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社会保障審議会障害者部会(第131回) [2022年07月01日(Fri)]
社会保障審議会障害者部会(第131回)(令和4年6月2日)
《議事》(1)報告書(案) (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00058.html
◎参考資料1 参考資料
○障害者の数
→障害者の総数は964.7万人、人口の約7.6%に相当。 そのうち身体障害者は436.0万人、知的障害者は109.4万人、精神障害者は419.3万人。 障害者数全体は増加傾向にあり、在宅・通所の障害者は増加傾向となっている。
○障害者総合支援法等における給付・事業
○障害福祉サービス等の体系(介護給付・訓練等給付)
○障害福祉サービス等の体系(障害児支援、相談支援に係る給付)
○障害福祉サービス等に関する公費負担及び利用者負担→3.6 兆 円(令和4年)
○障害福祉サービス等予算の推移→15年間(平成19年〜令和4年)で約3倍に増加。

○障害者が安心して暮らし続けることができる地域共生社会(イメージ)→障害者が地域や職場で生きがい・役割を持ち、医療、福祉、雇用等の各分野の支援を受けながら、その人らしく安心して暮 らすことができる体制の構築を目指す。 このため、障害者本人の希望に応じて、「施設や病院からの地域移行、その人らしい居宅生活に向けた支援の充実」「福祉や雇用が連携した支援、障害者雇用の質の向上」 等を推進する。

1.障害者の居住支援について
○障害者の地域生活支援施策の充実(検討の方向性)→障害者が希望する地域生活の実現及び継続を支援するため、障害者の地域生活支援施策を 充実・強化。
○地域生活支援拠点等の整備・機能の充実(検討の方向性)→市町村(整備主体)
○地域生活支援拠点等の全国の整備状況について(令和3年4月1日時点)
○グループホームの概要
○グループホームの運営及び支援内容等の実態把握のための調査 (令和3年度障害者総合福祉推進事業)
○グループホーム見直しの方向性
・グループホームの見直しの方向性(ポイント)
・グループホーム見直しの方向性 方向性(イメージ)
・グループホームによる障害者のライフステージに応じた支援(イメージ)
・グループホームにおける一人暮らし等の希望に対する支援の充実(検討の方向性)

2.障害者の相談支援等について
○相談支援の流れ(イメージ)
○現行の相談支援体制の概略
○現行の基幹相談支援センターの役割のイメージ
○基幹相談支援センターの設置状況について
○(自立支援)協議会の概要
○市町村協議会の主な機能
○障害者の地域移行・地域生活を支えるサービスについて
○自立生活援助 ※平成30年4月〜
○自立生活援助の利用者数実績等

3.障害者の就労支援について
○就労支援施策の対象となる障害者数/地域の流れ
○障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス
○就労を希望する障害者の就労・障害福祉サービスの選択に係る支援の創設 〜専門的なアセスメントと本人中心の就労選択の支援(就労選択支援 [仮称])〜
○就労を希望する障害者の就労・障害福祉サービスの選択に係る支援の創設 〜専門的なアセスメントと本人中心の就労選択の支援(就労選択支援 [仮称])〜
○新たなサービス(就労選択支援[仮称])創設後の利用の流れ(概要)
○一般就労中の企業における支援と就労系障害福祉サービスの一時的な利用による 支援の連携による効果@
○一般就労中の企業における支援と就労系障害福祉サービスの一時的な利用による 支援の連携による効果A
○就労系障害福祉サービスの利用段階から 一般就労への移行、定着段階における支援策のイメージ

4.精神障害者等に対する支援について
○精神疾患を有する総患者数の推移
○入院形態別在院患者数の推移
○措置入院患者数の推移(疾患別内訳)
○医療保護入院患者数の推移(疾患別内訳)
○精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会報告書(概要) (令和3年3月18日)
○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく入院形態について
○平成25年精神保健福祉法改正による医療保護入院の同意要件の見直し
○平成25年精神保健福祉法改正による医療保護入院者の退院促進措置
○隔離
○身体的拘束
○隔離実施状況(在院患者に対する割合/年齢階級別)
○身体的拘束実施状況(在院患者に対する割合/年齢階級別)

○病院に関する主な人員の標準
○精神科医療機関における虐待が疑われる事案の把握結果

5.障害福祉サービス等の質の確保・向上について
○サービスの質の評価に関する規定
○サービスの質の向上・評価に向けたこれまでの取組
○障害福祉分野における質の評価・向上のための取組
○障害福祉サービス等情報公表制度の概要
○障害福祉サービス等情報公表制度の公表事項@
○障害福祉分野におけるデータ基盤の整備
○(5)実地指導等の効率化・標準化の推進について 障害保健福祉関係主管課長会議<令和4年3月16日監査指導室>より抜粋
○<参考1:施設監査の効率化等の概要>障 害福祉サービス事業所等に対する実地指導の効率化・標準化の概要(文書量削減に向けた取組関係
○<参考2:施設監査の効率化等の概要>障害者支援施設等に対する施設監査の効率化等の概要

6.制度の持続可能性の確保について
○障害福祉サービス等事業所の指定と障害福祉サービス等の支給決
○障害福祉サービス等事業者の指定における市町村の関与(イメージ図)
○障害福祉サービス事業所等におけるICT/ロボット等導入による生産性向上効果検証(令和4年度推進事業)
○障害福祉分野のICT導入モデル事業の概要
○障害福祉分野のICT導入モデル事業により業務が効率化された事例
○障害福祉分野のロボット等導入支援事業
○障害福祉分野におけるロボット等導入支援事業の活用事例
○障害福祉分野の福祉・介護職員数の推移(推計値)
○障害福祉関係分野職種における労働市場の動向(有効求人倍率と失業率の動向)
○これまでの障害福祉人材の処遇改善に係る取組について
○福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金
○処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)
○障害福祉のしごと魅力発信事業(地域生活支援事業、厚生労働省本省事業)
○ハラスメントに関する事業者向けマニュアル等について
○障害福祉分野就職支援金貸付事業

7.居住地特例について
○居住地特例への介護保険施設等の追加について

8.高齢の障害者に対する支援について
○障害者の高齢化について
○障害福祉制度と介護保険制度の適用関係の概要
○共生型サービスの概要
○高齢障害者の介護保険サービスの利用者負担を軽減する仕組み

9.障害者虐待の防止について
○障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の概要
1.障害者虐待対応状況調査<養護者による障害者虐待> 経年グラフ
2.障害者虐待対応状況調査<障害者福祉施設従事者等による障害者虐待> 経年グラフ

○令和3年度 障害者虐待防止法に基づく対応状況調査結果(令和2年度分) 抜粋 「相談通報件数」に対する「事実確認調査を行った件数」及び「虐待と判断した件数」の割合

10.地域生活支援事業について
○地域生活支援事業等について
○地域生活支援事業費等補助金の主な見直し内容(令和4年度予算額)
○(令和4年度予算)地域生活支援事業(市町村事業)
○(令和4年度予算)地域生活支援事業(都道府県事業)
○(令和4年度予算)地域生活支援促進事業

11. 意思疎通支援について
○意思疎通支援者の養成・派遣の概要
○意思疎通支援従事者確保等事業(令和4年度予算新規事業)
○聴覚障害者情報提供施設における支援の在り方に関する調査研究
○手話通訳に係る意思疎通支援従事者の養成についての研究
○代筆、代読に関する効果的な支援方法に関する研究

12. 療育手帳の在り方について
○令和3年度の療育手帳に係る研究成果の概要
○障害者総合福祉推進事業の実施
○厚生労働科学研究の実施

13. 医療と福祉の連携について
○医療的ケア児について
○在宅の医療的ケア児者の現状
○障害福祉サービスにおける医療・看護の提供・連携体制
○計画相談支援における連携に関する責務
○相談支援専門員に求められる多職種連携
○入退院時についての医療と福祉の連携と報酬上の評価
○市町村における医療的ケア児支援の仕組み(第2期障害児福祉計画との関係)イメージ
○入院中の重度障害者に係る医療と福祉の連携(イメージ)
○重度訪問介護の訪問先の拡大(平成30年4月施行)
○入院中の重度訪問介護の利用等に関する調査研究


◎参考資料2地域で安心して暮らせる精神保健医療 福祉体制の実現に向けた検討会報告書(案)
○目次

第1 総論
第2 精神保健に関する市町村等における相談支援体制について
第3 第8次医療計画の策定に向けて
1.第8次医療計画の基本的な考え方
2.第8次医療計画における指標例等
3.第8次医療計画の精神病床における基準病床数の算定式
第4 精神科病院に入院する患者への訪問相談について
第5 医療保護入院
1.医療保護入院の見直しについて
2.医療保護入院の同意者につい
3.本人と家族が疎遠な場合等の同意者について
4.精神医療審査会について
第6 患者の意思に基づいた退院後支援
第7 不適切な隔離・身体的拘束をゼロとする取組
第8 精神病床における人員配置の充実について
第9 虐待の防止に係る取組


◎参考資料3 今後の障害者雇用施策の充実強化について(案)(労働政策審議会 障害者雇用対策分科会 意見書)
○目 次のみ

第1 はじめに
第2 雇用の質の向上に向けた事業主の責務の明確化
第3 障害者雇用と障害者福祉の連携の促進
1 アセスメントの機能強化
2 障害者就労を支える人材の育成・確保
3 地域の就労支援機関の役割分担
第4 多様な障害者の就労ニーズを踏まえた働き方の推進
1 障害者雇用率制度における障害者の範囲
(1)週所定労働時間 10 時間以上 20 時間未満の障害者の取扱い8
(2)障害者手帳を所持していない精神障害者、発達障害者及び難病患者の取扱い9
(3)就労継続支援A型事業所の利用者の取扱い
2 精神障害者に対する障害者雇用率等の算定
(1)精神障害者の算定特例の延長 22
(2)精神障害者に係る重度の取扱い
3 長期継続雇用の評価
第5 障害者雇用の質の向上の推進
1 障害者雇用調整金、報奨金による対応
2 障害者雇用納付金の適用範囲の拡大
3 障害者雇用を推進する事業主の取組に対する支援
第6 その他の諸課題
1 在宅就業障害者支援制度の活用促進
2 有限責任事業組合の算定特例の全国展開
3 除外率の引下げによる障害者雇用の促進
4 その他
第7 おわりに↓
○ 今般、新たに措置することが適当とされた週 10 時間以上 20 時間未満の障害者に対する雇用率制度における特例、除外率の引下げや、長期継続雇用の推進等、個別の施策を進めるに当たり、雇用の質の向上という観点では合理的配慮の提供が重要であり、事業主は合理的配慮の提供について、その意義を改めて認識し対応することが適当である。
○ 引き続き検討すべきとされているものについては、調査・研究等、検討に当たって必要 となる前提が整った上で、可能な限り早期に検討し結論を得ることが必要とい意見があった。


次回は新たに「令和4年第8回経済財政諮問会議」からです。

社会保障審議会障害者部会(第131回) [2022年06月30日(Thu)]
社会保障審議会障害者部会(第131回)(令和4年6月2日)
《議事》(1)報告書(案) (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00058.html
◎資料 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて
〜社会保障審議会 障害者部会 報告書〜(案)
V 各論点について
5.障害福祉サービス等の質の確保・向上について
(1) 現状・課題
→社会福祉法に基づく福祉サービス第三者評価⇒障害福祉分野での受 審実績は限られている。 障害福祉サービス等情報公表制度⇒全ての事業者の情報公表には至っておらず、その記載内容 にばらつきが見られる。

(2) 今後の取組
(障害福祉サービス等の質の評価)
<基本的な考え方>
→利用者本人の希望やニーズに十分対応したサービスが提供されているか、 閉鎖的にならず、外部に開かれた透明性の高い事業運営が行われているか、 専門的な知見も踏まえたより質の高い支援や、地域ニーズを踏まえた支援・取組が行われているか、といった視点が重要。社会福祉法に基づく福祉サービス第三者評価 の仕組みといった現行制度についても、引き続き活用を促していくことが必要。
<事業運営の透明性を高めるための評価の仕組み> →居住や生活の場であり、運営が閉鎖的になるおそれのあるサービス類型⇒地域の関係者を含む外部の目を定期的に入れることが、事業運営の透明性を高め、一定の質の確保につながるものと考えられ、介護分野の運営推進会議を参考とした仕組 みを導入することが有効と考えられる。 このため、⇒関係者や関係機関が参画する評価の場(地域連携運営会議(仮称))を定期的に開 催し、サービスの提供状況等を報告して会議による評価を受け、必要な助言等を聴く 機会を設けること、当該会議の内容について記録を作成し、公表すること、 を義務付ける方向で、その具体的な評価の実施方法や評価基準等の詳細について調査 研究を進めることが必要。
<事業所間の学び合いにより地域全体として支援の質を底上げする仕組み>→ 専門的な知見も踏まえたより質の高い支援や、地域ニーズを踏まえた支援が行われ ているかという観点から、それぞれのサービス内容に通じた専門的な知見を有する者 が参画する仕組みが馴染むサービス類型もあると考えられる。特に、通所系・訪問系 サービスにおいては、地域の事業所が協働して、中核となる事業所等が中心となって、 それぞれの事業所の強み・弱みを分析し、互いの効果的な取組を学び合いながら、地 域全体として支援の質の底上げを図る仕組みを検討することが必要。具体的には、障害児通所支援⇒今通常国会に提出された児童福祉法改正 法案において、児童発達支援センターは地域の障害児支援に関する中核的な役割を担 うこととされている。こうした枠組みを活用し、児童発達支援センターにおいて、各 事業所における自己評価・保護者評価の結果を集約し、各事業所とともに、それぞれ の事業所の強み・弱みを分析し、互いの効果的な取組を学び合いながら、より良い支援の提供につなげていくことを検討することが必要。また、計画相談支援及び障害児相談支援⇒サービス等利用計画案及び障 害児支援利用計画案の作成等を通じて利用するサービスの種類や量の決定に関与するなど、障害者の生活全般に影響を及ぼすこと等から、すでに地域で協働して(基幹相談支援センター等が中心となって)業務やプランの点検(プロセス評価)等に取り組みつつあり、引き続きこうした取組を推進していくことが必要。
<利用者・地域のニーズに応じたサービス提供であるかという観点からの評価の仕組み> →利用者本人の希望やニーズに応じたサービス提供を行うことは、全ての障害福祉サービス等における支援の基本であり、児童発達支援及び放課後等デイサービス⇒すでに事業者の自己評価及び利用者(保護者)評価を指定基準上義務付けており、実施しなかった場合の報酬減算によるペナルティも設けるとともに、評価ガイド ラインも示している。このような利用者評価⇒全ての障害福祉サービス等 において重要なものと考えられ、将来的には、指定基準において実施を求めていくこ とが望ましい。 ただし、利用者評価についても、評価の参考とするための評価基準をサービス類型 ごとに示すことが必要であり、サービスごとに順次検討し、対象を拡大していくこと。その際、まずは上記のとおり、グループホームや障害者支援施設につ いて検討する「地域連携運営会議(仮称)」方式の一環として、利用者からの評価についても当該会議の議題として取り上げることを想定し、検討していくことが必要。 また、就労系障害福祉サービスの事業所の中には、地域の人口や働き手が減少する 中で、地域の農林水産業と連携した取組が行われ、地域住民の食事の場や集い の場となっている事業所もある。このような取組に関しては、農福アワードという形で表彰も行われており、また、障害福祉サービス等報酬により地域と協働した取組を 評価する加算も一部で設けられている。障害福祉サービスの事業所が地域・地域住民 のニーズに合わせ、応えるように日々の取組を行うことは、人口減少の中で地域共生 社会を構築し、また、障害に関する理解と関心を広める上で重要であるだけでなく、 地域の活性化にも資することから、このような取組をさらに推進することについて検討することが必要。 (障害福祉サービス等報酬によるサービスの質に係る評価)→サービスの質の評価については、医療・介護分野(診療報酬・介護報酬)において は、ストラクチャー(構造)、プロセス(過程)、アウトカム(結果)の3つの視点からアプローチ。 こうした視点に基づき、改めて、障害福祉サービス等報酬について整理すると、⇒ストラクチャー指標は、ほぼ全てのサービスに専門職も含めた人員の配 置による加算等を設定。プロセス指標は、いくつかのサービスに特定の個別支援、就労、医療な どの関係機関との連携、農福連携などの地域との協働等を実施した場合の加算等を設定。 アウトカム指標は、就労系サービスなど一部のサービスに就労定着率など実績に応じた基本報酬の評価や加算の設定 が行われている。プロセス指標やアウトカム指標は、利用者に対するサービス内容そのものを一層評 価することに資すると考えられる。このため、今後の障害福祉サービス等報酬改定の 検討等に当たっては、 データの十分な蓄積及び分析を図りながら、ストラクチャー、 プロセス、アウトカムの3つの視点を持って、障害福祉サービス等の目的・特性や上 記1の方向性も踏まえ、プロセスの視点に基づく報酬の評価をより充実させつつ、アウトカムの視点に基づく報酬の評価についてもその手法が適切なサービスについて は導入について研究・検討していくことが必要である。その際、障害福祉は医療や介 護と異なる面もあるため、定量的評価のみに偏らないよう留意することが必要である。(※)
(障害福祉サービス等情報公表制度)↓
<公表率向上のための対応>→利用者の良質なサービスの選択に資 すること等を目的として創設。 利用者への情報公表と災害発生時の迅速な情報共有を図るため、事業所情報の都 道府県知事等への報告・公表をさらに促進する観点から、報告をしない事業者に対す る指導監査を徹底するとともに、指定の更新の際に指定権者が公表の有無を確実に確 認し、都道府県知事等への報告・公表ができない理由が認められない場合を除き、指 定更新の条件とするなどの方法について検討する必要がある。(※)
<利用者にとってわかりやすい公表のための対応>→利用者にとってわかりやすく、良質な事業者の選択に資するようにするため、公表 システムの記載内容を検証し、わかりやすい記載内容を抽出した上で、自由記述欄を 中心に記入例や実際の記入内容を例示として示すなど、記載内容のばらつきの是正を 図るような取組を進める必要がある。
(障害福祉分野におけるデータ基盤の整備)→ 収集したデータを、疫学的な視点と行政や支援の現場の視点で分析すること ができるよう、大学等の研究機関で研究に活用できるようにすることが重要であるこ とから、匿名化された情報を提供する仕組み(第三者提供)を設けるべきである。 なお、第三者提供においては、医療や介護の情報等と連結させた分析を行えるよう にすることにより、障害福祉分野の情報だけではわからない実態に関する分析を行う ことが可能となると考えられることから、障害福祉分野においても、医療や介護を含 む保健医療福祉分野の公的データベースの情報と連結解析が行えるような仕組みを 設けるべきである。
(実地指導・監査の強化)
→その他の質の向上に係る取組と合わせて強化する ため、不適切な事業所が多いサービス等の実地指導・監査を重点実施するとともに、 都道府県等監査担当職員と専門家の連携など各都道府県等の実地指導・監査の取組の 好事例や指導監査マニュアルの作成等の実施の検討を 引き続き進める必要がある。

6.制度の持続可能性の確保について
(1) 現状・課題
(障害福祉サービス等事業者の指定の在り方)
→都道府県は、事業者の指定に当たっては、入所施設、生活介護、放課後等デイサ ービス等に限り、その指定を拒否することができる総量規制の仕組みが設けられている。 政令市、中核市以外の一般市町村は、障害福祉計画等において必要なサービ ス見込み量等を定めることとされているにも関わらず、事業者の指定においては基本 的に一般市町村は関与できない仕組みとなっており、利用者の障害特性等のニーズに 応じた事業所の適切な整備がなされていない可能性があるとの指摘や、市町村が知ら ない間に新規事業者の指定が行われるケースがあるとの指摘がある。
(障害福祉分野におけるICT活用等の推進)→成長戦略フォローアップ(令和3年6月 18 日閣議決定)⇒「障害福祉分野にお ける介護ロボットやICTの導入についても、介護分野での状況を踏まえて取組を進 める。」とされている。また、各種記録や計画の作成、職員間の迅速な情報共有・相談 助言、移乗介護等の介護業務、相談支援、自立生活援助等の地域生活を支援する業務等について、ICT活用やロボット導入により、業務効率化や職員の業務負担軽減を より一層推進することができると考えられる。
(障害福祉サービス等における人材確保と育成)→障害福祉サービス等を安定的に提供するためには障害福祉人材の確保が重要。障害福祉人材の処遇改善⇒本年2月から福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金による引き上 げの措置が講じられ、10 月以降は臨時の報酬改定により同様の措置が継続されることとなっている。 また、障害福祉人材が不足している要因⇒職員の処遇のみならず、キャ リアアップや職場環境、利用者や家族からの職員に対するハラスメント等も関係して いる可能性があると考えられる。

(2) 今後の取組
(障害福祉サービス等事業者の指定の在り方)
<基本的な考え方>
→市町村は、障害福祉サービス等の支給決定を行うとともに、障害福祉計画及び障害児福祉計画を定め、その中で障害福祉サービス等の提供体制の確保に係る目標、各年 度における障害福祉サービス等の種類ごとの必要な量の見込み等を設定しており、地域における障害福祉サービス等のニーズや地域の実情を最もよく把握できる主体と 考えられる。 このため、地域ごとの障害福祉サービス等のニーズや地域の実情を適切に踏まえた 事業所の整備が進むようにするためには、事業者の指定に障害福祉計画等を策定する 市町村が関与することが重要と考えられる。
<障害福祉計画等におけるサービス等の提供体制の確保に係る目標等の充実>→障害者・障害児や家族のニーズに応じて必要なサービスを提供するためには、障害 福祉計画等に基づく計画的なサービス提供体制の確保が重要、現状では、 市町村がサービス種別ごとの見込み量を市町村計画に記載した上で、都道府県計画では、より広域な障害福祉圏域を標準として見込み量を定めることとされている。このため、よりきめ細かい単位での地域のニーズを計画に記載してサービス提供体制の確 保を推進するなど、地域ニーズに応じたサービス提供に向けた計画策定の在り方⇒検討を深めることが必要。また、市町村が障害福祉計画等を策定する際⇒都道府県の意見を聴かなければならないこととされており、今後とも、計画の策定に当たって市町村と都道府県との間で密接な連携を図ることも重要である。 <地域ごとの障害福祉サービス等のニーズに応じた事業者指定の仕組み>→都道府県知事が行う事業者指定に対し、市町村が障害(児)福祉計画との調整を図 る見地からの意見を申し出ることを可能とし、都道府県知事は当該意見を勘案して事 業者指定に際し必要と認める条件を付すことができるようにする仕組み等により、地 域ごとの障害福祉サービス等のニーズや地域の実情を適切に踏まえた事業所の整備 を進めるべき。 ○ この仕組みの実施に当たっては、⇒この仕組みの目的は、地域における障害福祉サービス等のニーズを踏まえた必要なサ ービス提供体制の確保であること。市町村の意見や都道府県が付する条件の内容は、市町村や都道府県が、障害当事者をはじめ、事業者、雇用、保健、介護、児童福祉、教育、医療等の幅広い関係者の意見 を反映して策定する障害(児)福祉計画等に記載されたニーズ等に基づき検討される べきこと。
(障害福祉分野におけるICT活用等の推進)→令和4年度の調査研究事業においては、IT関係の専門家、リハビ リテーション専門職、福祉工学等の専門家などの専門的知見に基づき、各ICT機器 やロボットの導入に係る効果の定量的評価(業務量や業務時間の短縮など)について 科学的、実証的な測定・検証を行うこととしており、この調査研究を含め実証データ の収集・分析を進めながら、ICT活用やロボット導入の推進の方策について具体的 な検討を行っていくことが必要。 障害福祉分野における施設・事業所に対するICT活用やロボット導入の経費等の 支援については、以上のような検討を踏まえつつ、より効果的な手法を推進すること が必要である。
(障害福祉サービス等における人材確保と育成)→福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金と本年 10 月からの臨時の報酬改定による 処遇改善に着実に取り組むとともに、公的価格評価検討委員会の検討を踏まえ、障害 福祉職員の処遇改善や職場環境の状況について調査・分析し、現場のニーズや政策目 的に照らして、より効果的で簡素な仕組みとなる方策について更に検討する。今後、令和3年度の調査研究事業において作成したハラスメント対策マニュアルの 周知を進めるとともに、事業所における職員研修のための手引き等を作成することで、 利用者、家族等によるハラスメント対策を推進する必要がある。障害福祉サービス従事者の確保が困難となっている状況を踏まえ、人材確保におい て課題となっている要因等に職員の声や職場のハラスメントの状況等も含め て把握を図るとともに、障害福祉サービス等事業所における人材の確保・定着方策の好事例の共有を図ることを検討。

7.居住地特例について
(1) 現状・課題
→障害福祉サービス等の支給決定⇒原則として、障害者又は障害児の保護者の居住 地の市町村が行うこと、その支給決定は施設入所前にその者が居住していた市町村が実施することとする居住地特例が設けられている。

(2) 今後の取組→介護保険施設等を居住地特例の対象に追加する必要がある。

8.高齢の障害者に対する支援について
(1) 現状・課題
→我が国の社会保障制度の体系は、あるサービスが公費負担制度でも社会保 険制度でも提供されているときは、保険料を支払って国民が互いに支え合う社会保険 制度によるサービスをまず利用するという「保険優先の考え方」が原則。 障害福祉制度と介護保険制度の関係についても、この原則に基づき、障害福祉制度 と同様のサービスを介護保険サービスにより利用できる場合には、まずは介護保険制度を利用する制度となっている。 ただし、その運用に当たっては、一律に介護保険サービスが優先されるものではな く、申請者ごとの個別の状況を丁寧に勘案し、介護保険サービスだけでなく障害福祉 サービスの利用も含めて、その方が必要とされている支援が受けられることが重要で あるが、市町村によって運用状況に差異があるとの指摘がある。 共生型サービスは、障害者が介護保険サービスを利用する場合も、それまでその障 害者を支援し続けてきた障害福祉サービス事業所が引き続き支援を行うために活用 できるものであるが、当該サービスの指定事業所の数は未だ多くなく、十分に普及し ているとは言えない【令和3年 11 月審査分:共生型介護保険サービスの指定を受け た障害福祉サービス等事業所 148、共生型障害福祉サービス等の指定を受けた介護保 険サービス事業所 903】。
また、長年障害福祉サービスを利用してきた方の介護保険サービス利用への移行に 伴う利用者負担の軽減を図るために創設された新高額障害福祉サービス等給付費⇒対象となり得る利用者への個別周知をしている自治体は約3割となってお り、積極的な周知を特段行っていない自治体や支給実績のない自治体もある。

