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第12回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年12月29日(Wed)]
第12回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年12月15日)
《議事》 第二期成年後見制度利用促進基本計画に盛りこむべき事項(最終とりまとめ) (案)についての意見交換
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22666.html
◎資料1第二期成年後見制度利用促進基本計画に盛りこむべき事項(最終とりまとめ)(案)
はじめに ↓
1 成年後見制度利用促進基本計画の位置付け
→成年後見制度の利用の促進に関する法律(平成28年法律第29号。「促進法」)第12条第1項に基づき、成年後見制度の利用の促進に関する施 策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定するもの、政府が講ずる成年後見制度利用促進策の基本的な計画として位置付。市町村は、国の基本計画を勘案し当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めるものとされている。
2 新たな基本計画の必要性→平成29年度から平成33年度(令和3年度)までを最初の 計画(第一期計画」)、利用者がメリットを実感できる成年後見制度の運用改善、権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり、安心して成年後見制度を利用できる環境の整備などを進めてきた。 これにより、本人の意思決定支援や身上保護を重視した成年後見制度の 運用が進みつつあり、各地域で相談窓口の整備や判断能力が不十分な 人を適切に必要な支援につなげる地域連携のしくみが整備されつつある。 他方、成年後見人・保佐人・補助人(「後見人等」)が意思決定支援や身上保護を重視しない場合があり、利用者の不安や不満につながっているといった指摘や、成年後見制度や相談先等の周知が未だ十分でないな どの指摘がされている。権利擁護支援の地域連携ネットワークなどの 体制整備は、特に小規模の町村などで進んでいない。団塊の世代が 後期高齢者となる2025年を迎えて、認知症高齢者が増加するなど、成年 後見制度の利用を含む権利擁護支援のニーズが更に多様化、増大する見込みであり、こうした状況に適切に対応する必要がある。 そこで、新たな基本計画(「第二期計画」)を定め、更なる施策の推進を図ることとする。
3 第二期計画の対象期間 →令和4年度から令和8年度までの5年間とする。

