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社会保障審議会生活保護基準部会報告書 [2022年12月15日(Thu)]
社会保障審議会生活保護基準部会報告書(令和4年12月9日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29666.html
◎生活扶助基準の検証は、一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか否かを見極めるため、消費実態に係る統計調査データ等を用いて、専門的かつ客観的に実施する必要があるとされています。↓

T はじめに⇒ 生活保護制度⇒国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障する最後のセ ーフティネットの役割を果たす社会保障制度、最低限度の生活保障を具 体化するものが生活保護基準。 生活保護の基準⇒生活保護法に基づき厚生労働大臣が定める、このうち、生活扶助基準⇒昭和 59 年度以降、一般国 民の消費実態との均衡上妥当な水準を維持するよう設定されている(水準均衡 方式)。 平成 16 年の「生活保護制度の在り方に関する専門 委員会」による提言を受け、平成 19 年以降、消費実態に係る統計調査のデータ 等を用いて定期的に検証が実施されてきた。 生活保護基準部会(「本部会」)は、生活保護基準の定期的な評価・検証について審議する専門の部会として平成 23 年2月から社会保障審議会の下に設置され、生活扶助基準について、一般低所得世帯の消費実態との均衡 が適切に図られているか否かを見極めるため、専門的かつ客観的に検証を実施 することとしている。 5年に1度実施される全国家計構造調査(旧 全国消費実態調査)の 2019 年 調査の結果が取りまとまったことを受け、令和4年は、同調査のデータ等を用 いて生活扶助基準の検証を実施する時期に当たる。 このため、令和3年4月から令和4年 12 月まで、本部会を 14 回開催し、平 成 29 年 12 月 14 日付の本部会報告書(「平成 29 年報告書」)にお いて検討課題とされた事項や生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する 検討会(「基準検討会」)における「これまでの議論を踏まえた検 討課題と論点整理」(令和3年3月2日。以下「論点整理」という。)を踏まえ つつ、下記 a)〜c)の検証等に関する議論を重ねてきた。 a) 生活扶助基準の水準等の妥当性の検証 b) 生活保護基準の体系に関する検証 c) 過去の生活保護基準見直しの影響分析
・令和4年度における検証作業として、上記 c)の影響分析を行った上で、今 般、a)に関する検証結果を取りまとめたので報告。また、上記 b) に関しては、生活保護基準における級地区分の検証を行い、令和3年9月に分 析結果をまとめたので、本報告書は当該分析結果のまとめを改めて掲載。 国民の最低生活保障の水準を決定するという生活保護基準の重要性にかんが み、その評価及び検証を行う本部会の議論について広く国民に共有されること を期待する。

