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第4回職場適応援助者養成研修のあり方に関する研究会(資料) [2020年12月19日(Sat)]
第4回職場適応援助者養成研修のあり方に関する研究会(資料)(令和2年12月2日)
《議事》1.養成研修のカリキュラムと研修方法等の見直しについて 2.研究会報告書(骨子案)について 3.その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15197.html
◎資料2−2:研究会報告書(骨子案)
T はじめに
・ 職場適応援助者(「ジョブコーチ」
)→障害者本人と企業の双方を理解して調整していく役割。雇用の現場に入り障害者本人が働く環境を理解し、何が課題か分析力が求められる。
・ ジョブコーチの養成→平成 18 年度から現行の制度が開始され、(独)高齢・障害・求 職者雇用支援機構と厚生労働大臣指定の研修機関により養成研修が行われている。令和元 年度末までに訪問型・企業在籍型ジョブコーチと合わせて累計 10,939 人養成、養成研修の修了者は障害者の就労支援や雇用管理の分野で活躍している。
・ 一方、近年、障害者雇用の進展やその取り巻く状況が変化する中で、養成研修のカリキ ュラムはここ 10 年大幅な改定を行っておらず、そのニーズに十分対応できていない状況。
・ 改めて、ジョブコーチを取り巻く状況の変化と求められる役割・スキルを整理し、今後 のジョブコーチのあり方を展望しつつ、本研究会主目的は現在のニーズ等を踏ま えた養成研修のカリキュラムの改定とした。

U 職場適応援助者(ジョブコーチ)を取り巻く状況の変化と役割・スキル
1.ジョブコーチを取り巻く状況の変化
・この 10 年の変化は大きく4つ
→ 一点目→障害者雇用の進展が挙げられる。 二点目→精神・発達障害者の求職・就職者数の増加が挙げられる。三点目→福祉・教育から一般就労への移行の促進や総合福祉法による就労系 福祉サービスの増加・多様化が挙げられる。 福祉から一般就労への移行者数→平成 21 年3月卒では就職者が 3,547 人(就職率は 23.7%)だったところ、平成 31 年3月卒で は 7,019 人(就職率 32.3%)と福祉・教育から一般就労への移行が促進されている。 就労系福祉サービスのうち「就労移行支援事業」の利用者数・事業所数は年々増加傾向にあり、令和元年度の事業所数は 3,090カ所、利用者数は 33,548 人となっている。 設置主体別→近年特に営利法人の割合の増加が特徴的、令和元年度は 37.1%を占めている。 また、平成 30 年度から新たなサービスとして「就労定着支援事業」が創設され、令和2年4月現在事業所 1,228 カ所、10,566 人が利用しており、今後も増加していくことが見込まれる。 最後に、障害者差別禁止・合理的配慮の提供義務化が挙げられる。 雇用分野における障害者権利条約への対応を図るため、障害者雇用促進法の平成 25 年改正により雇用分野における障害者差別の禁止及び合理的配慮の提供義務等が規定 され、平成 28 年4月から施行された。
2.ジョブコーチに求められる役割・スキル
・上述した変化により、支援対象者の仕事内容が現業系から事務系へ、雇用管理が集中型・グループ型から分散型へ、支援内容が直接現場に入る作業支援から人間関係等職場 環境の調整へといった影響がみられる。しかしながら、依然として作業支援に関するス キルは必須であり、ジョブコーチの基本的役割、求められるスキルは大きく変わっていない。
・ 精神・発達障害者の支援の増加に伴い、職場におけるコミュニケーションや人間関係 の課題に対して、本人や職場からの聞き取り、分析や助言、環境調整を行う支援が増え てきており、情報を収集し分析するスキルがより求められるようになった。 特に、精神・発達障害者に対しては、本人も気づいていない課題を抽出し、どういった課題でつまずいているのかをアセスメントして整理し、説明することが求められる。 加えて、結果をどう伝えるかを含めてアセスメント、コミュニケーションスキル や伝え方の技術が必要。また、職場で起こる課題の背景には障害特性に起因した ものがある場合が多いため、アセスメントの前提として障害特性の理解が重要。 就職直後のみならず、職場になじんだ後でも、職場には言えない悩みを抱えていることや新たな課題が発生する場合もあり、職場定着のためには、職場外のサポートが重要。また、障害者は抱えている問題が様々であり、経済的な問題や生活 支援等その他の支援との連携が必要である。