T 成年後見制度の利用促進に当たっての基本的な考え方及び目標
1 成年後見制度の利用促進に当たっての基本的な考え方
(1) 地域共生社会の実現に向けた権利擁護支援の推進
→ノーマライゼーション、自己決
定権の尊重等を基本理念とする成年後見制度は、認知症、知的障害その他の精神上の障害により判断能力が不 十分な人の権利擁護を支える重要な手段であり、身上保護と財産管理の支援 によって、本人の地域生活を支える役割を果たしている。その利用促進の取組は、市民後見人等地域住民の参画を得ながら、家庭裁判所、関係行政機関、地方公共団体、専門職団体、民間団体等の協働による権利擁護支援の地域連携ネットワークを通じて推進されるべきもの。このネットワ ークは、他の様々な支援・活動のネットワークと連動しながら、地域におけ る包括的・重層的な支援体制をかたちづくっていくことによって、地域共生 社会の実現という共通の目的に資することになる。したがって、成年後見制 度の利用促進とは、単に利用者の増加を目的とするのではなく、全国どの地 域においても、制度の利用を必要とする人が、尊厳のある本人らしい生活を 継続することができる体制の整備を目指すものでなければならない。そこで、第二期計画ではこれを明確にした上で取組を進めていくことが重要。権利擁護支援とは、地域共生社会の実現を目指す包括的な支援体制における本人を中心 にした支援・活動の共通基盤であり、意思決定支援等による権利行使の支援 や、虐待対応や財産上の不当取引への対応における権利侵害からの回復支援 を主要な手段として、支援を必要とする人が、地域社会に参加し、共に自立 した生活を送るという目的を実現するための支援活動であると定義することができる。第二期計画では、地域共生社会の実現という目的に向け、本人を中心にした支援・活動における共通基盤となる考え方として「権利擁護 支援」を位置付けた上で、権利擁護支援の地域連携ネットワークにおける権 利擁護支援策の一層の充実などの成年後見制度利用促進の取組をさらに進 めていくこととする。
(2)尊厳のある本人らしい生活を継続できるようにするための成年後見制度の運用改善等→ @ 後見人等による財産管理のみを重視するのではなく、認知症高齢者や障 害者の特性を理解した上で、本人の自己決定権を尊重し、意思決定支援・ 身上保護も重視した制度の運用とすること。 A 法定後見制度の後見類型は、終了原因が限定されていること等により、 一時的な法的課題や身上保護上の重要な課題等が解決した後も、実際のニ ーズにかかわらず、成年後見制度が継続することが問題であるとの指摘や、一時的な利用を可能として、より利用しやすい制度とすべきではないか等 の指摘もある。そのため、上記@に加えて、成年後見制度を利用すること の本人にとっての必要性や、成年後見制度以外の権利擁護支援による対応 の可能性も考慮された上で、適切に成年後見制度が利用されるよう、連携 体制等を整備すること。 B そのため、成年後見制度以外の権利擁護支援策8を総合的に充実するこ と。 C 本人の人生設計についての意思を反映・尊重できるという観点から任意 後見制度が適切かつ安心して利用されるための取組を進めるとともに、本 人の意思、能力や生活状況に応じたきめ細かな対応を可能とする補助・保 佐類型9が利用される取組を進めること。 D 安心かつ安全に成年後見制度を利用できるようにするため、不正防止等 の方策を推進すること。
(3)司法による権利擁護支援などを身近なものにするしくみづくり→ 権利侵害からの回復支援を進める上での重要な核の一つが家庭裁判所や 法律専門職である。身近な相談窓口を通じて、家庭裁判所の手続の利用を円 滑にすることや法律専門職による支援などを適切に受けられるようにする ことで、権利侵害からの回復支援の実質を担保することができ、尊厳のある 本人らしい生活の継続と地域社会への参加が図られる。 そのため、権利擁護支援の地域連携ネットワークを通じた福祉と司法の連 携強化により、必要な人が必要な時に、司法による権利擁護支援などを適切 に受けられるようにしていく必要がある。

2 今後の施策の目標等
(1) 目標
@ 1の「成年後見制度の利用促進に当たっての基本的な考え方」を踏まえ、 障害の有無にかかわらず尊厳のある本人らしい生活の継続や本人の地域 社会への参加等のノーマライゼーションの理念を十分考慮し、成年後見制度の見直しに向けた検討を行う。また、同様の観点から、市町村長申立て 及び成年後見制度利用支援事業の見直しに向けた検討も行う。さらに、権 利擁護支援策を総合的に充実するための検討を行う。

A 1の「成年後見制度の利用促進に当たっての基本的な考え方」を踏まえ、 成年後見制度の運用改善等や、権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりに積極的に取り組む。
(2)工程管理
@ (1)に基づく各施策について、工程表に基づき推進するとともに、施策の性質に応じて設定したKPIの達成に向けて取り組む(別紙参照)。 なお、成年後見制度利用促進専門家会議→家庭裁判所にもK PIを設定すべきとの意見もあった。最高裁判所は、成年後見制度の利用促進に関する各家庭裁判所の自律的な取組を支援するとともに、できる限り客観性を確保した形で定期的にその進捗状況を同会議に報告するなどして、取組を進めることが期待される。
A 成年後見制度利用促進専門家会議は、進捗管理が特に重要な施策(U1 (2)の「総合的な権利擁護支援策の充実」など)について、ワーキング・ グループを設置し、定期的に検討状況を検証する。

B 成年後見制度利用促進専門家会議→第二期計画の中間年度である令和6年度に、中間検証として、各施策の進捗状況を踏まえ、個別の課題の整理・検討を行う。国その他成年後見制度の利用促進に関わる関係機関・関係者は、中間検証の結果を踏まえ、第二期計画の取組を推進する。

