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こども未来戦略資料 [2025年04月25日(Fri)]
こども未来戦略資料(令和7年4月4日)
資料 2025年4月から こども未来戦略 加速化プラン がさらに充実します。
https://www.cfa.go.jp/resources/strategy
若い世代の方の将来展望を描けない状況や、子育てをされている方の生活や子育ての悩みを受け止めて、2023年12月に「こども未来戦略」は策定されました。(総額3.6兆円)
・若者・子育て世代の所得を増やす
・社会全体の構造や意識を変える
・すべてのこどもと子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援していく
「こども未来戦略」ではこれらを戦略の基本理念として掲げ、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育てできる社会、こどもたちが笑顔で暮らせる社会の実現を目指しています。 2025年度から本格実施する主な内容は↓

◎こども未来戦略 加速化プラン こども・子育て支援2025年4月からさらに充実します↓
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d5b1cd35-15c6-4dd2-9fb0-353d9639499d/5b3b5ee3/20250401_resources_strategy_05.pdf

次回は新たに「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」からです。

こども未来戦略会議(第9回) [2024年01月06日(Sat)]
こども未来戦略会議(第9回)(令和5年 12 月 22 日)
1. こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai9/gijisidai.html
◎資料 「こども未来戦略」案    令和5年 12 月 22 日 こども未来戦略会議
T.こども・子育て政策の基本的考え方〜「日本のラストチャンス」2030 年に向けて〜↓

・少子化は、我が国が直面する、最大の危機。
・・・・・・・・(中略)・・・・・・・
・ 今回の少子化対策で特に重視しているのは、若者・子育て世代の所得を伸ばさない限 り、少子化を反転させることはできないことを明確に打ち出した点にある。もとより、 結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであって、これらにつ いての多様な価値観・考え方が尊重されるべきであることは大前提である。その上で、 若い世代の誰もが、結婚や、こどもを生み、育てたいとの希望がかなえられるよう、将 来に明るい希望をもてる社会を作らない限り、少子化トレンドの反転はかなわない。個 人の幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを反転させること、これ が少子化対策の目指すべき基本的方向である。
・・・・・・・・(中略)・・・・・・・
・繰り返しになるが、我が国にとって 2030 年までがラストチャンスである。全ての世 代の国民一人一人の理解と協力を得ながら、次元の異なる少子化対策を推進する。これ により、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育て ができる社会、こどもたちがいかなる環境、家庭状況にあっても、分け隔てなく大切に され、育まれ、笑顔で暮らせる社会の実現を図る。
・ この「こども未来戦略」(以下「戦略」)では以上の基本的考え方に基づき、 これまでにない規模で、全てのこども・子育て世帯を対象にライフステージ全体を俯瞰 して、切れ目ない子育て支援の充実を図るとともに、共働き・共育てを推進していくた めの総合的な対策を推進していく。
そのためには、制度や施策を策定・実施するだけでなく、その意義や目指す姿を国民 一人一人に分かりやすいメッセージで伝えるとともに、施策が社会や職場で活用され、 こども・子育て世帯にしっかりと届くよう、企業、地域社会、高齢者や独身者も含め、 社会全体でこども・子育て世帯を応援するという気運を高めていく国民運動が必要であ り、こうした社会の意識改革を車の両輪として進めていく。

U.こども・子育て政策の強化:3つの基本理念↓
1.こども・子育て政策の課題
(1)若い世代が結婚・子育ての将来展望を描けない
(2)子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある
(3)子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する
2.3つの基本理念
(1)若い世代の所得を増やす
(2)社会全体の構造・意識を変える
(3)全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する

V.「加速化プラン」〜今後3年間の集中的な取組〜↓
(これから6〜7年がラストチャンス)
V−1.「加速化プラン」において実施する具体的な施策 ↓
1.ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組 ↓
(1)児童手当の抜本的拡充 〜全てのこどもの育ちを支える制度へ〜
(2)出産等の経済的負担の軽減 〜妊娠期からの切れ目ない支援、出産費用の見える化と保険適用〜
(3)医療費等の負担軽減 〜地方自治体の取組への支援〜
(4)高等教育費の負担軽減 〜奨学金制度の充実と「授業料後払い制度(いわゆる日本版 HECS)」の創設〜
(5)個人の主体的なリ・スキリングへの直接支援
(6)いわゆる「年収の壁(106 万円/130 万円)」への対応
(7)子育て世帯に対する住宅支援の強化 〜子育てにやさしい住まいの拡充〜
2.全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充 ↓
(1)妊娠期からの切れ目ない支援の拡充 〜伴走型支援と産前・産後ケアの拡充〜
(2)幼児教育・保育の質の向上 〜75 年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善〜
(3)全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充〜「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設〜
(4)新・放課後子ども総合プランの着実な実施〜「小1の壁」打破に向けた量・質の拡充〜
(5)多様な支援ニーズへの対応 〜こどもの貧困対策・ひとり親家庭の自立支援と社
会的養護、障害児・医療的ケア児等 の支援基盤の充実〜
・こどもの貧困対策・ひとり親家庭の自立促進→(貧困を解消し、貧困の連鎖を断ち切るためのこどもへの支援)(ひとり親の就労支援等を通じた自立促進や経済的支援等)
・児童虐待防止・社会的養護・ヤングケアラー等支援→(虐待の未然防止)(こども・若者視点からの新たなニーズへの対応)(児童虐待への支援現場の体制強化)(虐待等を受けたこどもの生活環境等の整備)
・障害児支援、医療的ケア児支援等→(早期発見・早期支援等の強化)(地域における支援体制強化とインクルージョンの推進)(専門的な支援の強化等)
3.共働き・共育ての推進↓
(1)男性育休の取得促進 〜「男性育休は当たり前」になる社会へ〜
・制度面の対応→(男性の育児休業取得率の目標)
   ・給付面の対応→80%(手取りで 10 割相当)へと引き上げる。
(2)育児期を通じた柔軟な働き方の推進 〜利用しやすい柔軟な制度へ〜
(3)多様な働き方と子育ての両立支援 〜多様な選択肢の確保〜
4.こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革

V−2.「加速化プラン」を支える安定的な財源の確保↓
(見える化)(予算規模→全体として 3.6 兆円程度の充実)(財源の基本骨格2028年度まで3.6 兆円程度の確保)
V−3.こども・子育て予算倍増に向けた大枠→OECD トップ水準のスウェーデ ン(15.4%)に達する水準
W.こども・子育て政策が目指す将来像と PDCA の推進↓
○〜 こどもと向き合う喜びを最大限に感じるための4原則 〜↓

 1.こどもを生み、育てることを経済的理由であきらめない
2.身近な場所でサポートを受けながらこどもを育てられる
3.どのような状況でもこどもが健やかに育つという安心感を持てる
4.こどもを育てながら人生の幅を狭めず、夢を追いかけられる

おわりに↓
・ 本戦略は、少子化・人口減少のトレンドを反転させるため、これまでとは次元の異なる少子化対策の実現に向けて取り組むべき政策強化の基本的方向を取りまとめたもの、今後3年間の集中取組期間において実施すべき「加速化プラン」の内容を明らかにするとともに、将来的なこども・子育て予算の倍増に向けた大枠を示している。
・ 本戦略に基づくこども・子育て政策の抜本的な強化に向け、少子化の克服に向けた基 本的な政策の企画立案・総合調整をつかさどるこども家庭庁が中心となり、文部科学省 や厚生労働省等の関係省庁と連携し、こども・若者や子育て当事者の視点に立って、こ ども基本法(令和4年法律第 77 号)に基づきこども施策の基本的な方針や重要事項等 について定める「こども大綱」の実行と併せて政府を挙げて、取り組んでいく。
・ その際、本戦略に基づく制度や施策の内容、意義、目指す姿を国民一人一人に分かり やすいメッセージで伝えるとともに、社会全体でこども・子育て世帯を応援するという 気運を高め、社会の意識改革を進めていく国民運動を、経済界や地方自治体など幅広い 関係者の参画と協力を得ながら展開する。

○(参考)これまでのこども・子育て政策の変遷 〜1.57 ショックからの 30 年〜
○(別紙)こども・子育て支援特別会計とこども・子育て支援金制度→以下の内容に沿って 2024 年通常国会への法案提出に向けて、引き続き検討する。↓

1 こども・子育て支援特別会計
(骨格と見える化)(特別会計における歳入)(特別会計における歳出)
2 こども・子育て支援金制度↓
(骨格)(支援納付金)(支援金)(医療保険者に対する財政支援等)
(実施時期等)→支援金制度は、2026 年度から開始して 2028 年度までに段階的に 構築。あわせて、法律において、支援金制度は上述の実質的な社会保険負 担軽減効果の範囲内で構築することや、2028 年度までの各年度の支援金総額、歳出改革 (全世代型社会保障制度改革)の推進の基本的考え方など、必要な事項を規定する。


◎参考資料 こども未来戦略における主な施策等について↓
○児童手当の抜本的拡充→所要の法案を次期通常国会に提出し、2024年10月から実施。
○出産・子育て応援交付金の制度化について
○教育訓練給付の拡充
○教育訓練中の生活を支えるための給付と融資制度の創設
○「加速化プラン」による施策の充実 【多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化】
○全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充 〜「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設〜
→2025年度に子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業として制度化し、2026年度から子ども・子育て支援法に 基づく新たな給付として全国の自治体においてこども誰でも通園制度(仮称)を実施できるよう、所要の法案を次期通常国会に提出する。
○「こども未来戦略」を踏まえた職員配置基準の改善について→令和7年度以降の対応⇒1歳児は、加速化プラン期間中の早期に、 6対1から5対1への改善を進める
○(全体概要版)「加速化プラン」における支援強化【貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児】→以下のまとめとなっている。↓
○「加速化プラン」による施策の充実 【貧困】
○「加速化プラン」による施策の充実 【児童虐待防止】
○「加速化プラン」による施策の充実 【障害児・医療的ケア児】
○育児休業の取得促進について(一般事業主行動計画の仕組みの見直し)
○育児休業給付の給付率引上げ
○育児時短就業給付の創設→被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時間勤務をしている場合の新たな給付として、育児時短就業給付を創設。 給付率は、休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定労働時間で勤務することを推進する観点から、時 短勤務中に支払われた賃金額の10%とする。
○育児休業の取得促進について、育児期の柔軟な働き方の推進→「出生」〜「就学」まで。
○育児期の柔軟な働き方の推進(個別の意向の聴取と配慮)→事業所の面談による。
○雇用保険の適用拡大→週の所定労働時間が10時間以上の労働者まで拡大。
○自営業やフリーランス等の方々の育児期間の国民年金保険料の免除
○こども・子育て政策の強化(加速化プラン)の財源の基本骨格(イメージ)→【歳出面】 加速化プラン完了時点 3.6兆。 【歳入面】加速化プランの財源 = 歳出改革の徹底等

次回は新たに「こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方に関する検討会(第4回」からです。

第8回こども未来戦略会議 [2023年12月31日(Sun)]
第8回こども未来戦略会議 (令和5年12月11日)
議事次第.こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai8/gijisidai.html
◎資料1 「こども未来戦略」案 →再掲のため。

◎資料2 権丈 構成員提出資料 (週刊東洋経済記載の記事から)↓
・第8回こども未来戦略会議への提出資料→「経済を見る目」として老後を考えた時に、公的年金趣味レーターを活用してはいかがかな。特に「年収の壁」の視点からスマホで調べる。

◎資料3 小林 構成員提出資料     日本商工会議所 会頭 小林 健
少子化トレンドの反転に向け、経済成長の実現に先行して取り組み、 「こども未来戦略」に基づく国を挙げた対策の速やかな実行を期待する。

我が国の経済・社会システムを維持する上で不可欠な本対策が十分な効果 を発揮するためには、全ての世代の国民一人ひとりの協力を得ることが 必須。 そのためには、少子化に立ち向かう政府の不退転の決意と、本対策の全体 パッケージを、わかりやすく、平易なメッセージで国民に広く伝え、国を 挙げて取り組むことについての理解促進に万全を期すことが重要。 また、今般の対策・支援が、時々の政治・経済情勢に左右されず、安定的に 実施されるものであり、国民生活の将来設計にプラスの影響を与えて くれるものである、と国民が得心できるように取り組まれたい。 なお、財源の確保にあたっては、歳出改革の徹底はもとより、「支援金」 制度の創設・構築が、産業界の賃上げ努力やこれによる勤労者の所得向上 効果・期待を減殺・抑制する要因とならないよう望む。また、企業のみが 負担する事業主拠出金制度については、制度の在り方を抜本的に見直すと ともに、料率の引上げは行わないでいただきたい。 以上

◎資料4 新居 構成員提出資料
● P3 「企業、地域社会、高齢者や独身者も含め、社会全体でこども・子育て 世帯を応援するという機運を高めていく国民運動が必要であり」→「国民運動」という言葉選びは避 けることが望ましいのではないか
● P14 「出産・子育て応援交付金」(10万円)について→今後、伴走型相談支援と組み合わせて実施するのであ れば、現状の活用方法は大きく趣旨と異なるように感じる。早急に産後ケアなどの公的サービスに使えるようにする制度設計への変更が必要なのではないか
● P15 「出産費用の見える化」→ 出産費用を見える化する際には、妊娠検査の段階から含めてきちんと 見える化してほしい。妊娠して初めて病院にいくという不安な状況の中、高額な費用がかか るというのは、妊婦にとって負担が大きく、また出産や子育てにはお 金がかかるものだという不安感を強める。妊娠したかも?と思った段 階で、安心して病院に行き、妊娠検査や健康診査を切れ目なく受けら れるようにするためには、所得に関係なく妊娠・出産にかかる費用を 無償化するべきではないか
● P18 「産後ケア事業」→自治体の助成を活用し た産後ケアの利用をおすすめされ、活用することができた。しかし、 このような周囲のすすめがなければ、産後ケアを利用するに至らなかったように感じる。出産直後の右も左もわからず辛い時期に、こども を連れて行ける場所があるというのは大きな安心感につながることか ら、より一層手厚い情報提供が必要と感じる
● P25 「中小企業に対する助成措置を大幅に強化」→男性が育休を取ることで評価を下げることにつながる会社では、(育 休をとることの多い)女性が評価されていないことが容易に想像でき る。子育てに関わったことのない男性ばかりが評価され、要職を担っ ている会社ばかりの社会では、いつまでも「こどもまんなか」は実現 できないだろう
● P26 (2)育児期を通じた柔軟な働き方の推進→「育児期」だけではなく「妊娠期」も柔軟な働き方が重要であると考 える。妊娠中、つわりや体の痛み、マイナートラブルはほとんどの方 が経験する。毎朝電車に乗って同じ時間に通勤するのが難しいという 経験をした妊婦も多いのではないか。テレワークに切り替えられるこ とで、妊娠中も就業継続が可能になり、出産後も職場に戻りやすくな ると考える。



◎資料5 芳野 構成員提出資料   日本労働組合総連合会 会長 芳野 友子
○ 日本が「安心して子どもを生み育てやすい社会」だと実感するには、所得や雇用 の不安を解消することが必要不可欠。
従って「若者・子育て世代の所得向 上」だけでなく、非正規雇用の正規化を含め、雇用の安定と質の向上を通じた雇 用不安の払拭に向けた実効性ある取り組みの推進が先決であり、そのことを「T. こども・子育て政策の基本的考え方」に明記すべきである。同時に、固定的性別 役割分担意識の払拭はもとより、長時間労働を是正し、誰もが仕事と生活を両立 できるようにすることが喫緊の課題であり、早急に取り組む必要がある。
○ 「保育士の職員配置基準の見直し」は、最低基準の改正に経過措置が設けられる とともに、加算措置で事業者の裁量に委ねられるため、実効性ある取り組みが求 められる。また、保護者の就業要件を問わず誰もが保育サービスを利用できる「こ ども誰でも通園制度」の実施にあたっては、すべての子どもが質の高い幼児教育・ 保育を享受できるよう、配置基準の抜本的な見直しを含め、保育現場で働く職員 の賃金・労働条件を改善し、人材を確保すべきである。
○ 「支援金制度」→社会保障の機能劣化への懸念、給付と負担の関係の 不明確さ、今後の様々な政策の財源確保において前例となる危惧などの課題があ る。財源については、社会全体で子ども・子育てを支える考えにもとづき、税や 財政全体の見直しなど、幅広い財源確保策を検討すべきである。
○ 雇用保険制度に関わる財源→雇用保険制度の趣旨にもとづいた支出が 大前提であり、効果の検証が不可欠である。なお、これらは他の社会保険制度も 同様である。新たな特別会計に統合されたとしても、財源のあり方や給付と負担 のバランスも含め、厚生労働省の関連する審議会において納得を得られる議論を 尽くすべき。「戦略」の取り組みの効果について、生活の質の向上はもとより、必要性・効率 性および有効性の観点から政策評価を行い、不断の改善をはかる必要がある。

◎資料6 新浪 構成員提出資料
(1)ワイズスペンディング・EBPM の徹底
(2)地域で支え合う「共助」の取組みの推進
(3)財源の確保に向けて↓
・何より、世帯の可処分所得が安定的に上がっていかなければ、こどもを持ち、 育てていこうという機運は高まらないが、今はその素地ができていない。故に、 国民が可処分所得の減少に不安を抱くことのないよう、社会保険料含めた現役 世代の負担をこれ以上増やさないことをまず大前提としてピン留めすべきであ り、その上で、歳出改革を確実に進めることが肝要。
・歳出改革→改革項目ごとの歳出削減・抑制の効果を示し、項目単位での進捗管理を徹底することが肝要、経済財政諮問会議のもとで進捗をモニターする枠組みを整えるべき。
・「支援金制度」→「歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担 軽減の効果を生じさせる」、「実質的に負担を生じさせない」との趣旨について、 国民が疑念や不安を持つことなく、具体的なイメージを持って理解できるよう、より丁寧かつわかりやすい説明を行う必要があるのではないか。 また、こども・子育て政策の財源として社会保険料を活用することは、本来の 社会保険の目的に照らしても適切とは言えないことから、「支援金制度」はあくまで時限的な制度とし、中長期的な財源は継続して議論を深めるべき。


