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第5回「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」 [2020年01月09日(Thu)]
第5回「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」(令和元年12月25日)
議 事 (1) 報告書案について (2) その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08653.html
◎参考資料 全世代型社会保障検討会議中間報告
第1章 基本的考え方
(1)はじめに

政府は、本年9月に全世代型社会保障検討会議を設置し、少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、人生100年時代の到来を見据えながら、お年寄りだけではなく、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで広く安心を支えていくため、年金、労働、医療、介護など、社会保障全般にわたる持続可能な改革を検討してきた。
与党においても並行して検討が進められ、自由民主党では、@就労しやすい社会 づくり、A個性・多様性を尊重し支えていく環境づくり、B社会保障の持続可能性 の重視という3つの原則を念頭に議論が行われ、本年12月17日に政府に対する提言 が行われた。
また、公明党では、誰もが安心して暮らすことのできる全世代型社会 保障の構築に向けて、本年12月18日に政府への中間提言が行われた。
本中間報告は、これら与党からの提言を踏まえ、全世代型社会保障検討会議における現時点での検討成果について、中間的な整理を行ったもの。 来年夏の最終報告に向けて、与党の意見を更にしっかり聞きつつ、検討を深めて いく。
(2)経済社会の現状
(人生100年時代とライフスタイルの多様化)

我が国は、今、人生100年時代を迎えている。ある海外の研究を基にすれば、現在、我が国に生まれる子供の半数が100歳以上の人生を生きると言われている。今後は、幾つになっても、学び直しをしながら、新たなチャレンジが できるような、複線的かつ多様なマルチステージの人生が視野に入る。 また、人工知能(AI)やロボット、ビッグデータといった第4次産業革命がもたらす技術革新は、我々の生活を画期的に変えていく。技術の進展により、時間や空 間の制約にとらわれず、自分らしい学び方や働き方が選びやすくなるようになる。
(少子高齢化の克服)
我が国の最大の挑戦は、急速に進む少子高齢化。しかし、人生100年時代 の到来、ライフスタイルの多様化、技術の進展といった世の中の変化をチャンスとして捉え、全ての人が個性を活かすことができる社会を創れば、少子高齢化という 大きな壁も克服できる。年齢にかかわらず、学び、 働くことができる環境を整備すれば、生産年齢人口が減少する中でも、就業者数を維持できる。 実際、安倍内閣の2012年から2018年までの6年間で、生産年齢人口は503万人減少したが、就業者数は384万人増加した。増加した就業者のうち、60歳以上の男性 は23%、60歳以上の女性は27%を占める。
この夏の年金財政検証では、少子高齢化が進む中でも、アベノミクスによる就業 者の拡大によって厚生年金の加入者が500万人増えた結果、将来の年金給付に係る 所得代替率が改善した。 今後も、少しでも多くの方に「支えられる側」ではなく「支える側」として活躍 していただくことで、バランスを見直していく 必要がある。

(3)今後の取組の基本的考え方
(一億総活躍社会による「成長と分配の好循環」)

