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難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ(第5回) [2019年12月31日(Tue)]
難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ(第5回)(令和元年12月19日)
《議事》(1) とりまとめ(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08520.html
◎資料1 難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループとりまとめ(案)
第1 はじめに
・ 難病対策
→昭和 47 年の「難病対策要綱」の策定から約 40 年にわたり予算事 業として研究事業や医療費助成等の取組が行われてきた。様々な課題が指摘されていた中で、持続可能な 社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成 25 年法律第 112 号。「プログラム法」。)に基づく措置として、平成 26 年に難病の患者に対する医療 等に関する法律(平成 26 年法律第 50 号。以下「難病法」という。)及び児童福祉法の一 部を改正する法律(平成 26 年法律第 47 号。「児童福祉法改正法」。)が成立 し、公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立、調査研究の推進等が図られることとなった。
・ 難病法の基本理念の難病に関する施策→「難病の克服を目指し、 難病の患者がその社会参加の機会が確保されること及び地域社会において尊厳を保持し つつ他の人々と共生することを妨げられないことを旨として」「総合的に行わなければな らない」こととされており、この理念のもとで、医療をはじめとした総合的な対策の充実 が図られてきた。
・ 難病法及び児童福祉法改正法の附則→施行後5年以内を目途とした見直し規 定が置かれ、当該規定を踏まえ、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会及び 社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合同委員会において議論が行われ、令和元年6月 28 日に「今 後検討するべき論点」が示されたところ。この「今後検討するべき論点」に掲げられた論 点について、専門的見地から、対応の具体的かつ技術的な方向性を検討するため、「難病・ 小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」及び「難病・小児慢性特定疾病地域共 生ワーキンググループ」が設置された。
・ これを受けて、「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」においては、同年8月から●回に亘り、当該論点のうち、医療費助成制度、 医療提供体制及び調査・研究のあり方について、検討を行ってきた。
・ 今般、合同委員会に報告すべき内容として、具体的な方向性についての本WGの考えを 整理したので、ここに提示する。二つのWGで取り扱う事項は相互に関連するものもある ため、第2〜第5において引き続き検討すべきとした事項を中心に、両WGの報告を踏まえ、合同委員会において更なる検討が行われることを期待する。

第2 基本的な考え方
・ 引き続き、難病法の基本理念にのっとり、難病の克服を目指し、難病の患者が長期にわ たり療養生活を送りながらも社会参加の機会が確保され、地域で尊厳を持って生きること ができるよう、共生社会の実現に向けて総合的に施策が講じられるべきである。
・ そのうち、医療費助成→ @ 治療方法の開発等に資するため、難病患者データの収集を行い、治療研究を推進する という目的 A 効果的な治療方法が確立されるまでの間、長期の療養による医療費の経済的な負担が 大きい患者を支援するという福祉的な目的 を併せ持つものとして、広く国民の理解が得られる公平かつ安定的な仕組みとなるよう、 必要な財源を確保しつつ、法制化されたものである。
・ 今回の見直し→難病法の基本理念や法制定時に整理された上記の基本的考 え方に則って検討を行うことが適当である。
・ また、難病法及び児童福祉法改正法の成立時の附帯決議において示された事項に関し、 法施行後の状況を踏まえ、運用面も含む取組のあり方について検討することが適当である。

第3 医療費助成制度について
1 対象疾病について
(これまでの状況)

