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第18回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年08月25日(Thu)]
第18回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年8月10日)
《議事》(1)居住支援のあり方について (2)支援を担う体制づくり及び人材育成等について (3)生活保護業務の効果的・効率的実施及び不正受給対策について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27349.html
◎資料7 委員提出資料
◎千葉県における 生活困窮者支援のネットワークづくり
千葉県生活困窮者自立支援実務者ネットワーク(ちこネット)会長
     市川市生活サポートセンターそら・主任相談支援員   朝比奈ミカ
○千葉県生活困窮者自立支援実務者ネットワーク→設立・平成28年10月26日。本制度の理念の実現に向け、支援者が孤立せずいきいきと業務に取り組めるようにするととも に、生活困窮者へのより良い支援と地域づくりにつなげる。会費あり。
1.ちこネット設立の経過
→制度施行前、H27年度、H28年度までの経過あり。
2.ちこネットの活動→主な活動 ⇒「運営委員会(定例:第3月曜日18時〜20時)」「実務者ミーティング(年2回)」「人材育成(県の研修への協力 企画&講師&ファシリテーター)」「広報・情報提供(ちこネットニュース・メールによる情報配信)」「関係機関との連携(会議への出席,協働事業等)」
・実務者ミーティング→ 年2回開催⇒基調講演は生困事業の方向性を学ぶ回と 時流や先進的な課題を取り上げる回とを 交互に。 会員の関心の高いテーマを分科会設定。
・初任者研修(県独自)・従事者研修(後期研修)
・広報・情報提供 ちこネットニュースの発行
・関係機関との連携→日頃からの様々な機関・団体と連携を図っているほか、以下(8団体あり)は、 要請を受けてちこネットとして外部会議に委員を選出・推薦しているもの。 生活困窮の県内の代表的な団体として認知されている。

3.コロナ禍のちこネット右矢印1実務者ミーティングの中止など,ちこネットの活動にも様々な制約が。
・中核センター連絡協議会、弁護士会と協力して、外国人の相談者に対 応するため、住居確保給付金の説明資料や申請書の翻訳版(5か国語)を 作成。会員に配付。
・オンラインミーティングの開催。 →現場の状況や悩みを共有。

4.成果と課題↓
○成果 ↓
1.支援者を支える場や仕組みができたこと ⇒支援者どうしの共感と支援ノウハウの共有、現場の質(意欲、スキル)の維持と向上→「実務者ミーティングや研修の開催」「課題に応じた部会の設置(就労準備と家計改善は設置済)」「顔の見える関係づくりと日常的な情報交換」「台風被害やコロナ禍などの危機的状況へのバックアップ」「自分や自分の地域の実践の「現在地/強みと弱み/目指したい取り組み」を知る 」。
2.広域の他団体との協働がしやすい ⇒市町村域を超えた広域の重層的なネットワークの構築へ。様々な人や団体が繋がりあい、それぞれの強みを発揮できる 教育、司法、労働、居住などの様々な分野とのつながり


○ちこネットの活動と性質→階層(1・1.5・2階層あり)、 性質、 具体的活動内容、参照。

○課題 ↓
1.自治体による制度理解の温度差に対する働きかけ
2.組織運営のあり方の模索→「職場によるネットワーク活動への理解の違い」「現場のリアル」を反映させるための機能的で 柔軟な組織のあり方」「従事者自身が必要性を感じて参加するネットワーク であり続けるために」




◎地域における救護施設を軸とした重層的支援のプラットフォーム構築を目指して
社会福祉法人 みなと寮  理事長 大西豊美
1.はじめに
「地域共生社会の実現に向けて 〜救護施設の取り組み〜」
救護施設は、現在全国で180余施設設置されている少数種別施設。この施設は、憲法第25条および生活保護法に拠り、国民の生活を守り自立を助長する役割を担う重要なセーフティネット施設と位置付けられている。 救護施設に関わる私たちは、このことに加えて、そうした役割を担う救護施設こそが、誰一人取り残さない地域共生社会の実現に向けて、生活困窮者自立支援制度等のさまざまな制度、関連する多機関、およびインフォーマルな資源等を活用し重層的な支援を行う上で、地域の核となり得る施設であると自認している。 救護施設は、これまでもそうした取り組みを行ってきた実績がある。平成28年の社会福祉法改正で、社会福祉法人の責務として「地域における公益的な取組」が明文化されたが、救護施設の種別団体である全国救護施設協議会は、それを遡る平成25年から「救護施設として取 り組むべき生活困窮者支援の行動指針」を打ち出し、全国津々浦々で地域に密着した社会貢献活動を展開している。
私たちが目指してきたのは、政策に重ねて言えば「地域共生社会の実現」である。