・ジョブコーチ→今起こっている職業上の課題を短期間の支援の中で解決する役割である。一方、課題には短期で解決できることと長期に渡って支援をし続けなければいけ ないものもあり、後者については、職場内のサポート体制を整えるとともに、職場外のサポートとして障害者就業・生活支援センター等が継続的に支援していくことが望まし い。

V 職場適応援助者養成研修を取り巻く状況と中長期的課題
1.職場適応援助者養成研修の現状
・ 職場適応援助者養成研修→
平成 18 年度から現行の研修制度になり、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構及び厚生労働大臣指定の養成研修により実施。令和元年度は訪問型・企業在籍型合わせて 1,418 人が研修を修了、修了者累計は 10,939 人。
・ ジョブコーチ養成研修の受講ニーズを受け、JEED では平成 29 年度から段階的に実施 回数を増加させ、令和元年度以降は年 10 回実施。また、厚生労働大臣指定の 研修機関も徐々に増えており、現在は7機関が指定を受け、全国各地で研修を実施。 職場適応援助者養成研修の修了者がジョブコーチとして活動をした場合にその活動に対して助成金が支給、当該助成金の受給資格認定を受けた者は、令和 4 元年度訪問型ジョブコーチ568 人、企業在籍型ジョブコーチ 232 人であった。
・ 「ジョブコーチの現状と課題に関する実態調査」(別添)によると、助成金の要件の1つになっている研修 ではあるが、障害者の就労支援や雇用管理について体系的に学べる研修として受講して いる者も多くいることがわかった。
・ 養成研修の修了者層の変化としては、訪問型→所属法人のうち、社会福祉 法人の割合が減り、営利法人の割合が増えていることが特徴。平成 20 年度の実 態調査では、修了者の所属法人のうち社会福祉法人の割合が 85.6%、今回の調査では 39.7%と減少、一方、株式会社→同割合が 0.5%から 27.9%と増加している。また、企業在籍型→修了者の増加が顕著であり、地域 の就労支援の在り方に関する研究会(第2次)報告書において示された企業内でのジョ ブコーチ活用促進の方向性が促進されているものと思料される。
2.地域の就労支援体系とジョブコーチ支援
○ 地域の就労支援体系→制度の改変や新設により、就労支援を担う事業・機関 が充実してきた一方で、就労支援体系が複雑化し、役割がわかりにくくなっている面もある。地域の就労支援体系の中で、ジョブコーチ支援に関しては、特に、障害者就業・生活 支援センターや就労定着支援事業との役割や連携を改めて整理し、支援が必要な人により適切なサービスを提供できるようにすることが求められる。現行の制度下でも、制度間の連携はなされているところであるが、ジョブコーチ支援 から就労定着支援事業へのつなぎ、配置型・訪問型ジョブコーチから企業在籍型ジョブ コーチへのつなぎ等も考えられ、丁寧な引き継ぎによるスムーズな連携が求められる。 なお、訪問型ジョブコーチに関して、活動について地域差が見られることや経験豊富なジョブコー チをいかに育て、地域において活躍してもらうかは課題である。
・また、支援対象者全体としては、発達・精神障害者の割合が増えているが、視覚障害者や聴覚障害者等のジョブコーチ支援は根強い課題がある。特定の障害種別に特化した ジョブコーチのニーズはあるが、ジョブコーチを養成する中で専門的なスキ ルを学ぶよりも、専門的なスキルを持った人にジョブコーチのスキルを付与していく方が効率的。そのため、そういった専門性を有する人たちの受講が増えるよう積極的な周知を行うとともに、特別枠を設ける等のインセンティブについて、ニーズや実態を踏まえ、引続き検討する必要。
3.高等教育機関におけるジョブコーチの養成
・ 養成研修制度の見直しにより、高等教育機関においてもジョブコー チ養成研修を行うことが可能。 現在、1機関が指定、社会福祉士や精神保健福祉士の養成課程を専攻している学生に対してジョブコーチ養成課程を実施。修了者の質の担保のために、 卒業と同時に国家試験合格が求められており、大きなハードルになっている。