(2) 今後の取組
(高齢の障害者に対する障害福祉サービスの支給決定に係る運用の明確化)
→介護保険優先原則の運用に係る考え方は、一律に当該介護保険サービスを優先 的に利用するものとはしない」という考え方を示している。 しかしながら、市町村によって運用に差異があるとの指摘があることから、基本的 な優先原則の考え方は維持しつつも、65 歳を超えた障害者が必要な支援を受けることができるよう、市町村ごとの運用状況の差異をできる限りなくし、より適切な運用が なされるよう、まずは留意すべき具体例を示すことが必要。 具体的に示す内容⇒障害者部会での議論や地方自治体の運用状況等も踏 まえつつ、事務連絡の発出や関係会議での説明などの周知を推進していくことが必要。その際、地方自治体における具体的な運用事例なども含め、現場の実態を踏 まえて対応することが必要である。また、具体例を示すことで、かえって、例示され ていない場合には障害福祉サービスの利用が一律に認められない、といった不適切な 運用に繋がらないよう、地方自治体への周知に当たって注意することが必要。
(共生型サービスや新高額障害福祉サービス等給付費に係る周知の推進)→共生型サービスは、高齢者・障害児者とも利用できる事業所の選択肢が増えること、介護や障害といった枠組みにとらわれず、多様化・複雑化している福祉ニ ーズに臨機応変に対応することができること、人口減少の中で地域の実情に応じたサ ービス提供体制整備や人材確保を行うことができることなどの点が期待される。また、 障害者の高齢化が進む中で、必要な福祉サービスを提供するためにも、共生型サービ スは重要な選択肢の1つであり、様々な機会で周知していくことが必要。 共生型サービスは、介護保険サービス事業所が障害福祉サービス事業所の指定を、 又は障害福祉サービス事業所が介護保険サービス事業所の指定を受けようとする際 に、新たに指定を受ける事業についてその基準を満たしていない場合でも、これまで 提供してきたサービスと同様の基準により2つのサービスの運営が可能となるよう 特例を設けたもの。このため、2つのサービスについての指定基準を満たした 上で、本来の指定を受けることも可能であり、共生型サービスは事業者にとっての選 択肢の1つであることにも留意しつつ、周知を行うこと。 新高額障害福祉サービス等給付費⇒対象者等に対する制度概要の丁寧な説明を行うこと、対象となりうる者へ個別に勧奨通知等を送付すること、対象者要件を満たす者の把握については、必要に応じて介護保険担当部局と連携 すること。

9.障害者虐待の防止について
(1) 現状・課題→
令和3年 12 月、事実確認調査は基幹相談支援センターに委託できること、 立入調査は市町村が自ら設置する基幹相談支援センターの市町村職員の身分を有す る者に限り可能であることが自治体に周知された。

(2) 今後の取組
(自治体間のばらつきの是正)
(障害福祉サービス事業所等における虐待防止の取組の推進)
→令和4年度から、障害福祉サービス事業所等に係る指定基準において、虐待防止委 員会の設置や従業員への虐待の防止のための研修の実施、虐待防止責任者の設置を義 務化した。虐待防止委員会については利用者や家族、外部の第三者等を 加えることが望ましい。
(死亡事例等の重篤事案を踏まえた再発防止の取り組み)
(学校、保育所、医療機関における障害者を含めた虐待防止の取組の推進)
→精神科医療機関については、前述「4.精神障害者等に対する支援につい て」の「4−8 虐待の防止に係る取組」のとおり虐待防止の取組を進めていく必要 がある。

10.地域生活支援事業について
(1) 現状・課題
(2) 今後の取組→
地方自治体に対し必要な補助が行われるよう、引き続き予算の確保に取り組 むとともに、各事業の実施の有無及び課題の把握や、好事例の共有を図ること等によ り、地方自治体の取組を促していく。 さらに、地域共生社会や障害者の健康を支援する観点からも重要であるとの認識から、社会参加支援に関する取組を進める必要がある。

11.意思疎通支援について
(1) 現状・課題
→手話通訳や要約筆記等の方法により、障害者等とその他の者との意思疎通を支援する者の派遣やこれを担う人 材の養成等の事業(意思疎通支援事業等)が行われている。第 208 回通常国会において障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策 推進法が成立し、令和4年5月 25 日に施行された。

(2) 今後の取組→(ICTの利活用の促進等)(意思疎通支援事業に従事する担い手の確保)
(代筆・代読支援の普及に向けた取組)
(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の施行)
→障害者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策を総合的に推進することを目的 とする障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の趣旨を踏まえ意思疎通支援者の養成や、障害者からの相談の対応、事業者が行う取組への支援等、意思疎通支援の促進を図る必要。

12.療育手帳の在り方について
(1) 現状・課題
→療育手帳は、現時点で法的な位置づけはなく、各自治体が自治事務として運用、自治体ごとに検査方法等の判定方法や、IQの上限値や発達障害の取扱い等の 認定基準にばらつきあり、手帳所持者が他の自治体に転居した際に判定に変更が生じる可能性や、正確な疫学統計が作成できない状況等が指摘されている。

(2) 今後の取組→令和4年度から実施予定の調査研究を着実に進める等、幅広く調査 研究を続けるべき。
療育手帳制度に自治体や当事者等が幅広く関係していることを踏まえ、これらの関係者に調査研究や検討のスケジュールを示しながら進めるべきである。

13.医療と福祉の連携について
(1) 現状・課題
→(医療的ケアが必要な障害児者(医療的ケア児者)の医療と福祉の連携について)(医療と計画相談をはじめとする相談支援等の連携について)(入院中の医療と重度訪問介護について)
(2) 今後の取組
(医療的ケアが必要な障害児者(医療的ケア児者)の医療と福祉の連携について)
→医療的ケアが必要となる成人とは人工呼吸器や経管栄養 等の他者による日常的な医療的ケアを必要とする割合が高い等の点でその状態像が異 なることから、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定において、医療的ケアの新た な判定スコアを用いた医療的ケア児を直接評価する基本報酬の新設を行った、その実施状況を踏まえて、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等 が連携を図るための協議の場の設置、医療的ケア児に対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置、 家族への支援等の観点も含め検討する必要がある。 また、医療的ケアが必要な障害者⇒各サービスの加算の充実を図ってきたが、医療的ケア児の成人期への移行を見据えつつ、成人期の生活に対応した障害福 祉サービスにおける医療的ケアの評価の在り方について引き続き検討する必要がある。
医療と計画相談をはじめとする相談支援等の連携について)→ 相談支援事業者は、計画相談支援において医療を含む関係機関との連携に努めることとされているが、改めてその主要な連携先として医療機関や難病関係機関を明示し、その連携の重要性や具体的に求められる連携内容について周知徹底を図る等により、効果的な連携の取組を更に促進するとともに、連携の緊密化を図ることが必要。また、精神障害者や強度行動障害のある者、高次脳機能障害のある者等の医療 との関わりが特に深いことが想定される者⇒医療と福祉の関係者が個々の利 用者の支援における各々の役割を明確化しつつマネジメントを行い、かつ相互理解に 基づく連携促進を図ることが重要。そのためには、双方の開催するカンファレンスに関係者が参加することや医療や福祉双方の分野における研修をはじめとする資 質向上の取組等が求められる。 他に、個々の利用者の医療と福祉のマネジメントに関する責任を負う者を明確化すべきとの意見、日常生活を営むに当たってはより幅広い視点をもったマネジメントが 必要ではないかとの意見、本人中心の支援を実現する観点から、利用者とマネジメン トを行う者の関係性に主眼を置いた議論が行われるべきなどの意見等があり、引き続 き議論が必要な課題である。
医療機関と計画相談支援の連携⇒すでに診療報酬及び障害福祉サービス 等報酬において加算等により一定の取組を評価しているが、日常的に医療を必要とし ている者をはじめとして連携を更に促進する方策等について検討すべき。(※) また、支給決定に際して市町村に提出された、かかりつけ医等が作成した医師意見 書をサービス等利用計画案作成に際しても活用することの促進も必要。以上に 加えて、サービス等利用計画作成やモニタリングの際に医師意見書や指示書を求め、 医療の観点からの意見を反映させることやその後の経過等を医師に報告する義務を相談支援専門員に課すことを求める意見があった一方、障害福祉サービス利用の可否等 を判断する際やサービス等利用計画作成等のケアマネジメントに従来以上に医師が関 わることについて慎重であるべきとの意見や適切な関与の在り方について十分検討す べきとの意見、医師の意見を求める方法や対象者の選定等について丁寧に議論した上 で現場に混乱を招くことがないような仕組みを検討すべきとの意見があった。また、 医師意見書の作成に当たって当事者やその家族が参画することの重要性や、市町村と 医師会等の連携促進の必要性等を指摘する意見もあり、引き続き議論が必要な課題。 入院時に計画相談支援事業所等が本人の症状や特性等の医療機関の求める情報を医療機関に提供した場合や、退院時に医療機関から情報収集・計画作成した際には報酬 が算定可能である。こうした場合に、医療機関と相談支援事業所等の関係者間で情報 を共有するためのフォーマットを作成し、より円滑な連携に向けて活用するなどの方 策を検討する必要がある。その際、ICTを活用する視点が重要である。
・また、当事者やその家族にとって、障害児者が受診しやすい医療機関がどこかがわ かるようにすることも有益と考えられる。医療と福祉の連携による医療機関情報の収集・集約化・共有することが必要であり、そのために(自立支援)協議会の活用や医 師会等の協力を得ながら、障害児者が受診しやすい医療機関情報を地域単位でリスト 化し、共有を図ること等の検討も必要である。なお、医療と福祉の連携を進めるに際 しては、強度行動障害がある者等の支援における連携等の課題についても検討する必 要がある。 障害者支援施設等の入所者の高齢化・重度化が進む中、施設での看取りを希望する 障害者に対する支援について、本人の意思決定に関する取組状況等を把握する必要が ある。
(入院中の医療と重度訪問介護について)→入院中の重度訪問介護利用の対象となる障害支援区分⇒入院中の重度障 害者のコミュニケーション支援等に関する調査研究の結果を分析しつつ、支援が必要 な状態像や支援ニーズの整理を行いながら、拡充を検討すべきである。(※)
入院中の重度障害者のコミュニケーション支援等が行われる場合には、医療機関と 支援者は当該入院に係る治療や療養生活の方針等の情報を共有するなど十分に連携す ることが必要であるため、利用者の普段の状態像・支援ニーズや入院中の個々 の利用者の症状に応じたコミュニケーション支援の方針・方法等について、関係者間 で情報を共有するためのフォーマットの作成など、より円滑な連携に向けての検討が 必要である。その際、ICTを活用する視点が重要。 また、入院時に重度訪問介護を利用する者にとって地域の医療機関における重度障害者の受入等に関する情報があれば有用であるため、医療と福祉の関係者が連携して、地域の医療機関情報をリスト化し、共有を図ること等の検討も必要。この他、重度訪問介護利用者以外の入院中のコミュニケーション支援についても、 保険医療機関の役割や合理的配慮等の関係も考慮しつつ、ニーズや実情を把握しながら、引き続き検討する必要がある。

次回も続き「参考資料1」からです。

社会保障審議会障害者部会(第131回) [2022年06月29日(Wed)]
社会保障審議会障害者部会(第131回)(令和4年6月2日)
《議事》(1)報告書(案) (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00058.html
◎資料 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて
〜社会保障審議会 障害者部会 報告書〜(案)
V 各論点について
4.精神障害者等に対する支援について(→今後変更があり得るもの?)
4―1 基本的な考え方 ↓
(精神疾患の現状)
→近年、増加傾向、平成 29 年には約 420 万人。令和2年9月調査⇒約6割の方が様々な不安を感じており、メンタルヘルスの不調 や精神疾患は、誰もが経験しうる身近な疾患となっている。 自殺者数⇒平成 22 年以降は 10 年連続で減少していたが、令和2年には 11 年ぶ りに増加に転じている。
(「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築)→令和3年3月「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に 係る検討会」報告書がとりまとめられた。 精神保健医療福祉上のニーズを有する方が地域で希望する生活を実現し、継続するこ とができるよう、国は、保健、医療、福祉、居住、就労等、経済的な基盤の確保 にも資する包括的な支援を進めることはもとより、そうした基盤の充実を図っていくこ とが求められる。
(患者の権利擁護)→措置入院、医療保護入院等を規定する精神保健福祉法等の撤廃のために講じた措置 ・ 隔離・身体的拘束等を廃止するためにとった法律上・実践上の措置。
(地域の精神科医療機関の役割)→自治体が実施する精神保健相談の協力、協議の場への参画、多様な精神疾患 に対する医療の実現、精神科以外の診療科との連携等、・・。
(医療機関や福祉サービス事業者等の優れた実践的な取組の普及定着)→質の高いサービスを提供している医療機関や福祉サービス事業者等の優れた実 践的な取組を法令上の仕組みとして位置付け、普及定着を図ること、誰もが安心して自分らしく暮らせるようにするための基盤の整備を図っていく観点から。
(地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会)→令和3年 10 月に「地域で安心して暮らせる精 神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」が設置。

4−2 精神保健に関する市町村等における相談支援体制について↓
(1) 現状・課題→
市町村⇒福祉分野に加え、精神保健も含めた相談支援に取り組むこと。8割以上の市町村が、自殺対策、虐待(児童、高齢者、障害者)、生活困窮者支援・生活保護、母子保健・子育て支援、高齢・ 介護、認知症対策、配偶者等からの暴力(DV)等の地域住民の身近な相談窓口として、精神障害者に限らず広く分野を超えて精神保健上の課題を抱えた住民を対象に精神保健に関する相談に対応している状況。まずは国⇒以下の措置を講じることにより、市町村の実施体制の整備を進めていくべき。
(2) 今後の取組↓
@ 法制度に関し検討すべき事項 精神保健福祉法に関し、以下の措置を講じることが必要。
→(@) 都道府県及び市町村が実施する精神保健に関する相談支援について、精神保健福 祉法に基づく相談支援を受けている精神障害者に加え、精神保健に関する課題を抱える者(注1・2)に対しても、相談支援を行うことができる旨を法令上規定するべ き。(注1・2)→P38に。(A)「国及び都道府県の責務」⇒(@)の市町村による相談支援の体制の整備が 適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言、情報の提供その他の援助を行わなければ ならないこととするべき。 (B) 障害者総合支援法に基づき地方公共団体が単独又は共同して設置する、関係機関、関係団体、当事者その他の関係者により構成される協議会を活用し、精神保健に関する課題を抱える者を含めた地域の支援のあり方について協議を進めるべき(注 1・2→P39参照。)。 また、協議関係者の守秘義務を前提に、関係機関等に対し情報提供等を求めること ができることについても検討を進めるべき。(C) これらの取組には、担い手の確保・資質向上が不可欠となるため、現在「配置が 任意」とされている精神保健福祉相談員について、その配置状況を把握し、課題を分 析した上で、配置を促進する方策を検討するべきである。

A @以外に検討すべき市町村の体制整備に関する事項→ (@) 下位法令等の改正等(下位法令等を改正し、市町村が実施する精神保健に関する相談支援の位置付けを 明確にするべき。市町村保健センター等の保健師増員等、必要な体制整備のための対応を検討するべき)。 (A) 精神科の医師・他科の医師との連携(地域の精神科医療機関は、多職種チームを持ち、患者一人一人のケースマネジメントを行うノウハウ・人材を有することから、例えば、市町村から精神保健に関する相談業務の一部を公的な地域保健活動の一環として、こうした精神科医療機関に 委託し、協働して業務を行うことが考えられる。また、市町村が、地域の精神科医療機関の精神科医等の協力を得て、自宅等への 訪問支援を行う専門職、当事者、ピアサポーター等から構成されるチームを編成し訪問支援の充実に取り組むとともに、「包括的支援マネジメント」の基盤構築を図っ ていくことも重要。さらに、「かかりつけ医うつ病対応力向上研修」の活用等を通じ他科の医師と精 神科の医師との連携を強化するべき。令和4年度診療報酬改定⇒他科の 医師と精神科の医師等が連携して診療を行った場合の評価として「こころの連携指導料」が新設されており、他科の医師と精神科の医師が連携するともに、自治体とも協力して精神保健医療福祉上のニーズに対応することが求められる。自殺で亡くなった方⇒精神疾患を経験している場合が多く、特に自殺未 遂者は再企図のリスクも高いことから、精神科医療や生活支援を適切に受けられる よう支援体制の整備を図ることが必要。) (B) 市町村への単なる好事例の周知に留まらないノウハウの共有 ・ 精神保健の相談支援に関し、市町村が利用可能な国の事業について、制度横断で分かりやすく周知していくべき。
B 市町村のバックアップ体制の充実に向けて検討すべき事項
(保健所・精神保健福祉センター等の業務の明確化、診療報酬改定)
→令和4年度診療報酬改定⇒行政機関等の保健師等による家庭訪問の対象であって精神疾患の未治療者、医療中断者等に対する訪問診療・精神科訪問看護を実施した 場合の評価の仕組みを創設。今後、こうした取組による知見を踏まえつつ、 令和6年度の診療報酬改定での評価を含め、さらに検討を進めるべきである。
C 普及啓発の充実
(メンタルヘルス・ファーストエイドの考え方の活用)→「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」報告書(令和 3年3月)⇒精神保健医療福祉上のニーズを有する方が必要な保健医療サービス 及び福祉サービスの提供を受け、その疾患について周囲の理解を得ながら地域の一員として安心して生活することができるよう、精神疾患や精神障害に関する普及啓発を 推進することは、最も重要な要素の一つ、メンタルヘルス・ファーストエイド の考え方を活用する等、普及啓発の方法を見直し、態度や行動の変動までつながるこ とを意識した普及啓発の設計が必要。 こうした観点から、令和3年度より、心のサポーター(精神疾患への正しい知識と 理解を持ち、メンタルヘルスの問題を抱える家族や同僚等に対する傾聴を中心とした 支援者)の養成に向けた研修を開始している。 (学校教育等における普及啓発の充実)→検討会では、支援提供者側や制度・政策決定側の立場からの考察だけではなく、受 け手である立場からの思いや知見もきちんと反映されたものという趣旨で、入院制度 等について適切な在り方を形成していくためには、広く国民や当事者自身が精神保健 医療福祉などに関連する総論的知見を高められる機会の充実が、地域での実際の支えの充実とともに両輪で必要との意見があった。学校教育における普及啓発⇒学習指導要領の改訂により、本年4月から は、高等学校の保健体育の「現代社会と健康」に、新たに「精神疾患の予防と回復」 の項目が追加されており、効果的に普及啓発を推進するためには、教職員に対する普 及啓発が重要となる。その際には、すでに実践されているメンタルヘルス・ファーストエイドの考え方を用いた取組についても参考とすることが望ましい。 こうした観点からは⇒上述の心のサポーターの養成に向けた研修について、教職員に対して情報共有を行 う等の取組を関係省庁と連携して検討すること。 特に養護教諭については、「現在の生徒児童は、肥満・痩身、生活習慣の乱れ、メンタルへルスの問題等、多様・複雑化する課題を抱えており、養護教諭には健康診断、 保健指導、救急処置などの従来の職務に加えて、専門性を生かしつつこれらの課題に 対し中心的な役割を果たすことが期待されている」(文部科学省「現代的健康課題を 抱える子供たちへの支援〜養護教諭の役割を中心として〜」(平成 29 年3月))こと を踏まえ、子供達を支援していくことが重要。
(精神障害、精神疾患の理解促進に向けて)→地域で医療・福祉等の必要なサービスを受け、地域の一員として安心して生活するこ とができる体制の整備を進めるためには、精神障害、精神疾患についての理解を促進し、 スティグマを解消するための取組を充実させることが必要、例えば、当事者、ピアサポーター、家族等と協働し、地域住民との交流の場を設置する取組を促進すること。また、精神疾患が身近な疾患となる中、地域の精神科医療機関の役割についても、理解を深められるようにすることが重要。 市町村における協議の場は、自立支援協議会を活用していることが多く、精神科病院協会や医師会等の関係団体、精神科医療機関、保健関係者の参加が少ないとの指摘もある。精神科医療機関の役割⇒地域において理解が深められるよう、市町村は、積極的にこうした関係団体等の参加を求め、地域の精神保健福祉行政を支える 行政、福祉・介護サービス事業者、当事者、ピアサポーター、家族等との間で信頼関係の醸成を図るとともに、国においても、市町村における好事例の収集や横展開等を通じ た後押しを図ることが求められる。

4―3 精神科病院に入院する患者への訪問相談について↓
(1) 現状・課題
→入院中の患者について、第三者がその権利を擁護する仕組みの構築に向けてモデル事業や調査研究等を通じて、支援のノウハウの蓄積が進められてきた経緯⇒ 現在、厚生労働科学研究において、課題の整理・検討が進められている。
(2) 今後の取組 ↓
【基本的な考え方】
→精神科医療の日々の臨床では、患者のこころに関わる中で、患者の話を丁寧に聴き、 患者との共感を試みる診療が実践されている。また、精神科病院では、退院後生活環境 相談員による支援、退院支援委員会の開催等、法令の規定に基づき、患者の権利擁護を 図る取組が行われている。 他方で、精神疾患により、本人の意思によらず入院が必要とされる場合、こうした非自発的入院による患者は、閉鎖処遇に置かれており、外部との面会交流が 難しくなる。家族との音信がない市町村長同意による医療保護入院者⇒医療 機関外の者との面会交流が、特に途絶えやすくなる。 このため、医療機関から入院に関する十分な説明や支援が行われた場合であっても、 患者本人の孤独感や、これによる自尊心の低下が顕著な場合がある。 外部との面会交流を実質的に遮断する状況は、本人の意思によらず入院を強制される者 への処遇として、人権擁護の観点からも望ましくない。 したがって、市町村長同意による医療保護入院者を対象に、精神科病院の理解のもと、 精神科病院に入院する患者を訪問し、相談に応じることで、医療機関外の者との面会交 流を確保することが必要となる。  
【支援の内容】↓
@ 実施主体・枠組み
→精神科病院を訪問し、患者からの相談に応じる点を踏まえ、精神科病院を所掌し、かつ、精神科病院から患者の入院届等を受理する都道府県等 とすることが考えられる。 こうした支援に取り組む都道府県等は、現時点、必ずしも一般的とまではいえない。 そこで、都道府県等が行う任意の事業として位置付けた上で、全国の都道府県等での事 業実施を目指し、課題の整理を進めることが必要。 A 支援者→実施主体である都道府県等が、経歴等を踏まえて選任することが適当。 更に、国で標準化された研修の内容を示した上、都道府県等が実施する研修の受講を必須とするべき。 研修は、精神保健医療福祉に関する制度や現状、精神科医療における障害者の権利擁 護に関する内容、傾聴を中心とする支援の趣旨を含むものとするとともに、研修内容・ 期間等の検討⇒入院の初期段階は、患者・医師双方にとって信頼関係を構 築する重要な時期である点を考慮することが必要。 B 支援内容→支援者が精神科病院を訪問し、入院患者との面会交流を行う。 生活に関する一般的な相談に応じ、患者の体験や気持ちを丁寧に聴くとともに、必要な情報提供を行うことを基本とする。 こうした支援の導入を図るに当たり、支援の対象者は精神科病院に入院する市町村 長同意による医療保護入院者を中心とする。 C その他 →支援者には守秘義務を求める。 制度の対象となる患者→医療機関の管理者から入院時に書面等で案内するとともに、例えば、患者の立場に立った説明文を添付する、支援の申込先や相談先等を病院内に掲示する等、患者にとって分かりや すい方法で周知するべきである。特に、指定医には、患者に分かりやすい方法で説明する役割があるものと考えられる。 都道府県等→支援者の支援のあり方や課題について、関係者が意見交換を行う場を 設けることが望ましい。 事業を円滑に実施できるよう、面会を行う精神科病院の理解を得ながら進めること が必要である。 今後の検討課題→こうした支援を望む入院患者に支援がより広く普及するよう、調査研究等を活用し、実施体制の構築を進めていくことが必要である。
・ 研究班の報告→支援者は、以下の点に留意することが適切であるとされている。⇒独立性:当事者への意思決定機関やサービス提供機関から独立していて利害関係を 持たない。 エンパワメント:自身や自尊心を取り戻す過程でもある。 当事者主義:本人の希望や意思に基づいて行動。 秘密を守る(守秘):プライバシーの尊重、当事者から聞いたことを他人に伝えない、信頼関係の前提。 平等:すべての当事者が平等にアクセスできること。 当事者参画:常に当事者の参画を得て進める。

4−4 医療保護入院 ↓
4−4−1 医療保護入院の見直しについて
(1) 現状・課題
→平成 25 年の精神保健福祉法改正⇒保護者制度の廃止、医療保護入院における入院手続等の見直し、精神科病院の管理者に対する退院促進措置の義務付けが行われ、現在の医療保護入院制度が整備された。 精神科医療機関⇒医療保護入院者の退院に向けた相談支援等の業務を行う「退院 後生活環境相談員」の選任、退院後に利用可能な障害福祉サービス等の利用に向けた相 談等を行う「地域援助事業者」の紹介、医療従事者や患者、家族等が出席し患者の退院 に向けた取組等を審議する「医療保護入院者退院支援委員会」の設置等、法令の規定に 基づき、患者の権利擁護を図りながら、入院医療が提供されている。 医療保護入院制度の必要性⇒「これからの精神保健医療福祉のあり方に関 する検討会」報告書(平成 29 年2月)→精神障害者に対する医療の提供については、できる限り入院治療に頼らない治療的 な介入を行うことが原則であり、その上で、入院治療が必要な場合についても、できる限り本人の意思を尊重する形で任意入院を行うことが極めて重要である。ただし、病気の自覚を持てない場合があり、症状の悪化により判断能力そのものが 低下するという特性を持つ精神疾患については、本人が病気を受け止めきれないこと もある中で、自傷他害のおそれがある場合以外にも、入院治療へのアクセスを確保する仕組みが必要と考えられる。 その上で、医療保護入院は、指定医の判断により入院治療が必要とされる場合であって、任意入院につなげるよう最大限努力をしても本人の同意が得られない場合に選 択される手段であるということを再度明確にするべきである。 今夏目途で障害者の人権及び基本的自由の享有を確保すること等を目的とする障害者 権利条約に基づく初回の対日審査が予定されており、障害者権利委員会からは、医療保 護入院等の強制入院の撤廃等に関する事項について、事前の情報提供が求められている。 患者の権利を確保するための取組をより一層推進させていくことが重要。 諸外国においても、患者の同意を得ずに入院を行う制度は存在しており、権利擁護の仕組みとともに運用されている。 こうした点を踏まえ、医療保護入院→誰もが安心して信頼できる入院医療 が実現されるよう、課題の整理に取り組み、具体的かつ実効的な方策を検討することが 必要。検討に当たっては、(1)医療その他福祉等のサービスを患者本人の病状に応じ、地域で切れ目なく受けられるようにするためのアクセス確保の観点から、患者の症状によっては、その同意によらない入院を行えないとすると、患者の不利益につながることがある という視点、(2)患者の権利擁護の視点の両面について、十分に勘案することが必要。具体的な検討に当たっては、以下の3つの視点を基本とすべき。⇒視点1:入院医療を必要最小限にするための予防的取組の充実。視点2:医療保護入院から任意入院への移行、退院促進に向けた制度・支援の充実 。 視点3:より一層の権利擁護策の充実。

