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第5回 生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会 [2020年11月10日(Tue)]
第5回 生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会(令和2年10月23日)
《議事》(1)最低限度の生活に関する検討 (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14210.html
◎資料1 最低限度の生活に関する検討
◯最低限度の生活に関する検討

・一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準の水準を捉えていると、比較する消費水準が低下すると絶対的な水準を 割ってしまう懸念があることからも、これ以上下回ってはならないという水準の設定について考える必要がある
・ 最低限度の生活を送るために必要な水準とは何か、本質的な議論を行った上で、単に消費の実態に合わせるとの考え方 によらず、理論的根拠に基づいた複雑ではない検証手法を開発することが求められる
・このため、生活保護法の理念に照らして、今日における「最低限度の生活を送るために必要な水準」についてどのように あるべきか、改めて考える必要がある

◯各検証手法の概要(マーケットバスケット方式・MIS手法・主観的最低生活費→算出方法・個人の価 値判断の 影響・判断者などによる概要説明あり)
・算出方法としての主観的最低生活費→一般市民を対象に、2つの質問(@切り詰めるだけ切り詰めて最低限いくら必要か、 Aつつましいながらも人前で恥ずかしくない社会生活を送るためにいくら必要か)により食費等の費目ごとに最低限必要な額 に関するアンケート調査を行い、その調査 結果を基に主観的な最低生活費を算出する方法。→約2万人のインターネット調査による結果 を用いることから、特定の者の価値判断 の影響を受けにくい。(個人の価値判断の影響)


◎資料2 MIS 手法による最低生活費の試算に関する調査研究事業について
◯MIS手法による最低生活費の試算に関する調査研究事業について
1.概 要

・調査研究の目的→本業は、Minimum Income Standard法を用いて、一般市民の最低生活費に関する意識を調査し、それに基づき、モデル 世帯における最低生活費を推計することによって、現行の生活保護基準に関する基礎的資料を得ることを目的とする
・グループ・インタビュー→首都大学東京子ども・若者貧困研究センターおよび有識者数名で実施。外部研究者5名。
・MIS法の調査段階は、一つの事例(モデル世帯)について、P2の@〜F段階による推計方法
・モデル世帯→「若年(32歳)男性の単身世帯」、「若年(32歳)女性の単身世帯」、「高齢(71歳)男性 単身世帯」 「高齢(71歳)女性 単身世帯」の4つを設定。また、若年者は足立区、高齢者は町田市に在住と仮定。
・インタビューは、モデル世帯の属性ごとに近隣地域に在住の6〜8名を対象者として実施。 ただし、導入グループは全モデル世帯合同、最終確認グループは若年男女と高齢男女をそれぞれ合同で実施。 なお、インタビュー時期は2019年8月下旬〜2020年2月中旬であり、新型コロナ感染症の影響のない時期に概ね実施したこと に留意が必要。
◯↓以下、モデル世帯の@〜F段階を示している↓
@の導入グループで示された最低生活の規定・定義例
Aの研究チームによりとりまとめられた、「最低生活」の定義
Bの事例グループにて合意された住居の確保に際しての具体的な必要条件
Bの事例グループの議論を踏まえて献立リストを作成し、その料理を作るのに必要な材料について、Cで価格調査を行ったもの(例:若年・32歳男性)
食品価格一覧 (ア)32歳男性
Bの事例グループにて作成されたリストの各項目それぞれについて、Cで価格調査を行ったもの(例:若年・男性)

2.事業結果
(1) 4つのモデル世帯のMIS法による最低生活費(1ヵ月あたり)の推計結果↓
・全体に共通の傾向
→「食料」「住居」「交際費」が三大支出費目となっており、全体の約7割を占めている。
・ 個別の費目→若年男性の「教養娯楽」「交際費」や若年女性の「住居」「被服及び履物」の値が高くなっており、当該費目に 重きを置く傾向は高齢世帯においても男女の差として同様に見られた。
(2)全国消費実態調査との比較 ↓
・ MIS推計値を全国消費実態調査(平成26年)の一般市民の消費実態の平均値(以下、全消)と10大費目別(教育を除く)で 比較した結果は以下(図表 4-2. 図表 4-3のとおり。住居を除いた総支出では若年男性が全消より高くなる一方、若年女性は変わらず、高齢世帯に おいては低くなる傾向が見られた。 費目別→食料については高齢女性を除き全消と近い値となったが、住居はどの世帯も全消より高くなる一方で、交通・通信についてはどの世帯も全消より低くなる傾向が見られた。また、若年世帯の交際費も全消より高くなる傾向が見られた。

