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第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月11日(Thu)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎資料4 各委員提出資料
◎一定の立法的整備を要する成年後見制度の課題に関する意見書

新潟大学法学部教授 上山 泰
はじめに→一定の立法的整備を要すると思われる中長期的課題に焦点を当てた意見。
T.法定後見制度の基本枠組みの改正について
(1)「具体的必要性」を基準とする「必要性の原則」の明文化
→「具体的必要性」を基準とする(必要最小限の介入原則)。
(2)法定後見制度の基本枠組み
(a)基本原則→本人の意思的関与なしに公的手続を通じて付与される必要最小限の範囲の法定代理権の仕組み(本人の意思的関与を要しないパターナリズ ム型支援)が法定後見制度のコア。
(b)原則形態(スポット型後見)→「法定代理権のみを付与するアドホックなスポット型後見」に テーラーメイド型の支援に求めるべき。「特定の法律行 為」を対象とした事項特定型法定代理権として構成されるべき。
(c)本人の意思的関与に基づく拡張形態→@本人の申立て又は同意に基づく事項特定型法定代理権と、A本人の申立て 又は同意に基づく事項特定型同意権・取消権を整備することが望ましい。 @は現行の保佐・補助類型における法定代理権と同一の仕組み。Aは補助類型における同意権・取消権と基本的に同一の仕組みである。現行の類型別の仕組みよりも一元的な仕組みに親和性が高い といえる。今後の法改正を念頭 に制限行為能力制度について検討する場合には、現行の補助型の規制と後見・保佐型の規制とを区分して論じることが望ましいと考える。
(d)定期的再審査制の導入→過剰介入または過小保護の発生に対するセーフガード として、法定後見の最長期間とその更新(見直し)の手続を定めた定期的再審査制を導入 する必要がある。

U.申立てに関する規律の見直し
・現行法上、検察官は民法典上の公益の代表者としての位置づけから、後見等開始の申立 権(民法 7 条等)を持つ。他方、市町村長にもまた、身寄りのない認知症高齢者等に適時 に後見等が開始されることを保障するために後見等開始の申立権が付与されている(老人 福祉法 32 条)。
・直近の令和2年の場合、市町村長申立が最多の申立人類型として全体の 4 分の 1 近く (23.9%)を占めているのに対し、検察官申立ては1件もなかった 3 。こうしてみると、 後見等の開始に関するセーフティネット機能は、現実には市町村長申立権がほとんど一手 に担う形となっている。検察官申立権については削除を視野に入れた見直しが必要であると考 える。仮にこれをなお存置するのであれば、少なくとも、検察官申立権に関する独自の機 能領域を検討するとともに、地域連携ネットワークの中で司法機関としての性質を併有する検察官が申立業務のほかにも果たせる役割がないのか、検討することが有益。
・後見開始後の場面においても、現実にセーフティ ネット機能を果たしうるのは検察官ではなく、むしろ市町村であろうことからすれば、市 町村長に対しても現在の検察官と同範囲の申立権を付与するべきであろう。

V.裁判所の監督権限に基づく後見人交代権限の導入と本人の成年後見人指名権
・ 成年後見人等の柔軟な交代可能性を担保するために、成年後見人等に対する強制的な交 代権限を家裁の監督権限の 1 つとして立法を通じて明確に位置づけるともに、本人の意向 を最大限に尊重できる形で規定を整備すべきであると考える。
・本人との信頼関係が破壊された事案のすべてを後見人の欠格事由と結びついた解任の問題として処理することは適切ではない。私見によれば、この場面の処理 は、家庭裁判所と中核機関との密接な連携を前提とした、地域の稀少な後見人資源の再配 置の問題として整理するべき⇒解任でも辞任でもない第三の終任類型として整理が適当。

W.後見業務に関する損害保険の義務化
・成年後見人等による不正防止に関する議論にあたっては、単に不正の発生を完全にゼロ にすることだけを追求するのではなく、むしろ一定のトラブルの発生を織り込んだうえ で、被害発生時において迅速に損害を回復できる被害救済の仕組みを整備していく方向で の検討を合わせて行っていくべきであると考える。今後は損害保険等による被害救済の仕組みを親族後見人事 案も含めた成年後見事案全件で利用できるようにする方向での検討が重要。