2.法人、施設の概要
社会福祉法人みなと寮は、財団法人大阪港湾荷役改善協会の事業を引き継ぎ、昭和27年に 大阪府から「更生施設みなと寮」の運営委託を受けたのが始まり。以来、今日まで70年 にわたり、保護施設と高齢者施設の運営を軸に、生活困窮者、高齢者の他、広く地域の人々の 福祉の向上を目指し、制度の枠組みを越えて取り組んできた法人である。
現在は、4つの救護施設、3つの特別養護老人ホームが、デイサービスセンター、地域包括支援センター、地域の社会福祉協議会との連合体で設置・運営する「生活困窮者自立相談支援事業」等と緊密に連携しながら、地域の福祉ニーズに密接に対応。また、4 つの救護施設はそれぞれの地域で「福祉総合相談窓口」を設置し、地域のさまざまな生活課題の解決支援に取り組んでいる。
救護施設千里寮は、それまで大阪市が市外の吹田市に設置運営していた救護施設を、当法人 が平成13年に引き継いだもの。この翌年、新施設を建築・移転し現在に至っている。 もともと、千里寮の事業は当時大阪市内に溢れていたホームレス対策の意味合いが強かった。 しかし、その後、施策や地域の福祉ニーズの変化により、地域移行・地域定着支援を求める声が 高まったことを受けて、保護施設通所事業、救護施設居宅生活訓練事業を順次展開していった。 これに加えて、近年では「地域における公益的な取組」の一環として、地域の生活困窮者の就労支援や住宅確保要配慮者に対する居住支援にも精力的に取り組んでいる。また、救護施設 千里寮では、吹田市社会福祉協議会とのJVで運営している生活困窮者自立相談支援事業や、当法人が設置した救護施設利用までには至らない要保護者のための日常生活支援住居施設の運営を、全面的にバックアップする体制も敷いている。 このように、現在の救護施設千里寮は、単に救護施設利用者の生活を守り自立を助長する役 割に留まらず、幅広く地域の福祉ニーズを捉え、さまざまな支援を提供することを通じて地域 社会に貢献することを目指している。 この中で、地域共生社会の実現に向けて救護施設の機能を活用できることのひとつは就労 支援と居住支援であると思う。そこで、次に救護施設千里寮が取り組む就労支援と居住支援に ついて報告したい。

3.就労支援
救護施設での自立支援は「日常生活自立支援」「社会生活自立支援」及び「経済的自立支援」の三つに大別できる。 日常生活自立支援は、日常生活動作で自立できていないところを介助等の支援をしながら、 可能な限り利用者の自立を目指すもの。社会生活自立支援は、日中活動等を通じて時間やルールを守る習慣を身につけ、他者と協調し円滑にコミュニケーションをとれるよう に支援するもの。この2つは、長年にわたるひきこもり生活等により、日常生活のリズム を崩し、規律ある生活ができなくなった生活困窮者が、その状態から脱却し就労を目指す就労 準備支援事業にそのまま応用できる。 救護施設千里寮では、近隣のマンションの一角を借り上げ、平成28年8月から吹田市のプロポーザル事業として、就労準備支援事業の委託を受け実施。目標は被支援者を認定就労訓練(中間的就労)あるいは一般就労に結び付けること。⇒令和4年3 月末までに70名が参加し、内21名が就職、3名が認定就労訓練へ移行。 これに続く経済的自立支援⇒誰にでもできる簡単な内職作業的なことから始め、トイレ、 床などの共用部分の清掃等へとすすみ、さらに一般就労を目指すよう働きかけている。 こうした訓練を行う上で、福祉施設の日常業務は作業の宝庫である。これらを利用者の適性と目的に合わせて切り出すことにより様々な訓練を行っている。
次に、認定訓練事業について紹介⇒非雇用型と雇用型の2種類がある。このうち、非雇用型 は、賃金、食事、交通費は支給しないことになっているが、利用者の参加に向けたインセンティブを高めるため、社会貢献の一環として施設でこれらの費用を負担し、支給。 この事業は、平成27年6月から開始し、令和4年3月末までに32名が参加。この内21名が就職、3名が別の支援機関へ移行、4名が療養のため中止となっている。 就労支援メニューは、施設内外の共用部分の清掃、寝具の準備、ビジネスマナーの習得、千里 ファーム(畑)での農作業、ボランティア活動など。なお、農作業とボランティア活動は、 就労準備支援と就労訓練および保護施設通所事業合同でそれぞれ週1回ずつ実施している。 千里ファームでは地域の子供会と合同で「親子農業体験教室」を実施し、季節の野菜を収穫 する機会を提供。参加者からは「和やかなひとときを親子で満喫できた」と好評をいただいている。 さらに、ボランティア活動として、定例の地域清掃以外に地元自治会から要請を受けて、地域内の児童公園8カ所の草刈り、清掃作業を実施。地元小学校の通学路の植栽の 手入れも行っている。

