第18回アレルギー疾患対策推進協議会資料 [2024年10月17日(Thu)]
第18回アレルギー疾患対策推進協議会資料(令和6年8月21日)
議事 3令和6年度のアレルギー疾患対策について 4 免疫アレルギー疾患研究 10 か年戦略の中間評価について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42484.html ◎資料4 「免疫アレルギー疾患研究 10 か年戦略」の推進に関する中間評価報告書概要(案) (令和6年8月) ○10年後に目指すべきビジョン: 以下の3つの戦略の実装と国内外の産学官民連携に基づく自発的な活動によって達成を目指す→産学官民の連携と患者の参画に基づいて、免疫アレルギー疾患に対して「発症予防・重症化予防によるQOL改善」と「防ぎ得る死の根絶」 のために、「疾患活動性や生活満足度の見える化」や「病態の『見える化』に基づく層別化医療および予防的・先制的医療の実現」を通じて、ライフステージに応じて、安心して生活できる社会を構築する。 ○前半5年間での主な研究成果 ↓ ・戦略1「先制的医療を目指す基盤研究」:免疫細胞のトランスクリプトーム解析とゲノム情報を統合した遺伝子多型の機能カタログの作成、JAK阻害剤外用薬及びIL-31受容体Aを阻害する抗体製剤の開発、⽪膚の常在菌に対する⾃然リンパ球と⽪脂腺の寄与。 ・戦略2 「効果的推進と社会構築に関する横断研究」:都道府県拠点病院を活用したアレルギー疾患の有病率調査、電子カルテ・アプリ等 を活用したリアルワールドデータ解析研究 (アドレナリン⾃己注射製剤の処方状況)。 ・戦略3 「ライフステージ等に注目した重点研究」:本邦では高齢者に多いアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)の新診断基準を確立した。 重症・難治性・治療抵抗性アレルギー患者に対する生物学的製剤治療の特性が明らかにした。 ○後半5年間での課題と今後の研究戦略の方向性 ↓ ・戦略1:免疫アレルギー疾患のメカニズムの解明研究については、個々の患者に最適医療が提供されることを目標に、さらに推進する必要 がある。予防的・先制医療では、その対象等を含めて具体化する研究や、環境因子に対する新たな対処法の開発研究、神経ー炎症・免疫等の 多臓器連関の分子機構の解明研究等が必要である。 ・戦略2:患者と研究者間での研究への患者・市民参画に対する共通認識を明確にする必要性がある。各地域の臨床研究基盤ネットワークは まだ構築されていない。社会実装をめざしたデジタル基盤を活用したアンメットメディカルニーズ解決に向けた研究、国際的若手研究者の育 成も十分ではない。国際研究体制の確立とアウトプットの関連を評価する研究等も必要である。 ・戦略3:近年急増している木の実類アレルギーや食物アレルギーの特殊型等疾患の実態や原因は明らかでない。成人発症型や、アナフィラキシー等重症・難治性・治療抵抗性の免疫アレルギー疾患の本態解明も十分ではない。単一遺伝子変異が原因の希少免疫アレルギー疾患が明 らかになってきており、希少疾患領域と連携し、それらの病態解明研究を推進する必要がある。 ○中間評価を踏まえ、今後推進すべき研究(案)↓ 戦略1:本態解明 「先制的医療等を目指す免疫アレルギー の本態解明に関する基盤研究」 1-1 免疫アレルギー疾患の多様性の理解 と層別化に資する基盤研究 1-2 将来の予防的・先制的医療の実用 化を目指す研究開発 1-3 免疫アレルギー疾患における宿主 因子と外的因子の関係に着目した基盤 研究 1-4 臓器連関・異分野融合に関する免疫 アレルギー研究開発 戦略2:社会構築 「免疫アレルギー研究の効果的な推進と社 会の構築に関する横断研究」 2-1 患者・市民参画による双方向性の免疫 アレルギー研究の推進に関する研究 2-2 免疫アレルギー研究におけるアンメッ トメディカルニーズ等の調査研究開発 2-3 免疫アレルギー研究に係る臨床研究基 盤構築に関する開発研究 2-4 免疫アレルギー研究における国際連携、 人材育成に関する基盤構築研究 戦略3:疾患特性 「ライフステージ等免疫アレルギー疾患の 特性に注目した重点研究」 3-1 母子関連を含めた小児および移行期の 免疫アレルギー疾患研究 3-2 高齢者を含めた成人発症免疫アレル ギー疾患研究 3-3 重症・難治性・治療抵抗性の免疫アレ ルギー疾患研究 3-4 希少疾患と関連する免疫アレルギー疾 患研究 ・戦略横断的な推進に繋がる項目→1. 個々の患者における病態をより詳細に理解するために、最新の科学的手法を最大限に活用して免疫アレルギー研究を行うこと。 2. レジストリーやバイオバンク、国内外のネットワークを活用し持続可能な研究基盤体制を充実させていくこと。 3. 患者数が急増するアレルギー疾患やアレルギー類縁疾患の病態解明及び適切な情報提供に向けて他疾患領域との連携をしていくこと。 4. 研究成果の社会実装に向けた研究開発インフラと積極的に連携していくこと。 ◎資料5 免疫アレルギー疾患研究 10 か年戦略の今後の議論の進め方について(案) 中間評価や今後5年間で推進すべき研究として、研究班の提示する中間評価報告書案に追加すべき観点はないか。 