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第10回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年09月12日(Sun)]
第10回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年8月23日)
≪議事≫@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A権利擁護支援の地域連携ネットワークの機能に関する意見交換 B次期基本計画に係る中長期的な課題等に関する意見交換
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20446.html
◎資料3−3 中村委員提出資料
現場から見た中・長期的課題について↓
1.日常生活自立支援事業について
◯本事業の課題と今後の事業展開の意見↓
@市町村を中心とした日常生活自立支援事業実施体制の検討
ア)市町村行政の関与が無いことにより生じている課題
→本事業は、都道府県・指定都市社協を実施主体とする事業であり、現在の仕組み上は市町村の関与がありません。市町村の理解が十分でないことにより、生活保護のケースワーカーが日常生活自 立支援事業の利用を強く進めているケースも見受けられます。また、成年後見制度への移行が必要なケースについて、事務手続きや報酬助成費用の負担を回避する意図から市町村長申立が進まない等、本来、利用者の状態やニーズに応じ てなされるべき制度間の連携や役割分担が円滑に行われない状況も見受けられます。 また、中核機関を受託した社協が、日常生活自立支援事業も含めて包括的に対応する体制を整えようとした場合に、予算や職員の厳密な按分を求められ、両制 度の連携に支障をきたす例も生じています。
イ)市町村を中心とした実施体制への見直しの必要性→市町村における包括的な支援体制整備に向け、 成年後見制度とともに日常生活自立支援事業が権利擁護支援の一翼を担うため には、日常生活自立支援事業についても、市町村を中心とした実施体制としていくことが望ましいと考えます。 なお、日常生活自立支援事業を実施するいわゆる基幹的社協は 1,563か所(令和 3 年 3 月末現在)で、市区町村社協の 8 割以上が自ら事業を展開しており、市 町村を中心とした実施体制への移行準備は整っていると思われます。
ウ)市町村が関与する仕組みの検討→ 単独では体制整備が難しい町村部等もあり、ただちに実施主体を変更することは 難しいとしても、何らかの形で日常生活自立支援事業に市町村が関与し、包括的 支援体制との連動が図られるような仕組みを組み込むべきと考えます。より迅速かつ適切に移行を進めるためには、権利擁護支援の地域連携ネットワークを生かし、各市町村において検討することが有効。 さらに、本事業の適正な運営の確保については、都道府県・指定都市社協による 業務監督のほか、運営適正化委員会による運営監視の仕組みが整備されていま すが、基幹的社協が 1500 か所以上に広がり、契約件数も増加するなかで、現在の限られた体制では十分なチェックやその後のフォローが実施できていません。こ の点についても、都道府県・指定都市社協の現在の機能を残しつつ、市町村及び地域連携ネットワークの機能を活用するなど重層的な仕組みを検討していただきたいと考えます。
A本事業の役割の明確化→現在の実施要領※ではこうした日常生活自立支援事業の役割が明文化されておらず、このことが、事業実施状況の地域格差の要因の一つにもなっている と推察されます。 地域における権利擁護支援の充実に向けて、日常生活自立支援事業の実態や 今後求められるものを踏まえて改めて役割を整理し、実施要領上にも明確化する ことが必要。 ※本事業は、生活困窮者自立相談支援事業等実施要綱における「サ その他生活困窮者の自立 の促進を図るために必要な事業」の一つとして位置づけられている。

2.成年後見制度の改善→日常生活自立支援事業から成年後見制度に移行が必要と判断される場合に、移行につながらない要因の一つとして、本人や家族が制度の利用に納得しないこと が挙げられます。 一度申立てをすると取り下げができない、費用が高額である、途中で利用をやめることができない、後見人によっては財産管理中心できめ細かな身上保護が期待できない場合がある等がその理由であり、本専門家会議でもご検討いただいてい るところですし、当方からも引き続き意見を述べてまいりたいと思います。 また、本会議ですでに議論されていることも含まれますが、後見人等の柔軟な交代、低所得者も安心して利用できるための費用助成の拡充、スポット的な成年後見制度の利用、後見支援に対する苦情解決の取組、後見支援の質の評価に第 三者が関わる仕組みなどを中長期的課題として検討していただきたいと考えます。 権利擁護支援の担い手→制度ごとに養成するのではなく、市民後見人、 法人後見の支援員、日常生活自立支援事業の生活支援員など、多様な活躍の 場を作り、広げていくことが必要です。 任意後見制度が発効した場合、任意後見人の報酬に加えて任意後見監督人の 報酬も発生することが本人等の大きな負担となっています。 任意後見人を監督する公的機関を設置するなど、任意後見監督報酬を安価にする手立てを検討することが考えられます。


