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労働基準関係法制研究会 第7回資料 [2024年06月14日(Fri)]
労働基準関係法制研究会 第7回資料(令和6年5月10日開催)
≪議題≫  労使団体に対するヒアリング
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40163.html
◎資料2 日本労働組合総連合会御提出資料
労働基準関係法制のあり方に関する連合の考え方    日本労働組合総連合会(連合)
○はじめに
−本研究会における議論の設定について→・本研究会の検討事項は、「新しい時代の働き方に関する研究会報告書」を踏まえた労働基準関係法制および「働き方改革関連法の施行状況」を踏まえた労働基準法等の検討である。 ・ しかし、論点設定段階から、雇用労働者の4割を占める非正規雇用の問題等が取り上げられておらず、検討の射程が不十分。 ・ 労働行政の古い縦割りが実効的な法整備を阻害し、多重化した法制度で複雑・分かりにくい制度にしている。「新しい時代」の労働基準法制をめざすのであれば、以下の問題を真正面から 取り上げるべきである。↓↓↓
【連合が「追加すべき」と考える主な検討課題】
→ ・ 非正規雇用の課題⇒労働基準法「等」であるならば、有期労働契約について無期転換逃れ等の対応や入口規制を含め労働契約法も検討対象とすべきであり、「働き方改革関連法の施行状況を踏まえ」れば、パート有期法の検証は必須。 ・ ジェンダー平等の問題⇒性別にかかわりなく誰もが安心して働くことができることが重要であるにもかかわらず、ジェンダー平等に関するテーマは、 所管部局が異なるなどという縦割り行政によって、労働法制の中心課題から抜け落ちがちで、実効的な法整備が阻害されてきた側面がある。 ・ ハラスメントの問題⇒労働者が職場で抱える最大のトラブル要因の1つがハラスメントであるにもかかわらず、「新しい時代」の働き方として検討されないのはなぜか。より実効的かつ包括的なハラスメント規制法の制定に向けて、本研究会での検討が必要。

○労働基準関係法制を巡る課題認識↓
【働き方の多様化などに伴う過重労働リスク】
→・グローバル化やデジタル化の進展などを背景に、働き方の多様化・柔軟化が進んでいるが、労働からの解放の困難さ等の課題が顕在化していることが明らかとなるなど、過重労働等につながりかねない状況がある。
【後を絶たない労働基準関係法令違反】→・現在でさえ7割超の事業所で何らかの労働基準関係法令違反が生じているなど(※)、労働基準関 係法制が遵守されていない。
(※)2022年に労働基準監督署による定期監督等が実施された事業場の違反率は70.6%(定期監督等実施142,611事業場のうち違反は100,696事 業場【令和4年労働基準監督年報】)。また、2022年度に「長時間労働が疑われる事業場」へ行われた監督に限れば、違反率は81.2%(監督指 導実施33,218事業場のうち違反は26,868事業場【令和4年度長時間労働が疑われる事業場への監督指導結果】)。
【労働関係法令の保護を受けることのできない就労者の増加】→・プラットフォームエコノミーの台頭等により、現行の労働者概念では捉えられない「曖昧な雇用」の就労者が増加しており、その保護が喫緊の課題となっている。

○今後の労働基準関係法制のあり方を検討する上での視点→労働者保護の根幹である労働基準関係法制の基本原則は堅持しつつ、働く人の安心・安全の底上げに加え、より多くの働く人が法の保護を受けることができるよう、以下の視点で検討すべき。↓↓↓

1 労働基準監督行政の充実・徹底をはかるべき→労働基準関係法令違反が後を絶たない現
状に鑑みれば、労働基準監督行政の充実・徹底こそがまず必要。ILOは、先進国では労働監督官1人あたり労働者は最大で1万人とするべきとしている。一方、我が国はその半分程度にとどまり、圧倒的に不足している。
2 誰もが安心・安全に働くことができるよう、労働者保護の視点で見直すべき→「新しい時代」を迎えた今こそ、労働基準関係法制は、「曖昧な雇用」 で働く者も含めて誰も が安心・安全に働くことができるよう、現行法制において労働者・就労者保護の視点で不十 分な点の見直しを行うべきである。
3 労働基準関係法制の強行法規性は堅持すべき→労働基準関係法制の規制解除・適用除外を労使に大幅に委ねる仕組みは、厳然と存在する「労使の力関係の差」により、労働者の命と健康を脅かすことにつながりかねないため認められない。労基法の基本原則を堅持しながら、多様な働き方を実現することは労使協議等を通じて今でも可能であり、強行法規としての労働基準関係法制を緩和する必要は全くない。