免疫アレルギー疾患研究の進捗状況や現在の課題の把握内容について、加味すべきトピックはないか。 最終評価や新規戦略について、令和10年度に議論を行うこととしてはどうか。 ◎参考資料1 アレルギー疾患対策基本法 平成二十六年法律第九十八号 アレルギー疾患対策基本法 目次 ↓ 第一章 総則(第一条―第十条) 第二章 アレルギー疾患対策基本指針等(第十一条―第十三条) 第三章 基本的施策 第一節 アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減(第十四条・第十五条) 第二節 アレルギー疾患医療の均てん化の促進等(第十六条・第十七条) 第三節 アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上(第十八条) 第四節 研究の推進等(第十九条) 第五節 地方公共団体が行う基本的施策(第二十条) 第四章 アレルギー疾患対策推進協議会(第二十一条・第二十二条) 附則 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、アレルギー疾患を有する者が多数存在すること、アレルギー疾患には急激な症状の悪化を繰り返し生じさせるものがあること、アレルギー疾患を 有する者の生活の質が著しく損なわれる場合が多いこと等アレルギー疾患が国民 生活に多大な影響を及ぼしている現状及びアレルギー疾患が生活環境に係る多様 かつ複合的な要因によって発生し、かつ、重症化することに鑑み、アレルギー疾患対策の一層の充実を図るため、アレルギー疾患対策に関し、基本理念を定め、国、 地方公共団体、医療保険者、国民、医師その他の医療関係者及び学校等の設置者又 は管理者の責務を明らかにし、並びにアレルギー疾患対策の推進に関する指針の策 定等について定めるとともに、アレルギー疾患対策の基本となる事項を定めること により、アレルギー疾患対策を総合的に推進することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「アレルギー疾患」とは、気管支ぜん息、アトピー性皮膚 炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレ ルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反応に係る 疾患であって政令で定めるものをいう。 (基本理念) 第三条 アレルギー疾患対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。 一 アレルギー疾患が生活環境に係る多様かつ複合的な要因によって発生し、かつ 、重 症化することに鑑み、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に資す るため、第三章に定める基本的施策その他のアレルギー疾患対策に関する施策の総合的な実施により生活環境の改善を図ること。 二 アレルギー疾患を有する者が、その居住する地域にかかわらず等しく科学的知 見に基づく適切なアレルギー疾患に係る医療(以下「アレルギー疾患医療」とい う。)を受けることができるようにすること。 三 国民が、アレルギー疾患に関し、適切な情報を入手することができるとともに 、アレルギー疾患にかかった場合には、その状態及び置かれている環境に応じ、 生活の質の維持向上のための支援を受けることができるよう体制の整備がなさ れること。 四 アレルギー疾患に関する専門的、学際的又は総合的な研究を推進するとともに 、アレルギー疾患の重症化の予防、診断、治療等に係る技術の向上その他の研究 等の成果を普及し、活用し、及び発展させること。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり、 アレルギー疾患対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、アレルギー疾患対策に関し、国との 連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及 び実施するよう努めなければならない。 (医療保険者の責務) 第六条 医療保険者(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第七条第七項に規定する医療保険者をいう。)は、国及び地方公共団体が講ずるアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関する啓発及び知識の普及等の施策に協力するよう努めなければならない(国民の責務) 第七条 国民は、アレルギー疾患に関する正しい知識を持ち、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に必要な注意を払うよう努めるとともに、アレルギー疾患を有する者について正しい理解を深めるよう努めなければならない。 (医師等の責務) 第八条 医師その他の医療関係者は、国及び地方公共団体が講ずるアレルギー疾患対策に協力し、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に寄与するよう努めるとともに、アレルギー疾患を有する者の置かれている状況を深く認識し、科学的知見に基づく良質かつ適切なアレルギー疾患医療を行うよう努めなければならない。 (学校等の設置者等の責務) 第九条 学校、児童福祉施設、老人福祉施設、障害者支援施設その他自ら十分に療養 に関し必要な行為を行うことができない児童、高齢者又は障害者が居住し又は滞在する施設(以下「学校等」という。)の設置者又は管理者は、国及び地方公共団体が講ずるアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関する啓発及び知識の普及等の施策に協力するよう努めるとともに、その設置し又は管理する学校等において、アレルギー疾患を有する児童、高齢者又は障害者に対し、適切な医療的、福祉的又は教育的配慮をするよう努めなければならない。 (法制上の措置等) 第十条 政府は、アレルギー疾患対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置 その他の措置を講じなければならない。 第二章 アレルギー疾患対策基本指針等 (アレルギー疾患対策基本指針の策定等) 第十一条 厚生労働大臣は、アレルギー疾患対策の総合的な推進を図るため、アレル ギー疾患対策の推進に関する基本的な指針(以下「アレルギー疾患対策基本指針」 という。)を策定しなければならない。 2 アレルギー疾患対策基本指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項 二 アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予防の ための 施策に関する事項 三 アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項 四 アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項 五 その他アレルギー疾患対策 の推進に関する重要事項 3 厚生労働大臣は、アレルギー疾患対策基本指針を策定しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、アレルギー疾患対策推進協議会の 意見を聴くものとする。 4 厚生労働大臣は、アレルギー疾患対策基本指針を策定したときは、遅滞なく、こ れをインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。 5 厚生労働大臣は、適時に、アレルギー疾患対策基本指針に基づくアレルギー疾患 対策の効果に関する評価を行い、その結果をインターネットの利用その他適切な方 法により公表しなければならない。 6 厚生労働大臣は、アレルギー疾患医療に関する状況、アレルギー疾患を有する者 を取り巻く生活環境その他のアレルギー疾患に関する状況の変化を勘案し、及び前 項の評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに、アレルギー疾患対策基本指針に検討を 加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。 7 第三項及び第四項の規定は、アレルギー疾患対策基本指針の変更について準用する。 (関係行政機関への要請) 第十二条 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して 、アレルギー疾患対策基本指針の策定のための資料の提出又はアレルギー疾患対策 基本指針において定められた施策であって当該行政機関の所管に係るものの実施 について、必要な要請をすることができる。 (都道府県におけるアレルギー疾患対策の推進に関する計画) 第十三条 都道府県は、アレルギー疾患対策基本指針に即するとともに、当該都道府 県におけるアレルギー疾患を有する者に対するアレルギー疾患医療の提供の状況、 生活の質の維持向上のための支援の状況等を踏まえ、当該都道府県におけるアレル ギー疾患対策の推進に関する計画を策定することができる。 第三章 基本的施策 第一節 アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 (知識の普及等) 第十四条 国は、生活環境がアレルギー疾患に及ぼす影響に関する啓発及び知識の普及、学校教育及び社会教育におけるアレルギー疾患の療養に関し必要な事項その他のアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減の適切な方法に関する教育の推進その他のアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関する国民の認識を深めるために必要な施策を講ずるものとする。 (生活環境の改善) 第十五条 国は、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に資するよう、大気汚染の防止、森林の適正な整備、アレルギー物質を含む食品に関する表示の充実、 建築構造等の改善の推進その他の生活環境の改善を図るための措置を講ずるものとする。 第二節 アレルギー疾患医療の均てん化の促進等 (専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成) 第十六条 国は、アレルギー疾患に関する学会と連携協力し、アレルギー疾患医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の育成を図るために必要な施策を講ずるものとする。 (医療機関の整備等) 第十七条 国は、アレルギー疾患を有する者がその居住する地域にかかわらず等しく そのアレルギー疾患の状態に応じた適切なアレルギー疾患医療を受けることができるよう、専門的なアレルギー疾患医療の提供等を行う医療機関の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、アレルギー疾患を有する者に対し適切なアレルギー疾患医療が提供される よう、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、独立行政法人国立病院機構の 設置する医療機関であって厚生労働大臣が定めるもの、前項の医療機関その他の医 療機関等の間における連携協力体制の整備を図るために必要な施策を講ずるもの とする。 第三節 アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上 第十八条 国は、アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上が図られるよう、 アレルギー疾患を有する者に対する医療的又は福祉的援助に関する専門的な知識 及び技能を有する保健師、助産師、管理栄養士、栄養士、調理師等の育成を図るために必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、アレルギー疾患を有する者に対しアレルギー疾患医療を適切に提供するた めの学校等、職場等と医療機関等との連携協力体制を確保すること、学校等の教員 又は職員、事業主等に対するアレルギー疾患を有する者への医療的、福祉的又は教 育的援助に関する研修の機会を確保すること、アレルギー疾患を有する者及びその 家族に対する相談体制を整備すること、アレルギー疾患を有する者についての正し い理解を深めるための教育を推進することその他のアレルギー疾患を有する者の 生活の質の維持向上のために必要な施策を講ずるものとする。 第四節 研究の推進等 第十九条 国は、アレルギー疾患の本態解明、革新的なアレルギー疾患の予防、診断 及び治療に関する方法の開発その他のアレルギー疾患の罹患率の低下並びにアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に資する事項についての疫学研究、基礎 研究及び臨床研究が促進され、並びにその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、アレルギー疾患医療を行う上で特に必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の早期の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)の規定による製造販売の承認に資するよう、その治験が迅速かつ確実に行われる環境の整備のために必要な施策を講ずるものとする。 第五節 地方公共団体が行う基本的施策 第二十条 地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、第十四条 から第十八条までに規定する施策を講ずるように努めなければならない。 第四章 アレルギー疾患対策推進協議会 第二十一条 厚生労働省に、アレルギー疾患対策基本指針に関し、第十一条第三項( 同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、アレルギー疾患対策推進協議会(次条において「協議会」という。)を置く。 第二十二条 協議会の委員は、アレルギー疾患を有する者及びその家族を代表する者、アレルギー疾患医療に従事する者並びに学識経験のある者のうちから厚生労働大臣が任命する。 2 協議会の委員は、非常勤とする。 3 前二項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。 附 則 抄 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令 で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、独立行政法人通則法の一 部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成二十六年法律第 六十七号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。 