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一時保護等の司法審査に関するワーキンググループ(第1回)資料 [2021年12月19日(Sun)]
一時保護等の司法審査に関するワーキンググループ(第1回)資料(令和3年5月27日)12/19
《議題》 一時保護等の司法審査に関するワーキンググループで検討すべき事項につ いて
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22652.html
◎資料1−1 一時保護等の司法審査に関するワーキンググループについて
○一時保護の司法関与に関する今後の検討の進め方
・一時保護の手続
→親権者等の意に反する場 合、延長に際し家裁の承 認が必要(家事審判) (H30.4施行) 参考:2ヶ月超の家裁審判件数524件(R1)、年間一時保護件数39,330件(※)、うち、保護者の同意のないもの8,577件(約22%)
・今後の検討の進め方→令和3年度より、厚生労働省子ども家庭局、法務省民事局、最高裁判所事務総局家庭局の三者でワーキンググ ループ(WG)を設置し、@関与の方法、Aそのために必要な業務量や体制( 必要書類の種類・量、常勤弁護士の配置を含む児相側 の事務処理体制、裁判所側の対応体制等)など、実務的な対応可能性について具体的に検討・議論を行うこととしたい。
○司法の関与等が課題となりうる手続の整理→「一時保護開始」「一時保護延長」「面会通信」「接近禁止」「保護者指導」「一時保護解除」まで、制約される権 利・利益、現行の制度、プランA〜Dの一覧表で整理。
○司法審査について考え得る主なパターン@A→(以下、基本的には“親権者等の意に反する(又は同意のない)一時保護”を対象とする)
@事前の義務的司法審査
・【@-A 許可状方式】
→事前に裁判官が発行する許可状による方法(例外的に事後の発行もあり得る) Ex) 逮捕令状、臨検捜索許可状
(利点)→3点あり。 手続が重くなりすぎず、児相・家裁の負担が大きくない(?)
(課題)→3点あり。親権者等に対する手続保障がないため、手続の透明性等の要請に応えられない。効力を受ける者に手続保障がない故、身柄を拘束できるのは短期間に限られる(逮捕は最大72時間)。また、逮捕令状の請求手続は、請求者側も強大な捜査権限及び24時間対応が可能な体制を必要とする(図表2)。
・【@-B 裁判所による命令方式】→命令の対象等に対する審尋を前提として、事前に裁判官が発する命令による方法。 Ex)DV法における保護命令の制度
(利点)→親権者等に対する手続き保障がある。既存手続との整理が容易(司法が命令を出すためその他の手続き保障は必要がない)。
(課題)→DV法のような議員立法による例はあるが、行政権の行使に対するチェックというこれまでの裁判所の在り方との整理は必要。 Aでも述べるとおり、現在の十数倍の手続件数となる可能性がある(図表3)。

A事後の義務的司法審査(承認審判方式)→一時保護開始の後、一定期間内に児童相談所が家裁(又は地裁)に承認を申立てる仕組み。 Ex)前例なし(開始の承認を得る意味では28条事件に類似)
(利点)→ 緊急保護が阻害されない。 申立て期限や承認期限の設定によっては手続件数が大きく膨らむことがない。
(課題)→家事審判と同様とすると手続きが重い。 原則として親権者等側に申立書類・証拠書類が開示されるため、文書作成の手間が大きい。 既存の救済手段(行政不服審査、行政訴訟)との整理が必要(結果の整合性の問題に加え、申立期間の設定によっては手続き 保障が後退する可能性がある。)。 審判が下りるまでは職権保護をしてよいこととなるため、期間の設定によっては権利制約との関係で正当化が難しい。

B事後の第三者への不服申立 →@及びAは義務的司法審査=権限行使の条件として司法審査を経なければならない仕組みであるが、現在の行政不服審査や取消訴訟と同様、親権者等や児童が一時保護に不満がある時に、司法に対し不服を申し立て、簡易迅速な判断を得る仕組みが考 えられる。 Ex)前例なし(開始の承認を得る意味では28条事件に類似) (利点)→手続件数が抑えられる。 現行の「意に反する」という要件の曖昧さを回避することができる。 (課題)→現在、家事事件手続では、33条5項事件は、行政権の行使を司法がチェックする(=紛争性がない)類型として整理されて いるが、新たな制度で親権者等に申立権を認める場合、33条5項事件の建付け自体見直さなくてはならない可能性もある。 児相としては、どの事例が申立てを受けるか予測がつきにくく、負担減に必ずしもつながらない可能性がある。 特に既存の手続(行政不服審査や取消訴訟)との関係を整理する必要がある。

