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144回労働政策審議会職業安定分科会(資料) [2020年01月26日(Sun)]
144回労働政策審議会職業安定分科会(資料)(令和2年1月8日)
《議題》 (1)雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について(諮問) (2)雇用対策法施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令案要綱について(諮問) (3)2019年度の年度目標に係る中間評価について (4)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08803.html
◎参考資料 No.1-1:雇用保険部会報告

第1 雇用保険制度等の見直しの背景
◯ 現在の雇用情勢
→着実に改善が進む中、求人が求職を大幅に上回って推移(令和元年 10 月の有効求人倍率 1.57 倍、完全失業率 2.4%)、基本手当の 受給者実人員は減少傾向となっており、平成30 年度は37 万人まで減少。 そのような状況の中、雇用保険料率及び雇用保険制度の失業等給付に係る国庫 負担の暫定措置については令和元年度末で期限を迎えることになっており、経済財政運営と改革の基本方針2019(令和元年6月21 日閣議決定)において、「雇用 情勢はアベノミクス等の成果により引き続き安定的に推移していること等を踏まえ、消費税率引上げ後の国民の所得環境にも配意し、雇用保険の積立金の積極的な活用と安定的な運営の観点から、雇用保険料と国庫負担の時限的な引下げの継 続等について検討する」ことが盛り込まれている。
◯また、平成28 年12 月13 日付け雇用保険部会報告や雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成29 年 3月15日衆議院厚生労働委員会及び同月30日参議院厚生労働委員会)において、 国庫負担、マルチジョブホルダー、基本手当の取扱い等に関しての検討が求められ、こうした状況を踏まえ、平成 28 年部会報告において引き続き検討すべきとされた事項をはじめ、雇用保険制度全般について議論を進めてきたところであり、 以下のとおり見直しの方向について結論を得たものである。

第2 雇用保険制度等の見直しの方向
1 基本手当の在り方について
(1)自己都合離職者の給付制限期間について
◯ 雇用保険法等の一部を改正する法律(平成29 年法律第14 号
→特定受給資格者及び特定理由離職者について、 次の措置を講じたところである。
・被保険者であった期間が1年以上5年未満である30 歳以上35 歳未満及び35 歳以上45 歳未満の特定受給資格者についての所定給付日数の拡充 ・雇止め等により離職した有期契約労働者等の給付日数の充実(令和3年度末 までの暫定措置)
・地域延長給付の創設による特定受給資格者及び特定理由離職者に対する給付 日数の充実(令和3年度末までの暫定措置)
・難病患者、発達障害者等又は災害により離職した場合等における個別延長給 付の創設
◯ 特定受給資格者及び特定理由離職者以外の一般の受給資格者のうち、自己都 合(正当理由なし)により離職した者に対しては、昭和59 年から現在に至るまで、3箇月間の給付制限期間が設定されている。これについて、 安易な離職を防止するという給付制限の趣旨に留意しつつ、転職を試みる労働 者が安心して再就職活動を行うことができるよう支援する観点から、その給付 制限期間を5年間のうち2回までに限り2箇月に短縮する措置を試行すること とし、その効果等を施行後2年を目途として検証するべきである。
(2)被保険者期間について
◯ 基本手当をはじめとする失業等給付の受給資格の判定に当たっての基礎となる被保険者期間
→現在、「賃金支払の基礎となる日数が11 日以上である」月を算入している。これは、平成19 年に一般被保険者と短時間被保険者 を統合した以降の取扱い。一方、その後の雇用保険の適用拡大により、現在では、週の所定労働時間が 20 時間以上、雇用見込み期間が 31 日以上である等の要件を満たせば雇用保険 被保険者として適用されることとなるため、例えば週2日と週3日の労働を定 期的に継続する場合等、個別事例によっては雇用保険被保険者の資格を満たしながら失業等給付の受給のための被保険者期間に算入されない事例がある。
◯ そのため、被保険者期間の算入に当たっては、日数だけでなく労働時間による基準も補完的に設定するよう見直すこととし、具体的には、従来の「賃金支払の基礎となった日数が 11 日以上である月」の条件が満たせない場合でも、 「当該月における労働時間が 80 時間以上」であることを満たす場合には算入できるようにするべきである。