附 則 (平成二六年六月一三日法律第六七号) 抄 (施行期日) 第一条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律 第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、 次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 附則第十四条第二項、第十八条及び第三十条の規定 公布の日 (処分等の効力) 第二十八条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基 づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であっ てこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条 において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政 令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又 はすべき処分、手続その他の行為とみなす。 (その他の経過措置の政令等への委任) 第三十条 附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。 ◎参考資料2 アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針 (平成二十九年三月二十一日) (厚生労働省告示第七十六号) 改正 令和 四年 三月一四日厚生労働省告示第六五号 アレルギー疾患対策基本法(平成二十六年法律第九十八号)第十一条第一項の規定に基づ き、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針を次のように策定したので、同条第四 項の規定により告示する。 アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針 本指針におけるアレルギー疾患とは、アレルギー疾患対策基本法(平成二十六年法律第九 十八号。以下「法」という。)に定められており、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレ ルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレルゲンに起因する 免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反応に係る疾患であって政令で定めるものである。 医学的にアレルギー疾患とは、粘膜や皮膚の慢性炎症を起こし、多くの患者でアレルゲンに対する特異的IgE抗体を有する、多様かつ複合的要因を有する疾患のこととされている。 気管支ぜん息は、気道炎症を主な病態とし、繰り返し起こる咳嗽(がいそう)、喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難等、可逆 性の気道狭窄(きようさく)と気道過敏性の亢進に起因する症状を呈するとされている。アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能の低下による易刺激性とアレルギー炎症が主な病態であり、強い掻痒(そうよう)感を伴う湿疹を呈するとされている。アレルギー性鼻炎は、アレルゲン侵入後にくしゃみ、 鼻漏、鼻閉等を呈するとされており、アレルギー性結膜炎は、流涙、目の掻痒感と充血、 眼瞼浮腫等を呈するとされている。花粉症は、アレルギー性鼻炎のうち花粉抗原による季節性アレルギー性鼻炎を指し、アレルギー性結膜炎を高頻度に合併するとされている。特にスギ花粉症の有病率は、アレルギー疾患の中で最も高く、全年齢層において増加の一途をたどっている。食物アレルギーでは、抗原食物の摂取等により、皮膚症状・呼吸器症状・消化器 症状等が引き起こされ、時にアナフィラキシーと呼ばれる複数臓器に及ぶ全身性の重篤な過敏反応を起こすとされている。これらアレルギー疾患は、一度発症すると、複数のアレルギ ー疾患を合併し得ること、新たなアレルギー疾患を発症し得ること等の特徴(アレルギーマ ーチ)を有するため、これらの特徴を考慮し、発症予防も勘案した診療が必要になる。 我が国では、依然としてアレルギー疾患を有する者の増加が見られ、現在は乳幼児から高齢者まで国民の約二人に一人が何らかのアレルギー疾患を有していると言われている。アレルギー疾患を有する者は、しばしば発症、増悪、軽快、寛解、再燃を不定期に繰り返し、症状の悪化や治療のための通院や入院のため、休園、休学、休職等を余儀なくされ、時には成長の各段階で過ごす学校や職場等において、適切な理解、支援が得られず、長期にわたり生活の質を著しく損なうことがある。