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第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 [2019年12月20日(Fri)]
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(令和元年12月10 日)
《議事》  ・最終とりまとめ案について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00019.html
◎資料1-1 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案)
T 地域共生社会の理念と検討の経緯
1 地域共生社会の理念とその射程
・個人や世帯が抱える生きづらさやリスクが複雑化・多様化
→社会的孤立など関係性の貧困の社会課題化、ダブルケアや 8050 世帯1など複合的な課題や人生を通じて複雑化した課題の顕在化、就職氷河期 世代の就職困難など雇用を通じた生活保障の機能低下などの変化が見られ、従来の社会保障の仕組みの下では十分な対応が難しいと考えられ、その対応に苦慮している様子が見てとれる。人口減少が本格化し、担い手の確保に苦慮しているのが現状。 個人や世帯が抱える生きづらさやリスクの複雑化・多様化や共同体の機能の脆弱化は、様々な分野で顕在化しており、地域社会の持続への懸念が生まれている。
・ 地域共生社会→日本の社会保障の成り立ちや社会の変化を 踏まえて、平成 28 年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」に おいて提案された理念。その理念→制度・分野の枠や、「支える側」 「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、 一人ひとりが生きがいや役割をもち、助け合いながら暮らしていくことので きる、包摂的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方である。
・ その射程は、福祉の政策領域だけでなく保健、医療など社会保障領域、さらに、成年後見制度等の権利擁護、再犯防止・更生支援、自殺対策など対人支援 領域全体にわたる。
・ 一人ひとりの多様な参加の機会の創出や地域社会の持続という観点に立てば、その射程は、地方創生、まちづくり、住宅、地域自治、環境保全、 教育など他の政策領域に広がり、地域共生社会という理念を掲げて政策展開を行っていくに当たっては、福祉の政策領域だけでなく、対人支援領域全体を捉えていくとともに、他の政策領域において、親和性の高い理念を掲げて進められている施策との 連携を図ることが重要となる。

2 「地域共生社会の実現」に向けた検討の経緯
・ 社会福祉の分野
→近年、高齢者から始まった地域包括ケアシステムや生 活困窮者自立支援制度など、一人ひとりの抱える様々なニーズに対し、必要な 支援を包括的に提供するための施策が推進されている。特に、生活困窮者自立支援制度では、属性別の制度では対応が難しいような、 世帯内の複合的なニーズや一人ひとりのライフステージの変化に対し、寄り 添いつつ柔軟に対応していくことを目指して、自立相談支援機関による個別 的かつ包括的な相談支援を軸とした実践が進められ、全国的に広がっている。
・厚生労働省→これまでの対人支援領域における包括的支援と地域支援を総合的に推進するという政策展開の流れを確か なものとする観点から、「地域共生社会の実現」を今後の福祉改革を貫く基本コンセプトとして掲げ、取組を進めてきた。 平成 30 年4月に施行された「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 52 号。平成 29 年 6 月 2 日 公布。「改正法」)→地域福祉の推進の理念が明記されるとともに、市町村が包括的な支援体制づくりに努める旨が規定された。 改正法の附則では、公布後3年(令和2年)を目途として、包括的な支援体 制を全国的に整備するための方策について検討を加え、その結果に基づいて 所要の措置を講ずることとされている。
・これらを受けて、包括的な支援体制づくりを具体化するため、平成 28 年度 から「地域共生社会」の実現に向けた地域づくりの強化を図る取組の推進のた めのモデル事業が実施されている。令和元年度時点で、208 の自治体がモデル 事業を活用しながら、体制の構築について検討し実践を進めている。
・ また、平成 30 年 10 月に厚生労働省に設置された「2040 年を展望した社会 保障・働き方改革本部」においても、論点の一つの柱として地域共生・地域の支え合いの実現に向けた取組の検討が据えられ、令和元年5月 29 日に検討の 方向性が示されている。 さらに、令和元年6月 21 日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2019」(骨太の方針)→「全ての人々が地域、暮らし、生きが いを共に創り高め合う地域共生社会を実現する」として、「断らない相談支援 などの包括支援や多様な地域活動の普及・促進について、新たな制度の創設の 検討を含め、取組を強化する」との方向性が示された。
・ 本検討会は、このような政策の流れを踏まえて、包括的な支援体制を全国的 に整備するための方策について検討を行うとともに、より広い視点に立って、 今後社会保障において強化すべき機能や、多様な社会参加と多様な主体によ る協働を推進するための方策について検討するため、令和元年5月に設置され、令和元年7月の中間とりまとめの公表まで計5回、中間とりまとめを踏 まえて更なる議論を計○回行っており、ここに、その成果を最終とりまとめと して示すものである。

