第53回社会保障審議会児童部会 資料 [2023年03月26日(Sun)]
第53回社会保障審議会児童部会 資料(令和5年3月13日)
≪議事≫ 1.開会 2.最近の子ども家庭行政の動向について(報告) 3.閉会 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31896.html ◎資料4−1 こどものバス送迎・安全徹底プランについて ↓ ○静岡県牧之原市の認定こども園における事案概要→発生日:令和4年9月5日(月)。発生園:学校法人榛原学園 川崎幼稚園(静岡県牧之原市 ※幼保連携型認定こども園)。 ・事故状況→ ・朝8時48分、送迎用バスにて登園するも、バス内に約5時間取り残されたとみられ、同日14時10分頃、 バス内にて心肺停止状態で発見され、緊急搬送されたが、その後病院で死亡が確認された。 <経過>→ ・8:00 18人乗りの中型バスに運転手、乗務員が乗車し園を出発。運転手は普段の職員ではなかった(当日の運転は園長が行った)。 ・8:48 本児を含め6名の園児を乗せたバスが園に到着。乗務員は荷物を持ちながら、小さい子から降ろした。他の子には自分で降りてくるように声をかけながら門を開け園内に入った。その際、本児が降りたのか確認していなかった。 ・運転手は、園児が全員降りたかどうか確認しなかった。 ・クラス担当者は、欠席等の連絡なく登園していない園児の所在確認をしなかった。 ・14:10頃 降園のため、バスを開錠すると、運転手と乗務員(登園時とは別の職員)が倒れている本児 を発見。警察に連絡、救急車を要請 ・14:30頃 救急車到着。肺蘇生法等を実施し病院へ搬送。 ○緊急対策の概要(こどものバス送迎・安全徹底プラン〜バス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する緊急対策〜 (令和4年10月12日 内閣官房・内閣府・文部科学省・厚生労働省・国土交通省・警察庁)↓ @ 所在確認や安全装置の装備の義務付け A 安全装置の仕様に関するガイドラインの作成 B 安全管理マニュアルの作成 C 早期のこどもの安全対策促進に向けた「こどもの安心・安全対策支援 パッケージ」→ (1)送迎用バスへの安全装置導入支援 (2)登園管理システムの導入支援 (3)こどもの見守りタグ(GPS)の導入支援 (4)安全管理マニュアルの動画配信や研修の実施等 ○緊急対策の進捗状況の概要↓ @ 所在確認や安全装置の装備の義務付け →令和4年12月28日に関係府省令等を公布。令和5年4月1日より、幼 児等の所在確認と安全装置の装備を義務付ける。 A 安全装置の仕様に関するガイドラインの作成 →令和4年12月20日に国土交通省で「送迎用バスの置き去り 防止を支援する安全装置の関するガイドライン」を策定・公表 B 安全管理マニュアルの作成→令和4年10月12日緊急対策の公表と合わせて作成・公表。 C 早期のこどもの安全対策促進に向けた「こどもの安心・安全対策支援 パッケージ」→令和4年度第2次補正予算に関連予算を計上して推進。 ○所在確認や安全装置の装備の義務づけ→@ 乗降車の際に点呼等の方法により園児等 の所在を確認 A 送迎用バスへの安全装置の装備 及び 当該装置を用いて、 降車時の@の所在確認。※1「園児等」には、保育所・幼稚園・認定こども園等の幼児のほか、小学校・中学校・義務教育学校・高 等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学・高等専門学校・専修学校の児童生徒・学生を含む。 ※2 国土交通省のガイドライン(令和4年12月20日公表)に適合していることが求められる。⇒(施行期日)安全装置の装備が困難な場合は、代替措置で可、 令和5年4月1日まで。令和6年4月1日完全実施。 ○安全装置の装備に向けた補助に関する主な共通的事項 1.対象となる安全装置: 保育所等について装備が求められる安全装置と一致 →「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインに適 合するもの →適合する装置を一覧化したリストを作成・公表。当該リストを参考に 選定することが可能 2.