≪個別論点について≫
○労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇等@〜➄
→労働時間などの規制は、労働者の身体・精神の保護や家庭・社会生活を営むための生活時間の保障という機能を持つ。現行法制は、実労働時間規制により労働時間の長さや配分方法を規制し、休憩、休日規制によって労働から解放される時間を保障している。今後も、労働時間などの規制を考える上では、労働者の健康・安全の確保と生活時間保障という観点を基本とすべき。 ・ 同時に、労働時間などの規制は、労働者個人を守るだけでなく、公共的な意義がある。長時間労働を希望し成果を上げようとする労働者がいれば、他の労働者もその競争に晒され、長時間 労働を強いられる。当該労働者が希望してもなお、これを「最低基準」として規制していかなけれ ば、長時間労働を受け入れる社会風土を抑制・是正することはできない。

○(※)以下、第6回労働基準関係法制研究会で示された「これまでの議論の整理」で示された主な項目に沿い、連合の考え方を示す。↓
1 時間外労働の上限は、原則部分を原則として扱い、例外は法所定の「通常予見することができない」「臨時的」な場合に限定すべき
→・「働き方改革」により導入された時間外労働の上限規制は、あくまでも「これ以上働かせてはならない」というもの。 ・ 労基法36条5項は、「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合」に限り、 月45時間、年360時間の原則的上限の例外を認めるものであり、例外は例外として限定し、厳格な運用が必要である。
2 裁量労働制・高度プロフェッショナル制度の拡大は行うべきではない →・裁量労働制は、業務の進め方だけでなく業務量も含め裁量が認められる労働者に限った対象としなければ、みなし労働時間制によって労働時間規制が事実上かからなくなり、 長時間・過重労働を強いられることとなるため、その拡大は行うべきではない。・高度プロフェッショナル制度は、廃止も含めて制度の見直しを行うべきである。
3 管理監督者の不適切な運用実態は是正すべき →・年次有給休暇の規定等を除き多くの労働時間規制の適用が除外されている管理監督者は、使用者によりその範囲が不適切に拡大・運用されている実態もある。 ・ こうした不適切な実態を是正する観点から、まずは管理監督者の定義を、法律上明確にすべきである。
【連合に寄せられる相談事例】→・保育園で働いているが、管理監督者と言われ、残業代も支払われていない。採用や人事、労働時間の裁量もなく、賃 金体系も一般従業員と同じである(大阪・男性・30代)。 ・ 組織表上、部下がいないにも関わらず管理監督者扱いとされている(長崎・男性50代)。 ・ 管理監督者とされているが、10年前に主任として下働きしていたような立ち位置で仕事をしなければならない。権限、予算、人的リソースもなにもない(東京・男性・40代)。
4 テレワーク等については、適切な労働時間管理を徹底することが不可欠→・コロナ禍を契機に進んだテレワークは、子育てや介護等との両立がしやすくなることや通勤負担軽減等のメリットもあるが、連合調査によれば、仕事とプライベートの境界が曖昧になったり、通常勤務より長時間労働になりがちな実態も明らかになっている。 ・ テレワークについては、「パソコン等の使用時間の記録」などの客観的な方法による把握等を通じ、適切な労働時間管理を徹底することが不可欠。なお、テレワークにおける 事業場外みなし労働時間制の適用は慎重であるべきである。【テレワークをした際の仕事とプライベートの時間との関係等】 参照。
5 すべての労働者を対象に勤務間インターバル規制を導入すべき→・労働者の健康確保をはかる観点から、すべての労働者を対象に勤務間インターバル規制を導入すべき。 ・なお、勤務間インターバル時間は、十分な睡眠時間と生活時間を考慮して原則11時間 を保障すべきであるが、当分の間は柔軟化できる措置を講じることも必要である。ただ し、その際は法律でその下限を明定しておく必要がある。
6 法定休日にかかる不適切な実態は是正すべき→労働基準法第35条第1項は「毎週少なくとも1回の休日」を付与すべき義務を使用者に課しているが、休日の特定までは求めていない。結果、直前に法定休日を特定したり変更したりする実態もある。労働者の健康確保やワーク・ライフ・バランスの観点から、法定休日を特定する義務を法律上課すべき。・労働基準法第35条第2項は「4週間を通じ4日以上の休日」を付与すれば週休1日制の原則の適用を受けないとしているが、この変形休日制を利用するには、単位となる4週 間の起算日を就業規則に定めることが求められるに留まる。結果、使用者によって変形週休制が安易に実施された場合には労働者の健康・安全等に弊害が生じうる。そのため、変形休日制については、実施要件の厳格化を行うべきである。
7 いわゆる「つながらない権利」の立法化を検討すべき→・労働者は勤務時間外であれば仕事に関わる義務は当然にないが、連合調査によれば、「勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくることがある」 と回答した者が7割 に及んでいる。 ・ 労働者の休息の確保のために使用者からの連絡の遮断を「権利」として認め、そのため の権利行使の方法を労使において具体化したり、使用者に一定の対応を義務づける、いわゆる「つながらない権利」の立法化を検討すべきである。
・勤務時間外に上司や部下から業務上の連絡が来るか72.4%(対象:正社員・正職員・派遣社員、契約社員、嘱託社員、パート、アルバイト)。つながらない権利で勤務時間外の連絡を拒否できればそうしたいか72.6%(対象:正社員・正職員・派遣社員、契約社員、嘱託社員、パート、アルバイト)。