◎資料3−4 伊東委員提出資料
委員及び当事者団体等からの意見「現場から見た中・長期的課題について」 倉敷市の意見
1 既存の取り組みの中から市民後見人の育成や活躍の場を確保する。

より身近な地域で、市民後見人に活躍していただくためには、今、どのような制度があり、地域ではどのような取り組みがされているかを整理し、 市民後見人の活動の場を考えていく必要。 例えば、既に地域活動に参加し、役割を持った民生委員や地区社会福祉協議会の役員 等が、市民後見人養成研修を受講し、成年後見制度に関する相談役になっていただくことで、地域の中で活躍していただけると考える。 また、老健局では、認知症施策推進大綱(令和元年6月18日認知症施策推進関係閣 僚決定)に基づき、これまで進めていた認知症サポーターの活動推進として、市町村が コーディネーターを配置し、認知症の人や家族を地域で支える仕組みとして、地域ごと に支援チーム(チームオレンジ)を整備する事業を創設して推進。 倉敷市では、チームオレンジの取り組みに先行する形で、認知症マイスター制度として平成27年度から一部地域でスタートし、平成29年度から全市事業として展開して いる。認知症の理解促進や、サロン・認知症カフェに運営側として積極的に参画していただく「認知症マイスター」として、令和2年度までに126人を養成し、認知症の本 人や家族のニーズに合った支援につなげる取り組み(チームオレンジの整備)を行っている。このような方に、市民後見人候補者になっていただくことでも、地域での役割を 生かして活躍していただけると考える。 こうした既存の取り組みの中から市民後見人の育成や活躍の場を確保していくこと で、市民後見人養成研修修了者が、権利擁護支援の取り組みに参画できる仕組みづくり が可能になると考える。 国においても、生活支援コーディネーターやチームオレンジ等地域共生に取り組む関 係部局と成年後見制度利用促進に取り組む社会・援護局が、権利擁護支援の課題について共有・情報共有等をしていただき、どんな取り組みがあるか整理し、取り組み事例を 事例集などで示す等により、市民後見人が権利擁護支援の取り組みにスムーズに参画できる体制づくりを進めていただきたい。

2 全国どこでも、後見人等が一定の基準に基づいた報酬を受けられるような助成制度 への見直しについて。
生活保護や低収入の被後見人が、後見人等に対し、申立費用や報酬が支払えない場合 に、その申立費用や報酬を、市町村等が、後見人等に助成する成年後見制度利用支援事 業について、成年後見制度の運用改善等に関するワーキンググループで協議をお願いしたい内容として、市町村が認識している課題を上げさせていただきたい。 成年後見制度利用支援事業は、国庫補助事業である。高齢分野は1/5、障がい分野 は1/4が市町村負担となっている。 本市でも、平成21年から成年後見制度利用支援事業を開始しており、平成24年度 からは首長申立て以外の者も対象者として、施設・病院入所者は 18000 円(上限月額)、 在宅生活者は、28000 円(上限月額)で後見人等への報酬助成を行っている。助成件数 は、年々増加しており、平成21年度は5件だったが、令和2年度では246件(高齢者で176件、障がい者は70件)を助成している。高齢化率の急速な上昇に伴い、今 後も利用支援事業の利用者が増加すると、市町村は事業にかかる財政負担に耐えられな くなる。 こうした市町村の財政負担から、事業の助成対象者を首長申立て案件に限る場合や、 助成額が市町村で違うなど、市町村等によって助成する条件が異なり、全国一律の制度 になっておらず、例えば首長申立てにより後見人が就いた被後見人が、転居した先の市 町村が、助成対象を首長申立てに限っていた場合、報酬助成の対象にならず、後見人が 報酬を受け取れないというケースもある。 また、家庭裁判所の審判により決定する報酬付与額は、案件内容によって、利用支援 事業の助成額を上回る場合も多く、資力のない被後見人の後見人は、家庭裁判所が審判 する報酬額全額を受け取れない場合も多いと思われる。 今後、多様な主体が、後見人として活動できる環境を整備していくためにも、被後見人等の資力の有無に関わらず、安心して成年後見制度が利用できるよう、全国どこでも、 後見人等が一定の基準に基づいた報酬を受けられるような助成制度への見直しを検討 していくことが必要であると考える。 さらに、中長期的な課題として、高齢化に伴い、対象者が今後も増え続けることが見 込まれる中、現在の利用支援事業の制度が維持できるか限界があると思われる。資力が 低い方の報酬額付与決定の在り方や、被後見人等が、資力の高低に限らず、安心して利 用できる体制づくりについて、幅広い視点での検討をお願いしたい。


