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「女性活躍に関する調査」の報告書を公表します [2024年06月22日(Sat)]
「女性活躍に関する調査」の報告書を公表します(令和6年5月17日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40278.html
○令和5年度厚生労働省委託事業「女性の活躍推進及び両立支援に関する総合的情報提供事業」の一環として行われた「女性活躍に関する調査」(調査実施者:東京海上ディーアール株式会社)について、このほど、報告書が取りまとめられましたので公表します。
 この調査は、平成27年に制定された女性活躍推進法の浸透状況と課題を明らかにすることを目的に、全国の企業を対象に、令和5年12月〜令和6年1月に実施したものです。
 この調査結果等を踏まえ、厚生労働省では、引き続き女性の職業生活における活躍の推進に向けた施策を実施していきます。


○調査概要
・調査手法:15,000社を対象にWeb回答ページのURLを記載した案内状を郵送し、Web
 で回答受付
・調査実施期間:2023 年 12 月 14 日〜2024年1月 31 日
・調査対象:全国の常用労働者30人以上の15,000社(※1)
・有効回答数/発送件数:2,738件/15,000件(有効回答率18.3%)(※2)
※1 企業規模別に「30-99人」「100-299人」「300人以上」の3層に分けて、回収率20%  目標の下で、「300人以上」の企業については約1,000件のサンプルを、「30-99人」及び「100-299人」の企業については800から1,000件のサンプルを得られるよう、各層について日本標準産業分類に基づく16大産業の構成比(令和3年「経済センサス-活動調査」に基づく産業構成比)となるよう、各層5,000社ずつ抽出
※2 有効回答は各企業規模ともセンサスの産業構成比に類似した分布

◎令和 5 年度 厚生労働省委託事業 「女性の活躍推進及び両立支援に関する総合的情報提供事業」 『女性活躍に関する調査』報告書 令和6年3月 東京海上ディーアール株式会社
○「目次」に沿って↓
第 1 章 調査の概要
1.1 調査の方法
→全国の常用労働者 30 人以上の企業を企業規模別に「30-99 人」「100-299 人」「300 人以上」の 3 層に分けて、各層について日本標準産業分類に基 づく 16 大産業の構成比(令和 3 年「経済センサス-活動調査」(以下「センサス」)に基 づく産業構成比)となるよう、各層 5,000 社ずつ抽出した(16 大産業の産業名は次節の図表 1-2- 1 を参照)。 前回調査(JILPT 調査シリーズ No.196 女性活躍と両立支援に関する調査)と同様に対象企業 の区分を 3 層に分けたのは、企業数において「300 人未満」のいわゆる中小企業が日本の企業数 の約 9 割を占めるからである。具体的には、16 大産業における 30 人以上企業に占める「300 人 以上」の企業は 9%弱を占めるに過ぎず、仮に 30 人以上企業を産業別に 15,000 社を無作為抽出 し、回収率を 20%とした場合、「300 人以上」の企業は約 270 社しか回収できない。よって、「女性活躍推進法」の義務対象となっている「300 人以上」の企業のサンプルを約 1,000 件確保しつ つ、「30-99 人」「100-299 人」の企業についても 800 から 1000 件のサンプルを得るため、3 つに 層化し企業サンプルを得る計画とした。 なお、本調査では、企業における女性活躍推進法の浸透状況と課題を明らかにすることを目的 として前回調査で実施していた従業員調査は実施しないこととした。 調査の手法としては、前述の方法で抽出した 15,000 社に対し、依頼状とウェブ回答ページの URL を記載した案内状を郵送し、ウェブでの回答を依頼した。調査の実施時期は、令和5年12月14日から令和6年1月31日までのおよそ1.5カ月間とした。
1.2 回収状況

第2 章 調査結果の概要
2.1 2019 年改正後の状況把握
(1) 女性労働者の状況
(2) 行動計画の作成と取組み
(3)情報公表項目
(4) くるみん・えるぼしの取得状況
2.2 女性活躍推進法の影響・効果
(1) 情報公表項目数の影響・効果
(2) 管理職等における女性比率の公表の影響・効果
(3) 両立・均等に関する取組の実施の影響・効果
(4) 両立・均等に関する取組の継続性の影響・効果
(5) くるみん・えるぼし認証の影響・効果
2.3 2022 年省令改正後の状況把握
(1) 男女賃金差異の公表に関する動向
(2) 詳細分析を促す要因
2.4 新しい課題の把握
(1) 女性の健康課題に関する取組の状況
(2) 女性の健康課題に関する取組を促す要因:女性労働者の状況
(3) 女性の健康課題に関する取組を促す要因:状況把握・課題分析

