CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« マイナンバー制度 | Main | 厚生分科会»
<< 2020年06月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
社会保障審議会年金事業管理部会資料(第48回) [2020年03月05日(Thu)]
社会保障審議会年金事業管理部会資料(第48回)(令和2年2月20日)
《議事》(1)日本年金機構の令和2年度計画の策定について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/kanribukai-siryo48_00002.html
◎参考資料1 日本年金機構令和2年度計画(案)の重点取組施策 ↓
〇令和2年度は
、「原点回帰-基幹業務の再構築-」を組織目標とし、当機構が年金制度を維持・発展させ、無年金者・ 低年金者をなくし、国民生活の安定に寄与することを目的とした組織であるという原点に立ち返り、基幹業務につい て、制度を実務として正確かつ公正に運営し、正しく確実に業務を行っていくことを引き続き徹底する。

〇当該組織目標に向かっては、特に、次の施策について重点取組施策と位置付ける。
・「厚生年金保険及び国民年金の適用・徴収対策事業の妥協なき推進」
・「正確な給付の更なる追求」
・「デジタルワークフローの実現」
・「組織力強化につながる人事制度の実現」

◯↑上記4項目の説明あり。↓
◯厚生年金保険及び国民年金の適用・徴収対策事業の妥協なき推進

(1)国民年金→現年度納付率については、70%台を確保し、最終納付率については、76%超を目指す。
(2)厚生年金保険↓
・厚生年金保険等の適用の可能性がある事業所に対する適用促進対策の強化(令和2年度からの4年間で集中的に適用を促進)
・適用事業所における従業員の適用漏れの防止や届出の適正化を推進(より実効性のある事業所調査の実施)
・更なる公正・公平な保険料収納に向けた徴収対策の推進、滞納保険料の解消に向けた徴収体制の強化
◯正確な給付の更なる追求 〜過去の事務処理誤りの諸課題を踏まえた更に正確な給付を追求するための取組〜
◯デジタルワークフローの実現 〜「紙をなくす」「紙を移動させない」取組を徹底的に推進〜
◯組織力強化につながる人事制度の実現 〜公平性・公正性・納得性の高い人事評価制度のあり方の検討/安定的かつ確実な組織運営体制の確保に向けた取組〜


◎参考資料2 機構内情報共有の取組について
T 業務改善命令(平成27年9月25日付)を受けた情報共有の取組↓

業務改善命令(平成27年9月25日付)を受け、@組織の一体化・内部統制の有効性の確保、A情報開示の抜本的な見直し(情報開示・共有の促進)、B情報セキュリティ対策の強化を柱とする業務改善計画を策定し、厚生労働大臣に提出している(平成27年12月9日)

U 業務改善命令(平成30年6月29日付)及び調査委員会報告書(同年6月4日付)を踏まえた情報共有強化の取組↓
今般の外部委託に係る事案は、本部担当部門においてリスクがリスクとして認識されず、本部組織としての危機感の共有がなされなかったため、結果と して組織的対応への着手が遅れることとなった。平成27年9月25日付業務改善命令への対応については一定の成果があったと考えるが、本事案を踏まえる と、本部現業・外部委託におけるリスク管理・情報共有体制に不備があり、対応が不十分であったと認識している。この点について、平成30年6月29日付 業務改善命令において「日本年金機構における業務委託の在り方等に関する調査委員会(以下「調査委員会」という)報告書」(同年6月4日付)を踏ま えた抜本的な見直しが求められたものである。

◯(参考資料)調査委員会報告書における主な提言内容及び業務改善命令の内容
(第39回社会保審議会年金事業管理部会資料抜粋)

・U.業務改善命令(平成30年6月29日付)→1.日本年金機構の業務委託について、「日本年金 機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会」の報告書で提言された対応策に着実に取り組むこと。
・以下、2〜5まで。※ 調査委員会報告書の提言内容の実現に集中的かつ確実に取り組むため、報告書の公表と同日の平成30年6月4日付けで「外部委託・調達管理等の見直しプロジェク トチーム」を設置し、組織横断的な企画・検討体制を確立し検討・実行。

◎参考資料3 外部委託管理の実施状況 →今までの流れの整理。令和2年度も。参考にしてください。


◆日本年金機構 は、日本年金機構法に基づき公的年金(厚生年金及び国民年金)に係る一連の運営業務を担う非公務員型(民営化ではない)の特殊法人。↓
https://www.nenkin.go.jp/index.html

◆社会保障審議会 (年金事業管理部会)↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_191001.html

◆国民に対する情報公開をしてください。今後ますます年金の重要性が高まると思われますので、わかりやすく・丁寧な説明を願います。

次回は、「「体罰等によらない子育てのために」がとりまとまりました」からです。

社会保障審議会年金事業管理部会資料(第48回) [2020年03月04日(Wed)]
社会保障審議会年金事業管理部会資料(第48回)(令和2年2月20日)
《議事》(1)日本年金機構の令和2年度計画の策定について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/kanribukai-siryo48_00002.html
◎資料2 日本年金機構令和2年度計画(案)新旧対照表
(中期計画(第3期)・令和元年度計画・令和2年度計画の新旧対照表に整理)


V 業務運営における公正性及び透明性の確保その他 業務運営に関する重要事項
1.内部統制システムの有効性確保
→機構の内部統制については、理事会の統括の下、 「内部統制システム構築の基本方針」(業務方法書第 16 条)に基づき、業務の適正性確保に向け、以下の 取組を行いつつ、それらの取組の改善を図る。
(1) 事務処理の正確性の確保→@〜Eまで。
(2) リスク管理とコンプライアンス確保の取組→@〜Bまで。
(3) 適正な監査の実施→@〜Aまで。
(4) 契約の競争性・透明性の確保等→@〜Cまで。

2.個人情報の保護
(1) 組織面の対策→情報セキュリティ対策を確実に実施、新たな脅威に対応するため、助言等を行う高度な専門的知見を有する者(又は機関)による業務 援体制を引き続き確保
(2) 技術面の対策
(3) 業務運営面の対策→インシデント発生時など・・・。
(4) 年金個人情報を取り扱う外部委託の適正な管理
(5) 監査によるチェック→@ 内部監査 A 外部専門家による監査

3.文書管理及び情報公開
(1) 文書の適正管理→@〜Bまで。
(2) 情報公開の推進→@〜Bまで。

4.人事及び人材の育成→制度を実務にすることをミッションとした実務機 関としての業務の安定性・確実性の確保に重点を置 く人事を実現するとともに、機構全体やお客様に貢 献する職員を高く評価する評価体系を構築することで、国民の年金を確実に守り信頼に応える人材を育成する。
(1) 人事方針、人材登用→@〜Eまで。
(2) 優秀な人材の確保→人材ポートフォリオ等を総合的に勘案し、計画的な採用、等々
(3) 適正な人事評価制度の運用→被評価者に対しては、若手・中堅職員を対象と した集合研修を利用して、制度の理解とその定着促進を図る。
(4) 人材の育成→@ 階層別研修・業務別研修の総合的な見直しA 専門人材の育成 A 専門人材の育成
(5) 働きやすい職場環境の確立→@ メンタルヘルス対策 A ハラスメントの防止 B 長時間労働の是正 C 年次有給休暇の確実な取得 D 子育てや介護との両立
(6) 健全な労使関係の維持

W 予算、収支計画及び資金計画
1.予算については、別紙1のとおり。
2.収支計画については、別紙2のとおり。
3.資金計画については、別紙3のとおり。

X 不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産の処分に関する計画
「日本年金機構の資産管理の在り方に関する会議」→速やかに廃止することが適当とされた宿舎は、速やかに国庫納付を行う。 今後廃止することが適当と見込まれる宿舎につい ては、令和元年度に実施した宿舎保有、広域住居手当、借上宿舎についてのコスト比較結果を踏まえ、 新たに宿舎需要予測を実施し、引き続き廃止すべき 時期を検討する。

Y Xの財産以外の重要な財産の譲渡又は担保に関する計画→なし。

◯別紙1 令和2年度予算
◯別紙2 令和2年度収支計画
◯別紙3 令和2年度資金計画   があります。

次回も続き、「参考資料1〜3」からです。

社会保障審議会年金事業管理部会資料(第48回) [2020年03月03日(Tue)]
社会保障審議会年金事業管理部会資料(第48回)(令和2年2月20日)
《議事》(1)日本年金機構の令和2年度計画の策定について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/kanribukai-siryo48_00002.html
◎資料1 日本年金機構令和2年度計画(案)の修正箇所<抜粋>
・項番→1年〜12まで。
・修正箇所→「前文」「国民年金の保険料収納対策」「厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策」「年金給付」「年金相談」「効率的効果的な業務運営(ビジネスプロ セス改革)」「ICT化 の推進」「内部統制システム有効性確保」「個人情報の保護」
・修正案→修正箇所の赤字訂正。


◎資料2 日本年金機構令和2年度計画(案)新旧対照表
(中期計画(第3期)・令和元年度計画・令和2年度計画の新旧対照表に整理)

◯前文
「原点回帰 −基幹業務の再構築−」を組織目標。国民の皆様の信頼を確保し、国民生活の安定に寄与するという当機構の使命を果たすべく、役職員一体となって業務に邁進。令和2年度は、「厚生年金保険及び国民年金の適用・徴収対策事業の妥協なき推進」、「正確な給付の更なる追求」、「デジタルワークフローの実現」、「組織力強化につながる人事制度の実現」を重点取組課題と位置づけ、
・ 厚生年金保険及び国民年金の適用・徴収対策事業 に関し、経常施策の徹底及び対策分野の再精査等を 進め、将来的な無年金者・低年金者の発生の防止
・ 裁定の事後チェック部署の新設や本部現業の管理体制の確立、中央年金センターを軸とした一貫した 給付体制の確立、未請求者への請求勧奨強化等を進め、より正確・確実な給付の実現
・ 電子申請の利用促進や画像・電子データによる文書管理手法の確立など、デジタルワークフローへの転換を図り、お客様 の一層の利便性向上や徹底した業務効率化の促進
・ 成果・実績と取組姿勢・貢献のバランスを見直す人事評価制度の再構築など、人事制度の見直しを踏まえ組織力を強化し、組織一体となった基幹業務の推進に取り組むほか、以下に掲げる事項に計画的に取り組む。

T 提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項
1.国民年金の適用促進対策

(1) 確実な適用の実施→@〜Bまで。未加入者対策
(2) 関係機関との連携・協力→市町村など加入手続の改善を図り適正な届出を促進
(3) 無年金者及び低年金者への対応→@〜Bまで。
(4) 外国人の適用対策→@〜A
2.国民年金の保険料収納対策
(1) 行動計画の策定→未納者の年金受給権を確保するため、国民年金の納付率の向上に向けた機構全体及び年金事務所ごとに令和2年度行動計画を策定し、収納対策を効果的・ 効率的に推進するとともに、納付月数の確保に注力。@〜Cまで。
(2) 目標達成に向けた進捗管理の徹底等→目標達成に向け、厚生労働省と連携を密にする。具体的なPDCAサイクルについては、@〜Bまで。
(3) 未納者属性に応じた収納対策→@〜Bまで。
(4) 若年者への対応→納めやすい環境整備に努める。
(5) 長期未納者への対応→24か月未納者が全体の未納月数の約50%を占めることを踏まえ、この層に対する対策を強化→@〜Bまで。
(6) 外部委託事業者の効果的な活用→@〜A
(7) 収納対策重点支援年金事務所の指定→納付率の向上に取り組む。
(8) 地域の実情を踏まえた対策→@ 沖縄県については、A 未納者数の多い年金事務所の納付率向上を図る
(9) 強制徴収の着実な実施→ 強制徴収の着実な実施 控除後所得が 300 万円以上かつ7月以上保険料を滞納→督促しても自主的に納付しない方について、滞納処分を行う。
(10) 徴収職員の育成
(11) 納めやすい環境の整備→@〜Dまで。