U 福祉政策の新たなアプローチ
1 対人支援において今後求められるアプローチ

・ 先に指摘したとおり、個人の人生は複雑かつ多様であるが、近年その複雑化・多様化が一層進んでおり、典型的なリスクを抽出し対応する従来の政策の 延長・拡充のみでは限界がある。このため、対人支援において、一人ひとりの 生が尊重され、複雑・多様な問題を抱えながらも、社会との多様な関わりを基 礎として自律的な生を継続していくことができるように支援する機能の強化 が求められている。
・ 専門職による対人支援は、一人ひとりの個別的なニーズや様々な生活上の 困難を受け止め、自律的な生の継続を支援できるよう、本人の意向や本人を取 り巻く状況に合わせて、次の2つのアプローチを支援の両輪として組み合わ せていくことが必要→「具体的な課題解決を目指すアプローチ」「つながり続けることを目指すアプローチ」
このうち、「具体的な課題解決を目指すアプローチ」→本人が有する特定の課題を解決に導くことを目指すもの。このアプローチを具体化する制度の多くは、それぞれの属性や課題に対応するための支援(現金・現物給付)を行う設計となっている。
・ これに対して、「つながり続けることを目指すアプローチ(以下「伴走型支援」)」→支援者と本人が継続的につながり関わり合いながら、本人と周 囲との関係を広げていくことを目指すもの。伴走型支援→特に、生き づらさの背景が明らかでない場合、自己肯定感や自己有用感が低下している 場合、8050 問題など課題が複合化した場合、ライフステージの変化に応じた 柔軟な支援が必要な場合などに有効である。 このアプローチを具体化する制度は、本人の暮らし全体を捉え、その人生の 時間軸も意識しながら、継続的な関わりを行うための相談支援(手続的給付2) を重視した設計となる。
・ 個人や世帯が抱える課題が一層複雑化、多様化していることを鑑みると、伴走型支援を具体化する取組を強化していく必要がある。  どちらのアプローチにおいても、本人を中心として寄り添う意識を持って支援に当たることを重視していくことが求められている。

2 専門職の伴走型支援と住民相互のつながりによるセーフティネットの強化
・ 伴走型支援の実践→「専門職が時間をかけてアセスメントを行い、 課題を解きほぐすとともに、本人と世帯の状態の変化に寄り添う継続的な支援」(専門職による伴走型支援)と「地域の居場所などにおける様々な活動等 を通じて日常の暮らしの中で行われる、地域住民同士の支え合いや緩やかな 見守り」といった双方の視点を重視する必要があり、それによりセーフティネットが強化され、重層的なものとなっていく。それを進めることで、対人支援におい て様々な局面で以下のような変化が起こることが期待される。→「個人が複雑・多様な問題に直面しながらも、生きていこうとする力を引き 出すことに力点を置いた支援を行うことができる」、「「支える」「支えられる」という一方向の関係性ではなく、支援者と本人 が人として出会い、そして支援の中で互いに成長することができる」「具体的な課題解決を目的とするアプローチとともに機能することによっ て、孤立した状態にある本人が、他者や社会に対する信頼を高め、周囲の多 様な社会関係にも目を向けていくきっかけとなり得る」。
・ 一方で、個人の自律的な生を支える、社会へ関わるための経路は、専門職に よる支援のみをきっかけとするのではなく、多様であることが望ましい。 地域の実践では、保健医療福祉の専門職が関わる中で、地域住民が出会い、 お互いを知る場や学び合う機会を設けることを通じて、新たなつながりができ、地域住民同士の気にかけ合う関係性が生まれている事例が見られる。従来 からの民生委員・児童委員の活動に加え、最近ではボランティア団体などによ る「子ども食堂」、「認知症カフェ」など、地域において多様な社会的課題への取組が広がっている。
・ 相互の学びから生じるつながりは、多様な参加の機会を生み、一人ひとりの 生の尊重や自律的な生の継続へとつながるとともに、地域の中での支え合い や緩やかな見守りを生み出していく。そして、こうしたつながりの広がりと専門職による伴走型支援が普及し、福祉の実践が地域に開かれていくことで、本 人と地域や社会とのつながりが回復し、包摂が実現されていく。

3 重層的なセーフティネットの構築に向けた各主体の役割分担の在り方
・ 一人ひとりの自律的な生の継続を支える福祉政策のアプローチの下では、 公・共・私の役割分担についても、「自助・互助・共助・公助」の組み合わせ という従来の考え方も継承しつつ、→「行政により確保される機能を通じた保障(現金・現物給付、伴走型支援を 含む手続的給付など)」、「市場の機能を通じた保障(福祉サービス、就労機会の提供など)」「共同体・コミュニティ(人と人との関係性)の機能を通じた保障(地域における支え合いなど)」のそれぞれが連携しながら、バランスの取れた形で役割を果たし、個人の自律 を支えるセーフティネットを充実させていくという考え方を重視していく必要がある。
・ このような考え方に基づき、具体的な政策を進めるに当たっては、一人ひと りの個別的なニーズや様々な生活上の困難を受け止められるよう、以下の環 境整備を進めることが必要。→「社会とのつながりが希薄な個人をつなぎ戻し包摂を実現するという、専門職による伴走型支援を普及するための環境整備」「地域の様々な民間主体や住民が一人ひとりの多様な社会参加を実現する 資源を提供しやすくするための環境整備」「地域やコミュニティにおける多様なつながりが生まれやすくするための 環境整備」

次回も、この続き「V 市町村における包括的な支援体制の整備の在り方」からです。
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