・ 指定難病の追加の検討→法施行後に新たに設置された指定難病検討委員会において、各疾病が指定難病の各要件を満たすかどうか医学的見地から検討を行い、当該各 要件を満たすとされた疾病について、指定難病の指定を行ってきた。 これにより、医療費助成の対象となる疾病(指定難病)は、法制定前の 56 疾病から 333 疾病へと大幅に拡大。この拡大により、より多くの疾病について、その臨床データの収集が可能となり、今後の治療研究の推進が期待され、長期の療養による経済的な負担への支援が図られるようになった。
・また、難病法制定時の議論においては、制度の持続可能性・安定性を確保するため、効 果的な治療方法が確立するなどの状況の変化が生じた疾病については、定期的に評価し、見直すこととされている。 児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病対策は、児童の健全育成の観点から、慢性に経過 する疾病であること等の要件に該当する疾病を対象として実施されている。難病法制定と 同時に行われた児童福祉法の改正後、医療費助成の対象疾病について、児童福祉法改正前 の 516 疾病から 762 疾病へと着実に拡大されるとともに、シームレスな医療体制の構築に 向けて移行期医療支援センターの整備に向けた取組や、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の創設といった自立支援の強化のための取組が行われてきた。
(対応の方向性)
・ 今後も、公平かつ安定的な仕組みとするため、制度創設時の考え方に基づき、指定難病 の各要件を満たすと判断された疾病について、指定難病に指定することが適当。他方で、診断基準が確立していない等、指定難病の要件を満たさないと判断された疾病や、各要件の該当性を判断するに足る情報が収集されていない疾病については、研究事業により、必要に応じ、当該疾病に関する調査研究を支援するべき。
・既に指定難病に指定されている疾病→指定難病検討委員会における研 究進捗状況のフォローにより、治療成績の改善状況等を評価していく必要がある。その上で、将来的には、フォローの結果、調査研究及び医療技術の進展による治療方法の進歩に伴い、長期の療養を要しなくなる等、指定難病の要件に合致しない状況が生じていると判断される場面も出てくることが想定される。こうした場合には、医療費助成の趣旨・目的に照らし、対象疾病の見直しについて検討することが適当ではないかとの指摘があった。 また、「指定難病の要件に合致しない状況が生じている」の判断に当たっては、附帯決議 の内容も踏まえ、指定難病検討委員会において指定難病の要件に該当しているかどうかを 総合的に判断することが妥当と考えられるが、具体的には、上記のフォロー結果を踏まえて検討される必要がある。見直しを行う際には、一定の経過措置等について検討することが妥当であるとの指摘もあった。
・ 小児慢性特定疾病児童等の成人移行(いわゆるトランジション)への対応については、 難病法制定以前からの課題であり、今回の見直しにおいて取組の改善が図られる必要があ る。上述のとおり、これまでも、指定難病の対象疾病数の拡大、移行期医療支援センター の設置、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の創設など、成人期に向けた切れ目のない 総合的な支援が行われてきたが、一層の強化が求められる。
・ 医療費助成→まずは小児慢性特定疾病のうち指定難病の要件を満たすものについて、対象から漏れることのないよう、着実に指定難病に指定していくことが重要。そのためには、国において、指定難病に指定されていない小児慢性特定疾病について、 患者の実態把握や客観的指標に基づく診断基準等の確立のための調査研究をを強化していくべきである。
・ 加えて、希少な疾病を対象とする指定難病の医療費助成の対象とならない場合であって も、小児期から成人期にかけてシームレスに適切な医療が受けられる体制づくりや、福祉 や学習等の支援が受けられるようにすることが必要である。そのため、第4において後述 する移行期医療に関する体制整備を一層促進するとともに、別途、地域共生WGで議論さ れている小児慢性特定疾病児童等の自立支援について強化を図る必要がある。

2 対象患者の認定基準について
(これまでの状況)

・ 患者の認定基準(重症度基準)→プログラム法において、新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度を確立するため、その見直しについて検討するものとされた。これを踏まえ、難病法制定時の難病対策委員会での様々な議論を経て、その報告書で「広く国民に理解を得る観点から、対象疾患に罹患している患者であって、日常生活又は社会生 活に支障がある者とすることが適切である。すなわち、医療費助成の対象は、対象疾患に罹患している患者のうち、症状の程度が重症度分類等で一定程度以上である者とする。」とされたところ。
・ 難病には様々な種類の疾病があり、症状も多様であることから、現行の基準は、前述の 法制定時の考え方に基づき、厚生労働省の告示において「個々の指定難病の特性に応じ、 日常生活又は社会生活に支障があると医学的に判断される程度」とされている。これに基づき、疾病を新たに指定難病に指定する際には、当該疾病の認定基準についても、指定難 病検討委員会の意見を聴いて、疾病ごとに個別に設定している。これにより、指定難病に指定された全疾病に対し認定基準が導入され、指定難病間や他の疾病との公平性が確保されるとともに、制度の持続可能性・安定性が確保されることとなった。
・ 他方で、難病法の施行後、医療費助成の対象疾病が 56→333 疾病へと大幅に拡 大される中で、各疾病が追加される度に個別に認定基準を設定してきた結果、類似の症状を呈する疾病間で基準に差異があるといった状況が生じている。
(対応の方向性)
・ 認定基準が導入された経緯や、制度の持続可能性・安定性、疾病間の公平性を考慮する と、今後も認定基準の仕組みを維持することが適当である。
・ その上で、難病法施行後の状況も踏まえつつ、現行の認定基準について、医学的観点か らより公平なものとなるよう、見直しが行われる必要がある。指定難病には、様々な症状 等を呈する疾病が多くある中で、異なる疾病であっても一部に同様の症状等が見られるこ とが多くある。これを踏まえると、対象疾病間の公平性を確保する観点から、まずは、同 様の症状等を評価する場合には、可能な限り当該症状等を評価する客観的指標の標準化を 図ることが適当である。また、基準の見直しについては、あくまでも医学的観点から必要 な範囲で行われるものであることから、基準の設定時と同様に、難治性疾患政策研究班や 関連学会からの情報を基に、指定難病検討委員会において行われることが妥当である。