3.厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策
(1) 未適用事業所の適用促進対策→国税源泉徴収義務者情報を活用した取組を進め、適用調査対象事業所は着実に減少してきたが、未適用事業所の更なる解消に向けて、令和2年度からの4年間で集中的に取り組む。→@行動計画の策定A適用調査対象事業所の適用計画B 目標達成に向けた進捗管理の徹底 C効果的な適用促進対策の実施
(2) 事業所調査による適用の適正化対策→適用事業所の従業員に係る適用漏れの防止及び届 出の適正化を推進するため @行動計画の策定 A調査対象の選定と効果的な事業所調査の実施 B目標達成に向けた進捗管理の徹底
(3) その他 →@ 届出に係る事務処理の迅速化 A 「厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の 特例等に関する法律(以下「厚生年金特例法」)」への対応 B「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(以下「健全化法」)への対応 C船員保険制度への対応

4.厚生年金保険・健康保険等の保険料徴収対策
(1) 行動計画の策定
(2) 滞納事業所等に対する納付指導、換価の猶予等及び滞納処分→@〜Bまで。
(3) 徴収が困難である事業所に対する徴収対策の徹底
(4) 徴収職員の育成
(5) 徴収業務に係るシステム化の推進
(6) 口座振替の利用促進
5.年金給付
(1) 正確な給付の実現に向けた体制強化→@ 執行体制の強化A人員体制の強化(相談対応)
(2) 正確な給付の実現に向けた対応→@〜Dまで。
(3) 障害年金の事務処理体制の強化→@〜Cまで。
(4) 給付業務を担う人材の育成→@〜Bまで。
(5) 年金生活者支援給付金制度の着実な実施

6.年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止
(1) 年金記録の確認等の対応→@〜Bまで。
(2) 年金記録の正確な管理等の実施→@〜Cまで。
7.年金相談
(1) 年金事務所での相談→@〜Dまで。
(2) 年金相談センターでの相談→@〜Cまで。
(3) コールセンターでの相談→@〜A10か国語の通訳サービスの提供(マルランゲージ)

8.分かりやすい情報提供及びサービス改善の促進
(1) 分かりやすい情報提供の推進→ホームページ、「ねんきんネット」。ねんきん定期便による情報提供、など。
(2) 公的年金制度に対する理解の促進→@〜Cまで。
(3) お客様サービスの向上→@〜Dまで。

9.年金制度改正等への対応
(1) 年金制度改正等への対応
(2) 健康保険法改正への対応→@電子資格確認(オンライン資格確認)導入への対応 A被扶養者等要件改正への対応


U 業務運営の効率化に関する事項
1.効率的効果的な業務運営(ビジネスプロセス改革)

(1) 組織・ビジネスプロセス改革→@本部 A事務センター B年金事務所等
(2) 業務の合理化・標準化
(3) 業務の効率化
(4) 適正な運営経費による効率的効果的な業務運営→@人員体制及び人件費 A一般管理費及び業務経費 

2.外部委託の活用と管理の適正化→外部委託における業務の適正な管理と品質の維持・向上を図るため、委託業者の適切な選定及び管 理に向け以下の取組を行う。
(1) 外部委託の活用
(2) 年金個人情報を取り扱う外部委託の適正な管理
(3) 優良な受託事業者の確保
(4) 調達に精通した人材の確保・育成

3.社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発→社会保険オンラインシステムにおけるITガバナ ンス体制を確立し、社会保険オンラインシステムの 計画的な見直し及び現行システムの適切かつ確実な 運用、制度改正や業務改善に対応した開発のため、 年金業務システムのフェーズ1、フェーズ2及び現行システムについて、以下の取組を行う。
(1) フェーズ1への対応→@〜A
(2) フェーズ2への対応→業務・システム刷新プロジェクト憲章(令和元年 12 月改定)に定めるロードマップに沿って実施する
(3) 社会保険オンラインシステムの開発・運用→@〜B
(4) 年金給付システムの最適化への取組

4.ICT化の推進→ICT(情報通信技術)を活用し、国民の手続負担の軽減、利便性の向上、正確・迅速かつ効率的な 事務処理を実現するため、以下の取組を行う。
(1) 電子申請の推進→@〜Bまで。
(2) インターネットを活用したサービスの充実→@〜Aまで。
(3) マイナンバーの活用→@〜A
(4) ICTを活用した業務改善の実施→事務処理の迅速化と効率化、事務の正確性確保。

◆長くなりますので区切ります。次回は「V 業務運営における公正性及び透明性の確保その他 業務運営に関する重要事項」からです。

社会保障審議会年金部会における議論の整理 [2020年01月18日(Sat)]
社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和元年12月27日)
社会保障審議会年金部会の「議論の整理」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08721.html
V 今後の年金制度改革の方向性
・ これまで述べたように、本部会では、社会保障制度改革国民会議報告書や社 会保障制度改革プログラム法に規定された課題のうち、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大及び高齢期の就労と年金受給の在り方について、 2019(令和元)年財政検証におけるオプション試算の結果も参照しながら、議論を進め、今般の年金制度改革として行うべき事項を整理した。 しかし、公的年金制度が、2004(平成 16)年改正の財政フレームの下、長期にわたり老後生活の基本を支えるという役割を引き続き果たすためには、 今回の年金制度改革が与える影響や今後の社会経済の変化の動向などを検証し、社会経済や労働市場の変化に対応した制度の在り方について雇用政策とも連携しながら今後とも検討を進めていく必要があることは言うまでもない。 社会経済状況に応じて5年に1度財政検証を行う公的年金制度には、制度改革、その効果検証、社会保障の動向把握、年金財政の現状把握と将来像の投影 というPDCAサイクルが組み込まれている。このサイクルにおいて、オプション試算は社会経済の変化に対応した改革志向の議論を進めていく上で必要不可欠なものである。今後とも、課題に対応した内容の充実も含めて、オプション試算を重視した改革論議を進めていくべきである。
・ 以上のような視点を持ちつつ、本部会として、今般の制度改正に加えて、さらに検討を進める年金制度改革の方向性について、下記の通り整理する。

1 被用者保険の適用拡大
・ 今般の改革
→短時間労働者に対する適用拡大は、中小企業への負担 に配慮する観点からまずは 50 人超の企業までの適用となったが、本来は、企業規模要件を撤廃し、50 人以下の企業に対しても、被用者である者には被用 者保険を適用すべきである。
・ したがって、今後は、今回の 50 人超規模までの適用拡大により生じる影響 の検証を行った上で、更なる拡大をどのように進めていくかを議論すべきである。検証の際は、今回の適用拡大で中小企業や従業員がどのように行動した か調査するとともに、企業経営にどのような影響を与えたかなどについて、関係者からの意見を聞くことも必要である。
・ 個人事業主の事業所の適用業種の見直しについても、今回の改正では、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業を適用対象に加えることとしたが、本来被用者には全て被用者保険を適用すべき、との原則 からすると、この適用業種についても、その他の業種への拡大を引き続き検討すべきである。さらに、労働者にとっては少しでも早期に保障が確保されることが望ましいことから、各業界の任意包括適用の活用を促す取組状況を適宜 聴取・把握していく必要がある。
・ また、短時間労働者への適用拡大により、複数の事業所において短時間就労 で保険適用を受ける者が今後増加する可能性もあり、複数事業所就業者に係 る適用事務を合理化し、事業主の事務負担軽減を図るよう、関係者の意見を広 く聞きつつ検討を進めるべきである。
・ なお、兼業・副業も含め、適用基準を満たさない就労を複数の事業所で行う者に対する保障の在り方についての問題が提起されている。この問題は、事業 主の責任で適用事務を行うという被用者保険の基本的枠組みや、実務上の実 行可能性、適用拡大の進展状況等も踏まえつつ考えるべき課題である。 さらに、フリーランスやギグワーク、請負型で働く者などが増加する中、制度的には個人事業主であっても実態は雇用に近い働き方をしている者への保障の在り方についての問題も提起されている。この問題は、労働法制上の整理 とともに、保険料を賦課する報酬や保険料負担・納付を行う者の定義等の従来 の被用者保険にはない困難な論点をはらむ問題であるが、働き方の広がり等も 踏まえつつ、検討していく必要性が指摘された。
・ 第3号被保険者制度→前回の「社会保障審議会年金部会における 議論の整理」(平成 27 年 1 月 21 日)において、第3号被保険者を将来的に縮小していく方向性を共有するとともに、第3号被保険者については単に専業 主婦(夫)を優遇しているとの捉え方ではなく、多様な属性を持つ者が混在していることを踏まえた検討が必要であることについても認識を共有した。その上で、まずは、被用者保険の適用拡大を進め、被用者性が高い人については 被用者保険を適用していくことを進めつつ、第3号被保険者制度の縮小・見直 しに向けたステップを踏んでいくことが必要であると整理されている。 今回の適用拡大はこの方向性に沿って一歩前進するものであり、引き続きこの方向性に沿った対応を進めていく必要がある。

2 高齢期の就労と年金受給の在り方
・ 先に述べたように、在職老齢年金制度は拠出制年金における例外的な仕組 みであり、同じような所得を得る者間での公平性の問題、賃金増加分の半分に 相当する年金が停止されるという比較的厳しい制度であるという制度の性質、 また、繰下げ受給をしても在職支給停止相当分は増額対象とならないことを考えると、今回は改正しない高在老を含めた高齢期の年金と就労の在り方については、引き続き検討を進めていく必要がある。 今後、生産年齢人口の減少が加速化する中で高齢期の就労の重要性が増し、 高齢期の就業が多様化する中、フルタイムなど現役期の働き方に近い形で就労 する高齢者も増加していけば、現行の制度のままでは、高齢期にも現役平均程 度で就労を続ける者にとって、年金水準の充実の効果が得にくいこととなる。 今後、マクロ経済スライドの調整により、将来世代の所得代替率が長期的に 調整されていくことも踏まえれば、就労の長期化を年金制度に反映することにより、長期化する老後生活の経済基盤の充実が図られるよう、今後の高齢期の 就労の変化を念頭に、高齢期の就労と年金の在り方について検討を進めていくことが求められる。
・ また、高齢者が個々人の生活スタイルに合わせて、年金受給開始時期を柔軟 に選択できるようになることは、高齢者の働き方の多様化が進む中で非常に 意義が大きい。高齢者雇用においては、より多様な形での就業機会の確保が進められる中、就労と年金の組合せの選択がより多様で柔軟にできるよう、引き 続き検討を続けるべきである。

