• もっと見る
« 子ども家庭局が実施する検討会等 | Main | 若年者・キャリア形成支援»
<< 2025年05月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
第46回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料 [2025年04月19日(Sat)]
第46回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料(令和7年3月27日)
議題:1. 令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の結果について 2. 令和7年障害福祉サービス等経営概況調査の実施について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56207.html
◎資料1 「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」開催要綱
令和5年5月 19日 令和6年11月25日改正
1.目的
障害福祉サービス等に係る報酬について、改定の検討を行うため、 厚生労働省及びこども家庭庁内で「障害福祉サービス等報酬改定検討 チーム」(以下「検討チーム」という。)を開催し、公開の場で検討を 行うこととする。
2.当面の検討項目 (1)障害福祉サービス等報酬改定の基礎資料を得るための各種調査に ついて (2)障害福祉サービス等報酬改定の内容について (3)その他
3.検討チームの構成員等 (1)検討チームは、厚生労働大臣政務官が別紙の構成員等の参画を求 めて開催する。 (2)厚生労働大臣政務官を主査、厚生労働省社会・援護局障害保健福 祉部長を副主査、こども家庭庁長官官房審議官(支援局担当)を副 主査補とし、その他の構成員は別紙のとおりとする。 (3)主査が必要と認めるときは、関係者から必要な意見を聴くことが できる。
4.検討チームの運営 (1)庶務は、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課が行 う。 (2)議事は公開とする。 (3)その他、検討チームの運営に関し必要な事項は、検討チームが定 める。

○(別紙) 「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 構成員等→厚労省・こども家庭庁から9名と、アドバイザ−10名。

◎資料2 令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査のポイント
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 こども家庭庁支援局障害児支援課
○令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果のポイント
→・福祉・介護職員等処遇改善加算を取得している施設・事業所における福祉・介護職員(常勤の者)の基本給等(※1)について、令和5年度と令和6年度を比較すると12,860円の増(+5.34%)となっている。 ・また、平均給与額(※2)については、令和5年度と令和6年度を比較すると19,970円の増(+6.49%)となっている。

◎資料3 令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要
○令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の概要

・調査の目的→障害福祉サービス等従事者の処遇の状況及び処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、報酬改定のための 基礎資料を得る。
・調査時期令和6年10月(参考:令和4年度調査の調査時期は令和4年12月)
・調査対象等 参照。

T処遇改善にかかる加算等の取得(届出)状況等について
○加算の取得(届出)状況
→ 福祉・介護職員等処遇改善加算の取得状況をみると、加算を「取得(届出)している」事業所が87.0%、加算を「取得(届出)していない」事業所が13.0%となっている。 また、加算の種類別(T)〜(X)の取得状況をみると、加算(T)を取得(届出)している事業所が49.5%となっている。
○加算(U)の取得(届出)を行っていない理由→ 福祉・介護職員等処遇改善加算(V)を取得(届出)している事業所における加算(U)の取得(届 出)を行っていない理由をみると、「改善後の年額賃金要件を定めることにより、職種間・事業所間の賃金のバランスがとれなくなることが懸念されるため」が33.0%、「改善後の年額賃金要件を定め るための事務作業が煩雑であるため」が32.4%となっている。
○加算(V)の取得(届出)を行っていない理由→ 福祉・介護職員等処遇改善加算(W)を取得(届出)している事業所における加算(V)の取得(届 出)を行っていない理由をみると、「昇給の仕組みを設けることにより、職種間・事業所間の賃金のバ ランスがとれなくなることが懸念されるため」が37.8%、「昇給の仕組みをどのようにして定めた らよいかわからないため」が33.6%となっている。
○加算の取得(届出)をしない理由→福祉・介護職員等処遇改善加算の取得(届出)をしていない事業所における加算を取得しない理由をみると、「事務作業が煩雑」が32.4%、「届出に必要となる事務を行える職員がいない」が17.3%、 「算定要件を達成できない」が15.2%となっている。
○事務作業が煩雑とする具体的な事情→福祉・介護職員等処遇改善加算の取得(届出)をしていない理由について、「事務作業が煩雑」と回答 した事業所の具体的な事情をみると、「処遇改善計画書を作成するための事務作業が煩雑であるため」が 85.9%、「処遇改善実績報告書を作成するための事務作業が煩雑であるため」が77.9%となっている。
○給与等の引き上げの対象者→「施設・事業所の職員全員について、給与等を引き上げ(予 定)」が56.0%となっている。
○加算を配分した職員の範囲→福祉・介護職員等処遇改善加算の福祉・介護職員以外への配分状況をみると、サービス管理責任者・ 児童発達支援管理責任者・サービス提供責任者の割合が高くなっている。
○賃金改善の実施方法→ 令和6年度の賃金改善の実施方法をみると、「ベースアップ等により対応」が69.0%、「賞与等 (一時金を含む)の支給金額の引き上げまたは新設により対応」が50.6%となっている。
○加算額の一部の令和7年度への繰り越し状況 加算額の一部の令和7年度への繰越状況をみると、「加算額の一部を令和7年度に繰り越した(予 定)」が15.2%、「加算の全額を令和6年度分の賃金改善に充てた(予定)」が77.8%となっている。
○賃上げ促進税制の適用有無 令和6年度の賃上げ促進税制の適用有無をみると、「賃上げ促進税制の対象外(社会福祉法人)」が3 9.4%、「未定」が27.8%となっている。

U障害福祉サービス等従事者の平均給与額等の状況について
○障害福祉サービス等従事者の平均基本給等の状況(常勤の者、職種別)
→福祉・介護職員等処遇改善加算(T)〜(X)を取得(届出)している事業所における福祉・介護職員(常勤の者)の平均基本給等について、令和5年9月と令和6年9月の状況を 比較すると、12,860円の増となっている。
○障害福祉サービス等従事者の平均給与額の状況(常勤の者、職種別)→福祉・介護職員等処遇改善加算(T)〜(X)を取得(届出)している事業所における福 祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額について、令和5年9月と令和6年9月の状況を比較すると、19,970円の増となっている。
○福祉・介護職員の平均給与額の内訳(常勤の者)→福祉・介護職員処遇改善加算(T)〜(X)を取得(届出)している事業所における福祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額について、基本給、手当、一時金(賞与等)ごとに、 令和5年9月と令和6年9月の状況を比較すると、基本給が6,450円の増、手当が8, 470円の増、一時金が5,070円の増となっている。
○福祉・介護職員の平均給与額の状況(常勤の者、サービス種類別)→福祉・介護職員処遇改善加算(T)〜(X)を取得(届出)している事業所における福 祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額について、令和5年9月と令和6年9月の状況を比 較すると、各サービスにおいて1万円以上の増加額となっている。
○福祉・介護職員の平均給与額の状況(常勤の者、勤続年数別)→福祉・介護職員処遇改善加算(T)〜(X)を取得(届出)している事業所における福 祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額について、令和5年9月と令和6年9月の状況を勤 続年数別に比較すると、勤続年数にかかわらず増となっている。
○福祉・介護職員の平均給与額の状況(常勤の者、保有資格別)→福祉・介護職員処遇改善加算(T)〜(X)を取得(届出)している事業所における福 祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額について、保有資格別にみると、保有資格の有無に かかわらず増となっている。

V給与等の引き上げ以外の処遇改善状況について
○給与等の引き上げ以外の処遇改善状況 給与等の引き上げ以外の処遇改善状況について、職場環境等要件の各区分別に実施率が高いのは、
→・入職促進に向けた取組のうち、「法人・事業所の経営理念や支援方針などの明確化」が71.4%  ・資質の向上やキャリアアップに向けた支援のうち、「研修の受講支援等」が77.8%  ・両立支援・多様な働き方の推進のうち、「有給休暇が取得しやすい環境の整備」が80.9%  ・腰痛を含む心身の健康管理のうち、「事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等」が78.4%  ・生産性向上のための業務改善の取組のうち、「業務手順書の作成等」が74.8%  ・やりがい・働きがいの醸成のうち、「職員の気づきを踏まえたケア内容等の改善」が86.3% となっている。


◎資料4 令和7年障害福祉サービス等経営概況調査の実施について(案)
○令和7年障害福祉サービス等経営概況調査の実施について(案)→令和7年障害福祉サービス等経営概況調査については、以下のとおり実施してはどうか。
T.調査概要

1.調査の目的→本調査は、障害福祉サービス等施設・事業所の経営状況を調査し、次期報酬改定の検討に必要な基礎資料を得ることを目的 としている。
2.調査時期及び公表時期→(1)調査時期:令和7年5〜7月 (令和5年度及び令和6年度決算額を調査) (2)公表時期:令和7年12 月頃に公表予定。 (参考):令和4年障害福祉サービス等経営概況調査の実施時期は令和4年9〜11月、公表時期は令和5年3月 令和7年介護事業経営概況調査(案)の実施時期は令和7年5月、公表時期は令和7年12月頃を予定
3.調査対象→ 全ての障害福祉サービス等施設・事業所
4.抽出方法 層化無作為抽出法により抽出
5.抽出率→サービスごとの事業所数に応じて約3.2 %〜全数(事業所数が1,000に満たないサービスについては、全数調査)
6.調査項目→ @施設・事業所に関する事項:定員、実利用者数、延利用者数、開所日数、事業活動収支状況 等 A従事者に関する事項:職種別の職員数・職員給与 等

○令和7年障害福祉サービス等経営概況調査の実施について(案)(変更の考え方)
U.令和5年障害福祉サービス等経営実態調査からの変更について→各サービスの収入及び支出等のデータについて、障害福祉サービス等報酬改定の検討に必要であることから、令和5年障害福祉サービス等経営 実態調査の調査項目を基本としつつ、必要な項目を変更・追加する。
1.介護テクノロジーの導入状況についての項目を追加(令和7年介護事業経営概況調査(案)と同様)→介護ロボットやICT 等の介護テクノロジーについて、その導入状況を把握するための調査項目を追加するとともに、保守・点検等のランニングコストとして金額を記載する欄を追加する。
2.訪問サービスにおける訪問状況について項目を追加(令和7年介護事業経営概況調査(案)と同様)→訪問系サービスについて、訪問先の状況、訪問に係る移動手段及び移動時間を把握するための調査項目を追加する。
3.雇用関係助成金等に関する項目の追加→就労継続支援A型の利用者分に係る雇用関係助成金が収支に与える影響を把握するため、雇用関係助成金等に関する項目を設けることとする。
4.新型コロナウイルス感染症に関する項目等の削除(令和7年介護事業経営概況調査(案)と同様)→新型コロナウイルス感染症に関する項目等一部の項目について、現時点で調査で把握する必要性が必ずしも高くなくなった項目は記入者負担を考慮して削除する。

○令和7年障害福祉サービス等経営概況調査の実施について(案)(前回(令和4年)経営概況調査からの主な変更点)→令和4年と令和7年の比較で追加・削除部分がわかるように欄でまとめている。


◎資料5 令和7年障害福祉サービス等経営概況調査 調査票(案)
○障害福祉サービス等経営概況調査    厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
・この調査票は、
今回調査対象となった障害福祉サービス及び障害児支援(以下「障害福祉サービス等」という。)等の状 況を伺うものです。
・調査対象となった障害福祉サービス等についてご記入ください。なお、調査票提出時には調査票の複写を1部お取り置きください。
・本調査は統計法に基づき総務省より一般統計調査として承認されており、調査報告の秘密は保持され、調査報告の統計目 的以外の使用は認められておりません。
・本調査は、インターネットを利用してオンラインで回答いただけます。調査専用ホームページを用意しておりますので、 ぜひご利用ください。
・調査票(案)→問1〜問10まで。


◎資料6 令和6年度報酬改定後の動向について
○令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容↓

・令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の改定率:+1.12%(改定率の外枠で処遇改善加算の一本化の効果等があり、それを合わせれば改定率+1.5%を上回る水準)
・今般新たに追加措置する処遇改善分を活用し、障害福祉の現場で働く方々にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に 2.0%のベースアップへと確実につながるよう、配分方法の工夫を行う。
・2月6日に報酬改定案のとりまとめ、パブコメを実施した上で、3月に報酬告示の改正、関係通知の発出。原則として令和 6年4月1日に施行。
・障害福祉分野の人材確保のため、介護並びの処遇改善を行うとともに、障害者が希望する地域生活の実現に向けて、介護との収支差率の違いも勘案しつつ、新規参入が増加する中でのサービスの質の確保・向上を図る観点から、経営実態を踏まえたサービスの質等に応じたメリハリのある報酬設定を行う。⇒障害者が希望する地域生活の実現、多様なニーズに応える専門性・体制の評価、支援時間・内容を勘案したきめ細かい評価、その他の 参照。

○令和6年度報酬改定後の状況→令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の前後における、総費用、利用者数、利用者1人当たり費用額、事業所数、 1事業所当たり費用額について、四半期ごとの状況を比較・分析した結果、以下のとおり。⇒(サービス全体の動き)(サービスごとの主な動き→8部門あり)
○(目次) 各サービスに関する総費用、利用人数、1人当たり費用額、事業所数、 1事業所当たり費用額→1〜33事業所あり。


◎資料7 次期報酬改定に向けた検討について
○障害福祉サービス等報酬改定の検証について
→4つの調査と、その概要、R6年度R7年度R8年度の調査について  参照。
○[参考資料1] 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(抄) (令和6年2月6日 障害福祉サービス等報酬改定検討チームとりまとめ)→今回の報酬改定に係る検討を行う中で出た意見等を踏まえ、以下の事項について、 引き続き検討・検証を行う。
@ 障害者支援施設の在り方について
A 共同生活援助における支援の質の確保について
B 共同生活援助における個人単位で居宅介護等を利用する場合の経過措置の取扱いについて
C 障害福祉サービスの地域差の是正について
D 計画相談支援及び障害児相談支援についてE 質の高い障害児支援の確保について
E 質の高い障害児支援の確保について
F 障害福祉サービスの公平で効率的な制度の実現について
G 処遇改善の実態把握等について
H 経営実態調査のさらなる分析について
I 食事提供体制加算等について
J 補足給付の在り方について
K 事業者が提出する各種様式等の簡素化・標準化について

○[参考資料2] 全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)について(抄)(令和5年12月22日閣議決定)→U .今後の取組 2.医療・介護制度等の改革 ↓
<@ 来年度(2024年度)に実施する取組>
→・ 診療報酬改定、介護報酬改定、障害福祉サービス等報酬改定の実施
<A 「加速化プラン」の実施が完了する2028年度までに実施について検討する取組>→ (生産性の向上、効率的なサービス提供、質の向上)⇒・ 医療機関、介護施設等の経営情報の更なる見える化 ・ 障害福祉サービスの地域差の是正 (能力に応じた全世代の支え合い)⇒・障害福祉サービスの公平で効率的な制度の実現
<B 2040年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組 >→○ 科学的知見に基づき、標準的な支援の整理を含め、個人ごとに最適化された、質の高い医療・介護・障害福祉サービスの提供に向けた検討

○[参考資料3] 大臣折衝事項(抄) (令和6年12月25日)
・5.全世代型社会保障の実現等
(4)障害福祉サービス制度改革→改革工程に基づく以下の取組を含め、障害福祉サービスの地域差を 是正し、供給が計画的かつ効率的に行われる方策について、次期障 害福祉計画の策定に向けて検討を行う。⇒・ 都道府県知事が行う事業所指定の際に市町村長が意見を申し出る 仕組みの推進  ・ 共同生活援助における総量規制も含めた地域の実態や地域移行 の状況を踏まえた事業所指定の在り方  ・ 自治体の給付決定について、相談支援の利用を促進しセルフプラン の適正化を図るとともに、国が助言を行うこと等により利用者の状況 に応じた適切な給付決定を推進する仕組み。
・6.介護職員等の処遇にかかる実態把握等 令和6年度介護報酬改定及び障害福祉サービス等報酬改定において措置した処遇改善加算等が、令和6年度に2.5%、令和7年 度に2.0%のベースアップへと確実につながるようにする、 令和6年度補正予算で措置した施策による生産性向上・職場環境 改善等を通じて、更なる賃上げの推進に取り組む。また、職員の負担軽減・業務効率化、テノロジー・ICT機器の活用、経営の協働化といった取組を支援する。あわせて、令和6年度改定及び令 和6年度補正予算で措置した施策が、介護職員等の処遇改善に与える効果について、実態を把握。 令和8年度以降の対応については、上記の実態把握を通じた処遇改善の実施状況等や財源とあわせて令和8年度予算編成過程で検討。 なお、次回の介護報酬改定及び障害福祉サービス等報酬改定に向けては、介護事業所・施設や障害福祉事業所・施設の経営実態等をより適切に把握できるよう、「介護事業経営概況調査」や 「介護事業経営実態調査」、「障害福祉サービス等経営概況調査」 や「障害福祉サービス等経営実態調査」において、特別費用や特別収益として計上されている経費の具体的な内容が明確になるよう調査方法を見直し、次回以降の調査に反映させる。


◎参考資料 障害福祉人材の処遇改善について
【○障害福祉分野の生産性向上・職場環境改善等による更なる賃上げ等の支援】
施策名:障害福祉人材確保・職場環境改善等に向けた総合対策(障害福祉人材確保・職場環境改善等事業)↓

