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第6回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」 [2022年08月03日(Wed)]
第6回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」(令和4年7月26日)
《議題》(1)精神障害の労災認定の基準について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27020.html
◎【資料1】第6回における論点
(業務による心理的負荷の考え方について)
1 業務による心理的負荷評価表の検討

(1)業務による心理的負荷評価表のうち「特別な出来事」に関する部分について、現在の医学的知見等に照らして、どのように考えるか。→評価表の「心理的負荷が極度のもの」について、現在の医学的知見等に照らしても 引き続き妥当なものと考えてよいか。 なお、極度の長時間労働⇒具体的出来事における労働時間に関する「強」「中」「弱」の具体例等と合わせて検討してはどうか。
(2)特別な出来事以外に関して、各具体的出来事の総合評価における共通事項、留意事項として、どのような事項を示すことが適当か。→ 総合評価に当たって留意すべき事項について、現行の評価表において「総合評価における共通事項」として示されている事項や、医学的知見の状況、これまでの検討会の議論等を踏まえ、示すべき事項を検討してはどうか。→なお、恒常的長時間労働⇒具体的出来事における労働時間に関する 「強」「中」「弱」の具体例等と合わせて検討してはどうか。

2 心理的負荷の評価期間 業務による心理的負荷の評価期間について、現在の医学的知見等に照らし て、どのように考えるか。→対象疾病の発病前おおむね6か月の間に生じた心理的負荷を評価対象としているこ とについて、現在の医学的知見等に照らして妥当と考えられるか。 評価期間に関連する現行の留意事項について、現在の医学的知見等に照らして妥当 と考えられるか。他に留意すべき事項があるか。

○認定基準の検証に係る具体的な論点(たたき台)
1 業務による心理的負荷評価表の検討
2 心理的負荷の評価期間
○別紙 (総合評価における留意事項)(たたき台)→6事項あり。職場のルールに基づいて一般的に行われている行為(賃金の決定や人事評価等)は原則 として強い心理的負荷を生じさせる出来事とは評価されないが、当該行為が個人を対象に特別の不合理、不適切な対応として行われた場合には、強い心理的負荷と評価され得る。


◎【資料2】論点に関する医学的知見
(全体に関するもの)

1.ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 新訂版
F4 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害
F43 重度ストレスへの反応及び適応障害→F43.0 急性ストレス反応(急性危機反応 、ストレスへの急性反応、 戦闘疲労、危機状態 心理的ショック)。F43.1 外傷後ストレス障害(外傷神経症)。 F43.2 適応障害((異)文化ショック<カルチャーショック> 悲嘆反応 小児<児童>のホスピタリズム<施設症>)
2.DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き
7心的外傷及びストレス因関連障害群→心的外傷後捨てレス障害(フラッシュバック、またはイベントが再び起こっているように感じる。睡眠障害や悪夢。孤独を感じる。怒りの爆発。心配、罪悪感、悲しみを感じる)。急性ストレス障害。適応障害。

(業務による心理的負荷評価表の検討に関するもの)
3.ストレス学ハンドブック

(評価機関に関するもの)
4. Antonia Bifulco、Spence Ruth  Life Events and Emotional Disorder Revisited
5. Barbano et al. Clinical implications of the proposed ICD-11 PTSD diagnostic criteria
6. Kate L. Harkness : Life events and hassles. In Risk factors in depression, edited by Keith S. Dobson and David J.A. Dozois, Elsevier Inc. : p317-341 (2008) ライフイベント法による調査期間について
7.日本産業精神保健学会 令和2年度ストレス調査に係る調査報告書


◎【資料3】第5回検討会の議論の概要
○第5回の「2年度ストレス調査による調査事項一覧(関連する調査項目)」参照。↓
000958044.pdf (mhlw.go.jp)