3 年金制度の所得再分配機能の維持
・ 2009(平成 21)年、2014(平成 26)年財政検証結果に引き続き、2019(令 和元)年財政検証結果においても、1階部分の基礎年金部分のマクロ経済スラ イド調整期間は、2階部分の厚生年金(報酬比例部分)よりも長期化していることが確認された。基礎年金は、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障する所得再分配機能を有する給付であり、この調整期間の長期化は、年金制度 の所得再分配機能の低下を意味することとなる。この再分配機能を維持することは、基礎年金のみを受給する者だけでなく、厚生年金の受給者にとっても、 その高齢期の経済基盤を充実させるために非常に重要である。
・ 被用者保険の適用拡大は、その分国民年金の拠出金負担を減少させ、国民年金財政を改善させて基礎年金のマクロ経済スライド調整の早期の終了に資するものであることから、基礎年金の所得再分配機能の維持のためにも、被用者保険の適用拡大を、今回の適用拡大以上に、さらに徹底して進める必要があることは明らかである。
・ なお、2019(令和元)年財政検証において、平成 28 年年金改革法による年金額改定ルールの見直しの影響が、将来世代の給付水準の上昇につながることが確認されたところであるが、マクロ経済スライドの効果については、引き 続き、その状況の検証を行うべきである。
・ その上で、今後は、基礎年金の所得再分配機能を維持する更なる方策として、 保険料拠出期間の延長についても、必要となる財源確保の在り方も検討した 上で、就労期間の長期化等の高齢者の雇用実態等も踏まえて検討すべきである。 また、基礎年金が、厚生年金と国民年金の被保険者が公平に拠出して支える仕組みであることを踏まえつつ、報酬比例部分と基礎年金のバランスを確保して基礎年金の所得再分配機能を維持していくため、どのような方策が可能か、 引き続き検討するべきである。

4 その他
・ 今回行う制度改革は、働き方の多様化、高齢期の長期化に対応する観点から、 主に老齢年金を射程とした改革となっている。しかし、公的年金制度について は、障害年金・遺族年金についても、社会経済状況の変化に合わせて見直しを 行う必要がないか検証し、その結果に基づいた対応についての検討を進めて いくべきである。
・ また、働き方の多様化、高齢期の長期化が進む中、老後の所得保障や退職後の生活設計の情報に対するニーズは高まっている。年金制度→広報 媒体の多様化や世代の特性も踏まえつつ、様々な媒体を適切に用いた周知を行いながら、正しい情報を正確に伝え、関係者の理解を得ていくことが重要である。その際、地域や事業所における年金委員の活用も図っていくべきである。 これに関連して、年金に関して様々なウェブサイトがあることで、かえって 知りたい情報にアクセスすることが難しいとの指摘もあったことから、2019 (平成 31)年4月、厚生労働省ホームページ上に、ライフイベントごとに必 要な年金情報が整理されたサイトである「年金ポータル」が開設されたところであり、引き続き広報の充実・強化に取り組むとともに、戦略的な広報展開を 検討すべきである。 また、2019(令和元)年財政検証でも、世帯類型ではなく一人当たりの賃金 水準によって所得代替率が決まることやその水準がどのようになるかを示し ているが、このように、モデル年金以外の所得保障の状況についてもイメージ できるようにわかりやすく示す工夫を重ねていくことが今後とも重要である。
・ 高齢期の生活は多様であり、それぞれの方が望ましいと考える生活水準や、 働き方の希望、収入・資産の状況なども様々である。公的年金制度に関する関 心内容として「自分が受け取れる年金はどのくらいか」が最も高くなっており、 制度自体の広報・周知に加えて、個々人の老後の公的年金の支給額等がいくら となるか若い頃から見通せるようにすることが、老後生活や年金に対する不 安を軽減するためにも重要である。次期制度改正で、高齢者が自身の就業状況 等に合わせて年金の受給開始時期の選択肢を 60〜75 歳までに拡大することも 踏まえれば、その必要性は一層高まる。 こうした観点から、これまでも「ねんきんネット」による年金見込額試算の 充実などが取り組まれているが、さらに、公的年金、私的年金を通じて、個々 人の現在の状況と将来の見通しを全体として「見える化」し、老後の生活設計 をより具体的にイメージできるようにするための仕組みを検討すべきである。
・ さらに、個別の制度の仕組みや個々人の状況の情報提供にとどまらず、誰もが人生を歩んでいく上で避けることのできないリスク(年金制度の場合は稼得能力の喪失)に対して、社会全体で連帯して備える社会保障制度という大きな枠組みの中で、貯蓄ではなく保険の考え方を基本に構築されている年金制度の意義や位置付けを理解してもらうことも重要であり、子どもの頃から生 涯を通じた年金教育の取組を進める必要がある
・ 最後に、公的年金制度の在り方については、様々な意見があるが、国民全体の幸福、我が国全体の発展に資するような改革が何かを十分に検討し、今後も、 将来世代のための改革の議論を続けていくことが重要である。

次回は、新たに「「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」のとりまとめを公表いたします」からです。
社会保障審議会年金部会における議論の整理 [2020年01月17日(Fri)]
社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和元年12月27日)
社会保障審議会年金部会の「議論の整理」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08721.html
U 今般の年金制度改革
1 短時間労働者等に対する被用者保険の適用拡大

被用者は本来であれば働き方や企業規模・形態にかかわらず厚生年金の被保険者となり、報酬に比例した保険料負担を行った上で、報酬にかかわらず定額が給付される基礎年金に加え、報酬比例給付による保障を受けるべきである。 その一方で、被用者でありながら国民年金の加入となっている者も相当数に上ることにも鑑みれば、こうした被用者である者には被用者保険を適用し、適用事業所に勤務する労働者はその事業所の規模を問わず被用者保険が適用されるべきであるこうした適用拡大は、将来の無年金・低年金が心配される単身世帯やいわゆる就職氷河期世代等で、現在、国民年金第1号被保険者である者にとって、将来の年金水準を充実させることにつながる。
・ また、労働者の働き方や企業による雇い方の選択において、社会保険制度における取扱いによってその選択が歪められたり、不公平が生じたりすること がないようにし、適用拡大を通じて雇用や働き方に中立的な制度が実現すれば、働きたい人の能力発揮の機会、企業運営に必要な人材が確保されやすくなり、結果として公平な経営条件の確保に資することが期待できる。 特に、給付は増えず国民年金保険料負担が新たに生じる被扶養認定基準(年 収 130 万円)に直面している第3号被保険者にとっては、適用拡大が行われれ ば、被用者保険に加入することで給付増を享受しつつ、扶養から外れ、自らの 希望する働き方を実現できるようになる意義がある。
・ さらに、被用者保険の適用拡大は、現在被用者でありながら国民年金加入者 となっている者が、厚生年金の被保険者となることで、国民年金財政を改善さ せることを通じて、マクロ経済スライドによる調整終了後の所得代替率の改善や基礎年金水準の確保につながるものであり、年金制度における所得再分 配機能の強化にもつながる。 こうしたことから、法律の規定上も附則に規定され、「当分の間」の経過措置として位置づけられている現行の 500 人超という企業規模要件は撤廃し、 本来全ての被用者に被用者保険が適用されるように見直されるべきものである。
・ 他方で、本部会では、被用者保険の適用拡大は、事業者側の社会保険料の負担を増加させるものであり、適用拡大に当たっては中小企業への負担に配慮した慎重な検討が必要であるという意見もあった。 このような本部会での議論を受けて、被用者保険の適用拡大には、本来全て の被用者に被用者保険が適用されるべきとの要請と、中小企業の経営配慮を すべきとの要請の、2つの要請があり、この2つの要請を調和させる観点から、 企業規模要件見直しの具体的なスケジュールについて、政府・与党内で議論・ 調整が行われた。 この調整の結果、具体的には、2024(令和6)年 10 月に 50 人超規模の企業 まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働者の保 障を充実させるため、2022(令和4)年 10 月に 100 人超規模の企業までは適用することを基本とする、との結論に至った。
・企業規模要件が 2012(平成 24)年改正法の規定上附則に規定され、「当分の間」の経過措置として位置付けられていることを踏まえれば、今回の政府・与党で の調整結果に加えて、今後、引き続き適用拡大に取り組んでいくことが求められる。
・また、短時間労働者への適用要件の中でも、1年以上の勤務期間要件は、できるだけ適用要件は少なくする方が望ましいとの観点や、実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、本則に規定されているフルタイム相当の被保険者と同様の2か月超の要件が適用されるようにする。 労働時間要件→まずは週 20 時間以上の労働者への適用を優先するため、現状維持とする。月額賃金 8.8 万円の賃金要件は、最低賃金の水準との関係も踏まえて、現状維持とする。
・ 個人事業所の場合、現行制度上の適用事業所は、法定 16 業種に該当する常時5人以上の従業員を使用するものに限られているが、この 16 業種は、1953 (昭和 28)年以来、一度も見直されていない。しかし、現行の非適用業種の事業所で働いている被用者も、被用者であることには変わりはなく、被用者である者には被用者保険を適用すべきという考え方に立つと、個人にとって、適 用事業所か否かで将来の年金給付が変わることは適切でない。非適用業種についても、実態を踏まえた見直しを図っていくべきである。 特に、5人以上の個人事業所のうち、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業については事務処理等の面からの支障はないと 考えられ、さらに他の業種と比べても法人割合が著しく低いこと、法人化に際 して制度上の制約があることなどから、適用業種に追加すべきである。
・ 今回の改革は、従業員数 50 人超の企業を対象にするものであるが、ここで いう「従業員数」は、より正確には、「労働時間が通常の労働者の4分の3以上の者」の総数であり、それ未満の短時間労働者を算定に含めない。また、賃金や労働時間の要件についても、必ずしも実績値ではなく、契約上の所定賃金・労働時間によって判断する。企業側に対しては、こうした制度改正の内容や、適用拡大は人材確保にも役立つことを丁寧に説明し、適用拡大による中小企業の負担増加に対する懸念を和らげることに努めるべきである。なお、適用拡大に際しては、労働者が自らの労働時間の短縮等によって保険 適用を回避する行動、いわゆる就業調整が発生し、企業の人材確保に支障をきたすと懸念する向きがある。 しかし、適用拡大は全ての短時間労働者を対象とするものではなく、週 20 〜30 時間かつ月額賃金 8.8 万円以上で働く短時間労働者に限られる。 さらに、週労働時間 20〜30 時間かつ月額賃金 8.8 万円以上で働くパート労働者の内訳を見ると、適用拡大によって保険料負担が減り、給付増を享受する 国民年金第1号被保険者が半数近くを占めている。保険料負担が新たに発生す るために就業調整を行う可能性のある第3号被保険者は、4分の1程度である。 加えて、前回の適用拡大が労働者の働き方に与えた影響を検証すると、適用 拡大前の時点で第3号被保険者であった者についても、労働時間を延ばし、保険加入を選択した者のほうが、労働時間を短縮した者よりも多かった。 今回の適用拡大によって見込まれる影響を論ずるに当たっては、こうした事 実関係に関する正確な理解の上に立脚する必要がある。
・ また、被用者保険の加入のメリットについても、事業主・労働者の双方に十分な理解を促す必要がある。 被用者保険に加入すれば、将来、基礎年金に加え、報酬比例部分の年金を終 身にわたって受給できるようになり、障害・死亡に際しての保険給付も手厚く なるほか、健康保険による傷病手当金等の生活保障を受けられるようになる。 前回の適用拡大の際には、企業が従業員に個別に対応し、こうした被用者保 険の加入のメリットや、手取り収入維持のために必要な追加的労働時間数等に ついて丁寧に説明することで、就業調整を抑えることができたとの結果が指摘された。
特に、被扶養者にとって、適用拡大以前に直面していた被扶養認定基準(年 収 130 万円)と被用者保険適用基準(月額賃金 8.8 万円(年収 106 万円程度)) とは、給付面でのメリットの有無等の点で大きく異なる。適用拡大は、被扶養者にとって超える際の抵抗感が強い「130 万円の壁」を消失させ、給付増を伴 う被用者保険適用基準に置き換える意味を持つものであり、この点について 十分な理解がないまま就業調整が行われれば、企業にも労働者本人にも不利 益であるため、正確な理解の促進に向けた対応が必要である。
具体的には、政府が制度の内容を周知するとともに、事業主自身が労働者に対し、労働者本人が自らの適用の状況について理解できるよう、正確かつ丁寧 に説明することも重要。 その際、今回の適用拡大の対象となるのは中小企業が中心であり、従業員への丁寧な対応に必要な知見や人員が十分でない可能性があることから、個々の企業が社会保険や労務の専門家を活用し、従業員への対応を十分に行えるようにするための支援を行うことが考えられる。専門家による企業向け説明会等を 開催するほか、個々の企業が従業員向けに行う説明会に専門家を派遣するなど、 踏み込んだ対応も検討すべきである。 また、企業が従業員への説明に使えるよう、または労働者本人が自ら被用者 保険加入のメリットを実感することができるとともに、自らの適用状況が適 切であるかを確認できるよう、非専門家でも理解しやすい説明ツールを整備 することも必要である。
・ 本来、企業規模要件の撤廃が望ましいことからすれば、この問題を考えるに当たって、中小企業の経営体力を高めるという能動的な観点から、生産性向上や人材育成、競争力強化につながる産業政策と連携することも重要。加 えて、適用拡大は、人材定着や従業員の士気を高める観点から、人材不足が深 刻な中小企業にとってプラスの面があることの理解を広めることも望まれる。
・ 被用者保険の適用拡大が、基礎年金部分のマクロ経済スライド調整期間を 短縮し、将来の所得代替率の水準を引き上げることは、財政検証結果でも確認されている。今般の被用者保険の適用拡大は、マクロ経済スライド調整期間が 長期化する傾向にあった基礎年金部分の将来の所得代替率の向上をもたらす 制度的な対応として、将来世代にとっても、非常に重要な役割を果たすものである。 また、前回の適用拡大によって厚生年金加入となった者のうち約4割が国民 年金第1号被保険者であり、その約半数が保険料を免除または未納の状態であった。このことから、適用拡大は、結果として、就職氷河期世代等、短時間で の就労を余儀なくされ、被用者でありながら国民年金第1号被保険者に留まっていた者の将来の年金給付の充実に非常に効果があったことがわかる。
・ 以上のように、短時間労働者に対する適用拡大を進めるに当たっては、被用者保険加入によるメリットへの理解を十分に広めながら取り組むことが望まれる。 なお、適用拡大と併せて、未適用事業所等への適用促進の取組も重要である。