U 過去の生活保護基準見直しによる影響分析
(1)平成 30 年度以降に実施された生活保護基準見直しの概要
(2)検証方法
(3)検証結果@ 生活扶助基準見直しによる基準額の変化の状況⇒平成 30 年 10 月以降の生活扶助基準(生活扶助本体及び加算)の見直し による基準額の変化の状況は、以下のとおり→高齢者世帯⇒約 35%の世帯が増額、約 65%の世帯が減額となり、 増減率「マイナス4%以上マイナス3%未満」であった世帯が約3割を占めた。 母子世帯⇒減額となった世帯は2割未満であり、8割以上の世帯 が増額となり、増減率「プラス5%以上」の世帯が3割強を占めた。 傷病者・障害者世帯⇒約4割の世帯が増額、約6割の世帯が減額 となり、増減率「マイナス4%以上マイナス3%未満」の世帯が約4分の1を占めた。その他の世帯⇒約4割の世帯が増額、約6割の世帯が減額とな り、増減率「マイナス4%以上マイナス3%未満」の世帯が約4割を占めた。 A 生活扶助基準見直しによって金銭給付がなくなる世帯の推計→@の見直しにより最低生活費が収入充当額を下回ることによって金銭給付がなくなる世帯の規模を推計したところ、全体では 0.18%程度、高齢者 世帯では 0.23%程度、母子世帯では 0.03%程度、傷病者・障害者世帯では 0.08%程度、その他の世帯では 0.21%程度であった。 B 生活保護受給世帯の収支の状況及び一般世帯の消費支出の状況→平成 29 年度から令和元年度にかけての生活保護受給世帯の消費支出の状 況の確認を行ったが、生活保護受給世帯における消費支出⇒様々な要因により変化するものであることから、必ずしも生活保護基準の 見直しによる変化を示すものではなく、また、集計結果には一定程度の誤 差が生じることもあり、平成 30 年 10 月以降の生活保護基準の見直しによる家計への影響を明確に確認することはできなかった。 C 生活保護受給世帯と一般世帯の社会的必需項目の不足状況→平成 22 年、平成 28 年及び令和元年における生活保護受給世帯の社会的 必需項目について世帯類型毎に確認を行ったが、生活保護受給世帯における社会的必需項目の不足状況は、様々な要因により変化するものであるこ とから、必ずしも生活保護基準の見直しによる変化を示すものではなく、 また、世帯類型によっては、集計世帯数が限られることから、相当程度の 幅をもって数字を評価する必要があり、平成 30 年 10 月以降の生活保護基 準の見直しによる影響を明確に確認することは難しいところがあった。D 保護の開始・停止・廃止世帯数の推移→平成 24 年度から令和2年度までの保護の開始・停止・廃止の状況を確認 したが、これまでの生活保護基準の見直しによる影響を評価するまでには 至らなかった。 E 教育扶助及び高等学校等就学費に係る基準額の変化の状況→平成 30 年 10 月以降の教育扶助及び高等学校等就学費の見直しでは、教 育扶助の基準額が小学生について 390 円の増額、中学生について 810 円の 増額、高等学校等就学費の基準額が 150 円の減額となっており、小学生・ 中学生・高校生の子どもの人数が1人の世帯では約7割の世帯が増額、2人の世帯では約9割の世帯が増額、3人の世帯では約 10 割の世帯が増額と なった。 F 学習支援費の支給状況等→令和2年度末現在の教育扶助、高等学校等就学費の受給人員数に対する 学習支援費の受給実人数の割合は、小学生が 2.6%、中学生が 18.7%、高 校生等が 16.2%であった。 また、学習支援費の支給状況⇒1回当たりの支給額の平均額 は小学生で 4,993 円、中学生で 8,711 円、高校生等で1万 1,637 円となっており、平成 30 年 10 月の見直し前の月額水準を超える頻度がおおむね2 回に1回であった。 福祉事務所における学習支援費の実際の運用状況について確認したところ、⇒生活保護受給世帯への学習支援費に関する事前の案内(周知)について は、行っている福祉事務所が 86%。 学習支援費を支給する際の生活保護受給世帯からの物品等の購入前の相 談の頻度⇒約3割の福祉事務所が「ほとんどない」、約2割が「10 件中1〜2件」と回答した一方、約1割が「10 件中半数」、約1割 が「全部」と回答。 学習支援費の支給のうち事前給付により支給した頻度⇒6割 弱の福祉事務所が「ほとんどない」、2割弱が「10 件中1〜2件」、残りの2割程度がそれ以外の回答となった。 生活保護受給世帯から、事前給付ではなく、精算給付の方法で申し出が あった要因として考えられるものは、「事前に必要額を把握する ことが困難」、「物品が高額ではなく事前に見積りを入手する手間をかけない」という回答が、それぞれ約7割の福祉事務所からあった。

V 生活扶助基準の水準等の妥当性の検証→現行の生活扶助基準⇒一般国民の消費実態との均衡上の妥当な水 準を維持する「水準均衡方式」の考え方により設定されていることから、生活 扶助基準の水準に関する評価・検証に当たっては、一般低所得世帯の消費実態 との均衡が適切に図られているかという観点から検証を行うことが基本。

