CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2018年06月 | Main | 2018年08月»
<< 2018年07月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
経済財政運営と改革の基本方針2018 [2018年07月02日(Mon)]
経済財政運営と改革の基本方針2018 〜少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現〜(骨太方針)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定(平成30年6月15日)
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/2018_basicpolicies_ja.pdf
第1章 現下の日本経済
1.日本経済の現状と課題、対応の方向性
(1)日本経済の現状と課題

@ 経済財政の現状 →日本経済は大きく改善。デフレではない状況を作り出す中で、名目GDPと実質GDPがともに過去最大規模に拡大。景気回復は、緩やかではあるが長期間にわたって継続しており、今回の回復の長さは戦後2番目となっている可能性が高い。製造業、 非製造業ともに増加。企業部門の改善は、家計部門に広がり、国民生活に密接に関わる雇用・所得環境も大きく改善。有効求人倍率では、1970 年代前半以来 44 年ぶりの高さとなり、全都道府県で1を超える状態が続く、失業率は25 年ぶりの水準まで低下。労働参加率は女性や高齢者を中心に上昇し、人口減少下にあっても、就業者数は5年で251 万人増加した。一方で、企業の人手不足感は、バブル期以来の水準にまで強まっている。 賃金は、多くの企業で5年連続のベースアップが行われ、2018年についてはその額も大半で前年を上回っている。賞与・一時金も前年を大きく上回る水準、年収ベースで3%以上の積極的な賃上げが行われている。雇用・所得 環境の改善が続く下で、GDPの約6割を占める個人消費の伸びは、2017 年度には3年 連続のプラスとなり、力強さには欠けるものの、持ち直しが続いている。 景気回復が長期にわたり続いていることにより、日本経済は、デフレ脱却への道筋を確実に進んでいる。リーマンショック以降マイナス基調が続いていた需給ギャップは縮小し、2017 年に入ってプラス基調に転じている。傾向として、内外需要の増加により現 実のGDPが経済の供給力(潜在GDP)を上回って推移する状態にあるとみられる。 この中で、消費者物価上昇率は、足元ではエネルギー価格の上昇等の影響があるものの、 幅広い品目で上昇し、基調として緩やかに上昇している。日本銀行は、2%の物価安定目標の下、金融緩和を推進し、目標をできるだけ早期に実現することを目指すこととしている。 財政面では、国・地方の歳入は、2014 年4月の消費税率の5%から8%への引上げや 景気回復の継続に伴い増加する一方、歳出は、2016 年度から 2018 年度の集中改革期間 における一般歳出等の目安に沿った予算編成が行われ、国・地方の基礎的財政収支(プ ライマリー・バランス。以下「PB」という。)は、2012 年度の▲5.5%から2018 年度 には▲2.9%と赤字幅が縮小する見込みとなっている。しかしながら、経済・財政再生計画(以下「再生計画」という。)策定当初の見込みと比べると、成長低下に伴い税収の 伸びが当初想定より緩やかだったことや、消費税率の8%から 10%への引上げの延期、 補正予算の影響により、PBの改善は遅れ 、さらに、「新しい経済政策パッケージ」において、人づくり革命の安定的財源を確保するために、2019 年 10 月に予定されている 消費税率引上げ分の使い道の見直しを行った。これらの要因等により、2020 年度のPB 黒字化目標の達成は困難となった。また、債務残高対GDP比は、2012 年度末の179.2% から 2018 年度末には187.8%へと緩やかに上昇する見込みである。 中長期的な視野に立つと、人口減少・少子高齢化は、経済再生と財政健全化の両面で の制約要因となり続ける。2024 年には歴史上初めて 50 歳以上の人口が5割を超えることになる。その後も、若年人口や生産年齢人口が急速に減少していく一方、高齢者人口 は 2040 年頃のピークに向け増加を続け、75 歳以上の後期高齢者の総人口に対する比率 は 2030 年頃には2割に近づく。この中で、女性や高齢者の労働参加が進んだ場合でも、 2030 年までに就業者数は減少に転じている可能性が高い。このような、人口減少の加速化、平均寿命の延伸、高齢者像の変化など様々な経済社会の変化を踏まえ、年齢による 画一的な考え方やそれに基づく制度を見直す必要がある。その際、人生100 年時代の到来を見据え、個人や企業の役割、社会保障教育、住宅政策や労働政策、さらにはマイナンバー制度の利活用やテクノロジーの飛躍的発展との関係を踏まえた幅広い視点に立った議論が求められる。