若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会、それが一億総活躍社会。すなわち、 一人一人が、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望 がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる 社会を創る。そのために、一人一人の希望を阻む、あらゆる制約を取り除き、活躍 できる環境を整備する。 こうした取組の中で、国民一人一人の安心感が醸成され、将来の見通しが確かに なることにより、消費の底上げ、投資の拡大が促され、経済の好循環がより一層強 化される。
(全世代型社会保障への改革)
一億総活躍社会を掲げる安倍内閣にとって、全世代型社会保障への改革は最重要課題。少子高齢化が急速に進む中で、これまでの社会保障システムの改善にとどまることなく、システム自体の改革を進めていくことが不可欠。 新しい時代の日本に求められるのは、多様性。みんなが横並び、画一的な 社会システムの在り方を、根本から見直していく必要がある。多様性を認め合い、 全ての人が個性を活かすことができる社会を創ることで、少子高齢化という大きな 壁を克服する。そのために、多様な学び、多様な働き方、そして多様なライフスタ イルに応じて安心できる社会保障制度を確立する必要がある。 これまで社会保障改革といえば、年金、医療、介護が主要なテーマになってきた が、今回の全世代型社会保障改革は、人生100年時代の到来を踏まえて、働き方を 含めた改革を行っていくもの。結婚、出産といった人生の各段階に応じて、 また、病気になったとき、高齢になったとき、どのような働き方ができるか。年金 などの各制度との関わり合いも重要になる。 働き方改革を進め、子育てや介護など様々な事情の下でも就労への意欲を活かせる社会を作る。元気で意欲ある高齢者に就業の機会を確保する。人生100年時代の 到来をチャンスとして前向きに捉えながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、 医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進める。これにより、現役世代の負担上 昇を抑えながら、令和の未来をしっかりと見据えた、全ての世代が安心できる社会保障制度を構想する必要がある。
(これまでの取組)
こうした基本的な考え方に基づき、安倍内閣では、まず消費税の使い道を見直し、 子供たち、子育て世代への支援を強化することを決定した。本年10月から3歳から 5歳まで、全ての子供たちの幼児教育・保育の無償化を行った。そして来年の4月 から、真に必要な子供たちの高等教育を無償化する。 同時に、元気で意欲あふれる高齢者が、年齢にかかわらず働くことができる環境 を整えることが必要。これまで、70歳までの就業機会の確保の法制化や、意欲ある方が兼業・副業できる環境整備、年金の受給開始時期を自分で選択できる範囲の拡大、また疾病・介護予防へのインセンティブ措置の強化などの基本的方向を 打ち出してきた。 さらに、全世代型社会保障検討会議では、ライフスタイルが多様となる中で、高 齢者についての画一的な捉え方を変え、高齢者だけでなく、子供たち、子育て世代、 さらには現役世代まで広く安心を支えていくため、年金、労働、医療、介護など社 会保障全般にわたる持続可能な改革を検討してきた。

(4)今後の改革の視点
(生涯現役(エイジフリー)で活躍できる社会)

現在の高齢 者を過去の高齢者と比較すると、肉体的にも精神的にも元気な方が増加している。 高齢者の歩行速度は、10年で10歳若返っている。また、現在就労している60歳以上 の方で、70歳以降まで働くことを希望している高齢者は8割にのぼる。今後は、 「高齢者」や「現役世代」についての画一的な捉え方を見直し、生涯現役(エイジ フリー)で活躍できる社会を創る必要がある。
(個人の自由で多様な選択を支える社会保障)
(現役世代の負担上昇の抑制)
(全ての世代が公平に支える社会保障)

世界に冠たる我が国の社会保障制度を将来世代に着実に受け継いでいくためには、 制度の持続可能性が重要。このため、改革全般を通じて、自助・共助・公助 の適切な役割分担を見直しつつ、大きなリスクに備えるという社会保険制度の重要 な役割も踏まえ、年齢ではなく負担能力に応じた負担という視点を徹底していく必要がある。中長期的 に受益と負担のバランスを確保する努力を継続していく必要。
(国民の不安への寄り添い)
全世代型社会保障への改革を補完する取組→国民の不安に寄り添っていくことが重要。現在、多くの国民が、「近くに医者がいない」、「1人で老いていく」、「地域のつながりがなくなった」、「子や孫の時代にはますます生活が厳しくなっていく」といった漠然とした不安や懸念を持っているとの指摘がある。 特に、地域間格差が指摘される地域の医師不足、独居高齢者・孤独死、「地域」の 消滅・崩壊に関する不安は切実であり、こうした国民の不安を正面から受け止める必要がある。今後、世論調査等を通じて、国民が持つ不安の実態把握を進める。