(出来事の類型1「事故や災害の体験」)→ 現行で括弧づけが3個あり、今回、新たに4個括弧づけが増えると7個になる。全体の項目数が、37が27に減り、27項目中7個が括弧づけになる。この 括弧をつけるかどうかだが、強度Vとは、「重度の」という修飾語がついている場合の強度であることを明確にしたほうがいいと思う。前回、「(重度の) 病気やケガ」には括弧がある一方、「重大な事故」等の項目には括弧はついて おらず、強度はVになっていたので、あまり一貫性がなかったかなと思うが、 改訂をするならば、一貫した形にしておいたほうがいいと思う。 括弧にしておかないと当てはめにくい等の事情があるのだろうと思うが、 括弧がなくても別に類推になるわけではないと思う。それを当てはめて中・ 弱に変更するというだけのことだと思う。括弧をつけないほうがすっきりす るか思うが、当てはめは括弧があったほうがしやすい等の事情があれば、そのことをきちんと統一して了解しておく必要。 「重度の」等の括弧を(括弧の中の記載も含めて)省くと、例えば病気やけ がをしたという単発になるが、病気やけがをしたということだけを取ると平 均的な強度としては、非常に低くなる。Vという最も高い強度にするとなる と、何か評価が必要かと思う。 評価表には具体例を入れるので、その中で弱・中・強が分かるのではない か。具体例を書けば、「重度の」、「重要な」等の修飾語はなくてもいいかと 思うが、「重度の病気をした」に意味を持たせるのだったら、括弧づけなり、 括弧なしで「重要な」という言葉をつけないといけないと思う。「病気をした」 ならば、病気の程度、経過で、強弱をつけられるだろう。 括弧の中の記載も含めて削るということではなく、括弧だけを削るかどう かということであれば、括弧がなくてもVになるので括弧は要らないかなと 思う。 認定基準を実際の事例に適用するときに、軽度な出来事があった場合、都 度これを使ってIにする、「弱」にするのは抵抗があるから括弧をつけている と解釈していた。総合評価、具体例のところで説明して、軽度なものもスムー ズにIとかUをつけられるようにすれば、V基準の「重度の」を括弧なしで示 してもいいのかもしれない。調査のときは、さらに注意書きとして、括弧をな くし、「重度の病気やけがをした」という形にし、「2か月以上の入院をする」 といった注意書きをしておいたらいいと思う。それでも、このような結果であるし、Vと明確にするのであれば、「重度の」というのを括弧なしにすべき かもしれない。 括弧について、それぞれの申請者に対して結果を伝える場合に説明が必要 だということで、その意味での括弧づけということだと思うが、実際納得し てもらえる形が取りやすいとか事情があると思うので、そこも含めて検討し てもらえればいいと思う。ただ、この字面だけ見ると、括弧なしが平均的強度 に該当するので、ないほうがすっきりするとは思う。 括弧のあるなしに関しては、実務上の観点からも事務局で検討していただ きたい。
(出来事の類型2「仕事の失敗、過重な責任の発生等」)→項目8の「達成困難なノルマが課された」はそのまま踏襲される表現にな っているのが、本人が達成困難だと思って訴えても、達成している人もいる のではないかというようなことを会社側が主張する例もあり、そうした人が いると、達成困難ではなかったのではないかという議論を持ち込ませてしま うので、「達成不可能なノルマが課された」というような表現を用い、およそ 現実的ではないようなノルマを課したことに対して、本人がどうストレスを 感じたかという評価にしたほうがいいと思う。しかし、ここはほかの意見が あってもおかしくないなと思うので、必ずしも強い意見ではない。 項目14について、会社では、上司や担当者の不在等により予定された範囲を 超えた業務という表現になっているが、予定された範囲を超えた業務という と、量の話をしており、類型3の仕事の量の話になるため、上司や担当者の不 在等によって仕事の質が変わってしまうというようなことであれば、上司や 担当者の不在等により担当外のもしくは想定外の業務を行った、責任を負っ たというような形にしてみてはいかがか。 項目8の「達成不可能な」という文言について、不可能か困難かというの は、主観的なところもあり、「不可能」にしてしまうと、UでなくVに近いイ メージになると思うので、「困難」がいいかと思う。また、項目14については、 品田先生と同意見である。項目10について、項目15に吸収されない独立した 出来事として、存続させるということだが、新規事業、大型プロジェクトは確 かに項目15とは独立した出来事として扱えるが、単純なシステム導入という と、現在、通常業務の中にシステムの変更が日常的にあり、これを含めてUと いうのは少し不適切という思いがあり、このシステムの表現についても、新 規事業や大型プロジェクトでシステムが新たに変わるので、システムという 言葉自体が、広く扱われないように、システムの前に、大型のシステム変更、 新規のシステム導入等の形で、Uに相当するような記載ぶりにできるといいのではないか。