3 患者の自己負担について
(これまでの状況)

・ 医療費助成の患者負担の在り方→プログラム法や、法制定時の難病対策委員 会の取りまとめに基づき、「病気がちであったり、費用が高額な治療を長期にわたり継続 しなければならない患者(高齢者、障害者等)を対象とする他制度の給付との均衡を図る」 観点から、現行の給付水準(自己負担額)が設定されているところである。
(対応の方向性)
・ 自己負担の水準を考えるに当たっては、月ごとの自己負担限度額のみならず、自己負担 割合や対象となる医療の範囲等の要素を総合的に勘案して、検討していくことが必要。
・ その上で、前述のとおり、現在の自己負担限度額は、制度の持続可能性・安定性の観点 から定められたものであり、難病法の施行後、現時点において特段の事情変更があるとま では言い難い。他方で、自己負担の水準→客観的なデータに基づいた議論が必要のため、引き続き、現行の水準を維持しつつ、国において、必要なデータ収 集を行っていくべき。また、その結果を踏まえて議論する際には、一人当たりの公費による給付額の推移、医療費助成の受給の実態等も留意しつつ、制度の持続可能性・安定性を確保することが必要。

4 患者の利便性の向上・自治体の事務負担の軽減について
(1)医療費助成の対象とならない患者の登録ついて
(これまでの状況)

・ 第2の基本的な考え方において言及したとおり、指定難病の医療費助成は、研究目的の 要素を併せ持つものである。他方で、現行の仕組みでは、医療費助成の申請を行った者で あって、データの登録に同意した患者のデータのみしか登録されておらず、悉皆性を有す るデータベースとはなっていない。
・また、データ登録の方法は、現行の仕組みにおいては、医療費助成の申請時に、患者か ら地方自治体に対し提出された臨床調査個人票について、地方自治体がそのコピーを登録 センターに送付する仕組みとなっており、患者や地方自治体の事務負担が課題となっている。 (対応の方向性)
・ 研究を促進する観点からは、医療費助成の対象とならない患者についても、データを登 録することができる仕組みを設けることが望ましい。 〇 こうしたデータ登録の仕組みを設けることは、患者や医師、医療機関、研究者、行政(国・ 地方自治体)といった関係者にとって、研究が促進され治療方法の開発に資する、福祉支援等の他の支援が患者に行き届きやすくなるといったメリットをもたらすことが期待される。他方で、新たな仕組みの導入は、各関係者の負担の増大につながることから、メリットと負担のバランスを十分に考慮した上で、仕組みを構築することが必要となる。具体的な仕組みの構築に当たっては、データの登録や登録されたデータの管理等のためのシステム開発に係る技術的な課題への対応も踏まえて、引き続き国において検討を進める必要 があるが、その際には、次のような視点を踏まえるべきである。↓↓

@ 指定難病患者にとって、過度な負担を課さないものであること。 具体的には、登録する項目又は登録の頻度について、毎年、臨床調査個人票の 記載事項を登録することとされている現行の医療費助成と比べて、負担軽減が図 られるべき。また、検討に際しては、この登録の仕組みが、研究を促進するためのものであるとの目的を踏まえた議論が必要。
A データの提供は、患者の同意を前提としたものであること。 希少な疾病である指定難病の特性を踏まえれば、現行の医療費助成と同様に、患者の同意を前提とし提供が行われるべき。同意の取得方法→患者に対し丁寧な説明が必要、指定医が同意を取ることが望ましいが、 その場合は指定医にとって過度な事務負担とならないよう配慮すべきである
B データの登録が促進される工夫を行うこと。 具体的には、データ提供を行った患者に対し、指定難病患者として臨床データ が国のデータベースに登録されたことを証する「指定難病登録者証」(仮称)を発行することについて、検討すること。また、「指定難病登録者証」(仮称)を有する 患者については、各種福祉サービスが円滑に利用できるように運用上の工夫を行 うとともに、例えば、急な重症化がみられた場合にも円滑に医療費助成が受けら れる仕組みを設けることについて検討するべきである。あわせて、提供したデー タの研究における活用状況や成果について、患者側にフィードバックする等、患者側がデータ登録の意義を理解しやすい仕組みを設けることも重要である。
C 登録の仕組みを構築する前提として、データ登録におけるオンライン化を早急 に進めること。 新たな登録の仕組みを設けるに当たっては、特に地方自治体の負担が増大する ことが見込まれる。その軽減を図るため、まずは現行の仕組みのオンライン化を 進めることが必須であり、国において、ロードマップを検討し、早急に具体的な 取組を進めるべき。また、オンライン化の実現に当たっては、都道府県等による登録センターへのデータ登録のみならず、指定医が診断時に直接データの登録を行う仕組みについても検討すべき。

