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第22回社会保障審議会福祉部会 資料 [2019年07月31日(Wed)]
第22回社会保障審議会福祉部会 資料(令和元年7月22日)
《議事》(1)地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進について
(2)社会福祉法人の事業展開等の在り方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05799.html
◎資料4「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」 (第1回〜第3回) これまでの議論の整理
1.社会福祉法人における連携や協働化、大規模化の意義
【現状】
・社会福祉法人
→経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上等の改革を行い、概ね順調に施行されてきた。人口減少や急速な高齢化、地域社会の脆弱化等の社会構造の変化の中で、法人の責務として、既存の社会保障制度や社会福祉制度では対応が困難な地域ニーズを積極的に把握・対応していくことが求められており、今後とも、この取組(地域における公益的な取組)をより一層進めていくことが期待されている。
・一方、我が国の人口動態を見ると、2040年に向けて、現役世代(担い手)の減少が課題となる中、中長期的に、人手不足などの問題が更に深刻化。また、「経済政策の方向性に関する中間整理」(平成30年11月26日未来投資会議・まち・ひと・しごと創生会 議・経済財政諮問会議・規制改革推進会議)において、「経営の安定化に向けて、医療法人・社会福祉法人それぞれの経営統合、運営の共同化の方策や、医療法人と社会福祉法人の連携方策を検討する。」とされ、さらに、近年、地域包括ケアシステムの構築や地域共生社会の実現等、地域で連携してサービス提供することが求められてきている。
・以上を踏まえ、人手不足などの問題が深刻化することが見込まれる中、地域における福祉サービスを確保するとともに、社会福祉法人が地域貢献の取組等をより一層進めていく必要があり、そのため、社会福祉法人における 連携や協働化、大規模化の対応を推進しやすい環境整備を図っていく。
【検討会における主な意見】
・社会福祉法人が地域貢献への期待等に応えるために、社会福祉事業の現業から離れ、役員を含め、法人本部で経営戦略等を考える人材を確保することは有効ではないか。また、そうした体制を整える上で、連携、協働化とい う方策は有効と考えられる。社会福祉法人の支援、ネット ワーク、人材等を活用できるよう連携を深めることが重要。
・人手不足などの問題が深刻化する中で、社会福祉法人が地域における多様な福祉ニーズへの対応や、地域包括ケアシステムの構築、地域共生社会の実現等に向けた取組等を進めるため、連携や協働化、大規模化に取り組むことは有効ではないか。 地域共生社会を具体的に展開するためには、身近な地域での小規模多機能化と子どもから高齢者までの包括的支 援をどのように展開できるかということが重要であり、社会福祉法人による支援の在り方を検討してはどうか。
【今後の対応に向けた考え方】
・連携や協働化、大規模化などの組織再編を含む方法は、あくまで、希望る法人の自主的な判断のもと進められるべきものであるが、一般に、これらの方法は、社会福祉法人が高まる地域の期待や役割等に応えていくために 有効な手段であると考えられる。
・例えば、連携・協働化は、社会福祉法人が地域貢献の取組を行うにあたり、それぞれの強みを生かした活動を展開することが可能となるといった効果が考えられるほか、人材確保にあたっても、法人間で連携・協働化することで、新規職員の採用、離職防止に資する活動の効果的な実施につながり、また、人口減少下において、地域の 福祉サービスの維持や、事業の効率化に資する活動が可能となると考えられる。
・また、大規模化についても、非効率な施設が増えても単純に経営が効率化・安定化するものではないものの、一 般には、新たな福祉サービスの拡充(事業の多角化)により、様々な福祉ニーズへの対応等の観点から有効と考 えられるほか、大規模化による資材調達等の合理化も可能となると考えられる。