◎参考資料1 こども未来戦略方針の具体化に向けた検討について
○「加速化プラン」における支援強化【貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児】(全体概要版)
→貧困・ひとり親、児童虐待防止、障害児・医療的ケア児への支援を強化・拡充し、多様なニーズを持つこどもを含め、すべてのこどもと家庭に対する包括的な支援体制を構築
○「加速化プラン」による施策の充実 【貧困】→こどもの貧困(食 事、学び等)を解消し、貧困の連鎖を断ち切るため、こどもの学習支援、生活支援を強化。 子育てと仕事を1人で担わざるを得ない、ひとり親家庭が抱える様々な課題に対応するため、児童扶養手当の拡充のほか、 就業支援、養育費確保支援などを多面的に強化する。
○「加速化プラン」による施策の充実 【児童虐待防止】→包括的な相談支援体制の構築などの体制整備を着実に実施するとともに、こども・若者視点での新たなニーズに応じた 支援やアウトリーチ型支援などを強化する。
○「加速化プラン」による施策の充実 【障害児・医療的ケア児】→障害児と医療的ケア児への支援を強化し、障害の有無にかかわらず、すべてのこどもが地域で安心して共に育ち暮らす ことができる包摂的な社会づくりを強力に進める。
○「加速化プラン」による施策の充実 【多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化】→高等教育費により理想のこどもの数を持てない状況を払拭するため、2025年度から、多子世帯の学生等については 授業料・入学金を無償とする。

≪参考資料≫↓
○児童手当の抜本的拡充
→、2024年10月から実施。その際、支払月を年3回から隔月(偶数月)の年6回とし、拡充後の初回支給を2024年12月とする
○出産・子育て応援交付金の制度化について→経済的支援(10万円)は、子ども・子育て支援法の新たな個人給付(妊婦のための支援給付(仮称)(5万円+妊娠したこどもの人数×5万円の給付金の支給))を創設。
○教育訓練給付の拡充→受講費用の10%(合計80%)を追加で支給。特定一般教育訓練給付金(速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練講座を対象)について、資格取得し、 就職等した場合には、受講費用の10%(合計50%)を追加で支給する。
○教育訓練中の生活を支えるための給付と融資制度の創設→賃金の一定割合を支給する教育訓練休暇給付金を創設。 雇用保険の被保険者ではない者を対象に、教育訓練費用や生活費を対象とする融資制度を創設。
○全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充 〜「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設〜→2025年度に子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業として制度化し、2026年度から子ども・子育て支援法に 基づく新たな給付として全国の自治体においてこども誰でも通園制度(仮称)を実施できるよう、所要の法案を次期通常国会に提出する。
○「こども未来戦略」を踏まえた職員配置基準の改善について→令和6年度の対応。令和7年度以降の対応参照。
○育児休業の取得促進について (一般事業主行動計画の仕組みの見直し、育児休業取得率開示制度の拡充)→令和5年12月4日労働政策審議会 雇用環境・均等分科会において議論された「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について(案)」の概要 参照。
○育児休業給付の給付率引上げ→子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者 の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付し、育児休業給付とあ わせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上げることとする。
○育児時短就業給付の創設→被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時間勤務をしている場合の新たな給付として、育児時短就業給付を創設。 給付率は、休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定労働時間での勤務することを推進する観点から、 時短勤務中に支払われた賃金額の10%とする。
○育児期の柔軟な働き方の推進 (テレワークの努力義務化、「親と子のための選べる働き方制度(仮称)」の創設、 残業免除の対象となるこどもの年齢の引上げ、子の看護休暇制度の見直し)→令和5年12月4日労働政策審議会 雇用環境・均等分科会において議論された「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について(案)」の概要 参照。
○育児期の柔軟な働き方の推進 (個別の意向の聴取と配慮)→令和5年12月4日労働政策審議会 雇用環境・均等分科会において議論された「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について(案)」の概要 参照。
○雇用保険の適用拡大→ 雇用保険の適用対象を週の所定労働時間が10時間以上の労働者まで拡大。(R4年度末時点の被保険者数は約4,457万人)
自営業やフリーランス等の方々の育児期間の国民年金保険料の免除→検討・見直しの方向性⇒・自営業・フリーランス等の育児期間中の経済的な給付に相当する支援措置として、国民年金の第1号被保険者について育児期間に係る 保険料免除措置を創設することとする。その際、現行の産前・産後期間の保険料免除制度や被用者保険の育児休業期間の保険料免除措 置を参考としつつ、2026年度に施行するため、所要の法案を次期通常国会に提出する。


◎参考資料2 全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)について(案)
U.今後の取組 ↓
1.働き方に中立的な社会保障制度等の構築

<@ 来年度(2024 年度)に実施する取組>→(労働市場や雇用の在り方の見直し)
<A「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに実施について検討する取組>→ (勤労者皆保険の実現に向けた取組)
<B 2040 年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組>

2.医療・介護制度等の改革
<@ 来年度(2024 年度)に実施する取組> ※予算編成過程を踏まえて記載
<A「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに実施について検討する取組>→ (生産性の向上、効率的なサービス提供、質の向上)(能力に応じた全世代の支え合い)(高齢者の活躍促進や健康寿命の延伸等)
<B 2040 年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組>

3.「地域共生社会」の実現
<@ 来年度(2024 年度)に実施する取組>→重層的支援体制整備事業の更なる促進など。
<A「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに実施について検討する取組>→孤独・孤立対策の推進など。
<A「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに実施について検討する取組>→孤独・孤立対策推進本部において新たな重点計 画を作成するなど
<B 2040 年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組>→人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが 生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らせる包摂的な社会の実現に向けた検討

4.まとめ→上記各分野におけるAに記載の取組については、2028 年度までの各年度の予算編成 過程において、実施すべき施策の検討・決定を行い、全世代が安心できる制度を構築 し、次の世代に引き継ぐための取組を着実に進める必要がある。その際、生産性の向 上、効率的なサービス提供、質の向上等や、能力に応じた全世代の支え合い、高齢者 の活躍促進、健康寿命の延伸等の着眼点に立ち、人口動態の変化に対応した全世代型 の社会保障とする観点から、これまでに実施した事項も含め、制度や事業等の在り方 について、幅広く検討を行う必要がある。 こうした改革の実行を通じて、将来世代を含めた全ての世代にとって安心できる社 会保障制度をはじめ、我が国の豊かな経済社会を将来世代に確実に引き継いでいく必 要がある

次回は新たに「第8回 国内の労働分野における政策手段を用いた国際課題への対応に関する検討会」からです。

こども未来戦略会議(第7回) [2023年11月04日(Sat)]
こども未来戦略会議(第7回)(令和5年10月2日)
議事 こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai7/gijisidai.html
◎参考資料1 こども未来戦略会議 有識者構成員→19名。

◎参考資料2 こども未来戦略方針 〜 次元の異なる少子化対策の実現のための 「こども未来戦略」の策定に向けて 〜 令和5年6月 13 日
T.こども・子育て政策の基本的考え方 〜「日本のラストチャンス」2030 年に向けて〜
U.こども・子育て政策の強化:3つの基本理念
1.こども・子育て政策の課題
(1)若い世代が結婚・子育ての将来展望を描けない
(2)子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある
(3)子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する
2.3つの基本理念
(1)若い世代の所得を増やす
(2)社会全体の構造・意識を変える
(3)全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する
V.「加速化プラン」〜今後3年間の集中的な取組〜
(これから6〜7年がラストチャンス)
V−1.「加速化プラン」において実施する具体的な施策
1.ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組
(1)児童手当の拡充 〜全てのこどもの育ちを支える制度へ〜
(2)出産等の経済的負担の軽減 〜妊娠期からの切れ目ない支援、出産費用の見える化と
保険適用〜
(3)医療費等の負担軽減 〜地方自治体の取組への支援〜
(4)高等教育費の負担軽減 〜奨学金制度の充実と「授業料後払い制度(いわゆる日本版 HECS)」の創設〜
(5)個人の主体的なリ・スキリングへの直接支援
(6)いわゆる「年収の壁(106 万円/130 万円)」への対応
(7)子育て世帯に対する住宅支援の強化 〜子育てにやさしい住まいの拡充〜
2.全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充
(1)妊娠期からの切れ目ない支援の拡充 〜伴走型支援と産前・産後ケアの拡充〜
(2)幼児教育・保育の質の向上 〜75 年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善〜
(3)全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充〜「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設〜
(4)新・放課後子ども総合プランの着実な実施〜「小1の壁」打破に向けた量・質の拡充〜
(5)多様な支援ニーズへの対応 〜社会的養護、障害児、医療的ケア児等の支援基盤の充実とひとり親家庭の自立支援〜
(社会的養護・ヤングケアラー等支援)
(障害児支援、医療的ケア児支援等)
(ひとり親家庭の自立促進)
3.共働き・共育ての推進
(1)男性育休の取得促進 〜「男性育休は当たり前」になる社会へ〜
・制度面の対応→(男性の育児休業取得率の目標)↓
2025 年 公務員 85%(1週間以上の取得率)、民間 50%
2030 年 公務員 85%(2週間以上の取得率)、民間 85%
(参考)民間の直近の取得率:女性 85.1%、男性 13.97%
・給付面の対応→いわゆる「産後パパ育休」(最大 28 日間)を念頭に、出 生後一定期間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、給付率を現行 の 67%(手取りで8割相当)から、8割程度(手取りで 10 割相当)へと引き上げる
(2)育児期を通じた柔軟な働き方の推進 〜利用しやすい柔軟な制度へ〜
(3)多様な働き方と子育ての両立支援 〜多様な選択肢の確保〜

4.こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革

V−2.「加速化プラン」を支える安定的な財源の確保→V−1.の1.〜4.で掲げた給付面の改革や意識改革と並行して、次のような財政 面の改革に取り組む。
(見える化)
(財源の基本骨格)
V−3.こども・子育て予算倍増に向けた大枠
W.こども・子育て政策が目指す将来像と PDCA の推進

○〜 こどもと向き合う喜びを最大限に感じるための4原則 〜 ↓
1.こどもを生み、育てることを経済的理由であきらめない
2.身近な場所でサポートを受けながらこどもを育てられる
3.どのような状況でもこどもが健やかに育つという安心感を持てる
4.こどもを育てながら人生の幅を狭めず、夢を追いかけられる

おわりに→本戦略方針は、こども基本法(令和4年法律第 77 号)に基づきこども施策の基本的な 方針や重要事項等について定める「こども大綱」とあいまって、少子化・人口減少のト レンドを反転させるため、これまでとは次元の異なる少子化対策の実現に向けて取り組 むべき政策強化の基本的方向を取りまとめたものであり、今後3年間の集中取組期間に おいて実施すべき「加速化プラン」の内容を明らかにするとともに、将来的なこども・ 子育て予算の倍増に向けた大枠を示している。
今後、本戦略方針の具体化を進め、年末までに「戦略」を策定する。その上で、こども・子育て政策の抜本的な強化に向け、少子化の克服に向けた基本的 な政策の企画立案・総合調整をつかさどるこども家庭庁が中心となり、文部科学省や厚 生労働省等の関係省庁と連携し、若い世代や子育て当事者の視点に立って、政府を挙げて、取り組んでいく。

○(参考)これまでのこども・子育て政策の変遷 〜1.57 ショックからの 30 年〜


◎参考資料3 全世代型社会保障構築会議 報告書 〜全世代で支え合い、人口減少・超高齢社会の課題を克服する〜   令和4年12月16日  全世代型社会保障構築会議
T. はじめに→
・ 全世代型社会保障改革等についての議論を行い、5 月 17 日の第5回会議において 「議論の中間整理」をとりまとめ、同日に開催された第2回本部に報告を行った。 ・ 9 月 7 日の第3回本部において、内閣総理大臣から、「こども・子育て支援の充実」「働 き方に中立的な社会保障制度等の構築」「医療・介護制度の改革」を主なテーマとして特 に検討を深めるよう指示があり、第6回会議以降はそれを受けた議論を行い、さらに 11 月 11 日の第8回会議では関係団体からのヒアリングを実施した。 ・ 11 月 24 日の第4回本部に「全世代型社会保障構築会議の論点整理(各分野の改革 の方向性)」を報告し、内閣総理大臣からは、これに沿って年末に向けて検討を進め、早 急に実施すべき課題と中長期的な課題を整理した上で、今後の改革の方向性を示す報 告書をとりまとめるよう指示があった。

U. 全世代型社会保障の基本的考え方
1. 目指すべき社会の将来方向
→◆「少子化・人口減少」の流れを変える。これからも
続く「超高齢社会」に備える(働き方に中立的な社会保障制度を構築し労働力を確保する。社会保障を皆で支える仕組みを構築し、ニーズの変化に的確に対応する)。◆「地域の支え合い」を強める
2. 全世代型社会保障の基本理念→◆「将来世代」の安心を保障する◆能力に応じて、全世代が支え合う◆個人の幸福とともに、社会全体を幸福にする◆制度を支える人材やサービス提供体制を重視する◆社会保障のDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組む。
3. 全世代型社会保障の構築に向けての取組→◆「時間軸」の視点◆「地域軸」の視点

V. 各分野における改革の方向性
1. こども・子育て支援の充実

(1) 基本的方向
(2) 取り組むべき課題
@ 全ての妊産婦・子育て世帯支援
→◆妊娠時から寄り添う「伴走型相談支援」と経済的
支援の充実(0〜2歳児の支援拡充)◆全ての希望者が、産前・産後ケアや一時預かりなどを利用できる環境の整備◆出産育児一時金の大幅な増額◆不妊治療等に関する支援
A 仕事と子育ての両立支援 (「仕事か、子育てか」の二者択一を迫られている状況の是
正)
→◆保育の枠を確保できる入所予約システムの構築◆子育て期の長時間労働の是正、柔軟な働き方の促進◆育児休業取得の一層の促進と時短勤務を選択する際の支援◆非正規雇用労働者の処遇改善と短時間労働者への更なる支援◆育児休業給付の対象外である方々への支援
(3) 今後の改革の工程
@ 足元の課題
A 来年、早急に具体化を進めるべき項目
2.働き方に中立的な社会保障制度等の構築
(1) 基本的方向
(2) 取り組むべき課題
@ 勤労者皆保険の実現に向けた取組→◆短時間労働者への被用者保険の適用に関する企業規模要件の撤廃◆個人事業所の非適用業種の解消◆週労働時間 20 時間未満の短時間労働者への適用拡大◆フリーランス・ギグワーカーについて◆デジタル技術の活用◆女性の就労の制約と指摘される制度等について◆被用者保険適用拡大の更なる推進に向けた環境整備・広報の充実
A 労働市場や雇用の在り方の見直し→◆非正規雇用労働者を取り巻く課題の解決◆労働移動の円滑化
(3) 今後の改革の工程
(勤労者皆保険の実現に向けた取組)@ 次期年金制度改正に向けて検討・実施すべき項目
(労働市場や雇用の在り方の見直し)@ 速やかに検討・実施すべき事項
3. 医療・介護制度の改革
(1) 基本的方向
(2) 取り組むべき課題
@ 医療保険制度→◆後期高齢者医療制度の保険料負担の在り方の見直し◆被用者保険者間の格差是正
A 医療提供体制→◆サービス提供体制の改革に向けた主な課題◆かかりつけ医機能が発揮される制度整備
B 介護→◆地域包括ケアシステムの深化・推進◆次の計画期間に向けた改革(8つの観点
あり)
C 医療・介護分野等における DX の推進→◆医療・介護分野の関連データの積極的な利活用の推進◆医療 DX の実装化
(3) 今後の改革の工程
@ 足元の課題
A 来年、早急に検討を進めるべき項目
B 2025 年度までに取り組むべき項目
4. 「地域共生社会」の実現
(1) 基本的方向
(2) 取り組むべき課題
@ 一人ひとりに寄り添う支援とつながりの創出→◆重層的支援体制の整備◆ソーシャルワーカー等の確保・育成◆多様な主体による地域づくりの推進◆孤独・孤立対策の推進◆地域共生社会の実現に向けた社会保障教育の推進。
A 住まいの確保→◆ソフト面での支援の強化◆住宅の所有者との関係、空き地・空き家の活用
(3) 今後の改革の工程
@ 来年度、実施・推進すべき項目
A 制度改正について検討を進めるべき項目

○全世代型社会保障構築会議 構成員名簿→18名。
○全世代型社会保障構築会議 議論の経過→第12回(2022 年 12 月 16 日)まで。


◎参考資料4 経済財政運営と改革の基本方針 2023(抜粋)
○第4章 中長期の経済財政運営 
2.持続可能な社会保障制度の構築
(社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進)