(2) 今後の取組
@ 入院医療を必要最小限にするための予防的取組の充実(視点1)
(基本的な考え方)
→医療、障害福祉・介護、住まい、就労等の社会参加、地域の助け合い、教育・普及啓発が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を推進し医療その他福祉等の各サービスを地域の関係機関・関係者の協働・連携のもと、切れ目なく受けられるようにすること、これにより、「支える側」・「支えられる側」 という従来の関係を超えて、相互に助け合いながら暮らせる地域づくりを目指すこと が必要である。
(具体的な方策)→ (@) 患者本人のニーズの実現に向けた「包括的支援マネジメント」の推進(訪問診療・ 訪問看護の充実、外来患者に対する相談体制の充実、医療・福祉等の地域の多職種・ 多機関連携の推進等)。 精神障害の特性として、疾病と障害とが併存しており、その時々の病状が障害の程 度に大きく影響するため、医療、障害福祉、介護その他のサービスを切れ目なく受け られる体制を整備する必要がある。「包括的支援マネジメント」とは、こうした観点から、本人を中心として、医療・ 精神保健・障害福祉等の多職種・多機関が相互に連携することにより、訪問診療や訪問看護、障害福祉サービス等のサービスを継続的かつ包括的に受けることができる 体制の整備を進めるもの。 以下の方策等を通じ、こうした「包括的支援マネジメント」の推進をより一層図っ ていく必要。⇒現在、モデル事業として、精神科医療機関と地域生活支援拠点等に配置され、両者の連携を支援するコーディネーターを中心に、医療・福祉分野の多職種・多機関 の関係者が連携し、精神障害者の地域生活の実現に向けた支援内容を明確にする ための事業を進めている。また、令和4年度診療報酬改定→行政機関等の保健師等による家庭訪問の対 象であって精神疾患の未治療者、医療中断者等に対する訪問診療・精神科訪問看護 を実施した場合の評価の仕組みを創設するとともに、医療機関の精神科外来に通 院する重点的な支援を要する患者に対し、多職種による包括的支援マネジメント に基づいた相談・支援等を実施した場合の診療報酬上の評価の仕組みを創設している。今後、こうした取組による知見を踏まえつつ、令和6年度の診療報酬・障害報酬 の同時改定での評価を含めて検討を進めるべき。
(A) 患者の緊急のニーズに対する受診前相談及び入院外医療等の充実→精神症状の急性増悪、精神疾患の急性発症等、患者の緊急のニーズに対する精神科 救急医療体制は、精神保健医療福祉上のニーズを有する方の地域生活を支える重要 な基盤であり、重層的な支援体制のもとでの平時の対応並びに受診前相談及び入院 外医療(夜間・休日診療、電話対応、往診、訪問看護等)の体制整備とあわせ、入院 治療(急性期)へのアクセスを 24 時間 365 日確保することが必要となる。 受診前相談⇒精神医療相談窓口や精神科救急情報センターの体制整備 に向けた支援が進められており、地域の実情を把握しながら、より一層の充実を図ることが重要。 昼夜を問わず、患者の緊急のニーズに対応できるよう、今後、地域の実情に応じた 受診前相談の体制整備、時間外診療への対応や入院の要否に関する判断の診察、往診、 訪問看護等の入院外医療の更なる充実について、診療報酬等の評価を含めて検討を 進めるべきである。

A 医療保護入院から任意入院への移行、退院促進に向けた制度・支援の充実(視点2)
(具体的な方策)↓
(@) 入院期間について
→精神科病院においては、退院支援委員会や定期病状報告の仕組みを通じ、入院中の 患者の任意入院への移行や退院促進に向けた支援のほか、急性期のチーム医療では、クリニカルパス(院内標準診療計画書)を活用した早期退院の取組等が進められている。 他方で、現行の精神保健福祉法⇒入院時に任意入院が行われるよう努める旨の規定が置かれている(第20条)が、入院中の患者について、任意入院への移行を求 める明文規定は設けられていない。 入院治療を含めた精神科医療は、本人の意思を尊重する形で行われることが重要 あり、患者の同意を得ることが困難な状況で入院を開始することを要した場合にも、その後の症状等の変化に応じて対応する必要があることから、医療保護入院中の患者についても、その症状に照らし本人が同意できる状態になった場合は、速やかに 本人の意思を確認し、任意入院への移行や入院治療以外の精神科医療を行うことが 必要である。 こうした確認は、入院中に日々行われるものであるが、制度上もこうした確認が確 実に行われることを一定の頻度で担保できるよう、医療保護入院の入院期間(注)を 定め、精神科病院の管理者は、この期間ごとに医療保護入院の要件を満たすか否かの 確認を行うこととするべき。 注 具体的な期間⇒医療保護入院者における当初の入院計画での予測入院月数は、6割 以上の入院者が「3ヶ月以上6ヶ月未満」とされていることを踏まえ、「3ヶ月ごと(入院から6ヶ月経過後は6ヶ月)」とすることが考えられる。一方、検討会では、入院期間の短縮を図る 観点から「1ヶ月ごと(入院から6ヶ月経過後は3ヶ月)」とする意見もあった。 また、検討会では、具体的な検討を進めるに当たっては、現行の退院支援委員会、 定期病状報告等の制度との整合性に留意する必要があるとの意見や、本人の意思に 反して入院させる心理的な負担を家族に繰り返し求める点に配慮が必要との意見が あった。さらに、入院期間を定める場合には、入院届の審査を担う精神医療審査会の 事務が増加することも考えられることから、適切な人員上の手当を含む対応について検討が必要との意見があった。 こうした制度上の枠組みのほか、入院期間の短縮化に向けては、入院が長期に及ぶ 背景について、調査研究等を活用して実態に即した検討を長期的な視野で進めるべき。 具体の制度及び実際の運用の在り方の検討を進めるに当たっては、こうした意見 についても考慮していくことが必要である。

(A) 退院促進措置の実態を踏まえた拡充策→退院促進措置の実態に関する調査(注)⇒平成 25 年改正の退院促進措置の導入により、新規入院患者の退院促進に向けた 院内連携は着実に進展。長期入院者の退院に向けては、地域援助事業者等との地域・院外での連携等、地域により課題が見られ医療保護入院以外の入院者に対する退院措置のあり方にも課題が見られる。 こうした現状に照らし、担当者調査では、医療保護入院者の早期退院に必要と感 じている取組として、家族への適切な支援のほか、行政・基幹相談支援センター・ 市町村障害者相談支援事業・地域支援者・ピアサポーター・弁護士等司法関係者の 関わり、診療報酬の見直しが挙げられる とされている。 注 令和3年度障害者総合福祉推進事業「退院後生活環境相談員の業務と退院支援委員会の開催 等の実態に関する全国調査」(公益社団法人日本精神保健福祉士協会)。 こうした結果を踏まえ、⇒医療保護入院以外の入院者についても退院促進措置の対象とすべき。 こうした対象者の拡大や、地域援助事業者等との更なる連携を実現しつつ、支援 の質を担保していく観点からは、専門職の活用が重要となるため、必要な人員等が 確保できるよう、診療報酬における適切な評価を含めた検討を行う必要がある。
(B) 長期在院者への支援→長期在院者の支援に向けては、実際に訪問し、一人の顔の見える患者、自治体の住 民の一人として支援を進めていく取組が重要と考えられ、そうした観点から、市町村 が地域生活支援事業として実施する障害者相談支援事業実施要領においては、権利 擁護のために必要な援助の例として「精神科病院を訪問し、入院患者の退院に向けた 意思決定支援や退院請求などの権利行使の援助を行うよう努めること」とされてい る。 慣れない環境での入院治療はそれだけで孤独や不安を伴うなか、病院の中で、十分 に自分の気持ちや状況について話を聞いてもらえない、説明が得られない、伝えては みたが上手く伝わらない等の体験が重なることで、当初抱えていた孤独や不安が増大 し、これにより、次第に退院を諦めざるを得なくなり、長期在院につながっていくこ とが考えられる。 こうした観点から、市町村の長期在院者への支援→当事者、ピアサポー ターとの協働のもと、長期在院者自身の視点から行われることが望ましい。そのため、 市町村において都道府県等と連携しながら、当事者、ピアサポーターと協働できる体 制の構築を進めていくことができるよう、国においても十分な基盤の整備を検討する ことが重要。 ○ 地域生活の実現に向けては、利用者と同じ立場に立って相談・助言等を行うことが、 本人の不安の解消や、自分は一人ではないという安心やエンパワメントにつながっ ていくという観点を踏まえ、令和3年度の障害福祉サービス等報酬改定において、ピアサポートの専門性について新たに評価が行われている。 国においても、長期在院者支援に積極的な自治体の取組を支援するとともに、先進 的な自治体の取組が全国の市町村で実施できるように共有を図るなど、市町村のバ ックアップを進めるべき。 また、退院促進措置に係る連携先として、地域援助事業者に加え、地域生活支援事 業において障害者相談支援事業を実施する市町村を追加すべきである。

B より一層の権利擁護策の充実(視点3) ↓
(具体的な方策)
→病院管理者が医療保護入院を行った場合に医療保護入院者に対して書面で行う告 知の内容について、現行の精神保健福祉法では、入院措置を採る旨、退院請求・処遇 改善請求に関すること、入院中の行動制限に関することが定められている。 こうした入院措置がどのような理由から行われたのか、患者が医師から説明を受ける機会を保障するとともに、入院措置を行う精神科病院の管理者について慎重な判断を促し、患者の権利擁護を図るため、告知を行う事項として、新たに入院を行う理由 を追加すべきで、都道府県知事等が行う措置入院についても、同様の対応を行うべき。医療保護入院の同意を行う家族等は、退院請求権や処遇改善請求権を有する ことから、告知を行うことが求められる旨を明文で規定すべきである。

C 今後の検討課題について→誰もが安心して信頼できる入院医療が実現されるよう、今後、患者の同意が得られ ない場合の入院医療のあり方などに関し、課題の整理を進め、将来的な見直しについて検討していくことが必要。
(患者の同意が得られない場合の入院医療のあり方に関する基本的な考え方)→医療へのアクセス確保の観点から、患者の状況・症状によっては、その同意によらない入院を行えないとすると、患者の不利益につながることがあるのではないか。患者本人の同意がない場合の入院手続について、精神科と他科とで対応を区別 する合理性があるか。 他方で、精神科の入院患者⇒その特性を踏まえた入院手続とともに、 退院等に向けた支援や入院中の処遇の改善、入院から退院までの患者の権利擁護 に向けた支援の内容・担い手等、他科の場合よりも充実した権利擁護の仕組みが必要ではないか。 また、検討会において、平成 24 年6月の「入院制度に関する議論の整理」で示 された考え方に対しては、患者の同意が得られない場合の入院医療の必要性が、直 ちに現行通りの医療保護入院の必要性を意味するものではないため、両者を区別 して検討すべきとの意見があった。こうした意見を踏まえた上で、今後、患者の同 意が得られない場合の入院医療のあり方について、さらに検討を行うことが必要 ではないか。
(患者のニーズに応じた医療の提供等)→統合失調症の急性期の状態等にあり患者が明確に同意を拒否している場合がある一方、認知症等により病状は安定しているものの患者自身が有効な同意の意思表 示を行えない場合が増えている現状も踏まえ、精神疾患の特性により、様々な場合 があり得ることを念頭に置く必要があるのではないか。 認知症等の入院患者が増えている現状のもと、患者の状態に応じた適切なサービ スを提供し、生活の質(QOL)を向上させる観点からは、今後精神病床のダウンサイジング(縮小のこと)と並行して患者のニーズに応じた医療・居住の場の整備を進めていくため の方策の在り方について、既存の制度の枠組みに限ることなく検討していくことも 重要ではないか。
(関係者の負担等)→さらに、患者が医療にアクセスすることが阻害されないようにしつつ、医療機関 や患者、現行法では同意を行うことが求められている家族等、特定の者に過度の負 担を求める仕組みとならないように留意することも必要ではないか。
(海外の制度との対比等)→精神疾患を有する患者は、どのような体系で入院医療を受けることができるのか、 海外の制度と対比しながら、患者の同意が得られない場合の入院医療のあり方につ いて、総合的な検討を進めることが必要ではないか。

4−4−2.医療保護入院の同意者について
(1) 現状・課題
→ 「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」報告書(平成 29 年2月)では、現在の家族等同意の機能について、入院することを本人に代わって同意することではなく、@医師の判断の合理性(説明に対する納得性)、A入院治療が本人の利益に資するかについて、本人の利益を勘案できる者の視点で判断する点にあると整理できる。 その上で、@については、現在の家族等同意では、家族等に医学的な専門知識まで必ず しも求めてはおらず、医師が家族等に対し、理解しやすいよう丁寧に病状や入院治療の 必要性等を説明した上で、家族等が医師の説明に納得して判断できれば足りると考えら れる、Aについては、家族等には、本人についての情報をより多く把握していることが期 待されていると考えられる、とされている。 検討会では、家族等同意については、同意したことで家族の精神的負担や本人との関 係性の悪化につながるため、廃止してほしい、また、市町村長同意については、医療機 関の判断を追認する形で手続が行われているのではないか、との意見があった。

(2) 今後の取組
(同意者についての議論)
→医療保護入院の同意者に関する検討会での意見を整理。⇒P52表、「前提の考え方」「理由」「課題」について「(現行)家族等」「(現行)市町村長」「指定医のみ」「代理人」「病院外の精神保健福祉士」「司法」のそれぞれの意見説明。
(医療保護入院の同意者について)→現状では、家族等、市町村長以外の同意者を想定す ることは現実的には容易でないため、家族等同意及び市町村長同意⇒現行の 仕組みを維持することになるものと考えられる。 ただし、家族等同意についての家族等の負担、市町村長同意についての医療機関の判 断の追認に係る意見⇒検討会での議論も踏まえ、適切な対応を検討すべき(注)。 その上で、引き続き、今後の医療保護入院患者数の推移等を踏まえながら、適切な制度のあり方を検討していくことが必要。 注 具体的に考えられる方策の具体例 →家族等同意:入院医療を必要最小限にするための予防的取組の充実、緊急時における受診前相談及び入院外医療の充実、精神疾患や精神障害に関する普及啓発(特に学校教育における普及啓発)、予算事業を活用した家族同士の交流の場の提供。 市町村長同意:現行の「市町村同意事務処理要領」に基づく事務処理の要請。

4−4−3.本人と家族が疎遠な場合等の同意者について
(1) 現状・課題
→家族等同意の機能は、本人について多くの情報を把握し、「本人の利益を勘案できる者 の視点で判断する点にある」と整理されているが、本人と家族が疎遠な場合等は、こうした機能を期待することは困難な場合がある。 他方で、市町村長同意は、現行の精神保健福祉法において「家族等がない場合又はその家族等の全員がその意思を表示することができない場合」とされているため、疎遠であっても家族がいる場合等は、当該家族の意向を確認する必要がある。
(2) 今後の取組→長期間の音信不通等により家族が同意・不同意の意思表示を拒否する場合、家族がどうしても同意・不同意の判断を下せない場合等、当該家族の意向を確認することができない場合は、市町村長が同意の可否を判断できるようにすべき。 また、例えば、患者本人と家族等との間でDV、虐待等が疑われるケースの場合は、 DV防止法や虐待防止法等の規定による一時保護等の措置の対象となっているかにつ いて、配偶者暴力相談支援センター、児童相談所、市町村等の公的機関への確認を通じ、 客観的に判断することもあり得ると考えられる。したがって、こうしたケース⇒DV、虐待等の関係にある家族に代わり、市町村長が同意の可否を判断できるよう にすることについて、実務的な課題の整理を行いながら、検討することが適当。さらに、検討会において、医療保護入院の同意については、家族等ではなく、基本的 に市町村長が行うこととしてはどうか、との意見もあった。今後、医療保護入院の縮減 を図っていく中で、本人の利益を勘案できる者の視点で判断するという家族等同意の意 義、市町村の体制整備のあり方と事務負担への影響についても勘案しながら、さらに検 討を進めていくことが必要である。

4−4−4.精神医療審査会について↓
(1) 現状・課題
→「精神医療審査会に関するアンケート調査」調査報告書(令和4年3月 公益社団法人 日本精神保健福祉士協会)⇒委員の確保が困難、委員の日程調整が難航する等の理由で審査期間が長期化してい る現状。精神医療審査会の事務局が、必ずしも処遇改善請求までには至らない、医療機関に 訪問し、患者の話の傾聴や情報提供を行うといった業務についても、患者の権利擁護 の観点から担っている現状 が把握された。 精神医療審査会⇒行政機関との関係性が必ずしも明確ではない中で、委員の確保や委員間の日程調整が整わず、退院等請求の審査期間が長期化する等、専門的機関としての機能が十分に果たせていないとの指摘がある。
(2) 今後の取組→精神医療審査会の機能向上に向けては、全国精神医療審査会連絡協議会との意見交換 を行うなど、審査会の実態を把握した上で、引き続き、実効的な方策を検討する必要。研究事業による分析を深め、精神医療審査会運営マニュアルの改正を目指すべき。 他方、措置入院者⇒現在、定期病状報告の際に精神医療審査会の審査の対 象としているが、国際人権B規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規 約))9条4項の趣旨を踏まえ、精神保健福祉法において、措置入院を行った時点で速や かに精神医療審査会の審査を実施できるようにすることが望ましい。 また、精神医療審査会運営マニュアルでは、合議体を構成する医療委員、法律家委員 及び保健福祉委員について、審査に係る患者と一定の関係性がある場合等に議事に加わ ることができないと定められているが、保健福祉委員について、具体的にどのような者 が想定されるかは示されていない。そうした点を踏まえ、保健福祉委員について、具体 的には、精神保健福祉士、保健師、看護師、公認心理師等が想定されるが、都道府県知事等の判断により、例えば、当事者や家族も含めることができることを示すべきである。

4−5 患者の意思に基づいた退院後支援
(1) 現状・課題
→国会での審議を踏まえ、「地方公共団体による精神障害者の退院後支援 に関するガイドライン」(平成 30 年3月厚生労働省障害保健福祉部長通知)が示されている。まず、退院後支援のガイドラインについて見直しを行い、退院後支援⇒津久井やまゆり園事件の再発防止策を契機とした取組ではないことを明文で規定するこ とが必要。その上で、入院形態を問わず、退院後支援を行うものとされるガイド ラインとの乖離がなくなるよう、退院後支援の推進に向けた方策を整理していくことが 求められている。
(2) 今後の取組 ↓
(ガイドラインに基づく退院後支援の推進に向けた施策)
→患者の意思に基づいた退院後支援は、入院早期から支援体制を構築し、病院と連携しながら、多職種・多機関の協働を図るものであり、「包括的支援マネジメント」の一環と しての位置付けを有する。 より一層充実した退院後支援を実現していくためには、広く患者の入院形態を問うこ となく支援が行われるよう、より一層の推進策の検討が必要。 そうした観点のもと、引き続き、退院後支援の効果等を見極めつつ、診療報酬における 適切な評価を含めた検討を行う必要。 (警察の会議への参加)→警察の関与を心配に思う当事者がいる一方、警察の支援を希望する当事者がいること を踏まえ、警察の会議への参加の可否について検討することが必要である。 退院後支援のガイドラインでは、「会議には防犯の観点から警察が参加することは認め られず、警察は参加しない」と明記されている。例外的に警察が支援関係者として、「警 察が支援関係者として本人の支援を目的に参加することは考えられるが、この場合は、 本人及び家族その他の支援者から意見を聴いた上で、警察以外の支援関係者間で警察の 参加についての合意を得ることが必要。この際、本人が警察の参加を拒否した場 合には、警察を参加させてはならない」と規定されている。これは、単に本人の同意の下 で参加するという規定では、強引に同意を求めていく状況も考えられるためである。 ガイドラインは、警察の会議への参加について慎重な手続が求められているが、こうした手続を設けてもなお警察の関与を不安に思う当事者がいるとの意見を踏 まえ、関係省庁から各都道府県警察に対して、法令の規定に基づく適切な個人情報の取扱いを求める通知を発出し、地域によって対応にばらつきが生じないよう依頼する 等の対応を検討すべきである。

4−6 不適切な隔離・身体的拘束をゼロとする取組 ↓
(1) 現状・課題
→隔離・身体的拘束は、精神保健福祉法上、精神科実務経験を有し法律等に関する研修を修了した指定医の専門的知見に基づき、代替方法によることは困難であり、医療・保護を図る上でやむを得ないと判断された場合に、必要最小限の範囲で行われる。 このように、精神科医療機関における隔離・身体的拘束は、法律の規定により、患者 の権利擁護に十分配慮することとされている。 精神科病院の医療は患者のために行われるものであり、患者の尊厳が確保されること が何より重要。誰もがいざというとき、安心して信頼できる入院医療を実現するには、患者の権利擁護に関する取組がより一層推進されるよう、実際の医療現場において、精神保健福祉法の規定に基づく適正な運用が確保されることが必要である。 諸外国においても、やむを得ない場合に患者の隔離・身体的拘束を行う制度は存在し ており、人権擁護の仕組みとともに運用されている。 ○ そうした観点から、不適切な隔離・身体的拘束をゼロとすることを含め、隔離・身体的拘束の最小化に、管理者のリーダーシップのもと、組織全体で取り組み、行動制限最小化を組織のスタンダードにしていくことが求められている。
(2) 今後の取組 ↓
(処遇基準告示(注)の見直し等)
注 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第 37 条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める 基準(昭和 63 年厚生省告示第 130 号)→ @ 現在「基本的な考え方」で示されている切迫性・非代替性・一時性の考え方について、処遇基準告示上で要件として明確に規定するべき。 A 単に「多動又は不穏が顕著である場合」に身体的拘束が容易に行われることのな いよう、「多動又は不穏が顕著である場合」という身体的拘束の要件は、多動又は不 穏が顕著であって、かつ、患者に対する治療が困難であり、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が 及ぶおそれが切迫している場合や 常時の臨床的観察を行っても患者の生命にまで危険が及ぶおそれが切迫している場合に限定し、身体的拘束の対象の明確化を図るべきである。 その上でBCのプロセスにより、組織全体で@の3要件を満たすか否か、Aの定義に 当たるかどうかを判断できる体制を構築するべきである。 この点に関し、検討会では、「多動又は不穏が顕著である場合」は拡大解釈のおそれ があるため要件から削除すべきとの意見、身体拘束を原則廃止すべきとの意見があった 一方、治療の必要性の観点も考慮されるべきとの意見があった。他方で、治療の必要性 の要件については、身体的拘束について新たな対象を生み出すおそれがあるのではない かとの意見、点滴等生命維持のために必要な医療行為を行うための身体固定について、 短時間の場合であっても一定のルールのもと行うこととすべきではないかとの意見があ った。 今後、「多動又は不穏が顕著である場合」という要件を見直すに当たり、非代替性の 要件の判断手法(注)や行動制限最小化委員会の在り方に関する課題を含め、調査研究 等により、告示の見直し内容とあわせ、実際の運用について、具体的な現場の指標とな るよう、検討を深めていくことが必要。 注 非代替性の要件の適正な判断に資するよう、国や医療関係者等が、身体的拘束に至らないため の代替手段について、精力的な検討を行う必要がある。

B 隔離・身体的拘束の最小化について、管理者のリーダーシップのもと、組織全体 で取り組む。隔離・身体的拘束の可否は、指定医(注)が判断するとともに、院内 の関係者が幅広く参加したカンファレンス等において、病院全体で妥当性や代替手 段の検討を行う旨を明示するべきである。 注 指定医については、患者の人権を守るため、管理者とともに行動制限最小化に組織全体で取 り組み、行動制限の最小化を組織のスタンダードにできるようにしていくことが期待されてい る。 国としても、指定医の資質を担保した上で、安定的な確保に向けた方策を検討するととも に、指定医研修のシラバスを定期的に見直し、研修の機会を通じて、指定医に直接に訴えてい くことが必要である。

C Bと同様、行動制限の最小化を管理者の責任のもと組織のスタンダードにしてい く観点から、⇒行動制限最小化委員会の定期的な開催。隔離・身体的拘束の最小化のための指針の整備。従業者に対し、隔離・身体的拘束の最小化のための研修を定期的に実施。

D さらに、隔離・身体的拘束を行うに当っては、現在、患者にその理由を「知らせ るよう努める」とされている、法律に基づく適正な運用を担保すべく、これ を「説明する」と義務化するべきである。 その際、当該説明については、単に形式的に行われるのではなく、入院中の処遇に 関するものとして患者がその内容を十分に把握できるようにすることが重要。このため、処遇改善請求等の権利内容についても説明するとともに、患者がその内容 を把握できない状態にある場合は、再度説明を行う必要がある旨を明らかにするべき。

E こうしたプロセスを確保し、隔離・身体的拘束を最小化するための診療報酬上の 取扱いを含む実効的な方策を検討するべきである。
F 検討会では、上記の他、重度訪問介護を利用している障害支援区分6の入院中の 患者は、24 時間見守り、意思決定支援、コミュニケーション支援を内容とする重度 訪問介護の活用が可能となっている。さらに入院中の利用者の状態像や支援ニーズ 等に関するデータ等の収集を行い、入院中の重度訪問介護の利用によるコミュニケ ーション支援等の必要性を判断する基準や指標等を検討する必要があるとの意見が あった。

4−7 精神病床における人員配置の充実について
(1)歴史的経緯
→わが国の精神医療行政⇒精神病院法(大正8年制定)により、公的精神病 院を設置する考え方が初めて明らかにされたが、公立精神病院の設置が進んでいない状 況もあり、民間の代用精神病院制度が設けられた(注1・2)。 注1 代用病院制度:精神病院法では、⑴内務大臣は道府県に精神病院の設置を命じることができ、道府県が設置した精神病院は地方長官の具申によって当該命令により設置したものとみな すことができる、⑵内務大臣は⑴の精神病院に代用するため私立精神病院を指定することがで きる(代用精神病院)とされた。 注2 昭和6年には、患者総数7万余人に対し、収容人員は 1.5 万人程度(うち公立精神病院:0.2 万人程度、私立精神病院:1万人程度)とされている。
戦後、精神衛生法(昭和 25 年制定)により、精神病院の設置が都道府県に義務付け られたものの、昭和 29 年7月の全国精神障害者実態調査によって、精神障害者の全国 推定数は 130 万人、うち要入院は 35 万人で、病床はその 10 分の1であった。 このため、同年、精神衛生法が改正され、民間精神病院の設置・運営に要する経費の 国庫補助の規定が設けられ、民間病院を中心とした病院・病床の整備が進められた。5 年後の昭和 35 年には約 8.5 万床に達する等、精神障害者に対する医療保護の充実が図られた。 医療従事者の確保・養成が課題となる中、昭和 33 年には厚生事務次官通知(注1) が発出され、いわゆる「精神科特例」として、精神科病院における配置標準(注2)⇒医師は他の病床の3分の1、看護師は他の病床の3分の2と規定された。 注1 厚生事務次官通知に関して、昭和 33 年各都道府県知事宛厚生省医務局長通知において、医師 の確保が困難な特別な事由があると認められるときは、暫定的にこれを考慮した運用も止むを得 ないことが示された。 注2 医療法上、人員配置標準を満たさない場合であっても、直ちに業務停止とは連動されておら ず、最低基準ではなく「標準」とされている。
こうした歴史的な経緯もあり、民間精神科病院⇒必ずしも十分とはいえな い基盤のもと、地域における過大なニーズに対応する役割を担ってきたとの指摘もあ る。


