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第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月10日(Wed)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎資料4 各委員提出資料
◎権利擁護の新しい仕組みのデッサン  山野目 章夫
◆1 司法と福祉をつなぐ

・育ててきた中核機関――その役割の整理→本 人と共に歩む福祉の機関である役割。
・椿咲く丘→最高裁判所の庁舎・大ホールには、2 つの向き合う彫像を擁する。一方は、テミスの女神。おもに民事・刑事の通常事件における正義の実現をモチーフとする。 これも悪くはないが、私は、これと向き合う場所にあって、子らが楽しく幸せそうに遊ぶ光景を彫ったものが好き。この作品を「椿咲く丘」とよぶ。 むろん、現実に地域で生きる人々は、しあわせな人ばかりではない。そこを解決する司法の資源こそ、「椿咲く丘」が表現しようとした。
・家庭裁判所は「権限の性格」「 資源の規模」であり、中核機関は「機関の性格」「地域の単位」がキーワード。

◆2 地域における暮らしを支援する事業者の育成
・事業者という発想→日常生活自立支援事業との役割分担・認知症高齢者の爆発的増加へ の備えのため。
・事業者のコントロール→ 利益相反の是正・ 不正行為の防止をする。
・事業者という発想の要請、事業者のコントロールという課題 2つの両面が必要。
◆3 権利擁護をバックアップする団体の制度の創設
・地域に生きる人々の群像→課題を見つけ、どのようにあるべきであるか。本人の財産を収奪しようとする者が現 われても、本人のための適切な権利擁護を尽くすことが果たされないおそれの ある事例もみられる(たとえば「1 年半で 400 万円を超す報酬を受領している」)。
・権利擁護の伴走者というアイデア
◆4 民事法制の課題
・成年後見の医学モデルと社会モデル→現行の成年後見制度は、後見等を開始 するかどうかを事理弁識能力の水準という主に医学の観点でのみ定める。いったん後見が始まると「利用をやめようと しても本人の判断能力が回復しない限りそれも認められない」し。、本人の財産から報酬を負担しつづける。ここに、「本人の判断能力の状態のみを見て」開始の適否を定める仕組み の問題性という論点が現われる
・成年後見制度のかたちの見直し→いちど始まった手続も柔軟に終了を考えるべきではないか。 後見人の同意を得て本人が取引 をする契機をはっきりさせることがよいものではないか。 後見人の同意を得て本人が職業 に就く可能性を考えることは、 どうか。


◎意見書(第 11 回専門家会議)  中央大学 新井 誠
@ 権利擁護支援の地域連携ネットワークの機能等について

(1) 成年後見制度は,利用促進法1条に基づき,「共生社会の実 現に資すること」が目的とされていたのであるが,次期基本 計画においては「地域共生社会」,「重層的支援体制」という 考え方とも相まって推進されることになった。そこで特に「重層的支援体制」についてはもう少しその内容を詳しく説明し, 成年後見制度との具体的な連携について述べることが望まし いのではないか。
(2) イギリス,アメリカ,ドイツにおける近時の成年後見法改革 議論においては,障害者権利条約が指針とされている。我国 も同条約を批准しており,その趣旨に立脚した次期計画であ ることを示すことが望ましいのではないか。「中間とりまとめ」 では 2 頁註 7 に記載があるのみである。近日中に国連の委員 会の審査を受ける我国が発表する「次期基本計画」であることを念頭に置く必要がある。
A 成年後見制度の運用改善等について
(1) 任意後見制度については,任意後見契約法6条で任意後見人 が身上配慮義務を負い,財産管理のみならず,身上保護の制 度でもあり,本人があらかじめ取消権を授権しておくことは 公証実務で既に承認され,登記の嘱託も受理されており,そ の利便性が高められていることを周知すべきである。
(2) 適切な時期に任意後見監督人を選任するために,たとえば任 意後見契約の登記を通して任意後見契約の内容を把握している法務局において,任意後見受任者に定期的に確認するなど して,その利用を適切な時期に促すという運用について検討 すべきである。
(3) 監督による安全性を維持しつつ,制度の利用に対するハード ルを下げ利用促進を図る観点から,任意後見監督の運用に関 しより合理的な仕組みの導入を検討すべきではなかろうか。 検討に際しては,IT 技術やデジタル技術の積極的な活用とと もに任意後見契約の登記等現にある社会資源の有効活用を図るべきである。
B 次期基本計画において,中長期的な視点から目指すべきこと,方 向性について
(1) 虐待や権利侵害等に厳しい対応を迫られているいわゆるレ スキュー型後見,無報酬の案件については公的後見(Public Guardian)制度の設置を検討すべき。公的後見は諸外 国の成年後見制度にはほぼ例外なく設置されていることも参 考とすべきである。
(2) 後見報酬は利用者本人の負担を原則としつつ,報酬支払能力 のない利用者本人には適切な公的な報酬助成を実施すべきで ある。それに関するガイドラインが検討されるべきである。 さらには既に一部では活用されている公益信託による助成制 度を一層充実させるべきであり,ファンド・レイジング等の 活用も検討に値するのではなかろうか。
C その他,成年後見制度利用促進に関することについて
(1) 法定後見における 3 類型の見直し,「必要性の原則」,「補充 性の原則」の導入,成年後見人の柔軟な交代等については民 法改正が前提であり,将来の課題ではあるが,検討を開始する機は熟したのではなかろうか。
(2) 諸外国に比較して,我国の成年後見制度に関する広報活動は決して活発とはいえない。成年後見制度に関するパンフレッ ト等はあらゆる公的機関に備え置き,弁護士,司法書士,社 会福祉士等が一般向けの啓発活動をさらに充実して実践することが期待される。