2 高齢期の就労と年金受給の在り方
・ 社会保険方式をとる公的年金制度
→保険料を拠出された方に対し、それに見合う給付を行うことが原則である中、就労し、一定以上の賃金を得ている厚 生年金受給者に対し、年金支給を一部停止する在職老齢年金制度は、例外的な仕組みである。
高齢期の就労が多様化する中で、現役期の働き方に近い形で就労する高齢者が増加し、政府としても繰下げ受給を選択しやすくする取組を進める中、今後 さらに高齢期の就労が進んでいくことが見込まれることや、一方で雇用環境の 変化や個々人の高齢期への準備には多くの時間を要するものであることも踏 まえると、変化する高齢者の雇用環境に併せて今から在職老齢年金制度の見直 しを図ることは、将来の変化を展望した制度的な対応として意義を持つもので ある。こうした観点から、本部会では、現在の 65 歳以上の者に対する在職老齢年 金制度(高在老)の在り方を見直すべきとの意見も多かった。また、厚生年金 は所得再分配機能が組み込まれた制度であるとの意見もあった。
・ 他方で、在職老齢年金制度の撤廃又は基準額の緩和は、見直しによる就労の変化を見込まない場合、将来世代の所得代替率を低下させることが 2019(令 和元)年財政検証オプション試算の結果でも確認されている。 また、現在の高在老の適用基準(47 万円)の対象者が、年金と賃金を合計すれば同世代あるいは現役世代と比較しても比較的フロー所得に余裕があることからすると、在職老齢年金制度の単純な見直しは、高所得の高齢者を優遇す るものであるとの指摘もある。
・ このように、在職老齢年金制度の見直しについての意見は分かれた一方で、この問題を考える際に在職老齢年金制度だけで考えるのではなく、他の要素 を総合的に考慮して判断すべきとの立場からの意見も多かった。 例えば、所得代替率への影響は、在職老齢年金制度によるもの(撤廃の場合 は 0.4 ポイント、基準額 62 万円への引上げの場合は 0.2 ポイント(ケースV の場合))のみではなく、財政検証の際にオプション試算で示されたAとBを 全て実施した場合の所得代替率引上げ効果(約7〜12 ポイント)のように、 年金制度改正全体で見ていくべきとの意見があった。 また、在職老齢年金制度による支給停止の対象は、厚生年金の適用事業所で 働く被保険者及び 70 歳以上の者の賃金であり、自営業や、請負契約、顧問契 約で働く収入や不動産収入を有する者等は対象にならないといった、就業形態 の違いによる公平性の問題も存在し、この問題は年金制度だけで考える限りは 解決できないという指摘もあった。
・ また、65 歳以上の者向けに、退職年金制度の時代に由来する資格喪失時(退職時・70 歳到達時)に初めて年金額改定を行うという制度を改め、在職中から、年金額の改定を毎年行い、早期に年金額を増額させる在職定時改定を導入 することについては、本部会では、就労期間の延伸による年金額の増加を実感 しやすいことや、年金額が比較的低く就労による賃金と合わせて生計を立て ている者への改善につながることなどから、導入を支持する意見が多かった。
・ これらの議論を受けて、在職中の年金受給の在り方については、政府・与党 内でも議論・調整が行われた。政府・与党内での議論・調整において、高齢期の就労と年金をめぐる調整に ついては、年金制度だけで考えるのではなく、税制での対応や各種社会保障制度における保険料負担等での対応を併せて、今後とも検討していくべき課題 であるとされた。他方で、今般の制度改正においては、65 歳以降の老齢厚生年金について在職定時改定の導入を行うこととされた。
・ 60〜64 歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度(低在老)→就労に与える影響が一定程度確認されているという観点、60 歳台前半の就労、特に 2030(令和 12)年度まで支給開始年齢の引上げが続く女性の就労を支援するという観点から、見直すことが適切。 また、高在老と低在老の基準額が異なる現行制度では、同じ 60 歳台前半であっても、65 歳からの本来支給の老齢厚生年金を繰上げ受給した場合には高在老の基準が適用される(支給開始年齢が 65 歳に引き上がる世代である 1961(昭和 36)年4月2日以降生まれの男性が 60 歳になる 2021(令和3)年度以降に生じる)一方、特別支給の老齢厚生年金を受給している場合には低在老の 基準が適用され、60 歳台前半の老齢厚生年金に適用される在職老齢年金制度の基準が混在することとなる。低在老の見直しについては、高在老と同じ基準 とすることで、制度をわかりやすくするという利点もあることから、現行の 28 万円から高在老と同じ 47 万円の基準に合わせるべきである。 低在老の見直し→特定の世代にしか効果が及ばないとの批判もあるが、60 歳台前半の年金制度が賃金水準に一定の影響を与えているという実態があるという指摘があり、低在老の見直しによって、60 歳台前半の年金制度をなるべく早期に、就労に対して中立的となるようにすることは、支給開始年齢が 65 歳に引き上がる将来世代にとっても意義があると考えられる。
・ また、年金の受給開始時期→今後の更なる高齢期の就労の進展を 踏まえると、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年金受給の方法を、現行よりもさらに柔軟に選択できるよう、その選択肢を増やす観点から、現行の 60 〜70 歳から 60〜75 歳へと拡大すべきである。 繰上げ・繰下げの増減率は、年金財政への中立を基本に最新の生命表等による試算結果を踏まえ、1月当たりの繰上げ減額率を 0.4%に、繰下げ増額率は 0.7%とすべきである。 なお、繰上げ・繰下げの増減率は、今般の受給開始時期の選択肢の拡大に当たって見直しを行ったものであるが、年金受給者の生活設計の安定のため、頻繁に変えるべきものではない。

3 その他の制度改正事項及び業務運営改善事項
・ 年金制度については、上記に挙げた改革事項以外にも、より時代に合った制度とする観点から、今回の改正の機会を捉え、必要な改革を行うべきである。

・ 具体的には、本部会での議論も踏まえ、以下の改正を行うべきである。
(1)厚生年金・健康保険の適用について、雇用契約の期間が2か月以内であっても、実態としてその雇用契約の期間を超えて使用される見込みがある と判断できる場合は適用対象とするよう見直す。
(2)国民年金保険料の申請全額免除基準の対象について、地方税法上の非課 税措置の対象に合わせ、未婚のひとり親や寡夫を追加する。
(3)脱退一時金制度の支給上限年数→特定技能の在留資格の創設などを含む改正出入国管理法が 2019(平成 31)年4月より施行されたことなどを踏まえ、現行の3年から5年に見直す。
(4)年金生活者支援給付金→給付金の受給資格者になり得る者も所得・世帯情報の取得の対象とし、2020(令和2)年度以降新たに支給対象 となる者にも簡易な請求書を送付できるようにする等の見直しを行う。
(5)現行の国民年金手帳→その求められてきた機能・役割の変化に 照らし、「基礎年金番号の本人への通知」機能を有する通知書で代替する よう見直す。
(6)厚生年金保険法に基づく事業所への立入調査について、例えば、国税庁 からの給与支払いの情報提供等により適用事業所である蓋然性が高いと 認められる事業所もその対象とできるようにする。
(7)年金担保貸付事業について、閣議決定に基づき廃止する。