医療・介護サービスの提供体制については、今後の高齢者人口の更なる増加と人口減少 に対応し、限りある資源を有効に活用しながら質の高い医療介護サービスを必要に応じて 受けることのできる体制を確保する観点から、医療の機能分化と連携の更なる推進、医療・ 介護人材の確保・育成、働き方改革、医療・介護ニーズの変化やデジタル技術の著しい進 展に対応した改革を早期に進める必要がある。 このため、1人当たり医療費の地域差半減に向けて、都道府県が地域の実情に応じて地 域差がある医療への対応などの医療費適正化に取り組み、引き続き都道府県の責務の明確 化等に関し必要な法制上の措置を含め地域医療構想を推進するとともに、都道府県のガバ ナンス強化252、かかりつけ医機能が発揮される制度整備の実効性を伴う着実な推進、地域 医療連携推進法人制度の有効活用、地域で安全に分娩できる周産期医療の確保、ドクター ヘリの推進、救急医療体制の確保、訪問看護の推進、医療法人等の経営情報に関する全国 的なデータベースの構築を図る。実効性のある医師偏在対策、医療専門職のタスク・シフ ト/シェア、薬局薬剤師の対人業務の充実、対物業務の効率化、地域における他職種の連携 等を推進する。その中で、医師が不足する地域への大学病院からの医師の派遣の継続を推 進する。また、関係者・関係機関の更なる対応253により、リフィル処方の活用を進める。
医療DX推進本部において策定した工程表254に基づき、医療DXの推進に向けた取組に ついて必要な支援を行いつつ政府を挙げて確実に実現する。マイナンバーカードによるオンライン資格確認の用途拡大や正確なデータ登録の取組を進め、2024年秋に健康保険証を 廃止する。レセプト・特定健診情報等に加え、介護保険、母子保健、予防接種、電子処方 箋、電子カルテ等の医療介護全般にわたる情報を共有・交換できる「全国医療情報プラッ トフォーム」の創設及び電子カルテ情報の標準化等を進めるとともに、PHRとして本人 が検査結果等を確認し、自らの健康づくりに活用できる仕組みを整備する。その他、新し い医療技術の開発や創薬のための医療情報の二次利活用、「診療報酬改定DX」による医 療機関等の間接コスト等の軽減を進める。その際、医療DXに関連するシステム開発・運 用主体の体制整備、電子処方箋の全国的な普及拡大に向けた環境整備、標準型電子カルテ の整備、医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策等を着実に実施する。
健康寿命を延伸し、高齢者の労働参加を拡大するため
にも、健康づくり・予防・重症化 予防を強化し、デジタル技術を活用したヘルスケアイノベーションの推進やデジタルヘル スを含めた医療分野のスタートアップへの伴走支援などの環境整備に取り組むとともに、 第3期データヘルス計画を見据え、エビデンスに基づく保健事業255を推進する。リハビリ テーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進を図る。全身の健康と口腔の健康に関す る科学的根拠の集積・活用と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる 国民皆歯科健診)に向けた取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につな がる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医科歯科連携を始めとする関 係職種間・関係機関間の連携、歯科衛生士・歯科技工士等の人材確保の必要性を踏まえた 対応、歯科技工を含む歯科領域におけるICTの活用を推進し、歯科保健医療提供体制の 構築と強化に取り組む。また、市場価格に左右されない歯科用材料の導入を推進する。計 画256に基づき、がんの早期発見・早期治療のためのリスクに応じたがん検診の実施や適切 な時機でのがん遺伝子パネル検査の実施、小児がん等に係る治療薬へのアクセス改善など のがん対策及び循環器病対策を推進する。また、難聴対策、難病対策、移植医療対策257、 慢性腎臓病対策、アレルギー疾患対策、メンタルヘルス対策、栄養対策等を着実に推進する。
創薬力強化に向けて、革新的な医薬品、医療機器、再生医療等製品の開発強化、研究開 発型のビジネスモデルへの転換促進等を行うため、保険収載時を始めとするイノベーショ ンの適切な評価などの更なる薬価上の措置、全ゲノム解析等に係る計画258の推進を通じた 情報基盤259の整備や患者への還元等の解析結果の利活用に係る体制整備、大学発を含むス タートアップへの伴走支援、臨床開発・薬事規制調和に向けたアジア拠点の強化、国際共 同治験に参加するための日本人データの要否の整理、小児用・希少疾病用等の未承認薬の 解消に向けた薬事上の措置と承認審査体制の強化等を推進する。これらにより、ドラッグ ラグ・ドラッグロスの問題に対応する。さらに、新規モダリティへの投資や国際展開を推進するため、政府全体の司令塔機能の下で、総合的な戦略を作成する。医療保険財政の中 で、こうしたイノベーションを推進するため260、長期収載品261等の自己負担の在り方の見 直し、検討を進める。大麻に関する制度を見直し、大麻由来医薬品の利用等に向けた必要 な環境整備を行うほか、OTC医薬品・OTC検査薬の拡大に向けた検討等によるセルフ メディケーションの推進、バイオシミラーの使用促進等、医療上の必要性を踏まえた後発 医薬品を始めとする医薬品の安定供給確保、後発医薬品の産業構造の見直し、プログラム 医療機器の実用化促進に向けた承認審査体制の強化を図る。また、総合的な認知症施策を 進める中で、認知症治療の研究開発を推進する。献血への理解を深める262とともに、血液 製剤263の国内自給、安定的な確保及び適正な使用の推進を図る。
急速な高齢化が見込まれる中で、医療機関の連携、介護サービス事業者の介護ロボット・ ICT機器導入や協働化・大規模化、保有資産の状況なども踏まえた経営状況の見える化 を推進した上で、賃上げや業務負担軽減が適切に図られるよう取り組む264。介護保険料の 上昇を抑えるため、利用者負担の一定以上所得の範囲の取扱いなどについて検討を行い、 年末までに結論を得る265。介護保険外サービスの利用促進に係る環境整備を図る。

次回は新たに「第2回 孤独・孤立対策に関する有識者会議」からです。


こども未来戦略会議(第6回) [2023年07月02日(Sun)]
こども未来戦略会議(第6回)(令和5年6月13日)
こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai6/gijisidai.html
◎資料2 新浪 構成員提出資料
国の存続にも関わる最優先事項として、短期間で「こども未来戦略方針」をとりまとめいただいたご尽力に敬意を表する。ただし、歳出改革を前提とする中で、真に必要とされる方に対するメリハリある支援が肝要である、所得制限ラインの引き上げ等も含めた議論が尽くされないまま、児童手当の所得制限完全撤廃が決まったことは誠に遺憾。今回のプロセスが国民にとって納得感あるもので あったかは、省みる必要性があるのではないか。
(1)加速化プランの実行に向けて→ ・今回、方針はとりまとめとなるが、前回(第5回)の資料においても示したと おり、サービス産業・中小企業の多様な働き方の実態、また価値観の多様化を 踏まえ、年末の「戦略」策定に向けて実効性を高める議論を継続すべき。 ・また、加速化プランにより新たに3兆円半ばという財源を投入するのであるから、その効果について、政府は国民に対する明確な説明責任を負うことを改めて認識すべき。 ・育休取得率のみならず、子育てされている方の正規雇用率など、具体的な KPI を設定するとともに、財政運営全体に関わることから、経済財政諮問会議の責 任においてその実施状況のモニター、及び効果検証を行う仕組みとすべき。
(2)こども・子育て予算倍増における論点→ ・加速化プランの先、こども・子育て予算倍増に向けた議論では、こども政策に 閉じることなく、医療・介護等を含む社会保障制度全体の在るべき姿を明確にし、給付と負担の全体像を示すことが肝要。 ・働き方改革は大変重要度が高く、企業も自らの責務として早急に取り組んでい くが、育児との両立のみならず、仕事をしながら家族等の介護に従事する「ビ ジネスケアラー」などの問題も念頭に置く必要がある。・安心して子育てできる環境を整えるためにも、働く方の現状・課題をより広範 に捉え、イノベーションも活用しながら更なる対応を検討していくことが必要。 ・これら論点を含め、透明性を持って議論を尽くしていただくことを期待する。 (以 上)


◎資料3 芳野 構成員提出資料
第 6 回こども未来戦略会議にあたり、下記のとおり意見いたします。


○ 子ども・子育て政策の強化→子育て現役世代だけではなく、将来子育 てをする世代も含めた広い視点で、「安心して子どもを生み育てやすい社会」だと 誰もが明るい未来を描けるようにするべきである。今後、「戦略」の策定やPDC Aの推進に際しては、労使はもちろんのこと、子ども、若者、子育て当事者から のヒアリングなどを行い、施策の実効性確保につなげることが重要である。
○ 日本が「安心して子どもを生み育てやすい社会」だと実感できるようにするには、 雇用の安定と雇用不安の払拭に向けた幅広い施策の展開が不可欠であり、5ペー ジ目に追記をいただいたが、「所得の持続可能な向上につながる施策」のみならず、 雇用の安定と雇用不安の払拭に向けた実効性ある方策を「戦略」に盛り込み、厚 生労働省の審議会において十分に検討を行うべきである。同時に、固定的性別役 割分担意識からの脱却はもとより、働き方改革を推進し、子育て世代を問わず、 誰もが仕事と生活を両立できるようにすることが喫緊の課題であり、早急に取り 組むべきである。
○ また、今後策定される「こども大綱」に本方針の趣旨を十分に反映するとともに、 子どもの最善の利益を実現するため、広く国民に子どもの権利条約およびこども 基本法について周知徹底し、国民の理解促進に取り組むべきである。 財源→社会保障における制度改革や歳出の見直しが、医療・介護・年 金をはじめとする社会保障の機能劣化を招いてはならない。「支援金制度(仮称)」 の構築については、その法的性質や、給付と負担の関係性、支援金の運営体制と 責任、拠出する側からの意見反映など課題が山積している。税や財政全体の見直しを排除することなく、幅広い財源確保策を検討すべきである。また、労働保険 特別会計雇用勘定から支出する制度については、雇用保険制度の趣旨にもとづい て支出することが大前提であり、他の社会保険制度も同様である。新たな特別会 計に統合されたとしても、財源のあり方や給付と負担のバランスも含め、厚生労 働省の審議会において納得を得られる議論を尽くすべきである。   以上

次回は新たに「幼児期までのこどもの育ち部会(第2回)」からです。

こども未来戦略会議(第6回) [2023年07月01日(Sat)]
こども未来戦略会議(第6回)(令和5年6月13日)
こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai6/gijisidai.html
◎資料1 「こども未来戦略方針」案 ↓
V.「加速化プラン」〜今後3年間の集中的な取組〜
(これから6〜7年がラストチャンス)

○ 我が国の出生数を 1990 年以降で見ると、2000 年代に入って急速に減少しており、1990 年から 2000 年までの 10 年間の出生数は約3%の減少であるのに対し、2000 年から 2010 年は約 10%の減少、2010 年から 2020 年は約 20%の減少となっている。さらに、コロナ 禍の3年間(2020〜2022 年)で婚姻件数は約9万組減少、未婚者の結婚希望や希望こども数も大幅に低下・減少している。このままでは、2030 年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減することになり、少子化はもはや歯止めの利かない状況になる。2030 年代に入るまでのこれからの 6〜7年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであり、少子化対策は 待ったなしの瀬戸際にある。このため、以下の各項目に掲げる具体的政策について、「加速化プラン」として、今後3年間の集中取組期間において、できる限り前倒しして実施する。
V−1.「加速化プラン」において実施する具体的な施策
1.ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組 ↓
(1)児童手当の拡充 〜全てのこどもの育ちを支える制度へ〜 ↓
○ 児童手当
→次代を担う全てのこどもの育ちを支える基礎的な経済支援としての位置付けを明確化する。このため、所得制限を撤廃し、全員を本則給付とするとともに、支給期間について高校生年代まで延長。 児童手当の多子加算→こども3人以上の世帯数の割合が特に減少していることや、こども3人以上の世帯はより経済的支援の必要性が高いと考えられること 等を踏まえ、第3子以降3万円とする。 これらについて、実施主体である地方自治体の事務負担も踏まえつつ、2024 年度中に実施できるよう検討する。
(2)出産等の経済的負担の軽減↓
  〜妊娠期からの切れ目ない支援、出産費用の見える化と保険適用〜

○ これまで実施してきた幼児教育・保育の無償化に加え、支援が手薄になっている妊 娠・出産期から2歳までの支援を強化。令和4年度第二次補正予算で創設された「出産・子育て応援交付金」(10 万円)について、制度化に向けて検討することを含め、妊娠期からの伴走型相談支援とともに着実に実施。 本年4月からの出産育児一時金の大幅な引上げ(42 万円→50 万円)及び低所得の妊婦に対する初回の産科受診料の費用助成を着実に実施するとともに、出産費用の見える化について来年度からの実施に向けた具体化を進める。その上でこれらの効果等の検証を行い、2026 年度を目途に、出産費用(正常分娩)の保険適用の導入を含め、 出産に関する支援等の更なる強化について検討を進める。あわせて、無痛分娩について、麻酔を実施する医師の確保を進めるなど、妊婦が安全・安心に出産できる環境整 備に向けた支援の在り方を検討する。
(3)医療費等の負担軽減 〜地方自治体の取組への支援〜 ↓
○ おおむね全ての地方自治体において実施されているこども医療費助成について、国民健康保険の国庫負担の減額調整措置を廃止。あわせて、適正な抗菌薬使用などを含め、こどもにとってより良い医療の在り方について、今後、医学界など専門家の意見も踏まえつつ、国と地方の協議の場などにおいて検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる。
(4)高等教育費の負担軽減 ↓
〜奨学金制度の充実と「授業料後払い制度(いわゆる日本版 HECS)」の創設〜
○ 教育費の負担が理想のこども数を持てない大きな理由の一つとなっているとの声があることから、特にその負担軽減が喫緊の課題とされる高等教育→教育 の機会均等を図る観点からも、着実に取組を進めていく。 まず、貸与型奨学金→奨学金の返済が負担となって、結婚・出産・子育て をためらわないよう、減額返還制度を利用可能な年収上限について、325 万円から 400 万円に引き上げるとともに、子育て時期の経済的負担に配慮する観点から、こども2人世帯については 500 万円以下まで、こども3人以上世帯について 600 万円以下まで 更に引き上げる。また、所得連動方式を利用している者について、返還額の算定のための所得計算においてこども1人につき 33 万円の所得控除を上乗せする。授業料等減免及び給付型奨学金→低所得世帯の高校生の大学進学率の向上を図るとともに、2024 年度から多子世帯や理工農系の学生等の中間層(世帯年収約 600 万円)に拡大することに加え、執行状況や財源等を踏まえつつ、多子世帯の学生 等に対する授業料等減免について更なる支援拡充(対象年収の拡大、年収区分ごとの 支援割合の引上げ等)を検討し、必要な措置を講ずる。 授業料後払い制度→まずは、2024 年度から修士段階の学生を対象として導入した上で、本格導入に向けた更なる検討を進める。その財源基盤を強化するため、V−2.で後述する HECS 債(仮称)による資金調達手法を導入。 地方自治体による高等教育費の負担軽減に向けた支援を促す方策として地方創生 を推進するデジタル田園都市国家構想交付金において実施している移住支援について、大学卒業後に地方に移住する学生を対象とすることなどにより支援を強化する。
(5)個人の主体的なリ・スキリングへの直接支援 ↓
○ 企業経由が中心となっている国の在職者への学び直し支援策→働く個人が 主体的に選択可能となるよう、5年以内を目途に、効果を検証しつつ、過半が個人経 由での給付が可能となるようにしていく。 その際、教育訓練給付について、訓練効果をより高める観点から、補助率等を含め た拡充を検討するとともに、個々の労働者が教育訓練中に生ずる生活費等への不安なく、主体的にリ・スキリングに取り組むことができるよう、訓練期間中の生活を支え るための新たな給付や融資制度の創設などについて検討する。
(6)いわゆる「年収の壁(106 万円/130 万円)」への対応
○ いわゆる 106 万円・130 万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間 労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに引き続き取り組む。
○ こうした取組と併せて、人手不足への対応が急務となる中で、壁を意識せずに働く 時間を延ばすことのできる環境づくりを後押しするため、当面の対応として、被用者 が新たに 106 万円の壁を超えても手取り収入が逆転しないよう、労働時間の延長や賃 上げに取り組む企業に対し、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、 必要な費用を補助するなどの支援強化パッケージを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。
(7)子育て世帯に対する住宅支援の強化 〜子育てにやさしい住まいの拡充〜
○ こどもや子育て世帯の目線に立った「こどもまんなかまちづくり」を加速化させる。 その中で、理想のこども数を持てない理由の一つとして若い世代を中心に「家が狭いから」が挙げられており、また、子育て支援の現場からも子育て世代の居住環境の改善を求める声があることから、子育てにやさしい住まいの拡充を目指し、住宅支援を強化。 具体的には、まず、立地や間取りなどの面で子育て環境に優れた公営住宅等の公的賃貸住宅を対象に、全ての事業主体で子育て世帯等が優先的に入居できる仕組みの導入を働きかける。これにより、今後 10 年間で子育て世帯等の居住に供する住宅約 20 万戸を確保する。 さらに、ひとり親世帯など支援が必要な世帯を含め、子育て世帯が住宅に入居しやすい環境を整備する観点から、空き家の活用を促す区域を設定し、空き家の所有者へ活用を働きかけ、空き家の改修・サブリースを促進するとともに、戸建てを含めた空 き家の子育て世帯向けのセーフティネット住宅への登録を促進することなどにより、 既存の民間住宅ストックの活用を進める。これらにより、今後 10 年間で子育て世帯 等の居住に供する住宅約 10 万戸を確保する。 あわせて、子育て世帯等が良質な住宅を取得する際の金利負担を軽減するため、住宅金融支援機構が提供する長期固定金利の住宅ローン(フラット 35)の金利優遇について、ポイント制を活用し、住宅の広さを必要とする多子世帯に特に配慮しつつ、 2024 年度までのできるだけ早い時期に支援を大幅に充実させる。これらの取組に加えて、こどもの声や音などの面で近隣住民に気兼ねせず入居できる住まいの環境づくりとして、集合住宅の入居者等への子育て世帯に対する理解醸成 を図る。また、子育て世帯向け住宅の周知の強化や、子育て世帯に対して入居や生活 に関する相談等の対応を行う居住支援法人に重点的な支援を講じることにより住まいに関する支援を必要としながらも支援が行き届いていない子育て世帯への取組を強化する。

2.全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充 ↓
(1)妊娠期からの切れ目ない支援の拡充 〜伴走型支援と産前・産後ケアの拡充〜

○ 妊娠から産後2週間未満までの妊産婦の多くが不安や負担感を抱いていることや、 こどもの虐待による死亡事例の6割が0歳児(うち5割は0か月児)であることなどを踏まえると、妊娠期からの切れ目ない支援と産前・産後ケアの拡充は急務となっている。このため、妊娠期から出産・子育てまで、身近な場所で相談に応じ、多様なニーズに応じた支援につなぐ「伴走型相談支援」について、地方自治体の取組と課題を踏まえつつ、継続的な実施に向け制度化の検討を進める。その際、手続等のデジタル化も 念頭に置きつつ制度設計を行う。 退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポートなどを行い、産後も安心して 子育てができる支援体制の確保を図る産後ケア事業→利用者負担の軽減措 置を本年度から全ての世帯に対象を拡大して実施するとともに、支援を必要とする全 ての方が利用できるようにするための提供体制の確保に向けた取組を進めるなど、子育て家庭の産前・産後の心身の負担軽減を図る観点から実施体制の強化等を行う。乳幼児健診等を推進する。 ○ 女性が、妊娠前から妊娠・出産後まで、健康で活躍できるよう、国立成育医療研究 センターに、「女性の健康」に関するナショナルセンター機能を持たせ、女性の健康や 疾患に特化した研究やプレコンセプションケアを含む成育医療等の提供に関する研究、相談支援等を進める。また、2022 年度から保険適用された不妊治療→推 進に向けた課題を整理、検討する。
(2)幼児教育・保育の質の向上 〜75 年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善〜
○ 待機児童対策の推進により量の拡大は進んだものの、一方で、昨今、幼児教育・保育の現場でのこどもをめぐる事故や不適切な対応事案などにより子育て世帯が不安を抱えており、安心してこどもを預けられる体制整備を急ぐ必要がある。このため、保育所・幼稚園・認定こども園の運営費の基準となる公的価格の改善→公的価格評価検討委員会中間整理(2021 年 12 月)を踏まえた費用の使途の見える化を進め、保育人材確保、待機児童解消その他関連する施策との関係を整理しつつ取組を進める。具体的には、「社会保障と税の一体改革」以降積み残された1歳児及び4・5歳児の職員配置基準→1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は 30 対1から 25 対 1へと改善するとともに、民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善を検討。
(3)全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充
〜「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設〜