X.公的後見制度の導入 第 8 回専門家会議に提出した意見書(「地域連携ネットワーク WG の審議を踏まえた補 足意見」)で述べたとおり、虐待事案、触法事案、反社会勢力介在事案等のいわゆる「困難事案」に対する最後の砦としての公後見人制度の導入を真剣に検討すべき時期にきていると考える。

Y.人格権に関する代行決定権限
・本人の人格権あるいは人格的利益に関する代行決定権限という視点から、医療同意権や居所指定権に関わる身体的人格権だけではなく、プライバシーのコントロール等の精神的人格権領域も視野に 収めた総合的な検討を行うことが望ましいと考える。
・この領域こそ、まずは意思決定支援による対応が強く望まれるものといえるので、日本版 IMCA の整 備等を含めて、地域における意思決定支援体制の確立をむしろ先行して議論すべきである かもしれない。
・この問題については、単に成年後見法の改正の視点だけから検討を進めるので はなく、近親者等の医療同意権のあり方を含めて、判断能力が不十分な患者に対する規律 を幅広く整備するべきであると考える。

Z.任意後見制度の課題
(1)法定後見との併存の容認→任意 後見人の代理権をフルスペックで与えておかないと、法定後見に移行するリスクが大きく なってしまうことになる。に任意後見と法定後見の併存を認めることも併せて検討すべきであると考える。
(2)任意代理の限定的な活用↓
・本人の判断能力の喪失あるいは低下に伴う任意代理権の当然失効の問題については、ま ず、@本人の意思能力喪失時点と、A本人に法定後見又は任意後見が開始された時点の2 つの場面を切り分けて議論する必要がある。⇒ⓐ〜ⓒへ。
・さしあたり私見は、@代理権の範囲を限定的なものとすること、A任意 代理権の付与とワンセットの形で適切な乱用防止策が組み込まれていること等を条件として、特約によるいわゆる持続的代理権の余地を認めてよいと考える
・現実のニーズを考えた場合、日常生活費等の限定的な金額のみが入金されているような普 通預金口座の管理についても、特約による持続的代理権を認める余地があるように思われる。他の重要な法律行為に対する具体的な必要性がある場合は別として、単にこうした預金口座を管理するためだけに、法定後見あるいは任意後見を発動することは、一般的にいってこれらにかかるコストに見合わないように思われるから(これを強要しようと すると、まったく監督機能が働かない事実上の管理へと逃げる者が増え、本人の保護には むしろ逆効果になるように思われる)。この一方で、高額の金融資産の管理や投資信託の 売買等までをも、特約による持続的代理権の対象に含めるかに見える近時の銀行実務等の 動きには明らかに行き過ぎの部分があり、適正な歯止めをかけるための議論を進めることも必要であると考える。


◎【第 11 回成年後見制度利用促進専門家会議 意見書】
一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構 理事 櫻田 なつみ
〇成年後見制度の運用改善等について ↓

成年後見制度利用促進を進めていくためには、今よりも当事者の目線に立った運用改善が必要だと感じる。 ワーキンググループの議論にも挙がったが、当事者が成年後見制度利用を考えた時に壁となってくるこ とは、後見人等に支払うことになる報酬に関することだろう。実際報酬を支払うことができずに制度利用 を諦めている当事者は少なからずいるのではないだろうか。特に、障害をお持ちの方の場合、自分自身で 働いて得て収入はそこまで多くない現状がある。その中で貯金をしたり生活費を捻出していく訳だが、その貯金も将来のためや突発的な支出に対するものであって、成年後見制度を利用するために貯金をしてい るわけではない。将来的に成年後見制度を利用することになることは、過去の自分は予測できなことだ。 過去に貯めたものから報酬を支払うと生活に支障が出てくる当事者もおり、そのような状況があるから制 度利用ができないということも実際に起きていることだろう。 上記で挙げたのは壁となってくるほんの一例だが、自分の生活を支えてくれる制度の利用が経済的理由 によって選択肢から除外されてしまうのは、この専門家会議に参画している当事者として見過ごすことは できない壁である。 当事者が誰でも選択肢のひとつとして制度利用を考えていけるように、当事者側への助成等があるといいのではないか、考える。 当事者を支えてくれる存在である後見人等に対しても、相応の報酬はもちろん必要である。後見人等に 相応の報酬が支払われていない場合、当事者と後見人等の信頼関係も崩れていってしまいお互いのために はならないと思う。それを防ぐためにも当事者が後見人等に相応な報酬が支払える環境を作っていくこと も大事になってくる。その環境作りの一環として、当事者側への助成等の議論を進めていってほしい、と 思っている。 運用改善を少しずつすることによって、今以上に当事者の目線に立った支援が可能になり制度利用につながっていくのではないか、と考える。