(2) 今後の取組
(人員配置の充実について)
→いわゆる「精神科特例」については、昭和 33 年の厚生事務次官通知により定められ ていたが、平成 13 年の医療法改正に伴い、当該通知は廃止。 医療法上、精神病床⇒一般病床・療養病床と異なり、病床種別上、機能が 細分化されていないという違いがある。 こうした中で、精神病床における人員配置標準⇒療養病床と同等の基準が 設けられているほか、診療報酬上、急性期の精神病床⇒一般病床と同程度の 医師・看護師の配置を求め、早期に退院できるよう促している。 「精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会」における平成 24 年の意見の整理でも、今後の方向性として、病床の機能に応じ、看護職員に加え、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士等の多職種の従事者による人員配置とする旨が示されている。 入院患者数の減少に応じて、精神病床について医療計画に基づき適正化を図っていくとともに、入院患者に対してより手厚い人員配置のもとで良質な精神科医療を提供できるよう、個々の病院の規模や機能に応じ、医師・看護職員の適正配置や精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師等を含む適切な職員配置を実現していくことが求められ る。

4−8 虐待の防止に係る取組
(1) 現状・課題
→医療機関の従事者による身体的虐待、性的虐待、精神的虐待、放棄・放置、経済的虐 待といった虐待行為はあってはならないものであるが、医療機関従事者による虐待事案 が現に発生している状況にある。こうした悪質な行為は潜在化させてはならず、精神科 医療機関⇒都道府県等を通じ、虐待行為の発生防止に加え、早期発見、再発 防止に向けた対応を行っている。 また、令和2年3月に報道された精神科病院における虐待事案を受け、 @ 精神科医療機関に対し、虐待事案の発生防止や早期発見の取組強化、事案が発生し た場合の都道府県等への速やかな報告を要請するとともに A 都道府県等が行う実地指導において虐待が疑われる事案の把握を強化し、虐待が強 く疑われる場合は、事前の予告期間なしに実地指導を実施できることとする等、指導 監督の徹底を図っている。

(2) 今後の取組↓
(障害者虐待防止法に基づく虐待防止措置の徹底)
→管理者のリーダーシップのもと、虐待行為の発生防止、早期発見、再発防止に向けた 取組を組織全体で推進し、より良質な精神科医療を提供することができるよう、虐待を 起こさないことを組織風土、組織のスタンダードとして醸成していくための不断の取組が重要。 こうした観点から、国においても、医療機関及び都道府県等に対して、障害者虐待防 止法第 31 条の虐待防止措置の取組例について周知を進め、虐待行為の発生防止、早期発 見、再発防止の徹底を図っている。 ○ 精神科医療機関の中には、病棟単位での倫理カンファレンスの実施、患者や家族の声 の傾聴等を通じて、虐待が起きないようにするための組織風土を醸成することにより、 虐待行為の潜在化防止を図る取組も見られることから、医療従事者による積極的な取組を行う現場づくりを実現していくことも重要。
虐待行為の潜在化を防ぐための仕組み)→他方で、医療機関は、障害者虐待防止法に基づく通報義務の対象とされておらず、通報者保護の仕組みが設けられていない。虐待の疑いを発見した精神科医療機関の職員等 が、行政機関への通報を躊躇し、悪質な虐待行為が潜在化することのないよう、通報義 務及び通報者保護の仕組みを設けることについて、制度上の対応を検討するべき。
こうした仕組みが整備されることにより、早期の通報が可能となり、虐待の被害がエスカレートすることを防ぐことが可能となる。さらに、通報を契機に精神科医療機関が 再発防止策を講じることが可能となり、より良質な精神科医療の提供に向けて、虐待を 起こさない組織風土の構築・徹底に資する効果も期待される。 具体的な仕組みのあり方については、検討会では、障害者虐待防止法を改正して設ける考え方と、精神保健福祉法を改正して設ける考え方について議論が行われ、双方を支持する意見があったが、いずれにしても、精神科医療機関における虐待行為の早期発見、 再発防止に資する実効的な方策となるよう、制度化に向けた具体的な検討を行うべき
(虐待防止委員会の開催等)→ 虐待が起きないための組織風土の構築にも資するよう、虐待防止委員会の開催、 虐待防止のための指針の整備、虐待防止のための研修の実施等についての規定を設ける ことを検討すべきである。 注 外部の第三者を活用するための方策の検討が必要である。

次回も続き「V 各論点 5.障害福祉サービス等の質の確保・向上について」からです。

社会保障審議会障害者部会(第131回) [2022年06月28日(Tue)]
社会保障審議会障害者部会(第131回)(令和4年6月2日)
《議事》(1)報告書(案) (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00058.html
◎資料 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて
〜社会保障審議会 障害者部会 報告書〜(案)
T はじめに↓

○ 令和3年3月、本部会は、障害者総合支援法等の施行状況等について議論を開始。 事業者団体、当事者団体等の 46 団体からヒアリングを行うとともに、ヒアリング後には 令和3年末までに計 13 回にわたって障害者総合支援法等の施行状況や施策の見直しに 関する議論を行ってきた。
○ 以上のような経過を経て、関連する審議会等の議論の進捗状況を踏まえつつ、本部会 においては令和3年 12 月 16 日に下記の方針をまとめ、中間整理を公表。 ⇒(1)一定の方向性を得るに至った障害児支援に関する論点については必要な措置を講じていくべき。 (2)また、それ以外のさらに議論が必要な事項→引き続き本部会における議 論を継続し、来年(令和4年)半ばまでを目途に最終的な報告書をとりまとめること を目指す。
○ その後、上記(1)の論点⇒令和4年3月に対応する児童福祉法の改正法案 が第 208 回通常国会に提出された。一方で、上記(2)の引き続き本部会における議論 を継続するとされた論点⇒令和4年3月より最終的な報告書のとりまとめに向けた議論を再開し、各論点について一層議論を深めてきた。また、障害者雇用率制度をはじめとした諸制度や施策⇒本部会と並行して、労働政策審議会障害者雇用分科会において議論されており、その状況が報告された。この間、とりまとめに向け た議論も含め、計●回にわたって障害者総合支援法等の施行状況や施策の見直しに関する議論を行った。
○ 令和3年 10 月に地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討 会が設置され、「精神障害者等に対する支援」について●回にわたり議論が行われてきた。この議論の状況⇒令和4年4月及び同年6月に本部会において報告・議論され、今後の方向性について本報告書にとりまとめた。
○ 以上のような審議経過を経て、ここに障害者総合支援法及び児童福祉法改正後3年を 目途とする見直しの議論を本部会としてとりまとめる。政府には、本報告書に基づく今後の対応として、関係法令等の改正や次期報酬改定等について検討を進め、可能な限り 早期に実現するよう取り組んでいくことを求める。 なお、今回の障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しの後、今後の障害者部会に おける議論に当たっては、障害福祉施策に関する各論点のみならず、制度や障害福祉サービス等の在り方そのものに関する中長期的な議論をいかに進めていくべきか、が課題 である。

U 基本的な考え方→「1.障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり」、「2.社会の変 化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応」、「3.持続可能で質の高い障害 福祉サービス等の実現」の3つの柱に整理。意思決定の支援に配慮しながら当事者自身の言葉や発信をそのままに受け止め、当事者の目線を大切に取り組み、地域住民の障害理解も促進していく。本年 8月には国連・障害者権利委員会による対日審査が予定されており、今後もこうした国際 的な動き、障害者基本法など関連する国内法の動きに対応する見直しが求められる。
1.障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり
(1) 障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実
→どの地域においても安心 して地域生活を送れるよう、本人の意思を尊重すること、個々の障害者の支援の必要性に即することを基本と した総合的な支援を進めていく
(2) 地域共生社会の実現→「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」)」
(3) 医療と福祉の連携の推進→福祉と医療の両面からの支援・マネジメントが重要
(4) 精神障害者の地域生活に向けた包括的な支援→精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしい 暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、就労等の社会参加、 地域の助け合い、教育・普及啓発が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域 包括ケアシステム」の構築をさらに推進する必要。

2.社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応
(1) 障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築→障害特性や保護者の障害受容等に十分配慮しな がらも、早期発見・早期支援を重視。さらに、障害児への支援にあたっては、居 宅における介護に係る支援も含め、個々の状況に応じた適切な支援の提供が図られる ようにしていく必要がある。
(2) 障害者の多様なニーズに応じた就労の促進

3.持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現→障害福祉人材の確保・育成⇒管理者やサービス管理責任者等への専門職(社会福祉士、介護福祉士等)の任用や職員の研修の状況等を把握しつつ、必要な人 材の確保、サービスの質の向上を図っていく必要がある。

V 各論点について
1.障害者の居住支援について

(1) 現状・課題
(2) 今後の取組
(重度障害者の支援体制の整備)
→注 令和4年度において、更に強度行動障害や高次脳機能障害を有する者の評価の在り方について 検討予定。
○グループホーム→医療的ケア、強度行動障害、高次脳機能障害等の特性に対 応できる専門性を持つ人材配置を推進するための方策について検討する必要がある。強度行動障害の点数が特に高い者や高次脳機能障害を有する者など特に支援が必要な者を 評価するための基準を検討した上で、報酬上の評価や支援体制の在り方について検討すべき。(※)
○また、令和5年度末までの経過措置とされているグループホームにおける重度障害者 向けの個人単位の居宅介護等の利用→令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の影響や重度障害者に対する必要な支援を確保する観点から恒久化すべきとの意見等を 踏まえつつ検討すべき。(※)
○グループホームや在宅で状態が悪化した強度行動障害を有する者に対し、環境を一時的に変えて、適切なアセスメントや環境調整を行った上で、本人の特性に合 うよう環境調整した元の住まいや新たな住まいに移行するための集中的支援をグループ ホーム、障害者支援施設等で当該支援を行うための具体的方策について検討すべき。(※)
(地域生活支援施策の充実)↓
○地域生活支援拠点等→地域生活の安心の確保を図るための緊急時の短期入所の受入体制の整備を図るとともに、入所施設や精神科病院等における地域移行のニーズの把握と働きかけの実施、地域移行支援や体験利用へのつなぎなどの地域移行の推進 に向けた役割を担うことが重要。地域生活支援拠点等及び基幹相談支援センター の機能の明確化や、役割分担の在り方を検討するとともに、地域生活支援拠点等にこう した役割を担うコーディネーターについて、その必置化を求める意見があったことも踏 まえ、配置の促進やスキルアップや養成に向けた方策を検討すべき。(※) また、地域生活支援拠点等については、基幹相談支援センター、グループホーム、障害者支援施設、宿泊型自立訓練、短期入所など、地域の社会資源の活用による効果的な支援 体制の整備を推進するとともに、福祉だけでなく、医療、行政などの関係機関との連携も 含めた 24 時間の連絡体制の整備を推進していく方策やその支援の在り方を検討する必要がある。 あわせて、権利擁護や災害への対応を担う行政等の関係機関との連携について検討す ることも重要。

(グループホームにおける障害者が希望する地域生活の継続・実現)
<居住支援におけるこれからのグループホームが果たす役割>

<グループホームにおける一人暮らし等の希望の実現に向けた支援の充実>
○グループホームにおいて、利用者が安心して暮らすための支援を行うとともに、指定 基準(省令)において、本人が一人暮らし等を希望する場合の一人暮らし等に向けた支 援の充実を検討すべき。(※) @ 入居中の一人暮らし等に向けた支援の充実(サービス管理責任者が一人暮らし等に向けた目標や支援内容等に関する計画を作成 した上で、一人暮らし等に向けた支援を行った場合に報酬上の評価を検討すべき。(※)その際、報酬の評価に当たって特別な人員配置を要件とするのではなく、一 人暮らし等を希望する者に対して幅広く支援ができる仕組みとすることも考えられる。) A 退居後の一人暮らし等の定着のための支援の充実(グループホームの事業者が退居後に一人暮らし等の地域生活の定着に向けた見守り や相談等の支援を一定期間実施できるよう、退居後における見守りや相談等の支援に ついての報酬上の評価を検討すべき。(※))
○障害者が希望する地域生活の実現に向けた多様な選択肢を設ける観点から、指定基準 (省令)において、本人が希望する一人暮らし等に向けた支援を目的とする新たなグル ープホームのサービス類型を検討すべきである。(※)
○また、新たなグループホームのサービス類型の創設の方向性について賛成との意見が ある一方で、経営の難しさ、利用期間や成果主義に陥る危惧が懸念されることから現行 のグループホームの支援の充実を優先すべき、人口減少社会における新たな資源投入は 慎重に検討すべき、地方で実施検証してから全国展開が望ましい等の意見があった。 これらの意見を踏まえ、現行のグループホームの支援の充実を図るとともに、事業所 指定や人員配置など、新たなグループホームのサービス類型の細部については、先行事 例や地方における事業運営、経営面における課題等も踏まえ、調査研究事業等を実施す るとともに、グループホームにおける重度障害者向けの必要な支援についての検討も踏 まえ、当事者等の声を丁寧に聴きながら、地域の課題を抽出しつつ検討を進めるべきで ある。(※)
○また、適切かつ効果的な事業運営を確保する観点から、⇒支援に当たっては、個々の課題を踏まえた一人暮らし等に向けた支援計画を作成し、一定期間の中で一人暮らし等に向けた支援を実施するとともに、退居後に地域生活に 定着するための相談等の支援を実施。 人員配置⇒サービス管理責任者に専門職(社会福祉士・精神保健福祉士等)を常勤で配置することやピアサポーターの活用の評価。一定の利用期間を設定した上で対象者の状況に応じて更新が可能な仕組みとするとともに、新たなグループホーム事業者の責務として、一人暮らし等が難しい場合には 継続的な支援を行うグループホームへの移行支援を実施することについての義務化。事業所指定に当たって運営方針等に係る協議会等への事前協議の実施や、定期的な 運営状況の報告の義務化。報酬⇒人員体制や支援プロセスを重視した評価とすることや地域生活への 定着状況について適切に評価 すること等について、丁寧に検討すべき。(※)
(障害者支援施設の在り方)
<障害者支援施設における重度障害者等の支援体制の充実> ↓

○ 障害者支援施設では、これまでも強度行動障害や医療的ケアのある方など様々な障害 者に対する支援を実施しているが、個々の利用者に対する支援の質の向上に向けて、ユ ニット化や個室化など適切な個別支援に向けた必要な生活環境の把握を進めるととも に、障害者支援施設が果たしている専門的な支援等における役割を踏まえ、現行の人員 配置や支援内容に対する報酬上の評価等について検討すべき。(※)
<地域移行の更なる推進>
<障害者支援施設の計画相談支援のモニタリング頻度等>
<障害者支援施設と地域の関わり>

2.障害者の相談支援等について
(1) 現状・課題
(2) 今後の取組→(分かりやすくアクセスしやすい相談支援体制)(相談支援専門員やピアサポーターの業務の在り方等)(相談支援事業の中立・公正性の確保)(基幹相談支援センターの更なる設置促進)(基幹相談支援センターが果たすべき役割等)(「地域づくり」に向けた協議会の機能の強化と活性化)

3.障害者の就労支援について
(1) 現状・課題
(2) 今後の取組
(就労を希望する障害者への就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化)
→<基本的な考え方><就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの対象者><就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの内容→各地域の実情を踏まえた実施が図られるよう留意><就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの実施主体等について><就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスを含めた就労支援に関する手続き等について>
(一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用)→<基本的な考え方→週 10 時間〜20 時間未満程度から段階的に勤務時間を増やしていく場合や休職か ら復職を目指す場合><一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用の期間→利用期間は原則3〜6か月以内、延長が必要な場合は合計1年まで。休職から復職を目指す場合2年間上限><適切な支援の実施が図られるための具体的な方策について>
障害者の就労を支えるための雇用・福祉施策の連携強化等に関する取組)→ <障害者の就労支援に携わる人材の育成→基礎的研修の運用開始後の状況や限られた財源状況等も踏まえながら就労継続支援A型及びB型事業所を含む就労系障害福祉サービス事業所の全ての支援員の受講を必須とすること等について、今後、検討を進めていく>
<企業等で雇用される障害者の定着支援の充実>↓
○企業等で雇用される障害者の定着を図る観点から、⇒就労定着支援事業→最大3年間の支援期間内における就労定着を図る だけでなく、この事業による生活面の支援がなくても一人の職業人として就労定着できる状態を目指して、本人や企業等と現状や方向性を確認しながら、本人が課題 解決のスキルを徐々に習得できるように、本人の主体的な取組を支える姿勢で支援 するとともに、支援の状況を企業等に共有することを通じて、本人の障害特性に応 じた合理的配慮の検討など、企業等における雇用管理に役立つものとなるよう取り 組むこと。就労定着支援事業の利用前後の期間等において定着に向けた支援を担う就労移行 支援事業所等や障害者就業・生活支援センター事業との役割の違いを踏まえて連携 することや、現行の仕組みでは就労移行支援事業等が支援することとしている一般 就労移行からの6か月間において、本人や地域の状況などを踏まえて、就労定着支 援事業を活用すること。 などに関する方策について、就労定着支援事業の支援の実態について把握を進めた上 で検討すべきである。(※)
○ また、就労定着支援事業の提供体制の現状を踏まえ、就労移行支援事業等の障害福 祉サービスを経て企業等に雇用された者が、就職後の定着に向けて地域において必要 な支援を受けられる環境整備を図る観点から、就労定着支援事業の実施主体に、障害者就業・生活支援センター事業を行う者を加えることを検討すべき。(※)
○ その検討にあたっては、地域の中で補助的な役割を果たすものとすることが適当であるため、⇒既存の就労定着支援事業所の状況や今後の新設の見込み等の地域における実情や ニーズを踏まえて連携を図ること。障害者就業・生活支援センター事業の実施により蓄積されているノウハウ等を十分に活用できるよう配慮すること。障害者就業・生活支援センター事業本体の運営に支障が生じることがないよう配 慮すること。 などの観点に十分に留意して検討すべき。(※)
<地域の就労支援に関するネットワークの強化> ○ 多様な障害特性のある方の就労が進展するとともに、特別支援学校卒業時に一般就 労を選択する方が増えるなど、働く障害者が増加する中で、福祉分野のみならず、企 業を含めた雇用分野、学校等の教育分野等の幅広い関係者の連携による支援を充実さ せる必要がある。このため、必要な財源の確保について検討しつつ、障害者就業・生活支援センター⇒地域の実情に応じて、 地域の就労支援機関に対するスーパーバイズ(個別の支援事例に対する専門的見地か らの助言及びそれを通じた支援の質の向上に係る援助)や困難事例の対応といった基幹型の機能も担う地域の拠点としての体制の整備を進めていく必要がある。
<就労継続支援A型の在り方や役割の整理>
○これまでの経緯や、就労継続支援A型の利用者・事業所や支援内容が多様であることを踏まえれば、就労継続支援A型の在り方や役割としては、障害者の稼得能力だけ でなく、障害特性等を含め、一般就労が難しい障害者に就労や訓練の機会を適切に確 保するための事業であることが求められる。今後、さらに実態の把握を進 めながら、一般就労への移行も含めた利用者のニーズに沿った支援の提供や十分な生 産活動の実施が図られるように、具体的な方策を講じていくことを検討すべきである。(※)
○ その際、A型における支援の質の向上や生産活動の活性化を促す観点から、⇒スコア方式の導入後の状況を検証・分析した上で、より充実した支援や生産活動に取り組む事業所を的確に評価できるようにするために、どのような評価項目や評 価点を設定することが考えられるか。経営改善計画の作成等の措置によっても早期の改善にはつながっていない事業所 があることを踏まえて、特に、複数年にわたって経営改善計画の対象となっている 事業所に対して、どのような実効性のある対応を図ることが考えられるか 等について検討すべき。(※)
<重度障害者等に対する職場や通勤等における支援>→重度障害者等の就労の促進を図るため、職場や通勤等における支援を必要と する方の利用がさらに拡がるよう、事業の利用が進まない背景の検証や利用事例に関 する情報収集などを含めて、その実施状況を踏まえながら、特別事業の周知や必要な 運用改善を行う。

次回も続き「V 各論点について 4.精神障害者等に対する支援について」からです。

社会保障審議会障害者部会(第129回) [2022年05月23日(Mon)]
社会保障審議会障害者部会(第129回)(令和4年5月16日)
《議事》(1)議論の整理 (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00056.html
◎参考資料
○障害者の数→障害者の総数964.7万人、人口の約7.6%に相当。 そのうち身体障害者436.0万人、知的障害者109.4万人、精神障害者419.3万人。 障害者数全体は増加傾向にあり、また、在宅・通所の障害者は増加傾向となっている。
○障害者総合支援法等における給付・事業
○障害福祉サービス等の体系(介護給付・訓練等給付)
○障害福祉サービス等の体系(障害児支援、相談支援に係る給付)
○障害福祉サービス等に関する公費負担及び利用者負担
○障害福祉サービス等予算の推移


1.障害者の居住支援について
○障害者の地域生活支援施策の充実(検討の方向性)
→障害者が希望する地域生活の実現及び継続を支援するため、障害者の地域生活支援 施策の充実・強化を検討。
○グループホームの概要→障害のある方が地域住民との交流が確保される地域の中で、家庭的な雰囲気の下、共同生活を営む住まいの場。1つの住居の利用者数の平均は6名程度。
○グループホームの運営及び支援内容等の実態把握のための調査 (令和3年度障害者総合福祉推進事業)→1〜3まで。
○グループホームにおける一人暮らし等の希望に対する支援の充実(検討の方向性)→一人暮らし等を希望する利用者に対する一人暮らし等に向けた支援や退居後の一人暮らし等の定着のための相談等の支援が含まれる点を明確化。あわせて、障害者が希望する地域生活の実現に向けた多様な選択肢を設ける観点から、指定基準(省令)⇒本人が希望する一人暮らし等に向けた支援を目的とする新たなグループホームのサービス類型を検討。
○地域生活支援拠点等の整備・機能の充実(検討の方向性)→地域生活支援拠点等は地域生活の安心の確保を図るための緊急時の短期入所の受入体制の整備とともに、入所施設や病院から地域移行を推進するための地域移行のニーズの把握や体験利用につなげる役割が重要。 法令上の努力義務化の検討とあわせ、中心的役割を担うコーディネーターの配置の促進や、スキルアップや養成に向けた方策を 検討。あわせて、効果的な支援体制を確保する観点から、基幹相談支援センター等の関係機関との整理を検討。
○地域生活支援拠点等の全国の整備状況について(令和3年4月1日時点)→令和3年4月1日時点で、921市町村において整備。(全国の自治体数:1741市町村) ※令和2年4月1日時点整備状況 469市町村

2.障害者の相談支援等について
○相談支援の流れ(イメージ)
→本人の希望する暮らしのイメージ形成や実現に伴走。
○現行の相談支援体制の概略→基幹相談支援センターなどの概略。
○現行の基幹相談支援センターの役割のイメージ→総合的な相談業務(身体障害・知的障害・精神障害)及び成年後見制度利用支援事業を実施、地域の実情に応じて(P19)の業務。
○基幹相談支援センターの設置状況について→設置状況(経年比較)と各県設置率。
○自立支援協議会の概要→平成25年4月の障害者総合支援法の施行により、自立支援協議会の名称について地域の実情に応じて定められるよう弾力化、当事者及びその家族の参画が明確化された。都道府県及び市町村は、障害福祉計画を定め、又は変更しようとする場合、あらかじめ、自立支援協議会の意見 を聴くよう努めなければならないとされている。
○市町村協議会の主な機能→自立支援協議会は、地域の関係者が集まり、個別の相談支援の事例を通じて明らかになった本人・家族・地域の課 題を共有し、その課題を踏まえて地域のサービス基盤の整備を着実に進めていく役割を担っている。
○障害者の地域移行・地域生活を支えるサービスについて→地域生活への移行に向けて、地域移行支援・自立生活援助・地域定着支援を組み合わせた支援を実施。地域移行支援【支給決定期間6ヶ月間】。自立生活援助【標準利用期間1年間】。地域定着支援【支給決定期間:1年間】
○自立生活援助 ※平成30年4月〜→対象者@〜Bまで。サービス内容→一定の期間(1年間※)※ 市町村審査会における個別審査を経て必要性が認められる場合は、更新可能
○自立生活援助の利用者数実績等→「障害福祉計画における見込量と実績」「障害別利用者数の推移」「都道府県別利用者数(R3.4)」

3.障害者の就労支援について
○就労支援施策の対象となる障害者数/地域の流れ
→一般就労への移行の現状⇒@ 特別支援学校から一般企業への就職が約30.7%。就労系障害福祉サービスの利用が約32.1% A 就労系障害福祉サービスから一般企業への就職は年々増加し、令和2年は約1.9万人が一般 就労への移行を実現。
○障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス→「就労移行支援事業 (規則第6条の9)」「就労継続支援A型事業(規則第6条の10第1項)」「就労継続支援B型事業(規則第6条の10第2項)」「就労定着支援事業 (規則第6条の10)」
○就労を希望する障害者の就労・障害福祉サービスの選択に係る支援の創設 〜専門的なアセスメントと本人中心の就労選択の支援(就労選択支援 [仮称])〜→イメージ(就労継続支援B型のケース)⇒新たなサービス を法令上位置づ ける→改善@専門的な支援 を受けることが可能。改善A本人にとって、より適切に就労・障害福 祉サービスを選択することが可能。改善B B型利用後も、希望に応じて新たなサー ビスを受けることができ、就労ニーズや 能力等の変化に応じた選択が可能。
就労を希望する障害者の就労・障害福祉サービスの選択に係る支援の創設 〜専門的なアセスメントと本人中心の就労選択の支援(就労選択支援 [仮称])〜→イメージ(就労継続支援A型のケース)⇒就労する事 業所とは異 なる事業所 がアセスメ ントを実施→改善@改善A改善B⇒職場等の選択の自由。
○新たなサービス(就労選択支援[仮称])創設後の利用の流れ(概要)→イージ(新たなサービスを就労開始時に利用する場合)⇒本人と協同して作成したアセスメント結果を支給決定等において勘案
○一般就労中の企業における支援と就労系障害福祉サービスの一時的な利用による 支援の連携による効果@→一般就労への円滑な移行のための就労系障害福祉サービスの一時 的 な利用⇒一時利用⇒6ヶ月間の 定着支援⇒就労定着 支援へ。
○一般就労中の企業における支援と就労系障害福祉サービスの一時的な利用による 支援の連携による効果A→就業中⇒療養⇒一時利用⇒6ヶ月間の 定着支援
○就労系障害福祉サービスの利用段階から 一般就労への移行、定着段階における支援策のイメージ→今後可能 とする 支援策 (案)⇒生活面等の相談→改善点@ 定着支援のみでは対応し難い、 訓練等による課題解決が並行し て実施。改善点A リアルタイムに把握した状 況を踏まえて時間延長の調 整をし、課題発生時にはタ イムリーな対応が可能に。

