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平成30年版障害者白書 [2018年07月20日(Fri)]
平成30年版障害者白書(2018年6月15日) 
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h30hakusho/gaiyou/index-pdf.html

第2章 障害のある人に対する理解を深めるための基盤づくり

第2節 障害を理由とする差別の解消の推進
1.障害者差別解消法の制定経緯
→障害者の権利の実現に向けた措置などを規定した「障害者の権利に関する条約」が、平成18(2006) 年12月の第61回国連総会において採択され、平成20(2008)年5月に発効。我が国においては、平成19(2007)年9月に署名し、平成 26(2014)年1月に批准書を国連に寄託し、同年2月から効力が発生している。 障害者権利条約は、障害に基づくあらゆる形態の差別の禁止について適切な措置を求めており、我が国においては、平成23(2011)年の 障害者基本法の改正の際、障害者権利条約の趣旨を基本原則として取り込む形で、同法第4条に差別の禁止が規定された。 この規定を具体化するものが障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)であり、平成25(2013)年6月に成立、平成28(2016)年4 月から施行された。

2.障害者差別解消法の概要
(1)対象となる障害者
→障害者差別解消法第2条に規定された「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」。対象となる障害者は、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない。なお、高次脳機能障害は、精神障害に含まれる。
(2)対象となる事業者及び分野→ 障害者差別解消法は、国や地方公共団体などの行政機関等のほか、事業者も対象に含まれ、対象となる事業者は、商業その他の事業を行う者であり、個人事業者やボランティアなどの対価を得ない無報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や 特定非営利活動法人なども、同種の行為を反復継続する意思をもって行っている場合は事業者として扱われる。 分野としては、教育、医療、福祉、公共交通、雇用など、障害 者の自立と社会参加に関わるあらゆるものを対象にしているが雇用分野についての差別の解消の具体的な措置(障害者差別解消 法第7条から第12条までに該当する部分)に関しては、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(昭和35年法律123号)の関係規定に委ねることとされている。
(3)不当な差別的取扱いの禁止→不当な差別的取扱いとは、例えば、正当な理由なく、障害を理由に、財・サービスや各種機会の提供を拒否したり、制限したり、 条件を付けたりするような行為。このような行為は、行政機関等であるか事業者であるかの別を問わず禁止される。 正当な理由となるのは、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否するなどの取扱いが、客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。
(4)合理的配慮の提供→合理的配慮とは、障害者やその家族、介助者等、コミュニケーションを支援する人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、社会的障壁(障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁 となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの)を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行うこと。 過重な負担の有無については、行政機関等及び事業者において、個別の事案ごとに、事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)、実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)、費用・負担の程度、事務・ 事業規模、財政・財務状況といった要素などを考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要。 ただし、合理的配慮は、一律に義務付けるのではなく、行政機関等には義務を課す一方で、事業者には努力義務とされている。
(5)環境の整備→障害者差別解消法第5条では、不特定多数の障害者を主な対象 として行われる事前的改善措置(公共施設や交通機関におけるバリアフリー化、意思表示やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者等の人的支援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上など)については、個別の場面において、個々の障害者に対して行われる合理的配慮を的確に行うための「環境の整備」として実施に努めることとしている。(これには、ハード面のみならず、職員に対する研修などのソフト面の対応も含まれる。)
(6)基本方針並びに対応要領及び対応指針→政府は、障害者差別解消法第6条に基づき、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」を平成27(2015)年2月 24日に閣議決定した。この基本方針に即して、国や地方公共団体などの行政機関等は、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供に関し、その職員が適切に対応するために必要な「対応要領」を定めることとされており(地方公共団体の策定は努力義務)、都道府県及び指定都市においては、平成29(2017)年度末までに全て策定済みとなっている。 また、事業を所管する各主務大臣においては、基本方針に即して、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供に関し、事業者が適切に対応するために必要な事項(相談体制の整備、研修・ 啓発等)や、各事業分野における合理的配慮の具体例等を盛り込んだ「対応指針」を定めている。

