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令和4年度第2回雇用政策研究会資料 [2022年06月08日(Wed)]
令和4年度第2回雇用政策研究会資料(令和4年5月20日)
《議題》 アフターコロナを見据えた雇用政策の方向性について(論点整理2)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_030127159_001_00024.html
◎資料1 令和4年度 雇用政策研究会参集者名簿→14名。
◎資料2 第1回雇用政策研究会での議論を踏まえた課題の整理
→@〜まで。Dデジタル化の進展により地方部に在住しながら都市部に勤めるなどの新たな働き方の広がりの兆しがみられ、東京圏への人口流入に 緩和の動きがある一方、地方部での良質な雇用機会の確保や人材不足は引き続き課題であり、かつ、地方部ではデジタル化への対応 も都市部に比べて遅れがみられる。
○課題の整理を踏まえた主な対応の方向性→@不確実性を踏まえた企業の雇用管理と自律 的な労働者のキャリア形成の両立に向けて A外部労働市場の基盤整備の強化・促進に向 けて⇒↓以下の課題の整理へ。
○課題の整理→@〜Dの「課題」⇒方向性「不確実性を踏まえた企業の雇用管理と自律的な労働者のキャリア形成の両立」「外部労働市場の基盤整備の強化・促進」⇒新たな論点。

◎資料3 事務局説明資料
○テレワーク導入状況
→令和2年は前年から大幅に割合が増加、約半数企業が導入と回答。
・テレワークの定義→貴社建物から離れたところに居ながら、通信 ネットワークを活用することにより、貴社建物内で勤務する場合と ほぼ同等の仕事ができる勤務形態のこと。
○テレワークを実施している企業におけるテレワーク実施日数→コロナ禍前の水準と比較すると、足下においても、高い水準で推移。
○フリーランスの試算人数→2020年2月時点462万人がフリーランスで働いていると試算。
○東京圏への人口移動の推移(性別)→コロナ禍⇒東京圏への人口流入が緩やか。 東京圏への転入超過数は2012年以降増加傾向にあったがコロナ禍の2020年、2021年⇒減少。2019年以降の転入超過数を年齢別・性別⇒20〜24歳が多くなっているがコロナ禍では幅広い年代で減 少方向の動きとなっている。
○東京圏への労働者の流入について→長期的には東京圏への労働者の流入が進んでいるが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、そうした動きは控えられた。 東京圏への流出入比率は、2014年以降は1倍を下回っており、東京圏への労働者の流入が進んでいる。 東京圏の入職率・離職率⇒2020年はどちらも低下、労働移動が控えられた可能性がある。

◎資料4公共職業訓練の効果分析(2022年4月11日)
○分析の目的・主な分析結果(1)
→離職者に対して実施される公共職業訓練で再就職や他の産業への労働移動に寄与する等の効果が見られるか、行政記録情報を用いて分析を行って現状を把握し、今後の施策への反映にむけての検討を行った。⇒新職に再就職しやすくなる傾向が見られ、訓練の種別に関わらず 同様に再就職しやすい傾向、期待される効果が認められた。今後労働需要が高まると考えられる介護・福祉分野やIT等の分野に関しては、次頁のよ うな考察が得られた。
○分析の目的・主な分析結果(2)↓
【介護・福祉分野】
→「医療,福祉」以外の産業の離職者が訓練を受講⇒「医療,福祉」への移動に及ぼす効果が見られ、他産業からの労働移動を促進する効果が見られた。感染収束後も継続するなど、受講者の裾野を広げる取組も有 効ではないか。
IT分野】→他の職業から情報技術者への移動を促進しているエビデンスは確認できな かった。IT分野の受講者は事務職から事務職への転職をしやすく事務職における関連就職をして いる者が一定割合みられる。IT分野の訓練を受けた女性が情報技術者に就職しにくい状況にあることを踏まえ、女性に対して訓練受講後の情報技術者としての就職のイメージを持てるよう機会を設けていくことも必要ではないか。
○訓練受講による再就職への影響→前職離職日からの再就職までの期間⇒離職後150日前後から大きく無業者割合が低下し、再就職 した者の割合は高い。また、傾向スコアマッチングによる回帰分析の結果をみても、訓練受講者は訓練非受講者と比 較して再就職する確率が高くなっている。
○訓練種別再就職への影響→訓練非受講者と比較すると無業者の割合は速やかに減少しており、特に介護・医療・福祉分 野や機械・金属・電気分野においては、他の訓練分野と比較しても訓練終了後に比較的早く再就職する傾向。
○新職の産業・職業と主要な訓練種別 他産業・職業からの移動者割合→新職に関連した介護等の訓練を受けた者⇒他の訓練受講者や訓練非受講 者よりも高い傾向が見られる。
○介護・福祉分野の訓練に関する分析(1)→介護・福祉職とのタスクの距離が近いグループでは訓練に関連した就職をしている者がやや多い一方、前職 の介護・福祉職とのタスク距離が遠いグループでも、一定程度訓練に関連した就職をしている。
○介護・福祉分野の訓練に関する分析(2)→タスクの距離が近い医療・福祉系の職種が上位に多くなっている。他方、必ずしも介護・福祉職とのタスク距離が近くない前職職種(ビル・建物清掃員や事務職など)の者も上位に 含まれている。
○IT分野の訓練に関する分析(1)→情報通信業の専門的・技術的職業(「情報技術者」)は5.8%だが、新職産業・職業の上位であるサービス業や公務等の事務職においても、関連就職をしている 者が一定割合みられる。
○IT分野の訓練に関する分析(2)→前職が派遣労働者や事務職だと、新職はサービス業の事務職になりやすい傾 向。 新職の産業・職業に関する回帰分析⇒女性は情報技術職になりにくい傾向、年齢が高くなるにつれて情報技術職になりにくい傾向もみられる
○【参考】公共職業訓練の効果分析において活用するデータ
○【参考】傾向スコアマッチングに用いた共変量
○【参考】傾向スコアマッチングにおけるロジスティック回帰の結果