(3)生活扶助との比較
・ MIS推計値から、生活保護制度の被保護世帯の家計に含まれない非消費支出(貯蓄、保険)、保健医療サービスの自己負担分、貴金属を除いたもの(a)と、更にそこから住居費を除いたもの(b)を生活保護制度における生活扶助費等と比較した結果 は以下の通り(図表4-4. MIS推計(2019調査) 消費税込み と 生活扶助費 参照)。
・(a)(b)共に、若年世帯の方が高齢世帯より生活扶助と比較した場合に高い倍率となる傾向がみられた。


◎資料3 主観的最低生活費の試算に関する調査研究事業について
1 主観的最低生活費の試算に関する調査研究事業について

・概要・調査研究の目的→本事業は、「主観的最低生活費の測定」(第6回生活保護基準部会資料3)を参考としてインターネットモニター調査を 行ったものであり、一般国民における最低限度の生活の認識を明らかにするとともに、現時点における主観的最低生活費 の算出を試みた。(モニター調査は令和元年12月中旬に回答を締め切っており、新型コロナ感染症の影響下で実施したも のではないことに留意が必要)
・調査では、主観的最低生活費の他、本人や世帯の属性・生活状況等を詳細に尋ねた。特に主観的最低生活費については、 尋ね方の違いによって主観的最低生活費がどの程度影響を受けるかを把握するため、「切り詰めるだけ切り詰め最低限いくら 必要ですか」(K調査)と「つつましいながらも人前で恥ずかしくない社会生活をおくるためにいくら必要ですか」(T調査)という2種 類の質問文をランダムに表示する仕様とした。調査の実施概要は以下の通り。→@〜D

2 主観的最低生活費(中央値)について
・事業結果→主観的最低生活費(全費目・月ごとに必要となる費用・年単位で必要となる費用)(中央値)を試算した結果、K調査、T調査とも、 年齢階級を問わず、世帯人員が増えるにつれて金額が大きくなる傾向があるが、これは特に年齢階級が上がると顕著になる。 また、同じ世帯人員でも、ひとり親世帯より夫婦のみ世帯、夫婦子1人世帯の方が、金額が大きくなっている場合が大半である。 さらに、K調査、T調査のいずれも30〜50代の夫婦子あり世帯では、級地が高くなるにつれ、金額も大きくなる傾向が観察される。

3 さまざまな貧困線の試算結果について
・まず、先行研究が多数存在する以下の2種類の貧困線をアンケート結果を用いて算出→T SPLの設問(MIQ)  U LPLの設問(IEQ)→この設問から世帯ごとの所得水準と最低限必要であると考える可処分所得の関係を把握し、その関数と45度線(最低可処分所得=可処分所得)との交点を貧困線として算出。→P14の「主観的最低生活費 (最低可処分所得)【対数値】」を参照。→点(M)を貧困線とする。→MSL(生活扶助対象費目)と生活扶助基準を比較した結果、大きな違いは見られなかった。


◎資料4 「マーケットバスケット方式」による諸外国の最低生活費の 算出事例(概要)
◯国内外の「マーケットバスケット方式」による最低生活費の算出事例の収集とその算出方法の分析一式(令和元年度)の概要