@施策の目的→・障害福祉人材の確保のためには、他産業の選択・他産業への流出を防ぐため、全産業平均の給与と差がつく中、 緊急的に賃金の引き上げが必要。  ・賃上げとともに、障害福祉現場における生産性を向上し、業務効率化や職場環境の改善を図ることにより、職員 の離職の防止・職場定着を推進することが重要。
A対策の柱との関係→Tの加算。
B施策の概要→・福祉・介護職員等処遇改善加算(※1)を取得している事業所のうち、生産性を向上し、更なる業務効率化や職場環境の改善を図り、障害福祉人材確 保・定着の基盤を構築する事業所に対し、所要の額を補助する。 ※1福祉・介護職員等処遇改善加算の更なる取得促進をあわせて実施。 ・障害福祉サービス事業所において、その福祉・介護職員等が、更なる生産性向上・職場環境改善のため、自身の業務を洗い出し、その改善方策にも関 与できる形とする等のための基盤構築を図る。このため、補助は、当該職場環境改善等の経費(※2)に充てるほか、福祉・介護職員等(※3)の人件費 に充てることを可能とする。 ※2間接業務に従事する者等を募集するための経費や、職場環境改善等(例えば、処遇改善加算の職場環境要件の更なる実施)のための様々な取組を実施 するための研修等の経費など。 ※3当該事業所における福祉・介護職員以外の職員を含む
C施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等 →・支給対象(1)福祉・介護職員等処遇改善加算の取得事業所 (2)以下の職場環境改善等に向けた取組を行い、そのための計画 を策定し、都道府県に提出する事業所⇒ <取組> 福祉・介護職員等の業務の洗い出し、棚卸しとその業務効率化 など、改善方策立案を行う。※国保連システムを改修し、都道府県は、国保連から提供された各事業所の交付額 一覧に基づき交付決定を実施。国保連システムを改修するとともに、国・都道府県に 必要な事務費等を確保。
D施策の対象・成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)→ 障害福祉現場における生産性向上や職場環境改善等を図ることにより、障害福祉職員の確保・定着や障害福祉サービスの質の向上につなげる。

○障害福祉人材確保・職場環境改善等事業の交付率について→・現行の福祉・介護職員等処遇改善加算等と同様、障害福祉サービス等種類ごとに、福祉・介護職員数に応じて設定された一律の交付率を障害福祉サービス等報酬に乗じる形で各事業者に交付。福祉・介護職員(常勤換算)1人当たり54,000円に相当する額。  ・過誤調整等の影響を避ける観点から、原則として、令和6年12月(1月審査)分のサービスに交付率を乗じる。12月のサービス提供分が他の平常月と比較して著しく低いなど、各事業所の判断により、令和7年1月、2月又は3月の任意の月を対象月とすることができる。(令和7年4月以降の新規事業所は対象外)⇒サービス区分、交付率一覧表 参照。 

○想定されるスケジュール例→• 2月19日 実施要綱の発出 • 2月28日 内示通知の発出 • 3月14日 交付要綱の発出 • 3月25日 交付決定 都道府県ごとに異なることに留意
• 〜4月 障害福祉サービス等事業所等から都道府県に対して、賃金改善計画書を提出
• 5月上旬 都道府県から連合会に対して、交付対象事業所リストを送付 ※特別に送付が遅れる事情がある場合には、各都道府県において、国保連合会と調整
• 5月下旬 連合会において、交付額の算出 都道府県から障害福祉サービス等事業所等に対して、交付決定 以降、都道府県において順次補助金の支払 ※標準的なスケジュールとして、6月の支払いを想
○処遇改善加算の更なる取得促進に向けた方策→各加算段階の「職場環境の改善」「昇給の仕組み」「改善後賃金年額440万円」「経験・技能のある福祉・介護職員」の方策。参照。
○賃金構造基本統計調査による障害福祉関係分野の賃金推移→全産業平均(役職者抜き)と比較して障害福祉関係分野の職員賃金推移が低い。
○福祉・介護職員等処遇改善加算の取得状況→全体88.3%。未取得11.7%あり。 参照。
○福祉・介護職員等処遇改善加算について@→概要、単位数 参照。
○福祉・介護職員等処遇改善加算についてA→算定要件等⇒・一本化後の新加算全体について、職種に着目した配分ルールは設けず、事業所内で柔軟な配分を認める。  ・新加算のいずれの区分を取得している事業所においても、新加算Wの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることを要件とする。 ※それまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合には、収入とし て新たに増加するベースアップ等支援加算相当分の加算額については、その2/3以上を月額賃金の改善として新たに配分することを求める。

○福祉・介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件(令和7年度以降)→@〜㉘まで。
・福祉・介護職員等処遇改善加算V・W:以下の区分ごとにそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)取り組んでいる
・福祉・介護職員等処遇改善加算T・U:以下の区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上うちQは必須)取り組んでいる
新加算T・Uにおいては、情報公表システム等で職場環境等要件の各項目ごとの具体的な取組内容の公表を求める。

次回は新たに「第81回労働政策審議会雇用環境・均等分科会)」からです。

第4回 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 資料 [2025年02月14日(Fri)]
第4回 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 資料(令和7年1月15日)
議 事 (1)行動制限に係る関係者からのヒアリング (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html
◎資料8 「新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検 討プロジェクトチーム」報告書
新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等について
令和6年 12 月3日 新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の 課題等に関する検討プロジェクトチーム
1.はじめに
→○ 精神医療については、これまで、精神障害者の退院促進及び地域移行・地域生活支援、精神科病院における病床の適正化・機能分化や、地域における重層的な支援体制の整備といった施策を推進することで、「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉施策の基本的方策の実現が図られてきた。 今後、2040 年頃を見据えると、高齢化の進展等に伴い、入院患者数の減少や病床利用率の低下、入院患者像や疾病構造の変化等が見込まれることから、上記方策に基づく精神医療提供体制の確保・整備が、これまで以上に重視される。 ○ このような中、新たな地域医療構想については、新たな地域医療構想等に関する検討会において、2040 年頃を見据え、医療・介護の複合ニーズを抱える 85 歳以上人口の増大や現役世代の減少に対応できるよう、入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護との連携等を含む、医療提供体制全体の地域医療構想とする方向で検討が進められているところである。 ○ 現行の地域医療構想では精神病床は将来の病床数の必要量の推計や病床機能報告の対象となっていないが、本プロジェクトチームにおいて、これまでの精神医療に関する施策等を踏まえ、新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等について検討を行ったところであり、以下のとおり、報告書として取りまとめる。

2.精神医療を取り巻く環境と 2040 年頃を見据えた課題
(1)これまでの精神保健医療福祉施策
→○ 我が国の精神保健医療福祉については、平成 16 年9月に精神保健福祉本部(本部長:厚生労働大臣)で策定された「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において 「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念が示されて以降、様々な施策が行われてきた。 ○ 特に、精神入院医療のあり方については、「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」(平成 26 年厚生労働省告示第 65 号)等により、精神障害者の退院促進及び地域移行・地域生活支援、精神科病院における病床の適正化・機能分化、精神科病院の構造改革等を重要な方向性と位置付け、施策が進められてきている。 ○ また、精神障害者の一層の地域移行を進めるための地域づくりを推進する観点から、精神障害者等が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしができるよう、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を構築し、重層的な支援体制を整備することが推進されている。 ○ これらの方向性に基づき、これまで、精神病床の適正化・機能分化、外来医療等 の体制整備等が進められてきたところであるが、精神病床の現状等を踏まえ、この方向性を更に明確化した上で取組を進めていく必要がある。

(2)精神医療を取り巻く環境→○ 精神病床は医療施設調査(令和2年)において 32.4 万床、総入院患者数は患者調査(令和2年)において約 28.8 万人となっている。入院患者の疾患別では、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」が最も多いが、減少傾向である。精神保健福祉法に基づく入院形態別では、医療保護入院患者が約半数を占める。平均在院日数は減少し、病床利用率も低下してきている。 ○ 1年以上の長期入院患者については、約 17 万人(総入院患者数の約6割)であり、 1年以上入院する新たな長期入院患者は毎年約 3.5 万人である。また、長期入院患者では、精神病床における高齢化が進展している。 ○ 精神疾患を有する外来患者数は、患者調査(令和2年)において約 586.1 万人とな っており、疾患別では「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」、「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」、「その他の精神及び行動の障害」の順に多く なっている。また、入院患者と比べて、65 歳未満の患者の割合が多い。 ○ 精神疾患を有する患者について、気分障害、発達障害、認知症が増加するなど疾病構造の変化がみられるとともに、身体合併症を有する者も増加している。

(3)2040 年頃を見据えた課題→ ○ 今後、2040 年頃を見据えると、精神病床における高齢化の進展等に伴い、入院患 者数の減少や病床利用率の低下が更に見込まれるところ、精神病床の適正化を進めつつ、効率的な精神医療提供体制を確保する必要がある。 ○ また、入院患者像や疾病構造の変化が見込まれており、急性期、回復期といった 精神入院医療の機能を強化するため、精神病床の機能分化・連携、精神科病院の構 造改革及び精神医療以外の一般医療との連携体制の強化を進める必要がある。 ○ さらに、精神医療全体における疾病構造の変化等により、精神科外来患者が増加傾向にあることを踏まえ、救急医療を含む一般医療との連携体制の強化、外来・在宅医療提供体制の整備がこれまで以上に重視される。 ○ このほか、これまで精神疾患の医療提供体制については、「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念を掲げ、保健医療福祉に関わる多職種・多機関の有機的な連携体制の構築を重要なものとして進められてきているところ、将来を見据えた更なる地域移行に向けた取組を推進するため、精神医療と一般医療を合わせた医療提供体制全体の議論を進めていく必要がある。

3.新たな地域医療構想における精神医療の位置付け
2.(3)「2040 年頃を見据えた課題」に対応するためには、以下の観点から、新たな 地域医療構想に精神医療を位置付けることが適当であると考えられる。
○ 新たな地域医療構想においては、2040 年頃を見据え、医療・介護の複合ニーズを抱える 85 歳以上人口の増大等に対応できるよう、入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護との連携等を含む、医療提供体制全体の地域医療構想として、「治す医療」を担う 医療機関と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、「地域完結型」 の医療・介護提供体制を構築するよう検討が進められている。 具体的には、地域の医療提供体制全体の新たな地域医療構想として、病床機能だけでなく医療機関機能に着目した医療提供体制の構築を進める、二次医療圏を基本とする構想区域や調整会議の在り方を見直す等の検討を行っており、地域の医療提供体制全体の中に精神医療も含めて考えることが適当である。 ○ 精神保健医療福祉において「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念に基づ き取組を進める中で、前述の2.(2)「精神医療を取り巻く環境」と同(3)「2040 年頃を見据えた課題」を踏まえると、新たな地域医療構想において精神医療を位置付け ることにより、以下のような意義が考えられる。⇒・ 医療法の地域医療構想の対象に精神医療を追加することにより、地域における精 神医療以外の一般医療を含めた地域の関係者が入った協議において、精神病床等 の適正化・機能分化の方向性が明確化されるとともに、具体的かつ実効的な取組 の推進が期待される。 ・ 2040 年頃の精神病床数の必要量を推計することにより、地域における中長期的な精神医療の需要に基づき、計画的かつ効率的に地域の精神病床等の適正化・機能 分化を進めることができる。また、病床機能報告の対象に精神病床を追加し、毎年度、地域単位で現在と将来の病床機能、診療実績等を見える化することにより、 精神病床等の適正化・機能分化に向けたデータに基づく協議・検討が可能となる。 ・ 精神医療に関する協議の場の開催や一般医療に関する協議の場への精神医療関係 者の参画により、精神病床等の適正化・機能分化や、地域における精神・身体双 方の対応が可能ないわゆる総合病院、精神科単科の病院、診療所の役割の明確化 と連携、診療所等における精神科に係る外来医療提供体制の確保、精神科の在宅 医療提供体制の確保、身体疾患に対する医療と精神疾患に対する医療の双方を必 要とする患者への対応等における精神医療と一般医療との連携等の推進が期待さ れる。なお、協議の場の開催方法等については、都道府県において柔軟な対応が できるよう配慮が求められる。 ➢ 医療機関の自主的な取組に加えて、地域医療構想の実現に向けた財政支援や都道府県知事の権限行使により、精神病床等の適正化・機能分化を推進することが可能となる。

4.新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等→○ 新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合には、以下の内容について 法律改正で対応することが考えられる。⇒・ 精神病床においても、地域における中長期的な精神医療の需要に基づき、地域で 計画的かつ効率的に適正化・機能分化を進めるため、2040 年頃を見据えた機能区分ごとの将来の病床数の必要量を定めること。 ・ 精神病床においても、現在と将来の病床機能・診療実績等を見える化し、データに基づく地域の協議・検討を可能とするため、病床機能報告として病床機能の現状 や今後の方向等の報告を求めること。 ・ 精神医療においても、地域における精神医療体制の確保に向けた協議を推進するため、構想区域・協議の場を設定すること。 ・ 精神医療においても、地域における計画的かつ効率的な精神病床の適正化・機能 分化を進めるため、一般病床等に係る知事権限の対象とすること。 ・ 新たな地域医療構想において検討中の医療機関機能や外来・在宅医療等の対象化 等について、精神科医療機関や精神医療も対象とすること。 ○ 上記の具体的な内容(病床数の必要量の推計方法、精神病床の機能区分、病床機能 報告の報告事項、精神医療の構想区域・協議の場の範囲・参加者、精神科医療機関の 医療機関機能等)については、法律改正後に施行に向けて、精神医療を取り巻く環境 やこれまでの取組、2040 年頃を見据えた課題やあるべき姿等を踏まえ、必要な関係者でより具体的に議論した上で定めることが必要であり、精神医療に係る施行には十分 な期間を設けることが必要になると考えられる。 ○ また、「3.新たな地域医療構想における精神医療の位置付け」で確認した意義が十分に発揮できるよう、新たな地域医療構想を各地域で検討していくに当たっては、自治体内での医療担当部局と障害福祉担当部局等の連携といった体制整備や、一般医療を含めた地域の関係者が入った協議の推進などにより、精神医療を含む地域の医療提供体制について、包括的な検討を行うことが重要である。 ○ 精神医療について、新たな地域医療構想の対象に位置付けるに当たっても、引き続き、これまで精神保健医療福祉施策の中で進められてきた「精神障害にも対応した地 域包括ケアシステム」等の考え方との整合性をとることは重要であり、特に保健・福祉・介護分野との連携を強化していくための取組を進めていくことが重要である。 ○ さらに、精神医療において、その取り巻く状況を踏まえると、精神疾患を有する者を始めとする誰もが安心して信頼できる、良質かつ適切な入院医療の実現を目指していくことも重要である。このため、今般検討されている新たな地域医療構想の仕組みの構築と併せて、これまで進められてきた精神保健医療福祉施策についても、検討を 加えながら一層推進していくべきである


◎参考資料1 行動制限に関する施策について
○行動制限に関するルール
→精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
・第36条→第1項 精神科病院の管理者は、入院中の者につき、その医療又は保護に欠くことのできない限度に おいて、その行動について必要な制限を行うことができる。第3項 第1項の規定による行動の制限のうち、厚生労働大臣があらかじめ社会保障審議会の意見を 聴いて定める患者の隔離その他の行動の制限(※)は、指定医が必要と認める場合でなければ行うことができない。
※精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十六条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める行動の制限 (昭和63年厚生省告示第129号) 1.患者の隔離(内側から患者本人の意思によっては出ることができない部屋の中へ一人だけ入室させることにより当該患者を他の患 者から遮断する行動の制限をいい、十二時間を超えるものに限る。) 2.身体的拘束(衣類又は綿入り帯等を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいう。)
・第37条→ 第1項 厚生労働大臣は、前条に定めるもののほか、精神科病院に入院中の者の処遇について必要 な基準を定めることができる。

○隔離・身体的拘束(指示)の件数
○「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて」 社会保障審議会障害者部会(令和4年6月1 3日)
○令和4年度障害者総合福祉推進事業 「精神科医療における行動制限の最小化に関する調査研究」
○令和5 - 6年度厚生労働科学研究「精神科医療機関における行動制限最小化の普 及に資する研究」(研究代表者:杉山直也)



◎参考資料2 長谷川参考人提出資料
◎精神科病院における身体的拘束
国立国会図書館 調査及び立法考査局 主任調査員 社会労働調査室 鈴木 智之
○目次 のみ↓

はじめに
T 身体的拘束の現状→ 1 身体的拘束の定義及び基準 2 身体的拘束の実施状況
3 身体的拘束の問題点 4 身体的拘束による患者の死亡事例
U 身体的拘束が広く実施されている背景→ 1 認知症等の増加 2 精神科病院の人手不足 3 身体的拘束を前提とした教育、治療 4 医療従事者の不安
5 精神医療審査会の限界
V 障害者権利条約と日本の身体的拘束→ 1 障害者権利条約の概要 2 「日本の第 1 回政府報告に関する総括所見」の概要
W 身体的拘束に係る政策動向 1 「行動制限最小化委員会」の設立と活動 2 厚生労働省の検討会における検討 3 告示 130 号基準の改正をめぐる議論
4 告示 130 号基準の改正案に対する批判
X 諸外国の精神科病院における身体的拘束→ 1 ドイツ 2 イギリス 3 イタリア
おわりに