U 成年後見制度の利用促進に向けて総合的かつ計画的に講ずべき施策→尊厳のある本人らしい生活の継続や地域社会への参加等のノーマライゼー ションの理念のより一層の実現を図るためには、成年後見制度等が適切に見直される必要がある。さらに、同制度等が見直されるまでにおいても、総合的な権利擁護支援策の充実、現行制度の運用の改善等、権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりを進める必要がある。 そこで、以下のとおり取り組むこととする。
1 成年後見制度等の見直しに向けた検討と総合的な権利擁護支援策の充実
(1)成年後見制度等の見直しに向けた検討
→成年後見制度については、他の支援による対応の可能性も踏まえて本人に とって適切な時機に必要な範囲・期間で利用できるようにすべき(必要性・ 補充性の考慮)、三類型を一元化すべき、終身ではなく有期(更新)の制度として見直しの機会を付与すべき、本人が必要とする身上保護や意思決定支援の内容やその変化に応じ後見人を円滑に交代できるようにすべきといった制度改正の方向性に関する指摘、障害者の権利に関する条約に基づく審査の状況を踏まえて見直すべきとの指摘、現状よりも公的な関与を強めて後見等を開始できるようにすべきとの指摘などがされている。国は、こうした成年後見制度利用促進専門家会議における指摘も踏まえ、障害の有無にかかわらず尊厳のある本人らしい生活の継続や本人の地域社会への参加等のノーマライゼーションの理念を十分考慮し、成年後見制度の見直しに向けた検 討を行う。 また、市町村長の関与する場面の拡大など地方公共団体に与えられる権限を拡充すべきといった指摘や、成年後見制度利用支援事業の見直しに関する 指摘もされている。国は、こうした成年後見制度利用促進専門家会議における指摘も踏まえ、これらの権限・事業についても見直しに向けた検討を行う (成年後見制度利用支援事業については2(2)Bイ参照)。
(2)総合的な権利擁護支援策の充実→(1)の成年後見制度の見直しの検討をより深めていくためには、成年後見制度以外の権利擁護支援策を総合的に充実させていく必要がある。そのため、新たに意思決定支援12等によって本人を支える各種方策、司法による権利擁護支援を身近なものとする各種方策の検討を進め、これらの検討や成年後見制度の見直しの検討に対応して、福祉の制度や事業の必要な見直しを検討。
@ 成年後見制度と日常生活自立支援事業等との連携の推進及び同事業の実施体制の強化 ⇒・ 日常生活自立支援事業は、専門員が作成した支援計画の下で、地域住民 が生活支援員として本人に寄り添い、見守り、意思決定支援を行いながら適切な金銭管理等を支援することで、尊厳のある本人らしい生活の安定を 図る互助のしくみであり、そのことにより地域福祉が推進されている。一 方、地域によって同事業の待機者が生じていることや利用者数にばらつき があること、同事業からの成年後見制度への移行に課題があることも指摘。 ・ 国は、地域の関係者が個別事案において本人の尊厳保持のために適切な 支援の組合せを検討することができるよう、日常生活自立支援事業等関連 諸制度における役割分担の検討方法について各地域に周知する。また、 国は、成年後見制度の利用を必要とする人が、適切に日常生活自立支援事 業等から移行できるよう、市町村の関係部署や関係機関・関係団体との間 で個別事案における対応方針の検討等を行う取組を進めるなど、同事業の 実施体制の強化を行う。さらに、上記の指摘を踏まえ、生活困窮者自立支援制度等との連携も考慮しつつ、日常生活自立支援事業の効果的な実施方策について検討し、その結果を幅広く周知するなど、地域を問わず一定の 水準で利用できる体制を目指す。 ・ 家庭裁判所においても日常生活自立支援事業を含む権利擁護支援に対 する理解が進むことが期待される。そのため、最高裁判所においては、家庭裁判所の職員に権利擁護支援の理念が浸透するよう、必要な対応を図ることが期待される。