次回も続き「V 今後の年金制度改革の方向性」からです。
社会保障審議会年金部会における議論の整理 [2020年01月16日(Thu)]
社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和元年12月27日)1/16
社会保障審議会年金部会の「議論の整理」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08721.html
T はじめに
1 これまでの年金制度改革の経緯
・ 現在の公的年金制度の財政フレーム
→2004(平成 16)年の年金制度改正 により導入され、2004(平成 16)年改正前は、社会経済情勢の変動に応じて、5年ごとの財政再計算の際に、人口推計や将来の経済見通し等の変化を踏 まえて、給付内容や保険料水準を見直してきた。少子高齢化の進展の中、支給 開始年齢の引上げ等の給付の見直しが行われる一方、最終保険料率が 25%を 超えるという見通しが示され、若い世代にとっては、将来の給付水準も保険料 水準も見通しにくく、年金制度に対する不安につながっているという意見が 強かった。
・ そこで、2004(平成 16)年の年金制度改正では、給付と負担の見直し方法 を改め、保険料の引上げを極力抑制しつつ将来の保険料負担の上限を固定し、 その保険料上限による収入の範囲内で給付水準を自動的に調整するという、 新しい給付と負担の見直しの方法を導入した。 具体的には、@保険料水準の引上げスケジュールと将来の保険料の上限を固定し、A基礎年金の国庫負担を2分の1へ引き上げることとした。さらに、B 財政の均衡を図る期間を概ね 100 年とした上で、その期間内で積立金の運用 収入と元本を活用することとした。この@〜Bにより、財源の枠組みが固定された。その上で、C年金の給付水準については、財政均衡期間である概ね 100 年間で年金財政が均衡する水準まで自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド調整)とした。これにより、長期的な年金財政の枠組みが構築され、年金制度に対する将来への不安の解消を図った。
・ その後、2009(平成 21)年の財政検証と 2012(平成 24)年の社会保障と税の一体改革を受け、基礎年金国庫負担2分の1の恒久化、被用者年金制度の一 元化、500 人超企業における短時間労働者への被用者保険の適用拡大等の制度改正が行われた。 そして、これらを踏まえて行われた社会保障制度改革国民会議の 2013(平 成 25)年8月の報告書では、@マクロ経済スライドの見直し、A短時間労働 者に対する被用者保険の適用拡大、B高齢期の就労と年金受給の在り方、C高所得者の年金給付の見直しが、今後の年金制度の課題として設定され、これら の課題は、2013(平成 25)年 12 月 13 日に公布された社会保障制度改革プログラム法にも規定された。
・ 2014(平成 26)年の財政検証→社会保障制度改革国民会議報告書や社会 保障制度改革プログラム法において規定された課題の検討に資するため、一 定の制度改正を仮定したオプション試算(マクロ経済スライドの見直し、被用者保険の更なる適用拡大)を初めて実施し、本部会では、このオプション試算 を参照しながら、課題に対応するための制度改革の議論を行った。 その結果、2016(平成 28)年 12 月には、500 人以下の企業で働く短時間労 働者も労使合意により厚生年金への任意加入を可能とする被用者保険の適用拡大の促進、マクロ経済スライド調整の見直し、賃金変動に合わせた年金額改定(賃金スライド)の徹底等を行う年金改革法(平成 28 年年金改革法)が成 立した。
・ 平成 28 年年金改革法は、将来世代の給付水準を確保するため、マクロ経済 スライドについて、現在の高齢世代に配慮しつつ、できる限り早期に調整を終える観点から、名目下限措置を維持しつつ、賃金・物価上昇の範囲内で前年度 までの未調整分を調整するルール(キャリーオーバー制)を 2018(平成 30) 年4月から導入するとともに、賃金・物価スライドについて、支え手である現 役世代の負担能力に応じた給付とする観点から、賃金変動が物価変動を下回る場合には賃金変動に合わせた改定をする考え方を 2021(令和3)年4月か ら徹底することとした。これは、長引くデフレ経済下でマクロ経済スライドに よる調整が発動しないこと等により生じた課題に対応するためのものであり、 社会保障制度改革国民会議報告書の課題@に対応している。法的措置による 特例水準の解消や最近の経済の回復基調等もあり、2015(平成 27)年度に初 めてマクロ経済スライドが発動し、2018(平成 30)年度に生じたキャリーオーバー分が、2019(令和元)年度の2度目のマクロ経済スライド発動とともに解消した

2 平成 28 年年金改革法成立後の検討
・ 平成 28 年年金改革法成立後、2018(平成 30)年4月から再開した本部会
→上記のようなこれまでの年金制度改革のレビューからスタートし、社会保 障制度改革国民会議報告書の課題であるA短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、B高齢期の就労と年金受給の在り方、C高所得者の年金給付の見直しに向けた議論を開始した。
・ 短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大→2012(平成 24) 年8月に成立した年金機能強化法の規定により、2019(令和元)年9月末まで に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずることとされている。また、 近年は、高齢者雇用の進展や働き方の多様化に向けた動きが生じており、こう した社会の変化は、正社員への適用を中心として構築されてきた社会保険制度において、短時間労働者への適用拡大の必要性を高めるものとなっている。 以上を踏まえ、2018(平成 30)年 12 月より、「働き方の多様化を踏まえた 社会保険の対応に関する懇談会」(保険局長及び年金局長が開催)において、 適用拡大に伴う関連データや動向の検証、関係者からのヒアリング等による実態把握、更なる適用拡大に伴う諸課題の分析・整理が行われ、2019(令和元) 年9月 20 日の議論のとりまとめが、本部会にも報告された。
・ また、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(令和元年6月21日閣議決定) 等の各種閣議決定・政府決定にも、働き方の多様化や高齢期の長期化・就労拡大に応じた年金制度を構築する観点から、短時間労働者への被用者保険の適 用拡大、年金受給開始時期の選択肢の拡大、在職老齢年金制度の在り方の検討が、課題として盛り込まれている。
・ 本部会→こうした政府全体による課題の設定も踏まえつつ、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、高齢期の就労と年金受給の在り方等、年金制度 において改革を進めるべき事項について、2018(平成 30)年4月から 2019(令 和元)年 12 月までの 15 回にわたり、精力的に議論を行った。

3 2019(令和元)年財政検証
・ 2019(令和元)年は、5年に1度の財政検証を行う年
に当たり、同年8月 27 日に財政検証結果が公表され、本部会で報告を受けた。2019(令和元)年財政検証は、新しい将来推計人口と幅広い経済前提の設定に基づき試算を行うだけでなく、2014(平成 26)年財政検証とともに行ったオプション試算の有用 性を踏まえ、今回も更に充実させたオプション試算を行うべき、という意見が 具体的な追加のオプションの要望とともに本部会に出されたことも踏まえ、 被用者保険の更なる適用拡大、保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択 肢の拡大等、制度改革を実施した場合を仮定したオプション試算を実施した。

・ この財政検証の結果からは、以下の点が明らかになった。
@ 経済成長と労働参加が進むケースでは、現行の年金制度の下でも、引き続き、所得代替率 50%の給付水準を今後概ね 100 年間にわたり確保できることが確認できた。したがって、経済成長と労働参加を促進することが、将来 の年金の水準確保のためにも重要であると言える。 A オプション試算Aとして行った被用者保険の更なる適用拡大では、適用 拡大を 125 万人、325 万人、1,050 万人の3つのケースで試算を行い、対象者の規模が大きいほど所得代替率や基礎年金の水準確保に効果が大きいことが確認できた。 B オプション試算Bでは、基礎年金の加入期間の延長、在職老齢年金制度の 見直し、厚生年金の加入年齢の上限の引上げ、就労延長と受給開始時期の選 択肢の拡大について試算を行い、就労期間・加入期間を延長することや、繰 下げ受給を選択することは、年金の水準確保に効果が大きいことが確認できた。

4 今後の方向性
・ 以上のような、社会経済の変化や年金制度の現状についての確認や 2019(令 和元)年財政検証結果を踏まえ、本部会では、これらの結果等を前提として、 年金制度についても、働き方の多様化・高齢期の長期化という今後の社会経済の変化を見越した制度改革を行うことが必要、という共通認識に達した。 そこで、本部会では、2019(令和元)年財政検証結果を踏まえ、 ・ 多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大 ・ 就労期間の延伸による年金水準の確保・充実 を2つの大きな柱とし、業務運営改善関係の見直し等の課題も含めて、今後の 年金制度改正について、2019(令和元)年9月より議論を行った。
・ この結果、本部会では、検討項目全体を貫いて今後の年金制度改革の基本に 置くべき考え方として、概ね次の様な方向性を共有した。 ↓
@ 短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大→被用者は、被用者による支え合いの仕組みとしての被用者保険に加入するのが基本であること、厚生年金の適用により将来の年金を手厚くできることが期待されること、社会保険制度の適用の仕方によって働き方や企業 の雇い方、経営条件などに影響をできるだけ与えないことが望ましいことから、被用者として働く者には被用者保険を適用するという基本的な考え 方に立つ必要がある。ただし、具体的な適用拡大は、人手不足や社会保険料 負担を通じた企業経営への影響等に留意しつつ、丁寧に進める必要がある。 A 高齢期の就労と年金受給の在り方→ 基礎年金創設時と比べると、今日まで 65 歳の平均余命は5年程度伸長しており、将来人口推計では、今後さらに3年程度伸長することが仮定されている。また、65 歳を迎えた人が 90 歳に達する確率は、1950(昭和 25)年生 まれで男性の3割以上、女性の約6割であるところ、1990(平成2)年生まれでは男性の4割以上、女性の約7割になる見込みである。医学的見地から も、高齢期の健康状態が若返り、就労意欲が高い状況を踏まえると、年金制 度において、より多くの人がこれまでよりも長く多様な形で働く社会となることを展望した上で、高齢期の経済基盤の充実のために行っておくべき 制度的な対応を今の段階から図っておくことが重要である。 こうしたことから、在職老齢年金制度の在り方の見直し及び在職定時改 定の導入、年金受給開始時期の選択肢の拡大を行うとともに、今後、必要と なる財源確保の在り方も検討した上で、平均寿命の伸長、就労期間の延伸等 に対応した被保険者期間(保険料拠出期間)の延長等、残された課題につい ても議論を続けていくべきである。
・ 以下、これまでの本部会における議論に沿って、上記の方向性等を踏まえた 今般の年金制度改革の具体的内容、さらにはそれ以降の年金制度改革の目指 すべき方向性を整理する。

次回も続き「U 今般の年金制度改革」からです。
第15回社会保障審議会年金部会 [2020年01月13日(Mon)]
第15回社会保障審議会年金部会(令和元年12月25日)
《議事》 社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00018.html

◎参考資料1 年金制度改革等に向けた提言(令和元年 12 月5日 自由民主党社会保障制度 調査会・年金委員会・医療委員会)
T はじめに

・少子高齢化が急速に進む中で、将来にわたって制度を持続可能なものとするため、長期的な年金財政の枠組みが構築。平成 24 年の社会保障と税の一体改革による基礎年金国庫負担2分の1実現に要する恒久財源の確保等により、この財政フレームは完成し、その後、平成 26 年、 令和元年と2回行われた財政検証においては、経済成長と労働参加が進むケースでは、モデル年金の所得代替率 50%が確保できることが確認されている。
・平成 16 年改正の財政フレームを前提としつつ、 公的年金が高齢期の生活の基本を支える役割を適切に果たし続けられるようにしていくかが課題。
・こうした考え方の下、自由民主党社会保障制度調査会年金委員会→本年8月に 厚生労働省から発表された令和元年財政検証結果も踏まえ、公的年金制度の今後の方向性について精力的に議論を進めてきた。今般、以下の点について公的年金制 度についての改革を進めるよう提言する。

U.当面の年金制度改革の方向性
@多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大(勤労者皆社会保険制 度の実現を目指す)
A就労期の長期化による年金水準の確保・充実のための在職老齢年金制度の見直し、 年金受給開始時期の選択肢の拡大 を、将来の日本社会の変化を踏まえた改革として行うべき。 1.被用者保険の適用拡大
(1)短時間労働者への適用拡大
・ 国民年金→老後も一定の生計の手段を有し緩やかに引退する自営業者を想定してできた制度、現在は、パート労働者等、被用者でありながら国民年金加入 となっている者が、国民年金第1号被保険者の4割近くを占めている。被用者である者 には被用者保険を適用すべきとの考え方に立つと、このような者には被用者保険の適用を促進すべきである。
・ しかし、最終的には企業規模要件を撤廃することが望ましいものの、これを 一気に進めることによって、企業の存立そのものに影響を与えてしまっては、雇用も維持されない。中小企業は日本経済を支える基盤であり、中小企業への経営配慮は必須である。
今回の改正→50 人超規模の企業まで適用するスケジュールを明記する。具体的には、 2024 年 10 月に 50 人超規模の企業まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働者の保障を充実させるため、2022 年 10 月に 100 人超規模の企業 までは適用することを基本とする。50 人以下の企業についても、今回の改正が与える 影響に配慮しつつ、引き続き検討を進めるべきである。合わせて、中小企業の負担軽 減のため、生産性向上や労働者の処遇改善を行った場合の支援策も講ずるべきである。
・ 短時間労働者への適用要件のうち、労働時間要件については、まずは週 20 時間以上労働者への適用を優先するため、現状維持とする。月 8.8 万円の賃金要件は、最低賃金の水準との関係も踏まえて、現状維持とする。1年以上の勤務期間要件は、実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2ヶ月超の要件を適用。学生除外要件→本格的就労の準備期間としての学生の位置づけ等も考慮し、現状維持とする。
(2)非適用業種の見直し
・ 法人事業所は、業種や従業員規模にかかわらず適用事業所であるが、個人事業所の場合は、法定された 16 業種に該当する常時5人以上の従業員を使用するものに限られており、この 16 業種は、昭和 28 年以来、見直されていない。しかし、現行の非適用業種で働いている被用者も、被用者であることには変わりはなく、被用者である者には被用者保険を適用すべき考え方に立つと、個人にとって、適用事業所か否かで将来の年金給付が変わることは基本的に望ましくない。
・ 個人事業所を規模や業種によって非適用としているのは、事務負担が過重となるお それがある等の理由からであるが、5人以上の個人事業所のうち、弁護士・税理士・社会保険労務士等(※)の法律・会計事務を取り扱う士業については、他の業種と比べ ても法人割合が著しく低いこと、社会保険の事務能力等の面からの支障はないと考えられることなどから、適用業種に追加すべき。その他の業種についても、将来的 にさらなる適用拡大を検討すべきである。 ※ 弁護士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、 弁理士、公証人、海事代理士の10業種