・ 高等教育機関→養成研修を実施するためには、一部の科目は社会福祉士養成課程の科目で読み替えができるものの、新規科目を立ち上げる必要。担当教員の確保や新規科目を立ち上げはコストがかかるためコストに見合う学生確保のため に、魅力を高めていく必要。
・ 今後、就労支援や障害者雇用分野の人材確保→高等教育機関での人材養成の取組は、こうした人材の輩出に寄与できる。 また、高等教育機関→障害者の就労支援に関する科目があることは、研究者・ 教育者を育てていくという観点からも重要。 ○ 受講した学生がどの進路に進んだとしても、大学においてジョブコーチについて学ぶ ことは、卒業後の活動の環境・土台を作っておくという意味でも、意義のある取組である。
4.就労支援を担う人材の底上げ
・ 就労支援の知識・スキルを習得したいという支援者の裾野は、就労系障害者福祉サー ビス事業の支援者のみならず、医療機関、生活困窮者支援機関、児童支援等の隣接分野にも広がっている。社会福祉の分野→主に本人のニーズに焦点が当てられるが、就労にあたっては企業ニーズも重要、両者の視点から偏りなく支援することについて学べる機会が求められる。 雇用・労働と福祉と、それぞれの専門職のあり方を考えた時に、両方を見据えたニーズがあり、自ずと横断的な人材育成のあり方が問われてくる。また、就労支援を担う人 材の底上げのため、就労支援の基礎的な知識・スキルを習得できる研修を様々な就労支 援関係者に受講してもらえるような仕組みやそれぞれの専門性を段階的に高めていけるような仕組みは別途議論が必要であり、横断的スキルの習得と垂直的育成は中長期的課題。
・ 特に、ジョブコーチ→訪問型・企業在籍型ジョブコーチとして活動をして いく上で、ジョブコーチ養成研修はスタートであり、養成研修で得た知識やスキルを実 務の中で活かし、さらなる支援力の向上のためにブラッシュアップしていくことが求められる。
〇 養成研修は、これからジョブコーチを始めるという段階で受講するものであるため、 最初からジョブコーチ支援に必要な多くの知識を伝えるよりも、実務を通じて必要性がわかるようになってからの方が受け止めやすくなるものもある。スキルアップのために は、知識を実務に活用し、実務経験を積んだ人がまた新しい知識を学ぶと行ったわかり やすいステップを示すことが重要。 養成研修に盛り込むべき内容は多々あるが、現在の研修時間では収めることは難しい。 そのため、研修時間内に収められない部分については、別途スキルアップ研修を実施する等、習得できる機会を設けることが必要である。また、スキルアップ研修を実施する 際には、修了することで制度上何らかのメリットがある仕組みも同時に検討していくことが望まれる。
・スキルアップ研修は、例えば、以下のような内容を盛り込むことが考えられ る。
<スキルアップ研修の内容案> →「職場適応援助に関連する理論・技法(例:応用行動分析、ストレスの把握と対処のための支援技法、アンガーマネジメント、職業カウンセリング、「就労パスポート」・「ナビゲーション・ブック」の作成と活用)」「障害種別の課題と支援方法(視覚障害、聴覚障害、高次脳機能障害等)」「 ケーススタディ 」

W 職場適応援助養成研修のカリキュラムの見直し
1.養成研修のカリキュラム見直しに関する考え方
○ 養成研修のカリキュラム
→受講者層の変化や受講者のニーズに対応していくことが求められ、養成研修では、訪問型ジョブコーチがどういった役割を担い、どういった立ち位置で 支援を行っていくかといった根幹のより確実な習得を目指すことが求められる。 ○ 以前は、知的障害者への支援が多かったため、職場の中でどういった作業が可能かを考え、作業遂行を可能とすることが支援の中心だった。現在は精神・発達障害者へ の支援が増えてきたため、現行の研修カリキュラムの中で、認知面や人間関係、生活面の課題にどうアプローチしていくかといった内容を盛り込むなど各養成研修機関が工夫して対応している。
・ 精神・発達障害者への支援の増加により、ジョブコーチ支援において、情報を収集し、 分析するスキルがより求められるようになっている。アセスメントについては、実地で しか学べないこともあるが、座学によりベースとなる知識を身につけておくことはできると考える。 全ての障害種別に特化した内容を研修カリキュラムに全て盛り込むことは難しいため、障害への配慮や専門機関にどう繋ぐかといった普遍的な内容を含めることが必要。