第2章 各分野の具体的方向性
1.年金

多様な就労への対応、より長く働くことへの支援、自らの選択によって 高齢期の経済基盤の充実を図ることができるための環境整備を進める。このため、 2020年の通常国会に必要な法案の提出を図る。
(1)受給開始時期の選択肢の拡大
国民一人一人が老後の生活設計を考えながら年金受給のタイミングを自分で選択 できる範囲を拡大するため、60歳から70歳まで自分で選択可能となっている年金受 給開始時期について、その上限を75歳に引き上げる。これに併せて、繰上げ・繰下げの増減率を、年金財政への中立を基本に最新の生命表等に応じたものに見直す。 他方、70歳までの就業機会の確保に伴い、現在65歳からとなっている年金支給開始年齢の引上げは行わない。
(2)厚生年金(被用者保険)の適用範囲の拡大
老後の安心を確保するためには、働き方の 形態にかかわらず充実した社会保障制度を整備する必要。 現在は、週労働時間20〜30時間の短時間労働者→従業員500人以下の 企業で働く場合、被用者であるにもかかわらず、厚生年金(被用者保険)への加入 が強制されていないため、この企業規模要件について見直しを行う必要がある。 一方、中小企業・小規模事業者は、利益率が大企業に比して低く、労働分配率も 高水準になっており、最低賃金引上げや働き方改革など多くの課題に直面する中で、 適用拡大による新たな事業者負担が大きな影響を及ぼすことが危惧される。 他方、適用拡大の影響は業種によって異なり、特にパート比率の高い卸売・小売 業やサービス業などで深刻と思われることから、そうした業界の声をよく聞きなが ら検討する必要があり、また、改革が実行される場合には、段階的な適用拡大の検討や中小企業・小規模事業者の生産性向上への支援、取引慣行の是正が必要である。
以上を踏まえ、今回の改正では、50人超規模の企業まで厚生年金(被用者保険) の適用範囲を拡大することとする。スケジュールについては、2024年10月に50人超 規模の企業まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働 者の保障を充実させるため、2022年10月に100人超規模の企業までは適用すること を基本とする。 この際、中小企業・小規模事業者の生産性向上への支援を図るため、先端技術の 実装を含め、革新的な製品・サービス開発のための設備投資支援や、小規模事業者 に特化した販路開拓支援、ITツールの導入支援等を複数年にわたって継続的に実施 する仕組みを構築し、必要な財源を確保することとする。 あわせて、短時間労働者への適用要件のうち、1年以上の勤務期間要件は、実務 上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2ヶ月超の要 件を適用する。 また、5人以上の個人事業所のうち、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法 律・会計事務を取り扱う士業について、適用業種に追加する。

(3)在職老齢年金制度の見直し等
高齢期の就労と年金をめぐる調整→年金制度だけで考えるのではなく、 税制(給与課税等とのバランス等に留意した年金課税)での対応や各種社会保障制 度における保険料負担等での対応を併せて、今後とも検討していくべき課題。 そのような整理の下で、60〜64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金(低在老)→就労に与える影響が一定程度確認されているという観点、2030年度まで支給開始年齢の引上げが続く女性の就労を支援する という観点、また、制度を分かりやすくする観点から、現行の28万円から65歳以上 の在職老齢年金制度(高在老)と同じ47万円の基準に合わせることとする。 あわせて、就労期間を延伸して長期化する高齢期の経済基盤を拡充すべく、65歳 以上の者の老齢厚生年金について、在職中から年金額の改定を毎年行い早期に年金 額を増額させる在職定時改定を導入することとする。

(4)ねんきん定期便等の見直し→ ねんきん定期便等の記載を見直し、公的年金制度のポイントを丁寧に伝えること で、国民の老後の選択を支援する。
(5)私的年金の見直し
公的年金制度の改革に併せて、私的年金の加入可能要件を見直し、加入可能年齢 を引き上げるとともに、受給開始時期を柔軟化するなどの取組を行う。