第 3 章 まとめ↓
3.1 2019 年改正後の状況把握
→2019 年改正後の状況把握の分析として、主に前回調査(2018 年)との比較を行った。主な分 析結果は以下の通りである。
(1) 女性労働者の状況 →まず、女性労働者の状況についてはこの5 年間で劇的に変化しているわけではない。管理職に占める女性比率については、そもそも規模の小さい企業では管理職ポストが少ないという事情から、比率自体を規模間で比較することは難しいが、それぞれの規模においてこの 5 年間で 女性管理職比率が 0(女性管理職がいない)という割合は減少している。特に「300 人以上」に おいては、必ずしも大きいとは言えないが女性管理職比率の上昇もみられている。女性の昇進者 の有無についても、そもそも規模ごとに昇進機会が異なっているという事情から単純な比較は難しいが、特に「300 人以上」においては、女性の昇進者がいるという割合がこの 5 年間で増加している。

(2) 行動計画の策定と取組→次に行動計画の策定状況に注目すると、特に 2019 年改正後に義務化の対象となった「100〜 299 人」では行動計画の策定率が大きく増加している。一方で「30〜99 人」についても策定率は上昇しているものの、未だ 15%にとどまっており、行動計画の策定があくまでも努力義務にとどまっていることがうかがえる。しかし、行動計画の策定理由に注目すると、むしろ努力義務に なっている「30〜99 人」ではこの 5 年間で企業イメージの向上や女性活躍に関する課題解決を 理由に挙げる企業が増加しており、「100〜299 人」と「300 人以上」と比べてもその割合は比較的高くなっている。その反面、行動計画の策定が義務化されている「100〜299 人」と「300 人以 上」では「法律に定められているから」という理由が大多数である。 行動計画策定については、自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析をして、その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組みを盛り込むというプロセスを経ることが望ましい。 事前の状況把握・課題分析に注目すると、すべての規模について様々な側面において状況把握・ 課題分析を行う企業が増加している。特に「採用」「継続就業・職場風土」「登用」に関する状況 把握・課題分析の割合はすべての規模で増加しており、均等と両立を軸とする女性活躍推進の理念に沿って企業も問題意識を持っていることがわかる。 また、数値目標の設定の時点間変化はそれほど大きくはないが、「30〜99 人」では「採用」「継 続就業」、「100〜299 人」では「採用」「登用」に関して数値目標を設定した割合が増加している。 この 5 年間で、企業は様々な側面から状況把握・課題分析を行うようになったが、数値目標については手広く設定するわけではなく、焦点を絞っているといえる。さらに、具体的に設定している数値目標については、「女性管理職比率」や「採用者にしめる女性比率」が各規模で共通しているものの、「300 人以上」では相対的に「職場風土等に関する意識」や「男女の賃金の差異」を選択する割合が高く、「30〜99 人」や「100〜299 人」では「セクハラ等の相談状況」や「男女別 の教育訓練の受講状況」が相対的に高い。このように、具体的な数値目標の設定は規模ごとにことなっており、言い換えれば女性活躍に関する課題が規模ごとに異なっていることを示している。 各規模とも数値目標達成のための具体的な取組の第 1 位の項目は「求職者に向けた積極的広報」であるが中規模企業ではややその割合が小さい。第 2 位以降のランキングは規模ごとにやや 異なっている。「300 人以上」で特に実施している割合が高くなる項目として、「長時間労働対策のための組織的対応」「柔軟な働き方の導入」「女性の採用方針・目標の設定」が挙げられる。反対に「30〜99 人」において割合が相対的に高い項目としては「女性が働きやすい職場環境整備 のための設備投資」が挙げられるが、「300 人以上」と同様に「長時間労働対策のための組織的対応」「柔軟な働き方の導入」など両立に関する取組もランキング上位に入っている。