◎資料5アフターコロナに向けたウェルビーイングと生産性の両立
1.コロナ禍でのウェルビーイングの変化↓
○「⽇本家計パネル調査」を⽤いた検証
→レジリエンス(回復力)格差・ウェルビーイング格差⇒⾼所得層でより顕著に上昇・増加。
○ワークエンゲイジメント(WE)の決定要因→⾼所得層、在宅勤務を開始した⼈とその⽇数が増えた⼈、⻑時間労働をしなくなった⼈⇒レジリエンスをコントロールすると、所得の影響度が⼩さくなり、 ⼀部で有意⽔準も下がる。
従業員エンゲイジメントの決定要因→勤め先への満⾜度・愛着度が向上⇒レジリエンスをコント ロールすると、所得の 影響度がなくなる

2.ウェルビーイングとテクノロジー活⽤↓
○「⽇本家計パネル調査」を⽤いた検証→AI導入済は5.7%、計画段階を含めると10.4%が検討。 職業で先行研究のExposure指標と接合すると、AI導入度とは正の関係。
AI exposure指標の変化とアウトカム指標の変化→職場でのAIの導⼊は賃⾦や⽣産性、エンゲイジメントとプラスの相関 関係、労働時間とマイナスの相関関係。
○AI exposure指標のウェルビーイング・働き⽅への影響→主観的⽣産性(HPQ)、幸福度、抽象タスクを増やし、ストレス を減らす傾向。
○その他の解析結果→ウェルビーイング、賃⾦、労働時間などへの影響⇒「AI導⼊(exposure⼤)」 → 賃⾦、主観的⽣産性(HPQ)、幸福度、抽象タスク指標に有意に プラス、労働時間にマイナスの影響。 雇⽤状態の変化への影響⇒20歳代、ITスキルの⾼い⼈、パートターマーでは AI exposure指標が⾼いと雇⽤が安定化する傾向。

3.ウェルビーイングと⽣産性↓
○ワークエンゲイジメントと売上⾼
→従業員のワークエンゲイジメントの平均が⾼い売り場では、予測対⽐でみた売上⾼が⾼くなる傾向、売り場内のワークエンゲイジメントのばらつきが⼤きいと、⽣産性は低下する傾向⇒職場のメンバー間の 温度差がなく、全員が ⽣き⽣きと働いている ことが重要。ワークエンゲイジメントの温度差がチームワークを悪化させ、 個々⼈の⾏動(⽣産性)に負の影響を与えている可能性。

4.睡眠(ウェルビーイング)と働き⽅、⽣産性↓
○⽇経スマートワーク経営研究会での上場企業とその従業員 データを⽤いた検証
○データ→ビジネスパーソン1万⼈調査(BP調査)、スマートワーク経営調査(SW調査)
○睡眠変数︓平⽇の睡眠時間(時間)と睡眠の質(10段階)→BP調査と「国⺠健康・栄養調査」(厚⽣労働省)の⽐較