・ カリキュラムの見直しに当たっては、スクラップアンドビルドを基本とするが、今般 の見直しでは特段削減が必要な科目はなかったことから、カリキュラムの構成は大きく 変更せず、科目の内容を明確化・追加することで、研修実施にあたり何に留意し、重点を置くことが必要であるかをわかりやすくすることとした。
2.モデルカリキュラムの見直し案
・ モデルカリキュラム
→支援対象者の変化等に応じ、各養成研修機関が現行の 科目の中でも様々な工夫を取り入れている。 例えば、「アセスメントの視点と支援計画に関する理解」の演習において、企業在籍 型と訪問型でチームを組んで面接のロールプレイをすることで、お互いの立場を理解し たり、採用時から支援者と連携する重要性を伝えている。また、「課題分析と作業指導」 では、以前はわかりやすく教える技術(システマティックインストラクション)に時間 をかけていたが、仕事を一から教える機会が減ってきたため、作業場面における行動観 察を組み入れている機関もある。また、地域の産業動向を踏まえた職業能力開発に関する科目や自社での課題解決に向 け、研修で学んだことをどう活かしたいかというプレゼンテーションを行うとともに、 フォローアップ研修の際にそれを用いた振り返りに活用するなどモデルカリキュラム 以外に独自科目を設けている機関もある。
◯ 具体的なカリキュラムの見直しに関する主な意見は→(1)訪問型ジョブコーチについては、地域の就労支援を担う多様な事業ができたことに より、就労支援のプロセスが分断されて、自分が担当している部分しか見えなくなってきている。そのため、養成研修では、全体のプロセスと訪問型ジョブコーチの役割 や立ち位置といった根幹をしっかり教えていくことが求められる。 (2)「職務分析と作業指導」の内容に行動観察を追加することについて、現行でも、現 場で働いている場面を撮ったビデオや実演を見て、行動観察をして記録を取り、フィ ードバックするといった演習を行っている機関もある。 人間関係やコミュニケーションに課題がある場合は、課題になる場面を動画にする ことは難しいため、別の科目の演習の中で、発言等に対してどうフィードバックして いくかといった形で盛り込むことが考えられる。 (3)定着できる人は、ストレス対処ができ、ストレスがあっても、誰かに相談して自分 の抱えている問題を解消できる人である。ストレスの把握と対処に関する詳細な内容 はスキルアップのための研修の中で取り上げていくことが適切であり、養成研修では、 その重要性やアウトラインを押さえておくことが求められる。 (4)支援者は、障害の当事者から学ぶところが大きい。ジョブコーチは、経験の数や幅で力量が分かれる。特に企業在籍型ジョブコーチは、自社で採用している人材に傾向があるため、それ以外の人材について知見がない場合もある。そのため、タイプの異なる人材を知る機会はあってもよいだろう。一方で、限られた時間の中で、 当事者の話を聞くことはインパクトが大きく、プラス面とマイナス面がある。そのため、カリキュラムの方法や工夫の1つとして、可能であれば入れることは考えられる だろう。
・ 以上のようなモデルカリキュラムに関する意見に基づき、変更・追加した点は以下の とおり→ (1)@職業リハビリテーションの理念とA就労支援のプロセスを統合するとともに、就 労支援のプロセスにおける「職場適応援助者の役割と活用」を明示した。 (2)合理的配慮の提供の義務化等の制度改正を受け、B訪問型/企業在籍型職場適応援 助者の役割に「職場における障害者の権利擁護」を追加した。 (3)アセスメントの前提として障害特性の理解が大事であることから、C障害特性と職 業的課題において障害種別を明示した。 (4)当事者の声を聞くことは重要であることから、研修内容の工夫として、C障害特性 と職業的課題とO事業所における職場適応援助者の支援の実際(事業所実習)に「可 能であれば」として追加した。 (5)D就労支援に関する制度の中に、「活用できる助成金制度の概要」と「労働安全衛 生法」を追加した。 (6)職場定着のためにストレスの把握と対処は大事であることから、E職場における雇 用管理に「ストレスの把握と対処の重要性」を追加した。 (7)面談や面接を通じたアセスメントを行う場面が多いことから、Gアセスメントの支 店と支援計画に関する理解に「面接・面談のポイント」を追加した。 (8)J職務分析と作業指導の中に、「作業場面における行動観察とフィードバック」を 追加した。