A 今後の課題 →潜在成長率は、労働力人口の高まり等により改善しているものの、労働生産性の伸びが足元で1%程度にとどまっているとみられ、その引上げが持続的な経済成長の実現に向けた最重要課題。需給ギャップの縮小は、人手不足感の高まりという形に表れ、中堅企業・中小企業・小規模事業者において特に強まっている。少子高齢化が 中長期的に経済成長を制約する要因となる中で、人手不足に対処しつつ、この制約を克服し、持続的な成長経路を実現していくためには、質・量の両面での人材の確保とともに、潜在成長率を高めていくことが急務。経済の好循環の拡大に向けては、生産性の向上を、分配面においても力強く継続的な賃金上昇、所得の拡大につなげ、デフレ脱却を確実なものとする必要がある。加えて、成長の果実を都市から地方、大企業から中小企業へ波及させるとともに、多様な 働き方の下で、若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、誰しもが活躍できる社会を実現することが不可欠。
少子高齢化は、財政面では財政健全化の足かせとなる。特に若年層に強い社会保障に対する将来不安や、社会保険料の負担増、教育費用など子育て負担は、現役世代の消費意欲を抑制し、個人消費の回復が力強さを欠く要因にもなっている。全世代型社会保障を確立し、その持続性を確保する観点から、歳出改革の加速・拡大を図るとともに、2019 年10 月に予定されている消費税率の8%から10%への引上げ を実施し、少子化対策や年金、医療、介護に対する安定的な財源を確保することが課題である。 財政健全化に向けては、PB黒字化を目指すという目標を堅持し、この「経済財政運営と改革の基本 方針 2018」において、その達成時期を明示するとともに、裏付けとなる新たな計画を提示し、これを実行に移していくことが必要。

(2)対応の方向性
@ 潜在成長率の引上げ →女性が子育てをしながら働ける環境や高齢者が意欲をもって働ける環境を整備すること、これを所得の向上、消費の拡大につなげるとともに、専門的・技術的分野における外国人材の受入れを進める。また、高い価値を生む多様な人材を確保し、少子高齢化による成長制約要因を緩和していくことが必要。 加えて、AI(人間で言えば脳に相当)、センサー(人間の目に相当)、IoT(人間の神経系に相当)、ロボ ット(人間の筋肉に相当)といった第4次産業革命による技術革新について中小企業を 含む広範な生産現場への浸透を図るなど企業の前向きな設備投資を引き出す取組が必要。そして、従来の発想にとらわれない 非連続的なイノベーションを生み出す環境を整備することにより労働生産性を引き上げる取組が不可欠。 あわせて、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会前後の需要変動を乗り越え、インバウンドを継続的に拡大させ、成長力あふれるアジアの中間層を取り込むなど、中長期的に持続的な成長基盤を構築していく観点から、「Society 5.0」の社会実装を含む波及効果の大きい投資プロジェクトを計画的に実施していくことが重要、成長戦略については、思い切った強化に向けた議論を本格化する。
A 消費税率引上げと需要変動の平準化 →2019 年 10 月1日における消費税率の引上げに向けては、消費税率引上げに よる駆け込み需要・反動減といった経済の振れをコントロールし、需要変動の平準化、 ひいては景気変動の安定化に万全を期す。
B 経済再生と両立する新たな財政健全化目標へのコミットメント →新たな財政健全 化目標として、経済再生と財政健全化に着実に取り組み、2025 年度の国・地方を合わせたPB黒字化を目指すこと。同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すことを堅持。2025 年度PB黒字化に向けては、団塊世代が 75 歳に入り始める2022 年度の前までの2019 年度から2021 年度を、社会保障改革を軸とする「基盤強化期間」 と位置付け、経済成長と財政を持続可能にするための基盤固めを行うこととする。
C 地方創生、地域活性化の推進 →地方への新しいひとの流れをつくるために、個々人の「人生の再設計」とも合わせ、UIJターンなど様々なライフステー ジに応じた移住や交流を推進する。

2.東日本大震災等からの復興
(1)東日本大震災からの復興・再生 →復興期間10 年間の後期5か年である「復興・創生期間」が後半に入る中、内閣の最重要課題として東日本大震災からの復興・再生に引き続き取り組むとともに、その進捗状況を踏まえ、2018 年度中を目途に「復興・創生期間」における基本方針 7 の見直しを行 う。
@ 切れ目のない被災者支援と産業・生業の再生→被災者の心身のケアやコミュニティ形成支援などの「心の復興」への取り組み。観光については、東北6県の外国人宿泊者数を 2020 年に150 万人泊など。
A 原子力災害からの福島の復興・再生 →廃炉・汚染水対策及び中長期的な廃炉に向け、研究開発や人材育成 を着実に進めるとともに、国内外の叡智 えいち を結集し、国が前面に立って安全かつ着実に取り組む。福島の復興・再生は中長期的対応が必要であることから、復興・創生期間後も継続して国が前面に立って取り組む。
(2)熊本地震と自然災害からの復興 →熊本地震 で被災された方々に寄り添った、きめ細かな支援策を引き続き実施する。 また、熊本地震の後も、全国各地で自然災害が相次いでいる。こうした自然災害から の復旧・復興に向けて、被災者の一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、全力で取り組 む。

次回は、経済財政運営と改革の基本方針2018「第2章 力強い経済成長の実現に向けた重点的な取組」からです。

| 次へ