(3)健康保険の適用拡大
・ 厚生年金保険と健康保険は、被用者保険として一体適用が原則となっており、これ までの短時間労働者に対する適用拡大と同様、被用者にふさわしい保障の確保や働き方や雇用に中立で公平な制度の構築といった医療保険における適用拡大の意義を踏まえ、健康保険についても一体として適用拡大することとする。 その上で、財政が厳しく適用拡大の影響が大きい健康保険組合に対しては、必要な支援を行うべきである。

2.就労期の長期化による年金水準の確保・充実
・ 平均余命が延伸するとともに高齢期の就労が急速に拡大している経済社会の変化 を踏まえると、高齢期における職業生活の多様化に応じた個々人の状況を踏まえた 年金受給の在り方について、就労期間の延伸を反映し、長期化する高齢期の経済基 盤を充実させる観点から、在職中の年金受給の在り方(在職老齢年金制度、在職中の年金改定)や年金受給開始時期の選択肢の拡大について見直しが求められている。

(1)在職中の年金受給の在り方(在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入)
・ 社会保険方式をとる公的年金制度→保険料を拠出された方に対し、それに見合う 給付を行うことが原則。こうした中、就労し、一定以上の賃金を得ている厚生年金受給者に対し、年金支給を一部停止する在職老齢年金制度は、現役世代の負担とのバランスから、一部の方々に年金給付を一定程度我慢してもらうという観点から設けられた仕組みであり、あくまでも年金制度の例外的な仕組みである。
・ その一方で、在職中に支給停止となる仕組みを撤廃し、又は緩和した場合には、その分年金財政からの支出が増加し、長期の財政均衡を図るために、報酬比例部分のマクロ経済スライドが長期化し、現行制度のままの場合と比べると最終的な所得代替 率が低下する。
・ また、在職老齢年金の支給停止の対象は、厚生年金の適用事業所で働く厚生年金 被保険者であり、自営業や、請負契約、顧問契約で働く収入や不動産収入を有する者は対象にならないといった、就業形態の違いによる公平性の問題も存在する。
・ このように、年金制度の中だけでこの問題を考えると、高所得で見直しの恩恵を受け る人とそれ以外の人との間の再分配の問題や、就業形態の違いによる公平性の問題が絡むこととなる。このため、高齢期の就労と年金をめぐる調整については、年金制度だけで考えるのではなく、税制での対応や各種社会保障制度における保険料負担等 での対応を併せて、引き続き検討していくこととする。
・ このような整理のもとで、就労期間を延伸して長期化する高齢期の経済基盤を拡充すべく、今般の制度改正→「65 歳以降の老齢厚生年金について在職定時改定の導入」「60〜64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金(低在老)の見直し」 を行うべきである。
・ 老齢厚生年金の受給権を取得した後に就労した場合、現在は、退職時や 70 歳到達時に初めて、受給権取得後の被保険者期間を加えて老齢厚生年金の額が改定され、年金額が増額されている。
・ しかし、高齢期の就労が拡大する中、就労を継続したことの効果を、退職を待たずに 早期に年金額に反映することで、年金を受給しながら働く在職受給権者の経済基盤 の充実を図ることは重要であると同時に、就労を継続する高齢者にとっても、それによる年金の充実の効果が実感しやすい制度となる。このため、65 歳以上の者について は、在職中から、年金額の改定を毎年行い、早期に年金額を増額させる、在職定時 改定を導入すべきである。
・ また、低在老については、就労に与える影響が一定程度確認されているという観点、 2030年度まで支給開始年齢の引上げが続く女性の就労を支援するという観点、また、 制度をわかりやすくする観点から、現行の 28 万円から 65 歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ 47 万円の基準に合わせる。

(2)年金受給開始時期の選択肢の拡大
・ 年金の受給開始時期は、現行制度でも 60 歳から 70 歳の間で選択できる。今後の更なる高齢期の就労の進展を踏まえると、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年 金受給の方法を、現行よりもさらに柔軟に選択できるよう、その選択肢を増やす観点から、上限年齢を、75 歳に引き上げるべきである。これに合わせて、繰上げ・繰下げの増 減率を、年金財政への中立を基本に最新の生命表等に応じたものに見直すべきである。
・ こうした選択肢の拡大により、例えば、働く意欲が高く健康で働いている高齢者は、 本人の選択により、受給開始時期を遅らせて増額した年金を受給できるようになり、高齢期の経済基盤を充実させることができる。また、被保険者として保険料を支払う高齢者の増加は、意欲を持って働いていただける方には、社会全体の支え手に回っていただくという全世代型社会保障の理念にかなうものであり、また、年金財政にとっても プラスの効果も期待できる。

3.その他の改正事項
・ 年金制度
→上記に挙げた改革事項以外も、より時代に合った制度とする 観点から、必要な制度改革を不断に検討すべき。
・ 脱退一時金制度は、短期滞在の外国人の場合は保険料納付が老齢給付に結びつ きにくいことがあるという問題があることから、社会保障協定が締結されるまでの当分の 間の暫定的・特例的措置として、平成6年改正により導入されたものである。現在は、 短期滞在の外国人に対して、支給上限を3年として、被保険者であった期間に応じて 支給されている。 一方で、本年施行された改正出入国管理法により、期間更新に限度のある在留資格における在留期間の上限が5年となった。また、制度創設当時と比べて、3年を超えて滞在する外国人が増加している。
・ こうした現状を踏まえると、脱退一時金制度→支給上限を5年に引き上げるべきである。
・ その他、厚生年金・健康保険の適用除外要件の見直し、未婚のひとり親等の申請全額免除基準への追加、年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会 の対象者等の見直し、国民年金手帳から基礎年金番号通知書(仮称)への切り替え、 厚生年金保険法における日本年金機構の調査権限の整備、年金担保貸付事業の廃 止等、業務運営改善に資する事項等も、今回の改正で行うべきである。
・ 私的年金についても、本年 10 月 29 日に私的年金ワーキンググループから出された 「私的年金制度改革に向けた提言」を踏まえ、公的年金制度改革にあわせて、高齢期 の就労が拡大する中で長期化する高齢期の経済基盤を充実できるよう、また、中小企 業を含むより多くの企業や個人が制度を活用して老後所得を確保することができるよう、 確定拠出年金(企業型DC、個人型DC(iDeCo))及び確定給付企業年金(DB)につ いて、必要な見直しを行うべきである。

V.結びに〜今後の課題〜
・ 今般の財政検証結果によると
、一定の経済成長と労働参加が進めば将来的に所得代替率 50%を確保できるものの、2階部分の厚生年金(報酬比例部分)よりも1階部分 の基礎年金について、マクロ経済スライドの給付水準調整期間が長期化している。これは、2階部分に比べて、1階部分の基礎年金の水準の低下が大きくなっていることを 意味しており、2階部分の厚生年金(報酬比例部分)と1階部分の基礎年金のバランス が変化することになる。これにより、厚生年金の制度に組み込まれている所得再分配 の機能が弱くなる。
・ 基礎年金は、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障する所得再分配機能を有する給付であることから、この再分配機能が大きく損なわれないようにしていくことは、 基礎年金のみを受給する者だけでなく、厚生年金の受給者にとって、その高齢期の 経済基盤の充実のために重要。
・ 当面は、厚生年金、基礎年金双方にマクロ経済スライドの調整がかかり、マクロ経済スライドの調整は時間をかけて徐々に給付水準を調整する仕組みであることから、緊急に何らかの措置を講じなければならないものではない。
・ 被用者保険の適用拡大は、その分国民年金の拠出金負担を減少させ、国民年金財 政を改善させて基礎年金のマクロ経済スライド調整の早期の終了に資することから、まずは被用者保険の適用拡大を進める必要がある。
・ また、基礎年金加入期間の 45 年への延長も、財源確保の課題はあるものの、中期 的な政策の選択肢として検討を続けるべきである。 さらに、基礎年金が、厚生年金と国民年金の被保険者が公平に拠出して支える仕組 みであることを踏まえつつ、報酬比例部分と基礎年金のバランスを確保して基礎年金 の所得再分配機能を維持していくため、どのような方策が可能か、引き続き検討するべきである。


◎参考資料2 人生 100 年時代戦略本部取りまとめ 〜人生 100 年時代の全世代型社会保障 改革の実現〜(令和元年 12 月 17 日 自由民主党政務調査会・人生 100 年時代戦略本部) →再掲のため割愛。
◎参考資料3 安心の全世代型社会保障の構築に向けて(中間提言)(令和元年 12 月 18 日 公明党全世代型社会保障推進本部)→再掲のため割愛。
◎参考資料4 全世代型社会保障検討会議中間報告(令和元年 12 月 19 日 全世代型社会保 障検討会議)→再掲のため割愛。

次回は、「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第5回)」からです。
第15回社会保障審議会年金部会 [2020年01月12日(Sun)]
第15回社会保障審議会年金部会(令和元年12月25日)
《議事》 社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00018.html
◎資料2 年金制度改正の検討事項→資料1を視覚化した資料。
◯2019(令和元)年財政検証結果を踏まえた年金制度改正について
・年金制度改正の主な内容↓
@多様な就労を年金制度に反映する被用者保険の適用拡大→「企業規模要件を段階的に引き下げる。(現行500人超→100人超→50人超)」「士業を個人事業所の場合の適用業種に追加」
A就労期間の延伸による年金の確保・充実→「現行の28万円から65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ47万円の基準に合わせる。」「(在職定時改定)を導入」「年金の受給開始時期の選択肢を、60歳から75歳の間に拡大」
B企業年金・個人年金制度の見直し

◎↓以下、年金制度改正のための詳細。
《被用者保険の適用拡大》↓↓

◯被用者保険の適用拡大に係る見直し案@A↓
【1】 短時間労働者への適用拡大
(1) 企業規模要件 ⇒ 今回の改正では、50人超規模の企業まで適用するスケジュールを明記。→2024年10月に50人超規模の企業まで適用し、その施行までの間にも、 できるだけ多くの労働者の保障を充実させるため、2022年10月に100人超規模の企業 まで適用。
(2) 労働時間要件(週20時間) ⇒ まずは週20時間以上労働者への適用を優先するため、現状維持とする
(3) 賃金要件(月8.8万円) ⇒ 最低賃金の水準との関係も踏まえて、現状維持
(4) 勤務期間要件(1年以上) ⇒ 実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2か月超の要件を適用する
(5)学生除外要件 ⇒本格的就労の準備期間としての学生の位置づけ等も考慮、現状維持
【2】非適用業種 ⇒ 弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業については、他の業種と 比べても法人割合が著しく低いこと、社会保険の事務能力等の面からの支障はないと考えられることなどから、適用業種に追加