・ なお、文書料(化)については、他の公費負担医療制度においても、生活保護等を除き、自己 負担とされていることを踏まえると、国の仕組みとしては、現在の形を維持することはや むを得ない。他方で、医療費助成の対象となっている患者を含め、データの登録が促進さ れるよう、研究の意義の周知に加えて、医療費助成以外の支援を含む支援について周知の 強化を図るなど、工夫が行われる必要がある。

(2)医療費助成の実施主体について
(これまでの状況)

・ 医療費助成に係る事務の実施主体に関しては、より身近な地域で支援を行うべきとの観 点を踏まえて、平成 30 年4月1日から、都道府県に加えて指定都市も加わった。 また、難病法制定時の附則において、実施主体の在り方について、施行状況等を勘案しつつ、検討を行うこととされている。
(対応の方向性)
・ 医療費助成の実施主体→希少な疾病である指定難病に関する審査業務につい ては専門性を確保する必要があること、指定医の異動に伴う再指定に係る業務負担への配 慮が必要であること等の事務的な側面に加えて、希少な疾病である指定難病患者に対し適 切な支援を行う観点からも、一定程度、広域的な地方自治体において事務を担うことが適 当である。そのため、引き続き、都道府県及び指定都市が事務を行うことが妥当である。
・ なお、患者の利便性の観点からは、中核市等のより身近な地方自治体において事務を担 うべきであるとの意見もある。しかしながら、現在も、申請書の受理や申請書の記入漏れ の確認、申請内容の事務的な確認といった、支給認定に直接は関連しない事務については、 都道府県から委任を受けている中核市が多く、当面は、こうした委任を進める形で、利便性の向上を図ることが患者側・地方自治体側双方にとって望ましい。

第4 医療提供体制について
(これまでの状況)

・ 難病の医療提供体制→平成 28 年 10 月に難病対策委員会においてとりまとめられた報告書において、その基本理念として、@できる限り早期に正しい診断ができる体制、A診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制、B遺伝子関連検査について、倫理的な観点も踏まえつつ実施できる体制、C小児慢性特定疾病児童等の移行期医療を適切に行うことができる体制が示されたところ。
・ これを踏まえ、都道府県が指定する難病診療連携拠点病院や難病診療分野別拠点病院が 中心となり、特に診断や治療が困難な例については、難病医療支援ネットワークと連携し ながら、より早期に正しい診断がつくよう整備が進められてきた。令和元年 10 月1日現 在、難病診療連携拠点病院→ 37 都府県(70 医療機関)、難病診療分野別拠点病 院→ 18 県(45 医療機関) において整備されている。
・ 遺伝子診断体制→令和元年9月現在、指定難病のうち 60 疾病については、 その診断のための遺伝学的検査が保険収載されているほか、難治性疾患実用化研究事業において、診断がつかない疾患(未診断疾患)に関する研究(未診断疾患イニシアチブ (Initiative Rare and Undiagnosed Disease。以下「IRUD」という。))や既知の難 病に関する研究が行われ、必要に応じて、遺伝子解析が行われている。
・ また、診療科・医療機関間の調整等を行うなど、移行期医療支援の拠点的役割を担う機関→平成 31 年4月現在、3箇所(埼玉県、千葉県、大阪府)設置されている。
(対応の方向性)
・ 難病患者がどこに暮らしていても、疾病の特性に応じて早期の診断がつき、適切な治療 が受けられるようにするために、まずは難病診療連携拠点病院の各都道府県における設置 を目指すべきである。その上で、重症患者の入院施設の確保を図る観点から難病診療連携 コーディネーターや難病診療カウンセラーの役割を十分に生かし難病診療分野別拠点病 院、難病医療協力病院との連携を図っていく必要がある。 また、治療方法が確立しておらず、中には診断がつきづらい疾病も少なくない難病分野 において、ゲノム医療の推進は重要。このため、遺伝学的検査の分析的妥当性、臨床的妥当性、臨床的有用性を確保しつつ、通常の診療の中で必要な遺伝子検査が適切に行 われるよう、引き続き、保険診療の対象となる疾病を検討していくことが重要である。加えて、「経済財政運営と改革の基本方針 2019〜「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦」 (令和元年6月 21 日閣議決定)における記述(※)を踏まえ、別途、国において具体的な 実行計画を定めるための議論を行い、取組を進めていくべきである。 ※「ゲノム情報が国内に蓄積する仕組みを整備し、(略)全ゲノム解析等による難病の早期診断に向けた研 究等を着実に推進するため、10 万人の全ゲノム検査を実施し今後 100 万人の検査を目指す英国等を参考 にしつつ、これまでの取組と課題を整理した上で、数値目標や人材育成・体制整備を含めた具体的な実行 計画を、2019 年中を目途に策定する。」
・ なお、ゲノム医療の推進→遺伝子検査の結果により、患者やその家族が不 利益を被ることがないようにすべきとの指摘があった。
・ 移行期医療→本WGで行われたヒアリングの中で、疾病特性に応じて、移行期医療において抱える課題は大きく異なるとの指摘があった。また、子ども病院と総合病 院の地理的な距離等の地域ごとの特性によっても、課題が異なる。まずは国において、その実態や課題の把握を行い、今後の移行期医療支援センターの設置促進のための対応について、財政支援のあり方を含め、検討すべきである。

