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第18回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年08月24日(Wed)]
第18回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年8月10日)
《議事》(1)居住支援のあり方について (2)支援を担う体制づくり及び人材育成等について (3)生活保護業務の効果的・効率的実施及び不正受給対策について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27349.html
◎資料6 前嶋参考人提出資料
救護施設における個別支援計画の 作成状況について
社会福祉法人みなと寮 救護施設 こうせいみなと  施設長  前 嶋 弘
○この報告について
→救護施設は、わが国におけるセーフティネット施設です。 障害のある人(障害を重複して持つ人を含む)、依存症の人、ホー ムレスの人など、多様で複合的な課題を持つ人で、他法施設を利用 できなかったさまざまな方が利用されています。 こうした、多様なニーズを持つ方の日常生活を支え「自立」を支援 する時、鍵になるのが「個別支援計画」です。救護施設では個別支 援計画を作成し、これに基づいた支援を行っています。 この報告では、まず、救護施設における個別支援計画の作成状況を 報告し、続いてその結果見えてきた課題と将来の可能性についてお 話させていただきます。
○はじめに 〜憲法および法律にみる救護施設〜→「憲法第25条」「生活保護法第1条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に 対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その 自立を助長することを目的とする。」「同第38条 保護施設の種類は、左の通りとする。 一 救護施設 (中略) 2 救護施設は、身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者 を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設とする。」

○はじめに 〜救護施設利用者の状況〜→「男性64% ・女性36%」「65歳以上53%、その他」「精神障害41%・その他」「入所前の状況→精神病院37%、在宅27%、その他あり」
○はじめに 〜救護施設の機能強化に向けての指針〜→図1「多制度との連携による地域生活支援」 参照。
○はじめに 〜救護施設が取り組む生活困窮者支援の行動指針〜→「救護施設として組む生活困窮者支援に係る事業−整理表−」参照。
○はじめに 〜救護施設個別支援計画書について〜
@「救護施設個別支援計画書」 全国救護施設協議会発行
初版(第1次案) 平成15年6月発行
第2版(完成版) 平成17年12月発行
第3版(改訂版) 平成19年発行
第4版(全救協版) 令和元年5月発行
A趣旨 「救護施設における利用者の意向を尊重した支援を行うために」
Bその後の地域生活移行支援や「自立」に対する社会の要請の高まりを受けて改訂を重ねる。
C多様な利用者に対応するためにオーダーメイドの計画が必要。
D今回は、救護施設から地域へ移行するための個別支援計画の作成状況と課題について報告。
(1)全国救護施設協議会(=全救協)について
  @会員施設…全国181施設(入所者1万6千人強)。
Aそのほぼすべてで個別支援計画が作成され、これに基づいて支援が行われている。
B9割以上の施設で全救協が発行した救護施設個別支援計画の様式を使用(一部改造を含む)。
C今回は、全救協版「救護施設個別支援計画書」の様式を例にとって報告。


(2)個別支援計画書について
@救護施設では、個別支援計画を作成し、これに基づいて支援を行っている。
A個別支援計画の様式→ 1 基本情報 2 利用者の希望・要望 3 アセスメント 4 ニーズ整理表 5 支援計画 6 モニタリング記録表 7 支援計画に具体化されなかったニーズ 8 同意書
【法律の趣旨と総合的支援目標の関係】→「現状」⇒「入所支援」⇒「移行支援:可能な限り元の地域に 戻れるよう支えます」⇒「定着支援:地域へ戻ってからも 支え続けます」「本人が描く 未来の姿:「以前に住んでいた街で、 物づくりの仕事をして暮らしたい」」

(3)利用者の希望・要望を尊重する
@救護施設の個別支援計画は、「2 利用者の希望・要望」で伺った希望・要望を最大限尊重する。
A基本的には、利用者の希望・要望=”総合的支援目標”。
B利用者のデマンド(=要求)とニーズ(=必要)を分けて捉える。
Cデマンドとニーズが一致しない場合は、デマンドをニーズに変換する作業を行う。
D実際には、さらに利用者の希望・要望を深掘りして、将来実現したい暮らしを聞き取る。 誘導的にならないように気をつける。
Eデマンドを切り離して聞き取るのが救護施設個別支援計画書の特徴
「救護施設を利用される方にできるだけ寄り添いたい」という気持ちの現れ  
「利用者に個別支援計画をご自身のものだと感じてほしい」