キーワード:精神病院、身体拘束、行動制限、最小化、障害者権利条約、ドイツ、イギリス、 イタリア

○要 旨 ↓
@ 精神保健福祉法第 36 条第 1 項は、「精神科病院の管理者は、入院中の者につき、その 医療又は保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行う ことができる」と定めている。また、昭和 63 年 4 月 8 日厚生省告示第 130 号は、身体 的拘束は自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合などにおいて、他によい代替 方法がない場合に限り用い、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければ ならないと定めている。
A 日本で身体的拘束を受けた患者数は、平成 15(2003)年から平成 25(2013)年の間 に倍増しており、平成 29(2017)年にピークを迎えた後も 1 万人超の状態が続き、高 止まりとなっている。身体的拘束の実施率について国際比較を行った研究によれば、日 本の実施率は、諸外国と比べ、突出して高い。
B 身体的拘束には人権の侵害のおそれがある上、患者の身体的健康を損ない、精神的苦 痛をもたらすなどの弊害があるにもかかわらず、精神科病院において多くの身体的拘束 が実施されている。その要因として、認知症の高齢患者の増加、精神科病院の人手不足、 身体的拘束を所与の前提とした医療スタッフの教育や患者の治療、患者の安全性や患者 による暴力に係る医療スタッフの不安、患者の人権を守る役割を担う精神医療審査会の 機能的限界などが考えられる。
C 国連障害者権利委員会が障害者権利条約に基づき実施した対日審査の結果、2022 年 9 月に取りまとめられた総括所見においても、精神科病院における障害者の身体的拘束は 「懸念をもって注目する」事項に挙げられ、精神障害者の強制治療を合法化し虐待につ ながる全ての法規定を廃止するなどの勧告が出されている。現在、政府は、厚生省告示 第 130 号が定める身体的拘束の基準を明確化する検討を行っている。
D ドイツにおいては、2018 年に連邦憲法裁判所が、身体の自由を継続的に剥奪するに は裁判官による決定が必要であるとの判決を下し、連邦及び一部の州では同判決を受け て 2019 年に法改正が行われた。イギリスにおいては、2018 年に「精神保健施設(力の 行使)法」が制定され、精神保健施設における行動制限の実施に係る透明性を確保する ための様々な措置が規定された。イタリアでは精神科病院は廃止された一方、これを代 替する総合病院における精神科病棟等では身体的拘束が実施されており、その削減に向 けた取組が行われている

○はじめに
→日本において精神病床を有する病院は令和 4(2022)年 6 月末時点において 1,545 病院、精 神病床数は 30 万 8667 床、入院患者数は 25 万 8920 人に及び、長期入院や身体的拘束など、患 者の人権に関わる問題が深刻化している。身体的拘束は、同年において少なくとも 1 万 903 人 の入院患者に対して行われており、諸外国と比べ、その数は突出して多い(1)。身体的拘束は患 者の尊厳に関わる倫理的問題を提起するほか、患者の身体的、精神的側面においても弊害をも たらすとされ、患者の死亡につながる場合もある。  本稿では、日本における精神障害者の身体的拘束に係る現状を概観し、身体的拘束の問題点、 身体的拘束の最小化が困難とされる背景、障害者権利条約に基づく対日審査において国際連合 障害者権利委員会から指摘された課題、身体的拘束に係る近年の政策動向について概略を述べ、 最後にドイツ、イギリス、イタリアの精神科病院、精神科病棟における身体的拘束の状況を紹 介する。
○おわりに→精神科病院における身体的拘束は、憲法で保障された権利を侵害するおそれがあり、拘束を受けた患者の身体及び精神の健康を損なうほか、家族や看護師等の精神に悪影響を及ぼしたり、 病院の社会的信用を失わせたりする可能性がある。これらの弊害があるにもかかわらず、日本 における身体的拘束は近年まで増加し続け、現在も高止まりの状況が続いており、その実施率 は諸外国と比較して突出して高い。  日本において多くの身体的拘束が行われている背景には、入院患者に占める高齢者の割合の増加、精神科病院における医師や看護師の不足、身体的拘束が医療従事者の教育や患者の治療 において前提となってしまっている現状、拘束を解くことによって患者の安全性が脅かされたり、自身に危害が加えられたりすることに対する医療従事者の不安、患者に対する適正な医療及び保護を確保する役割を果たす精神医療審査会の機能的限界など、様々な要因が指摘されている。  ドイツやイギリスでは、近年、身体的拘束を更に削減するための法改正や立法が行われており、また精神科病院の廃止を成し遂げたイタリアでも、総合病院の SPDC で依然として実施されている身体的拘束の削減に向けた努力が続けられている。  身体的拘束の最小化は極めて困難な課題であるが、東京都立松沢病院を始め、身体的拘束の削減に成功した事例が報告されており(145)、今後、こうした成果を先例とした精神科病院の取組が注視される。 (すずき ともゆき)


◎「身体拘束」を問う
長谷川利夫(はせがわ・としお) 杏林大学保健学部作業療法学科・教授
1964年東京都生まれ。1987年國學院大學法学部法律学科政治学コース卒業。2010年新潟医療福祉 大学医療福祉学研究科保健学専攻博士後期課程修了。2009年度学位請求論文「精神科病院における 隔離・身体拘束に関する各専門職の意識の実態とその背景要因及び作業療法士の役割に関する研究」に より保健学博士。2011年より杏林大学保健学部作業療法学科教授、現在に至る。著書に『精神科医療 の隔離・身体拘束』2013年、日本評論社(単著)、『病棟から出て地域で暮らしたい─精神科の「社会的 入院」問題を検証する』2014年、やどかり出版(共著)など。日本病院・地域精神医学会理事(政策委員会 委員長)、精神保健従事者団体懇談会代表、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会政策委員
○内容毎の見出し↓
・返らない命とそこからの問いかけ
・身体拘束されるまで
・サベジさん家族からの相談
・カルテの内容
→看護記録⇒急変した 5 月 10 日(水)まで毎日、8 時 30 分、16 時 30 分、 23 時 30 分の 1 日に 3 回ずつ、ほぼ定刻に記載 されている。 《精神運動興奮状態にあり、不穏、多動、爆発 性が著しい。放置すれば患者が受傷するおそれ が十分にある。》  しかし、例えば心肺停止になる前日の 5 月 9 日、ケリーさんは過鎮静で舌根沈下も認められ 下顎呼吸の状態であった。その時も、である。 さらには、急変する当日、声掛けへの反応も やっとの状況の時でさえも。お読みの方ならわ かるだろう。患者さんの状態にかかわらず、身 体拘束中なのでその要件を満たすような定型文 を書いて(コピー&ペーストして)いることがう かがえる。  私はこのことをサベジさん一家に伝えながら 暗澹たる気持ちになった。と同時に怒りが込み 上げてきた。なぜこんな出 で 鱈 たら 目 め が許されるの か?  私は純粋に国家というものを信頼していた。 もちろん最終的に紛争となれば司法判断を仰ぐ ことになろうが、このような火を見るより明ら かな誤りや医療に対する姿勢に関しては、国 (厚生労働省)はきちんと指導してくれるだろう。
・サベジさんの母国ニュージーランドへ
・同様の事例がさらに見えてきた
→日本の精神医療における身体拘束は 2003 年 以降、10 年で 2 倍となりそのまま高止まっている。システムを含めてさまざまな要因が絡み合っているはずだが、ニュージーランドに比べて、日本人や日本に住んでいる人が特別に精神 疾患になりやすく、手を付けられない不穏・多 動の人たちばかりということはないだろう。決 して内向きの議論であってはならないと思う。  2017 年 6 月にサベジさんらと記者会見をして以降、“精神科医療の身体拘束を考える会” にはさまざまな相談や手紙などが多く寄せられ るようになった。私は個人の携帯番号を全国に 公開したのでいきなり電話でお話をされること も少なくない。家族からのものでは、何日も子 どもが身体拘束をされているが一切会わせてく れないという相談が一番多い。お会いして相談 するうちに裁判になったものも複数ある。その 過程で私自身が裁判の意見書を書いたものも 10 件近くになった。その結果多くの医療記録 も読むこととなった。  そのような中、サベジさんらと記者会見をし た 2017 年の前年に、石川県の精神科病院で当 時 40 歳の大畠一也さんが身体拘束解除直後に 肺動脈血栓塞栓症で亡くなっていたと知ること になる。これが昨年、我が国で初めて精神科医 療における身体拘束でその違法性が最高裁で確 定した裁判となる。そのことを次号で述べることにする。


◎「身体拘束」を問う      杏林大学保健学部作業療法学科・教授 長谷川利夫
・大畠一也さんのこと
・「一也さんが亡くなりました」
・「週末だけ」の言葉で隔離室に
・無理やりの注射に抵抗
・落ち着いているのに 前日の抵抗を理由に身体拘束
・裁判。一審は棄却され、すぐに控訴→【判決文】精神科病院の入院患者に対する行動
の制限に 当たっては、精神保健指定医が必要と認める場 合でなければ行うことができないものとされ (前提事実(4))、精神医学上の専門的な知識や 経験を有する精神保健指定の裁量に委ねられて いるとしても、行動制限の中でも身体的拘束 は、身体の隔離よりも更に人権制限の度合いが 著しいものであり、当該患者の生命の保護や重 大な身体損傷を防ぐことに重点を置いたもので あるから、これを選択するに当たっては特に慎 重な配慮を要するものといえ、上記アないしウ に照らすと、告示第 130 号の「多動又は不穏 が顕著である場合」(第 4 の 2 イ)又は「精神障 害のために、そのまま放置すれば患者の生命に まで危険が及ぶおそれがある場合」(同ウ)に 該当するとして、12 月 14 日午後 1 時 45 分の 時点で身体的拘束を必要と認めた A 医師の判 断は、早きに失し、精神保健指定医に認められ た身体的拘束の必要性の判断についての裁量を 逸脱するものであり、本件身体的拘束を開始し たことは違法というべきである。
・上告受理申立てを受理せず、 高裁判決が確定
・残された疑問、課題
→一也さんのこの状況で、強制的な注射による 薬物投与は必要だったのか?  障害者権利条約の観点からも、そもそも“強 制治療”は許されるのか?  一也さんへの関わりの根底には、ある身体拘 束の指針の本に述べられているような「圧倒的 多数で対応することは相手の戦意を喪失させる ことにつながる」という考えがあるのではない か?  そこには「ケア」という文脈はあるのか?  最高裁で判決が確定した 1 か月後、日本精 神科病院協会は会長自らが記者会見をし、本判 決を「到底容認できない」という声明を発出し た。もしも「日本の精神医療が崩壊する」のな ら、その崩壊する「医療」とはなんだろう?  厚労省は 30 年ぶりに身体拘束の基準を定め た大臣告示の改定を行う提案を行った。改善さ れるのかと思いきや、これまでにない「治療が 困難」という文言が加わりそうになっているこ とに、身体拘束の“要件緩和”との批判が起き ている。


≺特集1≻私は身体拘束を生き延びたのか? 匿名(女性 ・ 看護大学在学中)↓
[編集部より]この手記を掲載するにあたり、著者名を実名にするか匿名にするかで、編集部では大変迷いました。私 たちとは以前から親交のある方で、人となりを知っていましたし、本文を読んでいただければおわかりになるように、非常に 客観的に物事を分析する力がある方です。この手記を実名で掲載すれば、記述内容の信頼性はさらに増すと思い ますし、身体拘束がいかに人間の核の部分を傷つけるかが、さらにくっきりとした輪郭を持って示されることと思います。 著者(彼女)自身は当初、実名での掲載を希望されていました(以下、編集部とのやりとりから抜粋します)。 実名でいきたいという意図は、(例えばがんの闘病記などと異なり)「身体拘束を受けたことにより匿名 にしなければならない」というスティグマ性が嫌だったからです。自分くらいはそういうスティグマを持 ちたくない(セルフスティグマは嫌だ)ということです。 それに、自分に拘束経験があるからという理由で就きたい職に就けない社会ならば、社会のほうがお かしいので、それに従うつもりはない、という意図でした。 全くその通りだと編集部でも考えます。しかし一方で、彼女は今、とある大学の看護学部の学生です。今回の手記を 実名で発表することによって、ここに示されている精神的な不安定さを理由に、将来の職業選択の幅を狭められてしまう かもしれない、その可能性を編集部は恐れました。 何度も彼女と話し合い、また彼女を応援している方にも相談しました。その末に、編集部では「匿名」という苦渋の選択 をしました。彼女も最終的には同意してくれましたが、もしかしたら編集部の心配を汲んで、今回は意向に沿ってくれた のかもしれません。 掲載後、やはり匿名では自分の意図が達成できていないと彼女が考えたならば、どこかで実名を明らかにするかもしれま せん。その場合は、聡明な彼女が決断することですから、編集部では応援したいと思っています。 末尾になりましたが、さまざまなリスクが想定されるなかで困難な体験を記してくださった彼女に敬意を表するとともに、身体拘束や強制入院にかかわる課題が広く議論されることを望みます。↓
○退院して 1 か月ほどが経った今。死んでい ないからこれを書いているし、リスト カットもしていない。それを医療者たちは、 「希死念慮の強くなる躁と鬱の混合状態を入院 で乗り越えた」と言うのかもしれないし、「拘 束によって衝動のコントロールがうまくなっ た」と言うのかもしれないし、「薬剤調整がう まくいった」と言うのかもしれない。  何もやらかさないのを見て「最近調子いい ね」と言われるたび、世界との間にあるガラス は厚くなる。今も私の内部にあるのは、あの時 の記憶である。生きるための手段は、抑え込ま れている。周りの人に何かを伝えることにも、 無力さを感じる。ふいに明日死ぬのかもしれな いし、このまま歳を重ねるのかもしれない。ど ちらにしろ、やっぱり私は何かが欠けている。
○他の掲載されている記事↓
○「身体拘束」からみる日本の人権状況  世界SEKAI 2019 長谷川利夫
○身体拘束」から日本の医療を問う  世界SEKAI 2019  対談 長谷川利夫・斎藤環
○「身体拘束」からみる失われた民主主義 世界SEKAI 2023 長谷川利夫


◎参考資料3 森構成員提出資料
あみ当事者アンケート報告書 〜国連障害者権利委員会による対日審査結果を受けて〜
特定非営利活動法人 全国精神障害者地域生活支援協議会
○アンケート調査の契機・目的

@障害者権利条約 対日調査及び勧告を受けて→ ・あみとしてどのように受け止め、共有し、内外へ意見発信をするべきか? 根拠を探る。
Aあみがこれまで行ってきた活動の検証→ ・これまで行ってきた様々な活動について当事者にその真価を問い、 検証の機会とする。
B当事者・支援者への情報の周知→・アンケートに「国連権利委員会の対日調査と勧告」や「強制入院・強制治療 制度」等について説明文を掲載。 当事者や支援者等への情報周知の機会に。
⇒3つの項目に分けてアンケート調査を実施 1.働くことや居場所について 2.居住(住まいと暮らし)について 3.精神科医療について

○調査方法・基本情報
調査方法→・基本情報 ・調査方法 郵送配布・郵送回収 ・調査期間 2024年2月1日〜3月20日 ・調査対象 当会会員事業所の利用者、OB,OG、ピアスタッフ ・回収数 配布事業所261事業所に対し299名 ・調査方法 郵送配布・郵送回収 ・調査期間 2024年2月1日〜3月20日 ・調査対象 当会会員事業所の利用者、OB,OG、ピアスタッフ ・回収数 配布事業所261事業所に対し299名
基本情報→・男女比 男性162人、女性132人、その他及び無回答が4人 ・年代 10代2人、20〜30代57人、40〜50代188人、60代以上41人 ・利用の多いサービス⇒日中サービス:就労継続支援B型168人、地域活動支援センター120人、 居住サービス:グループホーム55人、 在宅サービス:訪問看護75人、ヘルパー47人
○国連障害者権利委員会からの勧告内容
精神科医療について→・強制入院(医療保護入院/措置入院/心神喪失者医療観察法等)を 廃止すべき ・強制治療(身体拘束/隔離等)を廃止すべき ・精神科病院での虐待を「障害者虐待防止法」の対象とすべき ・無期限の入院(長期入院)を終わらせるべき ・精神科医療を他の一般医療と同等の医療にすべき ・精神科病院に対する「独立した監視機構」を設置すべき。 精神科医療→以上の6つの勧告内容について説明をした上、以下の質問をした。
○アンケート結果:本人に同意のない入院について
Q21.本人の同意のない入院(医療保護入院、措置入院、心神喪失者医療 観察法入院)を廃止することについて、どう思いますか?
医療保護入院→賛成・やや賛成34.4%。 反対・やや反対26.7%。  分からない22.4%
措置入院→賛成・やや賛成32.0%。 反対・やや反対30.1%。 分からない21.3%。
心神喪失者医療観察法入院→賛成・やや賛成25.9%。 反対・やや反対34.9% 分からない25.6%。
○アンケート結果:身体拘束について
Q22.本人の同意のない治療・対応(身体拘束/隔離収容/家族や友人との 通信の制限等)を廃止することについて、どう思いますか?
→賛成・やや賛成39.9%。 反対・やや反対25.7%。 分からない21.5%。その他あり。
Q23.本人の同意のない入院(強制入院)と治療・対応(身体拘束/隔離 拘束/家族や友人との通信の制限等)を認める「精神保健福祉法」を廃止 することについてどう思いますか?
→賛成・やや賛成33.1%。 反対・やや反対28.8%。 分からない25.7%。その他あり。