対象となる自動車の種類:保育所等について義務付けられる自動車の種類と一致 →通園・通学等の送迎用のものが対象 →直営か委託かは、問わない(装備する者は対象施設の設置者であるこ とが原則) ※リースの場合は、装置導入に伴うリース料増額分を定額の範囲内を上限に 補助 3.補助額 1台ごとに定額→ ・ 装備が義務付けられる施設(保育所等):1台当たり17.5万円。 ・ 装備が義務付けられない施設(小・中学校等):1台当たり8.8万円。 ※複数台を運行する場合は、各台について補助。 ○送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインの対象となる装置(国土交通省)→送迎用バスへのこどもの置き去り事故の防止に役立つ安全装置として、最低限の要件を定めた。 降車時確認式、自動検知式の2種類の装置を対象とした。 ○ガイドラインにおいて規定された主な要件(国土交通省)→@運転者等が車内の確認を怠った場合には、 速やかに車内への警報を行うとともに、 15分以内に車外への警報を発すること。Aこども等がいたずらできない位置に警報 を停止する装置を設置すること。B十分な耐久性を有すること 例)−30〜65℃への耐温性、耐震性、 防水・防塵性等。C装置が故障・電源喪失した場合には、 運転者等に対してアラーム等で故障を 通知すること。 ○緊急対策B 安全管理マニュアル(こどものバス送迎・安全徹底プラン〜バス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する緊急対策〜(令和4年10月12日 内閣官房・内閣府・文部科学省・厚生労働省・国土交通省・警察庁)→車側の対策である安全装置の装備との両輪として、送迎用バス運行に当たって園の現場に役に立ち、分かりやすく、簡潔な、安全管理の徹底に関するマニュア ルを策定⇒安全管理マニュアルのポイント(4つあり)の参照。 ○緊急対策C 「こどもの安心・安全対策支援パッケージ」の推進 【事業概要】↓ (1)送迎用バスへの安全装置の導入支援(文部科学省・厚生労働省計上)→ブザーやセンサーなど、車内の幼児等の所在の見落としを防止する装置の装備等のための改修に必要な経費を支援(定額補助(装備が義務付けられる施設(保育所等):17.5万円、義務付けられない施設(小・中学校等):8.8万円))。※令和4年9月5日以降の送迎用バスへの安全装置(安全装置の仕様に関するガイドラインに適合するものに限る。) の装備を対象。 (2)登園管理システムの導入支援(文部科学省・厚生労働省計上)→幼児の登降園の状況について、保護者からの連絡を容易にするとともに、職員間での確認・共有を支援するための登降 園管理システムの導入に必要な経費を支援 (事業者負担:1/5) (3)こどもの見守りタグ(GPS等)の導入支援(文部科学省・厚生労働省計上)→安全対策に資するGPS等を活用したこどもの見守りサービスなどの安全対策に資する機器等の導入に必要な経費を支援 (事業者負担:1/5) (4)安全管理マニュアルの研修支援等(内閣府計上)→保育所、幼稚園、認定こども園等の職員に対する安全管理の研修の実施に必要な経費を支援するとともに、送迎用バス に装備する安全装置の推奨リストを作成(自治体負担:1/2) 【対象施設】→保育所、認定こども園、地域型保育事業所、認可外保育施設、放課後児童クラブ、障害児通所支援事業所 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校 ◎資料4−2 保育所等における虐待等の不適切な保育への対応等に関する実態調査につ いて 1.各地における不適切な保育に関する事案の発生→静岡県裾野市の保育所において不適切な保育が行われていたという事案が発生したほか、富山県富山市の認定 こども園など全国で同様の事案が相次いでいる。 2.国における対応→令和4年12月上旬に、以下の内容について周知・徹底を通知。 @保育所等における虐待等の発生防止を改めて徹底すること A虐待等が疑われる事案が発生した場合の行政への速やかな情報提供・相談等 B行政における迅速な事実確認の実施 C保育士の資格等の取消についても十分な事実確認の上で適切に対応すること ※ @〜Bは、令和3年3月にも、「不適切な保育の未然防止や発生時の対応に関する手引き」を作成し、周知・徹底を依頼。また、今後の対応に活かすため、保育施設における虐待等の不適切な保育の実態や、通報等があった場合の市 町村等における対応や体制についての全国的な実態調査を令和4年12月27日から開始。