(4)多様な利用者に対応できるようICFの視点を取り入れている
ICF→「International Classification of Functioning, Disability and Health」の頭文字を取ったもの。日本語では「国際生活機能分類」と訳されます。「人が生きていく上での障壁をその人の個性や周りの環境との関わりを考えた上で、体系立てて分類した、世界共通の分類指標」→「人間の生活機能と障害についての分類法」。 そして「障害」とは、心身機能だけでなく、コミュニケーションを取ることが難しい、周囲のサポートがない、仕事をすることができない環境なども適用されます。

(5)個別支援計画はバックキャスティングで作成される
・多様な利用者に対応するために↓
バックキャスティング(Back casting)→ 目標実現(未来像)から見て現在何ができるか
フォアキャスティング(for casting) →現状から何をするのか

(6)福祉事務所との連携の実態
@個別支援計画作成の初段階で、福祉事務所が設定した当面の支援目標を確認。福祉事務所の判断を踏まえて救護施設が希望・要望を聞き取り、アセスメントを行って、支援計画を作成するという 流れ。
A一方、救護施設から福祉事務所への情報や意思の還流は、ケースワーカーと施設の職員で個別に行われている状態。必ずしもシステマティックにはなっておらず、その確立が課題。
B救護施設、福祉事務所間の連携は、利用者支援のためにぜひ必要なこと。安定して行うためには 制度化も必要か。

(7)通所事業の地域枠の柔軟な対応(拡充)により、地域の生活保護受給者への支援が可能となる
@地域の生活保護受給者の中には「一定の支援があれば地域生活を継続できる方」が存在。
Aこのうち、比較的軽度の方は、地域住民の支援と生活困窮者自立支援制度の多機関連携で対応可能。
B一方で、「手は放すけれども、目は放さない」レベルの支援が必要な方は、保護施設通所事業を活用 することで地域生活が維持できるのではないか。
Cしかし、これを行うにも、保護施設通所事業のいわゆる地域枠が埋まっている状態。
D保護施設通所事業の運用を柔軟にして、福祉事務所と救護施設が個別支援計画に基づいた支援を連携 して行えるようにしてはどうか。
Eこのためには個別支援計画書の様式を若干変更する必要がある。

(8)救護施設は、地域の生活保護受給者等への経済的自立支援も可能である
@個別支援計画で、「経済的自立支援」が支援目標として設定される場合がある。
Aこれを受けて、救護施設では、就業に向けた相談支援を行っている。具体的には↓
・就業に向けた相談、ハローワークへの同行、生活困窮者自立支援制度の相談窓口への取り次ぎ等
・実際の就職活動の支援として、履歴書の作成について助言、面接試験の訓練等。
・さらに、採用試験当日に着用する洋服や靴などの貸し出しなども行っている。
B今のところ、対象はほとんど保護施設通所事業の利用者(利用を終了した方にも)。
C今後は、地域の生活保護受給者等の方にも同様の支援を行うことが可能。

(9)現場の職員の力量を向上させる研修が必要
@利用者や地域の生活保護受給者の自立を助長するには、個別支援計画とそれに基づい
た支援が必要。
A個別支援計画は、利用者本位であること、法律・制度の趣旨、それぞれの組織の理念
や支援方針を 踏まえて作成する。
B実際に個別支援計画を作成し支援を行う現場の職員の力量を向上させる研修が必要。

(10)スーパービジョンの実施で「自立」に向けた個別支援をさらに効果的に行える
@よりよい個別支援計画の作成と支援の実施には、それを担う職員に向けたスーパービ
ジョンが必要。  
A現実に起こるさまざまな課題から職員を支える仕組みとしてもスーパービジョンは重
要な役割。
Bスーパーバイザーの養成、配置によって、「自立」に向けた個別支援をさらに効果的に
行えるので はないか。
・救護施設における利用者支援の流れ

11)救護施設の取り組みの評価と支援のお願い
@救護施設の自主的な取り組み
・救護施設はほとんどの施設で個別支援計画を作成し、これに基づいた支援を行ってる。
・このことによって、救護施設で行われている支援はエビデンスに基づいたものになっている。
・支援計画の作成手順も標準化が図られている。
A救護施設を活用したよりよい居住支援の取り組みを進めるために考えられること
・福祉事務所と救護施設の連携の仕組みを制度化する。
・これに向けて個別支援計画の様式を検討しより深く連携が図られるようにする。
・保護施設通所事業の運用を柔軟化する。
・個別支援計画の作成研修を実施する。
・スーパーバイザーを養成し配置する。
・保護施設通所事業の拡充による相談・訪問回数の増加などを踏まえた職員の配置加算を行う

次回も続き「資料7 委員提出資料」からです。

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