4.居住支援
少し前まで、救護施設には「終の棲家」的な側面が色濃く残っていた。しかし、現在では循環 型施設として入所者の地域移行を活発にすすめるようになっている
。 利用者の地域移行に際しては、まず安住できる住居を確保しなければならない。そのために、 多くの救護施設では地元の信頼できる優良な不動産事業者と連携し、利用者の希望・要望に少 しでも沿える物件探しに尽力している。このことは、とりもなおさず救護施設が地域の住宅確保要配慮者に対する居住支援事業にすぐに応用できるノウハウをすでに備えているということでもある。 社会福祉法人みなと寮もこうしたノウハウを活かして、平成29年10月に「新たな住宅セー フティーネット制度」が創設されるや、いちはやく登録申請し、翌年2月には居住支援法人として大阪府から認定を受けた。 これを受けて、救護施設千里寮が拠点となり住居確保要援護者 のサポートを開始。 支援内容は、入居前相談から始まり、不動産店舗・対象物件見学同行、契約手続き補助、引 っ越しサポート、そして入居後安定するまでの定期訪問や健康、生活、困り事の相談支援など。これらの支援は、もちろん無償。 この事業の、平成30年4月スタートから令和4年3月までの期間における相談者数は、男性 107名、女性116名で、実際に入居まで支援した数は、男性19件、女性18件、延べ支援回数 は男・女合わせて1, 427回。 なお、この居住支援事業⇒国の後押しもあり、各自治体で居住支援協議会を設立する動きがあるものの、要になる事務局を担う法人が見つからず前に進んでいないのが現状。 このことは、救護施設千里寮が所在する吹田市でも同様の状態。現在、地元の社会福 祉協議会をはじめとして、他の社会福祉法人、不動産関連団体等と連携を図り、当施設が事務 局機能を担うことでなんとか居住支援協議会が設立できないか、模索しているところである。