○ 0〜2歳児の約6割を占める未就園児を含め、子育て家庭の多くが「孤立した育児」 の中で不安や悩みを抱えており、支援の強化を求める意見がある。全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付(「こども誰でも通園制度(仮称)」)を創設。具体的な制度設計に当たっては、基盤整備を進めつつ、地域における提供体制の状況も見極めながら、速やかに全国的な制度とすべく、本年度中に未就園児のモデル事業を更に拡充させ、2024 年度からは制度の本格実施を見据えた形で実施する。あわせて、病児保育の安定的な運営に資するよう、事業の充実を図る。
(4)新・放課後子ども総合プランの着実な実施↓
〜「小1の壁」打破に向けた量・質の拡充〜

○ 保育の待機児童が減少する一方で、放課後児童クラブの待機児童は依然として 1.5 万人程度存在し、安全対策についての強化が求められるなど、学齢期の児童が安全・ 安心に過ごせる場所の拡充は急務である。このため、全てのこどもが放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、新・放課後子ども総合プラン(2019 年度〜2023 年度)による受け皿の拡大(約 122 万人から約 152 万人への拡大)を着実に進めるとともに、放課後児 童クラブの安定的な運営を図る観点から常勤職員配置の改善などを図る。
(5)多様な支援ニーズへの対応 〜社会的養護、障害児、医療的ケア児等の支援基盤の充実とひとり親家庭の自立支援〜
○ 経済的に困難な家庭のこども、障害のあるこどもや医療的ケア児、異なる文化的背 景を持つこどもなど、多様な支援ニーズを有するこどもの健やかな育ちを支え、「誰一人取り残さない」社会を実現する観点から、それぞれの地域において包括的な支援を提供する体制の整備が求められる。 2022 年に成立した児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)等の一部改正→児童虐待の相談対応件数が増加を続けるなど、子育てに困難を抱える世帯が顕在化してきている状況を踏まえ、子育て世帯に対する包括的な支援体制の中核を担うこども家庭センターの設置や地域における障害児支援の中核的役割を担う児童発達支援センター の位置付けの明確化などが行われた。 また、こどもの貧困対策は、我が国に生まれた全てのこどもの可能性が十全に発揮 される環境を整備し、全てのこどもの健やかな育ちを保障するという視点のみならず、 公平・公正な社会経済を実現する観点からも極めて重要である。こどものいる世帯の約1割はひとり親世帯であり、その約5割が相対的貧困の状況にあることを踏まえれば、特に、ひとり親家庭の自立と子育て支援は、こどもの貧困対策としても喫緊の課題であると認識する必要がある。 こうした多様なニーズを有する子育て世帯への支援については、支援基盤や自立支 援の拡充に重点を置き、以下の対応を中心に進める。今後、本年中に「こども大綱」 が策定される過程において、更にきめ細かい対応について議論していく。
(社会的養護・ヤングケアラー等支援)→子育てに困難を抱える世帯やヤングケアラー等への支援を強化する。児童福祉法等の一部改正により2024 年度から実施される「こども家庭センター」の人員体制の強 化等を図る。また、新たに法律に位置付けられる子育て世帯訪問支援事業について、 支援の必要性の高い家庭に対する支援を拡充する。さらに、社会的養護の下で育った こどもの自立支援に向け、学習環境整備等の支援強化を図る。
(障害児支援、医療的ケア児支援等)→障害の有無にかかわらず、安心して暮らすことができる地域づくりを進めるため、 地域における障害児の支援体制の強化や保育所等におけるインクルージョンを推進。具体的には、地域における障害児支援の中核的役割を担う児童発達支援センターについて、専門的な支援の提供と併せて、地域の障害児支援事業所や保育所等への 支援を行うなどの機能強化を行うとともに、保育所等への巡回支援の充実を図る。また、医療的ケア児、聴覚障害児など、専門的支援が必要なこどもたちへの対応のため 地域における連携体制を強化する。こうした体制の強化が全国各地域で進むよう、国 や都道府県等による状況把握や助言等の広域的支援を進め、地域の支援体制の整備を 促進する。
(ひとり親家庭の自立促進)→ひとり親家庭の自立を促進する環境整備を進めるため、ひとり親を雇い入れ、人材育成・賃上げに向けた取組を行う企業に対する支援を強化する。あわせて、看護師・ 介護福祉士等の資格取得を目指すひとり親家庭の父母に対する給付金制度(高等職業 訓練促進給付金制度)→短期間で取得可能な民間資格を含む対象資格に拡大するなど、より幅広いニーズに対応できる制度とする。また、養育費の履行確保のため、養育費に関する相談支援や取決めの促進についても強化を図る。

3.共働き・共育ての推進
(1)男性育休の取得促進 〜「男性育休は当たり前」になる社会へ〜

○ 国際的に見ても低水準にある夫の家事・育児関連時間を増やし共働き・共育てを定着させていくための第一歩が男性育休の取得促進。「男性育休は当たり前」になる社会の実現に向けて官民一体となって取り組む。このため、制度面と給付面の両面からの対応を抜本的に強化する。こうした対応を図るに当たっては、各種施策によって、かえって女性側に家事・育児負担が偏ってしまうということのないよう十分に留意しなければならない。
【制度面の対応】↓
○ まず、制度面では、男性の育児休業取得率→現行の政府目標(2025 年までに30%)を大幅に引き上げる。具体的には、国・地方の公務員(一般職・一般行政部 門常勤)について育児休業の内容にも留意しつつ、先行的に目標の前倒しを進め、公務員、民間の双方について、以下のように男性の育児休業取得率の目標を引き上げる。
(男性の育児休業取得率の目標)→2025 年 公務員 85%(1週間以上の取得率)、民間 50% 2030 年 公務員 85%(2週間以上の取得率)、民間 85% (参考)民間の直近の取得率:女性 85.1%、男性 13.97%。 また、2025 年3月末で失効する次世代育成支援対策推進法(平成 15 年法律第 120 号)を改正し、その期限を延長した上で、一般事業主行動計画→数値目標の設定や、PDCA サイクルの確立を法律上の仕組みとして位置付けるとともに、今後の次世代育成支援において重要なのは「男女とも仕事と子育てを両立できる職場」である という観点を明確化した上で、男性の育児休業取得を含めた育児参加や育児休業からの円滑な職場復帰支援、育児のための時間帯や勤務地への配慮等に関する行動が盛り込まれるようにする。あわせて、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第 76 号。「育児・介護休業法」)における育児休業取得率の開示制度の拡充を検討し、これを踏まえて有価証券報告書 における開示を進める。
【給付面の対応】 ↓
○ さらに給付面の対応として、いわゆる「産後パパ育休」(最大 28 日間)を念頭に、出生後一定期間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、給付率を現行 の 67%(手取りで8割相当)から、8割程度(手取りで 10 割相当)へと引き上げる。具体的には、両親ともに育児休業を取得することを促進するため、男性が一定期間 以上の「産後パパ育休」を取得した場合には、その期間の給付率を引き上げるとともに、女性の産休後の育休取得→28 日間(産後パパ育休期間と同じ期間)を限度 に給付率を引き上げることとし、2025 年度からの実施を目指して、検討を進める。 男女ともに、職場への気兼ねなく育児休業を取得できるようにするため、現行の育 児休業期間中の社会保険料の免除措置及び育児休業給付の非課税措置に加えて、育児 休業を支える体制整備を行う中小企業に対する助成措置を大幅に強化する。その際、 業務を代替する周囲の社員への応援手当の支給に関する助成の拡充や代替期間の長さに応じた支給額の増額を検討する。あわせて、「くるみん認定」の取得など、各企業の育児休業の取得状況等に応じた加算等を検討し、実施インセンティブの強化を図る。 あわせて、男性育休の大幅な取得増等に対応できるよう、育児休業給付を支える財 政基盤を強化する。

(2)育児期を通じた柔軟な働き方の推進 〜利用しやすい柔軟な制度へ〜 ↓
○ 育児期を通じて多様な働き方を組み合わせることで、男女で育児・家事を分担しつつ、育児期の男女が共に希望に応じてキャリア形成との両立を可能とする仕組みを構 築するとともに、好事例の紹介等の取組を進める。 こどもが3歳になるまでの場合は、現行の育児・介護休業法上、短時間勤 務を措置することが事業主に義務付けられており、フレックスタイム制を含む出社・ 退社時刻の調整等が努力義務となっている。これらに加え、新たに、子育て期の有効 な働き方の一つとして、テレワークも事業主の努力義務の対象に追加することを検討する。また、こどもが3歳以降小学校就学前までの場合は、育児・介護休業法で、 短時間勤務、テレワーク、フレックスタイム制を含む出社・退社時刻の調整、休暇など柔軟な働き方について、事業主が職場の労働者のニーズを把握しつつ複数の制度を 選択して措置し、その中から労働者が選択できる制度(「親と子のための選べる働き方 制度(仮称)」)の創設を検討する。さらに、現在はこどもが3歳になるまで請求する ことができる残業免除(所定外労働の制限)について、対象となるこどもの年齢の引上げを検討。
○あわせて、柔軟な働き方として、男女ともに、一定時間以上の短時間勤務をした場合に、
手取りが変わることなく育児・家事を分担できるよう、こどもが2歳未満の期 間に、時短勤務を選択したことに伴う賃金の低下を補い、時短勤務の活用を促すため の給付(「育児時短就業給付(仮称)」)を創設する。給付水準は、男女ともに、 時短勤務を活用した育児 とキャリア形成の両立を支援するとの考え方に立って、引き 続き、具体的な検討を進め、2025 年度からの実施を目指す。その際には、女性のみが 時短勤務を選択することで男女間のキャリア形成に差が生じることにならないよう、 留意する。
○ 上記の柔軟な働き方についても、男性育休促進と同様に、周囲の社員への応援手当支給等の体制整備を行う中小企業に対する助成措置の大幅な強化と併せて推進。 また、こどもが病気の際 などに休みにくい等の問題を踏まえ、病児保育の拡充と併せて、こうした場合に休みやすい環境整備を検討。具体的には、こどもが就学前 の場合に年5日間取得が認められる「子の看護休暇」について、こどもの世話を適 切に行えるようにする観点から、対象となるこどもの年齢の引上げのほか、こどもの 行事(入園式等)参加や、感染症に伴う学級閉鎖等にも活用できるように休暇取得事 由の範囲を見直すとともに、取得促進に向けた支援についても検討する。
○ また、仕事と育児の両立に取り組む労働者の心身の健康を守るため、企業における 勤務間インターバル制度の導入やストレスチェック制度の活用など、労働者の健康確 保のために事業主の配慮を促す仕組みを検討するとともに、選択的週休3日制度の普 及にも取り組む。 こうした個々の制度の前提として、長時間労働の是正を始め、企業全体の働き方改 革をより一層推進し、育児期の男女が共に職場からの帰宅後に育児や家事を行うこと ができるようにすることが重要である。このため、まずは、2024 年度からの時間外労 働の上限規制の全面施行に向け、法制度の周知を徹底し、必要な支援を実施するとと もに、更なる長時間労働の是正に向けて、実効性を高めるための一層の取組を推進し ていく。このことは、家族介護や不妊治療など、様々な事情を抱える方々が、仕事との両立を可能とし、各自の能力を発揮することにもつながるものである。

(3)多様な働き方と子育ての両立支援 〜多様な選択肢の確保〜
○ 子育て期における仕事と育児の両立支援を進め、多様な働き方を効果的に支える雇 用のセーフティネットを構築する観点から、現在、雇用保険が適用されていない週所定労働時間 20 時間未満の労働者についても失業給付や育児休業給付等を受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向けた検討を進める。失業した場合に生計に支障を与え るような生計の一端を担う者を新たに適用対象とし、その範囲を制度に関わる者の手 続や保険料負担も踏まえて設定する。また、その施行時期については適用対象者数 10 や事業主の準備期間等を勘案して 2028 年度までを目途に施行。 自営業・フリーランス等の育児期間中の経済的な給付に相当する支援措置→国民年金の第1号被保険者について育児期間に係る保険料免除措置を創設すること とする。その際、現行の産前・産後期間の保険料免除制度や被用者保険の育児休業期 間の保険料免除措置を参考としつつ、免除期間や給付水準等の具体的な制度設計の検 討を早急に進め、2026 年度までの実施を目指す。

4.こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革 ↓
○ こども・子育て政策を実効あるものとするためには、行政が責任をもって取り組むことはもとより、こどもや子育て中の方々が気兼ねなく様々な制度や支援メニューを利用 できるよう、地域社会、企業など様々な場で、年齢、性別を問わず、全ての人がこども や子育て中の方々を応援するといった社会全体の意識改革を進める必要がある。
○ こどもや子育て世帯を社会全体で支える気運を醸成するため、優先案内や専門レーンを設置するなどの取組が国立博物館など国の施設において今春にスタートしており、利用者のニーズを踏まえつつ、こうした取組を他の公共施設や民間施設にも広げていくと ともに、公共インフラのこども向け現場見学機会の増加など、有意義な体験の場を提供。また、鉄道やバスなどにおけるベビーカー使用者のためのフリースペース等の設置や 分かりやすい案内の促進とともに、公共交通機関等において、妊産婦や乳幼児連れの方 を含め、配慮が必要な方に対する利用者の理解・協力を啓発する取組を推進。さらに、本年5月には「こどもまんなか宣言」の趣旨に賛同する企業・個人・地方自治体などに「こどもまんなか応援サポーター」となっていただき、「今日からできること」を実践し、取り組んだ内容を自ら SNS などで発表する「こどもまんなか応援プロジ ェクト」の取組が始まっている。こうした取組に加え、子育て世帯を対象としたニーズ 調査も行いつつ、こども・子育てを応援する地域や企業の好事例を共有・横展開するなど、こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革に向けた国民運動を夏頃を目途にスタートさせる。
○ もとよりこうした意識改革は、少子化の危機的な状況、そして今のこどもを取り巻く 状況や、子育て世帯の負担がいかに大きなものかということをより多くの方に理解して いただくことによって、自然と周囲の協力が行われることが望ましい。社会の意識を変えていくことは簡単ではないが、大きな挑戦と捉え、様々な手法で国民的な議論を起こし、より多くの方の理解と行動を促していく。

V−2.「加速化プラン」を支える安定的な財源の確保
○ V−1.の1.〜4.で掲げた給付面の改革や意識改革と並行して、次のような財政面の改革に取り組む。 ↓
(見える化)
→こども家庭庁の下に、こども・子育て支援のための新たな特別会計(いわゆる「こども金庫」)を創設し、既存の(特別会計)事業を統合しつつ、こども・子育て政策 の全体像と費用負担の見える化を進める。
(財源の基本骨格)→ @ 財源→国民的な理解が重要。このため、2028 年度までに徹底した 歳出改革等を行い、それらによって得られる公費の節減等の効果及び社会保険負担軽 減の効果を活用しながら、実質的に追加負担を生じさせないことを目指す。 歳出改革等は、これまでと同様、全世代型社会保障を構築するとの観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用などを行う。なお、消費税などこども・子育て関連予算充実のための財源確保を目的とした増税は行わない。 A 経済活性化、経済成長への取組を先行させる。経済基盤及び財源基盤を確固たるものとするよう、ポストコロナの活力ある経済社会に向け、新しい資本主義の下で取り組んでいる、構造的賃上げと官民連携による投資活性化に向けた取組を先行させる。 B @の歳出改革等による財源確保、Aの経済社会の基盤強化を行う中で、企業を含め 社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で、広く負担していく新たな枠組み(「支援金制度(仮称)」)を構築することとし、その詳細について年末に結論を出す。 C 2030 年代に入るまでの少子化対策のラストチャンスを逃さないよう、徹底した歳出改革等や構造的賃上げ・投資促進の取組を複数年にわたって先行させつつ、「加速化プラン」の大宗を3年間(2026 年度まで)で実施し、「加速化プラン」の実施が完了する 2028 年度までに安定財源を確保する。 D その間に財源不足が生じないよう、必要に応じ、つなぎとして、こども特例公債(こども金庫が発行する特会債)を発行する。 E 上記の安定財源とは別に、授業料後払い制度の導入に関して、学生等の納付金によ り償還が見込まれること等を踏まえ HECS 債(仮称)による資金調達手法を導入。 ○ 上記の基本骨格等に基づき、V−1.の内容の具体化と併せて、予算編成過程における歳出改革等を進めるとともに、新たな特別会計の創設など、必要な制度改正のための 所要の法案を 2024 年通常国会に提出する。

V−3.こども・子育て予算倍増に向けた大枠 ↓
○ 「加速化プラン」の予算規模
→現時点ではおおむね3兆円程度となるが、さらに、 本戦略方針に盛り込まれている施策のうち、高等教育費の更なる支援拡充策、今後「こども大綱」の中で具体化する貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児に関する支援策→今後の予算編成過程において施策の拡充を検討し、全体として3兆円半ばの充 実を図る。「加速化プラン」を実施→我が国のこども・子育て関係予算は、こども一人当たりの家族関係支出で見て、OECD トップ水準のスウェーデンに達する水準となり、画期的に前進する。 現時点の「加速化プラン」を実施することにより、国のこども家庭庁予算(2022 年度 4.7 兆円)は約5割増加すると見込まれる。また、育児休業→新たな男性 育休の取得目標の下での職場の意識改革や制度拡充の効果により関連予算が倍増していくと見込まれる。
○ こども・子育て予算倍増に向けては、「加速化プラン」の効果の検証を行いながら、政 策の内容・予算をさらに検討し、こども家庭庁予算で見て、2030 年代初頭までに、国の 予算又はこども一人当たりで見た国の予算の倍増を目指す。その財源については、今後 更に政策の内容を検討し、内容に応じて、社会全体でどう支えるかさらに検討する。

W.こども・子育て政策が目指す将来像と PDCA の推進 ↓
○ 全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援することにより、以下に掲げる「こども と向き合う喜びを最大限に感じるための4原則」を実現するため、今後3年間の集中取 組期間における「加速化プラン」の実施状況や各種施策の効果等を検証しつつ、こども・ 子育て政策の適切な見直しを行い、PDCA を推進していく。その際には、現行のこども・子育て政策が、これまでの経緯などから、医療保険や雇 用保険、子ども・子育て支援制度など様々な制度が関わっており、その結果、制度間の 縦割りや不整合といった問題や、申請手続・窓口が異なるために制度を利用しづらいといった問題が指摘されてきているほか、費用負担など財政構造も制度ごとに異なっている状況にあることを見直し、「総合的な制度体系」を構築する観点から、現行の関連制度 を一つの制度に統合していくことも視野に置き、給付と負担の関係を含めて、その全体 像が国民にとって分かりやすい制度としていく。