◎資料3−5 手嶋委員提出資料
1 現行の成年後見制度利用促進基本計画と次期計画に向けた中間とりまとめに係る 基本的な認識

現行の成年後見制度利用促進基本計画(「現行計画」)は,いわばそ の第一段階として,成年後見制度が,利用者の権利擁護を目的とする利用者のため のものであるにもかかわらず必要な利用がされていないこと,親族以外の第三者が 後見人になるケースの中には,意思決定支援や身上保護等の福祉的な視点に乏しい運用がされているものがあり,また後見等の開始後に,本人やその親族,後見人の 支援体制が十分整備されていない(後見人を監督する立場の家庭裁判所が事実上相 談対応をしてきたものの,家庭裁判所では,福祉的な観点から本人の最善の利益を 図るために必要な助言を行うことは困難である)こと等から,成年後見制度の利用 者が利用のメリットを実感できていないケースも多いとの指摘がされてきたこと等を踏まえて,利用促進に当たり,改めてノーマライゼーション及び自己決定の尊重 といった成年後見制度の理念に立ち返って運用の在り方が検討されるべきこと等を 指摘し,本人の意思決定支援や身上保護等の福祉的な観点をも重視した,利用者が メリットを実感できる制度・運用への改善,全国どの地域においても必要な人が成 年後見制度を利用することができるよう,それぞれの地域において権利擁護支援の 地域連携ネットワークを構築すること,不正防止と利用しやすさとの調和を図り,安心して制度を利用できる環境を整備すること等を求めている。その意味で,運用 改善や地域連携ネットワークの構築,環境整備等により,必要な人を権利擁護の基 盤となるべき制度利用につなげることを通じて,制度の利用促進を図ろうとする点 にその主眼があると言ってよい。 次期成年後見制度利用促進基本計画に係る中間とりまとめは,現行計画の進捗を踏まえ,次期計画において,地域共生社会の実 現という目的に向け,本人を中心とした幅広い支援・活動の共通基盤となる考え方 として「権利擁護支援」を位置付けた上で,権利擁護支援の地域連携ネットワーク の一層の充実などの利用促進の取組をさらに進めていくとしている。成年後見制度 は,権利擁護を支える重要な手段であり,身上保護と財産管理の支援によって,本 人の地域生活を支える役割を果たすところ,その利用促進の取組は,地域住民の参 画を得ながら,家庭裁判所,関係行政機関,地方公共団体,専門職団体,民間団体 等の協働による権利擁護支援の地域連携ネットワークを通じて推進されるべきもの であって,地域共生社会の実現(すべての住民が,障害の有無等にかかわりなく, 尊厳をもってその人らしい生活を継続することができるよう,社会全体で支え合い ながら,ともに地域を創っていくことを目指す)という共通の目的に向けて,他の 様々な支援・活動のネットワークと連動するものと位置づけられている。
その意味で,次期計画の射程は,単に「成年後見制度の利用を促進する」という にとどまらず,この取組に関係するすべての者が,当該地域における地域共生社会 の実現に向けた関連する取組との連動を意識し,成年後見制度がその地域における 権利擁護の仕組みの中で具体的にどのように位置づけられ,どのように機能することになるのかという点に目を向け,自らの役割を果たしていく必要があることを指摘するものと認識。 裁判所の立場からも,これまでの「利用者がメリットを感じられる制度運用」に 向けた取組を引き続きしっかり進めていくとともに,次期計画に向けて,上記のような視点をも踏まえ,取組の在り様や課題等について,改めて振り返ってみる必要 があると考えている。

