第5回 生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会 [2020年11月11日(Wed)]
第5回 生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会(令和2年10月23日)
《議事》(1)最低限度の生活に関する検討 (2)その他 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14210.html ◎資料5 級地制度の現状と課題・調査研究事業の経過報告 ◯級地制度の概要 ・目的→最低限度の生活を保障する観点から、生活 保護基準に地域差を設けているもの。 ・現行の級地間較差→「1級地−1」から「3級地−2」までの6区分で一般低所得世帯の消費実態を踏まえて設定。 平成30年10月の見直しにおいて、第1類費(個人的経費に相当する部分)と第2類費(世帯共通経費に相当する部分)別に各級地間の較差を設けることとした。 ・現行の級地指定(昭和62年度〜) ・昭和62年度の級地指定見直しの手法 ・昭和62年度の級地指定見直しの結果→3級地制を維持しつつ、各級地を2区分し計6区分に細分化。 ◯級地制度における課題→各地域において同一の生活水準を保障するために級地区分を設定していることから、昭和62年度以降見直されていない級地指定について、次期生活保護基準部会において検証し、見直す必要がある。 ◯級地制度の在り方の検討にあたっての論点(案)→1〜6参照。 ◯級地制度に関するこれまでの主な指摘↓ 1 地域ごとの生活水準の違いをどのような指標・手法によって評価するか【基準部会・改革行程表・財政審】 ・【基準部会報告(平成29年12月14日)】(8ページ参照)→級地指定の見直しだけではなく、どのような指標により地域別の生活水準 の違いを評価することができるのか、 ・【新経済・財政再生計画 改革工程表2019(令和元年12月19日 経済財政諮問会議決定)】(10ページ参照) ・【財政制度等審議会資料(平成29年10月25日)】(13ページ参照) 2 市町村合併などの影響から同一の級地区分内であっても消費実態に差が生じていることが懸念される【基準部会・財政審】 ・【基準部会報告(平成29年12月14日)】(8ページ参照) ・【財政制度等審議会資料(平成28年10月27日)】(11ページ参照) 3 級地指定の単位について【基準部会】 ・【基準部会報告(平成29年12月14日)】→現行の級地の区分設定については、市町村単位で設定されているが、実際の生活の営みが行政区域にとどまらないことを踏まえると、生活実態からみた圏域を検討していくことも考えられる。また、生活の圏域は、生活の拠点となる住まいと密接に関係する ことから、生活扶助基準だけではなく、住宅扶助基準においても同様の観点から区分設定の在り方を考えることが必要である。 ◯【参考】級地制度に関する指摘(生活保護基準部会)→【社会保障審議会生活保護基準部会 報告書(平成29年12月14日)】(抜粋)参照。 ◯【参考】平成29年検証における級地制度に関する議論(第26回基準部会)→【基本的な考え方】【消費水準の地域差の推定方法・地域の単位】→これらの意見参考。 ◯新経済・財政再生計画 改革工程表2019 〔第14回経済財政諮問会議決定(令和元年12月19日)〕 ◯市町村合併による級地指定区分変更の状況 ◯級地制度に関する調査研究について→<平成29年度><平成30年度>→平成30年度調査研究において挙げられた回帰モデルやグルーピング手法については、令和2年度の調査研究の中で、有識者 の意見を踏まえて再検討を行っている。 ◎級地制度に関する調査研究の概要 [要約版] (平成30年度) ◯級地制度に関する調査研究事業の概要 ・調査研究の目的→将来における級地制度の見直しに資するための基礎資料 を得ることを目的とする。具体的には、昨年の調査研究の成果を踏まえながら、議論の基礎となるデータの整備、消費水準 の地域差を推定するための手法の検討、級地制度の見直しに向けた課題の整理などを行う。 ・調査研究の主な項目↓ 1 消費支出等に関する地域差の現状分析(都道府県別・市町村別の分析) 2 生活保護世帯の消費支出に関する地域差の現状分析 3 「市町村別1人当たり生活扶助相当支出」を推計する回帰式に関する検討 4 地域のグルーピング手法に関する検討 5 今後の検討課題 ◎参考資料1 生活扶助基準における新たな検証手法の開発に向けた年次計画(第1回検討会 資料2) ◯生活扶助基準における新たな検証手法の開発に向けた年次計画 (平成29年検証の部会報告書における主な指摘)↓ ・最低限度の生活を送るために必要な水準とは何か、本質的な議論を行った上で、単に消費の実態に合わせるとの考え方 によらず、理論的根拠に基づいた複雑ではない検証方法を開発することが求められる。 ・単一のデータの分析結果のみで判断するのではなく、最低生活費とはどのように考えるべきか、理論上の考え方の整理 等を行った上で、その理論を他のデータも補完しながら検証していくことが重要である。 ・新たな検証手法の開発に、早急かつ不断に取り組むために、年次計画を立てて計画的かつ不断に検討を進めていくこと を強く求めたい。 (次期検証に向けての対応)↓ ・生活保護基準部会において指摘された生活扶助基準の新たな検証手法の開発については、当面の検討の場として 社会・援護局長の下での検討会を設置した上で、以下の年次計画により取り組んでいくこととしてはどうか。→「平成30年度〜令和元年度(平成31年度)」から「令和5年度」までの、各検討会、調査研究、基準見直しの年次計画の取り組み。 ◯令和2年度における検討会スケジュール(案) ・主な検討事項→「最低限度の生活」 に関する考え方の整理。現行の検証手法の課題及びその改善に向けた論点整理 ・調査研究→令和元年度、令和2年度(MIS手法による最低生活費の試算→※新型コロナ感染症の影響下でグループ・インタビューを実施するリスク等を考慮し、今年度は見送る方向で検討中) 次回は、「令和2年第15回経済財政諮問会議」からです |