環境整備が必要。 @ 給付について ・ 本特例を利用しても保険料負担の総額は変わらないため、本特例の適用を受ける者の給付(基礎年金・報酬比例部分)は現行通り。 A 保険料負担について ・ 本特例を利用した場合、労使の判断で、被保険者本人の保険料負担を軽減し、被用者保険の適用に伴う手取り収入の減少を軽減できる。 ただし、健康保険と同様、事業主が保険料全額を負担し、被保険者負担をなくすことは認めない。 ※ 健康保険法(健康保険組合の保険料の負担割合の特例)において、事業主と被保険者とが合意の上、健康保険料の負担割合を被保 険者の利益になるように変更することが認められている。 ※ 健康保険は被保険者間の相互扶助に基づく制度であるため、健康保険組合の特例においても、受益者である被保険者本人の負担をなくすこと(労働者0%・事業主100%)は認められていない。 ○第3号被保険者制度に係る現状と検討にあたっての論点→第3号被保険者制度の検討にあたっての論点⇒これまで被用者保険の適用拡大を進めてきており、今回の更なる被用者保険の適用拡大や「年収の壁」への対応により、第3号 被保険者制度が更に縮小の方向に向かっていくこととなるが、それでもなお残る第3号被保険者についての制度の在り方や今後 のステップをどのように考えるか。 ○(参考)第 2 0 回年金部会における主なご意見(第3号被保険者)↓ 【第3号被保険者制度の在り方】→4意見あり。・ 第3号被保険者制度について、将来的な廃止を打ち出すべき。一方で、本人の疾病や育児、介護などで働けない人も一 定数いることを踏まえ、仕事と治療の両立支援や、子ども・子育て支援の充実、在宅介護サービスの充実といった第3号 被保険者にとどまらない支援策も必要であり、適用拡大の意義などとともに、丁寧な周知・広報が必要。 【今後の検討の進め方】→9意見あり。・ 1941年の被用者年金創設のときからずっと賃金比例の保険料を払ってきた男性は、1階も2階も全部、自分のものだと 思っていた年金給付がいつの間にか半分になっただけの話であることを理解いただくため、配偶者が第3号であるときの 共同負担規定は離婚時だけでなく、平時でも徹底して年金定期便にも反映させ、男性が抱いている第3号はお得だという 意識の壁を崩していくべき。 ○いわゆる「106万円の壁」を意識している第3号被保険者の推計→・週所定労働時間が15時間以上であって、いわゆる「106万円の壁」を意識している可能性がある第3号被保険者は、企業規模100人超で約50万人と見込まれ、さらに今年10月の50人超への拡大で新たに約15万人が加わって、 合計で約65万人と推計される。 ・ この約65万人のうちには、就業調整を行わず厚生年金の適用を希望する方や、たまたま年収がこの水準にとど まっている方がおり、手取り収入の減少を回避して就業調整する方は、さらに少ないことが見込まれる。 ≪在職老齢年金制度の見直し≫ ○在職老齢年金制度の概要→・在職老齢年金制度とは、厚生年金の適用事業所で就労し、一定以上の賃金を得ている60歳以上の厚生年金受給者 を対象に、原則として被保険者として保険料負担を求めるとともに、年金支給を停止する仕組み。 ・ 65歳以上の在職している年金受給権者の16%が支給停止の対象となっている。 ○高齢者の就業に関する業界の声(在職老齢年金制度関係)→多くの産業に人手不足が生じ、就業者も高齢化していく中、在職老齢年金制度に関心を有する一部の業界へ同制度の影響を聞いたところ『人材確 保や技能継承等の観点から、高齢者活躍の重要性がより一層高まっているが、在職老齢年金制度を意識した就業調整が存在しており、今後、高齢者 の賃金も上昇していく傾向にある。高齢者就業が十分に進まないと、サービスや製品の供給に支障が出かねない』といった旨の声も寄せられた。⇒【スーパーマーケット】【タクシー】【製造業(鋳造)】【製造業(家具)】【製造業(自動車部品)】 参照。 ○在職老齢年金制度の見直しの方向性→・在職老齢年金制度が高齢者の就業意欲を削ぎ、さらなる労働参加を妨げている例も存在していることを踏まえ、高齢者の活躍を後押しし、できるだ け就業を抑制しない、働き方に中立的な仕組みとする観点から、在職老齢年金制度の見直しを検討することとしてはどうか。・ 在職老齢年金制度を撤廃した場合は将来世代の給付水準が低下するため、現行制度を維持すべきといった意見もある。