(3) 情報公表項目→一連のプロセスで行動計画を策定した後、企業はその行動計画の実施状況をモニタリングするために情報公表を行う必要がある。男女賃金差異を除いた 15 項目から、301 人以上では 2 つ、 101〜300 人企業では 1 つの項目の公表が義務づけられている。「100〜299 人」は情報公表を全くしていない企業が減少し、「1〜2 個」の割合が増加している。「300 人以上」でも情報公表を全く していない企業が減少し、特に「8〜13 個」の割合が増加している。基本的には行動計画の策定が義務づけられることによって情報公表を全くしていない企業が減少しているが、今後の傾向を考慮すると「100〜299 人」では義務化への最低限の対応である「1〜2 個」以上の割合が増加 していくかどうかが問題となる。

(4)くるみん・えるぼしの取得状況 →このような女性活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業に対しては、厚生労働大臣より「えるぼし」認定を受けることができる。「300 人以上」においても今日の認定率は 1 割未満 となっているが、この 5 年間で微増しており、申請予定なしの割合も減少している。取得してい ない理由を尋ねると、存在を知らなかったという理由はいずれの規模でも減少しているものの、 「100〜299 人」と「300 人以上」ではえるぼし取得にメリットを感じなかったからという理由が 特に増加している。そういった意味では、えるぼし認定は認知度が上昇し申請に取り組んでいる 企業も増加しているが、未だそのメリットを感じていない企業も未だ多いという課題がある。

3.2 女性活躍推進法の影響・効果→上述のように、行動計画の策定プロセスをみたときに、この 5 年間で情報公表項目の数が高まっているという特徴がある。そこで、情報公表項目の数が多いほど女性活躍推進に関する取組に積極的であると捉え、それが女性管理職・昇進者比率の変化や女性社員・企業全体へどのような影響があるのかを検討した。結論からいえば、女性活躍推進に関する取組に積極的であるほど それらのアウトカムに対してはポジティブな影響があることがわかった。 女性の管理職者比率の変化(3 年前比較)に関して、「300 人以上」の企業では、情報公表項目 数が多いほど女性管理職の比率が以前より高まったとする割合が多く、特に係長相当職と課長相当職での女性比率の変化にその傾向が現れている。一方で、「30〜99 人」と「100〜299 人」で はそうした傾向が係長相当職の女性比率の変化に限定されている。部分的には、情報公表項目数 が多い企業では以前よりも女性管理職比率が高くなっている傾向が見られるが、規模による違いはあるものの、そうした関連がより上位の役職ではみられていないという課題がある。そして、 このような関連は女性の昇進者比率の変化(3 年前比較)についても同様である。つまり、情報公表項目数が多いほど女性昇進者比率が以前より高まるという関連がみられるのは係長など下位の役職に限定されている。 女性社員への影響では、情報公表項目数が多い企業で女性の採用や活躍が促進され、特に「100 〜299 人」と「300 人以上」では、情報公表項目数が多いほど「育児・介護をしながら働く女性 管理職が出てきた・増えた」が高くなるという特徴がある。企業全体への影響については、当然ながら情報公表項目数が多いほど「女性活躍に向けた社内の意思統一ができた」というポジティブな影響が規模に関わらず観察されるほかに、職場活性化や効率化、離職率の低下に対してもポジティブな影響がみられる。特に行動計画が義務化されていない「30〜99 人」については、情報公表項目の数が増えることの影響が多くの項目で見られている。 上記のような関連は管理職等における女性比率の公表の有無に注目した場合でも観察される。 すなわち、係長や課長以上などの管理職等に占める女性の比率を公表している企業においては、 係長相当職及び課長相当職における女性比率が 3 年前よりも高くなったとする割合が大きい。 女性昇進者比率についても同様の傾向が見られており、管理職等における女性比率の公表と実 際の女性管理職や女性昇進者比率は関連している。 企業における両立・均等の組み合わせとそれぞれの取組の継続性に注目したところ、少なくと も「300 人以上」においては両立と同時に均等の取組を実施している場合や、それぞれの取組を 最初の行動計画以前から継続的に実施している場合では、女性正社員の平均勤続年数が長く、また係長相当職や課長相当職における女性比率もが 3 年前よりも高くなったとする割合が大きい ということがわかった。「100〜299 人」規模の企業においても、両立・均等両方の取組を実施している場合には女性正社員の平均勤続年数が長く、また係長相当職における女性比率も高まっていた。この規模の企業において、両立取組の継続性は女性正社員の平均勤続年数と関連が見ら れなかったものの、均等取組の継続性については係長相当職における女性比率の変化と関連があった。 くるみん・えるぼし認証の取得についても、両方の認証を取得している方が女性正社員の平均 勤続年数及び係長相当職・課長相当職における女性比率の変化についてポジティブな影響を与えている。このことは、上述のように両立・均等の両方の取組を実施していることが重要であることを示唆している。