V−1 2019 年全国家計構造調査の取扱い
(1)生活扶助相当支出品目
(2)標本規模
(3)調査対象期間→ @ 検討課題 A 確認結果
V−2 生活扶助基準の水準の検証
(1)検証方法→基準設定の基軸とされる「標準世帯」が 33 歳、29 歳、4歳の3人世帯であることを踏まえ、これまでも夫 婦子1人世帯をモデル世帯として消費実態との比較検証を実施、引き続き夫婦子1人世帯をモデル世帯として検証を行うこと とした。
(2)確認する指標
(3)固定的経費の算出方法→ @ 固定的経費の判定を行う支出項目の単位 A 固定的経費の判定方法 B 固定的経費・変動的経費の判定結果
(4)検証結果→平成 29 年検証時に参照した集団と比較して、⇒消費支出額は 7.7%増加し、年収階級第3・五分位対比では 72.0%から 84.5%に上昇。固定的経費割合は、58.6%から 54.3%に低下。年間可処分所得は12.8%増加し、夫婦子1人世帯の中央値対比でも 49.8%から 51.3%に上昇 、状況が概ね改善していることが見込まれる。
V−3 生活扶助基準の較差の検証 →(1)検証方法(2)消費実態の較差の算出方法 
(3)消費較差指数の算出結果の確認
V−4 新型コロナウイルス感染症による影響等→今回、2019 年全国家計構造調査を用いて生活扶助基準の検証を行ったが、 当該調査の実施時点以降、新型コロナウイルス感染症による影響等で社会経 済情勢が変化している可能性があったことから、より直近の生活扶助基準の 評価に資するよう、月次の消費動向を把握できる家計調査により、令和元年 以降の消費動向の確認を行った。 その結果→令和元年以降、令和3年にかけて、夫婦子1人世帯の年 収階級第1・十分位及び第1・五分位における生活扶助相当支出額は、新型 コロナウイルス感染症の影響等もあって減少していることを確認した。 費目別→「食料」が増加する一方で「交通・通信」が減少に寄与するなど、消費行動に変化があったものとみられるが、新型コロナウイルス感染症 の影響による減少は、一時的なものである可能性に留意する必要がある。 特に、交際費やこづかい(使途不明)等の減少は、一時的なものである可能性が高いとの指摘があった。 さらに、足下では、新型コロナウイルス感染症による影響等だけでなく、 物価が上昇していることにより消費の実態が変化していると考えられること にも留意が必要。 令和元年以降の新型コロナウイルス感染症による影響や足下の物価上昇等を含むこうした社会経済情勢の変化→2019 年全国家計構造調査による検証結果に、令和3年にかけての動向を確認した家計調査等の経済指標により機械的な調整を加えて消費実態との均衡を評価することは難しいと考えられるが、足下の実態を捉えるにあたって考慮しなければならない重要な 事項である。

