子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ(第8回)資料 [2020年12月11日(Fri)]
子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ(第8回)資料(令和2年11月17日)
《議事》 とりまとめに向けた議論 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15039.html ◎構成員提出資料 ◎安部委員 構成員意見(2020 年 11 月 17 日) 西南学院大学 安部計彦 厚生労働省の調査研究事業の一つである「児童相談所の第三者評価」として、大阪府のある児童相談所で評価のプレ実施(試行)を行った。 <第三者評価の中で得た情報> 1)児童福祉司養成システム(府として共通) ・増員ニーズは高いが、今年度は 6 つの児童相談所で 20 人の新人を受け入れた。 ・数年前から、新人を 3 年かけて 1 人前に育てるプログラムを実施中 ・新人職員のバーンアウト防止の意味もある(詳しくは江口委員にお願い) 2)当該児童相談所の支援内容や子どもの権利擁護について、実際の事例を通して評価する中で、SV へのインタビュー ・SV は福祉司を 3~4 人抱えているが、みんなが迷っていたり同席面接、同行訪問も 多いので、十分な研修を受ける余裕はない ・人事上の職階と SV 任命は必ずしも同じではなく、その職階に承認しても SV に任命されない職員もいる ・SV になる前に研修を受けておきたかった <ヒアリングを経ての感想と意見> 1)児童福祉司の養成に十分な時間をかけると力量は確実に向上し、ヒアリングした 2 年目の SV(複数)は人格的にも仕事面でも、信頼できる職員に育っていた。 大阪府が作成した児童福祉司の養成 3 年プログラムを一つのモデル(今後の議論のた たき台)にしてはいかがか。 2)SV 任用前研修を行ってはどうか。現行のように、SV 発令後に子どもの虹やあかしで研修を受けるが、例えば児童福祉司 6 年目以降から受けられるようにすれば、SV 発令前 でも「中核的・リーダー職員」として、資質の向上と職員のモチベーションアップにもつながる。 ◎江口委員→提出意見 大阪府中央子ども家庭センター 江 口 晋 ◯人材養成等のあり方について ↓ ・児童相談所における、法律上強い権限行使においては、責任の所在が明確である必要があり、 現時点では地方自治事務の枠組みの中で、地方公務員として福祉専門職集団を形成することが必要。 ・相談援助活動に従事する者にとって、まず基本的な相談援助的なソーシャルワークの技術を習得することが大切。一方、急増する児童虐待相談対応→その多くが保護者の意図とは関係なく通告を契機として始まることが多く、子どもの安全安心の確保が最優先されることからも介入的なソーシャルワーク技術が求められる。 ・介入的ソーシャルワークを進め、必要な法的権限を適切に行使→関係法律及び 制度の理解と現場での執行経験の積み重ねが大変重要、このような経験を積み重ねるための仕組みが必要であり、任用後に実務経験を積んで身に着けていく以外の方法は考え難 いと考える。 (自治体への職員派遣研修などの仕組みなどの検討) 〇人材確保等について ↓ ・人々の生活課題が多様・複合化する中で、地方自治体は多様化・複雑化する住民のニーズに 対応していくことが求められる。 ・そのためには、地方公務員としての福祉専門職のキャリア形成を見据えた人事異動のルール化、計画的な人材育成と専門性蓄積の一元管理を進めることが必須である。 【資料1-1】 →大阪府福祉専門職の育成について(イメージ) 【資料1-2】→専門職(CW・CP)のキャリアパスイメージ ・一方、専門職採用にあたっては受験者の確保が重要であるが、採用選考に十数年関わってき た経験からは、採用者のうち、社会福祉系(学部・学科等)出身者は半分にも満たない状況 であり、その他は社会学・教育学・心理学系が占めている状況である。また、合格通知後の 辞退者も毎年数名いる現状である。(辞退理由の多くは児童相談所設置義務のない自治体等に 合格したことによる。) ・大阪府の近隣の福祉系大学の進路状況を見ると、公務員や福祉関係に就職している学生の割 合は高くない現状。 また、現場で専門職としての人材の育成の核となる、スーパーバイザーの養成は急務である。 また行政権限を適切に行使するためには、児童福祉司等が確実に遂行できるよう幹部職員に よる監督・指導が必要である。 行政機関としての意思決定・判断と臨床的指導・教育の整理が必要。 【資料2】 →児童福祉司スーパーバイザーの配置について ・また、市区町村と児童相談所の切れ目ない、地域ごとの相談援助活動を進めていくためには、 児童虐待以外の分野の相談援助技術・経験の蓄積も大変重要であり、特に里親ソーシャルワ ークについては、計画的に SV が可能な人材の養成を進めることが肝要である。 【資料3】→家庭移行推進チームの強化 福祉専門職のキャリアパスの見える化を進めるためには、各職階に求められる能力及び専門性、業務経験、自治体内での異動のルートなどの道筋を示していくことが必要であり、 自治体毎の実情に合わせて検討することが望ましい。 〇資格・任用等について ↓ ・子ども家庭福祉分野において必要な専門性を有する人材の確保、育成が必要であると認識。そのための資格の導入の検討も否定されるものではないと考える。資格を任用要件の一つに加える方向性については反対しないが、有資格者だけを任用要件に する方向性については、人材確保が困難となるため反対。入口は広くしておくことが必須、現実的である。 ◯栗原委員 ・研修主旨→日本ソーシャルワーカー連盟の主催により、各職能団体の基幹研修を修了した者等を対象に、その所属機関が属する分野を問わず、子ども虐待の予防及び子ども家庭福祉分野にも対応できるソーシャルワーカーの養成を目指し実施するもの。 ・研修目標→すべてのソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)が子ども家庭福祉領域における支援の起点を担えるように。「虐待をさせない環境作り」を主眼に、虐待の発生要因となる課題にアプローチする。 このため、日常業務においてソーシャルワークを行う際に家族全体を視野に入れたアセスメントが可能となるよう、生活を支え、人権保障を基盤とし、子ども の健やかな育ちを保障するための視点と知識を修得する。 <共通プログラム> ↓ すべてのソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)が子ども家庭福 祉領域における支援の起点を担えるようになる。 マルトリートメント(不適切な養育)が見られる家庭を地域で支え、人権保障を基盤とする子どもの健やかな育ちを保障するためのソーシャルワークを行う ための視点と知識を修得する。 <専門プログラム>↓ とくに子ども家庭福祉領域における支援の経験があるソーシャルワーカーが、 子ども虐待事例への支援で必要な知識・技術を修得し、高度な専門実践が担える ようになる。 共通プログラムで学修した内容をさらに深め、子ども虐待の防止から対応まで、地域における子ども家庭福祉の専門職として最前線で活躍できるような実践 力を形成する。 ・研修内容→共通プログラム(↓下記の時間、含むべき内容(例示)あり)↓ 1. 子どもの権利擁護 2. 地域共生社会とソーシャ ルワーク――虐待を発生 させない地域づくり 3. 公衆衛生としての虐待予 防 4. 子どもの貧困 5. 子どもの発達と障害 6. 社会的養護の現状と課題 7. 家族理解@ 8. 保護者支援@ ・研修方法→Zoom 等を用いたオンライン研修方式(予定) ・受講対象→日本ソーシャルワーカー連盟の各構成団体における基幹研修の修了者(仮) 次回も続き「参考資料1関係資料集」からです。 |