2 現行計画を踏まえた家庭裁判所の取組の振り返り
例えば,利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善の観点から,より本人の 実情に即した運用に資する取組として,本人の生活状況等を踏まえた診断プロセス を分かりやすく記載できる診断書の在り方や,医師が本人の生活状況等に関する情 報を確実に入手できるような関係機関の支援の在り方を検討し,診断書や鑑定書の 改定を行うとともに,本人の判断能力等に関して医師が診断を行う際の補助資料として本人の福祉担当者が作成する「本人情報シート」を新たに作成し,平成31年 4月から全国的に運用を開始した。また,後見・保佐・補助開始等申立書及び任意 後見監督人選任申立書について統一書式を作成し,後見等については令和2年4月 から,任意後見監督人については令和3年4月から,それぞれ運用を開始している。 意思決定支援に関しては,最高裁判所において,令和2年10月に公表された「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」の作成にワーキング・グループの 一員として積極的に関与した。さらに,利用者にとって制度利用に際しての大きな 関心事項である後見人等の報酬の在り方についても,専門職団体との意見交換及び 利用者の立場を代表する団体からのヒアリングを踏まえて,裁判所内部で検討を進 めていることなどが挙げられ,それぞれ相応の成果をあげてきたものと認識。 権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築に関しても,地域の権利擁護支援・ 成年後見制度利用促進機能の強化に向けて,中核機関が,全体構想の設計・実現に 向けた進捗管理・コーディネート等の「司令塔機能」や「事務局機能」,利用者が必 要とする福祉的な知見に基づく支援を適切に提供する役割等を担うものとされている,地域における中核機関等の整備及び機能充実は,家庭裁判所にとっても, 基本計画の掲げる利用者がメリットを感じられる制度運用を支える切実な問題であり,各裁判所とも,地域の実情に応じ中核機関等の整備に向けた後押しの取組に工夫をこらしてきている。 これらの取組に関しては,地方自治体との連携における裁判所の敷居の高さや認識共有の難しさ等,本専門家会議においていくつかの課題のご指摘も頂いている,中間とりまとめにおいても,地方自治体や中核機関等との連携の在り方等に関しいくつかの具体的な指摘が盛り込まれている。こうした点のほかに,これまでの取組・実 践を通じ,また次期計画に向けた前記の視点等も踏まえて,今後の取組において留 意すべきと考えられるいくつかの点等について意見を述べたい。