○アンケート結果:精神医療審査会について
Q25.現在、精神科病院に入院している人が「退院したい」「身体拘束から 解いてほしい」などの助けを求める機関として、都道府県に「精神医療 審査会」が設置されています。しかし、審査する委員の多くが医療関係 者であることや、審査する件数が多すぎることなどから、公平で十分 な審査ができず、退院請求が通ることはわずか2.1%(平成26年)です。
アンケート結果:精神医療審査会について −1:「精神医療審査会」の存在を知っていましたか?→@知っていた11.0% A知らなかった86.6%。−2:「精神医療審査会」は十分に機能していると思いますか?
十分に機能している・少し機能している6.7%。あまり機能していない・機能していない33.8%
Dよくわからない51.0%。その他あり。
○「その他」を選んだ方の自由記載より抜粋(身体拘束について)
「私も意味の解らない理由で隔離されたことがある。人間とは違う動物 のようなあつかいをうけた。ショックだった。身体拘束や隔離を しなくてもいいはずだと思う。」
「身体拘束はなかったが、保護室には入ったことがあるが、そこの 丸見えのトイレを使うことに耐えられず、ある医師が私を信じて 普通のトイレの使用を許可してくれたことがあった。急性期の時でも 記憶は残っている。強制的な治療は継続的な治療につながらないと 思う。」
「現状の精神科医療は投薬、身体拘束などを通して『人間の思考と人格 や尊厳を叩き潰しておとなしくさせるもの』個人的には精神科医療には何も望まない。これ以上関わりたくない。」
「無理やりの拘束はいらない。」
「それは広い意味で虐待であるのではないか?」
「患者の身の安全、精神状態の悪化を防ぐ観点からそのような治療対応 は仕方のないことと思う。」 「隔離入院で、医師や看護婦に、無視をされ、何度さけびよんでも、室には来てもらえず、便器の水を飲みました。」 「適切な治療は、人権をないがしろにするのは一切当てはまらない世の 中であってほしいと思う」 「本人の同意のない入院自体は必要かもしれないが、一度入院させたら 終りでなく、他の精神科医や弁護士が入院の必要性を定期的に チェックすることが必要であると思う。」 「本人の同意のない治療・対応は人権侵害以外の何物でもないから。 たとえ悪化した状態であっても本人同意を得る努力はすべきだと思う。」 「本人の同意の前に、その本人が意思表示ができるものだろうか?医師など が同調圧力などで同意を強制したりしないのだろうか?」
「ちゃんと話を聞いてくれたら、時間を取って、理解するまで待って もらえたら入院してもいい。」 「患者の身の安全、精神状態の悪化を防ぐ観点からそのような治療対応は 仕方のないことと思う。」 「周囲が必要と判断したのならやむを得ないと思う。」 「本人が信頼できる。安心できる、主治医がするなら、後で、納得できる かもしれない。」 「本人にも心があるし・・・でもその時の状況や環境、周囲への影響で あるし・・・分かりません。」 「症状によっては意思疎通が全くできない事もあるので一概に廃止した方が いいとは思わない。」
○アンケート結果を受けての所感(強制入院・治療)
・当初、想定していた「当事者のほとんどが強制入院の廃止に賛成」と いう結果にはならなかった。 ・強制力や治安の色合いの濃い入院形態になるほど、「廃止に反対・ やや反対」の割合が高くなる。 ・身体拘束を含む同意のない治療の廃止について「賛成・やや賛成」の 方が全体では39.9%。そのうち、強制入院の経験のある群では51.4%、 任意入院のみの群は40.6%と10%以上の差があった。 ・家族が困らない為に強制入院は必要という意見もあった。急性期に 当事者だけでなく家族を支える仕組みが必要とされている。 ・「分からない」と答えた人の割合がどの質問に関しても20%を超えた。 多くの当事者に必要な情報が届いていないこと、一緒に考える伴走者 がいないことなどが伺える。

○アンケート結果を受けての所感(精神医療審査会)→・精神科病院入院中の人の人権を守る最後の砦のはずの「精神医療審査 会」について、知らなかったと答えた人は86.6%で、強制入院経験者に おいても85.9%が知らなかったと回答。入院時の混乱した状況での説明 のみでなく、当事者に権利行使の方法を伝える工夫が求められている。

○アンケート結果を受けての所感(精神科医療)→・あなたの望む精神科医療についての自由記載の回答者の多さと内容に 「今は当事者の望む医療ではない=変わってほしいと考えている」と いう当事者の思いが浮かび上がった。 ・自由記載の中で、「人権が尊重される医療」「人として尊厳を守って くれる医療」という回答も多く見られた。「精神障害者である前に、 一人の人間として扱われることが保障される医療」と回答した当事者 の声をどのように受けとめていくか、宿題である。


◎参考資料4 精神保健医療福祉の現状等について
○精神疾患を有する総患者数の推移→約603.0万人
(入院:約26.6万人、外来:約576.4万人)。
○精神疾患を有する外来患者数の推移(傷病分類別内訳)→・精神疾患を有する外来患者数は、約576.4万人。 ・ 傷病分類別では、「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」、「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性 障害」、「その他の精神及び行動の障害」の順に多い。
○精神疾患を有する外来患者数の推移(年齢階級別内訳)→・ 精神疾患を有する外来患者数は、約576.4万人。 ・ 年齢別では、入院患者と比べて、65歳未満の患者の割合が多い。
○精神疾患を有する入院患者数の推移(傷病分類別内訳)→・精神疾患を有する入院患者数は、約26.6万人。 ・ 傷病分類別では、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」が最も多いが、減少傾向。
○精神疾患を有する入院患者数の推移(年齢階級別内訳)→精神疾患を有する入院患者のうち、65歳以上が約17.5万人(約66%)。
○精神疾患を有する入院患者数の推移(年齢階級別内訳)→精神疾患を有する入院患者のピークは高齢化してきており、年齢階級別の入院受療率が経年的に変化している。
○精神病床における入院患者数の推移(在院期間別内訳)→・精神病床における入院患者数は、約25.5万人。 ・ 入院期間別では、1年以上入院している患者の数が約15.2万人(約60%)。 ・ 5年以上入院している患者の数が、顕著に減少している。
○令和5年 精神病床退院患者の退院後の行き先→・入院期間が1年未満で退院した患者の退院先は、「家庭」が最多。 ・入院期間が1年以上で退院した患者については、「他の病院・診療所に入院」や「その他(死亡・不明等)」の割 合が高い。

次回は新たに「令和7年第1回経済財政諮問会議」からです。

第4回 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 資 [2025年02月14日(Fri)]
第4回 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 資料(令和7年1月15日)
議 事 (1)行動制限に係る関係者からのヒアリング (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html
◎資料6 長谷川参考人提出資料
令和6年度 第4回 精神保健医療福祉の今後の施策推進 に関する検討会
我が国の身体拘束の進むべき方向性
杏林大学教授 (一社)日本身体拘束研究所 理事長 長谷川利夫
≪情報公開から身体拘束へ≫
○新潟精神医療情報誌
 → NPO法人にいがた温もりの会
【資料】 岩波書店「世界」2019年6月号「『身体拘束』からみる日本の人権状況」
○2013年 精神科医療の隔離・身体拘束  長谷川利夫著
○調査対象
→ • 北信越地域の精神科病院19ヶ所に協力 要請  •15の精神科病院の調査への協力を得、 医師、看護師、看護補助者、作業療法 士、精神保健福祉士、臨床心理技術者 2,101名に無記名自記式アンケート調査 票配布 • 1,407名が回答、回収率 66.9%
○質問紙(尺度)→ 1. 隔離・身体拘束意義意識度(11項目) 2. 隔離・身体拘束不利益認識度(10項目) 3. 隔離拘束不実施不安度(11項目) 4. 隔離・身体拘束現状容認度(18項目) 5. 病棟環境不満度(16項目) 6. バーンアウト度(17項目) 7. 精神障害者の自立許容度(11項目) 8. 暴力に対する脅威の認識度(7項目) 9. 関与必要認識度(11項目) 10. 人権尊重妥協度(3問) 11. その他 (5問)
• 各隔離身体拘束積極度 (ケース3題アナログスケール)
• 患者に関わりを持つのに適した職種を問う質問
【資料】 「精神科病院における身体的拘束」 国立国会図書館 調査及び立法考査局
○私が頂戴している手紙より

→ 【資料】「大畠一也さんのこと」 「精神看護」2022年11月号 医学書院
・「保護室に入れられました。しかしたった2日で、保護 室を使う人がいるからという理由で『身体拘束』されま した。 トイレにも自由に行かせてくれず、おむつにされてしま い、とてもイヤでした。また食事以外は拘束器具をほどいてくれず、寝ているのか起きているのかのかもわからない状態が続き、今でも後遺症か悪夢を見ます。 最近、『身体拘束』の話題が出ますが、誰も他人事ではないこと、そしてなにより身体拘束というものを「廃止」されていく方向に向かってほしいです。そして少し でも『身体拘束』で苦しむ人が、拘束を受けた当事者と して減ればいいなと心から願っています。」
「押し問答がしばらく続き、ある日突然複数名の男 性看護師に取り押さえられ、無理やり拘束され、 鎮静剤を打たれた。 拘束中、尿、便は不潔。水は食事以外与えない。 苦しかった。 前回、暴れても拘束は解けないので 、大人しくした。冗談で看護師を笑わせると、少し 緩めてくれた。プロなの? 心も落ち着き出し、素面でされたので、また、ずっ と対話で(非暴力的)してきたのに何故?日常が ずっとおそろしくなってしまった。人や外がまたな にされるんだ??と。」
声も出さずに、静かに、おどおどしと、裸足のまま玄関(入口)まで歩いてしま いました。そうしたら、看護室の女の看護師さんが「あっ」と言いました。それ でそのまますぐに、畳の部屋とは別のくさい個室の一人部屋に、身体拘束を 7か所されました。なぜ縛られているのか、訳が分からないまま、繋がれてい ました。私としては、全然暴れていなければ、自傷行為も(今までも)ないし、 他の患者さんにも一切危害を加えておりません。(中略) 診察に行くたびに〇〇先生に、「なぜ、暴れてもいないのに、つないだのか」 少しずつ訊くと、〇〇先生は「暴れたから抑制したのではなく、△△さんを『守る』ためです。興奮していたので。」と言いました。自分で現場を見るも確かめ るもしないで、いきなりつないで、私を『守る』ためだと、のうのうと言ってのけるその姿勢に、私は失望しました」 インターネットで見ましたが、「拘束の過程を録画するなどで可視化し、本当 に必要だったのか、検証できる仕組み」を日本全国の全ての病院で早急に整 えてもらいたいです。義務化してもらいたいです。
「身体拘束するのなら、生きていたくなく早く死にたいです」 「チンポに管も入れられました。助けてください。 助けてください」
・最初は隔離からスタート その後夫と姉が来院。面会かと思ったが、医師を交え て話して、関係性の悪かった夫を無視した。医師の促 されるまま別の部屋に連れていかれ、「部屋代はただ 」と言われ同日身体拘束。 元々入院前にたまに不安になったりするも、なぜ同院で身体拘束されたかわからない。 「唯一言えることは、身体拘束はあってはならない行 為だと思います。ある者には苦しみと悲しみを加え、 私のように憎しみの心が忘れたようであっても心の底に残っていて、時々再燃してしまいます。」
○ご家族からの手紙
・お母さまから 「身体拘束はかえって心身に不調をもたらすも のではありませんか? 傷を作ったのでそれをなおすために入院してい るのです。言えばわかります。 ・・どうしても聞いてみたかったのが、身体の一 部かかゆくてもかくことができないできません。 手足をのばしたいという欲求にも伸ばせません 。つらいものでしょう。健康な人間でも一晩中に 何度も寝返りをすると言います。医療従事者の方はわからないのでしょうか?」 この子はその後突然死しました。
○寄せられている死亡事例→・ケリー・サベジさん【資料】「返らない命とそこからの問いかけ」精神看護2022年9月号。 ・大畠一也さん 【資料】「大畠一也さんのこと」 精神看護2022年11月号 。   その他複数・・・・・
○【資料】「私は身体拘束を生き延びたのか?」 精神看護2021年11月 『傷の声ーー絡まった糸をほどこうとした人の物語』2024年11月発行、医学書院(ケアをひらく) に収載。
・私はごまんといる拘束すべき患者の一人に過ぎ なかっただろう。しかし私はといえば、人権を奪 われた3週間のうちに、それによって自分の一部 が死んだ人間として、今を生きている。 拘束された前の自分には決して戻れない。 何かが損なわれた状態で還ってきたことを、果 たして「生き延びた」と簡単に言えるだろうか? 無法地帯。それが精神科病院には実在す る。 そう、私の意思なんて、あると想定しただ け邪魔なノイズでしかない。あまりにも意に 反する方向に物事がどんどん進んでいくな か、ひとり無力に取り残されるのは、そう宣 告されているのと同じだった。 無力化。 それは、拘束の最たる効果の1つであり、 医療者が無意識に使っている手段である。 無力化の第一歩は、拘束具を付ける瞬間 に始まっている。 病室に到着してすぐ、体操のマットと同じく 固くごわごわした生地でできた頑丈な拘 束具を、看護師が手慣れた様子で体に巻く。 恐怖で固まっている私をよそに、彼ら彼女 らは、にべもなく拘束具のロックを手早く かけた。このカチッという音は、〈対話が可 能な対等な人間としての私〉が力任せに ズタズタに破壊された瞬間の象徴として、 耳に残っている。 普段トイレを使っている人間が、排せつを コントロールされ、排泄物を見られるのは 尊厳をズタズタに傷つけられる拷問である。 時計のない個室でひたすら天井を眺める一 日はとにかく長かった。ナースコールで「今、 何時ですか?」と問うては1時間も経っていな いことに絶望したり、夕食を食べてからいつ までも日が暮れていかないことをこころの中 で嘆いたりした。一秒一秒が苦しみだった。 この状態がいつまで続くかもわからず、縛るくらいならさっさと殺してくれと願った。 このような環境に置かれるという構造その ものが、力づくで患者を組み敷く恐怖政治 になっているのだ。少しでも医師の思い通 りにならなければ、この生活が延びるかも しれない。どんなに強い怒りを感じていて も行動に表せば、拘束が追加されるかも しれない。相手が植えつける苦しみを、相 手が植えつける恐怖によって抑え込まれ る経験は、暴力を振るわれて黙らされて いるのと何ら変わりなかった。 誰も私を人間として評価していない。誰も私が感 じている痛みと絶望を知らない。この打ち震えるほどの大きな悲しみと怒りを、自分のうちに秘め ておくことが誰にできるだろうか。それでも、抵抗を顕わにしたら拘束を追加されるのは明らかなので、必死の妥協策として枕元に置いてあった タンブラーをシェイクしてなんとか感情を紛らわした。ところが床に漏れた水飛沫を見て、看護師 はすぐさま医師を呼んだ。「これは衝動行為ね」 「明日から拘束の解除はできないから」。医師のひと声は、わずかに残されていた、拘束がだんだん解除されていくという希望をあっけなく潰した。 状況の救いようのなさに、私は声を上げてわんわん泣いた。泣き声を聞きつけた看護師がやって来て言った。「泣くのはいいけど、他の患者さんがびっくりするから声は出さないでもらっていい?」 私がなぜ泣いているかには関心もないのだろうか。 「あなたに拘束されている人の気持ちがわからな いでしょう」。そう言ってみると「うんわからないよ」 とバッサリやられる。あぁ、またやってしまった。こ の人たちに共感を求めることほど愚かなことはないのだ。 私の話す言葉は日本語のはずなのに、誰 にも届かない。どんな感情の発露も、医師 には握り潰され、看護師にはいなされて宙に消えていく。 どんなひっしの願いも跳ね返るばかり。 違う国にひとり放り込まれたかのように、誰 とも共通の言葉を持たずに通じ合うことは ない。 権力性と恐怖心を必然的に伴う拘束は、死にたい気持ちや病気に対する治療どころか、懲罰にしか思えなかった。 そしてこの懲罰は、自傷他害のリスクをゼロにと 相手を抑えつける方向に進んでいく「管理のメガ ネ」と、どんな言動も症状としてカテゴライズして病者であることを強化する「病理のメガネ」で成り立っていた。 そうして蝕まれ続けて3週間、私は静かなモノと化して、懲罰は終わった。 圧倒的な力の差の中で行われる精神科医療の 身体拘束というものは、このような身体拘束を 必然的に生み出すのです。

○「不適切な隔離・身体的 拘束をゼロとする取組」
「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体 制の実現に向けた検討会」報告書より

・石川の大畠一也さんに対して行われた 身体拘束は?
【資料】「大畠一也さんのこと」 「精神看護」2022年11月号 医学書院
・求められること→ 適切性については留保したうえで、身体拘束全体を減らしていくことを目標 にしていくこと。まず、「身体拘束を減らしていこう」 という目標があれば、 「必要のない身体拘束はないだろうか?」 という機運が生まれる。
・Cusackによる身体拘束を経験した精神科医療ユーザーの体験からの8つの主題→ 1トラウマと再外傷化 2精神的苦痛 3恐怖 4無視された気持ち 5コントロール 6パワー
7静穏 8人間性の剥奪
・「適切な身体拘束」「不適切な身体拘束」という言 葉を用いている限り、身体拘束の縮減は難しい。 その判断は留保し、身体拘束のトラウマ性、死を も呼び寄せる危険性に着目し、まずは、身体拘 束そのものを減らしていくという方針を出すべき。

○告示130号基準の件
・経過、論点
【資料】「精神科病院における身体的拘束」 国立国会図書館 調査及び立法考査局
【資料】 「『身体拘束』からみる失われる民主主義」「世界」 2023年5月号 岩波書店
・【現行】→ア 自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合 イ 多動又は不穏が顕著である場合 ウ ア又はイのほか精神障害のために、そのまま放置すれば患者の生命に まで危険が及ぶおそれがある場合⇒【2022年3月16日案】 「多動又は不穏が顕著であって、かつ、そのまま放置すれば患者の生命にま で危険が及ぶおそれがある場合又は検査及び処置等を行うことができない場 合」 ※3月28日院内集会開催。 【2022年3月31日厚労案】 「これにより、患者に対する治療が困難な場合や、常時の臨床的観察を行っ てもなお患者の生命にまで危険が及ぶおそれが切迫している場合」 ※4月7日院内集会開催。 【2022年4月15日厚労案】「これにより、患者に対する治療が困難であり、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそれが切迫している場合や、常時の臨床的観察を行っても患者の生命にまで危険が及ぶおそれが切迫している場合」
○現行告示の「対象となる患者に関する事項」
・身体的拘束→ ア 自殺企図又は自傷行為が著しく 切迫している場合 イ 多動又は不穏が顕著である場合 ウ ア又はイのほか精神障害のため に、そのまま放置すれば患者の生命 にまで危険が及ぶおそれがある場合
・隔離→ア 他の患者との人間関係を著しく損なう おそれがある等、その言動が患者の病状 の経過や予後に著しく悪く影響する場合  イ 自殺企図又は自傷行為が切迫してい る場合 ウ 他の患者に対する暴力行為や著しい 迷惑行為、器物破損行為が認められ、他 の方法ではこれを防ぎきれない場合  エ 急性精神運動興奮等のため、不穏、多 動、爆発性などが目立ち、一般の精神病 室では医療又は保護を図ることが著しく困 難な場合 オ 身体的合併症を有する患者について、 検査及び処置等のため、隔離が必要な場 合