○連携・協働化が効果を発揮する場面・観点@ABCD
@ 人材確保・資質向上→人手不足の問題が深刻化する中で、福祉ニーズに的確に対応できる人材を安定的に確保する上で、連携・協働化は効果が期待できる。
A 地域における公益的な取組→地域の多様な福祉ニーズへの期待に積極的に応えられるよう、連携・協働化を進めることで、法人単独では取り組みにくいものにも取り組みやすくなるとともに、法人それぞれの強みを生かしながら活動を展開する効果が期待できる。
B 地域共生社会の実現に向けた取組→地域共生社会の実現に向けて、地域における社会福祉法人が種別を超えて連携・協働化することで、課題への総合的包括的な対応力が増進し、地域住民と協働した地域づくりに向けた積極的な取組がより進むことが期待できる。
C 地域の状況に応じた福祉ニーズへの対応→人口減少地域において、量としての福祉ニーズは減少する中で、子育て支援から高齢者ケアに至る幅広い 福祉ニーズに対応する機能を維持していく上で、連携・協働化は重要性が高まると考えられる。
D 事業運営の効率化・安定化→効率的かつ安定的な事業運営を進めていく上で、連携・協働化は効果が期待できる。

2.具体的な対応の方向性
(1)社会福祉法人の連携・協働化の取組の推進

【現状】
・厚生労働省
→単独で地域貢献の取組を実施することが困難な小規模法人において円滑な取組を推進できるような環境整備を図る観点から、平成30年度から、「小規模法人のネットワーク化による協働推進事業」を実施しており、平成30年度は合計23府県市でネットワークの構築の取組が行われている。
・都道府県社会福祉協議会→都道府県域での複数法人間連携による地域貢献の取組が進められており、平成31年3月末時点で45都道府県において、居場所づくりや総合相談、生活困窮者支援等の取組進められている。
【検討会における主な意見】
・「地域における公益的な取組」を単独で実施する余裕のない法人もあり、協働化して実施していくことが有効
。 社会福祉法人が施設職員をソーシャルワークに人員を割いた時に、施設の専従要件が連携の阻害要因とならないよう配慮すべき。例えば、本来、通所・入所施設等の機能として、地域活動は位置付けうるものであり、そういった観点からも、「専従」の考え方を検討していくべきではないか。人材確保が難しい現状を踏まえ、柔軟な人員配置を可能とし、少ない人材を複数の法人で活用できるようにすべ きではないか。人手不足の中で、社会福祉法人で外国人の受入を進める場合、社会福祉法人が協働化して受入を進めるということが考えられるのではないか。 法人間連携は、大規模な法人であったり、理念がはっきりした法人が中核を担うことで、前向きに参加する法人 が増えるのではないか。
・社会福祉協議会は、その地域で社会福祉事業等を経営する者の過半数が参加する組織、社協が法人間連携の核となるべき。社会福祉協議会を活用していく上で、社会福祉協議会が、社会福祉法人から人的資源や資金の拠出を受けながら、 社会福祉法人の意向を踏まえた連携・協働による事業展開がしやすくなる仕組みを検討してはどうか。
・法人間連携により、住民課題を把握しながら、規模の大きな地域貢献が可能になり、地域全体の福祉活動の幅が 広がった。具体的な活動による地域課題へのチャレンジや地域住民の変化が職員のモチベーションとなり、各法人 の連携事業への参加につながるとともに、職員にとっても働きがいとなり、普段の業務における連携につながった り、離職防止・新規の人材確保につながっている。
【今後の対応に向けた考え方】
・社会福祉協議会の役割に鑑み、社会福祉法人の連携の中核として、都道府県域での複数法人間連携による地域貢 献の取組を更に推進するなど、社会福祉協議会の積極的な活用を図っていくことが重要である。厚生労働省は、社会福祉協議会の連携の取組とも連携しながら、「小規模法人のネットワーク化による協働推進事業」における実施状況や課題を把握し、法人間連携の更なる推進を図る。また、多様化・複雑化する福祉ニーズへの対応など、地域貢献の責務を負っている個々の社会福祉法人が、自主的に連携・協働化の取組を進めることも重要であり、厚生労働省は事例収集等による横展開にも努める。さらに、各都道府県において、平時から災害時の支援体制(災害福祉支援ネットワーク)の構築を進めるケースが増加しており、厚生労働省も「災害福祉支援ネットワーク構築推進事業」により推進しているが、災害対応の重要性に鑑み、こうした災害時に備えた連携が法人間連携のきっかけとしても有効であることから、取組を更に進めていくことが望ましい。