2.労働

人生100年時代に対応し、元気で意欲のある高齢者がその能力を十分に発揮し、 年齢にかかわりなく活躍できる社会を実現する必要がある。そのためには、雇用の 期間を縦に延ばすとともに、現役の間から多様で柔軟な働き方を広げることで、雇 用の選択肢を横にも広げていく必要がある。 このため、兼業・副業など多様で柔軟な働き方の推進、70歳までの就業機会確保 による中高年の就労促進や、若年層の就労促進と新卒一括採用慣行の見直しの加速化を図る。また、人生100年時代を見据え、企業によるキャリア相談やサバティカル休暇制度の導入等を促進。さらに、学び直しに対する支援強化を図るとともに、多様な生活上の理由により時間的制約を持つ者が増加することを見据え、仕事と時間的制約との両立を支援する。
(1)70歳までの就業機会確保
70歳までの就業機会の確保を円滑に進める観点から、法制を二段階 に分けた上で、まず、第一段階の法制の整備を図る。 第一段階の法制では、以下の選択肢を明示した上で、事業主としていずれかの措 置を制度化する努力規定を設ける。必要があると認める場合は、厚生労働大臣が、 事業主に対して、個社労使で計画を策定するよう求め、計画策定について履行確保 を求めることができることとする。
@雇用による措置
(a)定年廃止
(b)70歳までの定年延長
(c)定年後又は65歳までの継続雇用終了後も70歳まで引き続いて雇用 (又は関係事業主(子会社・関連会社等)が雇用を確保(注)) (注)その際、関係事業主(子会社・関連会社等)との間で、定年後又は65歳までの継続雇用 終了後に70歳まで引き続いて雇用することを約する契約を締結
(d)定年後又は65歳までの継続雇用終了後、(関係の事業主以外の)再就職の実現(注) (注)その際、当該事業主との間で、70歳まで雇用する契約を締結するか、又は5年以内の期 間の業務に従事する等の事由により、70歳まで就業ができない場合、元の企業又は再就職 先の企業において、当該者について措置を講じる努力を行う
A雇用以外の措置
(e)定年後又は65歳までの継続雇用終了後に創業(フリーランス・起業)する 者との間で、70歳まで継続的に業務委託契約を締結
(f)定年後又は65歳までの継続雇用終了後に以下のいずれかの事業による活動 に70歳まで継続的に従事する
・事業主が自ら実施する事業
・事業主が委託、助成、出資等するNPO等の団体が行う事業
なお、事業主が@の措置を講じず、Aの措置を講じる場合、労使が合意する努力 を行うこととする。2020年の通常国会において、第一段階の法案提出を図る。 第二段階の法制では、第一段階の進捗を踏まえて、現行法のような企業名公表に よる担保(いわゆる義務化)のための法改正を検討する。この際、かつての立法例 のように、健康状態が良くない、出勤率が低いなどで労使が合意した場合について、 適用除外規定を設けることについて検討する。 こうした法制の整備に併せて、高齢者のモチベーションや納得性に配慮しつつ、能力及び成果を重視する評価・報酬体系の構築を進める。さらに、高齢者を雇用する上で、加齢による身体機能の低下等を踏まえ、労働災害防止や健康確保の観点か ら対策を講じ、高齢者が安心して安全に働ける職場環境の構築を支援する。加えて、 高齢期を見据えたキャリア形成支援・リカレント教育を推進する。

(2)中途採用・経験者採用の促進
転職希望者が中途採用に関して企業に開示して欲しい情報は、 「正規雇用の中途採用実績」の割合が54%と最も多く、特に大企業については、この部分の開示を求めていく必要性が高い。 こうした点を勘案し、個々の大企業に対し、中途採用・経験者採用比率の情報公 表を求めることとする。具体的には、労働施策総合推進法を改正し、大企業(301 人以上規模)における「正規雇用労働者の中途採用・経験者採用比率」を公表することとし、2020年の通常国会に必要な法案の提出を図る。その際、公表方法→インターネットの利用その他の方法により、求職者等が容易に閲覧できるようにする。なお企業は、必要に応じ、例えば、「中高年層の中途採用・経験者採用比率」、「正規雇用労働者のうち前職が非正規雇用労働者・無業者の中途採用・経験者採用 比率」、「管理職の中途採用・経験者採用比率」、「役員の中途採用・経験者採用 比率」なども加えて、公表することができることとする。

(3)兼業・副業の拡大
兼業や副業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効。足下では、副業を希望する者は増加傾向にあるものの、実際に副業がある者の数は横ばいである。副業経験が本業の賃金に与える影響を分析した研究では、思考・分析といった高度人材では、副業をしている 人が、そうでない人よりも本業での賃金が36%高くなっている。このことは、企業の境界を低くし、従業員に兼職させることで、本業の価値が高まり得ることを示唆している。 一方、兼業・副業の解禁に積極的な企業は2割程度にとどまる。企業が兼業・副業を認めていない理由には、「過重労働への懸念」、「労働時間の管理・把握の困難さへの懸念」が多い。 これらを払拭できる制度整備が課題であり、兼業・副業に係る労働法制における 労働時間規制及び割増賃金の取扱いについて、最終報告に向けて検討していくこととする。

