一般社団法人青風会「タートルファミリー田沢湖」(短期入所)の評価活動から [2021年03月26日(Fri)]
![]() ↑タートルファミリーのシンボルマークの貼り絵 (利用者たちの活動) ↑ 一般社団法人青風会「タートルファミリー田沢湖」(短期入所)の評価活動から(令和3年3月22日) http://www.bluewind.biz/ ◯「タートルファミリー田沢湖」とは↓(2018年9月開設) ・短期入所とは、何らかの理由で、在宅できない方などが利用する施設で、障害区分1以上6まで一時的な通過施設となっている。その間の食事・排泄・入浴等の支援が求められるが、現実には全面介助者が多く、長期利用者は180日が障がい者総合支援法の規定。ここでは2年にもわたり継続入所者もいるという。 ・その理由としては、現実には入所施設等は空きがなく、しかも「集団生活」にはなじまない方が多く、個別的な問題(区分6 )を抱えており、精神障害や自閉的傾向等の合併など、医療をはじめ複雑多様で重層的な個別の問題が絡んでいる方が多い。その接し方に、職員は大変に難儀を抱えている。まずお世話する職員のなり手がないと言っていた。 ・定員が12名(18歳以上対象)で現在8名の入所者。東京都からの入所6名と、秋田県から2名ショートスティ。職員数は14名(非常勤も含む)でも「まだ足りない」という。 ・ケース会議等の記録や、ヒャリハット報告を見ると、家庭との環境の違いからなのか、無断外出等が記録されており、警察はもちろん、地域の協力体制が不可欠となっている。 ・働き改革が進行中であるが、管理者は宿舎等に常駐し、その対応に応じている。 ・そういう中で工夫された時間を利用者さんと職員の共有している余暇活動もある。季節感を取り戻すための創作活動の工夫である。実に素晴らしい活動なので紹介したい。貼り絵を中心に季節に応じた壁面飾りを作っているなどである。 (写真計上あり) ◯「タートルファミリー田沢湖」を取り巻く環境↓ ・第三者評価事業では、「理念・基本方針」を具現する実践として、ハード面、プロセスからの評価、利用者満足度の3点からの評価活動になる。当然自己評価表(業種共通の45項目、障害部門だけの項目20項目)をあらかじめ訪問調査日前に記入してもらい、この評価を「確定して公表する」ために、全65項目ごとに「a・b・c」を第三者評価調査員で確定するもの。 ・このことは通常なされているものの、「タートルファミリー田沢湖」の使用しているハード面、つまり建物が田沢湖の観光用としては、バランスが取れないと思われた。 ・例えば、屋根がさび付き、屋根修復の専門家でさえ「ペンキ塗り」はどうか、屋根を支える「ハーフ」が一部剥がれて途中ぶらぶらしていたりと、修復の必然性を感じた。 ・余計なことかもしれないが、今はコロナ禍で観光客の足が遠のいているものの、今後ワクチン普及などから2〜3年後には、観光客がどっと押し寄せてくる可能性十分であろう。 このアンバランスな(みすぼらしい)建物、特にはがれた屋根のさびは景観を邪魔しているような感じも受ける。要は修復に向かわねばならないということを提案したい。 ◯受審施設の感想から↓ ・もっとも感銘したことは、職員集団が一生懸命であることである。利用者さんの現状の姿をよく観察し、それに合わせ、決して先走りせず、相手の行動を斟酌しながら、ゆっくりと、とにかく「待つ姿勢」「やさしいこと」と職員を感じ取った。まさに、タートルファミリーである。田沢湖を見渡す恵まれたロケーションの中で、過ごせることは、利用者さんにとり、一時的にせよ心の安定につながっていけるようになると、思われた。 ・しかし、建物は古く、アンバランスでみすぼらしく感じるが、その中の利用者さんたちは、一人ひとり異なった存在を示しており、そういう中でも、心豊かに過ごしていただければと、祈るように感じた。ゆっくりした歩調でそれを待つとは、素晴らしいことである。 ・もう一つ印象に残ったことがある。職員の中にボランティアとして活躍している高齢者(男性)がおり、良く尋ねたら、近くの小学校・校長先生(72歳に)の退職後の活躍であった。観光用に作られた宿泊棟のために、特に田沢湖に面した「広々とした窓ガラスを掃除やら磨く作業」を受け持っていることを聞いて、この方も高齢にもかかわらず「頑張っているなー」と、作業しているその姿をイメージすると、これもまた、感無量であった。 ・訪問調査日が終わり、すぐさま仙北市役所にハード面の建物の現状把握のお願い(電話使用)をし、古くなってしまった建物を景観にふさわしい状態に修復できないものかを、話し合ってもらうよう働きかけた。結果に時間を要すとも行政に働きかけ続けていくよう勧める。 ・12〜3年間、第三者評価事業を実施してきたが、今回、「一般社団法人青風会」の評価調査活動に取り組み以上のような強い思いを感じた。社会福祉法人も一般社団法人も組織こそ違うが、もっともっと民間の「やる気」を尊重し、地域共生社会の実現を目指して行政にも応援していけるべく意識を持ってもらいたいものと、心の底から湧き上がるものを感じている。 ◯最後に、≪貼り絵を中心に季節に応じた壁面飾り≫を紹介↓ ➀ タートルファミリーのシンボルマークの貼り絵 開所1周年の記念に作ったもの。これが最初の作品。 ![]() 以下は、今年製作したもの。↓ A お正月の壁面飾り ![]() B 節分の壁面飾り ![]() C ひな祭りの壁面飾り ![]() D 桜の制作中 ![]() E 桜の壁面飾り ![]() FG藤の制作中 ![]() ![]() 次回は、「第4回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会(オンライン開催)」資料」からです。 |