○労働基準法の「労働者」→デジタル化の進展やプラットフォームエコノミーの台頭等により、雇用と自営の中間的な働き方やフリーランス等の「曖昧な雇用」の就労者が増加する中、従来の労働者性の判断基準では保護 の対象とならない事例が増えており、その保護は喫緊の課題となっている。↓↓
1 労働者性が認められる者は、労働関係法令の適用を徹底すべき→・実態として労働者性が認められる者に対しては、確実に労働関係法令の適用が図られ るべき。そのため、その周知を徹底するとともに、適正な指導・監督を行うべきである。
2 労働者概念を社会実態にあわせて見直すべき→労働基準法の労働者性の判断基準は、1985年の労基研報告から見直しが行われていない。以降、40年近くが経過して、労働市場や働き方の変化と多様化が生じていることを踏まえれば、その社会実態にあわせた早急な見直しが必要である。
3 「曖昧な雇用」で働く者の個別論点毎に保護の必要性について検討すべき→「曖昧な雇用」で働く者のうち、より独立性、事業者性が強い働き方をする者(=労働者 概念を見直してもなお労働者に該当しないが、要保護性の高い者)に対しては、個別論点毎に保護の必要性について検討すべきである。

○労使コミュニケーション@〜B→労働者保護のために憲法が保障する労働三権は労働法制の根幹だが、労働組合組織率は漸 減傾向にあり、労働法が予定する集団的労使関係の仕組みが機能しない事業場が増えている。 バツ1 過半数代表制が制度化されて以降、過半数代表者が関与する制度は増加し、役割が拡大して いるが、労働者代表としての民主制や正統性を担保する制度的基盤がないなどの課題がある。 バツ1 働き方を巡る環境変化や多様化などが進む中にあって、労使コミュニケーションの重要性は増 している。↓↓
1 労使コミュニケーションの中核的役割の担い手は労働組合であるべき→・労使コミュニケーションの中核的役割の担い手は、労働三権を背景として職場における労働条件設定機能が与えられている労働組合であるべき。・労使コミュニケーションの担い手を過半数代表者のような労働組合以外の者に代替させるべきではない(過半数代表制は法定基準の解除を主とするものであって、労使コミュニ ケーションの問題ではない)。労働組合の強化こそ、集団的労使関係の再構築に向けた 基本的な考え方とすべきである。・労働政策上も、労使コミュニケーションの主体は労働組合であると位置づけた政策を検討すべきである。また、労働行政においては、労働組合が労使コミュニケーションを実現 し経営資源としても機能している実例の啓発などを行うべきである。
2 まずは過半数代表者の適正化も含めた過半数代表制の整備・見直しが必要→・過半数代表者の選出手続きを厳格化・適正化するとともに、その規定を労基則から労基法上の規定へと格上げをすべきである。 ・ 労働諸法規等に定められている過半数代表制は、各根拠法令が規定する過半数代表の役割と機能を検証し、その数を縮減させる方向で見直すべきである。 ・ 過半数代表者の問題を解決しないまま、新たな仕組みを 構築したとしても、同様の問題が生じかねない。
・厳格化・適正化の具体的事項→1.「過半数代表者」に立候補する機会の付与。 2. 使用者側の協定案等の事前開示。 3. 立候補者に対する所信表明を行う機会の付与。 4. 無記名投票による選挙。 5. 選出手続に瑕疵があった場合の効果(協定無効)。
・【連合に寄せられる相談事例】→・過半数代表者の選任にあたって、総務が指名した従業員と少数組合の支部長が立候補。選挙の告示、票のとりまとめは総務が担当。投票は記名で実施。総務が指名した従業員が過半数代表者となったという報告を総務が行ったが、 得票数などは明らかにされず、かつ、労働基準監督署には過半数代表者は協議によって選出したと通知。団体交渉で、得票数を明らかにさせるとともに、過半数代表者の選任手続きについては修正して、届け出のやり直しをさせた(教育)。 ・ 会社が推薦する従業員と職場内でひとりだけの組合員が立候補、選挙を行うことになった。投票に当たっては総務担 当者の前で記入して投票することを求められた(運輸)。 ・36協定締結のために選出された過半数代表者が時間外労働を短縮するよう求めたところ、会社案での協定締結を強行するため、過半数代表者を追い詰め、仕事取り上げなどのハラスメントを行った上、新たな者の選出を行おうとした(人材派遣)。
3 次なる段階として労働者代表制の法整備を検討すべき→・職場における労働者代表は、第一義的には労働組合であり、労働条件の設定に関与しうる労働者代表は労働組合のみであるという大前提のもと、労働組合の組織拡大や過半数代表制の適正化の取り組みを徹底した上で、次なる段階として、過半数組合が存在しない事業場に労働者代表委員会を設置することなどを柱とする労働者代表制の法整備をはか るべきである。(※)連合「労働者代表法案要綱骨子(案)」は16頁参照。なお、労働者代表委員会は、労働諸法規等に労働者代表との協定締結・意見聴取等を定 められたものについてのみ、任務、権限を有するものとすべきである。
4 法定手続は事業場単位であるべき→・36協定などの法定手続を企業単位とした場合、現場実態や労働者の声が反映されにくくなるため、事業場単位とすべきである。 ・ そもそも36協定などの法定手続は、事業場毎に行われる労使コミュニケーションと密接にかかわる。それにも関わらず、届出にかかる事務負担の軽減等を理由に、法人単位化することが有益であるとは考えられない。