3.3 2022 年省令改正後の状況把握→2022 年の省令改正により、301 人以上の企業は男女賃金差異を公表することが義務化された。 この公表は全労働者および雇用形態別に行われ、追加情報の公表が推奨されている。本調査によると、大企業では約 7 割が男女賃金差異を公表しており、約 4 割が雇用形態以外の分析も実施している。また、約 5 割の企業が追加情報を公表しており、男女賃金差異の分析結果について公表している割合も 2 割強と決して少なくない。男女賃金差異の公表の手応えとして「賃金差異改善に向けた社内の意識向上」「新たな取組の 実施や制度の創設」及び両者の組み合わせである「社内の意識向上かつ、新しい取組・制度の実 施・創設」に着目したところ、残念ながらそれらの手応えを感じている企業は決して多くないことがわかった。しかしながら、詳細分析を行ったうえで賃金差異を公表している企業は、これらの手応えを感じている割合が高い。すなわち、賃金差異改善に向けた取組の実施につながる公表 のためには詳細分析を行うことが重要である。 続いて、詳細分析(男女賃金差異に関する雇用形態以外の分析)を促す要因は何かを検討した。 行動計画における状況把握・課題分析と数値目標項目を当該企業における女性活躍に関する問題意識として位置づけて分析したところ、女性社員の評価や配置、多様なキャリアコースに関して状況把握し、数値目標を定めている企業ほど詳細分析を行っていることがわかった。さらに、 企業で行われている具体的な取組との関連に注目すると、女性社員の業務内容の見直しや、部門・職種・雇用管理区分における性別分離を解消しようとしている企業で、特に詳細分析を行っている割合が高いことがわかった。そういった意味で、特に女性の配置やキャリアコースといっ た側面での男女均等の確保(性別分離の解消)を行おうとしている企業においては、自社におけ る男女賃金差異に関する理解を深めようとする傾向が強いと言える。そして、そうした配置や キャリアコースといった側面での性別分離が大きな課題となっている典型的な産業が「金融業、 保険業」であり、そこにおける詳細分析の割合も高い。

3.4 新しい課題の把握 →最後に女性の健康課題に関する取組について分析を行った。女性の健康課題として近年注目されている「生理・PMS」「女性特有の疾患等」「更年期」「不妊治療」に対する企業の取り組みは、特に大企業においては、4 つの健康課題いずれについても休暇制度の充実やサポート体制の整備という形で取組が進んでおり、女性のライフサイクル全般にわたる包括的な支援体制が整 えられつつある。 次にどのような要因が女性の健康課題への取組を促すのかを明らかにするために、女性労働者の状況及び行動計画における状況把握・課題分析項目に注目して分析を行った。まず、女性労働者の状況に注目した分析からは、女性の健康課題への取り組みは、特に女性の「採用」と「登 用」に課題を抱えている一方で、女性の「定着」が進んでいる企業において積極的に行われていることがわかった。現状においては、女性の健康課題に関する取組が、女性の採用を増加させる や管理職昇進を促すという関連はみられていない。むしろ、「採用」と「登用」に課題が大きい産業グループにおいて女性の健康課題への取組が進んでいる印象がある。 そして、行動計画における状況把握・課題分析と健康課題の取り組みとの関連については、女性の育成や教育訓練、評価に関する問題意識が健康課題への取り組みを促していることがわかった。一方で、大企業においては今日の女性活躍推進法の枠組みが想定しているものとは異なる問題意識を持っている場合にも女性の健康課題への取組の実施率が高くなっており、そういった意味では今後の女性活躍推進の包括性や既存の枠組みの限界を示す結果となっている。そして、 中小企業においては、既存の女性活躍推進の枠組みにおける問題意識の関連がみられ、そのなかでも特に「女性社員の評価」や「男女社員の賃金格差」といった人事制度・雇用管理の核となる領域での状況把握や課題分析が女性の健康課題への取り組みを促している。

付属資料
1 調査票. 付属資料
2 単純集計表付属資料
3 基礎クロス集計表付属資料
4 図表データ

◆目次に沿って結果のみまとめました。

次回は新たに「令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について」からです。

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