○分析1︓睡眠と働き⽅の関係
・企業単位の平均睡眠時間(性別・年齢調整済み)〜「睡眠時間=f (性別,年齢層)」の予測値→約1時間の睡眠時間の差(上位10%・下位10%間)
・企業単位の平均睡眠の質(性別・年齢調整済み、10段階)〜「睡眠の質= f ( 性別 , 年齢層 ) 」の予測値→企業間で約2段階の睡眠時間の差(上位10%・下位10%間)
・解析結果︓従業員の睡眠は企業や働き⽅の影響を受けやすい→企業が違うだけで従業員の睡眠時間や質には⼤きな違い 〜 上位10%と下位10%で平⽇約1時間の差。働き⽅の影響度合いの例(IV推計︓IV=企業の平均労働時間) 〜 残業時間が⽉10時間短いと、睡眠時間が平⽇約11分 (⽉約4時間)⻑い。
○分析2︓睡眠と企業業績の関係
・ 企業単位の平均睡眠時間(性別・年齢調整済)と利益率→睡眠時間と利益率にはプラスの相関関係がみられる
・睡眠時間と利益率の関係︓回帰分析(相関関係)→睡眠時間と利益率にはプラスの相関関係がみられる (睡眠時間が特に⻑い企業で利益率が⾼い)
・睡眠時間が利益率に与える影響︓回帰分析(因果推論)→(好業績企業ほど睡眠時間が常に⻑い、という逆因果は排除)(睡眠の質指標が特に良い企業で利益率が⾼い)、睡眠の質指標は1年後の利益率を⾼める効果を持つ (好業績企業ほど睡眠の質が常に⻑い、という逆因果は排除)

・まとめ︓従業員の睡眠は企業業績と密接に関係→睡眠時間の⻑さや質の良さは利益率を⾼める効果を持つ。健康経営や健康状態が企業業績にプラスの影響を与える 研究結果と整合的。
健康アウトカム(問診結果スコア)の向上⇒「健康経営理念」の醸成・浸透が重要。↓

・「従業員の健康保持・増進」についての明⽂化の有無
・管理職に対して研修などを通じて定期的に伝達
・内容を記載した⽂書を常に携⾏できるような形態で配布
・従業員に対して定期的な⽂書を通達
・従業員に対して研修などを通じて定期的に伝達
・従業員に対して経営トップ⾃ら理念・⽅針を定期的に伝える
・従業員に対してアンケートを実施して理解度を確認
・従業員の健康保持・増進の統括について
・全社における従業員の健康保持・増進の最⾼責任者の役職
⇒⇒睡眠を意識した健康経営の実践の重要性。


◎資料6 人的資本投資の観点から雇用システムと雇用政策を考える
○自己紹介
○短い時間なので
→労働調査屋は細かくなる癖があるので、短い時間の中で以下に絞ってお話します。 @人事管理研究の「概略」を紹介。 A熟練論・人材育成論、キャリア形成に焦点を絞る B私が考える「重要な事例(様式化された事実)」を紹介。
○「今般の雇用政策研究会における議論等について」 を読んで 以下のキーワードに繋がる情報提供ができれば ⇒「多様な人材が活躍する機会を得るための円滑な労働移動の実現に向け た論点案」 ↓
• 産業構造の変化や職業人生の長期化の中で、企業の事業分野や自らの職務が変化する 可能性が高まっており、企業にも労働者にも「変化・ 危機への対応力」の向上が求められ、人手不足分野での労働力の量的な確保だけでなく、人材を最大限に生かし、様々な業種・職場でイノベーションの創出が求められて いる。
• 近年では多様な就労ニーズを有する労働者の増加もみられることから、労働者の希望 する労働時間・賃金やその動向なども踏まえつつ、企業内や外部労働市場でのマッチングを通じて、個々の労働者が能力を発揮できる機会を確保することが重要。希望するキャリアを形成できるように支援するため、足下で生じている人事管理の変化も踏まえ、どのような課題があり、どのような方向性が考えられるか。