(4)フリーランスなど、雇用によらない働き方の保護の在り方
技術の進展により、インターネットを通じて短期・単発の仕事を請け負い、個人 で働く新しい就業形態が増加しており、特に、高齢者の就業機会の拡大に貢献することが期待される。多様な働き方の一つとして、希望する個人が個人事業主・フリーランスを選択できる環境を整える必要がある。 一方、フリーランスと呼ばれる働き方は多様であり、労働政策上の保護や競争法 による規律について様々な議論がある。このような議論があることも踏まえ、内閣 官房において、関係省庁と連携し、一元的に実態を把握・整理した上で、最終報告 に向けて検討していくこととする。

3.医療
(1)医療提供体制の改革

以下のような医療を取り巻く課題を踏まえ、健康を望む国民一人一人の自主的な取組を可能とする環境を整備、地域包括ケアシステムの構築、さらには地域共生社会の実現に向けた取組を進めることが重要。疾病予防・早期対応から病気を抱えた後もその 生活を支える医療のあるべき姿を見据え、地域医療の基盤を維持していくことが必要。
・団塊の世代が75歳以上を迎える中での高齢化による需要拡大への対応
・生産年齢人口が減少する中での地域医療の確保
・平均寿命の伸びを上回る健康寿命の延伸へ向けた予防健康づくりの強化、セルフケア
・セルフメディケーションの推進、ヘルスリテラシーの向上
・働き方改革に対応した医師の職場環境の変化と地域医療の確保の両立
・ゲノム医療等最先端医療の導入やデータヘルス改革の推進
具体的には、地域医療構想の推進、地域間・診療科間の更なる医師偏在対策、卒前・卒後の一貫した医師養成課程の整備、地域における看護職員をはじめとする医 療関係人材の確保・育成、看護師・歯科衛生士等の復職支援・定着の推進、医師・ 歯科医師等の働き方改革、医療職種の役割分担の見直しにより、地域差を伴う「高 齢化による需要増大」と「支え手減少」の進展などの環境変化に対応し、質の向上 と効率改善を図り、地域で必要な医療を確保する。
あわせて、外来機能の明確化とかかりつけ医機能の強化(後述)、在宅医療・歯科医療の更なる深化と推進、訪問看護体制の強化、中山間地を含む適切な遠隔医療の推進、健康・医療情報の連携・活用を含む健康寿命延伸のための食の確保・健康 づくり・早期治療・重症化予防、医療といった一貫した施策の構築、地域における 医科歯科連携を含む歯科医療機関の強化、地域における薬剤師・薬局機能の強化、 医師の負担軽減の観点を含めた医療のかかり方の変容へ向けた取組促進、尊厳と意 思の尊重された人生の最終段階の迎え方支援に取り組むことにより、患者中心の医療を深化させる。そのためにも、学校等における社会保障教育に加え、「かかりつけ医」・「かかりつけ歯科医」・「かかりつけ薬剤師」を通じた、また保険者を通じた社会保障教育の充実が必要。 さらに、安全で質の高い先端的医療の普及、革新的な医薬品、医療機器等が生み 出される環境整備、必要不可欠な医薬品の安定供給体制の確保により、必要な医療 を迅速に国民に届ける。