〇次期基本計画において、中長期的な視点から目指すべきこと、方向性について ↓
次期基本計画において、制度についての周知、広報を続けていくことを強く望む。 現行基本計画にも「制度の周知」は掲げられているが、制度のこと自体を知らなかったり制度の中身を よく理解できていない当事者が多いと感じているからである。現行基本計画が動き出した 5 年前に比べる と少しは周知されてきているようにも感じるが、「どういった内容なのか?」や「自分にどういったメリッ トがあるの?」といった声は、未だに多く聞こえてきている。ポータルサイトの開設によって目に触れる 機会は増えてきていると思うが、制度自体を聞いたことがないと検索等もせずポータルサイトにも辿り着くことが困難である。制度の名称などがもっと目に触れたり聞こえてきたりするようになると、ポータル サイトなどへのアクセスも増え制度がより身近に感じされるのではないか、と考える。 また、診断書の在り方について書式が見直され運用も始まっているが、これを更に見直しを重ねていき よりよいものになっていくことも望んでいる。 今まで専門家会議やワーキンググループで議論されてきた事柄を一度に反映することは難しいかもしれ ないが、当事者や家族にとって成年後見制度がより利用しやすくなり「自分が困ったときに助けてくれる」制度ということをしってもらい、困ったときに自分を助けてくれるツールの選択肢のひとつになって いくとことを望む。


◎次期基本計画策定に向けての意見  公益社団法人 日本社会福祉士会 理事 星野 美子
○事例を通しての提言↓
1. 権利擁護支援の地域連携ネットワークの機能等について

社会福祉法改正により、地域共生社会の実現に向けて、重層的支援体制整備事業が法に位置づけられ、権利擁護支援体制整備もこの事業と深く関わることがワーキングでも確認。この点は、重層的支援体制整備事業が全国各地で展開されていくにあたり、その根幹となる意思決定支援のあり方などの権利擁護支援の視点が共有されている必要があり、そのためにも中核機関が担う権利擁護支援体制整備との連携を欠くことはできないと理解しています。基本計画にもそのような記載が必要かと考えます。 また、中核機関が担う権利擁護支援の必要性の判断から、制度が必要となった場合の適格なつなぎ支援、また、後見人等が選任されたのちのモニタリングという一連の機能は、ソー シャルワーク機能そのものであり、権利擁護支援の体制を各地域で実現するためには、中核 機関を法制化することが必要。その際には、「中核機関」という名称や外形的なもので はなく、これまで整理されてきた中核機関が担うべき具体的機能が実践されている機関(複数の場合もある)を位置づけていくことが求められます。その場合、特に、行政からの委託を受ける民間機関においては、委託元である行政との業務における責任範囲等の整理が必要で、次期基本計画策定にあたって具体的かつ段階的に検討の推進が挙げられることを求めます法制化された中核機関は、権利擁護支援の実践に向けてその専門性が期待されるところから、社会福祉士の配置が求められ、任用・加算等の議論が進むことを期待します。 一方で、中核機関に求められる役割・機能は、社会福祉士資格所有者であればできるという ものではなく、個人としての受任経験がある者や行政と契約を締結している虐待対応専門 職チームに登録している者など各種会議体の運営や地域連携ネットワークの協議会を推進 するためのファシリテーション・スーパービジョンが可能な有資格者を充てることも検討されるべきと考えます。さらに、中核機関を組織外から支える専門職としてこれらの機能を 果たせる人材が活用されることも、中核機関の役割機能を充実させるためには必要。 事例のように、中核機関が整備されても立ち位置や機能の点から中核機関の内部だけで これらの役割を遂行するのではなく、特に軽視されがちな福祉の専門職を外部から活用すること、専門職団体からの派遣推薦を受け入れることができる体制整備がよりいっそう求 められます。権利擁護支援に関わる法律的課題を外部の法律専門職に助言を求め、支援の提 供を受けることと同様に、本人の生活支援や支援関係者のチームを形成するなどのチーム 連携に関する専門的相談を福祉関係者に求めていく体制は、今後ますます必要になると考 えます。外部の専門職の活用が求められる点としては、行政や中核機関における人事異動は 必須であることから、中核機関における専門性・平準化・継続性の維持などがあります。 また、ワーキングでも複数の委員から意見が出されていましたが、家庭裁判所の機能強化 として、支部の増設や後見制度に特化したセンターの創設、また、中核機関との連携を強化 するために後見事務に精通した専門職の活用なども含めた人員体制整備に着手すべきと考えます。