4.障害福祉サービス等の質の確保・向上について
○サービスの質の評価に関する規定

・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関 する基準(平成18年厚生労働省令第171号)(抄) (指定居宅介護の基本取扱方針) 第二十四条→2 指定居宅介護事業者は、その提供する指定居宅介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。
・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等の事業等の人員、設備及び運営に 関する基準について(平成18年12月6日障発第1206001号)(抄)→(14) 指定居宅介護の基本取扱方針(基準第24条)→提供された指定居宅介護については、目標達成の度合いや利用者の満足度等について常に評価を行うとともに、居宅介護計画の見直 しを行うなど、その改善を図らなければならない。
・障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成18年厚生労働省告示第395号)(抄)→ 4 指定障害福祉サービス等及び指定通所支援等に従事する者の確保又は資質の向上並びに指定障害者支援施設及び指定障害児入所施 設等の施設障害福祉サービスの質の向上のために講ずる措置⇒、国、都道府県、市町村及び指定障害福祉サービス 等支援の事業者は、指定障害福祉サービス等支援に係る人材の養成、提供されるサービスに対する第三者による評価等を総合的に推進 することが重要である。(一)(略) (二)指定障害福祉サービス等支援の事業者に対する第三者の評価
○サービスの質の向上・評価に向けたこれまでの取組→「質に関するアプローチ手法について」「これまでの障害福祉サービスにおける評価の取組」
○障害福祉分野における質の評価・向上のための取組→事業者の自主的な取組に委ねられている。
○障害福祉サービス等情報公表制度の概要→事業者によるサービスの質の向上が重要な課題。このため、平成28年5月に成立した障害者総合支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律において、利用者による個々の ニーズに応じた良質なサービスの選択に資すること等を目的として、@事業者に対して障害福祉サービスの内容等を都道府県知事へ報告することを求めるとともに、A都道府県知事が報告された内容を公表する仕組みを創設した。(平成30年4月施行)。
○障害福祉サービス等情報公表制度の公表事項@→基本情報⇒1〜5まで。
○障害福祉サービス等情報公表制度の公表事項A→運用情報⇒ 6.事業所等運営の状況→利用者本位の障害福祉サービス等の質の確保のために講じている措置(「重度の肢体不自由等の常時介護を要する利用者に対 するサービスの質の確保のための取組の状況」等)。
○障害福祉分野におけるデータ基盤の整備→将来的にサービスの質の更なる向上等を図る観点も含め、障害福祉計画の作成、実施及び評価並びに障害者の動向の把握等に資する ため、障害福祉分野においても、介護分野のデータベースに相当するデータ基盤を整備することが必要。その際、自治体からのデータ提供の 根拠や匿名化した情報の取扱いに関する規定など介護保険法と同様の仕組みを設けるべき。
○(5)実地指導等の効率化・標準化の推進について 障害保健福祉関係主管課長会議<令和4年3月16日監査指導室>より抜粋→実地指導は「監査」とは異なり、事業者等の育成・支援を基本とし、サービスの質の確保及び適正な給付費の請求等を促 すことを目的として実施されるものであり、各事業者等における利用者の生活実態、サービス提供状況、各種基準の適合状 況等を直接確認しながら気づきを促すなど、よりよいケアの実現を図るために有効な取組みである。 しかしながら、事業所が年々増加傾向にある中で、都道府県等の実地指導の実施率は、新型コロナウイルス感染症の感染 状況の影響もあるが低調であることから、指定の有効期間(6年)内に一度も実地指導を受けていない事業所が一定割合存 在する。効率化等の運用指針は、こうした状況等を背景に、「標準確認項目」や「標準確認文書」等を定めることで実地指導等に おける効率化を図り、事業者側・行政機関側双方の事務負担を減らすことを目指すとともに、また効率化等の結果として、 より多くの事業所等を実地指導することにより、@不適正事案等の防止、A利用者の保護、Bサービスの質の確保・向上に 繋げていくことを目的としている。 厚生労働省としては、少なくとも指定の有効期間内に2回は実施指導が行われることが望ましく、長期間にわたり実地指 導を受けない事業所が多く存在することは、ひいてはサービス利用者の不利益等に繋がる可能性が高いと考えている。 ついては、各自治体におかれては、効率化等の運用指針に基づき、より積極的な実地指導の実施をお願いするとともに、 特に指定の有効期間内に1回も実地指導を受けていない事業所に対しては、事業所の基準違反等の未然防止を念頭に、サー ビスの質の確保及び利用者保護のため積極的に実施されたい。
○<参考1:実施指導の効率化等の概要>障 害福祉サービス事業所等に対する実地指導の効率化・標準化の概要(文書量削減に向けた取組関係)→背景⇒@事業所等の業務負担(人材確保が厳しい中で、また専門人材がケアに集中し質を確保する等のため業務負担を軽減させることが重要)A自治体の業務負担や実施状況の差異(事業所が増加等する一方、限られた自治体の担当職員数でその役割を適切に果たすことができるために業務負担を軽減させることが重要)⇒実地指導の負担軽減策(効率化・標準化等)が必要→効率化・標準化案等の内容1〜7(その他の留意事項)の参照。 効果→サービスの質の確保・向上(よりよいケアの実現)利用者の保護 不適正事案等の防止
○<参考2:施設監査の効率化等の概要>障害者支援施設等に対する施設監査の効率化等の概要→背景⇒@自治体の業務負担や実施状況の差異(多くの施設等を所管する一方、限られた自治体 の担当職員数でその役割を適切に果たすことができるために業務負担を軽減させることが重要)A障害者支援施設の業務負担(人材確保が厳しい中で、また専門人材 がケアに集中し、質を確保する等のため、業務負担を軽減させることも重要)→効率化・標準化案の内容⇒1)〜6)参照。

5.制度の持続可能性の確保について
○障害福祉サービス等事業所の指定と障害福祉サービス等の支給決定
→計画相談支援等や大都市特例のケースを除き、それぞれの実施主体が異なっている。指定⇒都道府県。支給決定⇒市町村
○障害福祉サービス等事業者の指定における市町村の関与(イメージ図)→障害福祉サービス事業者の指定における条件付加の仕組み(検討中の改正後イメージ)@〜D参照。
D→付加できる条件の具体例(案)⇒4点あり。※ 市町村長は「障害(児)福祉計画との調整を図る見地」からの意見を申し出ることとしているため、地域のニーズを反映した 効果的な条件を付すためには、障害(児)福祉計画の策定に当たって、市町村ごとのニーズを具体的に盛り込んだ計画内容と しておくことが前提。
○障害福祉サービス事業所等におけるICT/ロボット等導入による生産性向上効果検証(令和4年度推進事業)→(事業の目的)「障害者本人のQOL向上への活用や障害福祉現場の業務効率化及び職員の負担軽減」「報酬上の評価や基準の見直し等」「各種記録や計画の作成、移乗介護等の介護業務、相談支援、自立生活援助等の地域生活を支援する業務等」の3つの視点について検討を進めるために、生産性向上効果検証を行うもの。
(事業の概要) ・障害福祉分野のロボット等導入支援事業 ・障害福祉分野のICT導入モデル事業 の2事業⇒実績報告から特に優良と思われる事例を抽出し、事業所に対する追加ヒアリング等を用いて具体的な生産性向上効果を定量的に測定。 ロボット等の導入による生産性向上効果の測定方法を検討するに当たっては、リハビリテーション専門職、福祉工学等の専門家による ワーキンググループを設置など、適切な助言をいただく体制をとる。
○障害福祉分野のICT導入モデル事業の概要→目的、内容、補助対象経費、事業スキーム参照。補助実績(令和3年度補正予算交付決定状況)→58自治体863事業所 ※導入内容については、ノートパソコンやタブレットの購入、通信環境(Wi-Fi)の基盤整備に関することが多い傾向にある。
○障害福祉分野のICT導入モデル事業により業務が効率化された事例→事例1〜事例5まであり。
○障害福祉分野のロボット等導入支援事業→【事業概要】障害福祉の現場におけるロボット技術の活用により、介護業務 の負担軽減等を図り、労働環境の改善、生産性の向上等を通じ て安全・安心な障害福祉サービスの提供等を推進するため、障 害者支援施設等がロボット等を導入するための費用について財 政支援を実施する。
○障害福祉分野におけるロボット等導入支援事業の活用事例→障害福祉分野におけるロボット等導入支援事業では、移乗介護や見守り・コミュニケーション機器を中心に、導入に要する費用 について財政支援を実施しており、その活用事例と効果の具体例⇒オムツ交換(移乗介護。排泄支援)に おける中腰作業の負担が軽減、職員の 腰痛も2割以上が改善。センサーの反応により寝返り、はみだ し、起き上がり、離床の動きが判別で きるため、起き上がり、離床時のみの 巡回に軽減。入浴支援で利用者満足度が 向上した。
○障害福祉分野の福祉・介護職員数の推移(推計値)→障害者自立支援法施行以降、障害福祉サービス等の利用者数は14年間で約3倍に増加。サービス量の増加に伴う障害福祉分野の福祉・介護職員数は14年間で約2倍となっている。
○障害福祉関係分野職種における労働市場の動向(有効求人倍率と失業率の動向)→有効求人倍率は、全職種より高い水準で推移
○これまでの障害福祉人材の処遇改善に係る取組について→@〜E参照。
○福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金→「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」(令和3年11月19日閣議決定)に基づき、障害福祉職員を対象に、賃上げ効果が継続され る取組を行うことを前提として、収入を3%程度(月額9,000円)引き上げるための措置を、令和4年2月から前倒しで実施するために必要な 経費を都道府県に交付。他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。
○処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)→新加算(福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算)参照。
○障害福祉のしごと魅力発信事業(地域生活支援事業、厚生労働省本省事業)→@ 障害福祉への就職を促すためのパンフレットや動画等を活用したWEB広告等による情報発信(実施主体:厚生労働省) A 障害福祉就職フェア等の開催(実施主体:都道府県、補助率:国50/100以内) 小中高生、福祉系大学の学生・教員、働く意欲のあるアクティブシニア等を主なターゲットとし、地域の福祉人材センター、ハローワーク、社 会福祉法人、企業、学校などの多様な関係団体と連携しつつ、障害福祉の就職フェア等を開催する。
○ハラスメントに関する事業者向けマニュアル等について→障害福祉の現場における利用者や家族等によるハラスメントの内容等を確認し事業者として取り組むべき対策を示すことを目的に本調査研究を実施、事業者向けマニュアル及び職員向けリーフレットを制作。
○障害福祉分野就職支援金貸付事業→令和4年度予算額:既存の介護福祉士修学資金等貸付事業の貸付原資で対応。⇒介護人材については、慢性的な人手不足に加え、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策や利用者が感染した場合の対応 等によって、障害福祉施設等における業務が増大し、人手不足が更に深刻化していることから、より幅広く新たな介護人材を確保 する観点から、他業種で働いていた方等の障害福祉分野における介護職としての参入を促進するため、返済免除付きの新たな貸 付事業「障害福祉分野就職支援金貸付事業」を創設する。※介護分野は地域医療介護総合確保基金における新規事業で実施。

6.高齢の障害者に対する支援について
○障害者の高齢化につい
て→障害者数全体は増加傾向、また障害者の高齢化が進んでいる。
・65歳以上の障害者の割合 46%→52%。↓
うち身体障害者の割合 62%→74% (平成18年→平成28年(在宅)30年(施設))
うち知的障害者の割合 4%→16% (平成17年→平成28年(在宅)30年(施設) )
うち精神障害者の割合 34%→39% (平成20年→平成29年)
○障害福祉制度と介護保険制度の適用関係の概要→65歳 まで障害福祉サービス。65歳 以降は介護保険サービスに 移行⇒個別の状況@A選択できる。参照のこと。
○共生型サービスの概要→介護保険法の訪問介護・通所介護・(介護予防)短期入所生活介護⇒障害者総合支援法若しくは児童 福祉法の指定を受けている事業所からの申請があった場合、「共生型サービス」として指定が可能。 ※ 共生型介護保険サービスの指定を受けている障害福祉サービス事業所数 117事業所(R2.10時点) 共生型障害福祉サービスの指定を受けている介護保険事業所数 739事業所(R2.10時点)。⇒利用者@A参照。
○高齢障害者の介護保険サービスの利用者負担を軽減する仕組み→障害福祉サービスを利用してきた方が、65歳という年齢に到達したというだけで利用者負担が増加してしまうという事態を解消するため、高額障害福祉サービス等給付費により利用者負担を軽減し、1割をゼロに(償還)【H28年度障害者総合支援法改正】。

7.障害者虐待の防止について
○障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の概要
→「目的」「定義」「虐待防止施策」参照。「検討」附則第2条→3年後の見直し。
○1.障害者虐待対応状況調査<養護者による障害者虐待> 経年グラフ→令和2年度の養護者による障害者虐待の相談・通報件数は6,556件、令和元年度から 増加(5,758件→6,556件)。  令和2年度の虐待判断件数は1,768件、令和元年度から増加(1,655件→1,768件)。   令和2年度の被虐待者数は1,775人
○2.障害者虐待対応状況調査<障害者福祉施設従事者等による障害者虐待> 経年グラフ→令和2年度の障害者福祉施設従事者等職員による障害者虐待の相談・通報件数は2,865件 であり、令和元年度から増加(2,761件→2,865件)。  令和2年度の虐待判断件数は632件であり、令和元年度から増加( 547件→632件) 。  令和2年度の被虐待者数は890人。
○令和3年度 障害者虐待防止法に基づく対応状況調査結果(令和2年度分) 抜粋 「相談通報件数」に対する「事実確認調査を行った件数」及び「虐待と判断した件数」の割合↓
図1:養護者による障害者虐待における、「相談・通報・繰越件数」と「事実確認調査を行った事例」の比較
図2:養護者による障害者虐待における、「相談・通報・繰越件数」と「虐待判断件数」の比較      それぞれ参照のこと。 

8.地域生活支援事業について
○地域生活支援事業等について
→障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、 地域の特性や利用者の状況に応じ、実施主体である市町村等が柔軟な形態により事業を計画的に実施。
○地域生活支援事業費等補助金の主な見直し内容(令和4年度予算額)→地域生活支援事業費等補助金 518億円 (令和3年度予算額 513億円)。主な見直し内容→「地域生活定着支援センターとの連携強化事業」【新設】(市町村事業:任意事業)⇒障害により自立した生活を営むことが困難な起訴猶予者等の抱える課題等を把握し、地域において孤立を解消するための支援や適切なサービスの コーディネートを行う者を市町村に配置し、地域生活定着支援センターとの連携の強化を図る。
○(令和4年度予算)地域生活支援事業(市町村事業)→必須事業(10事業)と任意事業(日常生活支援、社会参加支援、就業・就労支援)あり。
○(令和4年度予算)地域生活支援事業(都道府県事業)→必須事業(1〜5)と任意事業(1〜6まで)あり。
○(令和4年度予算)地域生活支援促進事業→都道府県事業1〜26まで。市町村事業→1・4・9・12・18・23・26・27。

9. 意思疎通支援について→意思疎通支援者の養成・派遣の概要→ 聴覚、言語機能、音声機能、視覚、失語、知的、発達、高次脳機能、重度の身体などの障害や難病により、意思疎通に支障がある障害者等とその他 の者の意思疎通を支援するため、手話通訳者、要約筆記者等の派遣や養成等を実施する。 市町村や都道府県が実施する派遣や養成の事業については「地域生活支援事業」(※)の事業に位置づけられている。 (※)地域の特性や利用者の状況に応じ、実施主体が柔軟な形態により様々な事業を実施する(令和4年度予算(案):518億円 補助率50/100以内)
○意思疎通支援従事者確保等事業(令和4年度予算新規事業)→意思疎通を図ることに支障がある障害者等とその他の者を支援する意思疎通支援従事者の高齢化の影響等による人材不足の状況や、近 年のデジタル技術の進展に伴いICT機器の利活用が進められる中で、専門的な技能を有する若年層の人材確保や障害者等のICT機器の利 用支援を図ることが急務となっている。 このため、意思疎通支援従事者の確保を図ることを目的として若年層に対して意思疎通支援従事者への関心を高め、意思疎通支援事業 等の分野への参入促進や意識変容を図るために工夫を凝らした広報・啓発活動の展開及び意思疎通支援従事者を活用して障害者等への支 援を行う事業者の情報収集・発信等や、障害者等のICT機器の利用支援を図ることを目的としてICTサポートセンターの活動を支援する拠点の設置等の事業を実施。事業イメージ→@意思疎通支援従事者の確保事業A障害者等のICT機器利用支援事業⇒それぞれ事業実施団体を選定済み。
○聴覚障害者情報提供施設における支援の在り方に関する調査研究→令和4年度公募中。平成2年に制度化された聴覚障害者情報提供施設について新たなニーズを踏まえた支援が提供されるよう広く普及するとともに今後見直しが行われる場合の参考資料に活用する。
○手話通訳に係る意思疎通支援従事者の養成についての研究→令和4年度公募中。平成10 年に策定された手話通訳者及び手話奉仕員に係る養成カリキュラムにつき、障害者総合支援法や障害者差別解消法の成立、ICT 技術の発達による電話リレーサービスや遠隔手話サービスの実施等、聴覚障害 者を取り巻く社会環境の変化を踏まえた改定に向けた基礎資料。
○代筆、代読に関する効果的な支援方法に関する研究→令和4年度公募中。代筆、代読についての普及に関する資料として、地方自治体や障害福祉サービス事業所等に広く周知する とともに、運用改善を行う場合の参考資料として活用する。

10. 療育手帳の在り方について
○令和3年度の療育手帳に係る研究成果の概要
→「療育手帳に係る統一的な判定基準の検討ならびに児童相談所等における適切な判定業務を推進させるための研究」 (厚生労働科学研究費補助金 研究代表者:辻井正次 令和2年度〜3年度(2カ年))
※最終的な研究報告書は、令和4年6月以降に公表される予定。
・令和2年度の主な成果⇒令和3年度の主な成果⇒療育手帳の基準の統一化を図るために必要であると示唆されたこと→5項目あり。
○障害者総合福祉推進事業の実施→令和4年度 障害者総合福祉推進事業に係る公募について(1次公募)<抜粋> (令和4年2月22日公表)
指定課題1:療育手帳その他関連諸施策の実態等に関する調査研究 →事業概要、想定される事業の手法・内容  参照。   期間: 令和4年度(単年度)
○厚生労働科学研究の実施→令和4年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(一次) 令和3年12月21日公表 障害者政策総合研究事業 GC−14 公募研究課題 <抜粋>
(1)研究課題名 療育手帳の交付判定及び知的障害に関する専門的な支援等に資する知的能力・適応行動の評価手法の開 発のための研究(22GC1401)
(2)目標 全国の自治体が広く活用できる、知的能力・適応行動に関する簡便かつ効果的な評価手法の開発と検証を行うことを目標とする。
(3)求められる成果 ・ 全国の自治体が広く活用することが可能な、知的能力・適応行動に関する簡便かつ効果的な評価手法の 開発。 評価手法による判定結果と必要とされる支援の内容との関係性に関する、実際のデータに基づいた検証の実施。 評価手法の判定結果の専門的相談指導における効果的な活用方法についての整理。 開発した評価手法の活用方法に関する研修の実施。
研究実施予定期間: 最長3年間 令和4年度〜令和6年度

11. 医療と福祉の連携について
○医療的ケア児について
→医学の進歩を背景として、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や 経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。全国の医療的ケア児(在宅)は約2万人〈推計〉
○在宅の医療的ケア児者の現状→いわゆる「医療的ケア児」は、医療的ケアが必要な成人と状態像が異なる点があり、現在の医療的 ケア児に対しては、新たな状態像に対応した支援の検討が必要である。 また、現在、小児期にある医療的ケア児の成人期への移行を見据え、成人期の生活に対応した就労・住まいの場 の確保等を含めた支援のあり方についての中長期的な検討も必要である。
○障害福祉サービスにおける医療・看護の提供・連携体制→サービス類型⇒人員基準上の看護職員の配置、配置型の看護職員にかかる加算、連携型の看護職員にかかる加算一覧表。
○計画相談支援における連携に関する責務→計画相談支援事業者は、適切な相談支援が提供するため他機関との連携を図るよう努めることや、その上での具体的 な業務上の責務が定められている。障害福祉分野では利用者のニーズや心身の状況、ライフステージ等により連携を 求められる機関等が多様であることから、保健医療のみならず多様な分野との連携について責務が課されている。⇒計画相談支援事業を実施するに当たっての基本方針(第2条より抜粋)、指定計画相談支援の具体的取扱方針(第15条第2項より抜粋)参照。
相談支援専門員に求められる多職種連携→相談支援専門員は保健、医療、福祉、就労支援、教育等の機関や事業者との連携を図る必要。そのためには、個別の利用者の支援における連携のほか、その連携を可能とするような地域の基盤構築にも取り組む必要がある。
○入退院時についての医療と福祉の連携と報酬上の評価→入退院時に医療機関と福祉事業者の情報連携(文書等による情報の提供、収集)や協働による支援の検討(カンファレンスの開催や参加)等の連携を推進するため当該業務について相互に報酬上評価を行っている。
○市町村における医療的ケア児支援の仕組み(第2期障害児福祉計画との関係)イメージ→医療的ケア児支援体制整備の推進⇒目標1【医療的ケア児支援の協議の場の設置※2,3】保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関による連携。目標2【医療的ケア児等に関するコーディネーターの配置※2,4】
○入院中の重度障害者に係る医療と福祉の連携(イメージ)→利用者の普段の状態像・支援ニーズや入院中の個々の利用者の 症状に応じたコミュニケーション支援の方針・方法等について、関係者間で情報を共有するためのフォーマットの作成など、より円滑な連携 に向けての検討が必要。 また、入院時に重度訪問介護を利用する者にとって地域の医療機関における重度障害者の受入等に関する情報があれば有用。 医療と福祉の関係者が連携して、地域の医療機関情報をリスト化し、共有を図ること等の検討も必要。⇒医療と福祉の関係者連携の例(イメージ) 参照。
○重度訪問介護の訪問先の拡大(平成30年4月施行)→四肢の麻痺及び寝たきりの状態にある者等の最重度の障害者が医療機関に入院した時には、重度訪問介護の支援が受けられ なくなることからの事例があるとの指摘。⇒ ・体位交換などについて特殊な介護が必要な者に適切な方法が取られにくくなることにより苦痛が生じてしまう。・行動上著しい困難を有する者について、本人の障害特性に応じた支援が行われないことにより、強い不安や恐怖等による混乱(パニック)を起こし、 自傷行為等に至ってしまう。 このため、最重度の障害者であって重度訪問介護を利用している者に対し、入院中の医療機関においても、利用者の状態など を熟知しているヘルパーを引き続き利用し、そのニーズを的確に医療従事者に伝達する等の支援を行うことができることとする。「訪問先拡大の対象者」「訪問先での支援内容」⇒「改正後の訪問先」確認のこと。
○入院中の重度訪問介護の利用等に関する調査研究→障害者総合福祉推進事業により、入院中の重度訪問介護利用者のコミュニケーション支援の内容や支援の在 り方等についてとりまとめるとともに、入院中の重度訪問介護利用者の支援ニーズ等を踏まえて、入院中の コミュニケーション支援等の必要性を判断する基準・指標等を検討することとしている。
⇒入院中の重度訪問介護の利用に関する調査 研究(令和2年度)、入院中の重度障害者のコミュニケーション支援 等に関する調査研究(令和3年度)→調査研究の概要 参照。

次回は新たに「第9回健康・医療・介護情報利活用検討会資料」からです。

社会保障審議会障害者部会(第129回) [2022年05月22日(Sun)]
社会保障審議会障害者部会(第129回)(令和4年5月16日)
《議事》(1)議論の整理 (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00056.html
◎資料2 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(議論の整理(案))〜各論〜
1.障害者の居住支援について

○論点→障害者が希望する多様な地域生活の実現や継続するための支援を推進する観点から検討してはどうか。 1 重度障害者の支援体制の整備→ 強度行動障害、高次脳機能障害、医療的ケア、高齢化等に対応するための居住支援の在り方
・これまでの部会における御意見→13の意見。状態が悪化した強度行動障害を有する方へのグループホームや障害者支援施設等での集中的な支援について、現行のグループホー ムでは体制的になかなか難しい。日中サービス支援型グループホームの在り方や障害者支援施設との役割分担を併せてきちんと議論を 進めていく必要がある。
・議論を踏まえた方針(案)→特に、 地域における住まいの場であるグループホームにおける重度障害者の支援体制の整備が課題。これまで、強度行動障害や高次脳機能障害を有する者に対する支援に関する調査研究の実施などを踏まえ、今後、グループホームや入所施設の役割を含め、強度行動障害、高次脳機能障害、医療的ケア、高齢化等に対応する ための居住支援の在り方について、以下の論点について検討する必要がある。⇒(グループホーム・障害者支援施設の役割の検討)(グループホームにおける重度障害者の支援体制の整備→評価 するための基準を検討、令和5年度末までの経過措置の検討)(日中サービス支援型グループホームの在り方)(強度行動障害を有する者への集中的な支援)(重度障害者に対応できる専門的な人材の育成)(事業者指定や障害福祉計画の在り方)(障害特性に応じた施設・設備の整備)
○論点→障害者が希望する多様な地域生活の実現や継続するための支援を推進する観点から検討してはどうか。 2 地域生活支援施策の充実(自立生活援助・地域定着支援、地域生活支援拠点等、相談支援の充実)
・これまでの部会における御意見→(自立生活援助・地域定着支援)8意見あり。障害児の放課後等デイサービスにより実施されている発達障害児の対人関係や社会性に関しての支援や余暇活動は、18歳以降は自 立生活援助の支援方法の拡大で対応してはどうか。具体的には、訪問による支援、通所による支援、ひきこもりについての対応、改善・軽 減後の一定の期間は事業所等への継続しての通所が可能となるような支援方法である。
(地域生活支援拠点等)5意見。面的に整備された地域生活支援拠点ではコーディネーターが必要である一方、多機能拠点整備型であれば、中核となる施設が多機能 を担っていく。宿泊型自立訓練の活用を含めて地域全体でしくみを考えていく必要がある。
(相談支援)意思決定支援はチームで行うこ とが基本であり、専門職だけではなく様々な方に参画していただくのが本来の意思決定支援のあるべき姿。地域移行を希望する方に限定 せず、意思表明が困難な方々にも時間をかけて支援できる環境づくりが必要。また、相談支援専門員が所属する法人や事業所と御本人 の間に挟まれて身動きが取れなくならぬよう、法人や事業所の理解や協力のもと、地域で意思決定支援を行っていくことに留意してほしい。
・議論を踏まえた方針(案)→(自立生活援助・地域定着支援)4意見。(地域生活支援拠点等の役割)4意見あり。(障害者支援施設の計画相談支援のモニタリング頻度等)調査研究事業に 基づき検討すべき。
○論点→障害者が希望する多様な地域生活の実現や継続するための支援を推進する観点から検討してはどうか。 3 グループホームにおける障害者が希望する地域生活の継続・実現 (1)グループホームにおける安心できる地域生活の継続 (2)グループホームにおける一人暮らし等の希望の実現に向けた支援の充実
・これまでの部会における御意見→(グループホームにおける安心できる地域生活の継続)7意見。グループホームの支援の質の確保を障害福祉サービス全体での検討と併せて進める、質の確保について賛同。グループホームでの職員 配置の問題、夜間帯の休憩時間の問題等、課題が依然として残っている。(グループホームにおける一人暮らし等の希望の実現に向けた支援の充実)15意見。今回の新たなグループホームの類型について、新しくグループホームに入居されている方たちに一人暮らしに向けたサービスが提供さ れることはすごく大切である。グループホームの中だけで将来が限られるものではなく、地域で一人暮らしまたはパートナーと暮らせるよう な可能性が広がっていくことはすごく重要である。今までのグループホームの形がいいとか悪いとかという話ではなく、精神障害者や他の 障害をお持ちの方も、新たな可能性、選択肢が増えること自体がとても重要。その後、一人暮らしを進め、暮らしを継続するためにも、相談 支援の手厚さ、地域移行、地域定着、自立生活援助の充実が大変重要だと思う。私も精神障害者の当事者だけれども、過去にもしもグ ループホームでこういった類型があれば利用してみたかったという思いもある。この新たな類型のグループホームがあって、一人暮らしが 進んで、自分の思い描く生活が実現できるための道筋が見えることが大切である。