会社での新しい変化は、大体システムが何らかの形で変わる わけなので、項目15とあえて離して独立してというのであれば、個人的には、 システム導入はなしで、新規事業、大型プロジェクトだけでもいいのかなと 考える。システムを入れる場合は、大きな、新規の等の修飾語をつける形で、 項目15番で評価するものとは質的に違うことを明確にしたほうがいいと思う。 ノルマについて、項目8、9を一つにまとめるのであれば、「達成困難」に とどめておいたほうがいいと思う。「達成不可能」とするのであれば以前のよ うに、達成不可能なノルマ、ノルマに対応した達成できなかったという、2項 目にしないと、評価も変わってくるので難しいかなと思う。ここは一つにし た方がまとまりがいいと思うので、「達成困難」で始めて、「対応した」「達 成できなかった」で終わるという、一連の形でまとめられたら使いやすいか 思う。 皆さんがいいと言うのであれば、「達成困難」でよい。項目8と9と一緒にするならば、「達成困難なノルマ」でそれが課された、 できなかったかということで、一つにまとめてもいいかと思う。 新規事業のところだが、「新規事業、大型プロジェクト、システム導入」と すれば、大型プロジェクト、それのシステムの導入という形に取られるかな と思うので、「・」で並列にして、大型プロジェクトとシステム導入を一緒に すればどうか。
(出来事の類型3「仕事の量・質」)→ 項目18について、「仕事のペース」は項目15に近く、残業時間等に重なる部 分なので、要らないかと思う。逆に、ストレスモデルとして有名なDemandControl Modelなどでは、裁量権がストレスに大きな影響を与えることが示さ れているので、ここでは、仕事のペース以外に裁量権に関して追加してはど うか。 具体的には、勤務形態、裁量権、仕事、作業環境等の変化という形が いいと思う。仕事のペースが必要かどうかについては、また、検討いただけれ ばと思う。 裁量権を入れるとなると、分かりづらくないか。 裁量度でもいいと思う。 項目16と17に、括弧書きが用いられているが、こちらの括弧書きの「など」 という言葉の使い方に疑問がある。前に出てきた項目4は、ほかにも平均的強度として評価されることの例があるという、まさに「など」だが、16、17は、 平均的強度であるUに該当するための最低基準を括弧書きで示しているので はないか。そうすると、項目1や3と同じように、「など」は要らないのでは ないか。(1か月に80時間以上)だけを括弧書きにする。あるいは、(2週間 以上にわたる)だけでよいのではないか。 項目15に、6、13、23、26という内容を盛り込むことで、仕事内容の変化と いうのが非常に重要だというところに集約されてくるのは、少し散逸をして いた情報が取り込まれる形になってよかったのではないかなという印象を持 っている。 項目15と16、17は測定の仕方が異なっていて、16、17は数値がある程度出し やくすく、評価をしやすいような項目なので、このままでいいと思う。特に17 は、今まで休日の評価について明確に言葉が少なかったようなところに、「休 日がない労働」と明確に出る形であるので、連続勤務で休日がないことが非 常に負担になるということが明確になってよい。 項目18は、「勤務形態の変化」の中に、少し具体的な例示を盛り込むのがよ いかと思う。勤務形態の多様化が進む中で、非常に苦労して働いて精神の障 害になっている方がいるので、18のところに18、19を混ぜる形では、働く場所 のこと、時間的な拘束の程度というか、そのような勤務形態についての事例 などが入ってくると、より重要なポイントになると思う。 項目17について、現行は、12日間連続勤務ということで「中」程度だが、今 回のたたき台は、休日はないということが入ったので2週間ということにな り、明確化された。 項目18について、出向したり、あるいは職場でいろいろな形態で働いている 人もいるので、工夫すると、認定する側としては分かりやすい。
(出来事の類型4「役割・地位の変化等」)→先ほど「出向」という御発言があったが、項目21の「転勤・配置転換」は「等」 が入ってないので、ここに「出向」もしくは「等」を入れる必要はあるのかと 思う。 項目25「自分の昇格・昇進等の労働条件の変更」は、通常、昇格・昇進を労 働条件とは言わないので、「身分・立場の変更」に変えたほうがよい。 項目28は、非正規雇用を捉えることは悪いとは言わないが、契約期間が満 了するのは必ずしも非正規雇用の人だけではないので、ここは非正規雇用に 限らず、当該事業場での雇用期間の期限・満了が迫ったと包括的に捉える形 にしたほうがいいのではないか。 項目24については、非正規社員であるということを特化して書くことは分 かりにくいが、「業務に関連し、不利益な処遇等を受けた」では、包括条項のように受けとめられる可能性もあると思う。