〜 こどもと向き合う喜びを最大限に感じるための4原則 〜 ↓

1.こどもを生み、育てることを経済的理由であきらめない →第一に、こどもを生み、育てることを経済的理由であきらめない社会の実現である。 このため、「加速化プラン」の「ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化 や若い世代の所得向上に向けた取組」に基づき実施する施策を着実に進め、その実施状 況や効果等を検証しつつ、高等教育費の負担や奨学金の返済などが少子化の大きな要因 の一つとなっているとの指摘があることに鑑み、奨学金制度の更なる充実や授業料負担 の軽減など、高等教育費の負担軽減を中心に、ライフステージを通じた経済的支援の更 なる強化や若い世代の所得向上に向けた取組について、適切な見直しを行う。

2.身近な場所でサポートを受けながらこどもを育てられる →第二に、身近な場所でサポートを受けながらこどもを育てることができる社会の実現 である。このためには「加速化プラン」の「全てのこども・子育て世帯を対象とする支 援の拡充」に基づき実施する施策を着実に進め、その実施状況や効果等を検証しつつ、 適切な見直しを行う。

3.どのような状況でもこどもが健やかに育つという安心感を持てる→第三に、どのような状況でもこどもが健やかに育つという安心がある社会の実現である。このためには「加速化プラン」の「全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の 拡充」に基づき実施する施策を着実に進め、その実施状況や効果等を検証しつつ、適切 な見直しを行う。

4.こどもを育てながら人生の幅を狭めず、夢を追いかけられる→第四に、こどもを育てながら、キャリアや趣味など人生の幅を狭めることなく、夢を 追いかけられる社会の実現である。このためには「加速化プラン」の「共働き・共育て の推進」に基づき実施する施策を着実に進め、その実施状況や効果等を検証しつつ、適 切な見直しを行う。

おわりに→本戦略方針は、こども基本法(令和4年法律第 77 号)に基づきこども施策の基本的な方針や重要事項等について定める「こども大綱」とあいまって、少子化・人口減少のト レンドを反転させるため、これまでとは次元の異なる少子化対策の実現に向けて取り組 むべき政策強化の基本的方向を取りまとめたものであり、今後3年間の集中取組期間に おいて実施すべき「加速化プラン」の内容を明らかにするとともに、将来的なこども・ 子育て予算の倍増に向けた大枠を示している。 今後、本戦略方針の具体化を進め、年末までに「戦略」を策定する。 その上で、こども・子育て政策の抜本的な強化に向け、少子化の克服に向けた基本的 な政策の企画立案・総合調整をつかさどるこども家庭庁が中心となり、文部科学省や厚生労働省等の関係省庁と連携し、若い世代や子育て当事者の視点に立って、政府を挙げて、取り組んでいく。

(参考)これまでのこども・子育て政策の変遷 〜1.57 ショックからの 30 年〜
○ 我が国で「少子化」が政策課題として認識されるようになったのは、1990 年のいわゆる「1.57 ショック」以降である。1989 年の合計特殊出生率が 1.57 となり、戦後最低の合計特殊出生率となったことを契機に、政府は対策をスタートさせ、1994 年 12 月には4大 臣(文部・厚生・労働・建設)合意に基づく「エンゼルプラン」が策定された。 これに基づき「緊急保育対策等5か年事業」として、保育の量的拡大、多様な保育(低年齢児保育、延長保育等)の充実などについて、数値目標を定めて取組が進められたが、 同時期に「ゴールドプラン」に基づき基盤整備を進めた高齢社会対策と比べるとその歩み は遅く、また、施策の内容も保育対策が中心であった。 2000 年代に入ると対策の分野は保育だけでなく、雇用、母子保健、教育等にも広がり、 2003 年には少子化社会対策基本法(平成 15 年法律第 133 号)が制定された。翌年には 「少子化社会対策大綱」が閣議決定され、少子化対策は政府全体の取組として位置付けら れるようになった。 また、次世代育成支援対策推進法により、2005 年4月から、国や地方公共団体に加え、事業主も行動計画を策定することとなり、職域における「両立支援」の取組が進められるようになった。
○ このように法的な基盤は整えられていったものの、こども・子育て分野への資源投入は 限定的であり、例えば家族関係社会支出の対 GDP 比は、1989 年度の 0.36%に対し、1999 年度には 0.53%とわずかな伸びにとどまった。 2010 年代に入り、「社会保障と税の一体改革」の流れの中で大きな転機が訪れた。消費税率の引上げに伴う社会保障の充実メニューとして、こども・子育て分野に 0.7 兆円規模の財源が充てられることとなり、さらに、2017 年には「新しい経済政策パッケージ」 (平成 29 年 12 月8日閣議決定)により、「人づくり革命」の一環として追加財源2兆円 が確保された。
○ こうした安定財源の確保を背景に、待機児童対策、幼児教育・保育の無償化、高等教育 の無償化などの取組が進められ、待機児童は一部の地域を除きほぼ解消に向かうなど、一 定の成果を挙げた。これらにより、家族関係社会支出の対 GDP 比は、2013 年度の 1.13% から 2020 年度には 2.01%まで上昇した。 これまで累次にわたり策定されてきた「少子化社会対策大綱」は、本年4月に施行されたこども基本法に基づき、こども施策に関する基本的な方針や重要事項等を一元的に定める「こども大綱」に引き継がれることとなった 。

次回も続き「資料2 新浪 構成員提出資料」からです。

こども未来戦略会議(第6回) [2023年06月30日(Fri)]
こども未来戦略会議(第6回)(令和5年6月13日)
こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai6/gijisidai.html
◎資料1 「こども未来戦略方針」案
〜次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて〜
令和5年6月 13 日 こども未来戦略会議
T.こども・子育て政策の基本的考え方 〜「日本のラストチャンス」2030 年に向けて〜
○ 少子化
→我が国が直面する最大の危機。 2022 年に生まれたこどもの数は 77 万 747 人となり、統計を開始した 1899 年以来、最低の数字となった。1949 年に生まれたこどもの数は約 270 万人だったことを考えると、こどもの数はピークの3分の1以下にまで減少した。また、2022 年の合計特殊出生率は 1.26 と過去最低となっている。 しかも、最近、少子化のスピードが加速。出生数が初めて 100 万人を割り込 んだのは 2016 年だったが、2019 年に 90 万人、2022 年に 80 万人を割り込んだ。このトレンドが続けば、2060 年近くには 50 万人を割り込んでしまうことが予想されている。 そして、少子化は、人口減少を加速化させている。2022 年には 80 万人の自然減となった。今後も、100 万人の大都市が毎年1つ消滅するようなスピードで人口減少が進む。 現在、日本の総人口は1億 2,500 万人だが、このままでは、2050 年代に1億人、2060 年 代に9千万人を割り込み、2070 年に 8,700 万人程度になる。わずか 50 年で、我が国は 人口の3分の1を失うおそれがある。
○ こうした急速な少子化・人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済・社会シス テムを維持することは難しく、世界第3位の経済大国という、我が国の立ち位置にも大 きな影響を及ぼす。人口減少が続けば、労働生産性が上昇しても、国全体の経済規模の 拡大は難しくなるからである。今後、インド、インドネシア、ブラジルといった国の経済発展が続き、これらの国に追い抜かれ続ければ、我が国は国際社会における存在感を失うおそれがある。 若年人口が急激に減少する 2030 年代に入るまでが、こうした状況を反転させること ができるかどうかの重要な分岐点であり、2030 年までに少子化トレンドを反転できなければ、我が国は、こうした人口減少を食い止められなくなり、持続的な経済成長の達成も困難となる。2030 年までがラストチャンスであり、我が国の持てる力を総動員し、少 子化対策と経済成長実現に不退転の決意で取り組まなければならない。
○ 今回の少子化対策で特に重視しているのは、若者・子育て世代の所得を伸ばさない限り、少子化を反転させることはできないことを明確に打ち出した点にある。もとより、結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであって、これらについての多様な価値観・考え方が尊重されるべきであることは大前提。その上で、 若い世代の誰もが、結婚や、こどもを生み、育てたいとの希望がかなえられるよう、将来に明るい希望をもてる社会を作らない限り、少子化トレンドの反転はかなわない。

○ このため、政府→若者・子育て世代の所得向上に全力で取り組む。新しい資本主義の下、賃上げを含む人への投資と新たな官民連携による投資の促進を進めてきており、既に、本年の賃上げ水準は過去 30 年間で最も高い水準となっているほか、半導体、 蓄電池、再生可能エネルギー、観光分野等において国内投資が活性化してきている。まずは、こうした取組を加速化することで、安定的な経済成長の実現に先行して取り組む。その中で、経済成長の果実が若者・子育て世代にもしっかり分配されるよう、最低賃金の引上げや三位一体の労働市場改革を通じて、物価高に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現する。
○ 次元の異なる少子化対策→(1)構造的賃上げ等と併せて経済的支援を充実さ せ、若い世代の所得を増やすこと、(2)社会全体の構造や意識を変えること、(3)全 てのこども・子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援すること、の3つを 基本理念として抜本的に政策を強化。こうした若者・子育て世代の所得向上と、次元の異なる少子化対策を、言わば「車の両輪」として進めていくことが重要、少子化対策の財源を確保するために経済成長を阻害し若者・子育て世代の所得を減らすことがあってはならない。
○ 少子化対策の財源は、まずは徹底した歳出改革等によって確保することを原則。 全世代型社会保障を構築する観点から歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用などを行うことによって、実質的に追加負担を生じさせないことを目指していく。その際、歳出改革等は、国民の理解を得ながら、複数年をかけて進めていく。
○ このため、経済成長の実現に先行して取り組みながら、歳出改革の積上げ等を待つことなく、2030 年の節目に遅れることのないように、前倒しで速やかに少子化対策を実施することとし、その間の財源不足は必要に応じてこども特例公債を発行する。
○ 以上のとおり、経済を成長させ、国民の所得が向上することで、経済基盤及び財源基盤を確固たるものとする、歳出改革等による公費と社会保険負担軽減等の効果を活用することによって、国民に実質的な追加負担を求めることなく、少子化対策を進める。少子化対策の財源確保のための消費税を含めた新たな税負担は考えない。繰り返しになるが、我が国にとって 2030 年までがラストチャンスである。全ての世 代の国民一人ひとりの理解と協力を得ながら、次元の異なる少子化対策を推進する。こ れにより、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育 てができる社会、こどもたちがいかなる環境、家庭状況にあっても、分け隔てなく大切 にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会の実現を図る。

U.こども・子育て政策の強化:3つの基本理念 ↓
1.こども・子育て政策の課題
○ こども・子育て政策
→過去 30 年という流れの中で見れば、その政策領域の 拡充や安定財源の確保に伴い、待機児童が大きく減少するなど一定の成果はあったものの、少子化傾向には歯止めがかかっていない状況。 少子化の背景⇒経済的な不安定さや出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさ、家事・育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育ての孤立感や負担感、子育てや教育にかかる費用負担など、個々人の結婚、妊娠・出産、子育ての希望の 実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っているが、とりわけ、こども・子育て政策を抜本的に強化していく上で我々が乗り越えるべき課題としては、以下の3点が重要。 ↓
(1)若い世代が結婚・子育ての将来展望を描けない ↓
○ 若い世代
→未婚化・晩婚化が進行しており、少子化の大きな要因の一つと なっていると指摘されている。 若い世代(18〜34 歳の未婚者)の結婚意思→依然として男女の8割以上 が「いずれ結婚するつもり」と考えているものの、近年、「一生結婚するつもりはない」 とする者の割合が増加傾向となっている。さらに、未婚者の希望するこども数には、夫婦の平均理想こども数(2.25 人)と比べて低水準であることに加えて、その 減少傾向が続いており、直近では男性で 1.82 人、女性で 1.79 人と特に女性で大きく減少し、初めて2人を下回った。 また、雇用形態別に有配偶率を見ると、男性の正規職員・従業員の場合の有配偶率 は 25〜29 歳で 30.5%、30〜34 歳で 59.0%であるのに対し、非正規の職員・従業員の 場合はそれぞれ 12.5%、22.3%となっており、さらに、非正規のうちパート・アルバ イトでは、それぞれ 8.4%、15.7%にまで低下するなど、雇用形態の違いによる有配 偶率の差が大きいことが分かる。また、年収別に見ると、いずれの年齢層でも一定水 準までは年収が高い人ほど配偶者のいる割合が高い傾向にある。
○ 実際の若者の声→「自分がこれから先、こどもの生活を保障できるほどお金を稼げる自信がない」、「コロナ禍で突然仕事がなくなったり、解雇されたりすることへの不安が強くなった」などの将来の経済的な不安を吐露する意見が多く聞かれる。 また、「結婚、子育てにメリットを感じない」との声や、「子育て世帯の大変な状況を 5 目の当たりにして、結婚・出産に希望を感じない」との声もある。
○ このように、若い世代が結婚やこどもを生み、育てることへの希望を持ちながらも、 所得や雇用への不安等から、将来展望を描けない状況に陥っている。雇用の安定と質 の向上を通じた雇用不安の払拭等に向け、若い世代の所得の持続的な向上につながる 幅広い施策を展開するとともに、V.で掲げる「こども・子育て支援加速化プラン」(「加速化プラン」)で示すこども・子育て政策の強化を早急に実現し、 これを持続していくことが必要。あわせて、25〜34 歳の男女が独身でいる理由 について、「適当な相手に巡り合わない」とする割合が最も高くなっていることも踏まえた対応も必要。幼少期から 10 代、20
代のうちに、こどもと触れ合う機会を多く持つことができるようにすることが重要 。
(2)子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある
○ 「自国はこどもを生み育てやすい国だと思うか」との問いに対し、スウェーデン、 フランス及びドイツでは、いずれも約8割以上が「そう思う」と回答しているのに対 し、日本では約6割が「そう思わない」と回答している。また、「日本の社会が結婚、 妊娠、こども・子育てに温かい社会の実現に向かっているか」との問いに対し、約7 割が「そう思わない」と回答している。
○ 子育て中の方々からも「電車内のベビーカー問題など、社会全体が子育て世帯に冷 たい印象」、「子連れだと混雑しているところで肩身が狭い」などの声が挙がっており、 公園で遊ぶこどもの声に苦情が寄せられるなど、社会全体の意識・雰囲気がこどもを 生み、育てることをためらわせる状況にある。 ○ こどもや子育て世帯が安心・快適に日常生活を送ることができるようにするため、 こどもや子育て世帯の目線に立ち、こどものための近隣地域の生活空間を形成する 「こどもまんなかまちづくり」を加速化し、こどもの遊び場の確保や、親同士・地域 住民との交流機会を生み出す空間の創出などの取組の更なる拡充を図っていく必要。 また、全世帯の約3分の2が共働き世帯となる中で、未婚女性が考える「理想のライフコース」は、出産後も仕事を続ける「両立コース」が「再就職コース」を上回って最多となっているが、実際には女性の正規雇用における「L字カーブ」の存在など、 理想とする両立コースを阻む障壁が存在している。
○ 女性(妻)の就業継続や第2子以降の出生割合は、夫の家事・育児時間が長いほど高い傾向にあるが、日本の夫の家事・育児関連時間は2時間程度と国際的に見ても低 水準である。また、こどもがいる共働きの夫婦について平日の帰宅時間は女性よりも男性の方が遅い傾向にあり、保育所の迎え、夕食、入浴、就寝などの育児負担が女性 に集中する「ワンオペ」になっている傾向もある。 実際の若者の声としても「女性にとって子育てとキャリアを両立することは困難」、「フルタイム共働きで子育ては無理があるかもしれない」といった声が挙がっている。 一方で、男性について見ると、正社員の男性について育児休業制度を利用しなかっ た理由を尋ねた調査では、「収入を減らしたくなかった(39.9%)」が最も多かったが、 「育児休業制度を取得しづらい職場の雰囲気、育児休業取得への職場の無理解(22.5%)」、「自分にしかできない仕事や担当している仕事があった(22.0%)」なども多く、制度はあっても利用しづらい職場環境が存在していることがうかがわれる。
○ こうしたことから、こども・子育て政策を推進するに当たっては、今も根強い固定 的な性別役割分担意識から脱却し、社会全体の意識の変革や働き方改革を正面に据え た総合的な対策をあらゆる政策手段を用いて実施していく必要がある。
(3)子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する ↓
○ 夫婦の平均理想こども数及び平均予定こども数は 2000 年代以降、ゆるやかに低下、直近では、平均理想こども数は 2.25 人、平均予定こども数は 2.01 人。理想のこども数を持たない理由は、「子育てや教育にお金がかか りすぎるから」という経済的理由が 52.6%で最も高く、特に第3子以降を持ちたいと いう希望の実現の大きな阻害要因
となっている。 また、妻の年齢別に見ると、35 歳未満では経済的理由が高い傾向にあるが、35 歳 以上の夫婦では、「ほしいけれどもできないから」といった身体的な理由が高い。また、 いずれの世代も「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」が高い。
○ これまでのこども・子育て政策の中では、保育対策にかなりの比重を置いてきたが、0〜2歳児の約6割はいわゆる未就園児であり、こうした家庭の親の多く集まる子育 て支援拠点が行った調査によれば、拠点を利用する前の子育て状況として「子育てをしている親と知り合いたかった」、「子育てをつらいと感じることがあった」、「子育て の悩みや不安を話せる人がほしかった」など、「孤立した育児」の実態が見られる。 一方で、在宅の子育て家庭を対象とする「一時預かり」、「ショートステイ」、「養育訪問支援」などの整備状況は、未就園児1人当たりで見ると、一時預かりは年間約 2.86 日、ショートステイは年間約 0.05 日、養育支援訪問は年間約 0.1 件など、圧倒的に 整備が遅れている。
○ 実際の若者の声としても「教育費が昔より高くなっているので、経済的負担を考えると1人しか産めなさそう」、「住居費などの固定費に対してお金がかかる」といった 負担感のほか、「親の所得でこどもへの支援の有無を判断すべきではない」といった子 育て世帯の不公平感を指摘する声もある。 ○ さらに、子育て家庭が負担感を抱えている現状→若い世代が子育てに対 してネガティブなイメージを持つことにもつながっており、「こどもがいると今の趣 味や自由な生活が続けられなくなる」、「こどもを育てることに対する制度的な子育て 罰が存在する」などといった指摘の背景ともなっていると考えられる。
○ 公教育の再生は少子化対策としても重要であり、こどもを安心して任せることので きる質の高い公教育を再生し充実させることは、次代を担うこどもたちの健やかな育成はもとより、若い世代の所得向上に向けた取組の基盤となり得るほか、基礎的な教 育に係る子育て家庭の負担軽減にもつながるもの。このため、次代にふさわし い教育の保障、優れた教師の確保・教育環境の整備、GIGA スクール構想の次なる展開など、公教育の再生に向けた取組を着実に進めていくことが重要。 また、学校給食費の無償化の実現に向けて、まず、学校給食費の無償化を実施す自治体における取組実態や成果・課題の調査、全国ベースでの学校給食の実態調査を速やかに行い、1年以内にその結果を公表する。 その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含め課題の整理を丁寧に行 い、具体的方策を検討する。

