第4回職場適応援助者養成研修のあり方に関する研究会(資料) [2020年12月18日(Fri)]
第4回職場適応援助者養成研修のあり方に関する研究会(資料)(令和2年12月2日)
《議事》1.養成研修のカリキュラムと研修方法等の見直しについて 2.研究会報告書(骨子案)について 3.その他 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15197.html ◎資料1−1:養成研修のカリキュラムの見直しについて 《これまでの主なご意見から》↓ ・訪問型ジョブコーチがどういった役割を担い、どういった立ち位置で支援を行っていくかと いった基本からきちんと伝えていくことが求められる。 ・カリキュラムの見直しに当たっては、スクラップアンドビルドを基本とするが、特段削減が必要な科目はない場合は、その中で何が重要かを認識しながら内容に盛り込んでいくことが求められる。 ・<スキルアップのための研修の内容(案)>→職場適応援助に関連する理論・技法(例) 応用行動分析、ストレスの把握と対処のための支援技法、アンガーマネジメント、職業カウンセリング 「就労パスポート」や「ナビゲーション・ブック」の作成と活用。 障害種別の課題と支援方法(視覚障害、聴覚障害、高次脳機能障害等)。 ケーススタディ。 《各科目における工夫や見直し意見》↓ ・<各科目における工夫> →「アセスメントの視点と支援計画に関する理解」(ロールプレイで)、「課題分析と作業指導」(演習)、参照。 ・<独自科目> ・<時間数を減らした方がよいと思われる科目・内容> ・<追加した方がよいと思う科目・内容>→「産業医との連携・付き合い方のポイント」、 「労働安全衛生法」「休職制度」(労働法規の説明の中で入れた方が良いのではないか)。 《見直し案に関する主な意見》 ・<就労支援のプロセス>→研修では訪問型ジョブコーチの役割を伝えていくことが一層求められる。事前にアセスメントをし、それを職場に伝えて、初期の適応支援と調整を行っていくことが役割だということを伝えていくことが必要。 ・<行動観察とフィードバック>→職場で働いている場面を撮ったビデオを受講者に見せて、アセスメントをする演習、ビデオは、一連の 手順の中で修正した方がいい点をあえて盛り込んだ上で作成。学習のメカニズムと強化と弱化について解説をした上で、演習では、作業課題を分析し、それを実際に行い、受講者 同士で行動観察をして記録を取り、それに基づいてフィードバック。 精神障害の場合→課題になる場面を動画にすることが難しいため、この科目内ではなく、別の演習の中で、発せられた言葉などに対して、どうフィードバックしていくかを考える演習を行っている。 行動観察→アセスメントの中にも含まれる内容、環境調査における行動観察と、作業指導における行動観 察とを区別して、伝えていくとよりよいと思う。 「アセスメントの視点」の中で動画を活用しており、同じ動画を見せて、どこを見ていくかという切り口でグループワークを行うが、受講生によって切り口は様々であり、特に訪問型と企業在籍型の違いが明らかになる。 ・<ストレスの把握と対処>→ジョブコーチとしては大事な内容だが、しっかり教えるには2〜3時間は必要になるため、養成研修ではなく、スキル アップのための研修の中で取り上げていく内容になると思う。研修の中では、ストレスの把握と対応の重要性やアウトラインを押さえておくことになると思う ・<当事者の話を聞く機会>→企業在籍型ジョブコーチは、自社で採用された者のことはよく知っているが、採用している人材には傾向がある。そのため、タイプの違う人や、働くというステップになかなか行けない人のプロセスなどに触れていく機会があってもよい のではないか。ジョブコーチは、経験の数や幅で力量が分かれるところがあるので、カリキュラムのどこでもよいので、 機会として入れてもらいたい。 本人が自分の特性や配慮事項について自分の言葉で作成する「就労パスポート」や「ナビゲーションブック」などを 研修の素材とすることも考えられるのではないか。 ◎資料1−2:モデルカリキュラム見直し案 ◯【現行】訪問型職場適応援助者養成研修モデルカリキュラム⇒ 【研究会意見反映版(案)】訪問型職場適応援助者養成研修モデルカリキュラム→@〜O ◯【現行】企業在籍型職場適応援助者養成研修モデルカリキュラム⇒【研究会意見反映版(案)】企業在籍型職場適応援助者養成研修モデルカリキュラム→@〜O ◎資料1−3:養成研修の研修方法等の見直しについて ◯これまでの主なご意見 <全般> ・以前は6日間連続で研修をしていたが、企業在籍型の受講者から連続した研修は参加がしにくいという声を聞き、 現在は3日ずつに分割して実施。 ・「アセスメントの視点と支援計画に関する理解」と「ケースから学ぶジョブコーチ支援の実際」の講師要件について学識経験が求められているが、この科目については現場の支援から学ぶところが大きいため、学識経験より、現場での支援経験の方が優先されるべきだと考える。