2. 成年後見制度の運用改善等について ↓
(1)本人情報シートの検証と改編等
→最高裁判所の報告によると、申立時に本人情報シートが添付される割合は全体の8割を 超えているとのことですが、本人情報シートが添付されたことによって補助・保佐の類型が 増加しているかどうかの検証と、シートの記載内容の点検、つまり本来求められている本人 のストレングス視点や、支援者の支援の必要性が書かれたシートになっていないかの検証、 記載者が客観的・中立的に記載しているかの確認等が必要。
(2)後見人等の交代について
→解任、辞任以外の後見人等の責によらない交代についての法整理の必要性については、現状の運用面での実態も踏まえ、運用改善だけでは限界になっているのではないかという点 についてはワーキングでも協議が深まったところ。具体的な方策⇒ ・解任、辞任以外の交代のあり方を法制度化する ・受任者側の確認のためではなく、本人にとっての必要性からの本人との事前面談の必須 化と、そのための経費の予算化を検討する ・申立前の相談について、中核機関だけでは担えない場合、外部の専門職が支援者として 関与できる体制と経費の予算化を検討する ・受任者調整時に複数後見や監督人選任の必要性を検討、その検討内容が家裁と共有されることでスムーズな選任につながる仕組みをより推進する ・必要な事案においては、受任後の家裁への定期報告と中核機関によるモニタリングの連 動がはかれるような仕組みを構築する。
意思決定支援や身上保護の観点から考えますと、日常的な関わりに何らかの関与をしてい る後見人等であるからこそ、本人の意思を尊重し本人にとって必要な契約行為に基づく定 期的な費用支払いやサービスの履行確認といった身上保護が果たせると考えると、「必要時 のみ後見人等が関わる」ということについては、もう少し議論が必要ではないでしょうか。 冒頭の事例のように、今すぐに何かの法律行為が求められているわけではないけれど、将来 起こりうる事態に備えて今から本人と後見人等が関係性を構築していく、という利用の仕 方が、今後、補助類型の活用が進めば増加すると考えます。
後見人等の交代については、後見人等を受任するという固定的役割認識から、地域をコーディネートするためのさまざまな役割があることを認識し、必要な知識を身につける自己研鑽を続けること、専門職団体はそのような専門職をバックアップする組織として地域のなかで機能することが求められていることを私たち自身が自覚を深めなければなりません。 地域でよく聞かれる「受任者要請に応えられない」という課題に対して、何とかやりくりして候補者を推薦すべきだという考え方はまだまだ根強くあります。しかし、そのような専 門職団体だけで解決しようとする方針ではなく、受任者不足という地域の課題に対応する 方法を中核機関等地域とともに検討し、その地域ならではの方策や資源開発に関与するこ とが今、社会福祉士には求められています。
(3)任意後見の促進について
専門職が受任者となることから報酬 額を設定して契約をすることが適切であるという見解から、契約では報酬額を話し合って 設定していても、実際に任意後見契約が発効した場合に報酬受領が困難という事案も少な からず存在します。本人の判断能力の低下がみられても、任意後見人と任意後見監督人への 報酬負担が困難だから、という理由で監督人選任に至らず年数を経過している事案もあります。 そのような状況も踏まえ、本会としては任意後見を促進するためには、3 つの課題がある⇒ 1 点目は、費用負担が困難な利用希望者への対応です。公正証書作成時の手続費用の減額 があれば、契約自体を 1 回で終わらせるためにすべてを網羅的に代理行為目録とするよう な契約ではなく、その時々の本人の意向に沿った形で契約内容の見直しが可能となり、契約したいと考える方が増えるのではないでしょうか。また、監督人が選任された場合、監督人 報酬を利用支援事業の対象とすることが考えられ、実際そのような自治体も数は少ないですが存在しています。そのような方向性を国が提示することが可能ではないでしょうか。 2点目は、契約を締結したことを中核機関で情報として把握することが可能となる仕組 みです。公証役場と地域との連携の一環として、本人の意思による契約であるからこそ、定 期的なモニタリングの相談を受けられる仕組みとして、中核機関に契約したことの情報を 伝えることを本人同意で行うことができると考えます。そうすることで、監督人選任申立の 必要な事案の発見、適切な対応が期待できます。地域の実情に応じて、中核機関の役割遂行 のなかで希望する中核機関においてはできる仕組みがあるとよいと考えます。 3点目は、民事信託との関係において、特に身上保護の適格な実施のためには任意後見と の併用が望ましいことを積極的に広報することが求められると考えます。 これら任意後見の促進については、法律職のみならず福祉関係の専門職の活用も合わせ 行う必要があると認識します。

