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生活保護制度等に関する国と地方の協議 資料 [2023年12月23日(Sat)]
生活保護制度等に関する国と地方の協議 資料(令和5年11月29日)
議題 生活保護制度等の見直しの方向性について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36760.html
◎資 料 1 生活保護制度等の見直しの方向性について
(1)居住支援に関する制度見直しの具体的な方向性
→生活困窮者の生活の安定に向けては、生活の基盤そのものである「住まい」の確保が必要不可欠。一方で、不安定居住者の一定数の 存在に加え、単身高齢者世帯の更なる増加や、持ち家比率の低下等により、住宅の確保に配慮を要する者に対する住まい支援のニーズは今後ますます高まることが想定。 生活困窮者等をはじめとする住宅確保要配慮者→住まいの確保等に関する相談支援から、転居支援、住まいが定まった後の支援まで、切れ目ない支援体制の構築のため、生活困窮者自立相談支援事業で住まい支援を行うことと、住宅確保要配慮者に対する賃貸 住宅の供給の促進に関する法律に規定する居住支援法人との連携を明確化する必要がある。
住宅確保要配慮者の居住の安定を図るため、居住支援法人等が緩やか な見守りなどのサポートを行う住宅の仕組みについて、検討を進める 必要がある。また、家賃の支払いに係る賃貸人の不安軽減によりサポ ートを行う住宅の提供が増加することは望ましいことから、被保護者 の住宅扶助の代理納付の原則化について検討を進めることが必要。
生活困窮者一時生活支援事業(シェルター事業及び地域居住支援事業)⇒各支援のうち地域の実情に応じて必要な支援を実施する よう努めるものとする必要がある。
地域居住支援事業について、支援期間が1年を超えても福祉事務所設置自治体が必要と認める場合には、柔軟に活用できるようにすること が適当。
生活保護法において、被保護者の入居支援や訪問による見守りなど、 地域での居住移行等に向けた支援を行うことができる事業を新たに 法定化する必要がある。
住居確保給付金→安定的な居住に繋げるため、新たに家賃の 低廉な住宅への転居費用を補助することとする必要がある。なお、当 該転居費用の補助については、生活に困窮し、住居の確保や家計改善 の観点から転居を必要とする者が利用できるようにする必要。
無料低額宿泊所に係る事前届出の実効性確保策として、届出義務違反 への罰則等を検討するとともに、無届の疑いがある場合の保護の実施 機関から都道府県への通知を努力義務化する必要がある。
施設入所者に係る保護の実施機関についての居住地特例については、 介護保険制度の住所地特例の対象範囲と平仄を合わせて、対象範囲を 特定施設入所者全体に拡大する必要がある。

(2)生活困窮者への自立相談支援及び被保護者への自立支援の強化→ 生活困窮者や被保護者が抱えている課題は多様化、複雑化しており、 対応困難なケースを関係機関等が連携して対応する体制の整備とともに、地域における支援体制を検討するための枠組み作りが重要。 生活困窮者自立支援法に規定する支援会議の設置促進のため、設置の努力義務化が必要。生活保護制度において、ケースワーカーが関係機関と連携し、専門的 な支援を外部から取り入れて支援の質を向上させることを目指し、支 援の調整や情報共有を行うための枠組みとして、構成員に守秘義務を 設けた会議体を設置できるよう、法定化する必要。また、会議 体設置に当たっては、生活困窮者自立支援制度の支援会議との一体的 な運営を推進することが必要である。

(3)就労支援及び家計改善支援の強化→ 困窮状態からの脱却のためには、収入・支出の両面から生活を安定さ せることが必要不可欠である一方、直ちに一般就労を行うことが困難 な者や、家計の改善を要する者も多い。このような者は、地方自治体 の規模等にかかわらず存在し得ることから、全国どこに住んでいても 必要な支援を受けることができる体制整備が重要。このため、国は、生活困窮者就労準備支援事業と生活困窮者家計改善 支援事業をこれまで実施していない、特に中小規模の地方自治体に配 慮し、事業実施に向けた支援を行うとともに、広域連携等の必要な環 境整備も進めることが必要である。 また、被保護者向けの就労準備支援事業及び家計改善支援事業につい ては、事業を法定化してより幅広い地方自治体での実施を促すととも に、より多くの被保護者が支援を受けられるよう、生活困窮者自立支 援法に基づく事業との一体実施の仕組みの検討が必要である。