◯被用者保険の適用拡大を進めるにあたっての基本的な考え方
◯短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大の概要
◯短時間被保険者数及び対象事業所の推移→どちらも増加。
◯短時間被保険者の性別・年齢階級別分布→適用拡大によって厚生年金加入となった者の多くは女性または高齢者
◯短時間被保険者の適用拡大以前の公的年金の加入状況→適用拡大によって厚生年金加入となった者のうち約4割が国民年金第1号被保険者で、その約半数が 保険料を免除または未納の状態であった。
◯週20時間以上・月収8.8万円以上の短時間労働者の公的年金の加入状況→被用者保険に加入していない短時間労働者の 中で、半数近くは国民年金第1号被保険者であり、第3号被保険者(被扶養者)の割合は約4分の1。
◯個人の働き方と社会保険の適用区分→P11〜12参照。
◯適用拡大の労働者への影響について
◯被扶養者にとっての被扶養認定基準(130万円)と被用者保険適用基準(106万円)
◯個々の企業における追加的な保険料負担のイメージ
◯適用拡大に伴う企業の雇用管理の見直し状況
◯業種別のパート労働者の雇用状況
◯前回の適用拡大の実績 (短時間被保険者数・事業主負担の業種別分布)
◯適用拡大に伴う負担増加割合(500人超企業における実績値)
◯企業規模ごとのパート等比率
◯中小企業基本法等における中小企業者の定義
◯被用者保険の適用事業所について
◯被用者保険の強制適用事業所の変遷
◯非適用業種別の法人・個人比率
◯非適用業種別の規模別法人割合
◯士業の法人化について

◯2019(令和元)年財政検証結果のポイント
◯オプション試算の内容
◯2019年財政検証オプション試算結果(オプションA)→
「被用者保険の適用拡大」が年金の給付水準を確保する上でプラス(特に、基礎年金にプラス)であることを確認
◯適用拡大による基礎年金水準の向上について
◯制度改正による所得代替率への影響 (2019年財政検証のオプション試算結果を基に機械的に計算)
◯適用拡大に関する検討規定→平成三十一年九月三十日までに検討。短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲の拡大。(法律の定め)
◯短時間労働者に対する適用拡大に関する最近の政府方針@
◯短時間労働者に対する適用拡大に関する最近の政府方針A
◯短時間労働者に対する適用拡大に関する最近の政府方針B
◯「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」について


《在職老齢年金制度の見直し》
◯在職老齢年金制度の見直し
→支給停止の基準額を28万円⇒現行の高在老と同じ「47万円」に引き上げる。
◯在職老齢年金制度の概要
・60歳台前半→基本的には就労期間であるところ、低賃金の在職者の生活を保障するために年金を支給する仕組み。
・ 65歳以降→下記の2つの要請のバランスの中で、高賃金の在職者の年金を支給停止する仕組み。 @働いても不利にならないようにすべき A現役世代とのバランスから、一定以上の賃金を得ている者は、年金給付を一定程度我慢してもらい、年金制度の支え手に回ってもらうべき
◯60歳台前半の在職老齢年金制度の状況
◯性別・年齢別 在職支給停止者数(60歳台前半の在職老齢年金)
◯「繰上げ受給する本来支給の老齢厚生年金」と「特別支給の老齢厚生年金」 に対して適用される在職老齢年金制度
◯65歳以上の在職老齢年金制度の状況
◯在職老齢年金制度が高齢者雇用に与える影響の分析
◯在職老齢年金制度と就労についての意識(年金制度に関する総合調査)


《在職定時改定の導入》
◯在職定時改定の導入について

◯報酬額別の在職年金受給者の分布から見る在職定時改定の効果
◯報酬額及び年金月額別の在職年金受給者の割合(65歳以上)


《受給開始時期の選択肢の拡大》
◯受給開始時期の選択肢の拡大

◯繰下げ受給の上限年齢の引上げ
◯繰上げ減額率・繰下げ増額率について
◯年金の繰上げ減額率・繰下げ増額率の算出方法について
◯年金の繰上げ減額率・繰下げ増額率の算出方法について(補足)
◯上限年齢以降に請求する場合の上限年齢での繰下げ制度
◯70歳以降に請求する場合の5年前時点での繰下げ制度
◯受給開始時期(繰上げ・繰下げ受給制度)について(現行)
◯繰上げ・繰下げ制度の利用状況
◯繰下げ受給が選択されにくい要因として考えられるもの
◯加給年金・振替加算を受給しつつ繰下げを選択する方法

《公的年金・私的年金の加入・受給の全体像》
◯公的年金・私的年金の加入・受給の全体像

《その他事項》
◯2か月以上の雇用が見込まれる者の被用者保険の早期加入措置
→雇用契約の期間が2か月以内であっても、実態としてその雇用契約の期間を超えて使用 される見込みがあると判断できる場合は、最初の雇用期間を含めて、当初から被用者保険の適用対象。
◯未婚のひとり親等の申請全額免除基準への追加→2021(令和3)年度分の個人住民税から、「単身児童扶養者」(未婚のひとり親)(前年の合計所 得金額が135万円以下であるものに限る(※))が、個人住民税の非課税措置の対象に加えられることとなったことに伴い、 国民年金保険料の申請全額免除基準においても対象に追加。「寡夫」も同じ。
◯脱退一時金制度の見直し→短期滞在の外国人の場合支給上限年数について、現行の3年から5年に引き上げる。
◯脱退一時金制度の概要
◯脱退一時金裁定件数の推移
◯年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し等
◯年金生活支援給付金の所得情報の切替時期の変更について→、給付金の所得情報の切替時期を10月〜翌年9月に変更
◯(参考)参照条文 ◎年金生活者支援給付金の支給に関する法律(抜粋)
◯国民年金手帳から基礎年金番号通知書(仮称)への切替え
◯(参考)参照条文 ◎年金手帳の様式を定める省令(抜粋)
◯厚生年金保険法における日本年金機構の調査権限の整備
◯(参考)参照条文◎厚生年金保険法(抜粋)
◯年金担保貸付事業の廃止
◯年金担保貸付事業の廃止の経緯
◯年金担保貸付事業 貸付実行者数の推移等
◯年金担保貸付事業に代わる事業

◆年金のこれまでの流れ、マクロ経済スライド、オプション試算↓
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/introduction/index.html
(↑第0話→第12話まで。とても参考になりますよ。)

次回は、年金部会の「参考資料」からです。
第15回社会保障審議会年金部会 [2020年01月11日(Sat)]
第15回社会保障審議会年金部会(令和元年12月25日)
《議事》 社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00018.html
◎資料1 社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)
T はじめに

1 これまでの年金制度改革の経緯
2 平成 28 年年金改革法成立後の検討
3 2019(令和元)年財政検証
4 今後の方向性
U 今般の年金制度改革
1 短時間労働者等に対する被用者保険の適用拡大
2 高齢期の就労と年金受給の在り方
3 その他の制度改正事項及び業務運営改善事項
V 今後の年金制度改革の方向性
・ これまで述べたように、本部会では、社会保障制度改革国民会議報告書や社会保障制度改革プログラム法に規定された課題のうち、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大及び高齢期の就労と年金受給の在り方について、 2019(令和元)年財政検証におけるオプション試算の結果も参照しながら、議論を進め、今般の年金制度改革として行うべき事項を整理した。
・ しかし、公的年金制度が、2004(平成 16)年改正の財政フレームの下、長期にわたり老後生活の基本を支えるという役割を引き続き果たすためには、 今回の年金制度改革が与える影響や今後の社会経済の変化の動向などを検証し、社会経済や労働市場の変化に対応した制度の在り方について雇用政策とも連携しながら今後とも検討を進めていく必要があることは言うまでもない。 社会経済状況に応じて5年に1度財政検証を行う公的年金制度には、制度改革、その効果検証、社会保障の動向把握、年金財政の現状把握と将来像の投影 というPDCAサイクルが組み込まれている。このサイクルにおいて、オプション試算は社会経済の変化に対応した改革志向の議論を進めていく上で必要不可欠なものである。今後とも、課題に対応した内容の充実も含めて、オプション試算を重視した改革論議を進めていくべきである。
・ 以上のような視点を持ちつつ、本部会として、今般の制度改正に加えて、さらに検討を進める年金制度改革の方向性について、下記の通り整理する。

1 被用者保険の適用拡大
・ 今般の改革→短時間労働者に対する適用拡大は、中小企業への負担に配慮する観点からまずは 50 人超の企業までの適用となったが、本来は、企 業規模要件を撤廃し、50 人以下の企業に対しても、被用者である者には被用者保険を適用すべき。 したがって、今後は、今回の 50 人超規模までの適用拡大により生じる影響の検証を行った上で、更なる拡大をどのように進めていくかを議論すべき。検証の際は、今回の適用拡大で中小企業や従業員がどのように行動したか調査するとともに、企業経営にどのような影響を与えたかなどについて、関係者からの意見を聞くことも必要である。
・ 個人事業主の事業所の適用業種の見直し→今回の改正では、弁護 士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業を適用対象に 加えることとしたが、本来被用者には全て被用者保険を適用すべき、との原則 からすると、この適用業種についても、その他の業種への拡大を引き続き検討すべきである。さらに、労働者にとっては少しでも早期に保障が確保されることが望ましいことから、各業界の任意包括適用の活用を促す取組状況を適宜 聴取・把握していく必要がある。
・ また、短時間労働者への適用拡大により、複数の事業所において短時間就労 で保険適用を受ける者が今後増加する可能性もあり、複数事業所就業者に係 る適用事務を合理化し、事業主の事務負担軽減を図るよう、関係者の意見を広 く聞きつつ検討を進めるべきである。
・ なお、兼業・副業も含め、適用基準を満たさない就労を複数の事業所で行う者に対する保障の在り方についての問題が提起されている。この問題は、事業主の責任で適用事務を行うという被用者保険の基本的枠組みや、実務上の実行可能性、適用拡大の進展状況等も踏まえつつ考えるべき課題である。 さらに、フリーランスやギグワーク、請負型で働く者などが増加する中、制度的には個人事業主であっても実態は雇用に近い働き方をしている者への保障の在り方についての問題も提起されている。この問題は、労働法制上の整理 とともに、保険料を賦課する報酬や保険料負担・納付を行う者の定義等の従来の被用者保険にはない困難な論点をはらむ問題であるが、働き方の広がり等も踏まえつつ、検討していく必要性が指摘された。
・ 第3号被保険者制度→前回の「社会保障審議会年金部会における 議論の整理」(平成 27 年 1 月 21 日)において、第3号被保険者を将来的に縮小していく方向性を共有するとともに、第3号被保険者については単に専業主婦(夫)を優遇しているとの捉え方ではなく、多様な属性を持つ者が混在していることを踏まえた検討が必要であることについても認識を共有した。その上で、まずは、被用者保険の適用拡大を進め、被用者性が高い人については 被用者保険を適用していくことを進めつつ、第3号被保険者制度の縮小・見直しに向けたステップを踏んでいくことが必要であると整理されている。 今回の適用拡大はこの方向性に沿って一歩前進するものであり、引き続きこの方向性に沿った対応を進めていく必要がある。