【前提:H R M(Human Resource Management)の概略】@の紹介
○「現在の雇用論議」の起源 1999年の論争(米国)
・「Cappelli(1999b)→「市場原理(自己責任をベース)に基づく雇用システム」は New Deal at Workと定義(Cappelli,1999a)」。 「Jacoby(1999)」→多くの労働者は企業との間で長期的な雇用関係(キャリア型雇用)を結ぶことを希望、米国型 ウェルフェア・キャピタリズムという人事方針を支持。右矢印1現在日本の雇用システムについても基本的同じ論争 どちらへ向かうか。「長期雇用モデル」or「雇用流動化モデル」。
○ただし日本では、2国類型になってしまう。⇒「日本独自型」と「欧米型フリー型」
○2国間比較だけではなく2時点比較も⇒HRM施策の影響とその混乱
○NEW DEAL AT WORK時代には 「キャリア自律」が願望される
→知識創造人材の場合、バウンダリーレス(会社に固定しない)・キャリア、プロティアン(変幻自在)・キャリアが理想。日本では「成果主義」時代からキャリア自律へ。松岡猛(2006)「個別人事管理の進展とコミュニケーションの現状ー NECにおける2WAYマネジメントの取り組み」⇒「セルフマネジメント(=キャリア自律)」と「成果に応じた処遇(成果主義)」が同時に議論される。
○NEW DEAL AT WORK(市場原理)のジレンマ・キャペリ氏の転換→人材の流動性(労働市場)を高めながら、それと同時に高業績労働組織を担う関係特殊的人材の定着を促すというアクセルとブレーキを同時に踏むような自己矛盾。→内部育成(MAKE)か、外部採用(BUY)かといった二者択一のやり方ではまずう まくいかない。求められるのは両者の併用。しかし、引き抜き競争が行われれば、社会全体としては、人的投資(MAKE)が過小になる。多くの企業はBUYに注力する・・・

【「前提」を踏まえて、 技能とそのキャリア形成を見る】
○小池(2015)の批判→株主価値や市場価値の重視に基づく短期競争が長期競争の利点を喪失。必要な人材の内部育成(=企業内OJT)の効果測定(証明)が難しければ、株主価値最大化の下では、その長期効果はあまり考慮されない。⇒構造的問題へ。
○事例1:20社の中途採用行動を聞く→中途採用には、採用評価の失敗、採用後の処遇、採用者以外の従業員の動機付けに問 題がある。
○事例2:転職してキャリアが尖がる→結果的に、アピールした仕事を転職後も担当する
○事例3:非正規化と人材育成の変容→キャリア支援政策は流動性が高い労働市場を 前提にしてOFF-JTサポートに偏ってしまう。

日本的内部労働市場の問題点】
○知的熟練論への批判

・批判@「不確実性への対応(ただいるのみでは・・)」以外の熟練論を!→知識の「活用」には当てはまるが、「探求」で はない。イノベーションを創出する人材が育っていない。
・批判A 企業「内」OJTよりも、企業「外」OJTで伸びる人材も対象にすべきではないか。→スター社員が活躍できないことが、日本企業 の大きなイノベーションを止めているのかもしれない。

○事例4 同じ会社に2種類の人材→「戦略コンサルタント(プロボノ活動を行う)」と「スタッフ人材(平均3〜4年程度でマネージャーに昇進)」⇒管理能力や折衝能力が求められるマネージャー昇進の個人差は大きいので、キャリアの壁を乗り越えなければ、昇進が停滞するか、もしくは企業内に仕事がなくなってしまう。→プロボノ活動が必要な理由。
◆プロボノ→困った人など無報酬で相談に応ずる人。専門職によるボランティア。

○知的熟練論 ≠ 拡張的学習モデル(創造的学び)→横断的学習が必要⇒Step1〜7。
・「わかったこと」と「わからないこと」→イノベーション創出人材を育成できなければ、「拡張的学習」が生まれる仕組 みが必要ではないか。⇒企業内キャリアでも、「抜擢」があれば、 部署間異動、新規プロジェクト参加、子会社立ち上げなどで拡張的学習は生まれる。横断(しすぎて)失敗すること(転職・挫折へ)もある。関連度と横断度のあいだを比較する、詳細なレベルで仕事を聞き取りした実証研究 が必要であろう。⇒ 企業「内」「外」OJTの支援の仕組みづくりが、雇用政策になると考える。

○補論:ホワイトカラーのOJT分析は難しい( キャリアの「ヨコ」はポイント)
・キャリア把握の難易度→タテ(昇進・昇格)<ヨコ(移動・異動)<仕事内容(分業関係)
• キャリアの「横」(移動と配置転換)は、「育成のための異動・配置転換」と、その異動・配置転換によって引き起こされる「調整のための異動・配置転換」がある。ところが、両者を識別することが難しい。
• 典型的な日本的内部労働市場では、はやい昇進組は、キャリアの前半は職能間異動は 少なく、後半に職能間異動は多い。つまり、最初は職能内で異動し、徐々に職能を越える(梅崎,2021,3章)

次回は新たに「第7回成育医療等協議会の資料について」からです。

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