・議論を踏まえた方針(案)↓
(1)居住支援におけるこれからのグループホームが果たす役割
→住宅地等で地域との交流の機会が確保される立地にあること、より家庭に近い居住環境であること等から、障害者の地域生活における重要な選択肢の一つ。
(2)グループホームにおける安心できる地域生活の継続→地域生活を送っていく際には、居住や社会参加等の生活全般の組み立てを支える相談支援専門員と日常生活を支え るグループホームのサービス管理責任者等が、障害者本人の意思決定をサポートしつつ、医療(主治医や訪問看護等)と連携し、あらかじ め本人の同意を得て日常的な健康状態などの必要な情報共有等を行っていくことが重要である。
(3)グループホームにおける一人暮らし等の希望の実現に向けた支援の充実→障害者が希望する地域生活の実現や、グループホームの効果的な利用を通じて施設や病院からの地域移行や親元からの自立の促進 をさらに進める観点から、グループホームにおける一人暮らし等に向けた支援を充実すべきである。
全体的事項)→一人暮らし等を希望する利用者に対する一人暮らし等に向けた支援や退居後の一人暮らし等の定着のための相談等の支援が含まれる点について、障害者 総合支援法において明確化すべきである
現行のグループホームにおける支援の充実)→@指定基準上「サービス管理責任者の責務」として「利用者が自立した日常生活を営むことができるよう定期的に検討するとともに、自立 した日常生活が営むことができると認められる利用者に対し、必要な支援を行う」旨規定 A原則3年以内に一般住宅へ移行する1人暮らしに近い形態の「サテライト型住居」 B自立生活支援加算 500単位(入居中2回、退居後1回限度) 退居する利用者に対し、退居後の居住の場の確保、在宅サービスの調整等を行った場合に加算
(新たなグループホームのサービス類型による支援の充実の検討)→現行のグループホームの支援の充実を図るとともに、新たなグループホームのサービス類型の細部について は、地方における事業運営や経営面における課題等も踏まえ、調査研究事業等を実施しつつ検討を進めるべきである。
○論点→障害者が希望する多様な地域生活の実現や継続するための支援を推進する観点から検討してはどうか。 4 障害者支援施設の在り方
・これまでの部会における御意見→7意見。本当に必要な状態の人が利用する場所であることを改めて明記すべき。特に行動障害のある人について、できる だけ、それぞれの状態に合った暮らしが実現できるようにしてほしい。障害者支援施設が、災害支援の機能や虐待防止への対応など、地域生活支援拠点の中核を担っていくための報酬を検討してほしい。
・議論を踏まえた方針(案)→(障害者支援施設における重度障害者等の支援体制の充実)(地域移行の更なる推進)(障害者支援施設の計画相談支援のモニタリング頻度等)(障害者支援施設と地域の関わり)

2.障害者の相談支援等について
○論点→障害者が希望する地域生活の実現や継続するための支援を推進する観点から検討してはどうか。 1 基幹相談支援センターを核とする地域の相談支援体制の整備 (1)地域の相談支援体制の整備について (2)基幹相談支援センターについて ・基幹相談支援センターの更なる設置促進 ・基幹相談支援センターが果たすべき役割等の整理

・これまでの部会における御意見→(地域の相談支援体制の整備)13意見。(基幹相談支援センターの設置促進、役割等)11意見。(相談支援事業の中立性・公正性の確保)6意見。
・議論を踏まえた方針(案)↓
1.基幹相談支援センターを核とする地域の相談支援体制の整備
(1)地域の相談支援体制の整備について→
(分かりやすくアクセスしやすい相談支援体制)(相談支援専門員やピアサポーターの業務の在り方等)(相談支援事業の中立・公正性の確保)
(2)基幹相談支援センターについて→(基幹相談支援センターの更なる設置促進)(基幹相談支援センターが果たすべき役割等)
○論点→障害者の相談支援について、障害者が希望する地域生活の実現や継続するための支援を推進する観点から検討してはどうか。 2 「地域づくり」に向けた協議会の機能の強化と活性化について
・これまでの部会における御意見→4意見。協議会の責任の所在の明確化、イニシアチブを誰がとるのか、KPI指標の導入等、引き続き検討課題。協議会の形骸化の要因分析⇒地域課題の抽出が不十分であることや基幹相談支援センターの業務過多、力量不足、後方支 援体制の脆弱性など、問題が明らかに分かっている。好事例の集約も意味はあるが、地域性が異なると採用するまでは至らないのではないか。課題抽出とそれに対する取り組みを議論させれば活性化するのではないか。協議会が単なる勉強会や事業所紹介をする場になり がちだが、それだけではだめだというメッセージも発信していくべき。
・議論を踏まえた方針(案)→3意見。協議会について、現状を把握するとともに、形骸化している場合の要因分析や好事例の収集等を行い、効果的な設置・運営、評価、周 知の方法、障害者の生活や医療、住宅などに関係する各種会議との効果的な連携及び構成する関係者の負担軽減策、都道府県協議会 と市町村協議会の連携等を検討する調査研究を実施した上で、その成果を活用し、協議会の設置・運営主体である市町村や都道府県が 主導して官民協働による支援体制の整備が推進されるよう、必要な方策を検討する必要がある。 また、協議会について、障害当事者や家族(身体・知的障害者相談員を含む。)の参加が重要であることについて、改めて周知する必要 がある。

3.障害者の就労支援について
○論点→障害者がより働きやすい社会の実現に向けて、障害者の希望や能力に沿った就労の機会を提供していく ための支援を推進する観点から検討してはどうか。 1 就労を希望する障害者への就労アセスメントの手法を活用した支援の制度化

・これまでの部会における御意見→24の意見。必要な支援を行う新たなサービス(就労選択支援(仮称))を創設すべき。人材の質及び量の確保を着実に行う必要、段階的な実施を 検討すべき。
・議論を踏まえた方針(案)→(基本的な考え方)(就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの対象者)3意見。(就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの内容について)(就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスの実施主体等について)(就労アセスメントの手法を活用した新たなサービスを含めた就労支援に関する手続き等について)3意見あり。
○論点→障害者の就労支援について、障害者がより働きやすい社会の実現に向けて、障害者の希望や能力に沿った就労の機会を提供していく ための支援を推進する観点から検討してはどうか。 2 一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用
・これまでの部会における御意見→10意見。
・議論を踏まえた方針(案)→(基本的な考え方)就労移行支援及び就労継続支援の対象者として、企業等での働き始めに週10時間〜20時間未満程度から段階的に勤務 時間を増やす者や、休職から復職を目指す場合に一時的なサービス利用による支援が必要な者を、現行の対象者に準ずるものとして法 令上位置付けることとすべき。(一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用の期間について)利用期間は原則3〜6か月以内、延長が必要な場合は合計1年までとした上で、一時的な利用の後において円滑に職 場定着が図られるように、個々の状況に応じて設定できる方向で検討すべき。(適切な支援の実施が図られるための具体的な方策について)3意見あり。
○論点→障害者がより働きやすい社会の実現に向けて、障害者の希望や能力に沿った就労の機会を提供していく ための支援を推進する観点から検討してはどうか。 3 障害者の就労を支えるための雇用・福祉施策の連携強化等に関する取組 (1) 障害者の就労支援に携わる人材の育成 (2) 企業等で雇用される障害者の定着支援の充実 (3) 地域の就労支援に関するネットワークの強化 (4) 就労継続支援A型の在り方や役割の整理 (5) 重度障害者等に対する職場や通勤等における支援
・これまでの部会における御意見→(1)⇒人数増員や質の向上。(2)⇒7意見。(3)⇒5意見。ナカポツセンターの機能、地域センターの役割、就労継続B型についても検討、(4)⇒6意見。A型から一般就労への移行問題、不安定から安定定着を検討。(5)⇒8意見。地域生活促進事業を使いやすく。活用が低い。
・議論を踏まえた方針(案)→(1)⇒両分野のさらなる連携と専門性の検討。(2)⇒就労定着支援事業の実施主体に、ナカポツセンター事業を行う者を加えることを検討(3)⇒ ナカポツをスーパーバイズや困難事例の対応へ。(4)⇒障害特性等を含め実態把握必要。(5)⇒「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を周知させる。

4.障害福祉サービス等の質の確保・ 向上について
○論点→利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供する観点から、以下の点に ついて検討してはどうか。 1 障害福祉サービス等の質の評価 2 障害福祉サービス等報酬によるサービスの質に係る評価 3 障害福祉サービス等情報公表制度 4 障害福祉分野におけるデータ基盤の整備 5 実地指導・監査の強化

・これまでの部会における御意見→「1」認知症等グループホーム評価なし。評価はとても大事。「2」報酬改定によるサービスの質の向上は効果的。「3」⇒国民から見てより分かりやすくすることが重要。「4」⇒将来の需要推計を 示していく必要。データ基盤の整備はぜひやるべき。データをどう分析してどう活用するのかという観点が大事。
・議論を踏まえた方針(案)→「1」⇒利用者本人の希望やニーズに十分対応したサービスの提供。外部に開かれた透明性の高い事業運営。質の高い支援や、地域ニーズを踏まえた支援・取組。(事業運営の透明性を高めるための評価の仕組み)(事業所間の学び合いにより地域全体として支援の質を底上げする仕組み)(利用者・地域のニーズに応じたサービス提供であるかという観点からの評価の仕組み)「2」⇒データの十分な蓄積及び分析を図りながら、ストラクチャー、プロセス、アウトカム の3つの視点、障害福祉は医療や介護と異なる面もあるため、定量的評価のみに偏らないよう留意することが必要。「3」⇒(公表率向上のための対応)(利用者にとってわかりやすい公表のための対応)「4」⇒障害DBは継続して研究・検討を進めていく必要。大学等の研究機関で研究に活用でき るようにすること。匿名化された情報を提供する仕組み(以下「第三者提供」という。)を設けるべき。「5」⇒不適切な事業所が多いサービス等の実地指 導・監査を重点実施。

5.制度の持続可能性の確保に ついて
○論点→1 障害福祉サービス等事業者の指定の在り方について→地域ごとの障害福祉サービス等のニーズを適切に踏まえた事業所の整備を進めるという観点から、都道府県知事等が行う指定障害福 祉サービス事業者等の指定に対し、政令市、中核市以外の一般市町村が関与できる仕組みの導入について、検討してはどうか。

・これまでの部会における御意見→10意見。事業者指定への市町村の関与の導入について、賛成。ただし、一部に収益重視の事業所が市町村に上手く取り入って事業展開している事例もあるが、そ うした場合に都道府県がどのように調整していくのかという懸念がある。
・議論を踏まえた方針(案)→(基本的な考え方)支給決定を行うとともに、障害福祉計画及び障害児福祉計画を定める。(障害福祉計画等におけるサービス等の提供体制の確保に係る目標等の充実)(地域ごとの障害福祉サービス等のニーズに応じた事業者指定の仕組み)
○論点→2.障害福祉分野におけるICT活用等の推進について→障害福祉分野における業務効率化及び職員の業務負担軽減をさらに推進していく必要があることを踏まえ、ICTの活用やロボットの 導入についてどのように考えるか。
・これまでの部会における御意見→7意見。事業者に関する取組は記載されているが、障害当事者に関する記載がない。支援にあたっての面談もWEB会議でできたら良い。重度 の障害者の方もICT技術を活用すれば社会参加が積極的にできるので、当事者の視点を入れて欲しい。また、事業所の電子化、ペーパレ ス化が図れるような施策を積極的にやっていただきたい。ICT利用の研修・啓発を積極的にお願いしたい。令和4年度に調査研究事業において実証データを収集とあるので、より多くのデータ収集を。
・議論を踏まえた方針(案)→障害福祉現場の業務効率化及び職員の業務負担軽減を更に推進していく必要、令和4年度の調査研究事業⇒IT関係の専門家、リハビリテーション専門職、福祉工学等の専門家などの専門的知見に基づき、各ICT機器やロボットの導入に係 る効果の定量的評価(業務量や業務時間の短縮など)について科学的、実証的な測定・検証を行うこととしており、この調査研究を含め 実証データの収集・分析を進めながら、ICT活用やロボット導入の推進の方策について具体的な検討を行っていくことが必要。また、障害者に対するICT機器の紹介や貸出、利用に係る相談等を行う「ICTサポートセンター」における取組などを進め、障害者本人のICTの利活用の促進等を図っていく必要がある。
○論点→3 障害福祉サービス等の人材確保・育成について→障害児者のニーズに対応した障害福祉サービス等を安定的に提供していく観点から検討しては どうか。
・これまでの部会における御意見→5意見。支援の質の確保や専門性の向上が必要。障害福祉分野は他分野に比して資格化が遅れている。施設、事業所で中核となる施設長、サービス管理責任者の資格の在り方を見直す必要がある。
・議論を踏まえた方針(案)→4つ。人材確保において課題となっている要因等について、職員の声や職場のハラスメントの状況等も含めて把握を図るとともに、障害福祉 サービス等事業所における人材の確保・定着方策の好事例の共有を図ることを検討する必要がある。

6.高齢の障害者に対する支援 について
○論点→高齢の障害者に対する支援の在り方について、現行の保険優先の考え方を維持することは一定の合理性があると考えられるも のの、高齢の障害者がそれぞれの個別の状況も丁寧に勘案され、必要な支援を受けられるようにするという観点から、以下の点 について検討してはどうか。 1 高齢の障害者に対する障害福祉サービスの支給決定に係る運用の明確化  2 共生型サービスや新高額障害福祉サービス等給付費に係る周知の推進

・これまでの部会における御意見→「1」⇒8意見。支給決定に係る運用の明確化に係る方向性については賛成。知的障害の方は早く亡くなる方が多く、65歳まで長生きできない方が多い。また、障害のない高齢者とは状態像が異なるので、弾力的な対応を。「2」⇒6意見。在宅の重度障害者と親という組み合わせで、障害当事者が40〜50歳で親が高齢化という老障介護という問題が起きている。親の高 齢化によって、子への介護が不適切なものになる恐れがあるので、家庭全体を支援すると良い。このような場合にうまく共生型サービスを 活用できるよう、利用者にも周知してほしい。
・議論を踏まえた方針(案)→「1」⇒相談支援専門員の研修カリキュラム →高齢障害者のケアマネジメントや介護支援専門員との連携などに関する研修内容を充実したところであり、相談支援専門員と 介護支援専門員の一層の連携による最適なサービス提供のためにも、この研修の実施と受講について周知を進めていくことが必要。「2」⇒高齢者・障害児者とも利用できる事業所の選択肢が増えること、介護や障害といった枠組みにとらわれず、多様化・複雑 化している福祉ニーズに臨機応変に対応することができること、人口減少の中で地域の実情に応じたサービス提供体制整備や人材確保 を行うことができることなどの点が期待されるため、共生型サービスを様々な機会で周知していくことが必要。
(新高額障害福祉サービス等給付費)周知していくことが必要。

7.障害者虐待の防止について
○論点→障害者虐待の防止について、取組を推進する観点から検討してはどうか。 1 事実確認調査や虐待判断件数の自治体間のばらつきの是正等について

・これまでの部会における御意見→(自治体間のばらつきの是正)5意見。自治体における虐待認定のバラツキは大きな問題である。自治体向けマニュアルを見直し、虐待認定に差異が生じないよう周知徹底を図って いただきたい。会としましても、周知にはぜひ協力させていただきたい。(その他)11意見。
・議論を踏まえた方針(案)→(自治体間のばらつきの是正)虐待の通報・届出を受け初動対応方針の決定や虐待の認定を協議する場面に管理職が参加するよう改めて徹底、自治体に周知。(障害福祉サービス事業所等における虐待防止の取組の推進)(死亡事例等の重篤事案を踏まえた再発防止の取り組み)
○論点→障害者虐待の防止について、取組を推進する観点から検討してはどうか。 2 学校、保育所等、医療機関における障害者虐待の防止等の体制の在り方について
・これまでの部会における御意見→7意見。認知症治療病棟の通報義務への対応も、精神科医療機関の認知症治療病棟が特出しになっている理由が分からない。治療行為として、基準 に従って、法律に基づく身体的拘束あるいは隔離といった行動制限といわゆる身体的な虐待がごっちゃになっている。
・議論を踏まえた方針(案)→(学校、保育所、医療機関における障害者を含めた虐待防止の取組の推進)

8.地域生活支援事業について
○論点→地域生活支援事業に含まれる事業のうち、日中一時支援等の障害者等個人に対する支援が含まれる事業について、個別給付における訪問系サービス、通所系サービス等との利用対象者像の関係等の実態把握や整理を行い、その在り方について検討し、障害福祉サー ビスの適切な利用の推進を図ることについて、どう考えるか。 (実態把握を行う際の観点) ・ 生活介護と日中一時支援との利用状況。 ・ 個別給付が使えるにも拘わらず、地域生活支援事業により実施している事業等。

・これまでの部会における御意見→10意見。生活介護と日中一時支援はだいぶ利用者が重なっているのではないかと思われるところであり、事業の中身についての整理も必要で はないか。精神障害者地域生活支援広域調整等事業など、必須事業にもかかわらず、実施されていない地域がある。なぜ実施されていないのか、 調査する必要がある。
・議論を踏まえた方針(案)→日中一時支援等 の障害者等個人に対する支援が含まれる事業と障害福祉サービスの個別給付との利用対象者像の関係等の実態把握や整理を行い、障害福祉サービスの報酬改定等の議論の中で財源を確保しつつ、その在り方を検討する必要。

9.意思疎通支援について
○論点→障害者の意思疎通支援について、既存事業の実施状況や今後のニーズ等を踏まえ、以下の課題につき検討してはどうか。 ・ICTの利活用の促進等。・意思疎通支援事業に従事する担い手の確保。 ・ 代筆・代読支援の普及に向けた取組。

・これまでの部会における御意見→(ICTの利活用の促進等)5意見。知的障害者は、意思形成や意思決定が重要なので、ICTの利活用について検討が必要。(意思疎通支援事業に従事する担い手の確保)7意見。難病患者にも意思疎通支援が必要だが、ボランティアに頼っている状況であることから、難病患者への支援が急務。意思疎通支援を活用する団体に対する負担軽減について検討が必要。(代筆・代読支援の普及に向けた取組)
・議論を踏まえた方針(案)→障害種別や障害特性を考慮しつつ、ICT技術を活用した意思疎通支援の促進や円滑化を図る必要。令和元年度から本格実施した「若年層の手話通訳者養成モデル事業」や令和4年度予算で創設した意思疎通支援従事者への関心を 高める広報・啓発等を行う事業などの取組の実施、意思疎通支援の担い手の確保 に向けた取組を実施する必要。(代筆・代読支援の普及に向けた取組)調査研究事業から運用見直しの検討。

10.療育手帳の在り方について
○論点→療育手帳は、現時点で法的な位置づけはなく、各自治体が自治事務として運用しており、自治体ごとに検査方法等の判定方法や、IQの 上限値や発達障害の取扱い等の認定基準にばらつきあり、手帳所持者が他の自治体に転居した際に判定に変更が生じる可能性や、正確な疫学統計が作成できない状況等が指摘されている 。

・これまでの部会における御意見→10意見。療育手帳制度は50年以上にわたり大きな進展がなかった分野、見直しには慎重な検討は要する、法的基盤が不安定な現状はできるだけ早期に改善されるべき、療育手帳の統一化や法定化に向けた調査研究等の取組みは重要。
・議論を踏まえた方針(案)→療育手帳の在り方⇒国際的な知的障害の定義や自治体の判定業務の負荷等を踏まえた判定方法や認定基準の在り方、 比較的軽度な知的障害児者への支援施策の在り方、統一化による関連諸施策への影響及び法令上の対応等も含め引き続き、令和4年度から実施予定の調査研究を着実に進めるなど、幅広く調査研究を続けるべき。

11.医療と福祉の連携について
○論点→1医療的ケアが必要な障害児者(医療的ケア児者)等の医療と福祉の連携

・これまでの部会における御意見→5意見。医療的ケア児については保育園・学校等への送迎も含めた福祉サービスの充実を、医療的ケアが必要な成人については生活介護にお ける入浴サービスの提供に十分な人員配置を検討すべきではないか。
・議論を踏まえた方針(案)→令和3年度障害福祉サービス等報酬改定⇒医療的ケアの新たな判定スコ アを用いた医療的ケア児を直接評価する基本報酬の新設を行った、その実施状況を踏まえて、家族等への支援の観点も含 め検討する必要。 また、医療的ケアが必要な障害者については、各サービスの加算の充実を図ってきたが、医療的ケア児の成人期への移行を見据え つつ、成人期の生活に対応した障害福祉サービスにおける医療的ケアの評価の在り方について引き続き検討する必要がある。
○論点→2 医療と計画相談をはじめとする相談支援等の連携について
・これまでの部会における御意見→18意見。精神障害者をはじめ障害と疾病が併存する者等について医療と福祉でマネジメントが分断されている現状、相互理解の促進が重要、マネジメントを誰が責任を持って実施するか明確化が必要。医師意見書⇒平時を想定して記載、急時の対応が不十分な事例も。緊急時を考慮し、急性期医療機関との関係作りが 必要。
・議論を踏まえた方針(案)→5意見。精神障害者や強度行動障害のある者、高次脳機能障害のある者等の医療との関わりが特に深いことが想定される者⇒医療と福祉の関係者が個々の利用者の支援における各々の役割を明確化しつつマネジメントを行い、かつ相互理解に基づく連携促進を図ることが重要。 害者支援施設等の入所者の高齢化・重度化が進む中、施設での看取りを希望する障害者に対する支援⇒本人の意思決定 に関する取組状況等を把握する必要がある。
○論点→3 入院中の医療と重度訪問介護について
・これまでの部会における御意見→6意見。聴覚障害と知的障害がある方の支援は大変であるが、医療現場で、手話通訳派遣を断わる事例もある。このような事例もあることも含 め検討して欲しい。
・議論を踏まえた方針(案)→3意見。入院中の重度訪問介護利用の対象となる障害支援区分⇒入院中の重度障害者のコミュニケーション支援等に関する調査研 究の結果を分析しつつ、支援が必要な状態像や支援ニーズの整理を行いながら、拡充を検討すべき。 
入院時に地域の医療機関における重度障害者の受入等に関する情報があれば有用、このため、医療と福祉の関係者が連携して、地域の医療機関情報をリスト化し、共有を図ること等の検討も必要である。


◎資料3 公認心理師法附則第5条への対応につい
○公認心理師の概要→1〜3の参照。
○公認心理師法附則第5条への対応(案)→令和4年度は公認心理師法施行後5年目にあたり、法附則第5条に基づき施行状況についての検討が必要。
・対応の方針(案)→施行状況に係る調査結果や試験実施状況等の取りまとめ資料を作成。 <ヒアリングについて>→公認心理師や保健医療、福祉、教育等を提供する者その他の関係者に対し公認心理師の活動状況及び関係者との連携についてヒアリングを実施。ヒアリング内容⇒連携を含む公認心理師の活用事例、公認心理師の配置による利点、養 成や制度に関する意見、今後期待すること等を想定する。 <結果の報告> 施行状況・ヒアリングの結果及びそれをふまえた課題や方針等を障害者部会にて報告。(令和5年2月頃)

次回も続き「参考資料」からです。

社会保障審議会障害者部会(第129回) [2022年05月21日(Sat)]
社会保障審議会障害者部会(第129回)(令和4年5月16日)
《議事》(1)議論の整理 (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00056.html
◎資料1 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(議論の整理(案))〜総論〜
◎総論
○論点
→「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて 中間整理(令和3年12月16日)」においては、以下のとおり基本的な考え方を とりまとめたが、最終報告に向けて、どのような考え方とすべきか。
○中間整理↓
(基本的な考え方
)→障害者総合支援法改正法の施行後3年間の施行状況を踏まえ、今回の直しの基本的な考え方について、「1.障害者が希望する地域 生活を実現する地域づくり」、「2.社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応」、「3.持続可能で質の高い障害福 祉サービス等の実現」の3つの柱に整理した。こうした基本的な考え方に沿って、当事者中心に考えるべきとの視点をもち、どのように 暮らしどのように働きたいかなど障害者本人の願いをできる限り実現していけるよう、支援の充実を図っていくべきである。その際、障害者 自身が主体であるという考え方を前提に、行政や支援者は、「ともに生きる社会」の意味を考えながら、当事者の目線をもって取り組むこと が重要である。また、家族への支援 を含め、障害者の生活を支えていくという視点が重要。

1.障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり
(1) 障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実
→障害者の入所施設や病院からの地域移行を進め、障害者が地域生活を安心して送れるよう、障害者が希望する多様な地域生活の 実現に向けた支援や地域生活支援拠点等の整備・充実等を図ることが必要。 どのような相談もまずは受け止める、アクセスしやすい相談体制を整備するため、地域で中核的な役割を果たす相談支援の機関を 中心に、本人の希望する暮らしを形づくり、継続するための相談支援の充実・強化が必要である。   こうした取組を進めるに当たっては、障害者総合支援法の基本理念である「可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は 社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること」、「どこで誰と生活するかについての選択の機会が 確保され」ること等を踏まえ、入所施設や病院からの地域移行を促進する必要があることを明確化していくとともに、親元からの自立を 含めたライフステージ全体や、様々な地域生活を支える社会資源全体の基盤整備も視野に入れた総合的な支援を進めていく必要がある。
(2)地域共生社会の実現 →高齢、子ども、生活困窮等の分野の施策と連携し、相談支援や社会参加支援、居場所づくりといった支援を一体的に実施する重層的支援体制の整備が進められており、今回の見直しにおいても、地域共生社会を実現する地域づくりに資する取組を推進する必要がある。 障害者総合支援法の基本理念でも掲げられているように、「地域社会において他の人々と共生することを妨げられ」ず、「障壁となるよう な社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨と」し、障害者のコミュニケーションやアクセシビリティを 円滑にしていくことが重要。その際、判断やコミュニケーションに支援が必要な障害者の場合は、その特性に配慮したコミュニケー ション支援・意思決定支援に取り組む必要がある。 文化・芸術活動やスポーツ等の分野を含め、障害者の社会参加の機会が確保され、障害の有無に関わらず地域でいきいきと安心して 暮らすことができる社会を目指し、地域住民の障害理解の促進にも取り組む必要がある。
(3) 医療と福祉の連携の推進→障害児・者の地域生活と健康を支えていくためには、本人の希望に応じた暮らしを実現る観点から、福祉と医療の両面からの支援・マネジメントが重要。障害者の高齢化や障害の重度化、医療的ケア児や医療的ケアが必要な障害者、精神障害者、難病患者など への支援の必要性を踏まえ、多様な障害特性にも配慮しつつ、保健・医療、福祉及びその他の施策の連携を推進することが必要である。 このため、障害福祉サービスの利用や計画相談支援をはじめとする相談支援など、地域生活や就労等の様々な場面において医療と 連携した支援が行われることが重要であり、その連携の在り方について、引き続き検討が必要である。
(4) 精神障害者の地域生活に向けた包括的な支援→精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・ 介護、住まい、就労等の社会参加、地域の助け合い、教育・普及啓発が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシス テム」の構築をさらに推進する方策を引き続き検討する必要がある。