2 高齢期の就労と年金受給の在り方
・ 先に述べたように、在職老齢年金制度は拠出制年金における例外的な仕組みであり、同じような所得を得る者間での公平性の問題、賃金増加分の半分に 相当する年金が停止されるという比較的厳しい制度であるという制度の性質、 また、繰下げ受給をしても在職支給停止相当分は増額対象とならないことを 考えると、今回は改正しない高在老を含めた高齢期の年金と就労の在り方については、引き続き検討を進めていく必要がある。 今後、生産年齢人口の減少が加速化する中で高齢期の就労の重要性が増し、 高齢期の就業が多様化する中、フルタイムなど現役期の働き方に近い形で就労する高齢者も増加していけば、現行の制度のままでは、高齢期にも現役平均程 度で就労を続ける者にとって、年金水準の充実の効果が得にくいこととなる。 今後、マクロ経済スライドの調整により将来世代の所得代替率が長期的に 調整されていくことも踏まえれば、就労の長期化を年金制度に反映することにより、長期化する老後生活の経済基盤の充実が図られるよう、今後の高齢期の就労の変化を念頭に、高齢期の就労と年金の在り方について検討を進めていくことが求められる。
・ また、高齢者が個々人の生活スタイルに合わせて、年金受給開始時期を柔軟 に選択できるようになることは、高齢者の働き方の多様化が進む中で非常に 意義が大きい。高齢者雇用においては、より多様な形での就業機会の確保が進められる中、就労と年金の組合せの選択がより多様で柔軟にできるよう、引き 続き検討を続けるべきである。

3 年金制度の所得再分配機能の維持
・ 2009(平成 21)年、2014(平成 26)年財政検証結果に引き続き、2019(令 和元)年財政検証結果においても、1階部分の基礎年金部分のマクロ経済スラ イド調整期間は、2階部分の厚生年金(報酬比例部分)よりも長期化している ことが確認された。基礎年金は、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障 する所得再分配機能を有する給付であり、この調整期間の長期化は、年金制度の所得再分配機能の低下を意味することとなる。この再分配機能を維持する ことは、基礎年金のみを受給する者だけでなく、厚生年金の受給者にとっても、 その高齢期の経済基盤を充実させるために非常に重要である。
・ 被用者保険の適用拡大は、その分国民年金の拠出金負担を減少させ、国民年金財政を改善させて基礎年金のマクロ経済スライド調整の早期の終了に資するものであることから、基礎年金の所得再分配機能の維持のためにも、被用者保険の適用拡大を、今回の適用拡大以上に、さらに徹底して進める必要がある ことは明らかである。
・ なお、2019(令和元)年財政検証において、平成 28 年年金改革法による年金額改定ルールの見直しの影響が、将来世代の給付水準の上昇につながることが確認されたところであるが、マクロ経済スライドの効果については、引き続き、その状況の検証を行うべき。
・ その上で、今後は、基礎年金の所得再分配機能を維持する更なる方策として、 保険料拠出期間の延長についても、必要となる財源確保の在り方も検討した上で、就労期間の長期化等の高齢者の雇用実態等も踏まえて検討すべきである。 また、基礎年金が、厚生年金と国民年金の被保険者が公平に拠出して支える仕組みであることを踏まえつつ、報酬比例部分と基礎年金のバランスを確保して基礎年金の所得再分配機能を維持していくため、どのような方策が可能か、 引き続き検討するべきである。

4 その他
・ 今回行う制度改革
→働き方の多様化、高齢期の長期化に対応する観点から、主に老齢年金を射程とした改革となっている。しかし、公的年金制度→障害年金・遺族年金についても、社会経済状況の変化に合わせて見直しを行う必要がないか検証し、その結果に基づいた対応についての検討を進めていくべきである。
・ また、働き方の多様化、高齢期の長期化が進む中、老後の所得保障や退職後 の生活設計の情報に対するニーズは高まっている。年金制度→広報媒体の多様化や世代の特性も踏まえつつ、様々な媒体を適切に用いた周知を 行いながら、正しい情報を正確に伝え、関係者の理解を得ていくことが重要。また、地域や事業所における年金委員の活用も重要である。 これに関連して、年金に関して様々なウェブサイトがあることで、かえって知りたい情報にアクセスすることが難しいとの指摘もあったことから、2019 (平成 31)年4月、厚生労働省ホームページ上に、ライフイベントごとに必 要な年金情報が整理されたサイトである「年金ポータル」が開設されたところであり、引き続き広報の充実・強化に取り組むとともに、戦略的な広報展開を 検討すべきである。 また、2019(令和元)年財政検証でも、モデル年金にとどまらず多様な所得水準に応じた所得代替率を示しているが、このように、モデル年金以外の所得 保障の状況についてもイメージできるようにわかりやすく示す工夫を重ねて いくことが重要である。
・ 高齢期の生活は多様であり、それぞれの方が望ましいと考える生活水準や、働き方の希望、収入・資産の状況なども様々である。公的年金制度に関する関 心内容として「自分が受け取れる年金はどのくらいか」が最も高くなっており、 制度自体の広報・周知に加えて、個々人の老後の公的年金の支給額等がいくらとなるか若い頃から見通せるようにすることが、老後生活や年金に対する不安を軽減するためにも重要である。次期制度改正で、高齢者が自身の就業状況 等に合わせて年金の受給開始時期の選択肢を 60〜75 歳までに拡大することも踏まえれば、その必要性は一層高まる。 こうした観点から、これまでも「ねんきんネット」による年金見込額試算の充実などが取り組まれているが、さらに、公的年金、私的年金を通じて、個々人の現在の状況と将来の見通しを全体として「見える化」し、老後の生活設計をより具体的にイメージできるようにするための仕組みを検討すべきである。
・ さらに、個別の制度の仕組みや個々人の状況の情報提供にとどまらず、誰もが人生を歩んでいく上で避けることのできないリスク(年金制度の場合は稼得能力の喪失)に対して、社会全体で連帯して備える社会保険を中心とした社会保障制度という大きな枠組みの中で、年金制度の意義や位置付けを理解してもらうことも重要であり、子どもの頃から生涯を通じた年金教育の取組を進める必要がある。
・ 最後に、公的年金制度の在り方→様々な意見があるが、国民全体の幸福、我が国全体の発展に資するような改革が何かを十分に検討し、今後も、将来世代のための改革の議論を続けていくことが重要である。

◆オプション試算てなあに?↓(漫画で年金の意味を伝えています)
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/verification/verification_04.html


次回は、「資料2 年金制度改正の検討事項」からです。
第14回社会保障審議会年金部会 [2019年11月27日(Wed)]
第14回社会保障審議会年金部会(令和元年11月13日)
《議事》 これまでの議論を踏まえて更にご議論いただきたい事項
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00017.html
◎資料1 被用者保険の適用事業所の範囲の見直し→【見直しの方向】法人化に一定の制約条件があるか、そもそも法人化が不可能な業種として、 弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁理士・公証人・海事代理士 を適用業種とすることを検討。
◯被用者保険の適用事業所の範囲の見直し→【見直しの方向】法人化に一定の制約条件があるか、そもそも法人化が不可能な業種として、 弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁理士・公証人・海事代理士 を適用業種とすることを検討。
◯「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」とりまとめ(2019.9.20) ※ 「被用者保険の適用事業所の範囲」に関する部分抜粋→今後の検討の方向性が共有された。
◯非適用業種別の法人・個人比率 基礎控除の見直し案→特に士業においては、常用雇用者数5人以上の個人事業所の割合が他の業種に比して高い。
◯非適用業種別の規模別法人割合 基礎控除の見直し案→士業においては、他の業種であれば大宗が法人化しているような規模でも個人事業所に留まっている割合が高く、常用雇用者数5〜9人で法人2割・個人8割、常用雇用者数100人以上でも法人8割・個人2割となっている。
◯士業の法人化について 基礎控除の見直し案 →被用者保険適用に 係る事務処理能力が期待できるといえる。
◯被用者保険の適用事業所に 基礎控除の見直し案ついて(現行)→ • 常時1名以上使用される者がいる、法人事業所(A) ・・・ 強制適用 • 常時5名以上使用される者がいる、法定16業種に該当する個人の事業所(B) ・・・ 強制適用 • 上記以外(C)・・・ 強制適用外(労使合意により任意に適用事業所となることは可能=任意包括適用)
◯適用業種・非適用業種の分類→P7参照。
◯被用者保険の強制適用事業所の変遷
◯被用者保険の適用事業所の範囲に関する国会 基礎控除の見直し案 答弁→事業所としての事務処理能力が一定程度の期待ができる(5人以上か)


◎資料2 在職老齢年金制度の見直し
◯在職老齢年金制度の見直しに係る主な意見(2019年10月9日年金部会)→【65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)】【60〜64歳の在職老齢年金制度(低在老)】参照。
◯在職老齢年金制度の見直しの意義→長寿化の中においても、長く働くことによって老後生活の経済基盤の充実が図られる よう、今後の高齢期就労の変化を念頭に制度の見直しを行うことを検討
◯在職老齢年金制度の見直しの検討→支給停止の基準額を「47万円」 から「51万円」に引き上げることを検討
◯在職老齢年金制度における支給停止の基準の考え方→、就労期間を長期化すること で引退後の経済基盤の充実を図ることを可能にする
◯65歳以上の在職老齢年金制度の状況→賃金と年金の合計額の階級別に見ると、20万円以上〜24万円未満となっている者が多い。 • 65歳以上の在職している年金受給権者の2割弱が支給停止の対象。 • 賃金と年金の合計額が51万円以上である支給停止者数は、在職受給権者の約13%。
◯65歳以上の在職受基礎給控権除者のの見直賃し金案及び年金の状況
◯65歳以上の在職老齢年金制度を見直した場合における 特定のケースの収入の変化(イメージ@)
◯65歳以上の在職老齢年金制度を見直した場合における 特定のケースの収入の変化(イメージA)
◯65歳以上の在職老齢年金制度を見直した場合における 年金水準の変化(イメージ)
◯60歳台前半の在職老齢年金制度の状況→P11参照
◯「繰上げ受給する本来支給の老齢厚生年金」と「特別支給の老齢厚生年金」 に対して適用される在職老齢年金制度
◯諸外国における年金受給中に在職している場合の年金給付の取扱い→諸外国(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス)には、特に支給開始年齢(※)以降は、収入額によって年金給付額を減額する 仕組みが存在しない。


◎菊池医院提出資料→第 14 回社会保障審議会年金部会メモ
・被用者保険の適用事業所の範囲の見直しの方向性については、賛成。労働法規の適用を受ける「労働者」でありながら、業種によって被用者保険の適用の有無が分かれるのは、被用者保険の適用拡大をめぐる議論と同様、公平とはいえない。賃金によって生計を立てる(立てざるを得ない)労働者・被用者にとって、老後の所得保障の必要性(そして障害の状態になった場合の所得保障の必要性)の度合いは、なんら変わるところがない。
・今回、一部業種であっても、適用業種とすること自体に異論はない。ただし、今回改正が、今後の適用業種拡大の「第一弾」との位置づけなのか、あるいは「さしあたり」(今後 の拡大の有無はさておき)適用業種にしておくという改正にとどまるのか、その考え方を明確にしていただきたい。上述の観点からすれば、当然に前者の考え方に立つべきである と思われ、そのためにも、他の適用業種への適用可能性を今後具体的に検証することを、 とりまとめや法案(附則)の中に記載していただくのが望ましい。
・在職老齢年金制度の見直しについては、第 11 回部会に提出した意見書で述べたのと同様の理由で、ドラスティックな改正には慎重であるべきと考える。したがって、基準額をさらに引き下げる今回の見直し案の方向性に賛成したい。また、これも同意見書で述べた理由により、低在老の見直しについても賛成。その際、高在老と低在老を異なる水準 にしておく積極的理由は見いだせず、同水準とすることが望ましい。

次回は、「第1回規制改革推進会議(令和元年10月31日)」からです。
| 次へ