また、アレルギー疾患の中には、アナフィラキシーショックなど、突然症状が増悪することにより、致死的な転帰をたどる例もある。 近年、医療の進歩に伴い、科学的知見に基づく医療を受けることによる症状のコントロー ルがおおむね可能となってきているが、全ての患者がその恩恵を受けているわけではないという現状も指摘されており、診療・管理ガイドラインにのっとった医療のさらなる普及が望まれている。 このような状況を改善し、我が国のアレルギー疾患対策の一層の充実を図るため、平成二十六年六月に法が公布された。国、地方公共団体、アレルギー疾患を有する者やその家族及び関係者は、法に定められた基本理念や責務等にのっとり、共に連携しながらアレルギー疾患対策に主体的に参画し、突然症状が増悪することにより亡くなる等の事態を未然に防ぐとともに、アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上に取り組むことが重要である。 アレルギー疾患対策は、生活の仕方や生活環境の改善、アレルギー疾患に係る医療(以下「アレルギー疾患医療」という。)の質の向上及び提供体制の整備、国民がアレルギー疾患に関し適切な情報を入手できる体制の整備、生活の質の維持向上のための支援を受けること ができる体制の整備、アレルギー疾患に係る研究の推進並びに研究等の成果を普及し、活用し、発展させることを基本理念として行われなければならない。 本指針は、この基本理念に基づき、アレルギー疾患を有する者が安心して生活できる社会 の構築を目指し、国、地方公共団体が取り組むべき方向性を示すことにより、アレルギー疾 患対策の総合的な推進を図ることを目的として法第十一条第一項の規定に基づき策定する ものである。 第一 アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項 (1) 基本的な考え方→ア〜エまで。 (2) 国、地方公共団体、医療保険者、国民、医師その他の医療関係者及び学校等の設置者 又は管理者の責務→ア〜カまで。 第二 アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予防のための 施策に関する事項 (1) 今後の取組の方針について→国は、国民がアレルゲンの除去や回避、アレルゲン免疫療法を含めた重症化予防の方法、症状の軽減の方法等、科学的根拠に基づいたアレルギー 疾患医療に関する正しい知識を習得できるよう、国民に広く周知すること並びにアレル ギー疾患の発症及び重症化に影響する様々な生活環境を改善するための取組を進める。 (2) 今後取組が必要な事項について→ア〜ケまで。 第三 アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項 (1) 今後の取組の方針について→アレルギー疾患医療の専門的な知識及び技能を有する医師、歯科医師、 薬剤師、看護師、臨床検査技師、管理栄養士その他の医療従事者の知識や技能の向上に 資する施策を通じ、アレルギー疾患医療に携わる医療従事者全体 の知識の普及及び技能 の向上を図る。 (2) 今後取組が必要な事項について→ア〜ケまで。国の役割・推進。 第四 アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項 (1) 今後の取組の方針について→アレルギー疾患は、最新の科学的知見に基づいた治療を行うことで、症状のコントロールがある程度可能であるが、診療科が、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、小児科等、 多岐にわたることや、アレルギー疾患に携わる専門的な知識及び技能を有する医師の偏在等により、その周知、普及及び実践が進んでいない。最新の科学的知見に基づくアレ ルギー疾患医療の周知、普及及び実践の程度について、適切な方法で継続的に現状を把握し、それに基づいた対策を行うことで、国民が享受するアレルギー疾患医療全体の質の向上を図る。 (2) 今後取組が必要な事項についてア〜エまで。エ 国は、「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略」に基づき、疫学研究、基礎研究、 治療開発及び臨床研究を推進する。 第五 その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項 (1) アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上のための施策に関する事項→ア〜 ケまで。ケ 国は、関係学会等と連携し、アレルギー疾患を有する者を含めた国民が、アレルギー疾患を有する者への正しい理解のための適切な情報にいつでも容易にアクセスで きるようウェブサイト等の充実を行う。 (2) 地域の実情に応じたアレルギー疾患対策の推進 (3) 災害時の対応 (4) 必要な財政措置の実施と予算の効率化及び重点化 (5) アレルギー疾患対策基本指針の見直し及び定期報告→本指針は、アレルギー疾患を巡る現状を踏まえ、アレルギー疾患対策を総合的に推進 するために基本となる事項について定めたものである。