若者が主体となって活動する団体に関する調査研究 有識者会議(第2回) [2025年01月04日(Sat)]
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若者が主体となって活動する団体に関する調査研究 有識者会議(第2回)(令和6年11月7日)
議事 ・国内事例調査 ・海外事例調査 https://www.cfa.go.jp/councils/youthgroups-research/9823818c ◎資料1国内事例調査進捗報告 若者が主体となって活動する団体に関する調査研究 1 国内調査概要 1.1 国内調査概要 調査対象の選定方法→• 本事業では若者が主体的に社会的活動を行っている団体を抽出するため、「とりまとめ団体」、「NPO データベース」、「助成団体」の会員団体や対象団体をベースに調査対象団体を選定した。 • 営利企業、直近の活動がホームページ等で確認できない団体、活動の中心が若者ではない団体等を 除外し、重複を除いた結果、49団体が抽出された。これにこども家庭庁・委員から情報提供された18 団体を加えた計67団体を本調査の対象とした。 2 簡易アンケート調査 2.1 簡易アンケート調査 実施要領→ • 若者団体の実態把握のために、簡易アンケートを以下の要領で実施した。 • 調査対象団体からヒアリング対象を除いた53件中、20件の回答が得られた。 ※本調査は若者団体の概要調査を目的としており、定量的な傾向の把握は目的としていない。⇒ 簡易アンケート調査実施要領 参照。 2.2 簡易アンケート調査 調査項目→ • 簡易アンケート調査では、「団体概要」、「活動内容」、「活動方法」、「組織体制」、「財政」、「影響 力」について把握した。⇒ 簡易アンケート調査項目(Q1〜Q28まで) 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 団体の規模→ • 20団体中15団体の構成員が50人未満であった。 • 予算規模は、100万円以上の団体が多かった。 ※本調査は団体登録や助成団体、直近の活動がホームページで確認できる団体を対象としたため、一定 規模の予算を外部から確保している団体が相対的に調査対象・協力者に多い可能性がある。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 団体の設立時期→ • 20団体中15団体が10年以内に設立されていた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 活動を継続するうえでの課題→ • 団体を継続するうえでの課題は、「活動資金の不足」、「構成員が維持できない」、「団体・活動内容が 知られていない」が多かった。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 活動を継続するうえでの課題(活動資金)→ • 活動資金の獲得や人件費等に使える資金不足、オンライン支援が福祉制度の対象ではないために自 己負担が大きくなる点が課題として挙げられた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 活動を継続するうえでの課題(活動資金)→• 自由度の高い資金の獲得、活動資金獲得のために本来目的とする活動時間に十分時間が割けないこ とも課題である。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 活動を継続するうえでの課題 (活動資金以外)→ • 学生中心であるため構成員数が維持できないこと、活動場所の確保・維持、団体・活動内容の認知が 課題として挙げられた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 周知方法 • 団体活動の周知方法としては、「団体ホームページ」及び「団体公式SNS」での周知が多かった。 • また、「チラシ」の配布や、団体名義としてではなく「構成員が個人のSNS上で発信」による周知も多かっ た。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 年代別の構成員割合→• 団体規模と年代構成には関係性は見られず、20代が最多の構成員である団体が多かった。 ※団体#1は有識者会議委員からの情報提供団体。団体#15,17は、公知情報で確認した範囲では構成員が30代 以下と想定された団体。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 スタッフの属性別の構成員数→• 団体の構成員の一部が運営スタッフの団体と構成員がほぼ運営スタッフである団体があった。