このため、在職老齢年金制度 を撤廃する案に加え、基準額を引上げる案を検討することとしてはどうか。 ≪標準報酬月額の上限の見直し≫ ○厚生年金保険・健康保険の標準報酬月額の等級表→・厚生年金保険法において、標準報酬月額は全部で32等級あり、下限は8.8万円、上限は65万円となっている(第32級は、令和2年9月1日に追加)。 ・ 健康保険法・船員保険法において、標準報酬月額は全部で50等級あり、下限は5.8万円、上限は139万円となっている。(第48〜50級は、平成28年4月1日に追加) ○標準報酬月額の上限見直し(案)→標準報酬の上限見直しについては、以下の案を検討してはどうか。 参照のこと。 ≪基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了≫ ○基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了→継続的な賃金や物価の上昇が想定される中、現行の年金制度はマクロ経済スライドによる調整(少子高齢化が進む 中でも、持続可能性を確保する仕組み)により、賃金や物価の伸びより年金額の伸びが抑えられている。 年金制度の持続可能性を確保しつつ、マクロ経済スライドを公的年金全体で早期終了した場合、年金額は賃金・ 物価に連動して上昇するようになる。 ○基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了(調整期間の一致)を行った場合→ 【過去30年投影ケース】 参照。 ○基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了による将来の給付水準の上昇効果→・基礎(1階)の水準上昇に伴う国庫負担の増加で給付が純増するとともに、 ・ 比例(2階)の給付調整が進むことで足下の受給世代の比例(2階)の財源(@)が将来の受給世代の 基礎(1階)の給付(A)に充てられ、世代間の財源移転も行われる。これらの効果により、将来の給付水準が上昇。 ○GPIFの実質運用利回り(対物価)のバックテスト→GPIFの実質運用利回り(対物価)の10年移動平均の分布の上位80%タイル(※1)は、バックテストの方が実績 よりも+0.2%高い。 ※1 令和6年財政検証の過去30年投影ケースにおける実質運用利回り(対物価)の仮定。 (参考)仮に運用利回りが+0.2%改善すると、マクロ経済スライドの給付調整は更に3年程度早く終了すると見込まれる(※2) 。 ※2 過去30年投影ケースで基礎年金の給付調整の早期終了を前提とした場合。 ○基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了(調整期間の一致)について(案)→参照。 ○厚生年金の積立金の充て方 (基礎年金(1階)と報酬比例(2階)の配分)→・厚生年金の保険料(18.3%)には基礎年金(1階)分も含まれるため、厚生年金の保険料や積立金は、報酬比例(2階)だけでなく、 基礎年金(1階)の給付にも充てられるもの。 ・基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整を早期終了させると、厚生年金の積立金を基礎年金(1階)により多く活用することとな り、基礎年金(1階)の給付水準上昇に伴う国庫負担の増も相まって、将来的には99.9%の方の給付水準が上昇する。 ○基礎年金の財政構造の変化(現行制度・基礎年金の給付調整の早期終了)→・基礎年金の給付調整の早期終了(調整期間の一致)により、厚年積立金を1階に重点活用(+65兆円)。 このうち、拠出金按分率の変化分は7兆円。 ・加えて、国庫負担の増により財源の総額が増加し、ほぼ全ての厚生年金受給者で2階も含めた給付水準が上昇。 ○基礎年金の財政構造の変化(適用拡大A・基礎年金の給付調整の早期終了)適用拡大A:企業規模要件の撤廃+5人以上個人事業所の非適用業種の解消+賃金要件の撤廃又は最低賃金の引き上げ(対象者200万人)→基礎年金の給付調整の早期終了(調整期間の一致)により1階に重点活用される厚年積立金(53兆円)のうち、拠出金按分率の変化分は5兆円。 ・この5兆円は、全て1号被保険者の中の被用者分に充当される。 ○【参考】第1号被保険者の就業状況→第1号被保険者のうち自営業の割合は低下傾向。2000年代以降、被用者や無職より少ない。 ○報酬比例部分(2階)の給付調整の継続について(過去30年投影ケースの場合)→参照。 ○報酬比例部分(2階)の給付調整の継続について(成長型経済移行・継続ケースの場合)→・成長型経済移行・継続ケースでは、基礎年金の給付調整の早期終了により、基礎(1階)、比例(2階)ともに足元から調整が終了するため、 全ての世代の全受給者において、現行制度と比べ給付水準が上昇する。 ・特に、1972年度生まれが受給開始する2037年度以降の給付水準の上昇幅は大きく、就職氷河期世代以後の世代(特に低年金者)に効果 が大きい。 ○社会経済状況等の改善に伴う更なる早期終了→労働参加の進展や運用利回りの改善など、社会経済状況が良くなれば、マクロ経済スライドによる給付調整は現在の見通し よりも早期に終了できる可能性がある。 ○報酬比例部分(2階)の給付調整の継続による年金額改定への影響→基礎年金の給付調整の早期終了に伴い報酬比例部分(2階)の給付調整が継続することによる年金額改定への影響を、 令和6年度の改定に当てはめてみてみると、モデル年金(2人分)で月額370円程度、比例(2階)の給付が高い方(1人 分)で月額360円程度、比例(2階)の給付が低い方(1人分)で月額40円程度、年金額の伸びが抑えられることになる。 ○基礎年金の給付調整の早期終了に伴う年金額改定への影響(モデル年金の場合) 参照。 ○基礎年金の給付調整の早期終了に伴う年金額改定への影響(比例(2階)の給付が高い方の場合) 参照。 ○基礎年金の給付調整の早期終了に伴う年金額改定への影響(比例(2階)の給付が低い方の場合) 参照。 ○基礎年金の給付調整の早期終了による年金受給総額への影響 (機械的な計算)→基礎年金の給付調整の早期終了による個々の受給者の年金額への影響は、世代や受給期間、年金額(報酬比例部分(2階)と基礎年金(1階) の割合)により異なることに加え、今後の社会経済状況により大きく変わり得るものであり、幅をもってみる必要。 ※ 令和6年財政検証の賃金上昇率、マクロ経済スライド調整率を前提として毎年の年金改定額への影響をシミュレーションし、それを機械的に一定期間分累積したもの。 実際には、社会経済状況等によって変わり得る。 ○基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了による将来の給付水準の上昇効果 参照。 ○基礎年金の給付調整の早期終了による国庫負担の見通しの変化(現行制度との比較) ○基礎年金の給付調整の早期終了による国庫負担の見通しの変化(適用拡大Aとの比較) ≪高齢期より前の遺族厚生年金の見直し等≫ ○遺族厚生年金制度の見直しのポイント→見直しの方向性⇒・ 男女差の解消:40歳※未満の子のない配偶者には原則5年の有期給付。 ・配慮が必要な方には65歳まで給付を継続。 配慮措置の導入⇒・ 現行の遺族厚生年金額よりも有期給付加算で年金額を増額。・婚姻期間中の厚生年金加入記録を分割することにより遺族の老齢年金を充実。・収入にかかわらず受給可能に。・現在の受給者や高齢の方、18歳未満の子のある配偶者には現在の給付を継続 ○遺族厚生年金制度の見直しのポイント@ 男女差の解消 参照。 ○遺族厚生年金制度の見直しのポイントA 改正のイメージ 参照。 ○遺族厚生年金制度の見直し 現行制度の給付内容が維持される者→参照。 ○継続給付の支給額の調整について→参照。 ○親と同居する子に対する遺族基礎年金の支給停止規定の見直し→参照。 ≪年金制度における子に係る加算等≫ ○年金制度における子や配偶者に係る加算の現状→・公的年金制度においては、子や配偶者のいる世帯に対して、生活保障を目的としてその扶養の実態に着目し、子 や配偶者に係る加算を行っている。子に係る加算としては、障害年金・遺族年金ではそれぞれ障害基礎年金・遺族 基礎年金の子に係る加算、老齢年金では老齢厚生年金(加給年金)として支給額を加算している。 ・ 子に係る加算の支給額は、第1子・第2子が234,800円、第3子以降は78,300円とされており、第3子以降への 加算額が第1子・第2子に比べて少ない。(※金額は令和6年度価格) ○年金制度における子に係る加算の見直し→視点@ 多子世帯への支援の強化(第3子以降の加算額を第1子・第2子と同額化)。視点A 子に係る加算のさらなる拡充→・子に係る加算額(234,800円(令和6年度価格))の引上げ(※) ・老齢基礎年金、障害厚生年金及び遺族厚生年金について、新たに子に係る加算の対象に追加。 ○年金制度における子に係る加算について(全体像)→子に係る加算を、厚生年金・基礎年金のいずれにおいても年金の種別に拠らない共通の制度※とし、子の出生順 位にかかわらず、一律の金額を加算してはどうか。 (※なお、厚生年金を優先する併給調整を行う。) ○配偶者加給年金(老齢厚生年金)の主な制度改正とその考え方について→・ 老齢厚生年金・障害厚生年金の受給権発生時等に生計を維持する配偶者・子がいる場合に、その扶養の実態に着目し、当該 年金給付の額に加給年金額を加算する。 ・ 女性の就業率の向上に伴う共働き世帯の増加など社会状況の変化等を踏まえ、扶養する年下の配偶者がいる場合にのみ支給される配偶者に係る加算の役割は縮小していくと考えられることから、現在受給している者への支給額は維持した上で、将来 新たに受給権を得る者に限って支給額について見直すことを検討してはどうか。 (※)65歳前に配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間240月以上)を受給している場合には、受給権者の配偶者加給年金は支給停止されるが、令和12 (2030)年度に女性の老齢厚生年金の支給開始年齢が65歳に引き上げが完了する。 ○配偶者加給年金(老齢厚生年金)の考え方について ・現行の配偶者加給年金は、本人の年齢に関わらず配偶者の年齢等により受給の可否が決まるため、現行の制度に改正された昭和60 (1985)年からの社会状況の変化を踏まえると、受給権者間の公平性の観点からの課題もある。⇒加算されるケース、加算されない理由の例 比較参照。 ・昭和60(1985)年改正時と現在(令和4(2022)年時点)を比較すると、女性の就業率が高まり共働き世帯が増加している。 また、女性の平均年金額や厚生年金の受給権者数も増加している。⇒@〜B参照。 ≪その他制度改正事項・今後検討すべき残された課題≫ ○納付猶予制度に関する検討の方向性→納付猶予期間は、老齢基礎年金等の受給資格期間に算入され、当該期間中に障害状態に陥った場合に障害年金の受 給につながる等の保障はあるが、10年以内に追納を行わない限り老齢基礎年金の受給額には反映されない。 納付猶予を受けた者が10年以内に追納を行う割合は7.0%(2024年時点)に留まっており、納付猶予を受けたとし ても追納が可能な10年以内で追納する者は少なく、最終的に本人の老齢基礎年金の受給額につながらない者が多い状 況にある。また、学生納付特例を受けた者が10年以内に追納を行う割合の8.9% (2024年時点)と比較しても追納す る者の割合は少ない。 一方で、平成28(2016)年7月より30歳以上50歳未満の者まで納付猶予対象者の年齢を拡大したことから、新た に対象となった30歳以上の者については、納付猶予を利用してから追納可能である10年間を経過しておらず、最終的 な追納状況を把握することが困難であり、引き続き全体的な追納率を捕捉していく必要がある。⇒方向性→こうした現状を踏まえ、今後の取扱いを検討するに当たっては丁寧に実態を把握する観点から、30歳以上50歳未満 の者が最初に追納期限である10年を迎える令和8年以降に改めて納付猶予制度の最終的な追納動向等を把握することとし、今回の年金制度改正においては以下の通り進めてはどうか。 • 被保険者の対象年齢の要件は現行通り。(被保険者が50歳未満であること。) • 令和12年6月までの時限措置を、令和17年6月まで5年間延長。 ○納付猶予制度の現状と課題↓ ・納付猶予制度の現状→【納付猶予制度の導入と変遷】【納付猶予制度の導入時からの変化】【適用者の状況等】→・納付猶予制度の適用者数は、令和4年度時点で約58万人。概ね納付猶予期間2年以下である者がどの世代でも半数程度いる。一方で、 納付猶予制度を利用できる期間が長い30歳以上の世代では、納付猶予期間が5年超の者も一定程度存在する。 ・全額免除と納付猶予では所得基準が同じであり、単身世帯等で全額免除が適用できる状態にあるにも関わらず、納付猶予に留まっている場合がある。 ・納付猶予制度は個人の所得に着目する制度であるが、納付猶予適用者の中には、世帯主に一定以上の所得がある場合がある。 ・納付猶予制度の課題→・納付猶予制度は、将来の無年金・低年金を防止するために設けられ、現在も一定数の者が利用しているが、令和12年6月までの時限措 置とされている。 ・納付猶予適用者の中には、世帯主に一定の所得があり保険料負担能力がありながらも納付猶予が適用されている場合がある。 ○納付猶予制度に関する検討の方向性→令和12年6月までの時限措置とされている納付猶予制度について、将来の無年金・低年金を防止する役割を維持しつつ、将 来の年金給付につなげるため、以下のように考えてはどうか。 (1)納付猶予制度については、被保険者の対象年齢の要件は現行通り(被保険者が50歳未満であること。)とした上で、時限措置を延長することを検討してはどうか。 (2)納付猶予制度の延長に際しては、制度の基本的な考え方は維持しつつ、所得要件については、本人及び配偶者の前年の所得が一定額以下であっても、保険料納付の原則に立ち返って世帯主(親など)に一定以上の所得がある場合は納付猶予の対象外とし、保険料納付を求めることを検討してはどうか。 ○国民年金における任意加入制度の概要→60歳以上65歳未満の任意加入【年金法附則第5条(昭和60年改正による措置)】65歳以上70歳未満の任意加入の特例(高齢任意加入)【平成6年改正法附則第11条・平成16年改正法附則第23条】 項目参照。 ○任意加入の特例(高齢任意加入)の対象者の見直し→・年金制度は、保険事故が発生するまでの間に保険料を拠出することとされており、老齢基礎年金の支給要件である65歳到達後に保険料 を拠出できる任意加入の特例として位置づけられている。 ・任意加入の特例は、昭和40(1965)年4月1日(昭和39年度)までに生まれた者を対象とした時限措置であり、令和11(2029)年 度には昭和40年4月1日生まれの者が65歳に到達する。 ・ こうした中で、任意加入の特例は、老齢基礎年金受給に必要な資格期間を満たさない者を年金受給権の取得につなげる重要な役割を果 たしており、令和4年度時点でも任意加入の特例を利用している者の数は約1,500人存在する。 ※老齢基礎年金の受給に必要となる資格期間の要件が25年から10年に短縮された(平成29(2017)年8月施行)ことを契機に利用者の 人数は減少している。 ・ これまでの改正経緯等も踏まえ、引き続き保険料納付意欲がある者の年金受給の途を開くため、年金受給権確保の観点から、昭和50 (1975)年4月1日(昭和49年度)までに生まれた者まで対象とする方向で検討する。 ○離婚時の年金分割の請求期限の延長→現行の2年以内から5年以内に伸長する。 ○離婚時の年金分割制度→・離婚時の年金分割は、婚姻期間に係る厚生年金の計算の元となる保険料納付記録(標準報酬)を分割する制度。 年金分割が行われた場合、分割後の標準報酬で算定した厚生年金を受給開始年齢から受け取ることとなる。 ・ 離婚時の年金分割の請求には、原則離婚から2年の請求期限が設けられている。 ・ 分割は厚生年金(報酬比例部分)の額のみに影響し、基礎年金の額には影響しない。 ○脱退一時金制度に関する見直しの方向性@A→【現行制度】【脱退一時金に係る状況の変化等】参照。 【検討の方向性】→在留資格にかかわらず、再入国許可付きで出国した者は、日本に再度入国する意図を持って出国しており、再度日本の公的年金に加入し老齢年金の受給資格期間(10年)を満たし得る可能性があることから、原則として単純出国した場合のみ脱退一時金を支給することとし、再入国許可付きで出国した者には当 該許可の有効期間内は脱退一時金は支給しない(再入国しないまま許可期限を経過した場合には受給が可能と なる。)こととすることについてどう考えるか。 なお、その場合は、施行後に十分に年金加入期間を確保できず、年金と脱退一時金のいずれの支給にもつな がらない場合等も考慮し、必要な経過措置を設けることとしてはどうか。 ・ また、在留資格の見直しや、在留外国人の滞在期間も踏まえて、現行の支給上限を5年から8年に引き上げ ることについてどう考えるか。 ・ あわせて、こうした見直しを行うこととした場合は、施行に際し、在留外国人に年金や脱退一時金の仕組み や趣旨といった必要な情報がしっかりと伝わるよう、運用上の工夫を図ることとしてはどうか。 ○障害年金制度に関する検討の方向性について→部会では、まずは次期制度改正を見据えて、「現時点で議論が求められる課題」を優先して議論したところ、制度上あるいは実務上の観点から、制度の見直しの検討に当たっては、以下の点について引き続き整理が必要との指摘があった。 1.