(2)大きなリスクをしっかり支えられる公的保険制度の在り方
@後期高齢者の自己負担割合の在り方

70歳までの就業機会確保や、年金の受給開始時期の選択肢の拡大によ る高齢期の経済基盤の充実を図る取組等に併せて、医療においても、現役並み所得 の方を除く75歳以上の後期高齢者医療の負担の仕組みについて、負担能力に応じた ものへと改革していく必要がある。これにより、2022年にかけて、団塊の世代が75 歳以上の高齢者となり、現役世代の負担が大きく上昇することが想定される中で、 現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築する。 具体的には、以下の方向性に基づき、全世代型社会保障検討会議において最終報 告に向けて検討を進める。同時に、社会保障審議会においても検討を開始する。遅 くとも団塊の世代が75歳以上の高齢者入りする2022年度初までに改革を実施できるよう、最終報告を取りまとめた上で、同審議会の審議を経て、来年夏までに成案を 得て、速やかに必要な法制上の措置を講ずる。
・ 後期高齢者(75 歳以上。現役並み所得者は除く)であっても一定所得以上の方については、その医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方については 1割とする。
・その際、高齢者の疾病、生活状況等の実態を踏まえて、具体的な施行時期、2 割負担の具体的な所得基準とともに、長期にわたり頻繁に受診が必要な患者の 高齢者の生活等に与える影響を見極め適切な配慮について、検討を行う。
A大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大
2022年にかけて団塊の世代が75歳以上の高齢者となる中で、慢性疾患による受療 が多い、複数の疾病を抱えるなどの特徴を持つ高齢者医療のウエイトがますます高 まっていく。医療のアクセスや質を確保しつつ、病院勤務医・看護師等の過酷な勤 務環境を改善して持続可能な医療提供体制を確保していくためには、地域医療構想 の推進や医師等の働き方改革、医師偏在対策を進めるとともに、地域密着型の中小 病院・診療所の在り方も踏まえ、外来機能の明確化とかかりつけ医機能の強化を図ることが不可欠。 医療のあるべき姿は、「病院完結型」の医療から、患者の住み慣れた地域や自宅での看取りを含めた生活のための医療、地域全体で治し、支える「地域完結型」の 医療に変わりつつあり、身近なところで診療を受けられる「かかりつけ医」の普及や訪問看護の充実が不可欠となる。大病院は充実した人員配置や施設設備を必要とする入院医療や重装施設を活用した専門外来に集中し、外来診療は紹介患者を基本とする。一般的な外来受診はかかりつけ医機能を発揮する医療機関が担う方向を目指す。このことが、患者の状態に合った質の高い医療の実現のみならず、限りある 医療資源の有効な活用や病院勤務医・看護師をはじめとする医師等の働き方改革にもつながる。 このような考え方の下、外来受診時定額負担→医療のあるべき姿として、病院・診療所における外来機能の明確化と地域におけるかかりつけ医機能の強 化等について検討を進め、平成14年の健康保険法改正法附則第2条を堅持しつつ、大病院と中小病院・診療所の外来における機能分化、かかりつけ医の普及を推進する観点から、まずは、選定療養である現行の他の医療機関からの文書による紹介が ない患者の大病院外来初診・再診時の定額負担の仕組みを大幅に拡充する。
具体的には、以下の方向性に基づき、全世代型社会保障検討会議において最終報告に向けて検討を進める。同時に、社会保障審議会及び中央社会保険医療協議会においても検討を開始。遅くとも2022年度初までに改革を実施できるよう、最終報告を取りまとめた上で、同審議会等の審議を経て来年夏までに成案を得て、 速やかに必要な法制上の措置を講ずる。
・ 他の医療機関からの文書による紹介がない患者が大病院を外来受診した場合に 初診時 5,000 円・再診時 2,500 円以上(医科の場合)の定額負担を求める制度について、これらの負担額を踏まえてより機能分化の実効性が上がるよう、患者の負担額を増額し、増額分について公的医療保険の負担を軽減するよう改めるとともに、大病院・中小病院・診療所の外来機能の明確化を行い、それを踏まえ対象病院を病床数 200 床以上の一般病院に拡大。
・ 具体的な負担額や詳細設計を検討する際、患者のアクセスを過度に制限しないよう配慮しつつ、病院・診療所の機能分化・連携が適切に図られるよう、現行の定額負担の徴収状況等を検証し、定額負担を徴収しない場合(緊急その他やむをえない事情がある場合、地域に他に当該診療科を標榜する保険医療機関がない場合など)の要件の見直しを行う。

4.予防・介護
人生100年時代の安心の基盤は「健康」。予防・健康づくりには、@個人 の健康を改善することで、個人のQOLを向上し、将来不安を解消する、A健康寿命 を延ばし、健康に働く方を増やすことで、社会保障の「担い手」を増やす、B高齢者が重要な地域社会の基盤を支え、健康格差の拡大を防止する、といった多面的な 意義が存在している。これらに加え、生活習慣の改善・早期予防や介護予防、認知 症施策の推進を通じて、生活習慣病関連の医療需要や伸びゆく介護需要への効果が得られることも期待される。
(1)保険者努力支援制度の抜本強化
保険者努力支援制度は、保険者(都道府県と市町村)の予防・健康づくり等への 取組状況について評価を加え、保険者に交付金を交付する仕組み。 先進自治体のモデルの横展開を進めるために保険者の予防・健康インセンティブ を高めることが必要であり、公的保険制度における疾病予防の位置付けを高めるため、保険者努力支援制度の抜本的な強化を図る。同時に、疾病予防に資する取組を評価し、@生活習慣病の重症化予防や個人へのインセンティブ付与、歯科健診やがん検診等の受診率の向上等については、配点割合を高める、A予防・健康づくりの 成果に応じて配点割合を高め、優れた民間サービス等の導入を促進する、といった 形で配分基準のメリハリを実効的に強化する。