そのため、例えば3年以上の実務経験を有する等と変更してはどう か。 ・今年度はコロナ渦により、養成研修に一部オンライン方式を導入する等臨時的な対応を行っているが、こうした対応を踏まえ、今後の恒常的な研修方法のあり方にどう反映していくか検討が必要である。 <オンライン方式の導入について> ・ジョブコーチは現場で支援を行うことが本旨、養成研修は理論を実践にどう応用させていくかを伝えるもの、引き続き対面型での研修が基本。演習は相互作用やグループダイナミッ クスを活かして行うことがあるべき姿、実習は実際に現場を見ることに勝るものはない。しかし、今般のコロナ渦や今後何らかの状況により、養成研修が実施できずにジョブコーチの養成が中断してしまうという事態を避けるためには、特例的な何らかの措置を検討しておくことが求められる。 ・ 仮にオンライン方式で行う場合は、双方向性と参加状況の確認は不可欠、単に録画された講義を適 宜視聴するオンデマンド方式ではなく、双方向性の担保が求められる。 ・ 講義をオンライン方式で実施する場合、双方向性が担保されたリアルタイム方式で行なうこと、受講者の 出席・参画状況を把握すること、レポートの課題を出すこと、授業を分割して小テストを設けることなど習得 状況の把握を対面式以上にやっていく必要がある。 ・ また、対面では、基本的な理論に加えて、通常、様々なエピソード情報が加えられるほか、実践でどう応用 されているのかという多様な情報が提供される。ジョブコーチ養成研修の場合は、特にこうした付加情報も 重要であるが、一方で、オンライン方式では情報過多になるため、基本的な理論のみに絞り、習得状況を確認することが求められる。このため、オンライン方式による講義を行う場合には、演習等による補完が一層 重要となる。 ・ オンライン方式による養成研修は、ジョブコーチの活動状況が低調な地域からの受講が可能となる点、受 講にあたって法人の了解が取りやすくなる点、移動コストが減る点、講師のオンライン化により講師の幅が 広がる点等のメリットもある。しかしながら、一方で、課題も多く、またジョブコーチ支援や養成研修の性質を 考えると、特例的な措置として柔軟な対応はその都度検討するものの、基軸は対面でやっていくべきである と考える。 <演習を行う上での工夫> <演習方法の見直しについて> ・演習→今年度は内容をできるだけ担保した上で、オンライン方式での演習を組み立てた。今後も恒常的にそうあるべきではないと考えているが、今後のコロナ渦の影響が不透明なため、中止を避けるためにも、今年度は オンラインによる実施を試みたいと思っている。 <実習を行う上での工夫> <実習の見直しについて>→実習については、コロナ渦の影響で実習先の確保が困難な状態。感染者が多くない地域でも、事 業所の抵抗感により、少人数でも受け入れ不可になった状況も散見された。実習のみ、日程を延期して実施 することも考えられるが、養成研修の修了が遅れることは、活動開始時期にも影響することから、こうした非 常事態下においては、実習時間の一定割合を、ビデオによる事業所映像を視聴しながら事業所担当者から 説明を受けたり、映像を題材に演習を行うなど柔軟な対応も検討することが考えられる。 《研修方法の見直し案》 1 ジョブコーチ養成研修→リアルタイム方式で実施し、双方向性の確保と参加状況の確認を行うこと。レポート課題や授業内で小テストを設ける等学習状況の把握を行うこと。具体的なエピソードや理論の実践への応用など実践的な内容などオンラインでの講義の中に 含めることが困難な内容については、対面型の授業等で補完すること。 2 実習→現行どおり、実際にジョブコーチによる援助が行なわれている事業所又は障害者の雇用管理に関して十分な実績のある事業所において実地の研修を行うこととする。予定の研修期間内での実施が難しい場合は、なるべく早期に実施することが望ましいが、年度内の実施が難しい場合は、年度をまたいでの実施も認めることとする。また、移動を少なくする観点から地域外の受講者等の場合は他機関と協力して実習を行うことも可能とする。 ◎資料2−1:研究会報告書(目次) ◯目次 T はじめに U 職場適応援助者(ジョブコーチ)を取り巻く状況の変化と役割・スキル 1.ジョブコーチを取り巻く状況の変化 2.ジョブコーチに求められる役割・スキル V 職場適応援助者養成研修を取り巻く状況と中長期的課題 1.職場適応援助者養成研修の現状 2.地域の就労支援体系とジョブコーチ支援 3.高等教育機関における職場適応援助者養成研修 4.就労支援を担う人材の底上げ W 職場適応援助養成研修のカリキュラムの見直し 1.養成研修のカリキュラム見直しに関する考え方 2.モデルカリキュラムの見直し案 X 職場適応援助者養成研修の研修方法等の見直し 1.研修方法の見直しに関する考え方 2.オンライン方式について 3.演習と実習の見直しについて Y おわりに 次回は、「資料2−2:研究会報告書(骨子案)」からです。 |