(4)子どもの貧困への対応→生活保護受給世帯の子どもは、家庭での学習環境や将来の進学に向け た意識面等で課題を抱えており、保護者も地域との関わりが少ない傾 向があり、必要な情報や支援が届きにくく、支援の場に来ない世帯等 には、より個別支援を行う必要性が高い。また、ケースワーカーは、子どもとの接触が十分にできていないことや専門性の不足などの課題がある。 このため、生活保護を受給している子育て世帯に対し、ケースワーカ ーによる支援を補い、アウトリーチ型手法により学習環境の改善、進 路選択、奨学金の活用等に関する相談・助言を行うことができる事業 の創設が必要。 生活保護受給世帯の子どもが、本人の希望を踏まえた選択に基づき高 等学校等卒業後に就職する際の新生活の立ち上げ費用の支援の仕組みがないため、新生活立ち上げ費用に対する支援として、一時金を支 給できるようにすることが必要である。

(5)医療扶助・被保護者健康管理支援事業の適正実施等→ 市町村における医療扶助や被保護者健康管理支援事業の適切な実施 に向け、データによる課題分析・事業評価など PDCA サイクルを用い た効果的な運営を進めていくことが重要。このような認識の下、市町村の医療扶助等を効果的・効率的に実施す るため、都道府県が広域的な観点から市町村に対する支援を行う役割 を担うこと。具体的には、都道府県が地域別にデータ・ 課題分析及び評価を実施し、優先的に取り組む課題と取組目標の設定 とともに、市町村の取組に対する必要な支援を行うよう努めるものと する必要がある。こうした支援に当たっては、都道府県において医療 関係者・学識経験者等の専門的知見を踏まえる必要があるが、その手 法については、各都道府県が状況に応じて柔軟かつ適切に選択できる ものとすることが必要。 また、国においても、都道府県に対して、データ提供・分析等に係る 体制整備の支援を実施し、医療情報の地域差や経年変化を「見える化」 するツールやデータ活用に必要なマニュアルの作成、都道府県職員向 け研修の実施等に取り組むことが必要である。

(6)生活困窮者自立支援制度と生活保護制度との連携→ 生活困窮者自立支援制度と生活保護制度は、それぞれ独自の制度とし て、その制度趣旨や目的、対象者、事務の性質を異にするもの。一方で、両制度は、本人の「自立」を支援するという共通の理念を有 しているが、両制度間を行き来する者も一定数いる中で、本人への切 れ目のない連続的な支援を行うことが課題。また、支援体制の 整備においては、地域資源を有効活用する観点からの検討も必要。 被保護者向けの就労準備支援事業、家計改善支援事業及び居住の支援 については、任意事業としての法定化が必要。その上で、両制度をまたいだ支援の継続性・一貫性確保のため、両制 度での事業の実施や両制度間の連携強化を推進するとともに、更なる 対応として、被保護者向けの就労準備支援事業等の実施に代え、生活 困窮者向けの就労準備支援事業等を被保護者に対しても実施するこ とを可能とすることも検討が必要。その際、被保護者が生活困 窮者向けの事業に参加する場合でも、保護の実施機関が継続して関与 する仕組みとすることが必要である


◎資 料 2 大阪市長提出資料
○大阪市の3つの要望→@高齢者向けの新たな生活 保障制度の創設 A生活保護費の一括支給 B生活保護の適正化
○平成30年(前回)生活保護法改正時の附帯決議→単身者や高齢者に対する支援の在り方や、生活困窮者 自立支援制度及び生活保護制度の有機的な連携の在り方を含め、 制度全体の見直しに係る検討を行うこと。(両院附帯決議の要約)⇒生活に困窮する高齢者支援について、早急に具体的な検討を開始する必要がある
○大阪市の生活保護を受給する高齢者世帯の実態→長い間、自立して暮らしてこられた高齢者世帯に、必要な支援とは
○単身高齢者世帯の暮らしに着目
→借家世帯は生活困窮に陥りやすいのではないか
○住まい支援の必要性に関する考察→世帯収入別借家率(全国)、大阪市の生活保護受給者の状況⇒高齢になって生活保護申請をする方の理由として 「預貯金の減少・喪失」が最も多い→生活保護に至る前の段階における住まい支援が有効ではないか
○住まいへの支援に関する国の議論→住まい政策を社会保障の重要な課題として位置づけ、 そのために必要となる施策を本格的に展開すべき

○高齢者の住まいを支援することの効用→「住み慣れた場所で暮らし続ける」「困窮の早い段階で支援につながる」⇒生活に困窮する高齢者支援について、家賃補助制度の創設を検討されたい。


