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平成30年版障害者白書 [2018年07月28日(Sat)]
平成30年版障害者白書(2018年6月15日) 
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h30hakusho/gaiyou/index-pdf.html
第5章 住みよい環境の基盤づくり

第2節 障害のある人の情報アクセシビリティを向上するための施策
1.情報アクセシビリティの向上
(1)総合的な支援
→地域生活支援事業においては、IT関連施策の総合サービス拠点となる障害者ITサポートセンターの運営(26都府県:平成28 (2016)年度末時点)や、パソコンボランティア養成・派遣等が 実施されている。総務省では、平成29(2017)年11月に「IoT新時代の未来づくり検討委員会」を設け、ICTを利活用できるようにするための施策について、検討を行っている。
(2)障害のある人に配慮した機器・システムの研究開発→障害のある人の利用に配慮した情報通信機器・システムの研究開発の推進に当たっては、その公益性・社会的有用性が極めて高いにもかかわらず、収益性の低い分野であることから、国立研究 機関等における研究開発体制の整備及び研究開発の推進を図るとともに、民間事業者等が行う研究開発に対する支援を行うことが 重要。平成28(2016)年度より国際標準化団体のISO/IEC JTC1にてスマートフォンやタブレットのアクセシビリティ向上を目的とした議論が開始され、我が国の製造メーカーも参加している。
(3)情報アクセシビリティに関する標準化の推進→情報アクセシビリティに関する日本工業規格(JIS)として「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス」(JIS X8341シリーズ)を制定している。平成 29(2017)年、国際規格との整合性を高めるため 「電気通信機器」 のJIS規格改正原案作成を進めた。
(4)ホームページ等のバリアフリー化の推進→総務省では、平成27(2015)年度に「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)」を改定し、アクセシビリティ評価ツール (miChecker)を更新。平成29(2017)年度には国及 び地方公共団体の公式ホームページのJIS規格対応状況を調査し、 結果を公表した。

2.社会参加を支援する情報通信システムの開発・普及
(1)電子投票の実施の促進
→ 我が国における電子投票は、平成14(2002)年2月より、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙において導入することが認められている。
(2)テレワークの推進→政府では、テレワークが様々な働き方を希望する人の就業機会 の創出及び地域の活性化等に資するものとして、関係府省が連携 し、テレワークの一層の普及拡大に向けた環境整備、普及啓発等を推進することとしている。平成29(2017)年から、関係府省・ 団体が連携し、2020年東京オリンピックの開会式が予定されている7月24日を「テレワーク・デイ」と位置付け、全国一斉のテレワークを実施している。

3.情報提供の充実
(1)情報提供に係る研究開発の推進

ア 民間による研究開発に対する支援→総務省では、高齢者や障害のある人向けの通信・放送サービスの開発を行うための通信・放送技術の研究開発を行う者に対し、支援を行っているほか、国立研究開発法人情報通信研究機 構を通じて、身体に障害のある人のための通信・放送サービス の提供又は開発を行う者に対する助成、情報提供を実施している。
イ 使いやすい電話機の開発→電気通信事業者において、音量調節機能付電話等福祉用電話 機器の開発や車椅子用公衆電話ボックスの設置など障害のある人が円滑に電話を利用できるよう種々の措置を講じている。