2.3つの基本理念 ↓
○ T.でも述べたとおり、我々が目指すべき社会の姿は、若い世代が希望どおり結婚し、 希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育てができる社会、そして、こどもたちが、 いかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会。また、公教育の再生は少子化対策と経済成長実現にとっても重要であり、 以下の基本理念とも密接に関連する。こうした社会の実現を目指す観点から、こども・子育て政策の抜本的な強化に取り組むため、今後、こども未来戦略会議において策定す る「こども未来戦略」の基本理念は、以下の3点である。 ↓
(1)若い世代の所得を増やす ↓
○ 第一に、若い世代が「人生のラッシュアワー」と言われる学びや就職・結婚・出産・子育てなど様々なライフイベントが重なる時期において、現在の所得や将来の見通しを持てるようにすること、すなわち「若い世代の所得を増やす」ことが必要
。このため、こども・子育て政策の範疇を越えた大きな社会経済政策として、最重要課題の「賃上げ」に取り組む。新しい資本主義の下、持続的な成長を可能とする 経済構造を構築する観点から、「質の高い」投資の促進を図りつつ、「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による暮らしの安心の下で それが消費へとつながる)と「賃金と物価の好循環」(企業が賃金上昇やコストを適切 に価格に反映することで収益を確保し、それが更に賃金に分配される)という「2つの好循環」の実現を目指す。
○ また、「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となり、働き方が大きく変化する中で、労働者の主体的な選択による職業選択、労働移動が、企業と経済の更なる成長につながり、構造的賃上げに資するものとなるよう、リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化 という三位一体の労働市場改革を加速する。さらに、賃上げの動きを全ての働く人々が実感でき、将来への期待も含めて、持続 的なものとなるよう、L字カーブの解消などを含め、男女ともに働きやすい環境の整備、「同一労働同一賃金」の徹底と必要な制度見直しの検討、希望する非正規雇用の方々の正規化を進める。
○ こうした施策を支える基盤として、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットを構築するため、週所定労働時間 20 時間未満の労働者に対する雇用保険の 適用拡大について検討し、2028 年度までを目途に実施する。また、いわゆる106万円・130万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者「働き方改革」の一環として導入された、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第 76 号)等に基づく不合理な待遇差の禁止。 保険の適用拡大や最低賃金の引上げに取り組むことと併せて、被用者が新たに 106 万 円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせないための当面の対応を本年中に決定し た上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。 また、全国どの地域に暮らす若者・子育て世代にとっても、経済的な不安なく、良質な雇用環境の下で、将来展望を持って生活できるようにすることが重要、引き続き、地方創生に向けた取組を促進する。特に、地方において若い女性が活躍できる環境を整備することが必要であり、地方における分厚い中間層の形成に向けて、国 内投資の拡大を含め、持続的に若い世代の所得が向上し、未来に希望を感じられるような魅力的な仕事を創っていくための取組を支援していく。 ○ こうした取組と併せて、V.で掲げる「加速化プラン」において、ライフステージ を通じた経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、こども・子育て支援 の拡充、共働き・共育てを支える環境整備などを一体として進め、若者・子育て世帯 の所得を増やすことで、経済的な不安を覚えることなく、若者世代が、希望どおり、 結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるようにしていく。 ↓
(2)社会全体の構造・意識を変える ↓
○ 第二に、
少子化には我が国のこれまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関 わっているため、家庭内において育児負担が女性に集中している「ワンオペ」の実態を変え、夫婦が相互に協力しながら子育てし、それを職場が応援し、地域社会全体で 支援する社会を作らなければならない。 このため、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、さらには地域社会、高齢者や独身者を含めて、皆が参加して、社会全体の構造や意識を変えていく必要がある。 こうした観点から、「加速化プラン」においては、こどもまんなか社会に向けた社会全 体の意識改革への具体策についても掲げることとする。 また、企業においても、出産・育児の支援を投資と捉え、職場の文化・雰囲気を抜本的に変え、男性、女性ともに、希望どおり、気兼ねなく育児休業制度を使えるよう にしていく必要。この点は、特に、企業のトップや管理職の意識を変 え、仕事と育児を両立できる環境づくりを進めていくことが重要。同時に、育児休業制度自体についても、多様な働き方に対応した自由度の高い制度へと強化するとともに、職場に復帰した後の子育て期間における「働き方」も変えていく必要がある。特に、出生率の比較的高い地方から東京圏への女性の流出が続いている現状を踏まえ、全国の中小企業を含めて、女性が活躍できる環境整備を強力に進めていくという視点が重要。
○ 働き方改革は、長時間労働の是正により夫婦双方の帰宅時間を早め、育児・家事に 充てる時間を十分に確保することや、各家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を実現す ること等につながる。また、子育て家庭にとってのみならず、事業主にとっても、企業の生産性向上や労働環境の改善を通じた優秀な人材の確保といった効果があるこ とに加えて、延長保育等の保育ニーズの減少を通じて社会的コストの抑制効果が期待 されるものでもある。さらに、価値観・ライフスタイルが多様となる中で、子育てに 限らない家庭生活における様々なニーズや、地域社会での活動等との両立が可能とな るような柔軟で多様な働き方が普及することは、全ての働く人にとってメリットが大 きい。このため、特に、働き方改革の実施に課題のある中小企業の体制整備に向けた 取組を強力に後押ししていくことが必要。 育児休業を取りやすい職場づくりと、育児休業制度の強化、この両方があって、子育て世帯に「こどもと過ごせる時間」を作ることができ、夫婦どちらかがキャリアを 犠牲にすることなく、協力して育児をすることができる。このため、働き方改革の推 進とそれを支える育児休業制度等の強化など、「加速化プラン」で掲げる具体的な施策 について、官民挙げて強力に取り組んでいくこととする。
(3)全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する
○ 第三に
、様々なこども・子育て支援に関しては、親の就業形態にかかわらず、どのような家庭状況にあっても分け隔てなく、ライフステージに沿って切れ目なく支援を行い、多様な支援ニーズにはよりきめ細かい対応をしていくこと、すなわち「全ての こども・子育て世帯を切れ目なく支援すること」が必要。
○ これまでも保育所の整備、幼児教育・保育の無償化など、こども・子育て政策を強化してきたが、この 10 年間で社会経済情勢は大きく変わるとともに、今後、取組む べきこども・子育て支援の内容も変化している。 経済的支援の拡充、社会全体の構造・意識の改革に加え、こども・子 育て支援の内容についても、⇒親が働いていても家にいても、全ての子育て家庭を等しく支援すること。幼児教育・保育について、量・質両面からの強化を図ること、その際、待機児童対 策などに一定の成果が見られたことも踏まえ、量の拡大から質の向上へと政策の重 点を移すこと。これまで比較的支援が手薄だった、妊娠・出産期から0〜2歳の支援を強化し妊娠・出産・育児を通じて、全ての子育て家庭の様々な困難・悩みに応えられる伴走型支援を強化するなど、量・質両面からの強化を図ること。貧困の状況にある家庭、障害のあるこどもや医療的ケアが必要なこどもを育てる家庭、ひとり親家庭などに対してよりきめ細かい対応を行うこと。などが必要。
○ こうした観点から、こども・子育て支援に関する現行制度全体を見直し、全てのこ ども・子育て世帯について、親の働き方やライフスタイル、こどもの年齢に応じて、 切れ目なく必要な支援が包括的に提供されるよう、「加速化プラン」で掲げる各種施策に着実に取り組むとともに、「総合的な制度体系」を構築することを目指していく。 また、「総合的な制度体系」を構築する際に重要なことは、伴走型支援・プッシュ型 支援への移行である。従来、当事者からの申請に基づいて提供されてきた様々な支援メニューについて、行政が切れ目なく伴走する、あるいは支援を要する方々に行政からアプローチする形に、可能な限り転換していくことが求められる。制度があっても現場で使いづらい・執行しづらいという状況にならないよう、「こども政策 DX」を推進し、プッシュ型通知や、デジタル技術を活用した手続等の簡素化、データ連携などを通じ、子育て世帯等の利便性向上や子育て関連事業者・地方自治体等の手続・事務負担の軽減を図る。なお、こうした「こども政策 DX」に積 極的に取り組むとともに、関係データの連携、そのデータの利活用を図ることは、W. で掲げる PDCA の推進のためにも重要と考えられる。
○ また、全国それぞれの地域社会において、地域の実情に応じた包括的な支援が提供されるよう、国と地方自治体が連携して、こども・子育て支援の強化を図っていく必要がある。その際には、地域ごとの多様なニーズに対して、幼児教育・保育事業者は もとより、企業や NPO・NGO、ボランティア団体、地域住民などの多様な主体の参画の下で、それぞれの地域が有する資源を最大限に活用しながら、こども・子育て世帯を 地域全体で支えるための取組を促進していくことが重要である。

次回も続き「V.「加速化プラン」〜今後3年間の集中的な取組〜」からです。

第4回こども未来戦略会議 [2023年06月05日(Mon)]
第4回こども未来戦略会議 (令和5年5月22日) 
≪議事次第≫ こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai4/gijisidai.html
◎資料7 新居構成員提出資料
1. 高齢者も含む全世代、企業も含む社会全体で財源を確保
→子どもが減っていくことにより、日本社会全体が衰退に向かっていることへ の強い危機感を前提とし、子どもが増えることは、未来の労働力・消費者の 確保、また年金をはじめとする社会保障制度の維持につながることから、子どもを持たない人にも恩恵をもたらすということを改めて共有した上で、財源については、高齢者も含めた全世代で負担すべきではないか。 今回の財源は、子育て世帯のためのものではなく、日本全体の社会保障の維持につながる全ての国民のためのものである点を強調し、分断をうまないよ うにすることが望ましい
2. 現役世代も「負担した以上に返ってくる」実感を得られる施策実行→現役世代が財源を負担したくないと感じる背景には、これまでこども・子育 て関連に十分に予算が振り分けられてこなかったことから、「負担が増えた 分以上に、自分たちにメリットのある形で戻ってくると思えない」という強 い懸念があるのではないか。 財源確保と当時に、現役世代かつ子育てをしている方々が「負担した以上に 返ってくる」という実感が得られる手厚い子育て支援を、加速化プランに基 づき迅速に実行することが重要なのではないか 以上


◎資料8 芳野 構成員提出資料
○ 子ども・子育て政策の検討においては、子育て現役世代だけではなく、将来子育てをする世代も含めた広い視点で検討し、明るい未来を展望できるようにすることが必要。
○ 連合の子育てアンケート結果(2022 年)
→多くの保護者が子育てを通じて心 安らぎ、癒され、元気をもらっていると感じる一方、根深いジェンダーバイアスや、子育てと仕事との両立が難しい実態が明らかになっている。現役子育て世代 の働き方は、将来子育てを担う世代の子どもを生み・育てることに対する意識に 大きな影響を与えており、子育て世代に限らない、すべての世代における働き方 の見直し、良質な雇用の確保、就業環境の改善をはかることが重要。 こうした取り組みを通じ、誰もが安心して働き続けられる社会を構築することこそ、子育てしやすい社会意識の醸成につながるものである。そして、社会でくらす誰もが子どもと関わることを楽しみ、若い世代が子どもを生み育てたいと思えるようにしていくべきである。 また、第 3 回会議の資料 2 で読み取れるように、子どもの人数によらず「生活が 苦しい」と感じている世帯が多い中、すべての子どもや子育て世帯への支援とと ともに、様々な事情により家庭で生活ができない子どもや障がいのある子どもな どへの支援策を強化し、子ども一人ひとりの権利が守られ、健やかに成長できる 環境整備を推進することが重要である。


◎資料9 権丈 構成員提出資料
資料 1 1.「「総合的な制度体系」を支える給付と負担の「見える化」」に関して↓

・こども・子育て政策全体に関して、既存の諸政策を含めて「総合的な制度体系」に再編するのは、「国民的な理解を得るために」望ましい方向性。その財源に関しても、 給付と負担の全体像をわかりやすく、かつその財源が他の制度とは独立した財源として徴収されていることを国民に示すために、こども・子育て政策のための会計を新しく作るのも望ましいこと。
・「加速化プラン」の実施のタイミングは、資料 1 の 17 頁では集中取組期間として 2024 −2026 年が示されている。現下の日本において、こども・子育て政策にはスピード感が必 須であるために、集中取組期間 3 年は許容範囲ぎりぎりの期間である。 資料 1 2.「「加速化プラン」を支える安定的な財源の在り方について」に関して @ について 「全世代型社会保障を構築する観点から、徹底した歳出の見直しを行うことによって、公費財源の確保や保険料負担の抑制を最大限図るべき」というのはもっともである。加えて、2013 年の社会保障制度改革国問会議の報告書にある次の文章を確認しておくことも、 日本の社会保障の現状を考えれば、重要ではないだろうか。 全世代型の社会保障への転換は、世代間の財源の取り合いをするのではなく、それ ぞれ必要な財源を確保することによって達成を図っていく必要がある。 『社会保障制度改革国民会議』(2013)9 頁 A について、公的な医療保険、介護保険は、若いときから保険料を拠出することにより主に高齢期で 生じる支出の膨張の平準化を図っている長期保険の機能をはたしている(70 歳以上への給 付で医療給付費の約5 割、介護給付費の9 割半ばを占める)。その機能は、高齢期に給付 が集中する公的年金保険と同じである(老齢年金は年金給付費の 8 割半ば)。こうした機能を、経済学では「消費の平準化(consumption smoothing)」と呼び、社会保険という再分配政策が果たす主な機能である(ちなみに、社会保障給付費の約 9 割は社会保険)。
・高齢期に必要となる消費の平準化のための制度が充実すれば少子化が起こり、その現象 は「個人的利益と集団的利益のコンフリクト」(=合成の誤謬)をもたらすことは、1934 年に既にスウェーデンのミュルダール夫妻が『人口問題の危機』の中で指摘していた。そして彼らは、私が第 1 回会議で発言したように「少子化を問題視するのであれば解決策は 2つしかなく、1つは、高齢期向けの社会保障をなくしていくこと。いま一つは、出産と育児に関する消費を、例えば介護のように社会化していく」しかないと類似のことを説き、ミュルダール夫妻は民主的国家において取り得る選択肢として普遍主義的な子育て費用の社会化を唱えていた(彼らは「消費の社会化」と呼んでいた)。他面、子育て費用の社会化により少子化の進行が緩和すれば、医療、介護、年金保険などの給付水準は高まり、これら高齢期向けの社会保険制度の持続可能性は高まる。 したがって、資料 1.2.Aにある「企業を含め社会・経済の参加者全体が連帯し、公平な 立場で、広く支え合っている新たな枠組み」について、少子化の原因でありかつ少子化緩 和の便益を受ける既存の医療、介護、年金保険などの社会保険制度の活用は、十分に候補 のひとつになり得るのではないか。なお、医療保険は後期高齢者医療制度、介護保険は第 1 号被保険者に関する特別徴収というチャネルで年金給付とつながりを持っているため に、このチャネルから公的年金保険は、こども・子育て支援のための「新たな枠組み」に 協力することができる。そして、「新たな枠組み」には、医療保険と介護保険の両方を視 野に入れるのが、両社会保険とこども・子育て政策との相互関係を考えれば、自然であろう(現在、健康保険の保険料賦課対象となる標準報酬月額の上限は 139 万円であり、介護 保険第 2 号被保険者の保険料賦課ベースは健康保険法に準じている)。  ただし、社会保険制度が財源調達に協力するにしても、この方式は安定財源の確保には 有益だが、財源調達力には限度がある。そして第 1 回会議で私は「経済界をはじめ多くの 費用負担者の価値を感じる政策と、研究による効果が確認されている政策にはさほど違い はありません」と論じている中の後者、すなわち研究によって効果があまり確認されてい ない政策に、社会保険制度が協力する根拠は薄い。児童手当のような、将来に向けて給付 の制御が難しい現金給付に関しては、社会保険からの支援に今回限りというような制限を 設け、将来、それを超える部分については、税を用いることを費用負担者たちと事前に契 約しておくことも、「費用負担者の意向を酌み取って、受益者はもちろん、そしてできれ ば協力者として支える人たちの満足感、効用を高めるような制度を設計する工夫」(第 1 回発言)のひとつとしては重要であるように思える。
・既存の社会保険制度の活用を新たな枠組みの中で考えるにしても、社会保険制度がこど も・子育て政策を支援する力を強化することは視野に入れておきたい。というのも、今 後、後期高齢者医療制度の給付が人口構成の影響を受けて増えることが見込まれている。 その財源に関しては、たとえば、公的な医療、介護、年金保険など高齢期の生活費を社会 化した制度のおかげで使われずにすんで残された資産を含む相続財産に対して、社会保障 目的相続税などを設けて、資料 1.2.@にある「公費財源の確保」を図ることも考えることができるのではないか。なお、当然のことながら、こうした措置は、社会保険制度の活用による安定財源の確保が開始される集中取組期間3年の間に行う必要があろう。
ちなみに、日本医師会は、医療政策会議の報告書の中で、次のような提案を行っている。 死亡時の金融資産に本来消費していれば払っていたであろう消費税に準じた税率を課す――これにより得た財源を、たとえば後期高齢者医療制度への公費分という消費に還元することにより、亡くなった方の金融資産を国民経済に貢献してもらう制度を考えていく。 日本医師会『平成 30・令和元年度医療政策会議報告書』(2020)5 頁。
・こども・子育て政策のひとつに奨学金の案件がある。この件に関しては、公的年金保険 の積立金を活用して、必要な人たちに奨学金を貸与する国民皆奨学金制度という案が、 2008 年の社会保障国民会議の頃から出されていた。「公的年金というのは、向こう 100 年 ほどの財源構成をみると積立金の寄与は 1 割程度で、9 割は保険料と税です。保険料と税 の収入は人的資本に依存します。積立金を使って人的資本投資をすることに公的年金被保 険者の利益と矛盾はありません。未成年の学生は親が年金保険料を払っているという条件 で奨学金を受けることができるようにし、未納対策にもする。そして奨学金の返済は、社 会に出てから支払い能力に応じて行う。そうした国民皆奨学金の話を、2008 年の社会保 障国民会議の中間報告にまで書くことができたのですけど、最後に、年金の積立金は年金 にだけ使ったほうがいいという委員たちの発言におされて最終報告書には載せることがで きませんでした」(『もっと気になる社会保障』(2022)276−277 頁)。
繰り返しになるが、公的年金積立金の投資先を、主に未来を担う若い世代に向けた人への投 資とすることにより、長期的な観点から将来にわたって公的年金保険の運営の安定に資することは、公的年金制度の積立金運用に携わる GPIF の投資原則・投資規範「年金事業の運営の安定に資するよう、専ら被保険者の利益のため」(国民年金保険法 75 条、厚生年金保険法 79 条の 2 により規定)と整合的ですらある。
年金積立金を利用して、学生たちの必要に応じて奨学金として給付を行い、卒後、負担能力 に応じて返済(財源調達)をする制度とすれば、通常の奨学金が果たす時間的な所得の再分 配に加えて、垂直的な再分配を組み込んだ国民皆奨学金制度とすることができる。公的年金 の積立金を活用した奨学金制度の創設案は、前述の 2008 年の社会保障国民会議に続いて、 2013 年の社会保障制度改革国民会議でも再度提案されていた。しかしこれまで、年金積立 金は年金以外に使うべきではないという、公的年金保険制度に対する理解不足の論によっ て、阻まれてきた。 以上