多くの外部 ボランティアを確保している団体は必ずしも規模が大きい団体ではなかった。 ※アンケート中で用語の定義を示したが、回答者によって想定する内容が異なっていた可能性がある。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 理事等の年代別割合→• 団体の運営方針の決定者である理事等は40代以上が主に占めている団体もあるが、20代、30代が 主な理事等を構成している団体は回答した19団体中14団体であった。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 参加条件→• ほとんどの団体が構成員として参加するにあたって何らかの条件を設けていた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 引継ぎの方法(業務の引き継ぎ方法)→• 若者団体の運営業務の引き継ぎ方法としては、「マニュアル等の整備」と「研修・OJT等の実施」が行わ れていた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 引継ぎの方法(後継者の人選)→• 後継者の人選方法は、「規定の選定プロセスに則って後任者を決定」、「プロジェクト毎に都度メンバーを 決定」、「業務の中で後任者に引継ぐ」といった方法があった。 • また、引継ぎを予定せずに、メンバーを固定している団体もあった。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 主な資金源→• 補助金等が主な資金源の団体は20団体中8団体であり、5団体が事業収益と回答した。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 資金以外に受けている援助→• 資金以外に受けている援助としては、「食品・消耗品」の提供を挙げる団体が最も多く、次点で「活動場 所」・「広告媒体」が多かった。 • 一方で、3割以上の団体が、資金以外で提供を受けているものはないと回答している。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 団体の予算の使途構成割合→ • 主な使途が人件費である団体は20団体中9団体、事業費は10団体であった。 • 予算規模500万円未満の団体では、人件費が支出に占める割合が10%か0%であり、ボランティア ベースでの運営が行われていると考えられる。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 加盟している組織・ネットワーク→ • 所属・加盟している組織・ネットワークとして30を超える回答があり、既に国内に多様なネットワークが形 成されていることがうかがえる。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 加盟している組織・ネットワーク→ • 連携・交流している団体としては、他の若者団体の他、NPO、行政組織、民間企業、学校、銀行など、 様々な属性の団体が挙げられた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 加盟している組織・ネットワーク→ • 連携・交流している団体としては、他の若者団体の他、NPO、行政組織、民間企業、学校、銀行など、 様々な属性の団体が挙げられた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 政策提言の機会→• 官公庁や政党・政治団体との意見交換・政策提言については、定期的な機会を持っている団体とそう でない団体が半数ずつであった。 • 定期的な機会を持たない団体でも、そのうちの半数は過去に複数回の機会を有していた。 2.3 簡易アンケート調査 調査結果 自治体との連携状況→ • 自治体との連携に関しては、「委託事業を受託」、「関係者の紹介を受けている」と回答した団体が多 かった。 • また、20団体中4団体は自治体と連携していなかった。 3 ヒアリング調査 3.1 ヒアリング調査 調査対象→ • p.6のカテゴリ分類を踏まえた上で、可能な限り多様な団体にヒアリングをすることを目的に、ヒアリング先 選定においては、主に下記の観点で多様な団体をヒアリングできるよう考慮した。⇒ 選考の観点 参照。 ○若者団体の活動促進環境→ • ヒアリングにあたり、若者団体の活動を促進する環境(エコシステム)として、「ユースインフラ」、「人材」、「組織・ネットワーク」、「予算」、「リサーチ」、「制度的枠組み」、「ユースワーク」が必要な要素ではないか という仮説を立てた。