A 新たな連携・協力体制の構築による生活支援・意思決定支援の検討→ 多様な地域課題に対応するため、公的な機関や民間事業者において、身 寄りのない人等への生活支援等のサービス(簡易な金銭管理、入院・入所手続支援等各種の生活支援サービス。以下同じ。)、本来業務に付随した身 寄りのない人等の見守り、寄付等を活用した福祉活動等様々な取組が行わ れている。こうした取組については、公的な制度の隙間を埋めるものや公的な制度利用の入口として効果的であるとの指摘がある一方、一部の事業者については運営方法が不透明であるなどの課題も指摘。⇒ ・ そのため、国は、公的な機関、民間事業者や当事者団体等多様な主体による生活支援等のサービスが、本人の権利擁護支援として展開されるよう、 意思決定支援等を確保しながら取組を拡げるための方策を検討する。 ・ その際、身寄りのない人も含め誰もが安心して生活支援等のサービス を利用することができるよう、運営の透明性や信頼性の確保の方策、地 域連携ネットワーク等との連携の方策も検討する。 ・ 生活支援等のサービスの提供における意思決定支援等の確保の検討の際には、意思決定支援の取組の推進において市民後見人の果たしてきた役割が大きいこと、ピアサポートの支援が効果的であることに鑑み、 市民後見人養成研修の修了者や障害のある当事者等の参画方策の検討を進める。加えて、これらの者が、必要に応じて専門職等の支援等を受 けながら意思決定支援を行う方策を、市町村の関与のあり方も含めて検 討。 ・ 上記の検討の際、意思決定支援の場面において、権利侵害や法的課題 を発見した場合、専門職等が必要な支援を助言・実施したり、行政の関 与15を求めたり、専門職による法的支援や成年後見制度につないだりす ることなど、司法による権利擁護支援を身近なものとする方策について も検討を進める。 ・ そのほか、サービス等に関する丁寧な説明や本人に合わせた説明が意 思決定しやすい環境づくりに寄与することに鑑み、公的な機関、民間事 業者には、合理的配慮に関する取組を行うことが期待される。国及び地 方公共団体は、これらの取組が進むよう、関係者に理解を促す取組を進 めていく。 ・ 身寄り等がいなくとも、地域において安心して暮らすことができるよう、国及び地方公共団体は、身元保証人・身元引受人等がいないことを 前提とした医療機関の対応方法や、施設入所時の身元保証人や公営住宅 入居時の連帯保証人を求める必要はないことなどについて、事業者等に 理解を促す取組などを更に進めていく。
B 都道府県単位での新たな取組の検討
ア 寄付等の活用による多様な主体の参画の検討⇒・ 権利擁護支援を実施している団体(法人後見を実施している団体等) は、支援の具体的な実践や課題、解決策について、地域住民や企業等広く地域社会に周知して資金を調達することで、公的財源では性質上対応 困難な課題にも、柔軟な対応をすることが可能となる。また、地域住民や企業等が、権利擁護支援の実践への理解や共感をもち、寄付やボラ ンティア活動などによる参画をすることは、地域における権利擁護支援の意識の醸成につながり、参画者の積極性を生み出す。 ・ 国は、各地域(例えば都道府県単位)で、こうした取組が普及するよう、必要な方策を検討する。その際、サービス提供者がサービス利用者 から直接寄付等を受けることは利益相反のおそれがあるため、本人が不利益を被らないようなしくみ、資金の適切な管理方法・効果的な活用方法等も検討する。
イ 公的な関与による後見の実施の検討⇒ ・ 虐待等の支援困難な事案については、専門職後見人や一般的な法人後見では対応が困難な場合があると指摘されている。そのため、こうした 場合でも、尊厳のある本人らしい生活を安定的に支えることができるよう、国は、そのような事案を受任する法人が都道府県等の適切な関与を 受けつつ後見業務を実施できるよう、法人の確保の方策等を含め検討す る。

次回も続き「2 尊厳のある本人らしい生活を継続するための成年後見制度の運用改善等」からです。

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