◎資料10 高橋 構成員提出資料
少子化対策への協力に応じて企業にも段階的負担を↓

この国の少子化問題を、国と企業が手を携えて解決していくべきだと思いますので、今後、 少子化対策の財源確保のために企業にも一部負担を求めることに、私は経営者としても賛成です。
企業の従業員は必ずしも育児をしている人ばかりではないので恩恵を受けるのは一部の 人だという意見もありますが、私はそうではないと思います。少子化になれば、日本全体の 社会保障が成り立たなくなり、そのあおりを受けるのは、子育てしている人もしていない人 も同じです。日本の少子化を克服していくというのは、同じ目的に向かって、全員が対象で ある取組であるにも関わらず、短期的に給付金を受け取る人のためだけ、と誤解されるよう な理論を展開するべきではないと考えます。
一方で、企業にも負担を求める際には、一律な負担ではなく、⇒ ・労働時間が短い ・有給取得率が高い ・男性育休取得率、取得日数が多い ・勤務間インターバルを導入している など少子化対策に協力的な企業にはぜひ負担率において優遇をしてください。 逆に、⇒ ・慢性的な長時間労働 ・有給取得率、男性育休取得率・取得日数が低い といった、この国が少子化を克服していくことに協力的でない企業には負担率を重くしていただきたいです。
日本の労働基準法は他国と比べると異常です。労働時間の上限管理において、他国の約 2 倍も許容していることや、時間外割増賃金率は他国の半分で済んでしまい、長時間労働をさ せたほうが企業が得するしくみ。これが少子化の原因です。長時間労働社会のままの女性活 躍・夫婦で育児家事の分担など、疲弊する夫婦を増やしてしまうばかりです。いくら育児者 本人の働き方を支援してもらっても、使いにくい人材扱いになるばかりです。本人支援だけ では限界なのです。ですから、次世代を育む働き方をしている企業が得をする仕組みのため に負担率に差をつけていただきたい。それにより、強い推進力を持って社会環境をまるごと 子育てしやすい国に変えていくことを提案します

◎資料11 新浪 構成員提出資料
こどもは日本にとっての宝であり、こどもが増えることは日本の経済社会の活力 となる。だからこそ、若い世代が気持ち良く子育てのできる国にすることが重要 であり、男女ともに子育てしながら正規雇用にて活躍いただける働き方改革や、 住宅支援含め安心して子育てできる環境整備などの「こども・子育て政策」は、 国家の最優先事項として取り組むべきもの。こうした前提のもと、安定的な財源 を確保するための議論に関連して、以下のとおり意見を申し上げる。

(1) こども・子育て政策の KPI 明確化→最優先事項として、こども・子育て政策にし
っかりと財源を振り向けるべきで あることに議論の余地はないが、その前提として、各施策の効果は丁寧に見て いくべき。 効果検証のためには、まず、政策全体の成否を測る指標の明確化が不可欠だが、 「加速化プラン」では、少子化トレンドの反転という以上には政策の目標が明 確にされていないように見受けられる。第一に、議論の土台として、こども・子育て政策が目標とするKPIの明確化が 必要ではないか。
(2)メリハリのある支援→追加的な負担に対して理解を得るためには、KPI に照らして効果の高い施策に メリハリを持って財源投入することが不可欠ではないか。 児童手当など、従来から実施されてきている施策については、これまでの効果 検証と反省から行うとともに、「加速化プラン」の各施策について、必要とな る予算規模、KPI の改善・向上に期待される効果を改めて示すべき。 政策効果を鑑みれば、児童手当の所得制限は、完全な撤廃ではなく、こどもの 数も考慮しつつ、適当なラインまで所得制限を引き上げることを検討すべきで あると考える。(明らかに児童手当を必要とされない高所得の方々への給付財 源を、低所得の方々に負担いただくのは本末転倒ではないか。)。高所得の方々に対しては、現金給付よりも働き方改革等の両立支援がより有効 であることも考えられる。現金給付、現物給付の適切な組み合わせが肝要。 施策開始後も、効果のモニター・検証を行い、効果が見込まれないものについ ては見直しをするといった体制を、今の段階から整備しておくことが必要では ないか。
(3)徹底した歳出改革→「受益と負担の見える化」は基本であり、具体的な仕組みを早急に考えるべき。 その上で、財源の確保にあたっては、歳入だけでなく歳出をセットで考える必 要があり、まずは徹底した歳出改革を行うべき。EBPMにより、一般会計における効果のない歳出を抜本的に見直すとともに、 規制改革によるイノベーションや技術革新も活用し、医療・介護保険制度改革(例:入院・外来の医療提供体制改革、薬価制度改革、後期高齢者医療患者負 担や介護保険利用者負担の見直し)、診療報酬の抑制、医療機関収支の適正化 等を行うことが必要。 ・具体的にどのように歳出改革を進めるのか、それにより全体としてどの程度の 歳出削減を見込むのか明確にした上で、経済財政諮問会議の経済・財政一体改 革推進委員会の枠組みを使い、その進捗をモニターすることが必要。
(4)追加財源確保の考え方→「加速化プラン」は早急に開始すべきである一方、財源確保の手段によっては 時間を要するものもある。歳出改革を行った上でなお不足するこども政策の財 源の確保については、短期と中長期に分けて考えるべきではないか。短期的には、足下、インフレや円安の影響もあり税収が上振れしていることか ら、税収の見込みを示した上で、上振れ分をこども政策に充てることを検討すべき。それでも不足する短期財源については、子育ての主役である現役世代に 負担が偏ることがないよう配慮し、国有資産の売却益などによる財源確保も考 えるべき。 中長期的には、現世代から将来世代へとつなぐ意味において、相続税の一部を こども政策の財源とすることも検討すべき。中長期的な安定財源の確保の在り 方については、継続議論が必要ではないか。 (以 上)

次回は新たに「第7回 新しい時代の働き方に関する研究会」からです。

第4回こども未来戦略会議 [2023年06月04日(Sun)]
第4回こども未来戦略会議 (令和5年5月22日) 
≪議事次第≫ こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai4/gijisidai.html
◎資料1 事務局提出資料
1.主な論点

・「総合的な制度体系」を支える給付と負担の「見える化」について→@〜Aの論点。
・「加速化プラン」を支える安定的な財源について→@〜Bの論点。
2.こども・子育て政策の強化のための財源の在り方に関する政府方針等について→今までの経過から歳出削減が前提で広く国民の負担が必要か。
3.こども未来戦略会議での主な意見→【第1回会議】〜【第3回会議】意見あり。
・財源→こども子育てを社会全体で支えるための政策を実行するため、その費用を国民が広く負担して いくとの考え方が重要。その際は、幅広く財源や歳出の見直しを検討すべき。
≪参考資料≫
○こども・子育て関連予算について
→特別会計において経理されている。
○社会保障分野(医療・介護)における歳出改革等に関する取組について
【「全世代型社会保障構築会議 報告書」(令和4年12月16日)で示された「今後の改革の工程」(抄)】→3. 医療・介護制度の改革 (1)基本的方向

・超高齢社会への備えを確かなものとするとともに、人口減少に対応していく観点から、医療・介護制度の改革を前に進めることが喫緊の 課題。特に、2025年までに75歳以上の後期高齢者の割合が急激に高まることを踏まえ、負担能力に応じて、全ての世代で、増加する医療 費を公平に支え合う仕組みを早急に構築する必要がある。
・ 限りある資源を有効に活用しながら、地域における医療・介護ニーズの増大に的確に対応する。全ての国民が、それぞれの地域において、 質の高い医療・介護サービスを必要に応じて受けることのできる体制を確保していく観点から、医療の機能分化と連携の更なる推進、医 療・介護人材の確保等に力を注ぐ。
○こども・子育て政策の強化のための財源の在り方について→企業も含め、社会・経済の参加者全員が公平な立場で広く支えあっていく「新たな枠組み」の検討必要。
○加速化プランの実施のタイミング→R5からR10までのタイミングあり。

◎資料2 松本 総務大臣提出資料
○こども・子育て政策の強化に係る地方財源について→国と地方が車の両輪、地方財源についても十分な確保が必要。
○こども・子育て政策の強化について(試案)→経済的支援強化⇒国(2/3)・地方(1/3)。サービスの充実もあり。保育所・幼稚園⇒私立⇒1/2づつなど。

◎資料3 平井 構成員・立谷 構成員・荒木 構成員提出資料
こども・子育て政策の強化に向けて(第4回こども未来戦略会議意見)
令和5年5月22日  全国知事会会長  全国市長会会長  全国町村会会長

こども・子育て政策の強化は国と地方が車の両輪となって取り組んでいく必要があり、適切な役割分担のもと、地方としても着実に役割を果たす決意である。 今後のこども・子育て政策の財源のあり方について検討を進めるに当たり、是非と もご考慮いただきたい点を以下のとおり申し上げる。
○ 企業を含め社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で、広く負担していく 新たな枠組みを含め、財源の安定確保に向けて、国の責任において幅広く検討する こと。
○ 児童手当の拡充をはじめとした国が一律で行うべき仕組みは、地方自治体の財政力に応じて、こども・子育て支援施策に地域間格差が生じることのないよう、国の責任と財源において必要な措置を講じた上で実施すること。
○ こども・子育て支援施策は、国が全国一律で行う施策と、地方がその実情に応じ てきめ細かに行う地方単独事業が組み合わさることで効果的なものとなる。 国が全国一律で行う施策については、その充実に伴い生じる地方負担の財源につ いて、国において確実に確保すること。 また、地方がその実情に応じてきめ細かに行うサービス提供や施設整備などにつ いては、地方自治体の創意工夫が生かせるよう、自由度の高い交付金や、複数年度 にわたる柔軟かつ大胆な施策の実施と効果検証が可能となる基金制度を創設する など、地方が独自に活用できる長期的・安定的な財源の確保・充実を図ること。
○ 政府における徹底した歳出の見直しや、企業を含め社会・経済の参加者全員が広 く負担していく新たな枠組みについては、地方の意見を十分に聞きながら検討すること。


◎資料4 奥山 構成員提出資料
1.「総合的な制度体系」を支える給付と負担の「見える化」について

○若者たちの所得があがらず、子ども・若者・子育て家庭支援が先送りされた結果として、急激 な少子化を招いた現実を直視し、社会保障制度の継続性の観点からは高齢者にも応能負担をお願 いし、雇用を維持する観点からは企業負担もお願いしつつ、社会全体が連帯して財源を確保しな ければ、若者たちは将来に夢が描けないと思います。
○医療・保健・福祉・教育の縦割りに伴い、財源構成及び給付と負担が複雑すぎ。わかりや すい総合的な制度体系を指向し、負担に関して国民の理解を得ていく必要があります。

2.「加速化プラン」を支える安定的な財源の在り方について
「加速化プラン」がすべての子どもの育ちを支え、将来の労働力の維持・確保につながるといった観点から普遍的な支援を目指していることを踏まえ、将来的には各種保険制度や事業主拠出金、公費等の多様な財源については特定の財源を特定の事業に充当する等限定することなく、公平な立場で負担割合を定めていく必要があるのではないかと考えます。 例えば、地域こども・子育て支援事業に関して、現状では放課後児童クラブ、延長保育、病児 保育の 3 事業だけが子ども・子育て拠出金の対象となっていますが、参考資料に示す通り、第 1 子が 3 歳になるまでに利用した制度・施設では、妻が正規雇用継続者である場合に、育児休業制度、認可保育所に続いて、地域子育て支援拠点事業等が対象となる「地域の親子交流や相談の 場」を約半数の方が利用しています。同様に一時預かり事業も一定数利用されています。 また、新たに制度化を検討している「出産・子育て応援交付金」や「こども誰でも通園制度 (仮称)」は、すべて普遍的な支援サービスであります。事業が増えるごとにその財源構成及び給 付と負担割合を協議するのではなく、総合的な制度体系を指向し、国民に分かりやすい説明が必 要だと考えます。 普遍的サービスの必要性に関して、さらに述べるとすれば、特定の家庭への重点的支援は、か えってスティグマを生じさせる可能性を指摘したいと思います。誰でも使えるサービスとして、 気兼ねなく利用できるような制度設計をお願いいたします


◎資料5 小林 構成員提出資料    日本商工会議所 会頭 小林 健
1.施策効果の検証や事業(予算)規模を示すことなく議論を進めることに違和感
→これまで実施されてきた公的給付策が、少子化対策としてどの程度効果が あったのかが明らかでないまま、児童手当など現金給付の拡大等が提案 されている。そうした拡大の規模と想定効果を基に議論することにより、各施策の妥当性 の評価・判断が適切に行われることになるものと思う。 重要なことは、対策の「量」ではなく、効果を生む「質」なのではないか。 「量」を追求するあまり、単純に予算拡大とそれに伴う負担増が生じる ならば、経済界が取り組む投資・賃上げ努力を減殺しかねない。

2.一律・大幅な現金給付よりも、現物・サービス給付の拡充による負担軽減を→中小企業においても見え始めた投資・賃上げのモメンタムを加速・継続させ、 経済成長、所得の向上に取り組むとともに働き方改革の推進などを進め、 若い世代の人たちが、安心して子どもを産み育てられる環境を作り上げる ことが何より重要。そうした前提の上に立ってもなお金銭による経済的支援が必要なので あれば、より効果が期待できる世帯に重点的に行うこととすべき。児童手当 にかかる所得制限の撤廃などについては、現段階で多くの国民の理解と納得 が得られているとは思われない。むしろ、子どもを産み育てている人々や、それを希望する人々が、必要な 時に必要とする現物・サービスが受けられる体制を整えることが重要。特に、就業者へのサポートという点を重視するならば、雇用の 7 割を占める 中小企業の視点は不可欠である。職場や周囲の人たちの共感を得られやすく、 メリットも見えやすい支援サービスの拡充を積極的に進めるべきであり、 中小企業が独自に福利厚生として進めることが難しい就業者支援が 望まれる。そうした観点から、「こども誰でも通園制度(仮称)」などの導入 と併せて、育児・見守り・家事など子育て世帯の負担軽減につながる様々な サービス産業・事業の創出・育成・担い手の確保と、その利用・アクセスに 対する支援も必要である。

3.負担と給付の関係を明確にし、国民の理解を得られる財源を→財源を考える際は、給付と負担の関係を踏まえた納得性のある議論は もとより、透明性の確保も極めて重要。一部で報道された特別会計方式は、 過去の事例から見ても、行政改革の理念に合わず、無駄の温床になりかね ないといった懸念もある。一般会計において、優先度高く必要予算を確保 するべきではないか。社会保障給付を含む徹底的な歳出改革、地方や中小企業の活力向上による 経済成長の果実としての歳入増を基本とし、どうしても不足する財源に ついては、タイミングも含めてあらゆる選択肢を検討することとすべき である。 以上

◎資料6 冨山 構成員提出資料
・財源に関する基本理念として、歳出改革による最大限の努力を行うことを前提に、企業と個人、全世代にわたって広く負担を分かち合うべき。本政策はすべての国民、全ての将来世代が裨益するものであり、かつすべての国民が応援し支えていくべきものだから。
・そのために負担と給付の関係が透明化され、常に国民の目にさらされていることは重要で あり、今回の「見える化」の考え方には賛同する。 また、税財源にせよ、社会保険財源にせよ、企業と個人、全世代が幅広く負担する仕組み とすべき。 現行、子育て施策が色々な制度で展開されているために、「子育て支援」という同一の目 的を持つ政策パッケージが、多数のかつ必ずしも相互に整合しない手当やサービスで構成され、ユーザーアンフレンドリーな状況が生まれている。特に社会保険料を財源とする場合、保険制度ごとに保険料負担と給付が対応することで、かかる状況がより深刻化することが 懸念される。かかる問題を回避するためには制度横断的でシームレスな給付の仕組みを構築する必要 がある。
・負担増の悪影響→現在、想定されている規模感の企業負担増(主に社会保険料負 担)が賃上げの障害になるのではないか、という懸念の声が上がっている。確かに短期的な 計算上、そういう議論はありうるが、現在、我が国の企業経営は、構造的・慢性的な人手不足による賃金上昇圧力と金融情勢の変化による中長期的には金利上昇圧力にさらされてい る。これは 30 年来のマクロ経済基調の劇的な転換であり、かつこの傾向は構造的かつ長期的なものになる。そこで予想される人件費上昇、金利・資本コスト上昇のマグニチュードと 比べると、想定されている負担増は桁違いに小さい。 全国各地域に 7500 人の雇用を抱える企業グループの経営者として、この程度の負担増で 私たちの賃上げ方針は影響を受けないし、逆に影響を受けるような企業は、より大きなイン パクトのある人件費上昇に耐えられず、人材流出によって規模の大中小を問わず存続でき ないと考えている。すなわち今のレベルの企業負担増が、今後の賃金と経済の上昇サイクル に水を差すリスクは小さい。

次回も続き「資料7 新居構成員提出資料」からです。

第3回こども未来戦略会議 [2023年05月27日(Sat)]
第3回こども未来戦略会議(令和5年5月16日) 
≪議題≫ こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai3/gijisidai.html
◎資料13 水島 構成員提出資料
試案で示された「加速化プラン」について、意見を申し上げます。 ↓

1.「加速化プラン」全体について
「加速化プラン」に掲げられた個々の内容は、少子化対策の実現に向けての 重要な取組みであると評価
します。もっとも各取組みが、現在の課題を解決することなくかえって助長してしまったり、新たな不公平・不平等が生じたりし ないことが重要。とくに経済的支援を強化する場合は、財源のあり方とあ わせて、この点に留意した検討が必要と考えます。