◎参考資料1生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに 関する最終報告書(案)※社会保障審議会生活困窮者自立支援制度及 び生活保護部会(第 27 回)資料
T 本報告書の位置付け
U−1 居住支援に関する制度見直しの具体的な方向性
U−2 中間まとめを踏まえた制度見直しの具体的な方向性
1. 生活困窮者への自立相談支援及び被保護者への自立支援の強化
2. 就労支援及び家計改善支援の強化
3. 子どもの貧困への対応
4. 医療扶助・被保護者健康管理支援事業の適正実施等
5. 生活困窮者自立支援制度と生活保護制度との連携
V 終わりに↓
○ 冒頭で述べたとおり、本最終報告書は、中間まとめの内容に基づきながら、令和 34 5年度において議論した内容も踏まえ、特に生活困窮者自立支援法及び生活保護 35 法における法制上の措置が必要な事項についてまとめたもの
であり、中間まとめ 36 と本最終報告書の双方をもって完成形となるものである。制度改正が実現した暁には支援を必要な者に適確かつ速やかに届けることができるよう、生活困窮者自立支援制度や生活保護制度の周知・広報等や、制度に関する正しい理解の促進に、あらゆる関係者が取り組んでいく必要がある。
○ また、生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しが現場で実効的に機能していくためには、支援を適切に実施できる人員体制の確保や、支援員の質の向上等が必要不可欠である。さらに、両制度で連携して研修を実施するなどにより、相互理解を深めながら支援を進める視点も必要である。国は、引き続き、必要な人員体制等の確保が可能となる仕組みの構築や、国研修の実施及び地方自治体が研修を実施するための支援等を通じた人材育成等に積極的に取り組んでいくべきである。
○ 以上のほか、本部会では、生活困窮者自立支援法における生活困窮者の定義(「就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」)についても議論があった。当該生活困窮者の定義については、平成 30 年に経済的困窮に至った背景・要因を明記する改正が行われたことによって、支援の幅が広げられたところである。一方で、生活困窮者自立支援法による支援の対象を「経済的に困窮」している者に依然として限っていることの妥当性をどのように考えるかについては、生活困窮者自立支援制度の制度的特徴や現場の実態等も踏まえながら、引き続き検討すべきである。
○ 特に、今後増加が見込まれる身寄りのない単身高齢者等については、生活面で様々な課題を抱えているものの、現在の生活困窮者自立支援法の範疇においては支援を行うことが難しい場合も想定される。これらの者の支援については、今後政府としても検討が進められるものと考えるが、その議論の中において、生活困窮者自立支援制度が果たすべき役割についても、十分に検討されるべきである。
今後、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度との連携を強めていくに当たっても、それぞれの制度の独自性・固有性や発展可能性が失われることのないように留意するとともに、むしろ相互の強みを活かしながらより良い支援の実現を目指すべきである。
○ さらに、生活困窮者自立支援制度又は生活保護制度と重層的支援体制整備事業との関係についても議論があった。例えば、生活困窮者自立支援制度は、平成 27 年4月の創設以来、幅広い課題に柔軟に対応してきたが、令和3年4月から重層的支援体制整備事業が始まったことに伴い、その役割に変化が生じているのではないか。また、生活保護制度も重層的支援体制の中に位置付けられるべきであるのに、その認識が共有されていないのではないか。こうした事業の位置付けの整理が必要であるとの指摘のほか、重層的支援体制整備事業それ自体の中に、支援の 36 観点ごとの分断ができている等の指摘等もあったところであり、今後、これらの制度を検討するにあたっては、このような視点も十分考慮されたい。
○ 最後に、生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の中長期的な検討は、中間まとめの
「V 今後に向けて」でも述べたとおり、「地域共生社会」の理念が基本に据えられることが重要
である。制度間の壁や従来の「支える側」「支えられる側」の枠組みを超え、一人ひとりが「尊厳を保持され、社会との関わり方について自ら選択することのできる自律的な生の達成」に向けたものとなることが重要である。そのためにも、両制度は、各種他制度・他施策との連携を絶えず進めながら、それぞれの制度が果たすべき役割を模索していくことが必要である。このような考え方に基づき、両制度についての議論が、今後とも更に深化していくことを期待する。


◎参考資料2生活保護制度に関する国と地方の実務者協議におけるこれまでの議論の整理
○⽣活保護制度に関する国と地⽅の実務者協議におけるこれまでの議論の整理
○これまでの議論の整理 目次

1.現下の経済社会状況を踏まえた⽣活保護制度による⽀援の在り⽅について@A
2.関係機関と連携した包括的な⾃⽴⽀援について@A
3.就労支援等について
(1)就労支援事業等について@A
(2)就労インセンティブについて
4.子どもの貧困対策について
5. 被保護者健康管理⽀援事業及び医療扶助について
(1) 被保護者健康管理⽀援事業及び頻回受診対策等について@A
(2) 都道府県による関与について@A
6. 居住支援について
(1) 保護施設について@A
(2) 無料低額宿泊所及び⽇常⽣活⽀援住居施設等について@A
7.事務負担の軽減について
8. 生活保護費の適正支給の確保策等について
9. 生活保護基準における級地区分について@AB

次回は新たに「第5回 住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会(資料)」からです。

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