2.社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応
(1)障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築→発達障害の認知の広がりや女性の就業率の上昇に伴う預かりニーズの増加により、児童発達支援や放課後等デイサービスのサービ ス量が大きく拡大している一方で、質の確保が重要な課題となっており、支援の質の向上を図り、相談対応を含めた地域の支援体制を整える必要。 また、地域共生社会の実現・推進の観点から、年少期からのインクルージョンを推進し、障害の有無に関わらず、様々な遊び等を通じて 共に過ごし、それぞれの子どもが互いに学び合う経験を持てるようにしていく必要がある。 また、障害のある子どもも、成長した後は、大人として個を尊重され、成人に相応しい環境の中で過ごすことができることが必要である。 障害児入所施設に入所した児童が18歳以上となっても障害児入所施設に留まっている、いわゆる「過齢児」の課題については、児者それ ぞれに相応しい環境が確保されるよう、取組を一層進めるため、新たな移行調整の枠組みを構築していく必要がある。
・こうした障害児支援を検討するに際しては、障害のある子どもの最善の利益の保障を第一にしながら、家族支援の視点を大切にする ことが重要。 この基本的な考え方に沿って、障害児支援に関する論点については対応する児童福祉法改正法案を、第208回通常国会に提出した ところ。
(2) 障害者の多様なニーズに応じた就労の促進→障害者の就労とその支援は着実に進展しているものの、利用者や働き方の多様化等、障害者の就労を取り巻く環境も変化している。 こうした変化や課題に対応するため、雇用施策と福祉施策の一層の連携強化を図りながら、希望する障害者がより働きやすい社会を実現 していく必要がある。 障害者の希望や能力に沿った就労を支援するためには、本人の就労ニーズや能力・適性を客観的に把握・評価し、本人の可能性を 狭めることなく、個々の状況に応じた適切な支援の提供につなげる必要がある。

3.持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現→障害福祉サービス等の利用者が多様化するとともに、障害福祉サービス等を提供する事業者が増加する中で、利用者の個々のニーズ に応じた良質なサービスを提供するためには、事業者が提供する障害福祉サービス等の質の確保・向上を図っていくことが重要。 その際、計画相談支援は障害者の生活全般を支えるものであり、中立・公平性を保ちつつ質の高いサービス提供が求められることから、相談支援専門員の資質向上をはじめとする相談支援の質の向上に引き続き取り組む必要がある。 サービスの質の確保・向上に向けて、地域のニーズをより踏まえた事業所の指定の仕組みの見直しやサービスの質の適切な評価の 在り方に関する検討、障害福祉分野におけるデータ基盤の整備、実地指導・監査の強化等についても、取組を推進する必要がある。 障害福祉人材の確保・育成に向けて、処遇改善や仕事の魅力発信などの取組をより一層進める必要があるほか、様々な障害保健 福祉分野のサービスが整えられていく中で、サービス提供事業者にとっても事務・手続き等の負担感が少なく、わかりやすい制度の在り方 を検討する必要がある。

次回も続き「資料2 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(議論の整理(案))〜各論〜」からです。

社会保障審議会障害者部会(第124回) [2021年12月28日(Tue)]
社会保障審議会障害者部会(第124回)(令和3年12月13日)
《議事》(1)中間整理(案)について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00050.html
◎資料2 地方分権提案について(精神障害者保健福祉手帳の更新期間の延長等)
○地方分権提案内容→令和元年地方分権提案において、身体障害者手帳には有効期限がない一方、精神障害者保健福祉手帳は2年に1回の更新が必要であり、手帳所持者の増加に伴い、市町村窓口での事務手続きや審査・判定を行う精神保健福祉センターの業務量が増えており、業務負担軽減を図る必要があることから手帳の有効期限を現行の2年から4年に延長することが提案されていた。

○現状・課題↓
・ 令和元年の地方からの提案等に対する対応方針(令和元年12月23日閣議決定)においては、関係団体の意見を 把握した上で、有効期限の延長を含めた地方公共団体の事務負担を軽減する方策について検討し、令和2年中に結 論を得ることとされた。
・ その後、有効期限の延長に関し、精神疾患は病状が変化する可能性があり、4年間ごとの更新では長すぎるので はないかといった意見が公益社団法人日本精神神経学会からあった。令和2年においては、地方公共団体の事務負担軽減策として、手帳交付事務における年金関係情報の取得を円滑にするため、情報照会マニュアルを改正した。引き続き、医学的なデータや地方公共団体の実務の実態の把握を行い、これらの結果や社会保障審議会(障害者部会)からの意見を踏まえ、有効期間の延長を含めた事務負担を軽減する方策について検討し、令和3年度中 に結論を得る予定となっている。

○調査概要及び結果→<調査概要><調査対象者の選定と人数><調査項目>
<調査結果>→調査対象者の約半数において調査項目のいずれかで生活能力の状態に何らかの変化があり、2〜3割の者に状態の改善がみられた。

○調査を踏まえた検 討結果(案)⇒ 上記の検討結果を踏まえ、手帳の有効期限については現行どおり2年とする。なお、地方分権提案のあった地方公共団体へのアン ケート結果によると、手帳交付者数の増加が事務負担の一因となっていると分かった。国においては、デジタル庁を中心に地方公共団 体が使用する事務システムの標準化について検討を進めており、長期的にこうした取組等を通じて事務負担の軽減を図ることとする。

医学的調査結果詳細(その1 )→・調査対象時点:調査時点における1年前との比較
年代別」→20代 未満を除いて全世代変化あり。
「変化有無の割合」→47%の変化あり。

○医学的調査結果詳細(その2)→対応が出来るようになっている(19〜32%)。
○事務的調査結果詳細→提案のあった地方公共団体に対して行ったアンケート結果は以下 のとおり。( 調査対象地方公共団体:5団体)⇒1〜6までの参照。

次回は新たに「第12回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)」からです。

社会保障審議会障害者部会(第124回) [2021年12月27日(Mon)]
社会保障審議会障害者部会(第124回)(令和3年12月13日)
《議事》(1)中間整理(案)について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00050.html
◎資料1 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて 中間整理(案)
W 引き続き検討する論点について
4.精神障害者等に対する支援について
(1) 現状・課題 ↓
○ 精神障害の有無や程度に関わらず誰もが安心して自分らしく暮らすことができる よう
、本年3月の精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会報告書では、必要な諸制度の見直し、以下の具体的な取組についての検討の必要性について指摘されている。 ・ 支援体制→精神障害を有する方等の日常生活圏域を基本として、市町村 などの基礎自治体を基盤として進める必要がある。精神保健に関わる業務の市町村の位置付けを見直し、市町村が精神保健に関する相談指導等について積極的に担えるよう、必要な環境整備を行うべき。 また、長期在院者への支援→市町村が精神科病院との連携を前提に、病 院を訪問し、利用可能な制度の説明等を行う取組を、制度上位置付ける必要がある。 ・ 「本人の困りごと等」に関する多職種・多機関の情報共有→個別支援の場においては精神障害を有する方等の意向を確認した上で情報共有を図ること、協 議の場といった地域の基盤整備に係る議論をする場においては守秘義務の担保を前提とする等の観点が重要。 市町村における協議の場→精神科病院協会や医師会等の関係団体、精神科医療機関、保健関係者の参加を積極的に求めていく必要がある。 ・ 精神障害を有する方等がかかりつけとしている精神科医療機関が、精神科医療機関の多職種及び地域援助事業者、地域包括支援センター等や行政機関の職員等と連携しながらチームを総括し、ケースマネジメントを行うことや、精神科以外の診療科との連携を図り身体合併症等に対応すること等、いわゆる「かかりつけ精神科医」機能を果たすことが求められる。また、他科の「かかりつけ医」との連携の強化が 有効。 ・ 精神科医療機関には、入院中の精神障害を有する方等が地域で安心して生活することができるよう退院後支援を推進する役割もある。精神障害を有する方等へのわかりやすい説明や意思決定の支援等を含めた権利擁護のための取組の更なる充実を 図ることが求められる。 ・ 精神障害を有する方等の地域生活を支えるための重要な基盤の一つとして、精神 科救急医療体制を整備することは、誰もが必要な時に適切な精神医療を受けること ができる体制を構築する観点から特に求められており、整備に必要な諸制度による 手当てを行う必要がある。 ・ ピアサポーターには多職種との協働により、専門職等の当事者理解の促進及び意 識の変化や支援の質の向上、普及啓発や教育、精神保健相談、意思決定支援等に寄 与することが期待される。身近に経験を共有できる仲間やロールモデルの存在があることにより、エンパワメントを主眼としながら、内面的にも社会的にもリカバリ ーしていくことができるよう、ピアサポートの活用を更に進める必要がある。 ・ 精神障害を有する方等の家族にとっても、必要な時に適切な支援を受けられる体制が重要であり、市町村等は協議の場に家族の参画を推進し、家族のニーズを踏まえた家族支援の体制について話し合い、これを踏まえ、わかりやすい相談窓口の設置等の取組の推進が求められる。
(2) 検討の方向性 ↓
○ 本年 10 月に立ち上げられた地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会において、
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定する入院に関わる制度の在り方、長期在院者への支援の在り方、患者の意思決定支援や患者の意思に基づいた退院後支援の 在り方、隔離・身体的拘束の最小化に係る取組、虐待の防止に係る取組等について、 当事者、家族、医療関係者、福祉関係者、行政関係者、学識経験者等の意見を踏まえ、 議論を深めるべき。
○ 今後の議論に当たっては、 ・ 精神保健に関する市町村の相談支援体制→市町村から充実した支援を受 けることができるよう、相談支援を担う職員の教育・研修の仕組みや財源の確保。・ 精神医療の提供体制→いわゆる「かかりつけ精神科医」機能の役割を含 むケースマネジメントの担い手や、他科の「かかりつけ医」との連携の在り方。・ 医療と福祉の緊密な連携のもと精神障害者の地域移行をより一層進めるため、精 神科医療機関の精神保健福祉士等と地域生活支援拠点等のコーディネーターとの 連携の強化等に留意しつつ、精神障害の有無や程度に関わらず、誰もが、制度の狭間に残されることなく、安心して自分らしく暮らすことができるよう、高次脳機能障害や発達障害を含め、多様な障害特性に配慮しながら、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステ ム」の構築に向けた検討を進めるべきである。

5.障害福祉サービス等の質の確保・向上について
(1) 現状・課題 ↓
○ 障害福祉サービス等の質の確保・向上
→これまでも、指定障害福祉サービス等の人員配置や設備・運営に関する基準の遵守や都道府県等による指導監査、障害福祉サービス等情報公表制度等により、実施してきた。 障害福祉サービス等の利用者が多様化するとともに、障害福祉サービス等を提供する事業者が増加する中で、利用者の個々のニーズに応じた良質なサービスを提供する観点から、これまでの取組における課題への対応も含め、事業者が提供する障害福祉サービス等の質の確保・向上を図っていくことが重要。
(2) 検討の方向性 ↓
(サービスの質の評価) ↓

○ すでに放課後等デイサービス、児童発達支援等一部のサービスで導入されている事 業者による自己評価や利用者評価について、各サービスの特性も踏まえつつ、具体的 な評価項目について整理した上で、他のサービスにも展開していくことや、専門的な 観点も含めた第三者による外部評価の導入について、検討する必要がある。 特に第三者による評価については、介護分野において、認知症グループホームなど の地域密着型サービスについて、地域に開かれたサービスとすることで、サービスの 質を確保することを目的として、指定基準において、第三者を含む運営推進会議を設置し、定期的に運営状況の評価を受けるなどの取組等が義務付けられている。障害福 祉サービス等においても、特に質の評価を行う必要性の高いサービスから、こうした 仕組みの導入により、サービスの質の確保・向上に取り組むことについて、研究・検討を進める必要がある。その際は、被評価主体が取組の改善に効果的につなげるため の助言が適切に行われることを意識しながら検討を進めることが重要である。
(障害福祉サービス等報酬によるサービスの質に係る評価) ↓
○ サービスの質の評価
→医療・介護分野においては、ストラクチャー(構 造)、プロセス(過程)、アウトカム(結果)の3つの視点からアプローチがなされている。 プロセス指標やアウトカム指標は、利用者に対するサービスの内容そのものを一層 評価することに資する。このため、今後の障害福祉サービス等報酬の改 定の検討等に当たっては、ストラクチャー、プロセス、アウトカムの3つの視点を持 って、障害福祉サービス等の目的・特性も踏まえつつ、プロセスの視点に基づく報酬 の評価をより充実させつつ、併せてアウトカムの視点に基づく報酬の評価についても、 当該評価手法が適切なサービスについては、その導入について研究・検討する必要がある。
(障害福祉サービス等情報公表制度) ↓
○ 障害福祉サービス等情報公表制度→利用者による個々のニーズに応じた 良質なサービスの選択に資すること等を目的として創設されたものであるが、こうし た目的を十分に達成するためには、全ての事業者における登録・公表を確実に実施するための方策を検討するとともに、障害福祉サービス等情報公表制度における事業者 からの報告内容を適切な記載としていくために必要な取組を進める必要がある。
障害福祉分野におけるデータ基盤の整備) ↓
○ 介護分野においては、要介護認定情報、介護レセプト等情報の収集等について
、既 に「介護保険総合データベース」として整備・運用されており、障害福祉分野におい ても、将来的にサービスの質の更なる向上等を図る観点も含め、障害福祉計画等の作成、実施及び評価並びに障害者の動向の把握等に資するため、介護保険総合データベースに相当するデータ基盤の整備に取り組んでいる。 当該データ基盤の整備に当たっては、介護保険法と同様、国の調査分析、市町村による補装具を含む自立支援給付等のデータ提供、第三者への提供等に係る仕組みを設けることが必要。 また、障害福祉分野においても、医療・介護分野において進められているデータの 連結解析ができるようにしていくべきとの意見もあることから、将来的に保健医療分野の公的データベースと連結解析が行えるような仕組みの整備についても併せて検 討することが必要である。
(実地指導・監査の強化)
○ 障害福祉サービス等の質・適正な給付を担保する仕組みとして、障害者総合支援法 に基づく国や都道府県等による調査の権限が規定されているが、障害福祉サービス等の利用者や事業所の増加に伴い、事業所の指導監督等の業務が増加し、十分な指導監督が実施できていないため、都道府県等に対する支援を検討する必要がある。 このため、実地指導・監査の機能についても、その他の質の向上に係る取組と合わせて強化するため、不適切な事業所が多いサービス等の実地指導・監査を重点実施するとともに、都道府県等監査担当職員と専門家の連携など各都道府県等の実地指導・ 監査の取組好事例や指導監査マニュアル作成等の実施を検討する必要がある。

6.制度の持続可能性の確保について
(1) 現状・課題 ↓
○ 事業者の指定に当たっては
、障害福祉サービス供給量のコントロールの観点から、 生活介護、放課後等デイサービス等→都道府県知事等は、指定を拒否する ことができる総量規制の仕組みが設けられている。 一方、政令市、中核市以外の一般市町村は、障害福祉計画等において必要なサービス見込み量等を定めることとされているにも関わらず、事業者の指定においては、基本的に一般市町村は関与できない仕組みとなっており、利用者の障害特性等のニーズに応じた事業所の適切な整備がなされていない可能性があるとの指摘や、市町村が知らない間に新規事業者の指定が行われるケースがあるとの指摘がある。
○ 障害福祉サービス等を安定的に提供していくために、障害福祉人材の確保は重要。また、人材の確保の観点からも、障害福祉現場の業務効率化や職員の負担軽減 を推進していくことが必要である。
(2) 検討の方向性
(障害福祉サービス等の事業者の指定) ↓

○ 地域ごとの障害福祉サービス等のニーズを適切に踏まえた事業所の整備が進むよう、事業者の指定に市町村が関与することが有益と考えられる場合もあることから、 都道府県知事の行う指定障害福祉サービス事業者等の指定において、市町村が意見を申し出ることを可能とし、都道府県は当該指定に当たり事業の適正な運営を確保するために必要と認める条件を付することができることとする仕組みの導入を検討する必要がある。
(ICT等の活用推進) ↓
○ 障害者本人のQOL向上への活用や障害福祉現場の業務効率化及び職員の負担軽 減をさらに推進していく必要があることを踏まえ、調査研究等の実施を通じて、障害福祉分野におけるICT活用やロボット導入に関する実証データの収集に努めながら、その方策等について検討を進める必要がある。 また、介護分野での状況も踏まえながら、ICT活用等による報酬上の評価や基準の見直し等も含め、具体的なICT活用等の推進方策の検討が必要。 特に、各種記録や計画の作成、移乗介護等の介護業務、相談支援、自立生活援助等の地域生活を支援する業務等において、障害特性に応じたICT活用やロボット導入 により、業務効率化や職員の業務負担軽減をさらに推進する必要がある。
(障害福祉サービス等における人材確保と育成)
○ 障害福祉サービス等を安定的に提供していくために、障害福祉人材の確保は重要で ある。このため、報酬改定による処遇改善や、障害福祉分野への多様な人材の参入を 促進するための障害福祉の仕事の魅力の情報発信、返済免除条件付きの就職支援金貸 付事業を実施しているが、必要な財源を確保しつつ、こうした取組を一層推進してい く必要がある。 障害福祉サービス分野において、質の高い人材の定着が図られるよう、従事者のやりがいやキャリアアップ、利用者との良好な関係性等の視点に着目して検討を進めるべき。また、専門性や経験年数等に応じた評価の在り方を検討していく必要が ある。

7.居住地特例について
(1) 現状・課題 ↓

○ 障害福祉サービス等の支給決定は、原則として、障害者又は障害児の保護者の居住地の市町村が行うこととされているが、障害者が障害者総合支援法に規定する特定施 設に該当する施設に入所した場合、施設所在市町村の財政負担を軽減する観点から、その支給決定は施設入所前にその者が居住していた市町村が実施することとする居 住地特例が設けられている。 地方分権改革に関する自治体からの提案において、介護保険施設等の入所者が障害 福祉サービスを利用する場合、介護保険施設等が所在する市町村に障害者福祉に関する財政的負担が集中する、利用申請手続を行う市町村が介護保険サービスと障害福祉サービスで異なり、利用者の負担になっている、との指摘があった。
(2) 検討の方向性 ↓
○ 介護保険施設等を居住地特例の対象に追加する必要
がある。その際、対象とする介 護保険施設等は介護保険制度の住所地特例の対象施設等(※)と同様とすることが適当。 ※ 特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、有料老人 ホーム(サービス付き高齢者向け住宅を含む)、軽費老人ホーム、養護老人ホーム(た だし、地域密着型施設を除く。)

8.高齢の障害者に対する支援等について
《8−1 高齢の障害者に対する支援》
(1) 現状・課題

○ 社会保障制度の原則である保険優先の考え方の下、サービス内容や機能から、障害 福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、原則介護保険サービスに係 る保険給付を優先して受けることになる。その際、介護保険サービスの利用に当たっ ての課題への対応として、共生型サービスや新高額障害福祉サービス等給付費が創設 された。 ○ 障害者が介護保険サービスを利用する場合も、それまで当該障害者を支援し続けて きた障害福祉サービス事業所が引き続き支援を行えるようにするため創設された共 生型サービスについては、当該サービスの指定事業所の数は未だ多くなく、十分に普 及しているとは言えない【令和2年 11 月審査分:共生型介護保険サービスの指定を 受けた障害福祉サービス等事業所 117、共生型障害福祉サービス等の指定を受けた介 護保険サービス事業所 739】。 ○ また、介護保険サービスの利用に伴う利用者負担の軽減を図るために創設した新高 額障害福祉サービス等給付費については、対象となり得る利用者への個別周知をして いる自治体は約3割となっており、積極的な周知を行っていない自治体や支給実績の ない自治体も一定程度存在する。
(2) 検討の方向性
○ 現行の介護保険優先原則を維持することは一定の合理性があると考えられるもの の、介護保険優先原則の運用に当たっては、一律に介護保険サービスが優先されるも のではなく、申請者ごとの個別の状況を丁寧に勘案し、介護保険サービスだけでなく 障害福祉サービスの利用も含めて、申請者が必要としている支援が受けられるよう、 支給決定を行う市町村において適切な運用がなされることが必要である。市町村によ って、運用状況に差異があるとの指摘を踏まえ、一律に介護保険サービスが優先され るものではないこと等の運用に当たっての考え方について改めて周知徹底を図るこ とが必要である。
○ また、介護保険サービスの利用に当たっての課題への対応として創設された制度の 普及が十分に進んでいるとは言えない状況であるため、 ・共生型サービスについては、関係事業者に対する制度そのものの周知や、当該サー ビスの立ち上げに必要な準備、手続き等についての周知に取り組むとともに、 ・新高額障害福祉サービス等給付費については、当該制度についての情報が対象となり得る利用者に伝わるよう自治体における積極的な周知を進めるとともに、自治体 による円滑な制度実施に向けた留意点や事例を示すことが必要である。

《8−2 入院中における医療機関での重度訪問介護》
(1) 現状・課題
○ 「重度訪問介護」を利用している障害支援区分6の重度障害者は
、入院中も引き続き「重度訪問介護」を利用して、本人の状態を熟知したヘルパーにより、病院等の職員と意思疎通を図る上で必要なコミュニケーション支援を受けることが可能。入院中における重度訪問介護の利用は、障害支援区分4や5の方にも対象を拡大すべきとの意見や、重度の知的障害や行動障害を抱える利用者等は、コミュニ ケーション自体が困難である場合が多く、加えて入院という環境の変化で症状が悪化するおそれがあり、入院の際には利用者にとって普段から接している支援者による支援を検討すべきとの意見がある。 また、入院中の重度訪問介護の利用→関係機関の理解や必要性の判断が課 題となっている。
(2) 検討の方向性 →入院中の利用者の状態像や支援ニーズ等に関するデータ等の収集を行い、入院中の重度訪問介護の利用によるコミュニケーション支援等の必要性を判断する基準や指標等を検討する必要がある。

9.障害者虐待の防止について
(1) 現状・課題
○ 障害者に対する虐待が障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって障害者の虐待を防止することが極めて重要から、障害者に対する虐待の禁止、国等の責務、虐待を受けた障害者に対する保護及び自立の支援のための措置、養護者に対する支援のための措置等を定めた障害者虐待防止法が平成 24 年 10 月に施行
。 厚生労働省が実施する障害者虐待防止法に基づく対応状況調査では、養護者虐待は 警察からの通報の増加、施設従事者虐待は管理者等からの通報の増加を背景に相談・ 通報件数が増加の傾向にあるが、虐待判断件数は横ばいの傾向にある。一方で、通報 されたものの虐待と認定されなかったものについて検討が必要との指摘がある。また、障害者支援に専門性を有する職員を活用し、市町村が行う立入検査体制を強化する観点から、障害者虐待防止法に基づく立入調査について、基幹相談支援センターの職員も行えるようにすることを求める意見がある。 障害者虐待防止法附則第2条で検討することとされている学校、保育所等、医療機 関、官公署等における障害者に対する虐待の防止等の体制の在り方並びに障害者の安全の確認又は安全の確保を実効的に行うための方策→平成 29 年度に「障害者虐待事案の未然防止のための調査研究」において、附則第2条の関係機関における虐待防止のあり方について、通報義務に関する点を含めて検討が行われ、まずは既存の法制度において対応可能なことの充実・強化を図り、運用上の改善を進めること が適当とされた。また、同研究の検討結果を平成 30 年 10 月の障害者部会で議論した上で、この方向性に基づき、これらの機関の虐待防止の取組の充実・強化に取り組ん できた。
(2) 検討の方向性
障害者虐待の通報等を受けた場合の事実確認調査の実施や虐待判断件数→自治体間でばらつきが見られることから、障害者虐待防止法に基づく対応状況調査において、さらに分析を進める必要がある。 障害者支援に専門性を有する職員を活用し、市町村が行う立入検査等の強化を図るため、障害者虐待防止法第9条第1項に定める通報又は届出に対する安全の確認及び事実の確認のための措置及び同法第 11 条第1項に定める立入調査を基幹相談支援セ ンターに委託(立入調査は、市町村職員としての身分を有する者に限る)可能なことを明確化する必要がある。
○ 学校、保育所等、医療機関における障害者虐待の防止等の体制の在り方→これまでの検討結果を踏まえ、より実効性のある仕組みについて、さらに検討を行う 必要がある。

10.地域生活支援事業について
(1) 現状・課題
○ 地域生活支援事業
→市町村等において、地域の特性や利用者の状況に応 じた柔軟な事業形態により事業を実施しており、障害福祉分野において地域づくり等の役割を果たしている。 さらに、地域共生社会の実現等を図るため、理解促進研修・啓発事業や自発的活動 支援事業等の実施により、障害者等に対する理解の促進を図っている。 こうした中、事業ニーズは増大しているものの、予算額の伸びには一定の制約があるため、自治体や当事者団体から予算の確保や障害者個人に対する事業の個別給付化 を要望されている。
(2) 検討の方向性→地域生活支援事業の在り方については、自治体における執行状況やニーズ等を踏ま えて、障害福祉サービスの個別給付の在り方の見直しとあわせて、財源を確保しつつ、 引き続き検討する必要がある。