○(参考)連合の集団的労使関係の構築に向けた取り組み
・取り組みの背景
→・労働組合の組織率は20%をきっており集団的労使関係の仕組みが機能しない事業場が増加。 ・ 過半数代表制が制度化されて以降、過半数代表者が関与する制度は増加し、役割が拡大しているが、労働 者代表としての民主制や正統性を担保する制度的基盤がないなどの課題がある。 ・ 近年、労働者の雇用形態や年齢、国籍等の多様化に伴い、価値観やニーズも多様化しており、未組織労働者も含めた働く仲間の声を受け止めた対応が求められている。⇒すべての職場において健全な集団的労使関係を構築することが重要。→【STEP@:基盤整備の取り組み】【STEPA:労働者代表制の法整備】
【STEPB:立法後の取り組み】 参照のこと。

○(参考)連合「労働者代表法案要綱骨子(案)」(※)の概要(※)連合第7回定期大会(2001年10月)で確認後、2006年.6月及び2021年8月の連合中央執行委員会において一部補強。
・目的
→事業場において労働者の過半数で組織する労働組合がない場合において、労働諸法規等に労働者代表等との協定締結・意見聴取等を定められたものにつき、労働者を代表する機関を設置し、その自主的、民主的な運営や使用者との対等性を確保する枠組みを法的に整備する。また、労働者の過半数で組織する労働組合がある事業場においては、労働諸法規等に労働者代表等との協定締結・意見聴取等を定められたものにつき、 過半数労働組合が非組合員を含めた当該事業場の全労働者の意見を適正に集約できるよう法的に整備する。
【主な規定】→• 労働者代表委員会の設置。 • 過半数労働組合の成立と労働者代表委員会の解散(労働者代表委員会の解散、過半数労働組合への協定の承継等)。 • 労働組合の優先(労働者代表委員会による労働組合の結成、団体交渉、労使協議、労働協約の締結等の妨害禁止等)。 • 労働者代表委員の選出(選挙権資格、委員の人数、委員の任期等)。 • 労働者代表委員会の運営(総会、規約記載事項、代表者の選出、運営費等)。 • 労働者代表委員会等の選挙(選挙の実施時期、選出手続、選挙管理委員会、労働者代表委員会の構成、選挙への介入禁止等)。 • 労働者代表委員会等の権限等(権限(労働法規で協定締結等を定められたもののみ)、資料請求権、事業場の労働者の意見聴取等)。 • 労働者代表委員会等の会議の傍聴。 • 労働協約の優先。 • 不利益取扱・支配介入の禁止。 • 便宜供与等 (就労義務の免除、研修休暇等、事務所等の貸与等)。 • 調整機関の設置 • 労働者代表委員会としての過半数労働組合。 • 罰則。 等々。

次回は新たに「第29回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)」からです。

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