○参議院予算委員会 令和4年10月20日 長谷川利夫 答弁→精神科病院の中では身体拘束により多くの方が亡くなっ てきており裁判も全国で行われています。昨年10月には 、石川県の40歳男性が身体拘束後に亡くなった裁判で、 拘束開始時からの違法性が最高裁で確定しました。身 体拘束の実施要件は大臣告示において、自殺企図又は 自傷行為の著しい切迫、多動・不穏が顕著、生命の危機 などに限定されています。しかし今、この告示を30年以 上ぶりに改変し「治療が困難」という言葉を加えようとしています。現行にない「治療」の要素を加えることは今までなかった医師の裁量を広げることになります。そもそも 人身の自由、人権を制限する行為の要件が国会の審議 を経ずに告示で定められていること自体が極めておかし いことです。
○社会保障審議会 障害者部会 日本視覚障害者団体連合会 竹下義樹委員→この問題を考えるうえで重要な視点は3つあると思います。 1つは障害者権利条約に基づく我が国に対して提示された昨年 9月9日の総括所見。総括所見を軽視する向きもないでもありま せんが、憲法に締結した、批准した条約は遵守義務は、憲法に 明記されていることですから、それを軽視されることはあるべき ことではない。 2番目は、石川県で発生した違法な身体拘束の裁判例で、これ で最高裁にまで争われ、最高裁が示した基準があります。最高 裁が示した基準を無視する、あるいは基準に反するような改定 をすることは、明らかに三権分立に反することですし、今後そう したことがすれば、改定告示そのものが、最高裁判例違反とし てのそしりを受け、裁判を続出することになりかねない。 3点目。これまでの審議会の議論等で、最小化、減らしていく、 最低、減らしていこうという時に、それに逆行するものであって はならないと思う。この3点だと思うんです。
○日弁連 2023年9月7日 発出 「厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業 精神科医療 における行動制限最小化に関する調査研究−報告書−」に対す る会長声明→ 野村総研報告書の提言・・ 「身体的拘束は一時的に行われるものであり、必 要な期間を超えて行われていない」 ⇒一時性要件を示すものと考えられるが、「必要 な期間」という概念は、医師の主観的な治療方針 や、病院の人的・物的体制といった医療側の事 情・判断に委ねられるおそれがあり、時間的な限 定の意味をなさない。
・本報告書は「(身体的合併症のために)『そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそれや重大な身体損傷のおそれ がある場合』についても、上記に準じて判断することを明示してはどうか」とも提示するが、これは本人の同意なく身体的拘束した上で治療することを認めることとなり、現行法上は許容されて いない強制治療を、告示の改正によって潜脱的に許容する結果となる。すなわち、認知症の入院患者に対して身体的拘束を常 態化して治療を行ってきた近年の精神科病院の診療例などを、 告示の改正を契機に是認することにもなりかねない。 このように、本報告書が提言する身体的拘束の要件改正は、不適切な身体的拘束をかえって広く認めることとなり、人権擁護の観点から許されない。
○精神科病院 制圧後に男性死亡(裁判判決)・・・新聞記事あり。
○身体拘束を受けた人数(1年当たり人口10万人当り)
→9国の中で日本がダントツ高い。
○身体拘束の平均時間→日本がダントツ高い。

○連絡先:長谷川利夫 090-4616-5521 E-mail: hasegawat@ks.kyorin-u.ac.jp

≪羅針盤は「古典」にある≫
○プラトン 紀元前427年 - 紀元前347年
→最晩年の著作(長篇の対話篇)「法律(ノモイ)」 より⇒奴隷の医者 経験としてよいと思われる処置を、あたかも正確な知識を持っているかのように、僭主さながら、自信たっぷりな態度で1人の病人に指示しておいては、さっさと、病気のかかっている別の奴隷のもとへ立ち去っていく。
・自由民である医者→自由民たちの病気を看護し、診察します。それも、病気をその根源から、本来のあり方に則って検査し、患者自身ともその身内の人々ともよく話し合い、自分の方も、病人から何かを学ぶと共に、その病人にもできるだけのことは教えてやるのです。そして何らかの仕方で同意させるまでは、処置の手を下さず、同意させた時でも、説得の手段によって、たえず病人の気持ちを穏やかにさせながら、健康回復の仕事を成し遂げるべく努力をするのです。

○John Stuart Mill 1806〜 1873年→人間は支配者としてであろうが、市民としてであ ろうが、自分の意見と好みを行動の規制として 他人に押し付けようとする傾向をもっており、こ の傾向は人間性に付随する最善の感情と最悪 の感情のうちいくつかによって強力に支えられ ているので、権力を制限しない限り、この傾向を 抑制するのはまず不可能である。そして、権力 は弱まっているどころか強まっているのだから、 道徳的な確信によって権力の乱用に強い歯止めをかけない限り、現在の状況ではこの傾向が さらに強まっていくと覚悟しなければならない。
人間が個人としてであれ、集団としてであれ、誰かの行動の自由に干渉するのが正当だと言えるのは、自衛を目的とする場合だけである。(中略)本人にとって(干渉するのが)物質的にあるいは精神的に良いことだという点は、干渉が正当だとする十分な理由にはならない。ある行動を強制するか、ある行動を控えるよう強制する時、本人にとって良いことだから、本人が幸福になれるから、さらには、強制する側からみてそれが賢明か、正しいことだからという点は正当な理由にならない。
これらの点は、忠告するか、説き伏せるか、説得するか、懇願する理由にはなるが、強制する理 由にはならないし、応じなかった場合に処罰を与える理由にはならない。強制や処罰が正当だと 言えるには、抑止しようとしている行動が誰かに 危害を与えるものだと言えなければならない。個人の行動のうち、社会に対して責任を負わなければならないのは、他人に関係する部分だけである。本人だけに関係する部分については、各 人は当然の権利として、絶対的な自主独立を維 持できる。自分自身に対して、自分の身体と心に対して、人は皆主権をもっているのである。

○Alexander Dunilop Lindsay (1879〜1952)→近代の代議政治とギリシャの民主主義との間 には、規模の大きさの違いの他に、今一つ大き な相違があります。近代の代議政治は、自らの うちに、組織され、しかも公認された反対党の 存在をも認めているのであります。 民主主義は意見の不一致や批判を許すだけではありません。むしろ、それは不一致や批判を 容認し、かつ要求しているのであります。
民主主義的平等とは、同一性に由来するものではなく、各人の相違を認めたうえでの平等なのであります。
私たちが真剣に討論する場合には、基本的には 同意を得て記録に止めることが私たちにとって 問題なのではなく、何ものかを見出すことこそが 重要なのである。 私たちにとって重要なのは、その民主的な討論が少しでも首尾よく行われているものであれば、 その討論によって他のどのような方法においても見出すことのできない何ものかを発見するとい うことであります。

○エリオット・フリードソン 『医療と専門家支配』→専門家にしても官僚にしても、決して悪意の人物ではない。両者は他の人々と同じように、自分自身の視点の虜となっているが、これらの視点は訓練や献身によって、そして仕事上での個人的な経験から学びとった教訓によって制約を受けている。(中略)このような専門家の行為は 簡単に矯正でされるようなものでなく、社会生活の本性に由来するものであり、その矯正には個々の専門家が 善意をもつこと以上に、専門家以外の視点によって専門家の視点を相殺することが必要である。しかし、専門家と 官僚との重要な差異の1つは、専門家には正当な相殺圧力が存在していない点にあるのである。


◎資料7 新たな地域医療構想について
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課
○地域医療構想について
→地域医療構想は、中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの質・量の変化を見据え、医療機関の機能分化・連携を進め、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制の確保を目的とするもの。 @ 都道府県において、各構想区域における2025年の医療需要と「病床数の必要量」について、医療機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期) ごとに推計し、地域医療構想として策定。 A 各医療機関から都道府県に対し、現在の病床機能と今後の方向性等を 「病床機能報告」により報告。 B 各構想区域に設置された「地域医療構想調整会議」において、病床の機能分化・連携に向けた協議を実施。 C 都道府県は「地域医療介護総合確保基金」を活用し、医療機関の機能分 化・連携を支援。さらに、自主的な取組だけでは進まない場合、「医療法 に定められている権限の行使を含めた役割」を適切に発揮することで、地域医療構想の実現を図る。

○新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する 検討プロジェクトチームの開催について(案)→・精神保健医療福祉については、平成16年9月に精神保健福祉本部(本部長:厚生労働大臣)で策定された「精神保健医療福 祉の改革ビジョン」において「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念が示されて以降、様々な施策が行われてきた。 ・ 特に、精神入院医療のあり方については、「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」(平成 26年3月告示)等により、精神障害者の退院促進及び地域移行・地域生活支援、精神科病院における病床の適正化及び機能 分化等を重要な方向性と位置づけ施策を進めてきている。 ・ また、精神障害者の一層の地域移行を進めるための地域づくりを推進する観点から、精神障害者が地域の一員として安心し て自分らしい暮らしができるよう、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を構築し重層的な支援体制を整備して いくこととしている。 ・ このような中、新たな地域医療構想については、2040年頃を見据え、医療・介護の複合ニーズを抱える85歳以上人口の増大 や現役世代の減少等に対応できるよう、病院のみならず、かかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携等を含め、地域の医療提供体制全体の地域医療構想として検討することを目的に、新たな地域医療構想等に関する検討会で検討を進めている。 ・ 精神医療については現行の地域医療構想では精神病床の病床機能報告や将来の必要量の推計等は行われていない、これまでの精神医療に関する施策等を踏まえ、精神医療の専門家をはじめとする有識者が参画して専門的な検討を行うプロジェクトチームを開催して、新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討を行い、本検討会に検討結果を報告いただくこととしてはどうか。
<新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチーム> ・ 検討事項→新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等。・ 構成員→・精神医療の専門家、一般医療の専門家、自治体、当事者、学識者等。・ スケジュール→・ 10〜11月に議論を行い、11〜12月に本検討会に検討結果を報告。

○新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する 検討プロジェクトチームの概要→1.趣旨⇒・新たな地域医療構想について、2040年頃を 見据え、医療・介護の複合ニーズを抱える85 歳以上人口の増大や現役世代の減少に対応できるよう、病院のみならず、かかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携等を含め、地域の医療提供体制全体の地域医療構想として 検討することを目的に、新たな地域医療構想等に関する検討会を開催している。 ・ 精神医療については「良質かつ適切な精神 障害者に対する医療の提供を確保するための 指針」等により、精神障害者の退院促進及び 地域移行・地域生活支援、精神科病院におけ る病床の適正化及び機能分化等の施策を推進 してきた。・現行の地域医療構想において精神病床に関する将来の病床数の必要量の推計や病床機能 報告は行われていないところ、これまでの精神医療に関する施策を踏まえ、新たな地域医 療構想において精神医療を位置付ける場合の 課題等について具体的な検討を行うべく、有 識者の参集を得て本プロジェクトチームを開催する。 2〜4まで参照。

○新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する 検討プロジェクトチーム 取りまとめ概要※令和6年12月3日「新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチーム」報告書より作成→・新たな地域医療構想における精神医療の位置付け⇒以下の観点から、新たな地域医療構想に精神医療を位置付けることが適当。↓
・ 新たな地域医療構想においては、2040年頃を見据え、入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護との連携等 を含む、医療提供体制全体の地域医療構想とする方向で検討を進めている。 → 地域の医療提供体制全体の中には、精神医療も含めて考えることが適当。
・新たな地域医療構想において精神医療を位置付けることにより、以下の意義が考えられる。→・ 2040年頃の精神病床数の必要量を推計 → 中長期的な精神医療の需要に基づく精神医療体制の推進。 ・ 病床機能報告の対象に精神病床を追加 → データに基づく協議・検討が可能。 ・ 精神医療に関する協議の場の開催や一般医療に関する協議の場への精神医療関係者の参画 → 身体疾患に対する医療と精神疾患に対する医療の双方を必要とする患者への対応等における精神医療と 一般医療との連携等の推進。 ・ 地域医療構想の実現に向けた財政支援、都道府県の権限行使 → 精神病床等の適正化・機能分化の推進。
・ 新たな地域医療構想に精神医療を位置付けた場合の具体的な内容※は、法律改正後に施行に向けて、 必要な関係者で議論する必要があり、精神医療に係る施行には十分な期間を設けることが必要。 ※ 病床数の必要量の推計方法、精神病床の機能区分、病床機能報告の報告事項、精神医療の構想区域・協議の 場の範囲・参加者、精神科医療機関の医療機関機能等

○新たな地域医療構想等に関する検討会の概要→1.趣旨⇒・地域医療構想は、中長期的な人口構造や地 域の医療ニーズの質・量の変化を見据え、医 療機関の機能分化・連携を進め、良質かつ適 切な医療を効率的に提供できる体制の確保を 目的としている。 ・本検討会は、現行の地域医療構想が2025年までの取組であることから、新たな地域医療構想について、2040年頃を見据え、医療・介護の複合ニーズを抱える85歳以上人口の増大や現役世代の減少に対応できるよう、病院のみならず、かかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携等を含め、地域の医療提供体制 全体の地域医療構想として検討することを目的に開催するものである。 2.検討事項 3.構成員 参照。

○新たな地域医療構想に関するとりまとめの概要※令和6年12月18日新たな地域医療構想等に関する検討会とりまとめより作成→・85歳以上の増加や人口減少がさらに進む2040年とその先を見据え、全ての地域・世代の患者が、適切に医療・介護を受けながら生活し、 必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができ、同時に、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制を構築。⇒ • 「治す医療」と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療・介護提供体制を構築。 • 外来・在宅、介護連携等も新たな地域医療構想の対象とする。

・新たな地域医療構想↓
(1)基本的な考え方→ • 2040年に向け、外来・在宅、介護との連携、人材確保等も含めた あるべき医療提供体制の実現に資するよう策定・推進 (将来のビジョン等、病床だけでなく医療機関機能に着目した機能分化・連携等) • 新たな構想は27年度から順次開始 (25年度に国でガイドライン作成、26年度に都道府県で体制全体の方向性や必 要病床数の推計等、28年度までに医療機関機能に着目した協議等) • 新たな構想を医療計画の上位概念に位置付け、医療計画は新たな 構想に即して具体的な取組を進める
(2)病床機能・医療機関機能→ @ 病床機能 • これまでの「回復期機能」について、その内容に「高齢者等の急性 期患者への医療提供機能」を追加し、「包括期機能」として位置づけ A 医療機関機能報告(医療機関から都道府県への報告)⇒ • 構想区域ごと(高齢者救急・地域急性期機能、在宅医療等連携機能、急性期拠点 機能、専門等機能)、広域な観点(医育及び広域診療機能)で確保すべき機能 や今後の方向性等を報告 B 構想区域・協議の場⇒ • 必要に応じて広域な観点での区域や在宅医療等のより狭い区域で 協議(議題に応じ関係者が参画し効率的・実効的に協議)
(3)地域医療介護総合確保基金 • 医療機関機能に着目した取組の支援を追加
(4)都道府県知事の権限 @ 医療機関機能の確保(実態に合わない報告見直しの求め) A 基準病床数と必要病床数の整合性の確保等 • 必要病床数を超えた増床等の場合は調整会議で認められた場合 に許可 • 既存病床数が基準病床数を上回る場合等には、地域の実情に応 じて、必要な医療機関に調整会議の出席を求める
(5)国・都道府県・市町村の役割 @ 国(厚労大臣)の責務・支援を明確化(目指す方向性・データ等提供) A 都道府県の取組の見える化、調整会議で調った事項の実施に努 める B 市町村の調整会議への参画、地域医療介護総合確保基金の活用
(6)新たな地域医療構想における精神医療の位置付け • 精神医療を新たな地域医療構想に位置付けることとする

○2040年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革↓
・2040年頃を見据えた新たな地域医療構想→ ● 入院医療だけではなく、外来・在宅医療、介護との連携、人材確保等を含めた地域の医療提供体制全体の課題解決を図る新 たな地域医療構想の策定 ・ 病床の機能区分(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)に ついて「回復期機能」を「包括期機能」として位置付け、 ● 医療機関機能(高齢者救急・地域急性期機能、在宅医療等連 携機能、急性期拠点機能、専門等機能、医育及び広域診療機 能)の報告制度の創設 ・ 二次医療圏を基本とした地域での協議のほか、都道府県単位 での協議、在宅医療等のより狭い区域での協議を実施 ・ 新たな構想の取組を推進するための総合確保基金の見直し、 ● 都道府県知事の権限(医療機関機能報告の創設に伴う必要な 機能の確保、基準病床数と必要病床数の整合性の確保等)、 ● 厚労大臣の責務明確化(データ分析・共有、研修等の支援策)、 ● 新たな地域医療構想に精神医療を位置付ける。

・医師偏在対策↓
<医師確保計画の実効性の確保> ● 「重点医師偏在対策支援区域(仮称)」の設定 ・ 「医師偏在是正プラン(仮称)」の策定
<地域の医療機関の支え合いの仕組み>
●医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機 関の公的医療機関等への拡大等 ● 外来医師過多区域における、新規開業希望者への地域で不足する医療や医師不足地域での医療の提供の要請・勧告・公表と保険医療機関の指定(6年から3年等への短縮)を連携して運用 ● 保険医療機関の管理者要件 <経済的インセンティブ等> ● 重点医師偏在対策支援区域における支援を実施→診療所の承継・開業・地域定着支援→派遣医師・従事医師への手当増額 →保険者から広く負担を求め、給付費の中で一体的に捉える。 医師の勤務・生活環境改善、派遣元医療機関へ支援 ※ 医師偏在への配慮を図る観点から、診療報酬の対応をさらに検討。 ・ 全国的なマッチング機能の支援 ・ 医師養成過程を通じた取組