V−5 新たな検証手法に関する検討
(1)検討事項
→「MIS手法による最低生活費の試算」及び「主観的最低 生活費の試算」(「調査研究)について、調査研究結果が、必ずしも基準額の設定の直接的な根拠となり得るものではないことに 留意しつつも、消費実態に基づく検証結果との関係において、補完的な参 考資料として、どのように参照することが可能かの検討を行った。 また、消費実態だけでなく生活の質も踏まえた検証を行う観点から、基準検討会における論点整理も踏まえ、生活保護世帯における生活の質の面 からみた生活実態・意識の分析を行った。
(2)各調査研究における試算結果の参照方法の検討→ @ 各調査研究における試算結果
A 試算結果の評価→各調査研究の試算結果は、いずれも一般市民が最低生活費について判断した結果をまとめたものとなるが、一般世帯の平均的な消費支 出額以上の水準となる試算結果も見られることから、一般市民が考える 「最低限の生活」が、平均的な人並みの生活を思い描くものとなってい ないか留意する必要があるとの指摘があった。 最低生活費を考えるに当たっては、費目によっては、必要な単位で積 み上げるべきものもあるという意見があった一方、生活扶助本体は、生活の費用全体を扶助し、支出する費目の選択の自由を認めているので、 費目別に水準を見る前提で検証を行うのは望ましくないのではないかという意見があった。 このほか、MIS手法⇒その内容から一般市民が何を最低 生活のために必要としているかを捉えることにつながるという意見や、 主観的最低生活費⇒K調査とT調査のそれぞれによる試算結 果と基準額を世帯類型ごとに比較をすることで、基準が不足している可 能性を探ることにつながるという意見があった。 B 検討結果→今回、各調査研究の報告を受け、その試算結果の参照方法について検 討を行ったが、様々な意見があり、部会として結論を得るには至らなかった。  一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準の水準を捉えていると、 比較する消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念がある ことから、消費実態との比較によらない手法によって、その下支えとな る水準を明らかにする取組は重要である。 一方、一般国民の消費実態との相対的な関係によらず社会的な最低生 活の水準を規定しようとすると、各調査研究の結果を含めて様々な定義 が考えられることから、国民の理解が得られるかという課題もある。 こうした絶対的貧困の概念は、探索的な部分があり、現時点では、そ れにより多くの人の納得を得て、貧困水準を規定するというところまで は至っていないと考えられる。 最低生活費の水準を議論するに当たっては、引き続き一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているかという観点から検証を行う ことを基本としつつも、消費実態に基づく手法以外に、理論的根拠に基 づいた、複雑ではない生活扶助基準の検証方法を開発することについ て、今後も議論を重ねていくことが重要である。
(3)生活の質の面からみた生活実態・意識の分析→消費実態だけでなく生活の質も踏まえた検証を行う観点から、「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」等を用いて、生活保護受給世帯及び一 般世帯の生活実態・意識について分析を行った。 具体的には、「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」において調査 された社会的必需項目にあたる下記の 13 項目について、生活保護受給世帯 と一般世帯(全世帯)の不足状況の比較を行った。
生活保護受給世帯は、一般世帯と比較して、社会的必需項目が不足している割合が高く、特に、「急な出費への対応」ができない、金銭的な余裕がないために「親族の冠婚葬祭への出席」ができない、「生命保険等の加入」 ができないと回答した割合が高かった。 このほか、世帯類型によっては、「1年に1回以上の新しい下着の購入」 はしていない、金銭的な余裕がないために「毎日のたんぱく質の摂取」、 「1日1回以上の野菜の摂取」はしていないと回答した割合なども、生活保護受給世帯の方が一般世帯より高い部分がみられた。 また、同程度の収入階級における生活保護受給世帯と一般世帯を比較した場合でも、生活保護受給世帯の方が一般世帯よりも社会的必需項目が不足している結果となった。 このような差がみられた要因のうちには、例えば、⇒「急な出費への対応」や「親族の冠婚葬祭への出席」に関しては、生活保 護受給世帯は預貯金等が少ない状況にあること、 「生命保険等の加入」に関しては、生活保護受給世帯は貯蓄性の高い保険 への加入が認められていないこと などの影響も考えられる。 最低生活費の水準を議論するに当たっては、社会的必需項目の不足割合 を定量的に費用の水準として評価することは難しいものの、生活保護受給 世帯が平均的な一般世帯と比べて、社会的活動を行う上での制約がある可能性について留意する必要がある。

V−6 生活扶助基準の水準等の妥当性の検証結果の総括及び留意点
(1)検証結果の総括
→ 生活扶助基準の消費水準との比較検証にあたって参照する夫婦子1人世 帯の年収階級第1・十分位の状況は、平成 29 年検証時に参照した集団と比 較して概ね改善していると見込まれる状況であった。こうした中で、夫婦子1人世帯における生活扶助相当支出額は、生活扶助基準額を2%程度上 回る結果となった。 新たな検証手法に関する検討⇒今回、各調査研究の報告を受 け、その試算結果の参照方法について検討を行ったが、様々な意見があり、部会として結論を得るには至らなかった。消費実態との比較によらない手法⇒下支えとなる水準を明らかにしていくために今後も議 論を重ねていくことが重要。
(2)検証結果を踏まえる上での留意点 → 厚生労働省において、今回の検証結果を踏まえて、具体的な基準の見直 しを検討する際には、検証作業に用いた集計結果等を機械的に適用するのではなく、各検証結果に係る留意点を十分に踏まえて対応するよう強く求めるものである。 特に、生活保護を受給する個々の世帯の生活に急激な変化を生じさせな いように十分配慮することが必要。 較差検証の結果⇒各集計値の統計的な信頼性に照らして慎重 に受け止める必要があり、検証結果を踏まえて基準較差の見直しを行うに 当たっては、集計結果を反映することが基本となるとしても、急激な変化 に配慮した対応が考えられる。また、世帯類型や地域によって消費実態が低い水準となっている場合には、下限となるべき水準についても配慮する必要がある。 とりわけ、75 歳以上の高齢単身世帯や高齢夫婦世帯では、検証作業に用 いた集計結果等から機械的に算出した低所得世帯の生活扶助相当の消費水 準が年収階級第3・五分位の消費水準対比で6割未満となり、他の世帯類 型と比べて低い水準となっていることには留意する必要がある。 このほか、第2類の費用の級地間較差に関しては、必ずしも上位級地が 下位級地よりも高くない状況であるため、これを機械的に反映した場合に は、これまでの制度と矛盾が生じることにも留意が必要。
○世帯類型別の低所得世帯の生活扶助相当の消費水準(中位所得対比)あり。