11.意思疎通支援について
(1) 現状・課題
○ 障害者の情報・意思疎通支援→日常生活その他の状況において、円滑に必要な情報を取得・利用し、意思表示やコミュニケーションを行えるよう、意思疎通 支援事業をはじめとする各種の事業等の実施により進めている。 その代表的な事業として、都道府県及び市町村において、手話通訳や要約筆記等の方法により、障害者等とその他の者との意思疎通を支援する者の派遣やこれを担う人材の養成等の事業(意思疎通支援事業等)が行われている。 意思疎通支援事業等→地域生活支援事業として、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な形態により実施されているが、一方で地域によるばらつきがあるとの指摘もなされている。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける状況下において、遠隔手話サービス等の新たなニーズの増加なども見られたところである。
(2) 検討の方向性
○ 障害のある人とない人の双方の意思疎通支援を円滑にし、個別のニーズに基づいた 様々な支援を受けることを可能とするため、どの地域においても意思疎通支援事業等が確実に実施されることが必要。意思疎通支援事業等→遠隔手話サービス等の新たなニーズの増加や、地域ごとの取組状況の差異等の指摘を踏まえ、地域間格差を解消するために、障害者のICT及び情報通信システムの利用促進に取り組むとともに、学生や若者等を視野に入れた意思疎通支援従事者の確保等に資する新たな取組を検討する必要がある。 ○ 意思疎通支援事業の各種支援メニューにおいて、特に、代筆、代読などの支援が必 要な者に対して十分なサービスが行き届いていないとの意見があることから、必要な サービスを受けることができるよう、現行制度の運用の見直しなどを検討する必要がある。
○ さらに、手話通訳に係る意思疎通支援従事者の養成、設置及び派遣事業に関しては、聴覚障害者を取り巻く社会環境の変化に対応するよう見直すべきとの意見から、養成の在り方等についての調査研究や、設置・派遣事業の地域間格差の解消に引き続き取り組む必要。

12.療育手帳の在り方について
(1) 現状・課題
→ 療育手帳は、現時点で法的な位置づけはなく、各自治体が自治事務として運用しており、自治体ごとに検査方法等の判定方法や、IQの上限値や発達障害の取扱い等の認定基準にばらつきあり、手帳所持者が他の自治体に転居した際に判定に変更が生じる可能性や、正確な疫学統計が作成できない状況等が指摘されている。
(2) 検討の方向性 →国際的な知的障害の定義や自治体の判定業務の負荷等を踏まえた判定方法や認定 基準の在り方、比較的軽度な知的障害児者への支援施策の在り方、統一化による関連諸施策への影響及び法令上の対応等も含め、幅広く調査研究を続けるべきである。

○開催経緯→19回。
○ヒアリング団体一覧→(計46団体)
○社会保障審議会 障害者部会 委員名簿(令和3年 12 月 13 日現在)→29名。

次回も続き「資料2 地方分権提案について」からです。

社会保障審議会障害者部会(第124回) [2021年12月26日(Sun)]
社会保障審議会障害者部会(第124回)(令和3年12月13日)
《議事》(1)中間整理(案)について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000195428_00050.html
◎資料1 障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて 中間整理(案)
W 引き続き検討する論点について
1.障害者の居住支援について
(1) 現状・課題→
障害者の地域生活を支えるグループホーム⇒入所施設や精神科病院等からの地域移行を推進するために整備を推進してきた。障害者が重度化・高齢化する中、グループホームにおける重度障害者の受入体制の整備が課題であり、平成 30 年度報酬改定において新たに重度障害者に対応する日中サービス支援型グループホームを創設するとともに、令和3年度報酬改定において重度障害者支援加算の拡充等を図った。一方、グループホームの利用者の中には一人暮らしや家族、パートナー等との同居を希望する者が存在。平成 30 年度に障害者総合支援法のサービスとして、入所施設やグループホーム等か ら退居した一人暮らしの障害者等の地域生活を支援する自立生活援助を創設したがサ ービスが十分に行き渡っていない。 また、障害者の親亡き後を見据え障害者の地域生活を支える地域生活支援拠点等の整 備を進めているが、約5割の市町村における整備に留まっている。 グループホームについては、近年、障害福祉サービスの実績や経験が少ない事業者の 参入が多く見受けられ、障害特性や障害程度を踏まえた支援が適切に提供されないといった支援の質の低下が懸念される。
(2) 検討の方向性
(グループホームの制度の在り方について)→障
害者が希望する地域生活の実現を推進する観点から、グループホームの制度の在り方について検討する必要がある。 その際、グループホーム利用者の中に一人暮らしやパートナーとの同居等を希望する者が存在することを踏まえ、グループホームにおいて地域生活の希望の実現に向けた支 援を推進していくことが重要。 本人が希望する一人暮らし等に向けた支援を目的とするグループホームのサービス類型を新たに設けることを含め、さらに検討していく必要がある。こうした検討を進めるに当たっては、新たなサービス類型の検討について賛成の意見 がある一方で、現行のグループホームで一人暮らし等に向けた支援を実施することも検討すべきとの意見や宿泊型自立訓練との関係を整理すべきとの意見があったことを踏ま え、障害者が希望する地域生活の実現の推進に向けた施策を検討する必要がある。
〇 新たなサービス類型について検討を行う場合には、 @ 障害者のライフステージを見据えた支援や障害者の地域生活支援施策の全体像が見えないため不安 A 一人暮らし等に向けた支援はピアサポーターの配置が有効 B 地方ではまとまったニーズがなく整備が進まないのではないか C 一人暮らし等への移行により空室が生じるため安定的な事業運営が難しい D 報酬上の実績評価については、障害者の状態像等を踏まえた一人暮らし等に向け た支援の困難度を勘案して評価すべき 等の課題・指摘があったことを踏まえて、検討していく必要がある。
○また、新たなサービス類型の検討に当たって、対象となる利用者や支援内容等を検 討する場合については、以下の点に留意して検討を深めていく必要。 ・ 対象となる利用者→年齢や障害種別、障害支援区分等の一律の基準により決めるのではなく、本人が希望により、新たなグループホームか、継続的な支援 を行うグループホームか選択できる仕組みとすることが考えられる。 その際、本人の意思を最大限尊重する観点から、地域生活支援拠点等における体験 利用の活用や、相談支援専門員やサービス管理責任者等が中心となって行う意思決 定支援の実施推進と併せて検討を深める必要がある。 ・ また、グループホームの継続的な利用を希望する者→これまで通り現行のグループホームを利用できることとすることが考えられる。現行のグループホー ムの利用者についても、本人の今後の生活の希望を適切に把握する必要があることから、相談支援専門員やグループホームのサービス管理責任者が継続的に本人の今 後の生活の希望を把握することが重要であることに留意が必要。 ・ 新たなグループホームのサービス類型→事業者が申請により選択できる 仕組みとすることが考えられ、サービス管理責任者が本人の 希望を踏まえて一人暮らし等に向けた支援計画を作成し、当該計画を踏まえて、一 人暮らし等に向けた家事や金銭管理、住居確保の支援等、一人暮らし等の居宅生活 への移行のための支援を実施するとともに、退去後の一人暮らし等の居宅生活に円滑に定着ができるよう、居宅訪問等を通じた一人暮らし等を継続する上での相談や見守り等、グループホームの従業員が退居後においても一人暮らし等の居宅生活の定着を図るための支援を実施することが考えられる。 ・ 人員体制→グループホームの利用者の日常生活上の援助等を行う人員 に加えて、一人暮らし等の地域生活への移行に向けた支援及び退居後の地域生活の 定着のための支援を実施する社会福祉士や精神保健福祉士等の専門職員の配置を要件とすることが考えられる。 ・ 報酬による評価→一人暮らし等に向けた支援を実施する人員体制や本人が希望する一人暮らし等につながった実績等を適切に評価する仕組みとすること が考えられる。
〇 現行の介護サービス包括型、日中サービス支援型、外部サービス利用型のそれぞれ のグループホーム→障害者の高齢化や障害の重度化、医療的ケアを必要とする障害者への対応や、地域のニーズを踏まえた計画的な整備を推進していく必要がある。あわせて、平成 30 年度に創設した日中サービス支援型グループホームを含め、サービスの質の向上・確保等の観点から支援体制等について検討する必要がある。 特に、グループホームにおける強度行動障害者の受入れ体制→令和3年度 障害者総合福祉推進事業「強度行動障害児者の実態把握等に関する調査研究」をはじめ、適切なアセスメントや環境調整等を担う人材やスーパーバイザーの養成等の研究を実施。また、高次脳機能障害者の受入れ体制→厚生労働科学研究 において、令和元年度に障害福祉サービス事業者や相談支援事業者向けに高次脳機能 障害の基本的な対応と支援やサービス別の支援のポイントを盛り込んだ「高次脳機能 障害支援マニュアル」を作成し、現在、当該マニュアルを踏まえた研修カリキュラムや テキストの開発を行っている。 こうした調査研究結果や、令和3年度報酬改定における重度障害者支援加算の拡充 等の施行状況等を踏まえ、障害者の地域移行の推進や地域生活の継続の支援の観点から、強度行動障害者や高次脳機能障害者に対する手厚い支援を要する状態像を明らかにしていった上で、行動障害の評価の在り方や支援者養成等を含めた体制強化を体系的に検討する必要がある。 また、令和5年度末までの経過措置とされているグループホームにおける重度障害 者向けの個人単位の居宅介護等の利用→令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の影響や重度障害者に対する必要な支援を確保する観点等を踏まえつつ、引き続き検討していく必要。 さらに、グループホームで地域生活を送っていく際には、居住や社会参加等の生活 全般の組み立てを支える相談支援専門員と日常生活を支えるグループホームのサービス管理責任者等が、障害者本人の意思決定をサポートしつつ、医療(主治医や訪問看 護等)と連携し、あらかじめ本人の同意を得て日常的な健康状態などの必要な情報共 有等を行っていくことが重要。
〇 グループホームの質の確保・向上→グループホームに様々な事業主体が参 入している状況があることを踏まえつつ、障害福祉サービス等全体の検討の中で、 ・ ガイドライン等による自己評価・利用者評価の推進 ・ 第三者による外部評価の活用(介護分野における運営推進会議による事業者の運 営状況の評価の仕組みを参考として、障害福祉サービス等に導入することを含む。) について、検討する必要がある(P.29 参照)。
〇 障害福祉サービス等全体として、都道府県知事等の行う事業所指定の仕組みにおいて、市町村への意見聴取や条件付与の仕組みの導入を検討する方向であることを踏ま え(P.31 参照)、グループホームについても、こうした仕組みも活用し、地域のニーズ を適切に踏まえた事業所の整備に取り組むことが必要である。
(障害者支援施設の在り方について)→居住支援全体の中における障害者支援施設とグループホームそれぞれの役割や機能を踏まえ、安心できる居住環境を提供する観点から検討する必要。 開かれた障害者支援施設として、入所者の地域への移行や地域課題により一層取り組むため、障害者支援施設としての対応の在り方や、地域生活支援拠点等のコーディネーター、相談支援事業者、障害福祉サービス事業者、地域住民との連携の強化について 検討していく必要がある。
(地域生活支援拠点等の整備の推進について)→ 地域生活支援拠点等(地域生活支援拠点又は居住支援のための機能を備えた複数の 事業所・機関による面的な体制)については、障害者の重度化・高齢化や「親亡き後」 を見据え、 ・ 緊急時における相談や短期入所等の活用を可能とすることにより、地域生活の安心感を担保する機能や ・ 体験の機会の場の提供を通じて、入所施設や病院、親元からのグループホームや 一人暮らし等の地域生活への移行をしやすくする機能 等を地域の実情に応じて整備することにより、障害者が地域で安心して暮らせる支援体制を構築することを目的としたもの。 市町村における地域生活支援拠点等の整備を推進するため、市町村における地域生 活支援拠点等の整備の努力義務化なども含め、法令上の位置付けの明確化を検討する必要がある。 ○ 地域生活支援拠点等の目的である地域生活の安心の確保や地域移行の推進を踏ま えて備えるべき具体的な機能・役割・事業等について、基幹相談支援センター等の地域の関係機関との関係整理も含め検討する必要がある。権利擁護や災害への 対応を担う行政等の関係機関との連携について検討することも重要。 あわせて、市町村が主導的に地域生活支援拠点等の整備や機能強化を図る観点や、 地域生活支援拠点等が期待される役割を果たすことができるよう、地域生活の安心の確保や地域移行の推進を担うコーディネーターを含めた体制整備を図る観点から検討する必要がある。 また、地域生活支援拠点等において、福祉だけでなく、医療、行政などの関係機関との連携も含めた 24 時間の連絡体制の整備を推進していく方策を検討する必要がある。
〇 地域生活支援拠点等→形式的な整備が目的化している場合があるとの指摘。 地域生活支援拠点等については、市町村が、地域の利用者や家族等からニーズを把 握し、継続的に地域のニーズを踏まえた必要な機能が備わっているか検証し、地域の 実情に応じて必要な機能の強化を図っていくことが重要。 今後、各市町村が、地域のニーズを踏まえた必要な機能が備わっているか、PDCA サイクルを通じて継続的に検証・検討するための標準的な評価指標や評価のプロセスを 検討した上で、全国的に周知を図り、市町村における PDCA サイクルを通じて地域生活支援拠点等の機能の充実を推進していく必要がある。
〇 引き続き、国として、市町村に対する地域生活支援拠点等の整備や機能の充実の働きかけの実施や、好事例の周知などにより、地域生活支援拠点等の整備や機能の充実を図っていく方策を検討する必要がある。 また、都道府県については、広域的な見地から、管内市町村の地域生活支援拠点等の 整備状況や機能の状況を継続的に把握するとともに、未整備市町村への整備の働きか けや管内市町村と現状や課題の共有を図るなどにより、地域生活支援拠点等の整備や 機能の充実に向けた積極的な役割が期待される。

2.障害者の相談支援等について
(1) 現状・課題→
相談支援は、障害者等が希望する暮らしを送るために重要であり、障害者自立支援法により法定化され、以降も基幹相談支援センター及び地域相談支援、自立生活援助の創設や計画相談支援の対象の全利用者への拡大、自立支援協議会の法定化等の充実強化を行っており、利用者数、事業所数、相談支援専門員数とも増加傾向。一方で、相談支援専門員について、その人員の不足や更なる資質の向上を求める声があるほか、地域生活の支援を推進するためには各相談支援事業のなお一層の充実強化を求める声がある。 市町村が行う市町村障害者相談支援事業は、必須事業として全ての自治体で実施されているが、その内容や規模は多様であり、地域による特性や差がみられる。 基幹相談支援センターの設置は増加傾向にあるものの、設置市町村は半数以下【令 和2年4月時点:約 45%】にとどまっているほか、設置済みの場合であっても地域の中核的な役割を担う機関としての機能が充分果たせていないセンターが存在する。未設置自治体においては、人材育成や支援者をサポートするための取組が地域内で実施 されていないことがある。 自立生活援助は、事業所数や利用者数が想定より少ない状況がある。また、主な担い手の一つと想定した相談支援事業者が自立生活援助事業を実施しづらい仕組みとなっているとの声がある。 自立支援協議会はほぼ全ての市町村及び全ての都道府県に設置されているが、具体 的な課題を検討する部会の設置状況や開催頻度等は多様であり、形骸化を指摘する声がある。
(2) 検討の方向性 ↓
(基幹相談支援センターを核とする地域の相談支援体制の整備)↓
○ 市町村は住民にとってわかりやすく、アクセスしやすい相談の入口として、どのよ うな相談もまずは受け止める総合的な相談を実施することが必要。
地域の相談支援の中核となる機関である基幹相談支援センターについて、相談支援の質の向上等のため、設置を市町村の努力義務化する等の方策により設置促進をさらに進め、全ての市町村に基幹相談支援センターが設置されることを目指す必要がある。 また、既に設置されている基幹相談支援センターにおいても取組状況には地域による差があることから、相談支援専門員への実地教育や支援を検証する取組をはじめとする人材育成や支援者支援の取組の実施等の地域の相談支援の中核的な役割を確実に果たすため、必要な方策を講じる必要がある。また、こうした検討に際しては、地域の相談支援体制全体の中で、自治体、市町村相談支援事業、基幹相談支援センター、地域生活支援拠点等、(自立支援)協議会、計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援等の各主体が果たす役割・機能の整理を行い、わかりやすく提示していくことを併せて進める必要があるほか、就労等を含む 生活全般の相談を受けられるようにすることも重要な視点である。相談支援事業者が行う関係機関等との連携については調査研究等を推進し、その成果に基づき、計画相談支援等における指定基準等の業務の指針となるものを見直すことをはじめ、実効性のある連携を可能とするための方策をとる必要がある。 特に、相談支援と医療(かかりつけ医、訪問看護師等や難病を含む医療施策を担当 する都道府県)との実効性ある連携に留意して、かかりつけ医や訪問看護師等と相談 支援専門員の連携が必要であり、その情報連携を確保するための在り方を含め、検討を進める必要がある。
○ なお、障害者等の地域生活の実現や継続のために必要な相談支援専門員やピアサポ ーター等が行う業務の在り方→令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の影響等も踏まえつつ、利用者の心身や家族を含む環境の状況により多様な支援が発生しうることを踏まえた業務の範囲や仕組み、ピアサポートの有効性を踏まえた対象サービスの範囲等について、引き続き検討することが必要。その際、ピアサポーターによる支援→障害当事者相互にとって良い効果があることも踏まえ、 相談支援をはじめ、障害福祉サービス等におけるピアサポーターの活用の在り方を検 討する必要がある。 また、相談支援事業の運営において中立・公正性が担保されることの重要性を踏まえ、相談支援専門員のサービス提供事業者からの独立性・客観性の確保の在り方についても検討を進める必要がある。
○ 社会福祉法に基づく重層的支援体制整備事業が実施される市町村が今後増えるこ とも視野に入れ、あらゆる地域住民の多様な支援ニーズに対応するため、他法他施策による相談支援等との連携強化を図ることが求められる。
(「地域づくり」機能の強化と協議会の活性化)→自治体は協議会等を活用し、障害当事者や福祉サービス事業者、医療関係者等を含 む多様な主体の参加を得ながら住民の個別の課題の分析から地域内で共通して見ら れる課題を抽出し、解決を図ることが重要であるとされており、医師会等の関係者、 成年後見制度に係る中核機関等の権利擁護関係機関、管内の計画相談支援事業所等の 参加により、協議会の一層の活性化を図っていく必要がある。 このため、協議会においては利用者個別の事例の検討等をする場合があるが、協議 会に守秘義務がかけられていない現状があることから、検討等の実施を促進するため、 協議会について守秘義務を設ける必要がある。 協議会の活性化のためには、自治体は協議会の運営状況を適切に把握し、評価を行い、地域の関係機関等や地域住民に周知する必要があり、その効果的な方策を検討する必要がある。また、自治体と相談支援事業者が協働する取組が重要であり、特に市町村協議会においては、基幹相談支援センターが事務局機能の一 端を担う等の積極的関与が期待されていることから、それを促進するための方策を講 じる必要がある。 また、自治体が協議会等を構成する機関等の関係者の会議に係る負担を軽減する方 策を講じることを促進するため、事務局機能を強化する中で障害福祉分野における複 数の協議の場が合理的・効率的に開催されるような運用上の工夫を行っている取組等 を把握し、周知する等の必要な方策を講じる必要がある。 市町村や障害保健福祉圏域内にとどまらず、より広域での検討が必要な課題を市町 村協議会からの報告により都道府県協議会で取り扱うことや、広域での地域課題の抽 出にあたり、管内市町村協議会の整理した地域課題を把握すること等をはじめ、都道府県協議会と市町村協議会が効果的に連動するための方策を講じる必要がある。
(地域相談支援及び自立生活援助)→障害者の一人暮らし等の地域生活を支援する自立生活援助と地域定着支援の制度の在り方について、障害者が希望する地域生活の実現・継続を支援する観点から検討 を行う必要がある。 自立生活援助→一人暮らし等の障害者の居宅に定期訪問等を行い相談や 助言等を行うサービスであり、入所施設や精神科病院等からの地域移行を支援する地 域移行支援や、自立生活援助と同様に一人暮らし等の障害者に対して緊急時の連絡体 制の確保や緊急時の相談対応を行う地域定着支援との支援の継続性が必要であるが、 地域移行支援や地域定着支援を行う相談支援事業者にサービス管理責任者がいない 場合は自立生活援助の指定を受けることができない仕組みとなっている。このため、 相談支援事業者による自立生活援助の事業者指定の障壁となっており、自立生活援助の整備が進まない要因の一つになっている。 地域移行支援、地域定着支援との支援の継続性の確保や自立生活援助の整備の促進 の観点から、相談支援事業者が取り組みやすくなるよう、自立生活援助の人員基準の 在り方について検討を行うべき。 自立生活援助→令和3年度報酬改定における見直し後の支給決定の更新 の運用状況も踏まえつつ、引き続き、利用者の状況に応じた標準利用期間や更新手続 きの在り方について検討する必要がある。
○ 自立生活援助は概ね月4回程度の定期的な訪問を実施することとしているが、さらに手厚い訪問が必要な者への支援や、ICTを活用した安否確認や緊急通報の活用による効果的・効率的な支援など、障害者の地域生活の実現・継続を支援する観点から利用者の状況に応じた支援内容や報酬について検討する必要がある。その際には、一 人暮らしの障害者等への支援を行う地域定着支援についても一体的に検討する必要 がある。 各地域における自立生活援助と居住支援法人の連携を推進するための研修の実施 などにより、自立生活援助事業者等と居住支援法人との連携や、自立生活援助事業者 等の居住支援法人としての指定や居住支援法人の自立生活援助事業者等としての指 定を推進していく必要がある。 また、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セー フティネット法)」に基づき、障害者等の要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録 制度や登録住宅の入居者に対する家賃の低廉化補助等の制度が設けられており、当該 制度を所管する国土交通省と連携し、障害者が希望する一人暮らし等のための住宅確 保の支援を推進していく必要がある。

3.障害者の就労支援について
(1) 現状・課題
○ 障害者の就労支援は
、雇用施策と福祉施策がそれぞれの政策体系や政策目的を持ち つつ、連携も図りながら進めてきており、就労系障害福祉サービスから民間企業への 就職が年々増加するとともに【令和元年:約 2.2 万人】、民間企業における雇用者数 【令和2年6月1日時点:約 57.8 万人】も着実に増加が続いている。 就労系障害福祉サービスの利用を希望する障害者の就労能力や適性を客観的に評 価し、可視化していく手法等が確立されていないため、障害者の就労能力や一般就労の可能性について、障害者本人や障害者を支援する者が十分に把握できておらず、適 切なサービス等に繋げられていない。
○ 就労継続支援事業(A型・B型)→直ちに企業等で雇用されることが難 しい者に対して、知識や能力の向上のための訓練等を実施するという趣旨・目的から、 原則、企業等で雇用されている間における利用は想定していないが、障害者の多様な 就労ニーズへの対応や「福祉から雇用」「雇用から福祉」のいずれについても段階的な 移行を進めていくことを考えた場合に、一般就労中の就労継続支援の利用について一 定のニーズが認められる。
○ 障害者の就労支援に携わる人材について、雇用・福祉分野の基礎的な知識やスキルが不十分である、実践的な研修の機会が限られている、専門人材の質・量ともに不足しているといった状況がある。また、一般就労への移行の促進や関係機関の機能や役 割を踏まえた地域における一般就労後の定着支援の円滑な実施のためには、雇用・福祉施策それぞれの分野における地域の支援機関の連携を強化する必要がある。
(2) 検討の方向性
○ 障害者の希望や能力に沿った就労につなげるため
、雇用施策と福祉施策の連携強化 により、就労支援の充実を図るべきであり、現在、労働政策審議会障害者雇用分科会 においても、障害者雇用率制度や納付金制度に係る論点について議論が継続。 このため、同分科会における今後の議論も踏まえつつ、以下の方向性に沿って検討を 進める必要がある。また、検討に当たっては、教育や医療(かかりつけ医、産業医等)などの関係機関 との連携の在り方についても検討する必要がある。
(新たな「就労アセスメント」の創設)→障害者本人のニーズを踏まえた上での一般就労の実現や適切なサービス提供等がなされるよう、就労系障害福祉サービスの利用を希望する障害者へのアセスメント (ニーズの把握と就労能力や適性の評価)の実施の制度化を検討する必要。 この制度化の検討に当たっては、本人の可能性を狭めることなく、個々の状況に応じた就労・支援の提供につなげることができるよう、計画相談支援との関係整理など を含めた支給決定プロセスにおける仕組み、アセスメントの実施内容や実施主体につ いて検討する必要があり、就労系障害福祉サービスの利用意向のある障害者を対象と した就労アセスメントに関するサービス類型の創設も含めて検討する必要がある。 就労系障害福祉サービスの利用意向のある障害者に係る就労経験や支援の内容、生 活面の状況・課題、希望する就労の形態や、地域における障害者雇用、就労系障害福 祉サービス事業所、就労支援機関等の状況などが様々であることを考慮しつつ、円滑 にアセスメント制度の導入を図ることが適当。このため、就労に関するニーズ や能力の変化等を考慮した継続的な対応も含めた支援の在り方や担い手となる人材 の養成、対象となる利用者の範囲の段階的な拡大についても十分に検討する必要があ る。
(一般就労中の企業における支援と就労系障害福祉サービスによる支援の連携)↓
○ 一般就労への円滑な移行のための短時間勤務中の支援や、加齢等の影響により一般就労から福祉的就労へ移行するときなど、企業等で雇用されている間における就労系 障害福祉サービスの利用が可能となるよう、就労継続支援だけではなく就労移行支援 も含めて、各サービスの現行の対象者や位置付けが変化する可能性も踏まえつつ検討 を進める必要がある。 その際、本人の意向等を十分に踏まえること、十分なアセスメントや必要性等の精 査を行うことのほか、その趣旨を踏まえた適切な活用が図られるようにするための具体的な方策を検討する必要がある。
障害者の就労を支えるための雇用・福祉施策の連携強化等)↓
○ 雇用・福祉両分野の基礎的な知識等を分野横断的に付与する基礎的研修の確立及び 専門人材の高度化に向けた階層的な研修の確立といった研修体系の見直しについて は、福祉分野における人材が、それぞれの立場や役割に応じて必要な専門性を身につ けて活躍することができるよう、両分野が連携して具体的に検討する必要がある。 また、企業等で雇用される障害者に対する定着支援の充実を図るため、地域における定着支援の実情やニーズを踏まえた上で、障害者就業・生活支援センター事業の運 営主体が就労定着支援事業を実施することを可能とするなど、地域において必要な支援が提供できるような方策を検討することも必要。さらに、地域の支援ネットワークの強化・充実を図るため、障害者就業・生活支援 センターについて、地域の実情に応じて、地域の支援機関に対するスーパーバイズ(個別の支援事例に対する専門的見地からの助言及びそれを通じた支援の質の向上に係 る援助)や困難事例の対応といった基幹型の機能も担う地域の拠点としての体制を整備するなど、雇用と福祉の両面から地域における支援の質の向上を図る方策を検討する必要がある。 加えて、就労継続支援A型については、これまでに指定基準の見直しや報酬改定等 を通じて、課題への対応を図ってきたが、雇用・福祉施策の連携強化を進めていく中 において、その在り方や役割→利用者や支援内容の実態等を踏まえて整理を進める必要がある。 重度障害者等に対する職場や通勤等における支援→雇用施策との連携に よる重度障害者等就労支援特別事業及び障害者雇用納付金制度に基づく助成金の実施状況や重度訪問介護、同行援護等の利用状況も踏まえつつ、今後に向けた検討を行う必要がある。

次回も続き「4.精神障害者等に対する支援について」からです。

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