⇒(1)自治体等調査(国立大学法人/都道府県/市町村)、(2)園調査。→調査開始令和4年12月27日〜令和5年2月3日 回答締め切り ◎資料4−3 保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針(案)につい て →令和4年6月に公布された「児童福祉法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第66号)により、児童生徒性暴力等を 行った保育士について、登録取消しや再登録の制限などの資格管理の厳格化に関する規定を整備。 ※ 資格管理の厳格化に関する改正法の規定は令和5年4月1日施行。データベースに係る規定は公布の日(令和4年6月15日)から起算 して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行。 • 改正法を踏まえ、都道府県において資格管理の厳格化に関する運用が適切に実施されるよう基本的な考え方等を示すと ともに、保育士による児童生徒性暴力等の防止及び早期発見並びに児童生徒性暴力等への対処に関する施策を総合的か つ効果的に推進するために基本指針を策定する。(令和4年度内に局長通知として発出予定) ○(参考)わいせつ行為を行った保育士に対する資格管理の厳格化 見直し内容→「改正事項」「保育士(児童福祉法)(現行)」「教員(教育職員免許法等)」「保育士(児童福祉法)(見直し内容)」⇒最後項目児童福祉法で直されています。 ○保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針(案)の概要 第 1 保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な方針 1 本指針の目的等→「児童福祉法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第66号。以下「改正法」)により、児童福祉法を改正し、児童生徒性暴力等を行った保育士について、登録取消しや再登録の制限などの資格管理の厳格化に関 する規定が整備されることとなったことを踏まえ、都道府県において資格管理の厳格化に関する運用が適切に実施されるよう基本的な考え 方等を示すとともに、保育士による児童生徒性暴力等の防止及び早期発見並びに児童生徒性暴力等への対処(以下「児童生徒性暴力等の防止等」という。)に関する施策を総合的かつ効果的に推進するために本指針を策定する。 2 児童生徒性暴力等の定義→児童生徒性暴力等は、教育職員性暴力等防止法第2条第3項に規定する児童生徒性暴力等をいう(法第18条の19第1項第3号)。 3 国、都道府県、市町村、任命権者等、保育所等の役割 (国の役割)→厚生労働省においては、改正法の趣旨を踏まえ、保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を総合的に策定し、実施する。 (都道府県の役割)→都道府県は、改正法の趣旨を踏まえ、保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策について、国と協力しつつ、その地域の状況に応じた 施策を策定し、実施する。また、保育士の資格管理の実施主体として、児童生徒性暴力等を行ったと認められる保育士について必要な措置を講ずる。 (市町村の役割)→市町村は、改正法の趣旨を踏まえ、都道府県や保育所等の関係者との連携を図りつつ、保育の実施主体として、保育士による児童生徒性暴 力等の防止等のために必要な措置を講ずる。 (任命権者等の役割)→ 保育士を任命し、又は雇用する者(以下「任命権者等」という。)は、保育士を任命し、又は雇用しようとするときは、データベースを活 用するとともに、任命又は雇用する保育士について、当該保育士が児童生徒性暴力等を行ったと思料するときは、速やかにその旨を都道府県 知事に報告する。 (保育所等の役割)→保育所等は、改正法の趣旨を踏まえ、関係者との連携を図りつつ、保育所等における保育士による児童生徒性暴力等の防止等に取り組むと ともに、当該保育所等に在籍する児童が保育士による児童生徒性暴力等を受けたと思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する。 