3 後見人の選任・交代等に係る取組と地方自治体等との更なる双方向的な認識共有・連携の必要性
⑴ 地域における全体構想の共有の必要
本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任し,柔軟な交代を図っていく 上で,地域連携ネットワーク及び中核機関における福祉的観点を踏まえた成年後 見制度利用促進機能(受任者調整(マッチング)等の支援,担い手の育成・支援, 関連制度からのスムーズな移行)及び後見人支援機能が極めて重要であることは, 現行計画において既に指摘されており,家庭裁判所としても,その充実・強化に 大きな期待を持っている
。 現行計画が,利用促進機能の一つとして,市民後見人や法人後見等担い手の育 成・活動の促進を掲げているように,とりわけいわゆる首長申立て事案等,親族 以外の第三者を後見人等として選任する必要がある事案が大きな割合を占めるに 至っている状況下では,後見人の選任・交代の在り方(どのような選任の在り方 が可能か)とその担い手確保の問題とは分かち難く切実な問題として結びついている。 中間とりまとめにおいては,「市民後見人としての活動そのものが 住民による地域課題解決の取組であり,地域共生社会の理念の実現に資するもの であるといえる」として,市民後見人の選任は,地域共生社会の実現に資する人材育成,参加支援,地域づくりといった観点からより積極的に位置づけられることとなった。法人後見についても,比較的長期間にわたる制度利用が想定される 障害者や,支援困難な事案への対応などの観点から全国的に取組を推進していく 必要が指摘され,その担い手としては,各地域において,市町村及び都道府県が 連携して,負担が集中しがちな社会福祉協議会以外の担い手の育成や,多様な主 体による法人後見が実施されるよう,周知・啓発等が行われるべきことが指摘。さらに,地域共生社会の実現に向けて関連する取組との連動を意識する観点から,成年後見制度及びその運用が当該地域における権利擁護の仕組みの 中で具体的にどのように位置づけられ,他の制度と連動し,機能することが期待 されているのかを理解することも,選任・交代の在り方を考えていく上で重要な 視点であり,中間とりまとめの「成年後見制度と日常生活自立支援事業等との連携の推進及び同事業の実施体制の強化」の項において,「家庭裁判所においても日常生活自立支援事業を含む権利擁護支援に対する理解が進むことが期待される」 とされ,最高裁判所において,家庭裁判所の職員に権利擁護支援の理念が浸透す るよう,必要な対応を図ることが期待されるとしているのも,こうした趣旨と認識。 したがって,成年後見制度の利用促進を考えていく上では,担い手の確保の点 も含め,当該地域においてトータルとしてどのような仕組み作りを目指すのか, 関連する資源等当該地域の実情を踏まえた実現に向けての課題や対策の方向性等 も含め,整合性のある全体構想が検討・共有される必要があり,裁判所としても その認識・視点を共有させていただくことが,後見人選任の前提としての給源確 保のみならず,選任・交代等について様々な検討,対応,連携に取り組んでいく 上で重要。市民後見人に適した事案のイメージ 共有が十分にできていない,あるいは一応のイメージが共有されていても候補者 選定の対象として想定されている事案が事実上限られ,受任調整に関する手続も 厳格なものになっているなどの事情が指摘されており,家庭裁判所も含めた関係 機関相互の実質的・具体的な認識共有が重要な課題であると認識。法人 後見→選任に際し裁判所が考慮する要素等の実質的な共有が重要な課題と認識。
(2) 広域的な視点の必要性・有用性
広域的な視点での連携の有用性→令和元年度の補助金事業として中国ブロック5県に所在する市町村を対象として行われた「認知症高齢者等を支えるやさしい地域づくりに向けた成年後見制度の 利用に係る相談体制とネットワーク構築に関する調査研究」をきっかけとして,これにオブザーバーとして関与した家庭裁判所が,都道府県横断的な取組が,知恵・ 課題・経験等の共有という点で極めて有用であることや,改めて都道府県の役割の 重要性に気づいたこと等から,高等裁判所とも連携して,こうした更なる広域的な 取組の継続の可能性を模索している例もある。庁の単位を越えて高等裁判所管内の 各家庭裁判所が実務上の課題や工夫等について意見交換を行い,知恵を共有して事務改善に生かす取組は,裁判所においては日常的に行われているところであり,自 身の取組を客観的にとらえ,多様な経験を活かしつつ,多角的な検討を行う上では 極めて有用と認識している。こうしたより広域的な視点での取組については,現在, 厚生労働省の成年後見制度利用促進室が窓口機能を果たしていただいており,難し い点も多々あると認識しているものの,利用促進に向けた効果は相応にあり得るのではないかと考えている。