国は、国及び地方公共団体等が 実施する取組について定期的に調査及び評価を行い、アレルギー疾患に関する状況変化を的確に捉えた上で、厚生労働大臣が必要であると認める場合には、策定から五年を経 過する前であっても、本指針について検討を加え、変更する。 なお、アレルギー疾患対策推進協議会については、関係府省庁を交え、引き続き定期 的に開催するものとし、本指針に定められた取組の進捗の確認等、アレルギー疾患対策 の更なる推進のための検討の場として機能させるものとする。 ◎参考資料3 アレルギー疾患対策推進協議会令 平成二十七年政令第四百一号 アレルギー疾患対策推進協議会令 内閣は、アレルギー疾患対策基本法(平成二十六年法律第九十八号)第二十二条第 三項の規定に基づき、この政令を制定する。 (組織) 第一条 アレルギー疾患対策推進協議会(以下「協議会」)は、委員二十人 以内で組織する。 (委員の任期) 第二条 協議会の委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者 の残任期間とする。 2 委員は、再任されることができる。 (会長) 第三条 協議会に、会長を置き、委員の互選により選任する。 2 会長は、会務を総理し、協議会を代表する。 3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する 。 (専門委員) 第四条 協議会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置く ことができる。 2 専門委員は、当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣 が任命する。 3 専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは 、解任されるものとする。 4 専門委員は、非常勤とする。 (議事) 第五条 協議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。 2 協議会の議事は出席した委員の過半数で決し可否同数のときは会長の決するところによる。 (庶務) 第六条 協議会の庶務は、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課において処理する。 (協議会の運営) 第七条 この政令に定めるもののほか、議事の手続その他協議会の運営に関し必要な 事項は、会長が協議会に諮って定める。 附 則 この政令は、アレルギー疾患対策基本法の施行の日(平成二十七年十二月二十五日 )から施行する。 附 則 (令和五年八月三〇日政令第二六三号) 抄 (施行期日) 第一条 この政令は、令和五年九月一日から施行する。 ◎参考資料4 アレルギー疾患対策推進協議会運営規程 アレルギー疾患対策推進協議会運営規程 (平成28年2月3日アレルギー疾患対策推進協議会決定) アレルギー疾患対策推進協議会令(平成 27 年政令第四○一号)第七条の規定に基づ き、この規定を制定する。 (会議) 第一条 アレルギー疾患対策推進協議会は、会長が招集する。 2 会長は協議会を招集しようとするときは、あらかじめ、期日、場所及び議題を委 員及び議事に関係のある専門委員に通知するものとする。 3 会長は議長として協議会の議事を整理する。 (会議の公開) 第二条 協議会の会議は、公開とする。ただし、会長は、公開することにより公平か つ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときその他正当な理由があると認めるときは、会議を非公開とすることができる。 2 会長は、会議における秩序の維持のため、傍聴人の退場を命ずるなど必要な措置 をとることができる (議事録) 第三条 協議会における議事は、次の事項を含め、議事録に記載するものとする。 一 会議の日時及び場所 二 出席した委員及び専門委員の氏名 三 議事となった事項 2 議事録は、公開。ただし、会長は、公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときその他正当な理由があると認めるときは、議事録の全部又は一部を非公開とすることができる。3 前項の規定により議事録の全部又は一部を非公開とする場合には、会長は非公開とした部分について議事要旨を作成しこれを公開するものとする。 (委員会の設置) 第四条 会長は、必要があると認めるときは、協議会に諮って委員会を設置すること ができる。 2 委員会に属すべき委員及び専門委員は、会長が指名する。 3 委員会に委員長を置き、当該委員会に属する委員のうちから、会長が指名する。 4 委員長は、当該委員会の事務を掌理する。 5 委員長に事故があるときは、当該委員会に属する委員のうちから委員長があらか じめ指名する者が、その職務を代理する。 (雑則) 第五条 この規定に定めるもののほか、協議会又は委員会の運営に関し必要な事項は、 それぞれ会長又は委員長が定める。 次回も続き「参考資料5 免疫アレルギー疾患研究 10 か年戦略」からです。 |