第 2 保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策の内容に関する事項 1 児童生徒性暴力等の防止に関する施策 (1)保育士に対する啓発→厚生労働省⇒全ての保育士が法の内容を理解し、児童生徒性暴力等の防止等に向けて適切に対応することができるよう、児童生徒性暴 力等の特徴や法及び基本指針により求められる措置等について周知を図るとともに、都道府県、児童生徒性暴力等の防止等に係る専門家と連携し、 保育士に対し、児童の人権、特性等に関する理解及び児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めるための研修及び啓発の充実を図る。 都道府県、市町村⇒保育士による児童生徒性暴力等の防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるよう、保育士の研修及 び啓発の充実を図る。 保育所等⇒全ての保育士の共通理解を図るため、外部専門家を活用したり、ロールプレイ形式・ディベート形式を導入したりするなど の効果的な研修の工夫を図りつつ、保育士による児童生徒性暴力等の問題に関する園内研修や保育の振り返りなど様々な機会を捉えて実施するなど 取組の充実を図る。 (2)保育士養成課程を履修する学生への理解促進→保育現場において児童に対する児童生徒性暴力等を未然に防止していくため、指定保育士養成施設は、保育士養成課程を履修する学生に対して例えば以下の科目等を通じた指導や、保育実習の事前指導等の授業において、児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深 めるための取組を行うこととする。 (3)児童及び保護者に対する啓発→ 厚生労働省、都道府県、市町村、保育所等においては、児童の尊厳を保持するため、児童及び保護者に対して、何人からも児童生徒性暴 力等により自己の身体を侵害されることはあってはならないことについて周知啓発に努める。また、児童に対して、職員等による児童生徒 性暴力等により自己の身体を侵害されることがあってはならないこと並びに被害を受けた児童に対して保護及び支援が行われること等につ いて周知啓発に努める。 2 保育士による児童生徒性暴力等の早期発見及び児童生徒性暴力等への対処に関する施策 (1) 早期発見のための措置及び相談体制の整備 (早期発見のための措置)→保育士による児童生徒性暴力等の早期発見のため、市町村及び保育所等⇒保護者や保育士に対する定期的なアンケート調査や相談の実施等により被害を把握するための体制を整えるとともに、地域、家庭と連携して児童を見守ることが必要。 (相談体制の整備)→都道府県は、保育士による児童生徒性暴力等に関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備等に必要な措置を講ずる。 (2) 保育士による児童生徒性暴力等の事実があると思われるときの措置 (基本的な考え方)→都道府県は、児童や保護者からの相談などにより、保育士による児童生徒性暴力等の事実があると思われるときは、被害児童の負担に十 分に留意しつつ、関係機関との間で情報共有を図り、迅速に事案に対処するとともに、被害児童やその保護者に対して、必要な保護・支援 を行う必要がある。 (任命権者等による都道府県への報告)→任命権者等は、その任命又は雇用する保育士による児童生徒性暴力等の事実があると思料するときは、速やかにその旨を都道府県知事に 報告しなければならない。この報告は虚偽又は過失によるものを除き、守秘義務の規定に抵触するものと解してはならない(法第18条の 20の3)。 (都道府県による事実確認のための調査)→都道府県は、任命権者等からの報告等により、保育士による児童生徒性暴力等の事実があると思われるときは、任命権者等や市町村等と 連携し、被害児童の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しつつ、また、被害児童やその保護者の負担 に配慮しながら、当該事実の有無の確認を行うための調査(質問や報告徴求等)を行うことが求められる。 (事実確認等の実施)→事実関係の明確化に当たっては、被害児童や保護者等から聴き取りを行うことが考えられる。