また、ヒアリングを実施する中で、仮説にはなかった「行政の後押し」も必要な要素と 考えられる。各要素について、現時点で実施した11団体のヒアリング結果を整理した。 • インフラ面では、場所やメディア・広報へのアクセスが求められていた。 • 若者団体と関わる人材には、同じ目線で対等に関わる姿勢や、ファシリテーション能力、コミュニケーション 能力、社会教育に関わる能力が求められることとして挙げられた。• プロボノ等で社会人と関わる機会があると団体の運営が促進されるといった声や、地域の大人の理解や 協力が得られると活動がしやすいといった声も挙げられた。 • 若者団体として活動する若者自身を育成・教育する環境も重要である。また、その一環として、団体の OB・OGが後輩を育成したり、若者団体の活動を支える側に回ることが有用であることがわかった。 • 先輩や後輩との繋がりの中で団体活動についてアドバイスをもらえたことが役立ったという声が数多く聞か れた。また、団体の構成員ではなくなった後もOB・OGとして関わり続ける仕組みを有する団体もあった。 • 他団体との交流や活動を知る機会や中間支援団体からのサポートを求める意見も挙げられた。 • 傘団体は参加の団体をバックアップする独自の仕組みを作ろうとしていることも分かった。 • 予算面での支援を求める声が数多く聞かれたが、立ち上げ期については少額の支援でも団体立ち上げ のきっかけになったというケースが複数みられた。 • 一方で、補助金・助成金の獲得に条件があることが活動のボトルネックになっているという意見もあった。 特に、成果や採算性については長期的な目線での投資を求める声が挙がった。 • 一部、若者団体の成果測定や促進環境についての研究に取り組んでいる事例が存在した。 • 若者団体やNPOの活動を促進するような制度的枠組みを求める声が数多く挙げられた。 • 制度面に関しては、行政の縦割りが若者団体の活動を阻害する要因になっているという指摘も挙がって いた。 • 若者団体の活動内容については、自由に活動できる環境に魅力を感じるといった声が挙げられていた。 • 同時に、若者がやりたいことと、社会的ニーズを橋渡しする存在を求める声も多く挙がった。 • 首長や政治家等の後押しがあったことで若者団体として活動しやすくなったケースがあった。また、自治体 が後援を表明するだけでも若者団体として活動しやすくなったというケースもあった。 ◎資料2海外事例調査進捗報告 若者が主体となって活動する団体に 関する調査研究 1 ご相談事項→• ヒアリングの進捗及び結果についてご報告させていただく。 • その際、委員各位より下記2つの観点についてご意見を頂戴したい。 ○ヒアリング調査について→ • 今後実施予定のヒアリング先について、調査で把握すべき内容等についてご意見 を頂戴したい とりまとめに向けた助言 • 文献・ヒアリングで調査した諸外国の取組(本資料項目3、4)を踏まえ、日本に参考にするために、 ○とりまとめるべき項目→・観点があればご意見を頂戴したい 例)・各国・地域それぞれから参考にするポイント ・各国・地域を横ぐしで参考にするポイント 2 ヒアリングの状況 2.1.ヒアリングの状況 ○スウェーデン→• 若者政策の所管官庁であるMUCF、若者団体の傘組織であるLSUに先行してヒアリングの依頼を進めている。 • 若者団体については、ゲームを中心とした活動を行い、MUCFからも助成を受けるSVEROK、およびSVEROK に所属する若者団体であるHikari-Kaiを予定している。 ○フランドル地方(ベルギー)→• 若者政策の所管官庁である文化・若者・メディア部に先行してヒアリングの依頼を進めている。 • 傘団体は全国的に活動を包括し、政府との橋渡し役も担う団体を予定している。 • 個別の若者団体は所管団体、傘団体へのヒアリングを通じて、具体化させることを想定している。 ○韓国→• 若者政策の所管官庁である青年政策調整室、国の研究機関で若者に関する政策に関して広く研究・評価等 を行う韓国青少年政策研究院にヒアリングを実施した。 • 韓国の若者団体については、政府とも連携し若者に対する事業を行う韓国青年財団を予定している。 2.2.共通質問項目(所管官庁) • 若者政策の目的と背景: 若者政策の目的と歴史的背景、その中での若者団体の役割についてあなたの見解をお伺いしたい。 • 若者政策の取組の現状: 若者団体への支援を含め、現在の若者政策の取り組みの概要をお伺いしたい。 • 将来の展望と課題: あなたの国や地域における若者政策の将来的な発展や課題について、予想される洞察について、お伺いしたい。 • 助成金プログラム: 若者団体が利用できる助成金プログラムがある場合は、詳細を教えていただきたい。