次回も続き「資料8 「新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検 討プロジェクトチーム」報告書」からです。

第4回 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 資料 [2025年02月13日(Thu)]
第4回 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 資料(令和7年1月15日)2/13
議 事 (1)行動制限に係る関係者からのヒアリング (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html
◎資料1 第3回検討会における御意見について
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課
○第3回検討会における主な御意見(行動制限について@〜B)
(組織風土、行動制限最小化に向けた取組の契機)
→5意見あり。・行動制限最小化に向けては、既存の方法から脱却し、病院の文化を変える風土が大事。病院理念や院長方針に看護部長等が共感し、 それを実現していきたいと考えることが取組の契機となる。
(医療安全)→2意見あり。・身体的拘束に関連した医療事故を分析すると、身体的拘束を行ったことに起因すると思われる医療事故と、身体的拘束を行ってい れば防止できたと思われる医療事故がある。医療安全の見地から、事故防止のためにも身体的拘束以外に方法がない事例があること は否定できず、そのような事例においても、正しく、適正に身体的拘束を行うことが求められる。
(行動制限最小化に向けたマネジメント、リスク管理)→3意見あり。・行動制限最小化を促進・定着させる取組としては、行動制限最小化のマネジメント(病院長や看護部長によるトップマネジメント として方針の提示や取組責任を担うこと、ミドルマネジメントとして病棟の看護師長の現場対応)やリスクへの対応(医療安全委員 会との連携、事故発生時の対応としてスタッフが責められない体制づくり、家族への対応方針等の説明)が挙げられる。
(行動制限最小化のための具体的な手法)→4意見あり。・やむを得ず身体的拘束をしなければならない場合に事後的なケアとして、回復していく段階で、なぜ今回隔離や身体的拘束が必要 だったのかということは、繰り返し丁寧に説明をし、本人に理解していただけるような説明を行っているというのが現場の状況。そ こでは患者のいろいろな気持ちが表出されるので、気持ちに寄り添いながらケアしている。
(好事例の展開)→4意見あり。・好事例を用いた展開のためには、ピアレビューで病院同士が互いに行動制限最小化の成果を見合うことが効果がある。
(人材育成)→3意見あり。・医療安全という考え方と行動制限最小化という考え方が、相反するものではなく並立して存在し、そこには人権擁護の問題もある ので、医療福祉に関わる多職種で検討していくということが現場で行われていることを、養成教育の段階で伝えていくべきことでは ないか。
(多職種・ピアスタッフ)→3意見あり。・多職種・ピアスタッフを含めた入院当事者との話し合いをとにかく行うことで、行動制限最小化に向けた話がよりでやすくなる。
(最小化に向けた医療体制の確保)→行動制限最小化に向けては、ソフト面、ハード面の両方からの整備が必要で、ハード面では、人員配置や環境整備にお金がかかる ので、人員の問題、財源の問題を手当てをしていかないとできないということは、声をあげていかないといけない。
(家族への支援)→家族から頼まれて身体的拘束をしたという医療スタッフの声もあるが、家族の立場からすると、何も知識も情報も無い中で精神疾 患の状態、急性期の状態を目の当たりに経験するということは、筆舌に尽くしがたい驚きであったり、恐怖であったりする。病院が 家族の話聞いて、病気に対する理解や医療の在り方に対する理解を家族が持てるような家族支援の視点も進めていく必要がある。
(その他)→・保健所の実地指導において、身体的拘束に関する設問事項があり、指摘事項に該当する項目については、改善結果を報告させている。また、事故があったときの事故報告書で、事故の状況や原因、結果、対策方針、家族への説明や反応が記載されている。 ・ 行動制限に関して、諸外国の先進例や行動制限を行っている領域、スタッフ数などと比較していくことも参考になるのではないか。

○第3回検討会における主な御意見(かかりつけ精神科医機能)
(かかりつけ精神科医機能について)
→11意見あり。・かかりつけ精神科医機能では、医療でのソーシャルワーカー的な機能を精神科病院に期待しているが、精神科の診療所でこういう 機能を位置付けることによって、精神科の診療所の差別化もできると思う。精神保健福祉士にも活躍は期待したい。・元受刑者や少年院から退院してきた人の中には、一定精神的な不調を抱えている人たちがいて、その人たちが地域で精神科医療に つながれる体制が存在することが非常に重要である。


◎資料2 古川参考人提出資料
行動制限に係る 関係者からのヒアリング
社会福祉法人・花 障がい者生活支援センター「すみれ」  ピアサポーター 古川裕也
○自己紹介
→障がい者生活支援センター「すみれ」でピアサポーターとして 勤務。精神疾患(統合失調症)の経験を活用した支援を行う。
○社会福祉法人・花の実施事業→・障がい者生活支援センター「すみれ」 • 自立訓練(生活訓練)事業所(多機能型)「しばざくら」 • 生活介護事業所(多機能型)「花束」 • 共同生活援助事業所「あじさい」 • 日中サービス支援型共同生活援助事業所「花の郷」・短期入所(併設 型)「さくら」 • 売店事業「たんぽぽ」 • 支援センターV型「工房わにっこ」(大鰐町委託) • 支援センターV型「やすらぎ」(鯵ヶ沢町委託) • 就労継続支援A型事業所 つがるの工房パッケージセンター • 就労継続支援B型事業所 ジョブネット
○弘前市について→・人口 160,129人(R6.4) • 弘前市医師会で出している病院・診療所は154機関 • 身体障がい者は令和2年3月末時点で、7,018人 • 知的障がい者は令和2年3月末時点で、1,535人 • 精神障がい者は令和2年3月末時点で、1,811人 • 指定難病特定医療受給者証交付件数は令和2年3月末時点で、 1,378人
○青森県内の「にも包括」モデル圏域→• 平成30年度から令和4年度まで 弘前保健所管内でモデル事業を実施 • 令和5年度から 五所川原保健所管内でモデル事業を実施
○弘前保健所管内の「にも包括」の取り組み→精神障がい者ピアサ ポーターの養成
○弘前圏域ピアサポーター「だんだん」の会 について→• ピアサポーターとして仕事をしたいという思い(語りの活動、 就労等) • テキストをもとに学習 • ピアサポーターとしての方向性が同じ • ミーティングを継続

≪行動制限に関する私の経験≫↓
○入院直後の隔離・拘束
→幻聴の命令で、飲食拒否状態になり医療保護入院(病識無し)→ 「医療者側の勘違いにより、精神疾患という誤診が下され、応急処置として、隔離・拘束が行われているのだろう」→ 医療者への不信感と同時に、どうなるか分からない将来への不安も感じる
○拘束されていた時の感覚→自分の体を動かせない→全ての決定権は他者にあるという感覚(幼い子供に戻った感覚)→最初は…他者に委ねるしかないという感覚、途中からは…他者の言動に支配される感覚、幻聴による支配も強まる
○隔離への認識と将来への思い→隔離の回数・無力感 が増大してくる。
○隔離室での筆舌に尽くし難い経験→隔離室に入る少し前:みぞおちが締め付けられるような 居ても立っても居られない苦痛な感覚が発生→隔離室(3か月間):ほぼ継続的にその感覚があり、幻聴によると この苦痛は永遠に続くものである→退院後:苦痛な感覚は軽快していった ⇒当事者は医療者の想像もつかないような経験をしている可能性がある
○心の傷に寄り添うこと→不可解な言葉の裏にある「幻聴が怖い」「助けてほしい」と いう思いをくみ取ってくれた看護師、その看護師を強く信頼できるようになった⇒⇒◎心の傷への寄り添い方が、もっと教育体系化されれば、 信頼できる医療者の数が大幅に増えるのでは
○医療者と当事者のコミュニケーションの循環→◎隔離・拘束時も、当事者と一緒に考えることで、好循環が生まれる ◎医療者の勇気ある一歩により、お互いが希望を持つことができる ⇒「誰でもリカバリー可能だ」という信念が必須
○当事者が考える最も大切な関わり→☆あたたかい雰囲気で、希望を持ってもらえるように 関わることが、当事者の心の安定につながる
ご清聴ありがとうございました


◎資料3 丸山参考人・内布参考人提出資料
◆第4回精神保健医療福祉の 今後の施策推進における検討会
一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構 理事補佐 丸山 絵理子
○自己紹介
→・ 25歳 第二子出産 ・ 26歳 衰弱し始めて病院へ繋がる ・ 32歳 福祉従事者として働き始める ・ 35歳 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構との出会い
○疾病・病院との関わり→• 8歳、 自殺未遂 • 26歳、初めて精神病院へ繋がる • 27歳、自殺未遂 • 入院3回 • 約10年様々な治療を経て、通院終了
○精神科医療における身体拘束を始めとする 行動制限に頼らない治療を目指して 〜医療従事者の方々への感謝〜→・ 時間をかけて丁寧に患者の気持ちや想いを汲み取る (傾聴→受容→対話) ・ 不穏が顕著な時こそ患者との丁寧な関わりや 十分な時間をかけた診療等を行うことが治療となる。


◆第4回精神保健医療福祉の 今後の施策推進に関する検討会
日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構 副代表理事 内布智之
○氏名:内布 智之(うちぬの ともゆき)
→• 20歳代中期にメンタルヘルスの不調が始まる • 20歳代後期に幻覚妄想に苦しむ。精神医療に繋がり同じ境遇の仲間たちと出会う • 30歳代初期に福祉のピアサポーターに雇用される • 40歳代初期に日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構を仲間たちと設立する • 現在は一般企業に勤務しつつ障害者ピアサポート研修の普及に携わる
○本日お話しする内容→大丸1精神病院 閉鎖病棟 保護室の体験⇒・本当に行動制限は医療の一環なのでしょうか? ・保護室にも暖かかな一筋の光があった  大丸1行動制限についての想い 大丸1これからの行動制限ついて 大丸1最後に
○日本メンタルヘルス ピアサポート専門員研修機構とは→• わが国において、1990年代から作業所や社会復帰施設で、ピアサポーターが活躍するよ うになりました。一方、アメリカやカナダでは1980年代から(認定)ピアスペシャリス トとして、雇用ガイドラインや研修プログラムが開発されています。 • 平成23年度から平成26年度にかけて、日本の各種専門家・ピアスタッフがマジゾン(ア メリカ)への視察やトレーニングマニュアルの和訳などと研修プログラムの開発・実施 を行う中で、基盤となる組織・団体が必要となり、精神障がい者ピアサポート専門員研 修企画委員会で議論の末、平成27年4月1日に、一般社団法人を設立する事と成りました。 • 一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構は、各種専門職と協働し て、「リカバリー」を支援できる精神障がい者ピアサポート専門員を育成する事を目的 としています。
(日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構HPより)
大丸1 精神病院 閉鎖病棟 保護室の体験 突然に自由を奪われた体験から
・行動制限は本当に医療行為でしょうか?
・保護室にも暖かな一筋の光があった
大丸1 行動制限についての想い→・強制的な治療で患者は無力感の中で心の傷をより深めるのです。 • 心の傷をより一層傷つけられることで医療では回復できないダメージ を深く刻んでしまいます。
・心身共に疲れた患者が「力(ちから)」で押さえ込まれている。→ • 不穏多動は食べれず眠れずの中で孤独と恐怖のなかで力を振り絞り助 けを求めていることが患者からのメッセージなんです。 • 根本は力と力で衝突するのではなく、心と心の対話で共鳴し合うこと が患者と治療者との関係性を築いていく原点になると思います。 • 「時間がない」「人手がない」「スキルもない」を解決するのは治療 の現場の問題ではなく、我が邦全体の課題なんです。
大丸1 これからの行動制限について→○まず実際の強制的治療の現場で起こっている人権侵害を確認する。⇒ • 本当に人命優先で行動制限をしているのか? • 保護室を懲罰房に使わない仕組みが必要。 ○拘束も隔離もゼロ。医療者からの心理的・身体的圧力もゼロへ⇒ • 拘束と隔離は医療環境が整っていないことの現れです。 • 「患者が暴れるから」は逃げ言葉。 • 医療者が治療環境への諦めを持っていたら患者は何を希望にすればいい のか?精神科の治療は絶望になった状況でも患者が再度希望を持てるこ と。 ○『良質で適切な精神科医療を提供するための基本法』の検討をお願いします。
大丸1 最後に→私は今回のヒアリングで皆様へ伝えたかったことは精神科の医師が 患者に行動制限をする治療を後世へ残したくないと思ったからです。 我が邦の次世代を生きる子供たちも精神疾患を持った時に絶望する こともあるでしょう。その子供たちが希望につながる治療を受けて回 復へ繋がるきっかけを得られれば再び希望は湧き、再度自分らしい人 生を送ることが出来た時にはこの邦に生まれてきて良かったと想うは ずです。私は過剰な薬物と一方的で強制した行動制限を無くして欲し いと切に願います。


◎資料4 山田参考人提出資料
障害を理由とした隔離・身体的拘束のゼロ化に向けた意見書
全国「精神病」者集団
1 基本的な政策の方向性
1.1 障害者の権利に関する条約
→障害者の権利に関する条約(以下、「障害者権利条約」)第 14 条では、障害を理 由とした人身の自由剥奪と、法律によらない人身の自由剥奪を禁止するよう締約国政府に求めている。なお、この場合の障害を理由とした人身の自由剥奪には、障害者の権利に関する委員会(以下、「同委員会」)第 14 条に関するガイドラインによると障害と追加の要件によるものを含むこととされている。そのため、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下、「精神保健福祉法」」)に基づく非自発的入院や行動制限は、同条約の趣旨に照らして反するものと指摘されている。 障害者権利条約第 25 条には、障害者に対して他の者に提供されるものと同一の範囲、質及び水準の保健を提供することとされており、精神医療と一般医療を政策構造上分断させてきた精神保健福祉法体制の解体と一般医療への編入が不可欠である。
1.2 初回日本政府審査に係る総括所見→初回日本政府審査に係る総括所見(以下、「総括所見」)では、パラグラフ 33・34 において「精神科病院における障害者の隔離、身体的及び化学的拘束、強制投薬、強制認知 療法及び電気けいれん療法を含む強制的な治療」についての懸念が示されており、「精神障害者に関して、あらゆる介入を人権規範及び本条約に基づく締約国の義務に基づくものにすること」が勧告されている。また、パラグラフ 53・54 においては、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定される、精神科医療の一般医療からの分離」について懸念が示 されており、「精神保健を一般医療と区別する制度を廃止するための、必要な法的及び政策的対策を採用する」ようにと勧告されている。
1.3 国会の附帯決議→第 210 回臨時国会で可決された障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(以下、「附帯決議」)には、「国連障害者権利委員会の対日審査の総括所見における、精神保健福祉法及び心神喪失者等医療観察法の規定に基づく精神障害者への非自発的入院の廃止等の勧告を踏まえ、精神科医療と他科の医療との政策体系の関係性を整理し、精神医療に関する法制度の見直しについて、精神疾患の特性も踏まえながら、精神障害者等の意見を聴きつつ検討を行い、必要な措置を講ずること。」と記されている。附帯決議は、立法府の意思であり政治拘束力を持つと 考えられている。このことから政府としては、総括所見に基づいたかたちで検討をしなければならない。 また、この場合の「精神障害者等の意見」については、一般的意見第 7 号パラグラフ 11 に基づき、障害者権利条約を完全履行する責務を負う障害者を代表する団体の参画が前提 とされなければならない。

1.4 小括→障害者権利条約の趣旨は、障害者に対して新たに特別な権利を付与することではなく、障害者に対して他の者と平等な権利を享受できるようにすることである。精神障害を持つ者も、他の者と同質の水準の医療を受ける権利がある。そのため、精神障害者と他の者とをわける政策構造の柱となる精神保健福祉法に紐付けされた仕組みは、解体されなければならない。加えて、精神保健福祉法に紐付けされた仕組みの解体を実現するまでの当面の方策としては、拘束されないための仕組み、拘束された後の仕組み、告示改正(ルールを変える)、 行政の責務にかかわる取り組みが不可欠である。

2 当面の方策@――されないための仕組み
2.1 組織風土(病院文化の変更)
→身体的拘束の縮減は、現場において身体的拘束をしないという決意(マインド)が重要な意味を持つと指摘されている。そのためには、病院文化を変更し、身体的拘束をしないという組織風土を作り上げる必要がある。  
2.2 人材育成(リーダーシップ)→身体的拘束をしないという組織風土を作り上げるにあたっては、医師や看護部長、看護師長のリーダーシップが不可欠である。リーダーシップを発揮できるような人材育成の仕組 みや標準化された研修コンテンツの開発が必要。
2.3 精神障害当事者の参画 身体的拘束をしないという組織風土を作り上げるにあたっては、ピアサポーターや障害 者団体との共同創造を通じた意識改革にかかわる取り組みを集積し、その普及のあり方を 示していく必要がある。

3 当面の方策A――された後の仕組み
3.1 法的救済の推進
→身体的拘束が行われた後には、その状況を徹底的に検証し、法的救済を推進する必要がある。とくに経済面での援助は不可欠であり、総合法律支援法に基づく民事法律扶助制度等の 見直しをおこなう必要がある。
3.2 事後検証(可視化)についての見解→これまで、透明性の確保に向けて、診療録への記載義務や行動制限最小化委員会の設置にかかわる取り組みが行われてきた。また、法律家や専門家からは、法律家が第三者として関与する仕組みや映像記録などが提案されてきた。しかし、これらは身体的拘束が医療として 成立しているかどうかを医療者や法律家が判断するためのものであり、精神障害者自身に とって自己防衛を行使する手段とまではなり得ていない。したがって、精神障害者自身が身体的拘束の実施状況を事後検証できる仕組みを検討すべきである。