ここでは、一体何を捉えてこの 不利益な処遇等を受けたことに対してストレス要因と考えるのか。その前提 となる理由がどうしても必要なのではないか。例えば、雇用上の身分や立場 もしくは個性、特性といったようなことを理由として差別もしくは不利益な 処遇を受けたというような形にすべきかと考える。この点の表現方法はもう 少し考える必要があるが、例えば、人種、性別、さらには性的指向等において 不利益な取扱いが行われることに対する基準だと考えるべきだ。 項目24については、「非正規」という言葉を取った都合上、広くなり過ぎて いて、それこそ括弧をつけて、逆に例示的な何か事例を示したりしたほうが いいのかなと思うし、そもそも「不利益な処遇」は、備考欄に、「会社とのト ラブルについても本項目で評価する」と書かれているのであると、対人関係 のほうに整理したほうがいいという気もする。 項目25の「労働条件の変更」もちょっと広きにし過ぎているのかなと思わ れ、表現方法を変更したほうがよい。 項目24は随分広く、少し認定しにくいかと考えるところがある。
(出来事の類型5「パワーハラスメント」・6「対人関係」・7「セクシュア ルハラスメント」、追加項目)→ 団体からの意見書の中に、性的指向や性自認に係るハラスメントを評価項 目に加えるべきだとの要望があり、これは対応すべき事柄であると思う。追 加項目のカスタマーハラスメントについては、社会的にも問題として認知さ れるようになってきていることで、項目を追加することには賛成だが、本項 目の顧客や取引先からの迷惑行為の中に著しく不当な要求が入っており、項 目11や12の顧客や取引先からの無理な要求とこれをどう区別するのかという のが難しいように思う。 また、類型として、対人関係に入れることが提案されているが、項目11や12 が、仕事の失敗、過重な責任等に分類されていることとのバランスが取れて いるのかという点に違和感を抱いた。ただ、パワーハラスメントという文言 から、嫌がらせに近い対人関係のトラブルだということで対人関係に入れる ということでも一応説明はつくのかと思う。 項目11とハラスメント、対人関係のところに関しては、顧客とか、施設など でもかなりの暴力を振るわれる等の事例もあるので、ここは別個でもいいよ うに思う。 カスタマーハラスメントについては、対人関係のところに入れておくといいかと思う。実態として、顧客との関係で迷惑行為を受けたり、実務の中で数 字や経験が、ある意味で、案外、商取引だけでないところでもあるので、これ を入れておくと、注意喚起になるし、対人関係に入れるのがよいと思う。 項目29に関して、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等」となっている ので、いわゆるパワーハラスメントの6類型全て入ると読めるものになって おり、十分と思うが、現状の具体例などを見ると、いわゆる過小な要求のよう なものが明示はされておらず、そのような例もあったほうがより親切かと思 うので、具体例の段階で何か入れられるとより分かりやすいと考える。  仕事を与えないような事例も臨床上は結構ある一方で、調査がなかなか難 しいということがある。 対人関係にカスタマーハラスメントを入れることについては賛成だが、項 目の11や12との違いが分かりづらいと思うので、その差異を書き込んだ方が いいと思う。例えば、迷惑行為の中に、不当な要求というのも対人関係のとこ ろに入ってくるとなると、項目11とか12で読み込んでいる顧客からのクレー ム等ともかなりかぶってくると思うので、どちらで読んでもいいという見方 もあるのかもしれないが、かなり重複するところもあるのかなと考えている。 性的指向の問題等も配慮すべきと思う。項目24にこだわって検討すべきと いう主張になってしまうが、必ずしも性的指向の問題等がパワハラや同僚か らのいじめという形で問題になるわけではなく、例えばトイレの使用をどう するのかといった、労働環境の配慮不足がストレスになることも考えられる。 さらに、外国人労働者が多くなってきている現在、通訳がいないなど、配慮が なされないことがストレスとなるような場合も考えられる。項目24の書きぶ りは、もう少し視座を広くする方向で検討していく必要があると思う。 上司、同僚、部下とのトラブルがIRT分析でVになっている。実際の調査に おいては、パワーハラスメント6類型も含めて同様の質問を何度もしたが、 上司、同僚、部下とのトラブルとパワハラとは同じ回答分布になっていて、事 務局が書いてあるような形で、実際同じようなイメージで回答されたのでは と考えているので、提案のとおりの評価でいいのではないか。 対人関係の問題の中では、上司が替わると職場の人間関係に変化があったというところは、ストレスチェック等の所見を見ても、相当精神健康に影響 を与えている項目なので、人間関係の変化としてはIでいいか疑問であるの で御検討いただきたい。35に、職場の人間関係に変化があったという新しい 項目がつくられているが、この心理的な負荷がIでいいのかということである。 調査では、上司が替わったというところでの質問だが、まさにIでも低く、 IRT分析もまさにIに該当するような結果であったので、質問票の表現とは変 わっているがIでよいのではないか。