<※モデルカリキュラムの見直し案を挿入> ↓

X 職場適応援助者養成研修の研修方法等の見直し
1.研修方法の見直しに関する考え方

・ 各養成研修機関は、研修の実施にあたって、研修の質の確保や受講者のニーズを踏ま え、研修の方法についても様々な工夫を行っている。 例えば、受講者が参加しやすくなるよう日程を分割して実施している機関。また、様々な立場の受講者により参考になるよう多様な立場の人に講師を依頼したり、研修期間中に関係構築を図り、修了後のジョブコーチ活動を円滑にスタートできるようサポートしている機関もある。 今年度はコロナ渦により、養成研修に一部オンライン方式を導入する等臨時的な対応 を行っているが、こうした対応を踏まえ、今後の恒常的な研修方法のあり方について検討を行った。
2.オンライン方式について
○ ジョブコーチは現場で支援を行うことが本旨であり、養成研修は理論を実践にどう応 用させていくかを伝えるものであるため、引き続き対面型での研修が基本であると考える。演習は相互作用やグループダイナミックスを活かして行うことがあるべき姿であり、 実習は実際に現場を見ることに勝るものはない。しかし、今般のコロナ渦や今後何らか の状況により、養成研修が実施できずにジョブコーチの養成が中断してしまうという事 態を避けるためには、特例的な何らかの措置を検討しておくことが求められる。 仮にオンライン方式で行う場合は、双方向性と参加状況の確認は不可欠。講義をオンライン方式で実施する場合、双方向性が担保されたリアルタイム方式で行 なうこと、受講者の出席・参画状況を把握すること、レポートの課題を出すこと、授業を分割して小テストを設けることなど習得状況の把握を対面式以上にやっていく必要。 また、対面では、基本的な理論に加えて、通常、様々なエピソード情報が加えられる ほか、実践でどう応用されているのかという多様な情報が提供される。ジョブコーチ養成研修の場合は、特にこうした付加情報も重要、一方で、オンライン方式では 情報過多になるため、基本的な理論のみに絞り、習得状況を確認することが求められる。 このため、オンライン方式による講義を行う場合には、演習等による補完が一層重要。 オンライン方式による養成研修は、ジョブコーチの活動状況が低調な地域からの受講 が可能となる点、受講にあたって法人の了解が取りやすくなる点、移動コストが減る点、 講師のオンライン化により講師の幅が広がる点等のメリットもある。しかしながら、一 方で、課題も多く、またジョブコーチ支援や養成研修の性質を考えると、特例的な措置 として柔軟な対応はその都度検討するものの、基軸は対面でやっていくべきであると考 える。
3.演習と実習の見直しについて
・ ジョブコーチ養成研修→
社会福祉士等と異なり、演習方法等について明確 に議論がされてきておらず、養成研修機関それぞれが工夫している状況にある。 演習→今年度コロナ渦において、内容をできるだけ担保した上で、オンライン方式により行うことを一部認めている。今回のオンライン方式による演習の実施状 況や効果を検証し、今後の非常事態に備えていくことは考えられる。 実習→コロナ渦の影響で実習先の確保が困難な状態や感染者が多くない地 域でも、事業所の抵抗感により、少人数でも受け入れ不可になった状況も散見された。 実習のみ、日程を延期して実施することも考えられるが、養成研修の修了が遅れることは、活動開始時期にも影響することから、こうした非常事態下においては、実習時間の 一定割合を、ビデオによる事業所映像を視聴しながら事業所担当者から説明を受けたり、 映像を題材に演習を行うなど柔軟な対応も検討することが考えられる。実 習を通して得られるものは、座学では得がたいものであり、可能な限り実施することが 望ましい。また、他県からの受講者等については、実習のみ他機関の実習を受講できる ようにするなどの柔軟な運用も考えられる。

次回も続き「参考資料1:これまでの主なご意見」からです。

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