◎意見書〔第 11 回成年後見制度利用促進専門家会議(令和 3 年 10 月 25 日)提出分〕 司法書士 西川浩之
1 「受任者調整(マッチング)等の支援」について(権利擁護支援の地域連携ネットワークの機能等について)

(1)「受任者調整」において求められていること→申立ての段階で、候補者の属性(親族・市民後見・法人後見・社会福祉士、司 法書士・弁護士等)のみを挙げるのではなく、具体的な候補者(個人名・法人名) を挙げるようにする必要があるということ
(2)中核機関に期待されているコーディネート機能→受け身の立場にある家庭裁判所は、本人のニーズや意思を的確に把握して福祉的な観点から必要な支援の体制を構想・構築することは、必ずしも得意ではないし、そもそも、そのような支援体制の構築の作業は、地域における社会資源を前提に、当該地域における権利擁護支援の全体構想を踏まえて行われるべきであることから、家庭裁判所が単独ですることができる(家庭裁判所に全て任せ切り にしておけばそれでよいという)ものでもない。 中核機関による受任者調整は、中核機関のコーディネート機能、特に福祉的な 支援の調整機能とその結果を、家庭裁判所の判断資料のひとつとして取り入れることを目的とするもの。後見等の開始又は後見人等の選任の審判の申立てに当たり、中核機関による 受任者調整のプロセスを経ていること(その経過及び結果を記載した書面が家 庭裁判所に提出されること)は、家庭裁判所が適切な審判をする上で非常に有用 な手続であると評価すべきである。
(3)中核機関と家庭裁判所との連携→中核機関には、あらかじめ家庭裁判所と受任者調整(後見人等の選任)の イメージを共有しておくことが求められる。
(4)「受任者調整(マッチング)等の支援」の機能の位置付け→候補者名簿の整備、必要なチーム体制やその支援体制の検討が必要。
(5)「受任者調整」は後見人等候補者を決めるだけの手続ではない→「受任者調整」の本質は、事案の課 題の整理と支援方針・内容の明確化にあり「受任者調整(会議)」が真の意味で 機能すれば、少なくとも後見人が就任直後に課題の整理から始めなければならないということは減るはずである。
2 成年後見制度の運用改善等について
(1)運用改善について
(ア)成年後見制度の趣旨や理念を踏まえた事業活動を促すような具体的な施 策が求められる
(イ)現場で求められている新たな金融サービス
(ウ)金融関係団体・各金融機関によるフォローアップ会議における検討につ いて
(2)法改正について→制度そのものの改正の必要性 ついては、現時点ではまだ十分に議論が進んでいないように思われる。今後は、任意後見制度の改善の方向性(任意後見契約に関する法律 の改正の必要性)についての議論を更に深める必要があるのではないか。

3 次期基本計画において中長期的な視点から目指すべきこと、方向性について
(1)行政手続等のデジタル化(電子化・オンライン化)に当たり後見人等による手続を置き去りにしないという視点

【後見人等が定期的に行っている行政に対する申請手続の例】参照。
(2)家庭裁判所の役割の明確化、人員の増強等の体制整備の必要性→現行基本計画の策定前は、「後見開始後は、後見人に全てお任せ。後見人の監 督だけでなく、相談や支援も、家庭裁判所に任せきり。」という状況も少なくなかったが、現行基本計画の下、権利擁護支援の地域連携ネットワーク及び中核機 関の機能が徐々に整備され、現在では、後見開始後も、チーム支援が基本であり、 福祉・行政の支援が必要であり重要、という認識が定着しつつある。今後は、家庭裁判所による「判断」「監督」と中核機関や行政による「支援」 の各機能を更に細分化して分析し、家庭裁判所にしかできないこと、家庭裁判所 がすべきこと、必ずしも家庭裁判所(だけ)がしなくてもよいこと、行政や中核 機関がすべきこと等を具体的に整理して、司法と福祉・行政の役割分担を明確に する作業を具体的に行う必要があるが、そのようにして家庭裁判所の役割を整 理し直したとしても、今後も、家庭裁判所には、事務処理の工夫だけではどうに もならないほどの事務量や負担の増加が見込まれる。利用者がメリットを実感 できる制度・運用の改善を本気で目指すのであれば、これ以上、家庭裁判所の事 務負担の増加に目をつぶり続けるわけにはいかない。家庭裁判所が、司法機関と しての権限を適切に行使し、権利擁護支援の地域連携ネットワークに的確にコ ミットするためには、まずは家庭裁判所の人員の増強等の体制整備の強化が必要である。

次回も、資料4 各委員提出資料続き「一定の立法的整備を要する成年後見制度の課題に関する意見書」からです。

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