関連する法律や規制、資格 基準、助成金を受領する場合に課される義務(報告義務など)に関する情報、また、助成金の成果を政府がど のように考えてているかについても教えていただきたい。 • 助成金以外のプログラム: 若者団体が利用できる助成金以外の支援があれば、詳細をお伺いしたい。また、若者団体がどのような援助や支 援を求めているのかもお伺いしたい。 • 若者団体が直面している課題: 国が若者団体が直面している課題を認識している場合、若者団体が直面している課題と、どのようにその課題を 認知したか、課題の把握方法についてお伺いしたい。 • 若者団体を支援する上での困難: 若者団体を支援する上で直面する課題や困難があれば、お伺いしたい。 • さらなる調査への提案: 調査すべき他の関連組織に関する提案、また、 国や自治体が連携している若者団体などがあれば、お伺いしたい。 2.2.共通質問項目(傘団体、個別の団体) • 組織の目標と現在の活動: 組織の目標と現在の取り組みについて詳しくお伺いしたい。 • 国の施策の活用: 若者団体の活動を強化するために、貴団体が国の施策や支援をどのように活用しているかお伺いしたい。 • 社会的影響と連携: 組織の社会的影響について、影響力の例、達成された効果、そうした活動を推進・強化するための要件につ いてお伺いしたい。また、国や地方自治体との連携方法、政策提言の具体的内容なども確認したい。 • 今後の展望と課題: 貴団体が活動を継続していく上での今後の展望と課題についてお伺いしたい。 2.3.各国のヒアリングのポイント ○スウェーデン→• 若者政策における余暇の背景について スウェーデンの若者政策における「余暇」の考え方や、背景にある理念や考えはどのようなものであるか。「余暇」を 支援することの背景にある考えを伺いたい。 • 若者の意見を聞き、届ける役割について→傘下の各団体から、青年対話(ungdomsdialog)で意見を収集していると認識しているが、それ以外に意見収集の方法があるか。また、スウェーデン若者市民・社会庁に意見を「拡声器」として伝える際の工夫や、課題などはあるか。 • 傘下の団体への支援について 傘下の各団体への金銭的な支援は、具体的にどのようなものか。 • 傘化の団体からの要望や意見について 傘下の各団体からどのような要望が寄せられているか。また、それらの要望や意見に、変化はあるか。 • 国からの補助金について どのように使用しているか。 • 若者団体としての活動について ゲームに関する若者団体の傘組織でもあると同時に、若者団体としてゲームの普及活動等も実施していると認 識しているが、活動を実施するにあたり課題や、必要な支援はあるか。 ○フランドル地方→• ユースワークの定義について 余暇のみを対象としている一方、教育的なガイダンスに基づくことも必須事項としている。フランドル地方にお けるユースワークの定義を通じて、ユースワークの目的や考え方等についても伺いたい。 • 若者団体への助成金提供の考え方について フランドル青少年と児童の権利政策計画(2020-2024)を通じて、様々な規模の団体に助成を提供して いると認識しているが、助成対象団体選定の際の考え方はどのようなものか。 • 若者の政府機関への意見反映の仕組みについて 国レベル、地方レベルでそれぞれ青少年評議会を置いて、若者の意見を聞く仕組みとなっているが、その意 図とメリット、課題などはあるか。 • 若者の意見を聞き、届ける役割について 傘下の各団体から、具体的にどのように意見を聞き、どのように青年評議会に届けているのか。その仕組み の意図とメリット、課題などはあるか。 • 傘下の団体への支援について 傘下の各団体への金銭的な/金銭面以外の支援は、具体的にどのようなものか。 • 傘下の団体の状況や課題について 参加の各団体の状況や課題をどのように把握しているのか。また状況や課題はどのように変わってきているか。 ○韓国→• 若者の年齢の定義について 韓国では、「青少年」、「青年」で年齢の定義を分けていると認識している。法律において、年齢を細かく分けるこ との目的や、メリットや弊害について、伺いたい。 • 各委員会等に参加する若者の選定方法について 若者団体への支援を含め、若者の意見を政策に取り入れるために、「青年調整委員会」「2030諮問団」など 様々な取組をしているが、そこに入る「青年」の決め方を伺いたい。若者団体の代表でないといけないなど、条件 があれば伺いたい。 ・若者団体の活動について 韓国の若者団体の活動状況(活動目的、年齢、地域、規模等)について伺いたい。また、活動に係る資金を どのように調達しているか。若者団体が利用できる助成金や、助成金以外の支援があれば、詳細を伺いたい。