(出来事が複数ある場合の全体評価)→ 基本的には、内部的につながりのある「中」が幾つかある場合には、それを 総合して検討するということが必要だと思う。それから、類型の違う出来事 が「中」で起こってきたときには、複数の出来事の近接性等を考慮して、その 影響の強さを考えているのが現状だ。 慣れ、馴化ということも一つ要素として判断の中に含めていることもある かと思う。 関連している出来事、関連してない出来事、しかし、その近接性によって非 常にダメージが大きくなるとか、これは本当に事例によって違うので、ケー ス・バイ・ケースで検討していくということになるしかないという気もする。 複数の「中」によって66件「強」となったという例は、私の経験からは衝撃 的で、現実にそんなことがたくさん起こるかという点に驚いている。複数の 「中」を総合的に「強」にするという理由は、不幸にして様々な出来事が労働 者を悩ます結果になったという場合に起こることであり、どれも全く別々の 事象で起こったことが、全体として当該労働者を悩ませたということにより、「強」と考えられるという評価に至るもの。 逆に言えば、関連して生じたものについて、仮に時間軸で見て一定程度の間 があったとしても、それぞれに「中」と評価して、全体を「強」と評価するような事態になるとおかしな結果をもたらす。例えば、上司とのトラブルが起こった、その後、実現できないようなノルマを課された、さらにその後、配置転 換をされたといったことが起こったとすると、あたかも異なる出来事が複数 生じたように見えるが、実際には当初における上司とのトラブルがその後の 出来事を招来せしめたといった場合が少なくない。本来は、上司とのトラブル の程度・経緯について検討し、その後の経過も含めて、強いストレスをもたら すものであったのであれば、それ自体において「強」と評価すべきものであろう。一連の出来事を分断して、それぞれに「中」と評価し、総合評価を「強」 とするような例が横行すると、負荷評価表の本来の意味が歪められるものと なってしまう。 本当に出来事的にどのように、例えば精神疾患が発症していくのかという その過程を重視するということは非常に大事なことだと思う。現実問題は関連のある出来事が複数あれば、それによってもともとの「中」 のものが強く本人にストレスになっているかどうかと、総括的に判断している。また、関連のないものが複数ある場合は、本当に関係がないかどうかというのは、調査をするとやはり一つのことから発生していたということもあり、 ケース・バイ・ケースで判断しているので、「中」が2つあれば必ず「強」だ とか必ず「中」だとかということではないと思う。 「中」が2つ以上あって「強」になったものが66あるというのは意外に多い なと感じた。先ほどから、関連性があるから強いという話があるが、それでも なくて、関連性があるから、平均的強度としては「中」かもしれないが、「弱」 に落としたほうがいいという項目もあり、それはかなり近接しているから、 あるいは関連性があるというのが、本当にその起因としてそれほど重いのか どうかというのは議論する必要がある。実態としては、総合的に、一つ一つ丁 寧に評価して判断するということだと思うので、単純に近いから遠いから、 あるいは独立しているから、関連性があるからという話で区分けするのはちょっとどうかというところはある。 複数の出来事をどう評価するかは本当に難しいと思う。毎回、評価のたび に迷うということになりやすいと思うので、質的な評価にならざるを得ない、 分かりにくい問題だということを書いておいたほうがいいと思う。 出来事の間にインターバル、休みがあると回復するため耐えやすくなる場 合もあると思うが、そうではないケースもあるだろう。法律論では犯罪の罪 数の数え方について議論があり、これも単純に足し合わせるべきだとか、つ ながりがあれば同じものとしてカウントすべきだとか、あるいは、幾つか出 来事があれば、犯罪行為があれば、その中で重いものを捉えるべきだとか、そ こは価値判断でいろいろ考え方があるが、一概にいかないし、価値判断にな ってくるところがあるので、質的な評価にならざるを得ないのだということ を、書き足してもいいと思う。

◆精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou_128914.html

次回は新たに「第176回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

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