第7回こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議 [2024年10月03日(Thu)]
第7回こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議(令和6年8月8日)
(議事次第) 1.加藤大臣挨拶 2.「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づく取組の進捗状況について 3.その他 https://www.cfa.go.jp/councils/kodomonojisatsutaisaku-kaigi/19f3feb3 ◎参考資料1 こどもの自殺対策緊急強化プラン 令和5年6月2日 こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議 1.はじめに→社会全体のつながりが希薄化している中で、新型コロナウイルス感染症拡大 により人との接触機会が減り、それが長期化することで、人との関わり合いや雇 用形態を始めとした様々な変化が生じている。その中で、我が国の自殺者数は、近年、全体としては低下傾向にあるものの、小中高生の自殺者数は増えており、令和4年の小中高生の自殺者数が514人と、過去最多となった。 このような中、本年4月、こどもまんなか社会の実現を目指すこども家庭庁が発足した。こどもの自殺者数が増加していることを大変重く受け止め、こどもが自ら命を絶つようなことのない社会を作らなければならない。 こどもの自殺対策については、自殺総合対策大綱(令和4年 10 月 14 日閣議決定)に基づき着実に進めていくことは当然であるが、こども家庭庁の大きな役割は、省庁の縦割りの打破と、こどもや若者の視点に立った政策づくりである。 こども家庭庁において、こどもの自殺対策の司令塔として、「自殺対策室」を設置するとともに、こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議(以下「連絡会議」)を開催し、関係省庁の知見を結集し、総合的な施策を推進するため、 関係省庁一丸となって対策の検討を行ってきた。連絡会議では、有識者・当事者 の方々からのヒアリングを行い、この内容も踏まえ、ここに、こどもの自殺対策の強化に関する施策のとりまとめを行うもの。 本とりまとめについては、できるものから直ちに実行していく決意の下、今年度の「経済財政運営と改革の基本方針」に盛り込んでいくとともに、来年度の予 算要求に反映していく。また、今秋に策定されることとされている、こども大綱 に向けて、それぞれの事項についてより具体化を図った上で、こども大綱にこど もの自殺対策について盛り込めるよう検討を行っていく。 2.議論の経緯→連絡会議は、令和5年4月 27 日、小倉内閣府特命担当大臣(こども政策 少子 化対策 若者活躍 男女共同参画)を議長とし、議論をスタートした。 第1回会議においては、関係省庁からこれまでの取組状況を共有し、こどもの自殺の原因分析、各省庁の連携、情報発信と相談体制の強化の必要性などの方向性が確認された。 第2回・第3回会議では、これまで自殺対策に取り組んできた有識者、学者、 団体、自治体、教育委員会、当事者の方々からご意見を伺った。加えて、連絡会 議の議長である小倉内閣府特命大臣が、生きづらさに直面し、傷ついたことのある若者からご意見を伺ったほか、長野県の「子どもの自殺危機対応チーム」の視察及び意見交換を行った。 これらのご意見等を踏まえ、関係省庁においてこどもの自殺対策の強化につ いて検討を進め、第4回会議において、とりまとめに至ったものである。 3.取り組むべき施策→以下、こどもの自殺対策の強化策について、要因分析、教育や普及啓発、早期発見、相談体制の整備、自殺予防のための対応などの区分を行った上で、関係省庁が取り組んでいく施策を整理した。個別の取組について、複数の区分に該当するものもあるが最もなじみが深いと思われる区分に記載されていることにご留意いただきたい。 (1) こどもの自殺の要因分析 (2) 自殺予防に資する教育や普及啓発等 (3) 自殺リスクの早期発見 (4) 電話・SNS等を活用した相談体制の整備 (5) 自殺予防のための対応 (6) 遺されたこどもへの支援 4.こどもの自殺対策に関する関係省庁の連携及び体制強化↓ (1) こどもの自殺対策に関する関係省庁の連携→・ セルフネグレクトのように、人とのつながりを持てない様々な背景を抱え ている方々が支援から取り残されることがないよう、孤独・孤立対策のキャ ンペーン(令和5年夏)及び、令和6年より取組を本格化する孤独・孤立対 策強化月間(5月)において、関係省庁が連携して、集中的な広報・啓発活動・関連イベントを実施する【内閣官房、こども家庭庁ほか関係省庁】。 ・ 官・民・NPO 等の関係者の連携・協働の下で一体となって取組を進める地方における孤独・孤立対策の官民連携プラットフォームのモデル構築事業 について、自殺対策やこどもに関連する事業の取組事例の成果を全国で共 有する【内閣官房】。 ・ こどもの自殺は長期休暇明け前後に増加する傾向があることから、夏休み の集中的な啓発活動・自殺予防週間(9月 10〜16 日)・自殺対策強化月間(3 月)において、関係省庁が連携して、こどもの自殺対策に向け、こどもに届 くような広報に取り組む【こども家庭庁、厚生労働省ほか関係省庁】。 ・ 関係閣僚によるゲートキーパー研修の受講及び全国の首長に向けた受講 呼びかけメッセージの作成【こども家庭庁、文部科学省、厚生労働省ほか関 係省庁】 (2) こどもの自殺対策に関する関係省庁の体制強化→ ・こども政策の司令塔であるこども家庭庁で、こどもの自殺対策に関して総合的な施策に係る企画立案及び関係各省庁・省内関係部局との調整を行うため、自殺対策室の体制強化を図る【こども家庭庁】。 ・ こどもの自殺対策に関しては、「こども若者★いけんぷらす」(こども・若 者意見反映推進事業)を活用するなどし、こどもや若者の意見を聴き、その結果を制度や政策に反映していく。その際、こどもや若者が必要な支援にア クセスしやすくなるような周知の方法等についても検討する【こども家庭庁 ほか関係省庁】。 ・ 自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその成 果の活用等の推進に関する法律(令和元年法律第 32 号)に基づき厚生労働 大臣より指定される指定調査研究等法人において、必要な情報収集・調査分 析を実施する体制強化を図る【厚生労働省】。・ 本とりまとめの進捗状況について今後も確認していく【関係全省庁】 ○(参考1)こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議の開催について 令和5年4月27日 関係省庁申し合わせ→1〜4まで。 ○(参考2)こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議の開催経緯→第1〜第4回まで。 ◎参考資料2 こどもまんなか実行計画 2024(令和6年5月 31 日こども政策推進会議決定)(抄) U こども施策に関する重要事項 1 ライフステージを通した重要事項 (7)こども・若者の自殺対策、犯罪などからこども・若者を守る取組 (こども・若者の自殺対策) ↓ ・自殺総合対策大綱→第4次自殺総合対策大綱(令和4年10月14日閣議決定) において、「子ども・若者の自殺対策の更なる推進・強化」等に重点 的に取り組むとされたことを踏まえ、こども家庭庁、文部科学省、厚生労働省、警察庁など関係省庁が連携し、こども・若者の利用が多いSNSを活用した相談事業の拡充、SOSの出し方教育を含む自殺予防教育の推進、タブレット等を活用した自殺リスクの早期把握、こどもの自殺危機に対応していくチームの構築など、こどもの 自殺対策を更に強化する。【厚生労働省】 ・「こどもの自殺対策緊急強化プラン」の推進→こどもの自殺対策の司令塔として関係省庁等と連携し、「こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」の開催や、2023年6月 に同会議で取りまとめられた「こどもの自殺対策緊急強化プラン」の進捗状況の把握等を通じて、同プランに基づく自殺対策を強力に推進する。【こども家庭庁】 ・自殺統計原票の確実な作成・集計等こどもの自殺対策の推進→「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づき、自殺統計原票の 確実な作成・集計、自殺するおそれのある行方不明者に関する行 方不明者発見活動、インターネット上における自殺予告事案や自 殺誘引等情報に係るプロバイダ等と連携した対応、いじめや性被害 等からこどもを守るための対応等の取組を推進する。【警察庁】 ・こどもの自殺の要因分析等 「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づき、こどもの自殺の要 因分析のため、警察や消防、学校や教育委員会、地方公共団体 等が保有する自殺に関する情報の集約・分析に関する調査研究に 取り組む。【こども家庭庁、警察庁、消防庁、文部科学省、厚生労 働省】 ・こどもの自殺予防・自殺対策に関する広報啓発 夏休みの集中的な啓発活動・自殺予防週間(9月10〜16 日)・自殺対策強化月間(3月)において、関係省庁が連携し て、こどもの自殺対策に向け、こどもに届くような広報に取り組む。 【内閣官房、こども家庭庁、警察庁、法務省、文部科学省、厚生 労働省】 ・「SOSの出し方に関する教育」を含めた自殺予防教育の推進 こどもが自身の心の危機に気付き、身近な信頼できる大人に相談 できる力を培うために、「SOSの出し方に関する教育」を少なくとも 年に1回実施することを周知徹底する等、自殺予防教育の確実な 実施を進める。【文部科学省】 ・1人1台端末を活用した取組の促進→1人1台端末等を活用し、こどもの心身の状況把握や教育相談 を実施することは、いじめの早期発見・早期対応を可能とし、問題が 表面化する前から積極的に支援に繋げていく上で重要であることから、教育委員会等に対して周知を行うとともに、積極的な導入を促 進する。【文部科学省】 ・教育相談体制の充実→様々な課題を抱えるこどもに対し、心理・福祉の専門家であるス クールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等の配置を促進し、学校におけるチームでの教育相談体制の充実を促進する。