3. 次期基本計画において、中長期的な視点から目指すべきこと、方向性について
「必要性・補充性の原則」から利用につながる事案は、虐待や権利侵害から早急に救済しな ければならないレスキュー型案件が相当数見込まれることを考えれば、判断能力の程度が重く評価される危険性が高いため、本人および環境が安定したと判断された後には早急な 見直しのためのモニタリングが実施される必要があります。「必要性・補充 性の原則」の用件に該当しなくとも、将来を見据えて本人の意思を尊重する形で早期に不要 な権限を付与させない形での制度の利用につなげる、という事案も存在しています。その場 合であっても、広く「必要性・補充性」が共有でき、制度の活用が促進される地域の体制整 備が求められます。 「必要性・補充性の原則」は、公的後見(パブリックガーディアン)の具体的なイメージ や必要性の検討を始めることが担保されていることが重要ではないでしょうか。現在地域 でさまざまな形態の法人後見が活用されていますが、本来行政が担うべきセーフティネッ トとしての対応が求められる事案が、法人後見に丸投げされないように、また、逆に、セーフティネットとして機能することが求められていた法人後見の実態が変化していることも 踏まえ、広域対応や、島しょ部などでの後見対応など、具体的なイメージを共有し、公的後 見のあり方の議論が次期基本計画策定に記載され、より実行可能な体制整備につながるこ とを希望します

4. その他、成年後見制度利用促進に関することについて
(1) 金融機関の対応
補助・保佐類型の方が活用できる商品開発においては、補助人・保佐人による管理のしやすさではなく、被補助人・被保佐人本人が支援を受けながら利用できる商品開発を希望します。また、新たな商品開発の前に、現状の各金融機関における対応のばらつきを可能な範囲 で平準化することに取り組んでいただきたく、次期基本計画にて記載を希望⇒例) ・後見人等届出時の必要書類の平準化(登記事項証明書、代理人身分証明のみとする) ・代理人キャッシュカードの発行(発行が原則不可とされる金融機関の解消) ・補助類型・保佐類型の場合は、金融機関との取引を被補助人・補助人・被保佐人・ 保佐人等複数認める運用 ・被後見人であっても後見人等が把握している範囲で、日常的金銭管理を行うために 取引が可能とされる運用
2)後見人等が加入する保険のあり方の整理 →全ての後見人等に共通する強制加入の一元化、それぞれの専門性に沿った任意保険のあ り方を整理することも、制度を利用する本人にとっての安心安全のためにメリットになる のではないかと考えます。任意保険の内容に応じて、それぞれの事案に適した後見人等の選 任にも参考になるかと考えます。
(3)利用者の費用負担のあり方の整理
これまでも本会は、生活保護における後見扶助の考え方などの意見を出してまいりました。後見扶助の考え方はすでに生活保護を受給している方には有効な方向性と考えますが、 報酬のために生活保護を申請するという考え方が、一般的に受け入れられるかの検討は必 要と考えます。むしろ、低所得者の報酬の供給をどうするかという議論だけを切り取るのではなく、全体として後見報酬に対する費用負担のあり方の検討をし、次期基本計画中に結論 を出すことが求められると考えます。 「本人の資産から受領することができる」という民法の改正が必要ではないかと本会は意 見を提出しました。社会保障的な考え方の検討の必要性も示されています。裁判所が適正に 判断した報酬が受領できないという状況を放置することは、専門職の業務の遂行において、 本人の身上保護の方針決定にも影響が起こります。利用支援事業が市町村によって要綱が 異なることの問題提起は、倉敷市からの報告にもあったとおりであり、専門職団体も事業が スタートした当時から継続して訴えているところです。 都道府県でもこの問題については認識が深まり、課題として捉えられておりますが、行政 ごとに利用支援事業を検討することは限界であり、国レベルで報酬に関する問題を次期基 本計画中に責任をもって施策を講じるべきであると考えます。 以上

次回も続き「第 11 回専門家会議意見」からです。

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