第5 調査及び研究について
(これまでの状況)

・ 難病法の施行後、データベース(「DB」)が構築され、当面の利活用と して、患者からの同意に基づき、厚生労働省が補助を行う研究班等に対しデータの提供が開始された。小児慢性特定疾病についても、DBが構築され、医療費助成の対象となっている児童等について、同意に基づくデータの提供が行われている。令和元年 10 月には、 第1回指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの提供に関するワーキン ググループが開催され、研究班等に対するデータ提供の手続が始まっている。なお、指定 難病患者DB及び小児慢性特定疾病児童等DBのデータ提供については、ガイドライン に基づき行われているが、同ガイドラインの策定に向けて行われた有識者会合において、 その提供先について、将来的には、当面の利活用の状況及び患者のご意見等を踏まえつつ、 拡大を検討することとしてはどうかとの議論がなされている。
・ 平成 30 年の合同委員会の議論→「中長期的な課題」として、指定難病患者DB 及び小児慢性特定疾病児童等DBの統一化や、保健医療分野の他の公的DBとの連結解析の仕組みの構築等が指摘されている。他方で、保健医療分野の他の公的DBについては法 律上の根拠規定の整備が進む中で、指定難病患者DB及び小児慢性特定疾病児童等DBは、 現在の難病法及び児童福祉法上に規定が置かれていない。
(対応の方向性)
・ 個人情報保護に十分に配慮しつつ、NDB等の他の公的DBとの連結解析データなど治 療研究に有用なデータの提供が促進されるよう、指定難病患者DB及び小児慢性特定疾病 児童等DBについて法律上の規定を整備し、収集・利用目的・第三者提供のルール等を明 確に定めるべきである。その際には、希少な疾病である指定難病の特性に配慮しつつ、既 に法律上に規定が設けられているNDB等のルールを参考にして、所要の措置を講ずるべき。
・ 併せて、技術的には、連結解析に当たって、研究に必要な精度を保つ観点から確実性・ 正確性を確保することが必要であり、そのために個人単位化される被保険者番号の履歴を 活用した連結をすべきである。また、連結解析に当たっては、個人情報保護の観点から匿 名性を担保するため、所要の措置を講ずるべきである。
・ また、現在の難病法においては、調査研究に関しては、「国は、(略)難病の発病の機構、 診断及び治療方法に関する調査及び研究を推進するものとする」とされているが、調査研 究を推進するためには、できる限り多くの指定難病の患者から調査研究の意義について理 解を得られることが重要である。また、患者から登録されたデータが円滑に登録センター に集積されることが必要であり、臨床調査個人票等を受理し同センターに送付する地方自 治体の取組も重要となる。そのため、こうした患者の理解や地方自治体の取組の重要性を 念頭に置きつつ、調査研究に関する規定のあり方について、引き続き合同委員会において 検討し、必要に応じて、対応がなされることが望ましい。

◯難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ 議論の経過
◯難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ及び 難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループの 開催について
◯難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ構成員名簿

次回は、「新年のあいさつ」からです。
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