W 生活保護基準における級地区分の検証
(1)検証の背景
(2)地域の生活水準を示す指標
(3)級地の階級数
(4)各市町村の級地区分
(5)分析結果のまとめ(令和3年9月 21 日)
X 今後の検証等に関する意見
(1)生活保護基準の検証作業に関する意見
→昭和 40 年度の格差縮小方式の導入以前にまで遡れば、収入階級第1・十 分位ではない所得階層における消費の動向に着目していた時期もあり、年収 階級第1・十分位が生活扶助基準と比較する一般低所得世帯として相応しい 所得階層であるかについては、その都度確認する必要があるとの意見があっ た。 生活水準が維持されているかについては、生活の質の観点から、社会的剥 奪状況として必需品項目の不足の状況を確認することも重要であるという意 見があった。また、こうした生活実態及び生活意識の分析をより精緻に実施 していくことが必要であるとの意見もあった。 このほか、生存水準に関わる観点として、栄養摂取基準などからみて最低 生活が満たされる水準となっているか確認する必要があるとの意見もあっ た。 最低生活費の水準を議論するに当たっては、引き続き一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているかという観点から検証を行うことが基 本となる。 一方で、高齢者の消費実態については、年金制度の動向に影響を受けることに留意しなければならないとする意見もある中で、年収階級第1・十分位 という一般低所得世帯の消費実態との均衡のみにより生活保護基準の水準を 捉えていると、比較する消費水準が低下する場合に絶対的な水準を割ってし まう懸念があることから、その下支えとなる水準を明らかにする取組は重要である。このため、消費実態との比較によらない手法について、5年後に改めて生活扶助基準の検証が行われることを見据えつつ、より精緻化する作業 を行っていく必要がある。 また、こうした作業を行うための議論の場を設けるべきとの意見があっ た。
本部会では、生活扶助基準の定期的な検証を行うことを基本としつつ、過 去、平成 26 年には住宅扶助基準等の検証、平成 29 年には母子加算、児童養育加算等の検証も実施したところであり、今回の検証作業は、生活 扶助基準の定期的な検証のほかに級地区分の検証を行った。 今後、他の扶助や加算の基準について検証を行う際には、各扶助等により 賄うべき需要に対応するための費用を捉える観点からデータの収集及び整理 を適切に行っていく必要がある。
(2)その他の意見→ 今回、過去の生活保護基準の見直しの影響の分析の中で、 「被保護者調査」⇒学習支援費の支給実績が把握できないことや 保護廃止の理由が明らかでない部分が多いこと。「社会保障生計調査」及び「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」⇒サンプルサイズの小さい世帯類型が生じてしまうこと などのデータ上の制約があったことから、調査項目や標本の抽出方法など、 各調査の改善に向けた課題があるとの意見があった。 また、過去の生活保護基準の見直しの影響の分析に係る議論とは異なる が、「被保護者調査」における保護開始の理由の「貯金等の減少・喪失」の背景が明らかになることが望ましいとの意見もあった。   今回の検証作業においてまとめられた学習支援費の支給実績や対応状況等 についての福祉事務所からの報告を踏まえると、生活保護受給世帯への事前 周知も含めて、福祉事務所の支援体制が不十分である可能性がある。 学習支援費の更なる活用を図るため、福祉事務所から学習支援費の支給対 象世帯に対して制度の活用に向けた周知が適切に行われるよう改めて徹底す るとともに、支給対象となり得る子育て世帯等に対する制度の事前の周知・ 広報にも積極的に取り組んでいくことも必要である。 なお、学習支援費について、周知徹底によっても適切な支給が行えない場 合には、支給方法の変更も含めて検討することも必要であるとの意見もあっ た。

<参考1> MIS 手法による最低生活費の試算に関する調査研究事業について
<参考2> 主観的最低生活費の試算に関する調査研究事業について
<参考3> 本部会資料 URL ↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126702.html

次回は新たに「第6回「障害児通所支援に関する検討会(オンライン開催)」資料」からです。
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