2 マルチジョブホルダーについて
◯ 平成28 年部会報告においては、「マルチジョブホルダーについては、
複数の 職場で就労することにより雇用保険が適用される週所定労働時間 20 時間以上 となる者のセーフティネットの必要性について議論がある中で、仮にマルチジ ョブホルダー(複数職場で働く人)について適用を行う場合には技術的な論点、雇用保険制度そのも ののあり方との関係など専門的に検討する課題があることから、専門家による 検討会を設置し、検討を進めていくことが必要である」とされた。平成 28 年部会報告及び平成 29 年改正法に係る附帯決議を踏まえ、「複数の 事業所で雇用される者に対する雇用保険の適用に関する検討会の報告書では、次の点が提言された。
・ 雇用保険の趣旨(自らの労働により賃金を得て生計を維持する労働者が失 業した場合の生活の安定等を図る制度)や、適用により生じる事務的コスト 等に照らして、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用の必要性は直ちに 高いとは評価できず、マルチジョブホルダー全体を雇用保険の適用拡大によ って保護するよりも、むしろ、そのうち雇用の安定化の必要性が高い者に対 しては、求職者支援制度をはじめとする各種の施策を活用した支
援が適当で あること。
・ 現状、実行可能性があるのは、本人からの申出を起点に合算方式で適用し、 一時金方式で給付することとなるが、逆選択やモラルハザードが懸念されること。今後、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用を検討、推進していくならば、一定の対象層を抽出し、試行的に制度導入を図ることが考えられること。この場合、適用による行動変化や、複数事業所の労働時間を把握・通算する方法に関する検討状況を踏まえつつ、改めて制度の在り方を検討することが考えられること。
◯ 当部会では、検討会による専門的、技術的見地からの整理を踏まえて議論を 行った。 マルチジョブホルダー全体を雇用保険の対象とすることについては
・ マルチジョブホルダーには収入が低い者がおり、自らの労働により生計を立てている労働者が失業した場合の生活の安定等を図る雇用保険制度の趣旨からすれば、広く適用すべきであるという意見の一方で、
・ 雇用の安定化の必要性が高い者に対しては、求職者支援制度をはじめとす る各般の施策により雇用の安定化に向けた支援を行うべきであり、制度設計 上の課題への様々な懸念等を踏まえれば慎重に考えるべきという意見があっ た。
◯ 一方、定年及び継続雇用制度の期間を過ぎて就労が多様化する 65 歳以上の 労働者については、近年、マルチジョブホルダーとしての働き方が相対的に高 い割合で増加している一方で新規求職者数の伸びに比して求職者訓練及び公共 職業訓練の受講割合はむしろ 65 歳未満の年齢層よりも低下しているなど、こ れまでの職業人生で得られたスキルを生かして多様な就労を目指している層と 考えられる。 そのため、まずは、65 歳以上の労働者を対象に、本人の申出を起点に2つの 事業所の労働時間を合算して「週の所定労働時間が20 時間以上である」ことを 基準として適用する制度を試行することとし、その効果等を施行後5年を目途 として検証するべきである。その上で、現在、65 歳以上の雇用保険被保険者は高年齢被保険者として独立 の被保険者類型が設けられていることから、原則としてその給付等の在り方も 現行の高年齢被保険者に合わせることとしつつ、マルチジョブホルダーの特性 を踏まえて、一定の調整を行った上で制度を設計すべき。具体的には、↓
・ 失業時の給付→高年齢求職者給付(一時金方式)を支給することとし、一事業所のみを離職する場合であっても、当該事業所での賃金に基 づき算出して給付する。また、正当な理由のない自己都合離職の場合には、現行の高年齢求職者給付金と同様に一定期間の給付制限を行った上で給付することとするが、2つの事業所をともに離職する場合で、その離職理由が異 なっていた場合には、何度も公共職業安定所への来所を求めることは受給者 にとって効率的ではないことから、給付制限がかからない方に一本化して給 付する。一方、両方の事業所でともに育児休業又は介護休業を取得した場合 に、育児休業給付又は介護休業給付を支給することとし、その他対象となる 給付については、従来の高年齢被保険者の取扱いに揃えることとする。
・ 本人からの申出による合算に当たっては、適用、給付等に当たっての事業 主及び行政の事務的な負担も踏まえつつ、本人及び事業所にとって必要性の 高くない保険料負担の発生を回避する観点、短時間就労している一事業所での離職についても失業給付を行った場合に給付額と就業時賃金額との逆転を 回避する観点から、試行に当たっては、@合算に当たって必要な基準を定める。具体的には、週の所定労働時間が5時間以上である雇用が行われている 事業所を合算の対象とし、合算する事業所の数は2つとするとともに、一事 業所を離職した際には、他に合算して所定労働時間が 20 時間以上となるよ うな働き方をしている事業所がないか確認する、A一事業所において週20 時 間以上労働することを前提として設定されている現行の賃金日額の下限の適 用を外す、といった措置を講ずるべき。 ◯ 試行に当たっては、事業主等の事務負担に十分配慮するとともに、離職して 給付を受けることが見込まれている者が申出をして適用されるといった逆選 択の事象や安易な離職による循環的な受給といったモラルハザードの事象が 起こる懸念に留意するべ。その上で、試行結果について、適用による 行動変化や財政的な影響等の視点から十分な検証を行った上で、必要に応じて 適用対象を含めた制度の在り方について検討していくべきである。