(2)社会福祉法人が主体となった連携法人制度の創設の検討
【現状】
・医療分野
→連携・協働化の方策の一つとして、地域医療連携推進法人制度という制度が設けられており、社会福祉法人も参画している事例が存在する。
【検討会における主な意見】→社会福祉法人においても、地域医療連携推進法人のような仕組みを選択肢として設けるのは一つの方策ではないか。 連携法人制度→法人の外へ出資できないことが大前提としてあり、連携法人の解散時の残余財産の取扱いなどを慎重に検討する必要がある。
・連携法人制度→@人材(特に1法人1施設の法人における後継者問題への対応やキャリアパスの構築等)、A モノ・資源(共同購入等)、B資金(財務安定等)などから有効ではないか。
【今後の対応に向けた考え方】
○ 社会福祉の分野では、2.(1)で述べたとおり、法人間連携の枠組として社会福祉協議会の仕組みがあり、その活用が重要であるが、連携に自主的に取り組む際、採りうる連携方策の選択肢の一つとして、社会福祉法人の 非営利性・公益性等を踏まえつつ、社会福祉法人主体の連携法人制度の創設に向け検討を進める。その際、現状、社会福祉法人の収入・収益について、法人外への支出は認められていないことに留意が必要。 法人合併による大規模化については、歴史や経営理念の相違等により、法人間の合意形成が難しい側面もあるため、希望する法人が取り組みやすいような環境整備という観点からも、連携法人制度の活用が考えられる。

(3)希望する法人が大規模化・連携に円滑に取り組めるような環境整備
【現状】
→社会福祉法人の数は約2万件であるのに対し、合併認可件数は、年間10〜20件程度で推移。実績が 少なく、行政庁が不慣れな点もあり、取り組みにくい環境にある。
【検討会における主な意見】
・大規模化を進めるためには、それによりどういう良いことがあるのか等について、法人にお伝えすることが重要。 合併等を阻む要因として、法人種別ごとの処遇改善の仕組みの相違や就業規則の不一致の調整等のコストがある のではないか。 ○ 一般市区が法人の設立業務等に不慣れであり、人事異動もあることを考慮すれば、ガイドラインだけでなく、都道府県の関与のあり方も検討した方が良いのではないか。事業譲渡をする際に、会計的に縛りとなっていることや、債権者保護の問題、社会福祉法人独自の規制について、 整理し、ガイドラインに掲載してはどうか。 ○ ガイドラインに、合併によるメリット、サービスの質の標準化、キャリアパスの構築などの具体例を掲載して欲しい。また、合併に際した人事管理面の着眼点や留意点、課題解決の好事例等を整理してはどうか。
・合併等の相手方を見つけることが困難であるとの声を踏まえ、希望法人向けのマッチング支援を拡充してはどうか。マッチングを所轄庁が担うと県域等を超えてマッチングしにくいため、行政区域を越えた枠組を考えると良いと考えられる。合併、事業譲渡のマッチングの際には、単純に相手方を見つけるだけではなく、事業内容の見直しなど経営の技術的な問題が含まれているのではないか。
【検討会における主な意見(続き)】 ○ 会社法では、法人間の合併契約の中で、合併の効力が生じる日を決めることができるが、社会福祉法では合併の 登記が効力発生日とされており、法人間の合意で決められないという課題がある。
【今後の対応に向けた考え方】→大規模化・連携は、希望する法人の自主的な判断のもと進められるべきものであり、その環境整備を進めることが重要。所轄庁が合併等の手続きに疎いとの声や、実際に法人が合併等に苦労したとの声等を踏まえ、合併や、事業譲渡、 法人間連携の好事例の収集等を行い、希望法人向けのガイドラインの策定(改定)を進める。
・組織再編に当たっての会計処理について、社会福祉法人は法人財産に持分がないことなどに留意しつつ、会計専門家による検討会で整理を進める。

次回は、以上に関する「(参考資料)参考資料集」からです。

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