5.地域における救護施設を軸とした重層的支援のプラットフォーム構築を目指して
上記3.4.で述べた事業を含む救護施設千里寮の現時点での取り組み、そして近い将来の あり方を「地域共生社会の実現」「重層的支援の実施」をキーワードに俯瞰すると図のようになる。 図「地域における救護施設を軸とした重層的支援のプラットフォーム構築を目指して」は、最後のセーフティネット施設である救護施設千里寮が地域共生社会のボトムラインをプラットフ ォームとして支えながら、右側の「地域で住まうこと」と、左側の「地域で働くこと」の双方で、自立に向かう鍵となる事業を展開している状態を示している。救護施設千里寮が展開する事業 を活用・通過して、自立した居住や就労へと移っていくイメージである。 まず図の中心は、もちろん「地域住民」である。その中に生活しづらさを感じている人(生活 困窮者)が含まれている。 生活困窮者は、福祉事務所や救護施設千里寮が設置している総合相談窓口に現状を相談。相談に訪れることが無い人には、民生児童委員等を含む地域の多職種多機関の連携や、施 設が独自にアウトリーチすることによってその存在を把握し必要なアプローチを行うことになる。そのために、専任の地域移行定着支援員と居住支援専門員を配置している。 相談を受けた結果、生活保護法での対応が必要な場合は福祉事務所が支援を行うことにな る。そのうち、救護施設千里寮の利用が適当とされた方は入所措置になる。 救護施設千里寮の入所者については、本人の状態を施設がアセスメントし、個別支援計画を 作成する。個別支援計画は本人の同意を得て支援に移される。この際、現在は必要に応じて福 祉事務所とも個別支援計画の内容を共有している。今後は、利用者の同意を得る前(計画案の 段階で)に福祉事務所と方針や支援内容を協議する必要も出てくると思う。 施設では、個別支援計画に基づいて支援を実施し、それについてモニタリングと必要なタイ ミングでアセスメントを行いながら自立に向けた支援を続ける。アセスメントの結果、地域移行 が見込まれる段階になったら救護施設居宅生活訓練事業を利用して、地域生活に向けたアセ スメントと具体的なトレーニングを行う。 退所する際は、まず生活の拠点を地域に移し、そこで安定して暮らすことができるようになってから、段階的に就労に向けて動くケースがほとんど。 退所時は、地域のアパート等で単身生活を始めるが、日中は保護施設通所事業を利用して日 常生活全般の支援を継続する場合が多い。この時、万一地域生活で心身の調子を崩した場合 (例 不眠など生活リズムの乱れ、精神科薬の断薬など)は、一時入所事業で安定を取り戻した 上で地域生活を再開する等の支援も行う。 地域生活が安定してきたらハローワーク等に同行する等して就職を支援し、就業後は就労支援を行う。初期の支援目標を達成したら、次の支援機関にリファーして支援を終了する。
地域には救護施設千里寮の利用にはならない方で、支援が必要な方もいる。 まず、生活困窮者自立支援制度を利用する方は、生活困窮者自立相談支援で相談支援や就労支援を受けることになる。ここで就労準備支援事業、認定就労訓練事業の利用が必要とさ れ本人が希望された場合に向けて、救護施設千里寮ではそれらの事業を行っている。提供して いる業務は本人の特性、希望等によりさまざま。これらの事業を経て一般企業・事業所 への就業に結びつける。 一方で、住居確保と生活の維持に支援が必要な方もいる。救護施設千里寮では住居確保に 支援が必要な方に向けて住居確保要配慮者居住支援法人が支援を提供。低廉 な住居で一定の生活支援が必要な方に向けては、日常生活支援住居施設での支援が行えるようになっている。この日常生活支援住居施設では、個別支援計画に基づいた支援を提供。 当地大阪で特筆すべきは「大阪しあわせネットワーク」である。大阪しあわせネットワークは、 大阪府内の社会福祉法人・社会福祉施設が、それぞれの施設種別の特性や強みを活かして、総合生活相談と緊急・窮迫した生活困窮状況に対して現物給付による迅速な支援を行う「生活困窮者レスキュー事業」や、社会福祉法人が有する機能(福祉専門職員や福祉施設の活用など)を 活かし、社会参加・生きがい支援、居場所づくり、中間的就労、障害者等の就労支援、子育て支 援、困窮世帯の児童に対する学習支援など、様々な地域貢献事業を行っている。このうち、生活困窮者レスキュー事業では、今日・明日食べるものがない、電気・ガスが止まってしまった、 失業、介護、障がい、虐待や DV など、様々な”生活 SOS”に対応して各種制度やサービスにつ ないで生活の安定をはかるとともに、緊急を要する場合は、食材の提供など経済的援助(現物 給付)を行っている。地域のニーズをこの事業に繋げるのも救護施設千里寮の役目である。 この他、救護施設千里寮では、地域の行政機関、社会福祉協議会、地域包括支援センター、障 がい者自立相談支援センター等と連携して、ニーズの把握と支援の提供を行っている。 目下の課題は、自分自身では生活しづらさを感じていないが実際には課題を抱えている方 をどのように把握し支援につなげるかである。ニーズの把握方法やネットワークのあり方につ いて実践から得られた知見を活かして考えたいと思っている。

○図〜地域における救護施設を軸とした重層的支援のプラットフォーム構築を目指して
(地域共生社会の実現に向けた救護施設千里寮の取り組みの概念図)

次回も続き「資料7 委員提出資料」からです。

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