3 高年齢雇用継続給付について
◯ 高年齢雇用継続給付は、65 歳までの雇用の継続を援助、促進することを目的 に平成6年に創設されたが、同給付創設後の高齢者雇用の進展を踏まえ、これ まで当部会においても次のとおり累次の議論が行われてきた。

・ 平成19 年1月9日の雇用保険部会報告書では、「改正高年齢者雇用安定法 等を踏まえ、原則として平成 24 年度までの措置とし、激変を避ける観点か ら、その後段階的に廃止すべきである(同年度までに60 歳に達した者を対象 とする。)。」とされた。
・ 平成 21 年 12 月 28 日の雇用保険部会報告書では、「平成 19 年1月9日の 雇用保険部会報告において、改正高年齢者雇用安定法等を踏まえ、原則として平成 24 年度までの措置とすべきこととされているが、60 歳代前半層の雇 用の状況を踏まえ、平成 25 年度以降のあり方を改めて検討すべき」とされ た。平成24 年1月6日の雇用保険部会報告書では、「高年齢者雇用安定法に基 づく高年齢者雇用確保措置の義務年齢が平成25 年度に65 歳まで引き上げら れるが、高年齢雇用継続給付は、実態として労使間で広く定着し、高年齢者 の雇用促進に重要な役割を果たしているのが現状。こうした現状を踏 まえ、雇用と年金の接続に資する観点も考慮し、高年齢雇用継続給付は当面 の間は存置することとし、今後の高齢者雇用の動向を注視しつつ、その在り 方について改めて再検証すべきである。」とされた。
・ その後、平成25 年、27 年及び28 年の雇用保険部会報告書→「今 後の高齢者雇用の動向や社会経済情勢等を勘案しつつ、引き続き中長期的な観点から議論していくべきである。」とされた。 現在、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46 年法律第68 号)により、60 歳以上 65 歳未満の労働者に対する継続雇用制度が実施され、令和7(2025)年度には継続雇用対象労働者の限定に関する経過措置が終了し、60 歳以上 65 歳未満の全ての労働者は希望すれば継続雇用制度の対象者となる。60 〜64 歳の就業率は68.8%(平成30 年)、希望者全員が65 歳以上まで働ける企 業の割合は 78.8%(令和元年)に達していること、働き方改革を推進するため の関係法律の整備に関する法律(平成30 年法律第71 号)による労働者派遣事 業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和 60 年法律 第88 号)、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76 号)及び労働契約法(平成19 年法律第128 号)の改正により、今後、高年齢労働者も含め、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保が求められていくこと等を踏まえると、雇用継続給付としての高年齢雇用継続給付については、段階的に縮小することが適当である。
◯ その際には、当該給付が高年齢労働者の継続雇用時の処遇決定に影響を与えている実情にかんがみ、事業主を含めた周知を十分な時間的余裕をもって行う とともに、激変を避ける対応が必要である。具体的には、令和6年度までは現 状を維持した上で、65 歳未満の継続雇用制度の経過措置が終了する令和7年度 から新たに 60 歳となる高年齢労働者への同給付の給付率を半分程度に縮小することが適当である。 また、高年齢雇用継続給付の見直しに当たり、雇用形態にかかわらない公正 な待遇の確保を推進する等の観点から、高年齢労働者の処遇の改善に向けて先行して取り組む事業主に対する支援策とともに、同給付金の給付率の縮小後の激変緩和措置についても併せて講じていくべきである。 その上で、高年齢雇用継続給付の在り方については、これらの状況も見つつ、 廃止も含め、更に検討を行うべきである。
◯ 一方、職業安定分科会雇用対策基本問題部会において、65 歳以上の高齢者の 70 歳までの就業機会の確保に関する議論が行われている。就業機会確保措置に 取り組む事業主への支援、高齢者の再就職支援や地域での多様な就業機会の確 保に関し、当該支援策を雇用保険二事業を中心に、効果的に行うことができる よう、雇用安定事業に位置づけるべき。

次回は、「第2 雇用保険制度等の見直しの方向 4 財政運営について」からです。
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