都道府県が調査を行うに当たり、特に自ら 被害を訴えることが困難な児童本人への聴取にあたっては、適切な支援と配慮を行う必要がある。 (都道府県間の連携)→任命権者等から、法第18条の20の3に基づき報告を受けた都道府県知事は、当該報告に係る保育士の登録先が他の都道府県である場合、 登録先の都道府県知事にその旨を通知するものとする。 (その他の事実確認等に関する留意事項)→ 保育士による児童生徒性暴力等に関する事実確認は、個々の事案の具体的な内容に基づいて行われるものであり、抽象的、一般的な基準に 従って判断されるべきものではないが、例えば、以下のような点を踏まえて事実確認・事実関係の明確化を行うことが考えられる。⇒ ・児童生徒性暴力等により懲戒免職・懲戒解雇されたこと(懲戒処分の判断を行う原因となった事実の確認)。 ・本人への聴取の結果、児童生徒性暴力等を行ったことを認めたこと。 ・医療、心理、福祉及び法律に関する専門的な知識を有する者など第三者の意見の聴取。 ・裁判所の判決記録(刑事又は民事の裁判記録)の活用 (児童と保育士の接触回避等)→ 任命権者等は、法第18条の20の3に規定する都道府県への報告の前においても、保育士による児童生徒性暴力等を受けたと思われる児童と 当該保育士との接触を避ける等当該児童の保護に必要な措置を講ずる必要がある。例えば、各保育所等において、当該保育士を担任から外し たり、児童と接触しない事務作業に従事させるなど、児童への影響が生じないようにすることが考えられる。 (保育所等に在籍する児童の保護及び支援等)→ 都道府県、市町村及び保育所等は、医療、心理、福祉及び法律に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、被害児童の保護やその保 護者への支援を継続的に行うとともに、被害児童と同じ保育所等に在籍する児童やその保護者に対する必要な心理的支援等を行う必要がある。 (保育所等において児童と接する業務に従事する者による児童生徒性暴力等の防止等)→保育士以外の保育所等において児童と接する業務(当該施設等の管理下におけるものに限る。)に従事する者による児童生徒性暴力等(当 該施設等の児童に対するものに限る。)についても、早期発見のためのアンケートの対象にすることや、児童生徒性暴力等を受けたと思われ る児童との接触を回避するなど、保育士に準じた取扱いとする。 (3) 保育士登録の取消し (改正法による規定)→ 改正法により、児童生徒性暴力等を行ったと認められる場合について、保育士登録を取り消さなければならない事由に追加する改正を行っている。 保育士による児童生徒性暴力等は決して許されないことであり、改正法の趣旨を踏まえ、こうした非違行為があった場合には、保育士登録の取消 しについて、適正かつ厳格な実施を図る必要がある。 (留意事項)→ 保育士登録の取消しは不利益処分に該当することから、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条に基づく聴聞が必要となる。 3 保育士の任命又は雇用に関する施策 (1)データベースの整備等→ 国は、児童生徒性暴力等を行ったことにより保育士登録を取り消された者及びこれら以外の者のうち保育士登録を受けた日以後に児童生徒性暴力 等を行っていたことが判明した者(以下「特定登録取消者」という。)の氏名及び特定登録取消者の登録の取消しの事由等に関する情報に係るデー タベースを、施行期日(公布の日(令和4年6月15日)から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日)までに整備する(法第18条の 20の4、附則第1条)。 任命権者等が、保育士を任命し、又は雇用しようとするときに、個人情報の取扱いやセキュリティの確保を含め、データベースが適切かつ有効に 管理及び活用されるよう、国は、都道府県の協力も得ながら、具体的な運用マニュアルの作成及び周知徹底等の必要な措置を講ずる。 都道府県は、当該都道府県において登録を行った者が特定登録取消者に該当するに至ったときは、法第18条の20の4第1 項で規定する特定登録取 消者に関する情報をデータベースに迅速に記録するものとする(法第18条の20の4第2項)。 (2)保育士を任命又は雇用しようとするときの取組 →保育士を任命又は雇用しようとする者は、保育士を任命し、又は雇用しようとするときは、国のデータベースを活用するものとする(法第18条 の20の4第3項)。 データベースの活用は保育士を任命し、又は雇用しようとする全ての任命権者等に義務付けられているものであり、任命又は雇用を希望する者が 特定登録取消者に該当することがデータベースの活用等により判明した場合、その情報を端緒として、採用面接等を通じて本人に経歴等より詳細な 確認を行ったり、本人の同意を得た上で過去の勤務先に事実関係の確認を行うなど、法の趣旨にのっとり、十分に慎重に、適切な任命又は雇用の判 断を行う必要がある。 4 特定登録取消者に対する保育士の再登録に関する施策 (1) 特定登録取消者に対する保育士の再登録 (改正法による規定)→ 改正法により、刑事裁判で所定の罪の罰金又は禁錮以上の刑に処せられた保育士の登録に係る欠格期間は、同じく児童と接する教員の場 合と同様、以下のように規定。⇒ ・禁錮以上の刑に処せられた場合は無期限 ・法の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であって政令で定めるものにより罰金の刑に処せられた場合や登録取消し等による場合は3年。 特定登録取消者⇒その者の行った児童生徒性暴力等の内容等を踏まえ、当該特定登録取消者の改善更生の状況その他その後の事情により 再び保育士の登録を行うのが適当であると認められる場合に限り、再び保育士の登録を行うことができることとする(法第18条の20の2第1項)。 (再登録審査の基本的な考え方)→ 再登録審査の基本的な趣旨は、児童生徒性暴力等を行ったことにより登録取消し等となった保育士が、保育の現場に戻ってくるという事態はあっ てはならないということであり、再登録の審査に当たって、都道府県は、都道府県児童福祉審議会の意見を踏まえ、加害行為の重大性、本 人の更生度合い、被害児童及びその関係者の心情等に照らして、総合的に判断することが求められる。 (再登録が不適当と考えられる例)→上記の再登録審査の基本的な考え方を踏まえると、例えば、以下のような者に対し再登録することは、基本的に不適当であると考えられる。⇒過去に行った児童生徒性暴力等に高い悪質性が認められる者。加害行為の再犯防止のために一定の条件を要する者(例えば、医師による治療・服薬指導等を継続する場合に限り加害行為の再犯が見込まれない等)→保育士登録の取消期間中を含め、長期間に渡り児童と接しない職業等において加害行為を犯さなかったとしても、保育士として復職することにより 児童と接することが契機(トリガー)となって、再び児童生徒性暴力等を行う可能性が排除できない者。過去、特定登録取消者となった後に再登録を拒否され、その時から審査内容に関して大きな状況変化がない者 ・自己申告内容の重要な部分に明らかな虚偽が認められる者 等 。 (留意事項)→ 申請者や都道府県が被害児童及びその関係者に接し、当時の事案を想起させてしまうことで、被害児童等が再び心情を害するなどの二次的被害に つながることがないよう、再登録申請・審査に関する過程において、申請者や都道府県による被害児童等への接触は原則として行わないよう配慮す ることが望ましい。 (2)都道府県児童福祉審議会の意見聴取→ 都道府県による特定登録取消者に対する保育士資格の再登録を行うに当たって、あらかじめ都道府県児童福祉審議会に意見を聴かなければならな い(法第18条の20の2第2項)。 ◎資料4−4 保育所等における使用済みおむつの処分について →調査の結果、多くの自治体がここ数年の間に使用済みおむつの処分を保育所で行うよう方針を示し ていることを踏まえ、以下の周知を行い、自治体の取組を後押しする。(令和5年1月23日事務連絡) @ 保育士や保護者の負担軽減にもつながることから、保育所等において使用済みおむつの処分を 行うことを推奨 A 保育所等における保管スペースの確保や衛生面の管理が課題となる場合等には、保育環境改 善等事業(感染症対策のための改修整備等事業)でおむつの保管用のゴミ箱の購入等が可能で あること B 使用済みおむつの処分の方針にかかわらず、保育所等においては、引き続き便の状態や回数等 を保護者へ伝える等、こどもの健康状態等の共有に配慮をお願いしたいこと 次回も続き「資料5 社会保障審議会児童部会放課後対策に関する専門委員会の議論状況について」からです。 |