(2)介護インセンティブ交付金の抜本強化
介護インセンティブ交付金は、保険者や都道府県の介護予防等への取組状況について評価を加え、保険者や都道府県に交付金を交付する仕組み。 先進自治体の介護予防モデルの横展開を進めるために保険者と都道府県のインセ ンティブを高めることが必要であり、公的保険制度における介護予防の位置付けを高めるため、介護インセンティブ交付金の抜本的な強化を図る。同時に、介護予防 等に資する取組を評価し、@介護予防について、運動など高齢者の心身の活性化に つながる民間サービスも活用し、地域の高齢者が集まり交流する通いの場の拡大・ 充実、ポイントの活用といった点、A高齢者就労・活躍促進について、高齢者の介 護助手への参加人数、ボランティアや介護助手へのポイント付与といった点につい て、交付金の配分基準のメリハリを実効的に強化する。

(3)エビデンスに基づく政策の促進
上記(1)や(2)の改革を進め、疾病・介護予防に資する取組を促進するに当 たっては、エビデンスに基づく評価を取組に反映していくことが重要。このため、データ等を活用した予防・健康づくりの健康増進効果等を確認するため、エビデンスを確認・蓄積するための実証事業を行う。 その際、統計学的な正確性を確保するため、国が実証事業の対象分野・実証手法 等の基本的な方向性を定めるとともに、その結果を踏まえ、保険者等に対して適切 な予防健康事業の実施を促進する。

(4)持続可能性の高い介護提供体制の構築
介護分野の人材不足や今後の介護サービス需要の伸びに対応し、介護制度の持続 可能性を確保するため、介護予防、「共生」・「予防」を柱とした認知症施策の推進、介護現場におけるロボット・ICTの導入加速化、ペーパーレス化・効率化(簡素化・標準化・ICT活用)の推進を図るとともに、自立支援に向けた介護事業者へのインセンティブの強化、介護サービスと保険外サービスの組合せに関するルールの明確化、科学的なエビデンスの構築等による標準的な介護サービス水準に関する社会的な合意形成の促進等やそれらに基づく介護報酬、人員基準の見直しにより、 介護事業者の創意工夫と投資を引き出し、効果的・効率的、健全で持続可能性の高 い介護提供体制の構築を進める。

第3章 来年夏の最終報告に向けた検討の進め方
来年夏の最終報告に向けて、
政府・ 与党ともに、今後も国民的な議論を一層深める努力を継続。 本中間報告で「最終報告に向けて検討を進める」こととした兼業・副業に係る労 働時間規制等の取扱いや、医療保険制度改革の具体化等→与党や幅広い 関係者の意見も聞きながら、来年夏の最終報告に向けて検討を進める。 また、世論調査等を通じて、国民の不安の実態把握を進める。 さらに、個別政策ごとに今後の取組の進め方と時間軸を示した改革工程表を策定しており、これに則った社会保障改革の推進と一体的な取組を進める。
 特に、地域医療構想、医師の働き方改革、医師偏在対策を三位一体で推進する。 国民の高齢期における適切な医療の確保を図るためにも地域の実情に応じた医療提 供体制の整備等が必要であり、持続可能かつ効率的な医療提供体制に向けた都道府 県の取組を支援することを含め、地方公共団体による保険者機能の適切な発揮・強化等のための取組等を通じて、国と地方が協働して実効性のある社会保障改革を進める基盤を整備する。あわせて、地域や保険制度、保険者の差異による保険料水準の合理的でない違いについて、その平準化に努めていく。

次回は、「第93回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会(資料)」からです。
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