ま た、若者団体が活動するためにどのような援助や支援を求めているかも把握していれば、伺いたい。 • 若者団体の影響を高めることについて 韓国の若者団体が活動を実施・継続し、社会への影響力を高めることや、政策への参画を進めるうえで、課題 や必要な支援はあるか。 3 ヒアリングの結果 ○韓国 「韓国青少年政策研究院」→(ヒアリング対象)韓国青少年政策研究院 キム・ギホン氏(専門:青年政策) ・若者政策の目的・背景→• 1997年のIMF経済危機を背景に、若者の雇用問題が深刻化したため、若者の就職 に関する政策を開始。盧武鉉大統領時代に、主に雇用を中心とした若者向けの政策が作られるようになる。その後、地方自治体が先行して「青年」(19-24歳)に対する条例を制定し、支援を始めた。 ・「青年」の年齢について→• 韓国では、「青年」と「青少年」を明確に区別していることが特徴。「青年」と「青少年」は別の 概念であり、青年政策、青少年政策も全く別のもの。 • 「青少年基本法」と、「青年基本法」で年齢の重複が生じているが、年齢の制定においては、複雑な 議論の過程があった。韓国の民法の中で成人は19歳のため、「青年」を19歳からとするという点は考えが一致。 • 一方、何歳までを「青年」にするかは当時の与党と野党で議論が分かれたが、結果的に34歳に落ち着 いた。(ソウルを中心に勢力のある政党は、34歳まででよいとしたが、地方に勢力のある政党は、若者 が地方に少ない状況等から39歳までにするべきという立場であった。)• 結果的に、韓国の中では39歳までを「青年」とし てみるべきではないかという議論が活発に行われている。基礎自治体では若者の人口が減少しているため、39歳まで対象年齢を上げている状況である。 ・韓国の若者参画に関する制度について→(中央政府での取組)⇒ • 「青年基本法」では、第15条(政策決定過程における青年の参加拡大)の中で青年の参画を求める具体的な内容が記載されている。 中央政府には、「青年政策調整委員会」、地方自治体にも、このような審議を担う委 員会がある。 青年政策に関する事務局(青年政策調整委員会)は国務総理が担っている。委員会の 半分は各省庁の長官、残りの半分が民間委員であり、その内30%が19-34歳の青年にする決まりがある。このような制度は、基礎自治体でも適応されている。 • 尹錫悦大統領の政権移行の際、9つの省庁の中に、青年政策の実務を実施する部署が作られ、長官を補助する青年補佐役という公務員(6級にあたる)を新設・採用すること。 青年20人で組織される「2030諮問団」を組織すること が決まり、この参与機構を通して、若者の声を随時取り入れるようにしている。 • その他にも、青年参加に関するいろいろな組織が運営されている。 (自治体での取組)→• 2015年にソウル市で青年条例が作られた時は、「青年政策ネットワーク」を中心に条例が作られた。 青年の案に基づいて、青年主導で条文が作られた。従来の青少年基本法における、青少年の保護 を中心にした内容ではなく、青年の声に基づいて、いかに法律を作っていくか、という問題意識があった。17の市で、「青年政策ネットワーク」を作り、若者の声を取り入れる取組をしている。ソウル市 では、500名で構成されている。 • ソウル市が始めた自立予算制(=青年参与予算制)がある。若者が直接参加して、自分たちの声 を上げて、政策を実施するための予算である。 ・現在の若者政策に 関する取組状況→• 韓国は政権によって政策が大きく変わる。以前の文在寅政権では、若者政策を民間に委託して進 めていたが、いまの尹錫悦政権では、民間委託ではなく、直営の財団法人を作って運営していく形を進めている。 これまで民間の非営利団体として韓国政府から若者政策に関する事業を受託してきた韓国 青年財団も、公的な団体に移行する議論が進められている。 若者団体が公的な機関になる流れの背景は、政権の影響が大きい。尹錫悦政権は、国が 直接実施したい、という意向であり、前の政権からの調整期に入っている。 • 2023年に青年基本法の改定があり、「青年フレンドリー都市」や青年支援センターの取組が進んでき ている。青年の参画を促す取り組みが増えていったと捉えてよい。 • 青年フレンドリー都市→2024年から、第24条の6(青年フレンドリー都市)が施行されている。2023年の「青年基本法」の改定で含まれたものであり、ユニセフ、WHOを参考に、施行されている。 青年の参画を進めるため、若者当事者、関係する団体の役割の遂行を強調する予定で あり、3つの基礎自治体で実施する予定である。 • 青年支援センター→2023年に、青年基本法を改定した際に、新たに青年施設に関する条文が含まれた。