・生活保護制度において過去採用されていた「マーケットバスケット方式」について、国内外の実践又は研究さ れている事例を収集し、今後の生活保護基準の新たな検証手法の開発に向けた検討の議論の基礎資料を得ること を目的とする。
◯マーケットバスケット方式による最低生活費の算出事例@(ドイツ)
1.制度概要 →低所得者を対象とした現金給付は求職者基礎保障と社会扶助から構成、対象者によって異なる給付体系。就労できる者とその家 族は求職者基礎保障、就労できない者は社会扶助の対象となる。さらに社会扶助→一時的に就労できない者には生計扶助が、長期的に就 労できない者及び65歳以上の高齢者には高齢・稼得能力減少時基礎保障が適用される(図表@−1) 。
2.生計扶助の給付水準→<図表@-2 基準需要区分(RBS)に応じた基準需要適用額>参照。
3.2017年基準需要適用額の算出方法→(1)概要 (2)基準需要区分1の基準需要適用額の算出方法(@〜E)

◯マーケットバスケット方式による最低生活費の算出事例A(スウェーデン)
1.制度概要→社会扶助は基本的には18歳から64歳の者が対象、利用できる他の全ての支援手段を活用し積極的に就労することを義務とした上で、収入と資産を評価した後に給付が行われる。 社会扶助は、国が基準額を示す全国標準とそれ以外の給付から構成される。(図表A−1)
2.社会扶助の給付水準→<図表A−2 全国標準額(単位:スウェーデン・クローナ/月)>参照。
3.合理的生活費の算出方法
(1)概要→合理的生活費(栄養のある物を食べて満足する ・天候や状況に応じた服装をする ・住居を清潔に保ち整頓する ・休息を取り、余暇に活用できる家具や道具を持つ ・ときにはレジャーに没頭できる ・本や新聞を読み、テレビを観る)、 <図表A−3 消費者庁調査のマーケットバスケットに含まれる品目(2018年)>参照。
(2)品目別の消費リストの例→@食費 A衣服及び靴 B衛生用品
(3)価格調査の概要→全国標準額に含まれる品目の金額は、スウェーデン消費者庁が実施した価格と消費の調査に基づいて決定
(4)消費者庁による1か月当たりの合理的生活費・2019年(クローナ)

◯マーケットバスケット方式による最低生活費の算出事例B(チェコ)
1.制度概要→世帯が十分な収入を得られず、社会的および経済的状況が原因で世間一般に受け入れられる基本的な水準の生活必需品を得ら れない場合には、物質的ニーズ法に基づき、給付金やカウンセリングが提供されることとなる。(図表B−1)
2.生活扶助の給付水準→物質的ニーズ法に基づく給付のうち生活扶助の基準額は、最低生活・最低生存基準法において以下の2つの基準が全国一律に。 「最低生活水準」「最低生存水準:生存を可能にする最低水準。対象者に積極性を促す手段あるいは懲戒的手段として用いられる。ただし、被扶養下にある子ども、 68歳以上の者、老齢年金受給者及び第3度障害者には適用されない。<図表B−2 最低生活水準・最低生存水準の基準額(コルナ)>参照。
3.2006年の最低生活水準・最低生存水準の算出方法
(1)概要→数年にわたる労働社会福祉研究所(チェコ労働社会福祉省傘下の研究機関)の研究結果及びその他専門家による 議論を経て、物質的ニーズ法が制定された2006年に2つの異なる給付決定参考値として導入された
(2)2002年報告書の概要 →@実際の消費に関する調査  A最低生活水準の算出(T〜W参照。)  B最低生存水準の算出(T〜U参照。)

◯マーケットバスケット方式による最低生活費の算出事例C(韓国)
1.制度概要
2.給付水準【全物量方式を採用していた2013年当時】
3.最低生計費の算定方法【全物量方式を採用していた2013年当時】→(1)概要(政府による最低生計費の公表→国の研究機関である韓国保健社会研究院が中立的な立場から一次的な計測を行った上で、中央生活 保障委員会の審議・議決を経ることとされている。)(2)韓国保健社会研究院による最低生計費の計測方法(2013年)(各費目ごとに品目や価格などが決定されている→P17〜20参照。)(3)2013年地域別・費目別の最低生計費の計測結果(図表C−2のとおり)

次回も続き「資料5 級地制度の現状と課題・調査研究事業の経過報告」からです。

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