また、こどもが全国どこからでも、夜間・休日を含めて、いつでも悩みを気軽に相談することができるよう、電話・SNS等を活用した教育相談体制の強化を進める。【文部科学省】 ・電話・SNS等を活用した相談体制の整備 法務省の人権擁護機関においては、「こどもの人権110番」、「イ ンターネット人権相談受付窓口(こどもの人権SOS-eメール)」、 「こどもの人権SOSミニレター」及び「LINEじんけん相談」など の各種取組を通じ、こどもの人権問題を始めとした様々な悩みに関 する相談に応じるほか、1人1台端末等から人権相談が可能とな る仕組みを構築する。また、これらの人権相談窓口の更なる周知広 報を図る。【法務省】 自殺対策に係る電話、メール、SNS等による相談窓口の設 置・運営の取組を行う地方公共団体・民間団体への支援を実施する。【厚生労働省】。 「こども・若者の自殺危機対応チーム」の立ち上げ・運用支援 都道府県・指定都市が、多職種の専門家で構成されるチームを 設置し、市町村等では自殺未遂歴や自傷行為の経験等があるこど も・若者への対応が困難な場合に、助言等を行う事業の実施を支 援する。【厚生労働省】 ・一元的な相談支援体制の構築等に向けた環境整備→孤独・孤立を抱えた人が支援につながり続ける社会の実現を目指し、統一的な相談窓口から支援までつながる仕組みの構築等に向 けて取り組む。令和4年度より#9999を用いた相談ダイヤルの試行を行ってきたところであり、それらの試行の結果を踏まえ、SNSと 電話相談の併用・連携、地域の公的支援機関へのつなぎ、ITを 活用した相談対応の実施など新たな課題にも取り組みつつ、持続 可能な仕組みの開発を目指す。【内閣府】 ・遺児への支援→国又は地方公共団体を介した遺児を含む自死遺族関係団体等 に対する活動等の支援(分かち合いの会、法律面・生活面の相談 支援)を実施する。【厚生労働省】 ◎参考資料3 経済財政運営と改革の基本方針 2024〜賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現〜(骨太方針 2024)(令和6年6月 21 日閣議決定) (抄)↓ ○第3章 3.主要分野ごとの基本方針と重要課題 (2)少子化対策・こども政策 (こども大綱の推進)→全てのこども・若者の健やかな成長を社会全体で支えていく。このため、こども・若者を権利の主体としてその意見表明と参画を促進 しながら、若者が主体となって活動する団体等の継続的な活動を促進する環境整備に向けて取り組むとともに、「はじめの100か月の育ちビジョン」に基づく幼児期までの育ちの質の向上、「こどもの居場所づくりに関する指針」に基づく地方自治体や民間団体への支援とともに、保育現場の負担軽減を図りつつ、人口減少地域における 施設の多機能化等を通じた保育機能の維持も含め「新子育て安心プラン」後の保育提供体制の在り方を早急に示す。相談支援等 を受けられるケア体制の構築等プレコンセプションケアについて5か年戦略を策定した上で着実に推進する。こども性暴力防止法や 「生命(いのち)の安全教育」、加害者更生に向けた取組、性嗜 好障害に対する治療を含めたこども性暴力防止に向けた総合的な対策を始め、こどもの安全対策や、産後ケア事業、新生児マススクリーニング・新生児聴覚検査・乳幼児健診を推進する。入院中の こどもの家族の環境整備の取組等の充実、不妊症、不育症に関する相談支援、流産、死産を経験された方への相談支援を進める。 地域少子化対策重点推進交付金による結婚支援等について、効果を検証しつつ、若い世代のニーズも踏まえた更なる方策を検討する。あわせて、官民が連携してライフデザイン支援を推進する。また、 当事者目線でこどものための近隣地域の生活空間を形成するこどもまんなかまちづくりを推進する。 貧困と格差の解消を図り、困難な状況にあるこども・若者や家庭 に対するきめ細かい支援を行う。このため、こども食堂・こども宅食・ アウトリーチ支援等への支援や学習支援や体験機会の提供など こどもの貧困解消や見守り強化を図る。こども家庭センターの体制強化、家庭支援事業の充実や利用促進、里親やファミリーホームによる支援の充実等家庭養育優先原則の徹底、社会的養護経験者等に対する自立支援の充実、若年妊婦の支援、一時保護所の環境改善、認定資格の取得促進など改正児童福祉法に基づく施策 を推進する。こども・若者シェルターや虐待等により困難に直面する 若者支援の充実、児童福祉司等の児童相談所の質・量の体制 強化、児童養護施設等における養育機能の向上及び環境改善を進めるとともに、ヤングケアラー支援を進める。発達障害児・医療 的ケア児を含む全ての障害のあるこどもと家族への支援体制の整備やインクルージョンの推進等を図るとともに、こどもホスピスの全国普及に向けた取組を進める。就業支援や児童扶養手当、離婚前 後親支援事業などによる養育費の支払確保や安全・安心な親子 の交流の推進等、ひとり親支援を進めるとともに、改正民法の周知 や、司法府と連携して環境整備に取り組む。こどもの自殺対策の強化を図るとともに、予防のためのこどもの死亡検証(CDR)を推進する。いじめ防止・不登校対策を強化する。質の高い公教育の再生の強力な推進を図る。教育振興基本計画に基づき、青少年の健全育成に取り組む。学校給食無償化の課題整理等を行う。 次回は新たに「こども・若者参画及び意見反映専門委員会(第8回)」からです。 |