《本ワーキンググループで 検討すべき事項》
1.一時保護の司法審査
○一時保護により制限される権利又は利益→
・児童について
一時保護により制約される権利又は利益はどのようなものがあるか。→身体的移動の自由。親権者、未成年後見人(親権者等)から養育を受ける権利。教育を受ける権利。家庭的な環境で養育を受ける利益。親権者等と面会通信する利益。権者等以外の第三者と関係を維持する利益。
・親権者等について制約される権利又は利益はどのようなものがあるか。→親権のうち監護権(特に居所指定権)。児童を養育する権利(?)。児童と面会交流する利益(?)。
○一時保護の司法審査の趣旨・目的
・一時保護の司法審査に関する趣旨・目的は、以下が考えられる。→一時保護に関する判断の適正性の担保。手続の透明性の確保。【 参考:児童相談所における一時保護の手続等の在り方に関する検討会とりまとめ】⇒一時保護は、一時的とはいえ、子どもを保護者から引き離すものであり、子どもの権利の制限 であるとともに、親権の行使等に対する制限でもあるため 、こうした点を踏まえると、児童相談所 による一時保護に関する判断の適正性の担保や手続の透明性の確保を図る必要がある。
○一時保護の司法審査の主体↓
・地方裁判所→ EX)民事事件一般、刑事事件一般、行政訴訟一般
・地方裁判所裁判官 →EX)逮捕令状の審査、臨検・捜索許可状の審査(虐防法§9の3) 等
・家庭裁判所→Ex) 家事事件(児童福祉法§33X事件、§28T・U事件を含む)、少年事件
・家庭裁判所裁判官→ EX) 臨検・捜索許可状の審査(虐防法§9の3) 等
・簡易裁判所→ Ex) 少額(140万円以下)の民事事件、一部の刑事事件
・簡易裁判所裁判官→EX)逮捕令状の審査、臨検・捜索許可状の審査(虐防法§9の3)等
○一時保護の司法審査の時期→例えば以下が 考えられる。
・一時保護の事前   ・一時保護の事後速やかに
・一時保護の事後一定の期間内に →@1週間以内 A2週間以内 B3週間以内 C1ヶ月以内
○一時保護開始が認められるための要件→以下の点を考慮する必要がある。
・現行の2ヶ月を超える親権者の意に反する一時保護の延長審判→「家庭裁判所は、一時保護が親権者等に与える不利益を考慮し、一時保護の目的に照らして、2ヶ月を超えて引き続き一時保護を行うことが適正かどうか審査するもの」とされている。すなわち、一時保護延長の承認審判→既に行われた処分(決定)が正しいことを前提に、継続の可否(事情変更等)のみをみている。
・ また、一時保護の開始の実体法の要件は、児童相談所長又は都道府県知事が「必要があると認めるとき」であり、行政の法適用の裁量が広く認められているものと考えられる。 (なお、「児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況 を把握するため」は「必要があると認めるとき」を限定するための規定でありこれ自体は要件ではない)
・ 他方、開始の事前で司法審査を導入することは、翻って行政の裁量を狭めることを意味し、一時保護開始 の実体法上の要件を精緻化する必要が生じる可能性もある。
・ また、開始の事前での司法審査の導入後は、延長の審判についても、行政の処分(決定)が正しいことを前 提とするのではなく、一時保護の開始に関する審査の判断が後続の審判を拘束するため、継続の可否(事 情変更等)のみ見ることになるのではないか。

○司法審査に必要となる資料
・【家事審判型】 (例:児童福祉法33条5項事件)