4 当面の方策B――告示改正
4.1 必要性
→人材育成や組織風土改革には、当然ながら時間を要する。精神科病院の中には、身体的拘 束ゼロ化に向けて意識を変えていく人々と、そうでない人々とがいる。そうでない人たちの 意識が変わるまでの間、病院で縛られ続けるのは精神障害者である。意識変化を待つことなく、現場を変えていく手段として考えられることはルールを作り守らせることである。すなわち、身体的拘束にかかわる告示改正が必要である。 一方で、告示は精神保健福祉法に紐づけられたものであり、その位置づけ的に限界が認められる。この領域においても、一般医療と精神医療を区別しない仕組みが必要とされるのであり、どの法律にどのように位置付けるべきなのかについて具体的な検討をすべきである。
4.2 入口と出口→身体的拘束は、要件を満たさなければできないこととされているため、本来であれば開始 時と解除時にわけて考えるべきではない。しかしながら、現場においては、開始時に限ると 要件を満たすことに関心が向けられる傾向にあるものの、1 つでも要件を欠いたら速やかに 解除しなければならないという意識がさほど強くないように感じられる。よって、現場の認 識を変えていくためにも「1 つでも要件を欠いたら速やかに解除しなければならない」など の解除にかかわる規定が必要と考える。
4.3 一時性要件について→本来、一時性要件とは、「48 時間以内」といったようなかたちで時間を明記すべきものである。しかし、厚生労働大臣が「何時間までを一時性とする」といったかたちで明示してし まうことは、この時間までなら拘束してよいかのように国家によるお墨付きを与えてしま うことになりかねない。しかし、一方で恣意的に漫然と拘束されている事例もあり、一定の 時間的な歯止めは必要ではないかとも考える。例えば、各医療機関が「当院における一時性 は 2 時間程度と考えています」といったようなかたちで一時性に関する考え方を示すよう にするのはどうか。
4.4 コンセンサス→全国「精神病」者集団は、2017 年の総会で決議した行動計画に従って、身体的拘束にかかわる「不穏又は多動が顕著」の要件削除を求めてきた。2021 年 12 月の第 3 回「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」のヒアリングでは、関連団体と事前の協議を重ねた上で告示改正の必要性を意見した。 この段階で告示改正を主張していたのは、全国「精神病」者集団だけであったが、徐々に 関心が高まっていき、当該検討会報告書の論点として記載されるまでに至った。当該報告書 において確認された課題については、令和 4 年度障害者総合福祉推進事業「精神科医療にお ける行動制限最小化に関する調査研究」の中で研究がすすめられ、処遇基準告示の記載イメ ージにかかわるエキスパートコンセンサスがまとめられた。これら調査研究の成果は、社会 保障審議会障害者部会(第 136 回)において報告された。 第 210 回臨時国会では、告示改正をすすめるにあたって、@隔離・身体的拘束に関する切迫性、非代替性、一時性の要件を明確にすること、A関係団体との意見交換の場を設けること、B対象が実質的にも限定されるようにすることなどの論点で附帯決議が可決成立した。 告示改正は、おおむね可能な段階にきており、厚生労働省が当面の方策(マイナーチェンジ)に時間を使い過ぎていることはきわめて遺憾である。すでに、一般医療と精神医療を区別しない仕組みの検討に着手しなければならない段階にきている。そのため、告示改正の検討結果を待つことなく、並行して一般医療と精神医療を区別しない仕組みの検討をはじめ る必要がある。
5 当面の方策C――国及び地方公共団体の責任
5.1 医療計画の指標例
→ 国は、第 8 次医療計画中間評価において指標例に基づき各都道府県において隔離・身体的拘束の縮減に係る取り組みの状況を把握する必要がある。また、地方公共団体は、精神医療における身体拘束の廃止に向けた医療計画の指標を設定し、実施状況を定期的に評価する責任がある。また、評価にあたっては、障害当事者の参画が不可欠であり、参画した障害当 事者の役割などをまとめて育成していく必要がある。
5.2 報酬による評価→身体的拘束の縮減に向けた取り組みの実施状況と成果に応じて入院基本料及び特定入院 料から減算する仕組みが必要である。精神科医療領域においては、一般医療に先駆けて仕組 みの整備がおこなわれてきたとはいえ、一般科に新設された仕組みが精神科にない状態は 違和感がある。

6 当事者の声を聴くこと→そもそも、精神科病院における身体的拘束のあり方について障害当事者が意見を述べるということは、自分たちの縛り方について意見を述べるという側面があり、葛藤を避けられ ないものである。障害当事者は、縛られたくないため「ゼロ化」を主張するほかなく、最終 的なコンセンサスの場面も苦しい決断を強いられることになる。障害当事者の声を聴くと はどういうことなのかについて理解を深めてほしい。


◎資料5 赤池参考人提出資料
第4回精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 ヒヤリング意見
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 赤池千明
事例[家族の事例を通じての身体拘束の影響と医療への不信感]
家族の入院経験を通じて身体拘束の心理的影響を考察 医療への不信感とその根深さを理解する

○家族の入院経験 & 影響
○身体拘束の問題と提案
○みんなねっと全国調査(平成29・30年度)より 回答数3,129件


◎第4回精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会ヒアリング意見補足資料
資料1
当会が平成 29 年に実施した「精神障がい者の自立した地域生活の推進と家族が安心して生活できるための効果的な家族支援等のあり方に関する全国調査」を更に平成 30 年に「自由 記述・分析」報告として発表しています。 その調査の回答分析から読みとれることを記します。
○身体拘束の経験がある人の状況→ 昨年の調査結果では、「わからない」を除くと、34.1%が身体拘束を経験し、その内 29.9%の家族に対しては医師からの説明はなかったという結果でした。今回はこれら身体拘束を経験した本人の状況についてみていきます。
まず、身体拘束があった人となかった人で統計的に有意な差があったものとしては、「主 な病名」の「うつ病」でした。この設問に回答した 99.4%のうつ病の人(613 人)が「身 体拘束があった」としました。自殺企図と関連があるかも知れませんが明確な要因は不明 とはいえ、回答したうつ病のほとんどの人が身体拘束を経験しているという驚くべき結果 でした。その他の病名とは有意差は認められませんでした。その他の項目では、「日常生活 及び社会生活」の重度に強い有意差がありました。また「病状が悪化したときの状況」で は「部屋に閉じこもるようになった」以外は強い有意差がありました。「これらのような状況になったことはない」は身体拘束がなかった群との強い有意差がありました。「日中活動の状況」では、目立った有意差はありませんでした。これらについては、過去を振り返っ ての調査でもありますので、どちらが原因でどちらが結果かは不明ですが、おおむね障害 が重かったり、症状が悪化して様々な言動があった人は身体拘束の経験をしている人が有意に多いということになります。 さらに詳細に身体拘束があった時間毎に有意差を見てみました。「24 時間以内」では、 「主な病名」の「統合失調症」、「日中活動の状況」では「就業・生活支援センター」に有意差がありました。「24 時間以上 48 時間以内」では、「主な障害」の「双極性障害」に弱い有意差があった以外は有意差がありませんでした。「48 時間以上」では、「病状が悪化したときの状況」の、「性的な逸脱行動があった」「その他」に有意差があり、「他人に暴言を言ったり、暴力がみられるようになった」に弱い有意差がありました。 次に身体拘束時間の経過との関係をみてみます(次頁グラフ)。 「うつ病」は期間が延びるに従って身体拘束の経験者が減っています。逆に「日常・社会生活の状況」では、重度になる程身体拘束の期間が延びています。また、「日常生活の 状況」では、「通所施設」、「悪化したときの状態」では、「意思疎通がうまくいかなくなっ た」 「飲食を摂らない、眠らないといったことが見られた」「普段はしないような恥ずかしい言動がみられるようになった」「家族に暴言を言ったり、暴力が見られるようになった」「他人に暴言を言ったり、暴力が見られるようになった」「常識外れの浪費があった」「性的な 逸脱行為があった」がある人は身体拘束の期間が長くなっていました。

近年、身体拘束の方法や期間について問題視されていますが、身体拘束をしなければな らない状態になる前の医療や対応を考える必要があるのではないでしょうか。
グラフ「身体拘束の機関と本人の状況」→グラフ参照。


○隔離室の利用経験がある人の状況→前項では、身体拘束の経験がある人の状況をみてきましたが、ここでは隔離室の利用の 経験のある人の状況について詳しくみていきたいと思います。 まず、昨年の調査結果から、入院した際の隔離室の利用については、66.7%が「ある」、 28.6%が「ない」と回答しました。「わからない」と回答した家族は 4.7%しかなく、身体 拘束の経験を聞いた質問の回答の「わからない」28.7%と比較すると回答が明確であるこ とが特徴です。隔離室を利用する際の医師からの説明については、「なかった」が 21.1%、 「あった」が 69.3%でした。身体拘束の際の医師からの説明は「なかった」が 27%、「あ った」が 63.5%であり、隔離室の利用の方が医師からの説明がなされており、このような 点も影響しているのかも知れません。 隔離室の利用と「主な病名」との関係で統計的に有意な差があったものは、「統合失調 症」のみで強い有意差がありました。逆に「うつ病」は、隔離室を利用していない群との 強い有意差があり、「神経症」「発達障害」「その他」にも逆の有意差がありました。つま りこれらの疾病を持つ人は隔離室を利用することが少なく、統合失調症以外の疾病につい ては診断によって隔離室の利用がなされていないことがわかります(「主なもの以外の病 名」では「発達障害」に弱い有意差がありました)。 それではどのような場合に隔離室の利用がなされているのでしょうか。「病状が悪化し たときの状況」でその有意差をみてみると、「意思疎通がうまくできなくなった」以外の 項目のすべてで強い有意差がありました。ちなみに「これらのような状態になったこと はない」は当然ですが、隔離室の利用経験がない群と強い有意差がありました。 「日常生活・社会生活の状況」では「重度」と強い有意差ありました。具体的な生活状 況では、「保清」「金銭管理」「服薬管理」の重度に有意差があり、「食事」「生活リズム」 「対人関係」「社会適応を妨げる行動」とは有意差はありませんでした。「日中の活動状 況」では「医療機関のデイケア・ナイトケア」に有意差があ り、「訪問看護」「その他」に強い有意差がありました。 逆に「就業・生活支援センター」「一般就労」は隔離室の利用経験がない群との有意差があ りました。これらの状況は現在の状況であり、隔離室の利用は過去の状況であるため因果 関係は明確ではありません。 隔離室を利用したことによる影響についての自由記述では「わからない」「落ち着いた」 という回答が多く、「他害の心配がなくなった」という記述もありましたが、衛生環境や 看護やケアの状況が劣悪であったという意見や面会や連絡ができなくなったという記述もありました。また家族や病院との関係性が悪くなったり、入院を拒否するようになったと いう記述もみられ、隔離室の利用についても身体拘束と同様に最低限度に限られるべきであり、本人や家族への説明をしっかりと行う必要があることは言うまでもありません。

資料2 以下、「平成 30 年度精神障がい者の自立した地域生活の推進と家族が安心して生活できる ための効果的な家族支援等のあり方に関する全国調査 自由記述・分析」報告より抜粋
(2)身体拘束や隔離があった際の家族の気持ち
→問 39 の設問は「ご本人が身体拘束や隔離などの行動制限をされたとき、ご家族はどのような お気持ちでしたか」というものである。問 32(隔離室利用経験の有無)と、問 35(身体拘束 経験の有無)のどちらかで「(経験が)ある」と回答した人は 1,664 人(全体の 53.2%)であ り、この問 39 に回答した人は 939 人だったので、回答率は 56.4%となる。 KHcoder による分析の品詞別に抜き出したものでは、「しかたない」(別表記含む)164(「や むをえない」40)、「つらい」(別表記含む)150、「かわいそう」103、「悲しい」71 などの頻出 語句があった。 身体拘束などの状態を見て、家族としては止むを得ない面もありながら、辛く悲しいという 否定的な状態であったことが多いことが伺える。 表1 問 39 品詞別頻出語句 50 語 (回答数 939 人)
次に、テキストマイニングツール(コピーライトマーク 2007-2019 User Local,Inc.)を用いて、「名詞−動詞」 係り受け解析*を行った結果では、「仕方(がない)−思う」「かわいそう−思う」「面会−行 く」「ショック−受ける」「涙−出る」などの組み合わせが上位にきた(表2)。 表2 問 39「名詞−動詞」係り受け解析結果 参照。

2.自由記述の内容 ↓
○やむを得ない
→ ・病気の為他人、自分を傷つける事がある場合やむを得ないと思います。ただ、本人、家族に 必要性を説明し理解してもう事が大事だと思います。特に本人が理解していないと(病識が ない時)トラウマになり、事後の治療に悪影響を及ぼすと思います。 ・入院時は病状が悪かったので病院内において行動制限をやむなくされた事は、本人の状態の 事を考えるとやむを得ない事だったのではないかと母親としては考えています。けれど病院 内での事は外からはわからないし、見えない事なので一応治療とはいえ病院、医師の説明責 任はしっかり果たしてもらいたいと思います。 ・治療上やむを得ないけれど辛かった。 ・ある程度やむを得ないが、少しやりすぎ。 ・安全にすごすためやむを得ない ・できる事なら身体拘束はしてほしくないが、一時的にやむを得ない場合は仕方ないのかなと 思います。 つらい ・本人の状態を安定させるためということは解っていても隔離されることは家族はとてもつら い。ベッドもなく床にうすいマットをおいてあるだけで危険をさけての事と理解してはいて も大変粗末に扱われている感はぬぐえない。 ・悲しくつらい毎日でした。毎日、病院に行っていたのでかわいそうでしかたがなかった。 ・胸がひきさかれる。悲しい。つらい。 ・隔離室に我子が入った姿は、親として本当につらいものです。本人を傷つける行為から守る ため仕方がない処置とは思いますが、この質問をされている方々は精神障害の子を持ったこ とのある人なのでしょうか。自傷だけでなく、他者を傷つけることが無いとは言えない状況 ではやはり必要な処置とも思います。 ・もう20 年以上も前のことなのに、この問39 の質問を読んだだけで涙が出てきます。身体拘 束を目の当たりにしたときは本当に可哀想で、自宅に帰ってきてから泣きました。しかしな がら、身体拘束に到る直前というのは、家族にとって地獄のようにつらい時間だったので、 同時にほっとする気持ちもあり、その気持ちが家族としては又、つらいのです。 ・本人と同じくつらい思いをしました。
○悲しい→ ・悲しい、くやしい、人間ですから拘束はやめてほしい。(医者の判断であっても嫌!) ・辛い、悲しい気持ちで、毎日泣いておりました。 ・とても悲しい。自殺しかけて入院させたので、少しほっとする気もした。11 年前の事で、今 はだいぶおちついているけど、入院させたのが本当に良かったのかどうか、今でも自信がな い。母(私)が仕事をもっていて抜けられない事情があったが、せめてそばにいるという事ができなかったのかと後かいする気持もある。 ・問34 で答えた通り、悲しいとか、可愛そうと思うのみでした。どうしてこの様な病気になっ たのかと涙がとまりませんでした。 ・しばられ、ホリゾンを打たれた時、とても悲しい気持ち、申しわけない気持ちになった。必 要悪だと感じた。
○申し訳ない→ ・このような病気になったのは親の育て方、しつけ、親二人とも公務員から自営業に変わり超 多忙と夫婦仲の険悪(夫の感情の起伏のはげしさ)等がいろいろ重なり、この子にいろん な、しわよせがいってしまったのではという申し訳ない気持ちがいっぱいでした。 ・口惜しさと可哀想な姿に申し訳ない気持で一杯になる反面手がつけられない時の抑止として 使用してしまうギャップを感じる。拘束は涙が出る程くやしい!!物扱いとしか言い様がな い。女性なのに…。親として申し訳なく思う。拘束の説明もなくそれに対する程の行動はと っていなかった。 ・こんな苦しい思いをさせて大変申し訳ないと思いました。 ・本人に申し訳ないと思った。(やむをえないことであっても) ・それほどの状態でないのに、カギのかかる部屋に入れられ、申し訳ないことをしたと思いま した。
○苦しい→ ・精神的に自分の方が落ち込んで、今思うと苦しい毎日でした。 ・何とも言えないような辛くさびしい、苦しい気持ち。精神的に落ち着かない。 ・問34 に書いたとおり、本当につらくて苦しい事でしたが、息子の入院時に私の父が植物人間 状態で別の病院に入院して私が通って面倒みていた時でもあり、その事が息子の発病の要因 でもあって、家の中がめちゃくちゃで地獄でした。でも息子が私に言った「父さんごめん! 苦しめる事になって!」と泣きながらの言葉が、私を「なにくそ!」という気持ちにさせ た。 ・隔離の場合あまりにも、一ケ所の病室でなくもう少し、色々のケースでやさしい場はないか とみじめな思いかわいそうでいまでも思い出すと苦しいです。というのも51 才娘の場合は人 に害をあたえる行動はと一切ない状況ででたので。
○いたたまれない →・やりきれないと思い、可哀そうでいたたまれない、悲しいとしか云いようがなかった。 ・閉鎖病棟での入院。入院自体初めてのことだったので、大きなショックを受けた。本人の状 態がそんなにも悪いのかと思うと、いたたまれない気持ちになった。 ・3 回入退院をくり返したが、初回の時は精神病院に行ったこともなかったので、いきなり鉄 格子のあるような部屋に入れられたようで、親として、いたたまれない気持でした。早く隔離室から出られるよう祈っていたが、1 ヶ月位は入っていたようでした。長すぎると感じ た。何通も、子供から「退院したい」という手紙が届き、医者が患者とどう接しているのか 心配だった。退院まで10 ヶ月位、親も苦しかった。
○なさけない →・病院は環境が劣悪でつらく、なさけない気持ちでいっぱいだった。今思い出しても子供がか わいそうで、罪の意識にさいなまれている。 ・早く良くなって一般の所に行ってほしいし、出てこられるのか心配でした。なさけない気持 ちでした。 ・病院に任せてしまったことに、後悔したが、病院にお願いしないと、家族では何ともしてあ げられないことになさけない思いをしました。
○仕方ない →・調子が悪いのだから仕方ないと思っている。 ・ただ辛かった。なぜこんな所に入らなければ。でも治ると思ったので、仕方ない、治療の一 貫と思った。 ・身体拘束は当事者が暴れてしょうがなかったので、それも仕方ないかと思った。 ・先生が言われるから仕方ないと思いました。先生が言われるまま「そうか」と思い又「そう なのかな〜?」と疑問にも思ったけれど病院を診察した以上従うしかないと思った。
○せつない →・せつない気持ちでした。本人がかわいそうでした。でもしかたのない事だったのではと思っています。