2.共働き・共育ての推進について
(1)男性育休の取得促進について
→共働き・共育ての推進策として、男性育休がその第一歩となること、実現の ために男性育休の取得率の目標を掲げることや、育児休業給付の給付率を引き 上げることについて、理解します。 しかし、目標に「1週間以上」の取得率を掲げることや「産後パパ育休(最 大28日間)」を念頭に置いた給付率引上げは、「男性は育休を1か月弱とれば 十分」との誤ったメッセージになりかねないことを懸念します。男性労働者が 「28日間育休を取得し、職場復帰後はフルに働く」ことになってしまって は、性別役割分担意識は解消されず、育児の負担が女性に偏っている現状を助 長することにもなりかねません。 また、男性が育休期間中に育児をしたらそれで終わり、とならないよう、たとえば職場復帰後の一定の期間は時短勤務を推奨する仕組みも必要と考えます。
男性が育休を取得したことのみをもって給付率を引き上げるのではなく、 一定期間、育児・家事を行ったことが確認された後に、引上げ分を支給するよ うな方策も検討に値すると考えます。 給付率引上げについては、ひとり親家庭の場合はどうするかなど、制度設計 に際して検討すべき細かな論点があると考えており、今後、労働政策審議会で 丁寧な議論が行われることを期待します。
(2)柔軟な働き方の推進について→ 育児期の柔軟な働き方の推進や、こどもが2歳未満の期間に時短勤務を選択 した場合の新たな給付の創設など、いずれも重要なチャレンジとして評価しま す。しかし、繰り返しになりますが、女性のみがそのような働き方を選択する ことにならないよう、具体的な制度設計では「男女で育児・家事を分担するとの観点」を踏まえて行うことが重要と考えます。 「加速化プラン」には、体制整備を行う中小企業に対する助成措置の大幅な 強化とあわせて推進するとあります。体制整備は各企業の経営方針、労務管理に関わるものですので、強制的な義務づけとならないように留意しつつ、あわ せて、育児・家事の負担が女性に偏ることがないように配慮したうえで、労働 者の多くが中小企業で働いている実態を踏まえ、中小企業で両立支援・働き方 改革の取組みが加速するよう、思い切った支援が行われることを期待します。
(3)その他→ 柔軟な働き方の推進や両立支援が必要となるのは、育児の場面に限られません。「加速化プラン」の内容が将来的に、家族介護を行っている者や治療中の者、障害を有する者等にも反映できるような工夫が望まれます。       以上


◎資料14 芳野 構成員提出資料
第 3 回こども未来戦略会議にあたり、下記のとおり意見いたします。↓

【ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化】

○ 児童手当は子ども自身に対する給付と位置づけ、所得制限をなくし、平等に取り 扱うべきである。「多子世帯の状況等」の資料を見ると、子どもの人数によらず約 6 割の世帯が苦しいと感じていると読める。年少扶養控除の廃止等により、児童 手当受給時に比して実質手取額が減少する世帯が生じない額を最低限支給し、多子世帯のみならず、すべての子どもに対する給付を手厚くすべきと考える。また、 児童扶養手当制度における一部支給停止(減額)措置は廃止し、安定的な生活設 計のため毎月支給とすべきである。
○ 教育機会の不均等を通して親から子へと引き継がれる「貧困の連鎖」を断ち切る ため、就学前教育から高等教育まで、すべての教育にかかる費用を無償化すべき である。無償化までの間は入学金・授業料を引き下げ、給付型奨学金の対象者に ついて中間層を含めたすべての世帯に拡大する。さらに、貸与型奨学金はすべて 無利子とし、返還困難者の救済制度を充実・強化したうえで、保証人制度はすべ て機関保証として、保証料は減額すべきである。また、卒業後の授業料後払い制 度(日本版 HECS)→将来の所得と負担のバランスや返済困難者に十分配 慮した制度設計にしたうえで、大学等へ導入すべきである。

【すべての子育て世帯を対象とするサービスの拡充】↓
○ 保育士等の職員配置基準の改善→子ども・子育て支援新制度において取り組むことが決められていたものであり、1 歳児および 4・5 歳児の配置基準の改善は加 算措置ではなく基準自体を変更する形で早急に取り組むべきである。また 3 歳児 の職員配置の改善は加算措置であることから、従前の基準で運営する施設が存在 するため基準自体を見直すべきである。
○ 就業要件を問わず保育施設を利用できる制度の創設→保育施設を取り 巻く状況が地域によって異なり、子どもを受け入れることが困難な場合がある。 潜在的待機児童を含む待機児童問題の解消、保育施設の受け入れ体制の整備・強 化を並行して進めるべきである。就業を理由に保育サービスを利用している者が 対象に含まれる場合、この制度を延長保育に利用できると長時間労働を助長する 懸念がある。
○ 保育現場からは、重すぎる業務負担や職務に見合わない賃金などによる人材不足が深刻だという声が以前からあがっている。加速化して取り組むとしている職員 配置基準の見直し、保育所の利用条件の緩和、放課後児童クラブの量と質の拡充、 障がい児の受け入れ体制の強化など、いずれも十分に人材が確保できなければ実 現できない。保育士等の賃金・労働環境の改善、常勤化、研修体制の強化に早急 に取り組み、人材確保につなげるべきである。
○ ヤングケアラーやひとり親世帯など、世帯の複合的課題へ対応するため、包括的 なチームによる相談支援体制を構築し、早期発見に努めるとともにアウトリーチ による「包括的」かつ「伴走型」の支援体制を確立・強化すべきである。

【共働き・共育ての推進】 ↓
○ 改正育児介護休業法の周知徹底、長時間労働を前提とした「男性中心型労働慣行」の是正、性別役割分担意識からの脱却、企業経営者等の意識改革を進め、どのライフステージにおいてもワーク・ライフ・バランスが保てる職場環境にするため の働き方の見直しを行うべきである。
○ 男性育休の取得を促進するため、給付・支援の新設、拡充を検討する場合は、給 付の対象とならない者との公平性に配慮する必要がある。
○ 曖昧な雇用で働く者を含め現行の枠組みで労働者性が認められる者には確実に雇 用保険を適用するとともに、社会環境の変化などを踏まえ、労働者性そのものに ついて見直し・拡充をはかるべきである。
○ 育児休業を支える体制整備を行う中小企業支援の拡充等および、時短勤務を選択 した場合の給付の創設→育児期に限らない働き方の見直し、長時間労 働の是正こそまず取り組むべきであり、介護や治療と仕事との両立や育児等のた めに短時間労働を選択している者との公平性に配慮すべきである。

【子ども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革】→子どもや子育てを社会全体で支え、子育てしやすいと感じられる社会、子どもが 健やかに成長していくことができる社会の実現に向けては、世代や子育てしてい るかにかかわらず広く国民に子どもの権利条約およびこども基本法について周知 徹底し、まだ日本においては認知が十分と言えない子どもの人権に関する国民の 理解を深める必要がある。

【こどもを安心して任せることができる質の高い公教育の再生】→教員の負担軽減に向けて、地域クラブなど部活動の地域移行の受け皿を担う人材 の確保について予算措置をすべき。 GIGAスクール構想で整備した端末について、その機能・性能の維持に必要な 機器やソフトウエアの保守・更新について国が責任をもって実施すべきである。

【財源について】→財源の在り方について資料が出されているが、子ども・子育てを社会全体で支えるために政策を迅速に実行し、その費用を賄う財源を国民が広く負担し合っていくとの考え方に立ち、税や財政の見直しなど、幅広い財源確保策を検討すべきである。            以上


◎資料15 櫻井 構成員提出資料
第3回こども未来戦略会議にあたり、下記のとおり意見いたします↓
■最も伝えたいこと ↓
@子育て支援の充実と同時に、少子化対策のスコープの拡張、すなわち、結婚や妊娠以前の人たち が効果を実感できる政策が必要。 A異次元の少子化対策は、子どもを産む産まないに関わらず、まず、性別などによる生きづらさを 無くすことをど真ん中に据えてほしい。 B若者は、自分ひとりでさえ生きていくのが厳しい中で将来について考えられず、高度経済成長期 とも、平成前期とも、全く異なる環境に暮らしていることを理解してほしい。


■@ 結婚や妊娠以前の人たちが効果を実感できる政策 ↓
(1)結婚希望・希望の子ども数そのものを引き上げる施策の重要性
・結婚や子どもに関する人々の希望の実現を阻害している要因を取り除くために、早急に下記の取り組みを実施すべき。↓

⒈ 経済的不安の解消:賃金上昇、雇用安定。特に地方・中小企業の取り組み強化の必要性。⇒若い世代にとって魅力的な企業をつくり、愛着のある地元に住み続けられる可能性を上昇させる。女性の東京圏や海外移住が加速することが予想されるが、移住を選ぶ理由の根底に固定的性別役割分担意識があり、早急な対策が求められる。
⒉ 働き方改革:仕事以外の場における多様なつながりの拡大
⒊ キャリアと子どもの二者択一の解消:働き方改革、人事制度の見直し、男性の子育ての一般化
⒋ 結婚の壁の解消:事実婚、選択的夫婦別姓制度、同性婚など
⒌ 固定的性別役割分担意識の根絶(ジェンダー平等):ジェンダー平等と「共働き・共育てモデル」を支える社会規範の強化

■A 性別などによる生きづらさを無くすことをど真ん中に ↓
(1)共働き・共育ての推進
・男性育休の取得推進
→単に「とりました」というレベルを超えて、長く続くその先の 子育てへといかに接続するかが重要。子育ては共におこなうのが当たり前を目指す。
・新たに予算を確保せずに男性育休の取得推進をする方法として、「上司の後押しを中心に据えた 改正育児・介護休業法の徹底推進」と「男性の両親学級の受講率向上」を目指す。 NPO法人ファザーリング・ジャパンの「隠れ育休調査2023」によると、80%の労働者が3か月以上前から妊娠出産の申出を会社にしても、改正育児・介護休業法の趣旨に準拠した対応をされていない人が55.3%。同時に、両親学級を受講していない男性が6割 いる一方、何かしら の両親学級を受講した人の育休等取得率は平均80%であり、両親学級の受講で、育休等取 得率を向上させる可能性が示唆される結果となった。育休取得が しやすい条件として、2015 年・2019年と同様に今回も「上司からの後押し等」が圧倒的1 位となっている。
(2)育児期を通じた柔軟な働き方の推進 ↓
・育休中の男女だけでなく、前提として組織全体で柔軟な働き方に取り組むこと
・手厚い両立支援制度(育児休業や短時間勤務制度)だけではなく、柔軟なフルタイム勤務の実現と、柔軟さを当たり前のものと捉える企業風土の醸成を目指す。
・結婚と仕事・キャリアと仕事の二者択一の解消→フルタイム勤務の柔軟化などの働き方改革、人事管理制度の見直し、男性の子育て(点としての 男性育休ではなく、長い子育てへの参加:カップルで子育てすることを当たり前に)
■ B若者は、自分ひとりでさえ生きていくのが厳しい
・こどもを望む人たちまでもが、様々な理由により、諦めなければいけない、結婚や子育てに希望 が持てない。 「結婚やこどもはコスト」「人生最大のリスク」 「こどもかキャリアか選ばないといけない(特に女性)」「自分の人生が生きられなくなる」 「奨学金の返済を抱えているから無理」「時間・お金・心の余裕がない」
■Cその他
(3)こども政策DXの推進↓
実際の声
→「どのような支援策があるのか分かりづらい」「子どもに関する情報について役所のサイトが見 づらい」「どうやって検索をしたらよいか分からない、必要な情報が出てこず、結局聞きに行か ないといけない」「紙が中心で管理ができない。行政の窓口にもらいに行く時間がない」 ⇒こども政策DXの推進は重要

■日々使い慣れているサービスを活用
・何かをするために新しいアプリやSNSを活用するよりも、使い慣れたサービスに(生理日管理ア プリや妊娠・妊活アプリなど)と連動している方が使いやすいので、新たに何か作るよりも妊娠 のために、出産のために使っているサービスと連動してほしい。
・官のアプリケーションには「またなにか失敗するのではないか」「また使いづらいのではない か」という国民の不信感が付きまとっていることは、良く自覚してほしい(例:COCOA、マイナ ポータル、e-taxなど)

■対象者の拡大
・こどもを希望する段階から使えるようにしてほしい。
・妊娠を希望する段階で気になること→(実際の声)⇒「妊活は何から始めたらよい?」「自分の住んでいる地域の子育て支援策って?」「子ども支援が 充実している地域ってあるのかな?」「近くに病院はあるのか?」などの悩みや疑問を解消できる ようにすべき。
以上


◎資料16 新居 構成員提出資料
第3回 こども未来戦略会議開催にあたり、以下の通り意見を申し上げます。↓
1. すべての子育て家庭を普遍的に支援する ↓

・すべての子育て家庭は、日本経済が発展し続けるという明るい展望もない中で、子育て という大きな経済的・社会的リスクを背負っているということをよく理解し、困窮している家 庭だけを支援するのではなく、すべての子育て家庭を普遍的に支援するという考え方を改 めて共有すべきではないか
・共働き・共育てを前提とするのであれば、なおのこと「家庭」で育てるのは限界であり、介護を社会化したのと同様に、社会全体で子育てを支えるという前提を皆が共有しなければ ならない
・その第一歩として、所得制限の撤廃に賛成する。その上で、特に学費だけではなく、進学に向けた追加費用や制服など経済的負担の大きい高校生までへの給付拡大に賛成する。
・今後、他の施策について同様の考え方に基づいて支援していくべきであり、子どもを産み 育てたい人を社会全体で支えていくのだという強い覚悟と共に発信されていくことを望む

2. 高齢者も含む全世代、企業も含む社会全体で財源を確保
・子どもが減っていくことにより、日本社会全体が衰退に向かっていることへの強い危機感 を共有すべきだ。子どもが増えることで、未来の労働力・消費者の確保、また年金をはじめ とする社会保障制度の維持につながることから、全世代にとって恩恵をもたらすということ を改めて共有した上で、その解決のための財源→高齢者も含めた全世代で負 担すべきではないか。また、企業も必要に応じて負担すべきであると考える
・企業の負担→すでに労働力不足への対応など苦しい状況に直面していること は承知しているが、育休を支える体制整備を行う中小企業への助成措置をきちんと整備し た上で、負担をお願いするのが良いのではないか

3. 子育てにおける多様性を認める →同性婚、事実婚、単身で子どもを育てる人など、どんな形であっても子どもを持ち、育てた い人が支えられる仕組みになるべきである。現状、日本で生まれる子どものほとんどが婚内子であるが、若い世代の価値観は多様化 し、結婚することは任意の選択であるという価値観や、結婚することで伝統的な家族感に 閉じ込められることへの抵抗感も強くなっている。そのような中、結婚だけを前提とした子育て支援をするのではなく、多様な子育てのあり方を前提とした制度であるべきではないか

4. 男女ともにフルタイムで働いても子育てができる働き方を整備する→時短勤務を選択
した場合の給付も重要だが、現状、短時間勤務の利用者は女性に偏り、 長期化する傾向にある。今後も給付を行うことで女性への子育ての負担の偏りを強化する ことになっては本末転倒ではないか。そもそも子育てをする男女が、時短勤務を利用せずとも、子育てをしていない人と同様に 高いパフォーマンスを発揮できる労働環境を作ることに注力すべき。
・テレワークの継続や、定時を早めるなどの労働時間の短縮、転勤の廃止などの働き方改 革を、男女両方を対象に促進した企業に実施インセンティブを与える方に予算を使うのが いいのではないか

5. スピード感をもった施策の実行
・今回加速化プランであげられている内容
→少子化対策のタイムリミットも迫る中、いずれも来年の早い段階などにスピード感を持って実行されることを望む
・育休給付の引き上げなどについても、2024年の春からの実施を目指すべきではない か。審議中に妊娠していた夫婦が、育休をとるタイミングで実際に施行されるとなれば、国 民が本加速化プランによる変化を実感し、関心・評価も高まるのではないか。実際の施行が2025〜2026年となると、妊娠を直近に考えている人たちや妊娠中の人に対して、残念な印象を与えかねない。出生率は一刻を争う状況の中、直近で妊娠を考えている人たちの背中を今すぐに押せる ようなスピード感が重要なのではないか。
以上の通り、子育てに対して不安を抱えている若い世代に対して、圧倒的な安心感を示せ る力強い加速化プランを打ち出すことを望みます。そのために、「全ての子育て世帯を普遍 的に支援すること」「男女ともに子育て参加できるようにするための働き方改革」「子育てに おける多様性を認めること」が重要と考えます。
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その他、意識改革も含む試案における加速化プランの内容について、以下の通り意見を 申し上げます。↓
a.全体について
→加速化プランの中で優先度をつける際には、散発的な施策の組み合わせに見えないよう 留意すべきではないか。全体の考え方やコンセプトを整理した上で、それに基づく個別施策である点を戦略的に発信することが望ましいと考える。加速化プランの精査、優先順位づけ→当事者や当事者団体等の意見に耳を 傾けるのが良いのではないか
b.国民運動の実施について→本来、国民運動は民間からのボトアムアップでの取り組みであるべきで、過去の事例(東 京都が作成した「結婚に向けた気運情勢のための動画」等)を見ても、政府が少子化対策 の文脈で機運情勢施策を実施することで、子どもを生むことを強制されているように受け取られ、炎上することは目に見えているのではないか。著名人によるメッセージ発信や、ンポジウムの実施本当に有効なのか今一度再考いただきたい。 c.こども誰でも通園制度の実施→素晴らしい取り組みであるが、一時的に短時間預けられるだけでは、子育て中の夫婦と地域との接点づくりや継続的な支援は難しい。妊娠期からの切れ目ない支援の拡充に記載のあるような、産前・産後ケア、専門家による切れ目ない伴走型支援と組み合わせることで、より効果を高めることができるのではないか。
d.出産等の経済的負担の軽減→産婦人科で妊娠検査をすると、都内では1万円超かかる病院もあり、経済的負担への懸 念から病院へアクセスできない妊婦が生まれてしまうことから、今回検討されている費用助 成の着実な実施は非常に重要と考える(実際に妊娠検査後に、妊婦健康診査受診券がまだ活用できない健診が複数回あり、自費負担が数万円発生するケースもあった)。 一方で、低所得の妊婦への情報周知の難しさも想定される。本来であれば、「全ての妊婦 が初回の産科検診から出産まで切れ目なく費用助成を受けられる」という状態を早期に実現し、全ての国民に対して情報発信をする方が有効なのではないか。
                     以 上

次回は新たに「令和5年第6回経済財政諮問会議」からです。

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