4 報酬の在り方の検討と必要な環境整備
(1) 検討の趣旨と状況
後見人等の報酬の在り方
→身上保護の側面についても適切に評価した上で,後見人等が行った事務の内容や負担に応じて報酬を算定するという基本的な方向に沿って,全国の家庭裁判所をまじえて検討を進めてきている。検討の過程で,裁判所としては,後見人等が行うべき事務は何か,求められる事務の内 容はどういったものかなど,事務自体に光を当て,裁判所内部及び専門職団体と の間で,丁寧に議論・検討を行い,いわばその標準的な在り方について「見える化」を進めてきたものであり,これまでに事務の整理について一定の共通認識が 得られてきていることは,報酬算定の前提という位置付けにとどまらず,価値を 有するものと考えている。
(2)必要な環境整備
これまでの検討の過程で,制度の利用者,担い手,そして裁判所のいずれの立 場からも,この検討に関連する重要な環境整備上の課題として,いわゆる無報酬 事案の存在と報酬助成制度等の公的負担拡充の必要が指摘されている。 これまでの専門家会議において,後見人等の報酬の在り方に関し,専門職後見 人の持続可能な養成・供給体制を確保することが重要といった観点が示されていたほか,利用者側の視点も含め,全国どこでも後見人等が一定の基準に基づいて 報酬を受けられるように報酬助成制度の見直しをすべきなど報酬助成等の報酬の 公費負担に関する意見が多数出されている。裁判所における新たな報酬算定の考 え方や運用の開始等にも大きく関係することはもちろん,成年後見制度の在り方 そのものにもかかわる重要な問題であると思われ,今後のワーキング・グループ を含む専門家会議における議論やそれを踏まえた検討に強い関心を持っていると ころである。

5 保佐・補助の活用拡大
成年後見制度の周辺にある制度や後見と連動するものとして,保佐・補助の活用 拡大も,重要な課題。本年3月の第7回専門家会議で最高裁判所から報告し たとおり,令和2年における成年後見関係事件の申立件数は前の年よりも3.5% 増加しているが,特に,保佐開始の審判の申立件数は11.6%増加,補助開始の 審判の申立件数は30.7%増加と,いずれも前年より大きく増加。また,親族による申立てが減少傾向にあるのに対し,本人と市区町村長による申立ては増加傾向。このように,成年後見制度の利用者が増加し,かつ,保佐・補助類型 の申立てや市区町村長による申立てが増えていることについて,裁判所では申立てに至る経緯や背景事情などを十分には把握していないため,詳細な分析はできてい ないが,各地において現行計画に基づく取組が進み,中核機関などの広報・相談機 能が充実し,支援が必要な人を制度利用に繋げる環境が整いつつあることの一つの 表れではないかとも考えられる。 本人情報シートも踏まえた本人の判断能力のより丁寧な評価が保佐・補助類型の 申立て増加につながることが期待されるほか, 後見制度支援預貯金について,保 佐・補助類型にも拡大することについてニーズがあるものと承知している。保佐・ 補助類型の特質を踏まえ,不正防止を図りつつ利便性を損なわないものとするため には,課題は少なくないと思われるが,裁判所としても,検討を進めていく必要が ある。

6 その他検討すべき課題(個人情報の共有・取扱いの問題)
地域連携ネットワークと中核機関における受任者調整(マッチング)等において 典型的に問題となるところであり,これまでも度々指摘してきているところである が,家庭裁判所と関係諸機関との間での本人及び後見人等に係る個人情報の共有の 在り方の問題は,円滑な制度運用の基盤となるものとして,検討を進める必要があ るものと認識している。

7 制度改正について
前記4の報酬の在り方の検討における,報酬の公的な負担の在り方の問題も,地 域における利用者の権利擁護の基盤,生活の直接的な基盤としての成年後見制度の 意義がより明確な形で共有されるようになったことで,その問題点が浮き彫りになってきているように思われる。 これまでの専門家会議においても,一度開始されれば期限がなく更新の機会もないこと等について,負担感や使い勝手の悪さが指摘され,必要が生じる都度,必要 な権利擁護の措置を得られるような仕組みについての要望も寄せられている。 現行制度を運用する立場である裁判所としても高い関心を有しており,この利用 促進の取組の成果が,より利用者にメリットを感じられる仕組み作りに生かされる ことを期待している。手続運用をあずかる裁判所として,適正かつ円滑な運用の確 保といった観点を中心に,議論や検討に積極的に関与していきたい。 以上

次回も続き「資料3−6 青木委員提出資料」からです。

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