@申立書:申立ての趣旨及び理由を記入
A証拠書類 ・報告書:申立て事案の概要、一時保護に至った経緯、一時保護前の調査・支援の経過、子ども・保護者の状況・意向、一時保護の必要性等を 明らかにするためのもの (・虐待等の状況を明らかにする写真(撮影者、日時、場所を記載した写真撮影報告書)等の資料) (・虐待等や子どもの身体的発育等に関する医師の診断書(必要に応じてカルテ、レントゲン写真等)、意見書等) (・保育園、幼稚園、学校の担任の面接録取書、学校照会書等)
B添付書類:Aのほか、以下の書類を添付→ ・子どもの戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) ・親権者(子どもと別戸籍の場合)、後見人、現に監護する者の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) ・都道府県知事又は児童相談所長の在職証明書の写し ・委任状(手続代理人がいる場合)
・【許可状型】 (例:臨検捜索) ↓
@ 児童虐待が行われている疑いがあると認められる資料→ ・聞き取り調書 ・市町村に
おける対応録の写し ・児童相談所における記録 など
A臨検させようとする住所又は居所に当該子どもが現在すると認められる資料 ・住民票の写し ・臨検しようとする住居の写真 など
B保護者が児童虐待防止法第9条第1項の立入調査を拒むなどしたことを証する資料 ・出頭要求や再出頭要求、立入調査の実施報告書の写し など
Cその他 ・事案の概要を記した総括報告書 ・児童相談所長が都道府県知事等から権限委任を受けて許可状を請求する場合にはその根拠となる法令など
※このほか、不服申立型の場合が考えられる(その場合、民事訴訟や行政不服審査の例を参照すべきか)。
○審査の対象とすべき一時保護の範囲→(・一時保護全件)
・親権者・未成年後見人(親権者等)又は児童の同意のない一時保護全件
・親権者等又は児童の意に反する一時保護全件
・親権者等の同意のない一時保護全件
親権者等の意に反する一時保護全件(現行の2ヶ月超えと同条件)
・親権者等及び児童の同意のない一時保護全件
・親権者等及び児童の意に反する一時保護全件
・親権者等又は児童が異議を申し立てた一時保護
・親権者等が異議を申し立てた一時保護
○既存の制度との関係の整理→新たな司法審査との関係の整理が必要な既存の制度としては以下が考えられる。→ ・親権者等の意に反する2ヶ月を超える一時保護の承認審判(児童福祉法§33X) ・一時保護開始の決定に関する行政不服審査 ・一時保護開始の決定に関する取消訴訟
○人員の確保→司法審査の導入に当たり、人員(体制)の確保について↓
・児童相談所側の体制整備→ @児童福祉司の増員 A弁護士への相談体制の整備 (B法務担当事務職員等その他の職員の増員)
・裁判所側の体制整備 @裁判官の増員 A調査官の増員 (B子どもの手続代理人の増員や体制整備)
・保護者や子ども側の手続関与の支援【P】
・児童の権利に関する条約等との関係→児童の権利に関する条約には以下のような規定があり、司法審査の導入の検討にあたっては、 同規定との関係を整理する必要がある。
第9条 ↓
1 締約国
は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保。ただし、権限のある当局が司法の 審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住 地を決定しなければならない場合のような特定の場合、必要となることがある。
2 すべての関係当事者は、1の規定に基づくいかなる手続においても、その手続に参加しかつ自己の意見を述べる機会を有する。
3 締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母の いずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。
4 (略)
・また、児童の権利委員会による日本の第4回・第5回政府報告に関する総括所見には以下のような記載もある
→ 28. 委員会は,家庭を基盤とする養育の原則を導入した2016年の児童福祉法改正,また,6歳未満の児童は施設に措置され るべきではないとする「新しい社会的養育ビジョン」(2017年)の承認に留意する。しかしながら,委員会は以下を深刻に懸念。⇒ (a) 家族から分離される児童が多数にのぼるとの報告がなされていること,また,児童が裁判所の命令なくして家族から分離される場合があり,かつ最長で2か月間児童相談所に措置され得ること。
→29. 児童の代替的監護に関する指針に対する締約国の注意を喚起しつつ,委員会は,締約国に対し以下を要請。⇒ (a) 児童を家族から分離するべきか否かの決定に関して義務的司法審査を導入すること,児童の分離に関する明確な基準 を定めること及び親からの子の分離が最後の手段としてのみ,それが児童の保護のために必要かつ子どもの最善の利 益に合致する場合に,子及びその親の意見を聴取した後に行なわれるよう確保すること。 ※ ただし、総括所見には、法的拘束力はないものとされる。

2.面会通信制限・接近禁止命令 の司法審査
○面会通信に関する実態把握

・家庭福祉課が毎年行っている「児童相談所等の体制整 備状況等調べ」の項目の一つとして調査することを検討。 →スケジュール:5月中旬発出、7月上旬〆
・調査項目→「年度」又は 「数ヶ月」など期 間を区切って調査↓
@ 接近禁止命令(虐防法§12の4)を行った件数
A 面会通信制限(虐防法§12T)(面会制限/通信制限/全部制限別)を行った件数
B 一時保護や入所等措置の場所の秘匿を行った件数
C 児童福祉司指導(児童福祉法§27TA)として面会通信制限を行った件数
D 一般的な行政指導(行政手続法§2E)として行われる面会通信制限を行った件数 (児童福祉法§JTA二に基づく措置によらない指導としての面会通信制限等を含む)

・調査項目→児相毎に考え 方を調査↓
E 一時保護/委託一時保護における、親子の面会制限の根拠や使い分けは?
F 一時保護/委託一時保護における、親子の通信制限の根拠や使い分けは?
G 親子の面会時のルールはあるか?
H 親子の通信時のルールはあるか?
※@〜Dは入所等措置/一時保護の別を計上。加えて、C〜Dは虐待事例/それ以外の別を計上する。

次回も続き「資料1−2 本ワーキンググループで検討すべき事項に関する資料」からです。

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