3.障害者差別解消法の施行に関する取組等
(1)合理的配慮の提供等事例集
→内閣府では、障害者差別解消法に基づく合理的配慮の提供や環境の整備に関する事例を関係省庁、地方公共団体、障害者団体などから収集し、障害種別や生活場面別に整理した上で、「合理的 配慮の提供等事例集」として取りまとめた。
(2)障害者差別解消支援地域協議会の設置の促進→障害者差別解消法第17条において、国及び地方公共団体の機関は、相談事例等に係る情報の共有・協議を通じて、各自の役割に応じた事案解決のための取組や類似事案の発生防止などを行うネットワークとして、「障害者差別解消支援地域協議会」(以下「地 域協議会」という。)を組織することができるとされている(平 成29(2017)年度末までに全ての都道府県及び指定都市において設置済み)。内閣府では、現在未設置の地方公共団体に対しても 取組を後押しするため、有識者等をアドバイザーとして派遣した。
(3)地域フォーラム→内閣府では、地域の障害のある人や関係者の意見を広く聴取し、 障害者差別解消法の円滑な施行を目指すとともに、各地域における取組の促進と気運の醸成を図ることを目的とする地域フォーラ ムを開催した。
(4)主務大臣等による行政措置→事業者における障害者差別解消に向けた取組は、主務大臣の定める対応指針を参考にして、各事業者により自主的に取組が行われることが期待されるが、適切な履行が確保されず事業者が法に反した取扱いを繰り返し、自主的な改善を期待することが困難である場合など、特に必要があると認められるときは、主務大臣又 は地方公共団体の長等は、事業者に対し、報告を求め、又は助言、 指導若しくは勧告をすることができるとされている(平成29 (2017)年度は主務大臣等による行政措置の実績なし)。

第3節  2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした取組
1.経緯
→平成27(2015)年11月に閣議決定された「2020年東京オリンピック 競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」において、2020年東京オリンピック・ パラリンピック競技大会を契機として、 障害の有無等にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「心のバリアフリー」を推進することや、全国展開を見据えつつ、東京においてユニバーサルデザインの街づくりを進めることで、共生社会を実現し、障害者等の活躍の機会を増やしていくことが位置づけられ、平成29(2017)年2月に「ユニバーサルデザイン2020行動計画」が決定された。

2.ユニバーサルデザイン2020行動計画の概要
(1)基本的な考え方
→障害のある選手たちが圧倒的なパフォーマンスを見せる2020年 東京パラリンピック競技大会は、共生社会の実現に向けて人々 の心の在り方を変える絶好の機会。「障害」は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」をすべての人が理解し、それを自らの意識に反映していくことが重要。この機を逃さず、国民全体を巻き込んだ「心のバリアフリー」の取組を展開するとともに、世界に誇れるユニバーサルデザインの街づくりを実現すべく取り組む。(本行動計画に記載された内容は、本白書に記載される様々な障害者にかかわる施策に反映されていくものである。) 等
(2)具体的な取組
ア 「心のバリアフリー
」→様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うこと。そのためには、一人一人が具体的な行動を起こし継続することが必要、そのために重要なポイントとして、以下の3点を挙げた。@障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること。A障害のある人(及びその家族)への差別(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないよう徹底すること。B自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと。
イ ユニバーサルデザインの街づくり→街づくりは極めて幅広い分野であり、かかわる施策も多岐にわたる。このため行動計画においては、大きく@東京大会に向けた重点的なバリアフリー化とA全国各地における高い水準のユニバーサルデザインの推進という2つの観点から、幅広い施策をとりまとめた

3.ユニバーサルデザインの加速に向けた取組状況→この行動計画をもとに、関係省庁等が共生社会の実現に向けた諸施策を推進する中、2020年パラリンピック大会まで1000日を切った平成 30(2018)年1月に「ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議(第2 回)」を開催し、レガシーとしての共生社会の実現に向け、「心」と「街」の両分野における積極的な取組を共有し、施策の更なる進展を図り、 共生社会の実現に向けた取組の加速化を確認した。

次回は、「第3章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり」からです。
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