青年 団体、NGO、NPOを支援するために、青年支援センター(公共施設)が作られている。 • 若者の声から生まれた政策→2016年の朴槿恵政権の時に、ソウル市で「青年手当」の導入を試行され、文在寅大統領の 時に、「青年求職活動手当」という形で実現した。青年の声から提案されたもので、青年の居 住費(家賃)を手当をするという施策が全国に広がっている。 ・今後の展望・課題→第一に、自立予算制が全国に拡大していく必要がある。 • 第二に、現状でも若者の声を反映することができているが、本当の意味で、草の根の活動としての意見の反映ができていないという点である。基礎自治体に住んでいる、1人1人の声をいかにあげて、 そこを広域レベル、全国レベルにどう上げているか。そのシステムをどう整えていくかが課題。 • 韓国では、地方消滅問題が深刻な問題としてあるため、いかに地方に住んでいる若者の声を反映をしていくかが重要である。 ・若者団体に対する支援→• 青少年は、「青少年育成基金」があるが、青年の場合、そういった基金がない。 ・本調査に関する示唆→• 青年と青少年は別であるが、複雑に絡み合っているため、調査をする上でそこの違いは認識することが 良い。 • ヒアリング先の候補として、民間委託をしている団体であれば、ソウル広域青年センターの民間委託先 である団体が挙げられる。一方、民間委託の場合、2年おきに委託先が変わる可能性があることは認識されたい。 3.ヒアリング結果 ○韓国 「韓国青年政策調整室」→(ヒアリング対象) 韓国青年政策調整室 青年政策協力課 課長 ユ氏/青年政策総括課 課長 キム氏 ・若者政策の目的・背景→• 韓国の青年政策は、希望、公正、参与の3つの考えのもと、職場、住居、教育、福祉、生活の5つ の場面での支援。 • 国がここまで若者政策に乗り出した背景には、今の韓国では、若者の生活がとても大変であるという事実がある。目の前の若者の生活を考えないといけないため、国が政策を積極的に実施する必要の状況。 (年齢について)⇒• 青年の年齢を下げるか上げるかについては、メリットとデメリットがある。青年政策基本法は19歳から34 歳と設定しているが、様々な議論があって、結果的に今の年齢に決定された。ただし、具体的に5つの 分野(職場、住居、教育、福祉、生活)それぞれで青年の年齢をどのように設けているかは、若干の違いがある。 自治体によっても異なる。39歳までを青年とみなしてるところもあれば、それ以上に年齢を引き上げてるところもあり様々。 具体的な政策別にみると、例えば就労支援に関しては、29歳までを青年政策の対象とする などの違いがある。 ・現在の若者政策に 関する取組状況→• 「参与」に関しては、これまで青年のための政策だったとすれば、これからは、by 青年(青年によって)、with 青年(青年と共に)という点に焦点を変えている。これらの視点を大事にしながら、若者の「参与」を実現するために、具体的な取組を行っている。⇒ @〜Eまで。• 青年政策調整委員会の中に、一定の割合以上青年が参加するようにしている。現在、221の委員 会(評価委員会、規制審査委員会、自殺予防委員会等)があるが、その中に青年が必ず参加 するように定めており、一般的には10%以上、青年が参加するように委嘱をしている。 青年政策を主に実施している委員会で、30%以上が青年になるようにしている。 現在、青年政策調整員会は40名で構成されているが、20名が現職の議員、20名が委嘱 された委員であり、委嘱された委員の内、5名が青年を専門とする者、15名が若者の代表 として34歳までの青年である。法律では30%以上を若者にするとなっているが、実際は構成 員のそれ以上が若者となっている。 • 委嘱する若者については、各委員会にそれぞれ選定基準がある。10-20%の若者を委嘱している。 • 国務調整室で実施する青年政策のガバナンスの一環として、今年3月に大統領が一緒に参加する民 生討論を実施した。その中に若者500名が参加し、意見を出すというような場があった。 2023年には、関連する企画を5回実施した。2024年は、民政党論を含めると4回実施予定。いろいろなルートから募集をしている。 ・代表となる若者の選 び方→• 青年データベース(以下、青年DB 詳細はp.40)を運営。21,000名の若者が登録され、青年DBに登録する若者が委員会に立候補し、その中で、審査委員が審査し、民間の代表が決まる。 • 青年DBは青年補佐役、諮問団等の若者の代表を募集するためのツールである。選ばれる若者は、結果的に何らかの若者代表と なるような活動に従事していた人が多いというのが現状。 • 任期満了する委員の公募を出したが、10人の募集に対して、300名の応募があった。 • 青年DBに登録していない若者の声をどうやって掬い上げるかについては、各部署に青年補佐役を 設置しているので、青年補佐役が若者当事者の多様な声を吸い上げるように努力している。また、 その青年補佐をさらに補佐するために2030諮問団を設けている。その中で、多様な若者の声を吸い 上げる努力をしている。 • 青年DBは運用が始まったばかりである。そのため、これからイベント等を通してDBの登録を促すことが 重要である。 ・青年補佐役について→•各省庁の政策決定過程に全て入り、若者のニーズや意見を代弁する役割であり、長官(大臣)ともコミュニケーションを取る。 • 青年補佐役は、青年を代表する者(19歳〜34歳)を公務員(6級にあたる)として、通常の公 務員とは別のトラックで採用するという取組、中央官庁に配置。2022年に9カ所の省 庁でモデル的に開始し、2023年から24の省庁に拡大した。 • 青年政策責任官は、一般的な公務員として雇われた者で、青年に関連する業務に従事した者を責 任官という役職として任命し、役割を果たしてもらう。地方自治体にも同じ名前の職種があるが、責任官は関連業務に従事していた公務員であるので、若者当事者ではない。 ・若者団体について→• 韓国青年財団に委託をして、中央の青年支援センターの機能を果たしてもらっている。それとは別に 17の広域自治体のうち、14の青年支援センターがある。 • 若者団体が国に対して、声をあげているとは言い難い状況。 若者団体として、当室が最も関わっているのは、韓国青年財団である。 • 政策の中で、主にどの団体が声を上げたかという点については把握していない。 • 若者団体と何かをすることはほとんどないが、青年政策を遂行していく過程の中で、事業の委託先 を募集する際に、団体が立候補し、委託をすることはある。若者団体から、政府に直接声を上げて くるということはない。 • 青年基本法の中では、青年団体に何か委託して仕事をしてもらうという形での行政的・財政的支 援が可能であると記載しているが、実際に青年団体の定義や登録があるわけではなく、管理もして いない。 • むしろそのような非営利団体が、各自治体で地方レベルで支援を受けながら活動、若者団体は非営利団体と考えてよいと思うが、非営利団体は各自治体に登録して活動。そのため、中央官庁ではなく、どちらかというと各自治体で助成金が出されている。自治体では、若者政策という枠ではなく、非営利団体への支援という枠組みで支援がある。 • 補足をすると、昔は青年支援センターという機関を若者団体が受託を受けて運営していたが、今はほとんど公共委託または専門的な機関に委託するという状況になっている。 ・本調査に関する示唆→韓国青年財団は今は中央青年支援センターの委託を受けて活動、かなり主導的に活動している団体である。各自治体に今設置された地域支援センターとも連携しながらいろいろ活動しているので青年財団にヒアリングをするのが良いと思われる。 ・今後の展望・課題→• 青年が政策に参与するよう、委員会での若者の参加率を定めているが、それぞれの委員会の全て 目標値を達成できているかというと難しい。青年の年齢を34歳までとしている点がネックになっている。 特に小規模の委員会を構成する中で適切な34歳までの若者を選定する場合、対象者がいないという現場の声が今上がっている。 • もう1点は、青年政策を進めていく上で大事なのは国民の共感であるが、まだ理解が十分に進んでいない状況。そのため、若者政策の必要性の認識を広げるために、広報活動により力を入れようとしている。各種委員会でも一定数の若者の参加を義務付けているが、委員の中には十分に若者の参 加の必要性を理解しておらず、説得に苦労するケースもある。 各種の青年政策として様々な支援をしているが、なぜ若者にそこまで支援しないといけないの かという声もある。理解してもらうための努力がこれからの課題だろう。 4 机上調査の更新状況→1.欧州全体の政策 @欧州評議会(CoE)→欧州評議会は、汎欧州の国際機関で、人権や民主主義といった理念を踏まえ若者政策を推進。加盟国には、実施する若者施策が民主主義実現のための参画につながる施策であることを求めている。Youth sector strategy2030を通じガイドラインや資金等リソースを提供している。⇒「欧州評議会概要)」「主要な若者政策」 参照。 A欧州連合(EU)→2001年より本格的に若者政策に着手し始めた欧州連合でも、若者政策の意義を「若者の積極的市民性を自然に育成し、 民主主義の発展のために若者の貢献を強固にする」としており、加盟国に対し資金提供等により施策が実施されるよう推進して いる。⇒「欧州連合概要」「主要な若者政策」 参照。 BEU・CoEユースパートナーシップ→欧州評議会と欧州連合が連携し、若者政策の共同事業を実施するための組織として設立。