拠出制年金における社会保険の原理との関係の整理 2.様々な障害がある中で、障害の認定判断に客観性を担保しその認定判断を画一的で公平なものとする必要性 3.障害年金の目的や障害の認定基準のあり方と他の障害者施策との関連の整理。 ・ また、障害年金の見直しに当たっては、今回議論した5つの「現時点で議論が求められる課題」の他に、中長期的な課題も提起が行われており、障害年金の検討については、ヒアリングで指摘があった制度上、実務上の課題の整理に加えて、社会経済状況や医療技術の進歩等を踏まえながら、引き続き様々な課題について検討することとしてはどうか。 ・検討課題のうち、令和8年3月31日が期限となっている直近1年要件については、この特例によって障害 年金の受給につながるケースが存在していること、複数回の延長を経て長い期間運用されている要件であり、 本制度を前提として考えている被保険者も少なからず想定されること、今後の取扱いを検討するに当たっては 丁寧に実態を把握する必要があること等を踏まえ、引き続き10年間延長してはどうか。また、その他の検討 課題についても、次期改正までに整理が付くものについては対応してはどうか。 ≪年金広報・年金教育≫ ○現行の公的年金シミュレーターの概要→・公的年金シミュレーターは、令和2年改正年金法を分かりやすく周知すること、働き方や暮らし方の変化に伴う年金額の変化を「見え る化」することを目的として、令和4年4月から運用を開始した。 ・ ねんきん定期便の二次元コードを読み取るなどして将来の年金受給見込額を簡単に試算でき、働き方や暮らし方の変化に応じた年 金額の変化も試算できる。令和5年4月に年金受給開始時点での税や保険料の大まかなイメージを表示する機能を追加し、同年7月 には民間サービスとの連携に向けたプログラムを公開、令和6年1月には在職定時改定の試算機能を追加した。・公的年金シミュレーターを利用して、実際に試算を行った回数は令和6年11月30日時点で580万回超。 ○公的年金シミ ュ レー ターによる将来の年金見込み受給額試算について→「公的年金シミュレーター」は、将来受け取る年金見込み受給額を固定して表示するだけではなく、個々人の働き方暮らし方の変化に よる多様なライフコースに応じた様々なパターンの年金見込み受給額を簡単な入力で試算・表示することが可能。 ○次期公的年金シミュレーターの開発方針と新たな機能→令和4年4月から運用している現行の公的年金シミュレーターの保守、運用が令和7年度末で終了することから、年金 部会などでのご意見を踏まえ、以下の案により、令和8年4月から新たに運用を開始する予定の「次期公的年金シミュ レーター」の開発を進めることとしてはどうか。 ○次期公的年金シミュレーターの新たな機能を設ける目的→障害年金の試算機能を設ける目的(案)、iDeCoの試算機能を設ける目的(案) 項目の参照。 ○年金額分布推計を踏まえた多様な年金水準(2024年度に65歳になり年金を受け取る者の例)→「令和6(2024)年財政検証 年金額分布推計」に基づき2024年度に65歳になり年金を受け取る者(1959年度生まれの者)の年金額を 経歴別に提示すると以下のとおり。⇒一人あたりの老齢年金額(月額)@〜➄、その他の参照。 ○現役時代の経歴類型の変化(女性)→○ 労働参加の進展により、若年世代ほど厚生年金の被保険者期間の長い者(厚年期間中心の者)が増加し、1号期間や3号期間中心の者が減少 する見通し。特に女性は、厚生年金に加入しながら働く者の増加による将来の平均年金額の伸びや低年金の減少が大きい。 ○現役時代の経歴類型の変化(男性)→労働参加の進展により、若年世代ほど厚生年金の被保険者期間の長い者(厚年期間中心の者)が増加し、1号期間中心の者が減少する見通し。 ○年金対話集会の概要→・ 学生と厚生労働省(年金局)職員が年金をテーマに語り合うことを通じて、学生が年金について考えるきっかけにするとともに、学生から の意見や指摘を今後の年金行政に活かす。 ・ 学校のご協力の下、授業の時間をお借りし、学生の理解度やニーズに合わせて学校ごとにテーマを調整し実施。 ・令和6年度開催実績:令和6年度は36回(大学・大学院18回、 高校18回)開催した。 次回も続き「参考資料2 年金制度改革に向けた提言(令和6年 12 月 18 日 自由民主党政務調査会 社会保障制度調査会 年金委員会・医療委員会)」からです。 |