(2)情報提供体制の整備
ア 情報ネットワークの整備
→社会福祉法人日本点字図書館を中心として運営されている視覚障害情報総合ネットワーク「サピエ」により、点字・録音図 書情報等の提供を行っている。 平成21(2009)年6月に可決成立した著作権法(昭和45年法 律第48号)改正により、障害の種類を限定せずに、視覚や聴覚による表現の認識に障害のある人が広く対象になるとともに、 視覚障害のある人については、デジタル録音図書の作成、聴覚障害のある人については、映画や放送番組への字幕・手話の付与など、それぞれの障害のある人が必要とする幅広い方式での 複製等が可能となった。なお、当該複製等を行う主体についても、障害者施設に加えて、公共図書館等の施設なども含まれる こととなった。 平成25(2013)年6月に、「盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を 促進するためのマラケシュ条約」が採択されたことを踏まえ (平成28(2016)年9月に発効)、文化審議会著作権分科会において、本条約締結のための制度整備や視覚障害者等のための情報アクセス機会の充実に向けた制度整備について検討が行われ、平成29(2017)年4月に報告書が取りまとめられ、視覚障害者等のための権利制限規定の対象を肢体不自由者に拡大することや、ボランティア団体が障害者向けに音訳サービス等を提供しやすくするための制度の整備等について提言された。
イ 政府広報における情報提供 内閣府では、視覚に障害がある人に対して政府の重要な施策の情報を提供するため、政府広報として音声広報CDを発行している。
ウ 字幕付きビデオ及び点字版パンフレット等の作成→ 法務省刑事局では、犯罪被害者やその家族、さらに一般の人々に対し、検察庁における犯罪被害者の保護・支援のための制度について分かりやすく説明したDVDを全国の検察庁に配布し、 説明のポイントにテロップを利用しているほか、全編に字幕を付すなどしている。
エ 国政選挙における配慮→平成15(2003)年の公職選挙法(昭和 25年法律第100号)改正により、郵便等投票の対象者が拡大、代理記載制度が創設されているほか、点字による「候補者名簿及び名簿届出政党等名簿」の投票所等への備付け、投票用紙に点字で選挙の種類を示す取組、点字版やカセットテープ、コンパクトディスク等の音声版による候補者情報の提供等を行っている。政見放送における取組として、手話通訳や字幕をつけることができることとしている。

(3)字幕放送、解説放送及び手話放送の推進→平成9(1997)年の放送法(昭和25年法律第132号)改正により、 字幕番組、解説番組をできる限り多く放送しなければならないとする努力義務規定が設けられた。 平成19(2007)年10月には、「視聴覚障害者向け放送普及行政 の指針」を策定し、行政指針に定められた普及目標の実現に向けて、放送事業者の取組を促してきた。同指針の普及目標が、平成 29(2017)年度までとされていることから、総務省では、平成30 (2018)年度以降の普及目標を定めるため、平成29年9月から「視聴覚障害者等向け放送に関する研究会」を開催し、12月に報告書をとりまとめた。これを踏まえて平成30年2月に「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を策定。また、国立研究開発法人情報通信研究機構を通じて字幕番組、解説番組及び手話番組の制作費等の一部助成も行っている。

(4)日本銀行券の券種の識別性向上に向けた取組→財務省は、国立印刷局、日本銀行とともに、現行の日本銀行券がより使いやすいものとなるよう、平成25(2013)年4月26日に 「日本銀行券の券種の識別性向上に向けた取組み」を公表。 平成29(2017)年度、具体的な3つの取組として、@ 改良五千円券の発行や、A日本銀行券にカメラをかざすことで音声等により券種をお知らせするスマートフォン用の券種識別アプリ(言う吉くん)の提供、B券種を識別して音声等により通知する専用機器の開発に資する技術情報の提供を行っている。

4.コミュニケーション支援体制の充実
(1)手話や点訳等によるコミュニケーション支援
→ 地域生活支援事業においては、聴覚、言語機能、音声機能、視覚その他の障害のため、意思疎通を図ることに支障がある人に、 手話通訳者等の派遣や設置、点訳や音声訳等による支援などを行う意思疎通支援事業や、点訳奉仕員、朗読奉仕員、要約筆記者、手話奉仕員及び手話通訳者等の養成研修が実施されている。平成 25(2013)年4月に改正された障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)における 地域生活支援事業では、手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう者向け通訳・介助員の養成研修を都道府県の必須事業とする、 派遣を行う事業についても市町村で実施できない場合などは都道府県が実施する仕組みとし、意思疎通支援の強化を図っている。 厚生労働省は、平成29(2017)年度より、全国4か所 の聴覚障害者情報提供施設等において、聴覚障害のある人が一人で電話をかけられるよう、手話通訳や文字通訳に対応するオペ レーターを配置して支援する「電話リレーサービス」を実施して いる。

(2)コミュニケーション支援用絵記号及びアクセシブルミーティング→日本工業標準調査会(JISC)は、文字や話し言葉によるコミュ ニケーションの困難な人が、自分の意思や要求を相手に的確に伝え、正しく理解してもらうことを支援するための絵記号に関する規 格を「コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則(JIS T0103)」 として制定し、障害のある人が会議に参加しやすいように主催者側の配慮事項を「アクセシブルミーティング(JIS S0042)」として 規格を制定した。

次回は、「第6章 国際的な取組」資料で最終になります。
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