2010年以降5年に1回、欧州 ユースワーク大会を開催し、欧州のユースワークの基盤となっている。⇒「EU・CoEユースパートナーシップ概要」「主要な活動」 参照。 C欧州若者フォーラム→ ・ヨーロッパのユース団体の連合体として、EUやCoE、国連等に若者政策に関する提言、意見表明などを行っている。 ・ EUにおける若者の意見の政策反映に向け、 EUユースダイアログの実施にも中心的に関与した。⇒「欧州若者フォーラム概要」「主要な活動」 参照。 2.各国調査 @スウェーデン 若者団体と関係主体の概要→スウェーデンでは、若者政策はスウェーデン若者市民・社会庁が担当する。全国若者団体協議会(LSU)は若者団体の傘組 織として若者からの声を集め、審議会等に参加することで、若者政策に対して若者の影響力を高めている。⇒《主な制度的枠組み》 • 若者政策法(1993) • 若者政策(1997年、2004年、2013年)@社会的影響力の拡大、A社会的包摂、B文化・余暇推進 @スウェーデン 調査対象団体の例→スウェーデン最大の若者団体の一つであり、ゲームを中心に活動する若者団体の全国的な傘組織。全国のゲーム及びオタク協 会が会員となっている。ゲームを単なるエンターテイメントではなく文化と捉え、多様な活動を展開している。⇒「団体概要」参照。 Aベルギー・フランドル地方 若者団体と関係主体の概要→フランドル地方では、フランドル地方政府文化・若者・メディア部が若者政策の所管組織である。関連法令を根拠に、政府や地 方議会に対し、傘団体や学生組合等を通じて意見が反映される仕組みとなっている。 《主な制度的枠組み》 • 2012年7月6日の地方青少年活動政策の支援と促進に関する法令 • 若者およびこどもの権利政策と若者活動の支援に関する法令(Youth Decree)。 B韓国 若者団体と関係主体の概要→青年基本法(2020)に基づき、若者参画の具体的制度として「青年政策調整委員会」を国務総理の下に設置し、若者の代表である民間委員が一定の比率で参加する仕組みを定めている。 《主な制度的枠組み》 • 青年基本法(2020)若者政策への参画を定める。 「青年」は19歳以上34歳以下 B韓国 概要→韓国の若者政策は、若者団体を中心にボトムアップで策定された。青年基本法(2020)では、「青年政策調整委員会」の設 置と若者の代表である民間委員が一定の比率で参加することを定める等、若者が政策に参加する仕組みを整備している。⇒「若者政策概要」「ユースワークに関する考え方」「若者政策の背景」 参照。 B韓国 青年政策調整室の概要→国務調整室 青年政策調整室は、国務調整室とその所属機関直制(大統領令) 第11条を根拠に、青年との意思疎通及 び青年関連政策の総括・調整業務の遂行を目的として組織されている。⇒新規追加されている。 参照。 B韓国 年齢の定義→・日本において「若者」と呼ばれる年齢層は、韓国では、「青少年・青年」として捉えられている。・ 松江(2021)は、日本ではポスト青年期(20 代後期以降)の時期が長期化しており、若者サポートステーションは支援の対 象を 49 歳までの者としているが、韓国においても、日本と同様に20代後半以降の年代の若者に対する支援が議論になっている としている。⇒「韓国」「日本」との年齢定義比較。 参照。 B韓国 ソウル 青年手当→ソウル市の青年手当は、移行期の若者に現金支給等を行うプログラムであり、社会的に大きく注目された。若者による社会運動 とソウル市行政の協力のもと、実現に至った。⇒「施策・プログラム概要」参照。 ・ソウル市では、若者が主たる構成員である「青年政策ネットワーク」、「青年議会」の2つの団体を設置した。この2つの団体は、 当事者組織として、青年手当の策定に関わった。 ⇒「青年手当の策定過程における若者参画」参照。 ・キム・ヨンスン(2024)によると青年手当の政策決定過程に関わった主な関係者は、下記の通りであり、青年議会と青年政策 ネットワークが青年の意見を集約し、青年政策委員会で議論が行われた。⇒「青年手当の政策決定に関連した主な主体の関係図」参照。 B韓国 主な施策・プログラム→青年と政策担当者を結ぶ双方向マッチングプラットフォームである。政策に参加したい青年がプロフィールを登録すると、政策担当 者は政策に必要な青年を検索して見つけることができる。⇒新規追加 施策・プログラム概要 参照。 出所:https://www.2030db.go.kr/user/ygmn/ygmnInfoView.do ○海外調査 出所リスト→20のリストあり。 次回は新たに「いじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議」からです。 |