資料3 【体験事例】 身体拘束に関する事例
1.母親からの相談
→ 18 歳の娘さんが精神科病院に入院した際に、身体拘束を受けオムツ使用となった。それ だけでもショックだったことに加えて、男性看護師からオムツ交換の処置を受けた。3 ヶ 月して退院したが、身体拘束、オムツ着用、男性看護師からオムツ交換をされた…これら の体験が頭から離れないようで、「こんな私は生きている価値がない」「死んでしまえば良 かった」「おまえのせいで入院させられて、あんなひどい目にあった」など、病状よりも入 院経験への嫌悪感で、部屋に閉じこもって泣いてばかりいる。どうしたらよいのか。
2.母親からの話し→ 数年間は、通院に行けずに部屋にこもっていて、母親が薬をもらいに行って服薬だけは 続けていたが、突然に暴れ出したので 110 番通報をした。警察官・保健所が立ち会い入院 となった。病院に着いた時には落ち着いて、医師とも会話ができる状態だったが、入院が 決まるとベッドに寝かされて身体拘束をされた。家族が、この状態で、なぜ拘束が必要な のかを尋ねると、「念のため」という回答だったが、今は落ち着いているのに…と、納得が いかなかった。
3.夫からの話し→ わが家は妻が双極症T型です。数年に 1 度、大きな躁状態を経験します。2020 年 4 月 に急性の錯乱状態に陥り、「夫に殺される」との妄想から 10 歳の娘と一緒に自宅トイレ内 に立て籠もり、自ら 110 番通報するようなエピソードがありました。 結局、通報を受けた警察官によって保護され、警察車両で精神科病院に搬送され、非自 発的入院(医療保護入院)となりました。 4〜5 人の警察官の付き添いが必要なほどの状態だったので、家族としては入院後の身体 拘束はやむを得ないのではないかという心境でしたが、新しくついた主治医は「拘束はせず、ひとまず隔離だけで様子を見る」との方針を打ち出してくれました。ただ、結果的に は隔離が解除できるまでに約 1 か月半の期間を要し、主治医とは後になって「もしかした ら搬送直後に鎮静をかけてしまった方が、早く回復できたかもしれない」といった話もし ました。 隔離されている間は、錯乱状態から身につけている衣服を全て脱いでしまうようなこと もあり、病棟には男性スタッフもいる中で夫としては複雑な気持ちにもなりました。治療 的な観点、その人の尊厳を守る観点、いずれにおいても、身体拘束が 100%悪いわけでは ないのではないか。急性錯乱状態に陥る可能性がある病態の当事者と生活をともにしてい る家族としての、率直な意見です。 一方で、日本の精神科病院で行われている行動制限は、長時間に渡り過ぎているとは感 じています。急性錯乱状態で搬送されてきた状況であれば、当日の数時間は治療的な意義 があると思いますが、解除あるいは解除に向けた解放観察は、もっと早期に実施されるべきと思います。 また、精神科病院入院後の対応のみを論じるのではなく、搬送の手段等も総合的に議論 すべきと思います。精神疾患は「病気」であるにもかかわらず、入院が必要な状況でも「救急車」が使用することができません。わが家も、搬送は「警察車両」でした。 本人は悪いことをしているわけではないのに、警察車両に乗せられるような状況は、錯 乱状態を一層悪化させると思います。これが救急車での搬送であれば、例え本人に病識が 乏しくとも、医療を受けに行くという認識が得られやすく、結果的に非自発的入院に至っ たとしても行動制限の程度や時間は、改善や短縮が見込まれるのではないでしょうか。行動制限の議論は、こうした周辺の事柄にも目を配りながら進めていただくことを強く望んでいます。

次回も続き「資料6 長谷川参考人提出資料」からです。



令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要 [2024年02月22日(Thu)]
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(令和6年2月6日)
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定については、令和6年2月6日(火)開催の「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第45回)」にて、これまでの議論を踏まえ、以下のとおり概要が取りまとめられました。↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37772.html
◎令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容→(案)が取れましたので。
1 障害福祉サービス等における横断的な改定事項↓

• 現行の処遇改善加算の一本化及び加算率の引き上げ ↓
<職種間配分ルールの統一、月額賃金改善に関する要件の見直し 等>
• 地域生活支援拠点等において、情報連携等を担うコーディネーターの配置 を評価する加算を創設   <地域生活支援拠点等機能強化加算【新設】500単位/月>
• 強度行動障害を有する障害者の受入体制の強化や、「中核的人材」の配置 や「集中的支援」について評価(生活介護・施設・グループホーム等)↓
<基礎研修受講者を20%以上配置し、区分6かつ行動関連項目10点以上の者に支援を 行った場合 360単位/日、集中的支援加算(T)【新設】1000単位/月 等>
• 感染症発生時に備えた医療機関との連携強化(施設等) ↓
<障害者支援施設等感染対策向上加算(T)【新設】10単位/月 等>
• 障害者虐待防止措置や身体拘束の適正化等、必要な基準を満たしていない 場合の減算の導入・見直し(全サービス共通)↓
<虐待防止措置未実施減算【新設】所定単位数の1%減算 等>
• 通所系サービスにおける食事提供加算の見直し ↓
<栄養面の評価を導入したうえで、経過措置を令和9年3月31日まで延長>
• 物価高騰を踏まえた施設における補足給付の基準費用額(食費・光熱水 費)の見直し↓
<基準費用額 54,000円 ⇒ 55,500円>
• 障害福祉現場の業務効率化(全サービス共通) ↓
<管理者の兼務範囲の見直し、テレワークの取扱いの明確化、申請書類の標準化 等>

2 訪問系サービス( 居宅介護・重度訪問介護・同行援護 ・行動援護・重度障害者等包括支援)↓
• 居宅介護の特定事業所加算に算定にあたり、重度障害児への対応を評価 ↓
<特定事業所加算の算定要件に重症心身障害児及び医療的ケア児への支援を追加>
• 入院中の重度訪問介護の利用について特別なコミュニケーション支援を必要 とする障害支援区分4及び5の利用者も対象に追加 ↓
<入院中の重度訪問介護利用の対象 区分6⇒ 区分4以上>
• 重度化・高齢化を踏まえた居宅介護・重度訪問介護の国庫負担基準の見直し ↓
<居宅介護の国庫負担基準に介護保険対象者の区分を追加 等>

3 日中活動系サービス (生活介護・短期入所)↓
• 生活介護においてサービス提供時間に応じた評価を導入↓
<生活介護の基本報酬の見直し。なお、サービス提供時間については、個別支援計画に定めた 個々の支援時間で算定することを基本とするなど一定の配慮を設ける>
• 医療的ケアが必要な者へ対応の評価(生活介護・施設・短期入所)  ↓
<人員配置体制加算(T)利用定員20人以下 321単位/日、喀痰吸引等実施加算【新設】30単位/日 等>
• 短期入所における緊急時の受け入れを更に評価↓
<緊急短期入所受入加算(T)180単位 ⇒ 270単位 等>
• 福祉型短期入所サービスにおける医療的ケア児者の受入れを促進 ↓
<医療型ケア対応支援加算【新設】120単位/日 等>

4 施設系・居住支援系サービス (施設入所支援・共同生活援助・自立生活援助)↓
• 施設のすべての入所者に対して、地域移行の意向を確認。グループホームの見学、 地域活動への参加等を評価 ↓
<意向確認に関する指針未作成の場合の減算 5単位/日、地域移行促進加算(U)【新設】60単位/日等>
• 施設における10人規模の利用定員の設定↓
<基本報酬で対応。生活介護も同様の対応>
• 施設から地域へ移行し、入所定員を減らした場合の加算を創設↓
<地域移行支援体制加算【新設】>
• グループホームから希望する一人暮らし等に向けた支援の評価 ↓
<自立生活支援加算(T)【新設】1000単位/月 等>
• 世話人の配置基準に応じた基本報酬区分を改め、サービス提供時間の実態に応じ て加算する報酬体系へ見直し  <グループホームの基本報酬の見直し>
• グループホーム等において地域連携推進会議を設置し、地域の関係者を含む外部 の目を定期的に入れる取組を義務づけ ↓
<運営基準に規定。ただし、令和6年度は努力義務とし、令和7年度から義務化>

5 訓練系サービス (自立訓練(機能訓練)・自立訓練(生活訓練))↓
• 社会生活の自立度評価指標(SIM)の活用と報酬上の評価 ↓
<個別計画訓練支援加算(T)【新設】47単位/日 等>
• ピアサポートの専門性の評価   <ピアサポート実施加算【新設】100単位/月>

6 就労系サービス (就労移行支援・就労継続支援A 型・就労継続支援B型・就労定着支援・就労選択支援)↓
• 就労移行支援事業所を定員10名以上から実施可能となるよう見直し↓
<利用定員規模 20人以上⇒ 10人以上>
• 就労継続支援A型のスコア方式について、生産活動収支や平均労働時間 に応じた評価となるよう項目を見直し ↓
<就労継続支援A型の基本報酬におけるスコア方式を見直し>
• 就労継続支援B型における平均工賃月額に応じた報酬体系について、よりメリハリをつけた報酬体系に見直し↓
 <就労継続支援B型の基本報酬の見直し、人員配置「6:1」の報酬体系の創設【新 設】、目標工賃達成加算【新設】10単位/日 等>
• 就労定着支援の基本報酬を就労定着率のみに応じた報酬体系に見直し↓
<就労定着支援の基本報酬の見直し>
• 就労選択支援の円滑な実施のための基本報酬・人員配置基準等の設定↓
<就労選択支援サービス費【新設】 1210単位/日>

7 相談系サービス (計画相談支援・障害児相談支援)↓
• 支援の質の高い相談支援事業所の整備を推進するため、機能強化型の基 本報酬を充実 <計画相談支援の基本報酬の見直し>
• 地域の中核的な相談支援事業所の主任相談支援専門員を更に評価 ↓
<主任相談支援専門員配置加算 100単位/月 ⇒ 主任相談支援専門員配置加算(T)(U) 300単位/月・100単位/月>
• 相談支援における医療等の多機関連携のための各種加算の拡充 ↓
<医療・保育・教育機関等連携加算 100単位/月 ⇒ 150〜300単位/月 等>

8 障害児支援 (児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援 ・保育所等訪問支援・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設)↓
• 児童発達支援センター等における中核機能を評価↓
<中核機能強化加算【新設】 22単位〜155単位/日 中核機能強化事業所加算【新設】 75単位〜187単位/日>
• 児童発達支援・放課後等デイサービスにおいて総合的な支援を推進↓
<総合的な支援の提供を基本とすることを運営基準に規定 等>
• 児童発達支援・放課後等デイサービスにおいてサービス提供時間に応じた評価を導入↓ <児発・    放デイの基本報酬の見直し >
• 支援ニーズの高い児への支援の評価を充実↓
<入浴支援加算【新設】55単位/日、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算【新設】100単位、 強度行動障害児支援加算 155単位/日 ⇒ 200又は250単位/日 等>
• 家族支援の評価を充実 ↓
<事業所内相談支援加算 80単位/月1回 ⇒ 家族支援加算 80単位/月4回(オンライン 60単位)、 延長支援加算の見直し 等>
• インクルージョン推進の取組への評価を充実(保育所等訪問支援の充実 等) ↓
<訪問支援員特別加算 679単位/日 ⇒ 700又は850単位/日>
• 障害児入所支援における小規模化や地域生活に向けた支援等への評価を充実↓
<小規模グループケア加算 240単位/日 ⇒ 186〜320単位/日 サテライト型 +308単位/日 ⇒ +378単位/日、移行支援計画の作成等を運営基準に規定 等>


◎令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要
令和6年2月6日   障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
○【 目 次 】↓

第1 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に係る基本的な考え方
第2 各サービスの報酬・基準に係る見直しの内容・・・・・・・・・8
1 障害福祉サービス等における横断的な改定事項
(1)経営実態等を踏まえた基本報酬の見直し
(2)福祉・介護職員等の処遇改善
(3)地域生活支援拠点等の機能の充実
(4)強度行動障害を有する障害者への支援体制の充実
(5)視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の拡充
(6)意思決定支援の推進
(7)本人の意向を踏まえたサービス提供(同性介助)
(8)障害者虐待防止の推進
(9)身体拘束等の適正化の推進
(10)個別支援計画の共有
(11)高次脳機能障害を有する者に対する報酬上の評価
(12)人員基準における両立支援への配慮等
(13)障害福祉現場の業務効率化等を図るためのICTの活用等
(14)業務継続に向けた感染症や災害への対応力の取組の強化
(15)障害者支援施設等における医療機関との連携強化・感染症対応力の向上
(16)情報公表未報告の事業所への対応
(17)地域区分の見直し
(18)補足給付の基準費用額の見直し
(19)食事提供体制加算の経過措置の取扱い
(20)施設入所者の送迎加算の取扱い

2 訪問系サービス
(1)居宅介護
(2)重度訪問介護
(3)同行援護
(4)行動援護
(5)重度障害者等包括支援
(6)訪問系サービスの国庫負担基準の見直し

3 日中活動系サービス
(1)生活介護
(2)短期入所

4 施設系・居住支援系サービス
(1)施設入所支援
(2)共同生活援助
(3)自立生活援助

5 訓練系サービス
(1)自立訓練(機能訓練)
(2)自立訓練(生活訓練)

6 就労系サービス
(1)就労移行支援
(2)就労継続支援A型
(3)就労継続支援B型
(4)就労定着支援
(5)就労系障害福祉サービスにおける横断的な改定事項
(6)就労選択支援

7 相談系サービス
(1) 計画相談支援・障害児相談支援

8 障害児支援
(1)児童発達支援
(2)放課後等デイサービス
(3)居宅訪問型児童発達支援
(4)保育所等訪問支援
(5)福祉型障害児入所施設
(6)医療型障害児入所施設
第3 終わりに


別紙1 障害福祉サービス等の基本報酬の見直しについて↓
[訪問系サービス]↓
居宅介護サービス費  重度訪問介護サービス費  同行援護サービス費
行動援護サービス費  重度障害者等包括支援サービス費
[日中活動系サービス] ↓
療養介護サービス費 生活介護サービス費 短期入所サービス費
[施設系・居住支援系サービス]↓
施設入所支援サービス費 共同生活援助サービス費 自立生活援助サービス費
[訓練系サービス]↓
機能訓練サービス費 生活訓練サービス費
[就労系サービス]↓
就労移行支援サービス費 就労継続支援A型サービス費 就労継続支援B型サービス費 就労定着支援サービス費 就労選択支援サービス費
[相談系サービス] ↓
計画相談支援費 障害児相談支援費 地域移行支援サービス費 地域定着支援サービス費
[障害児通所支援] ↓
児童発達支援給付費 放課後等デイサービス給付費 居宅訪問型児童発達支援給付費 保育所等訪問支援給付費
[障害児入所支援]↓
福祉型障害児入所施設給付費 医療型障害児入所施設給付費

別紙2 福祉・介護職員等処遇改善加算について
別紙3 地域区分について
別紙4 重度障害者支援加算の拡充
別紙5 共同生活援助における人員配置体制加算の創設について
別紙6 就労継続支援A型の基本報酬におけるスコア方式について
別紙7 児童発達支援センターの一元化


◎令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等の報酬算定構造
○(案)がとれましたので、ご自分の所属事業所を調べてください。
○就労継続支援B型サービス費↓
[基本部分]

イ 就労継続支援B型サービス 費(T) (6:1)
ロ 就労継続支援B型サービス 費(U) (7.5:1)
ハ 就労継続支援B型サービス 費(V) (10:1)
二 就労継続支援B型サービス 費(W) (6:1)
ホ 就労継続支援B型サービス 費(X) (7.5:1)
へ 就労継続支援B型サービス 費(Y) (10:1)

○「注」の減産部分↓
・身体拘束廃止未実施減算(障害者支援施設が行う就労継続支 援B型の場合)×965/1,00
・利用者の数 が利用定員 を超える場合×70/100
・又は生活支 援員の員数 が基準に満 たない場合:減算が適用 される月から 2月目まで ×70/100
3月以上連続 して減算の場 合 ×50/100
・サービス管理 責任者の員数が基準に満たない場合: 減算が適用される月から4月目まで ×70/
100 5月以上連続 して減算の場 合 ×50/100
・就労継続支 援B型計画等が作成されていない場 合: 減算が適用 される月から 2月目まで ×70
/100 3月以上連続 して減算の場 合 ×50/100
・身体拘束廃止未実施減算(障害者支 援施設が行う 就労継続支 援B型の場合)×90/100
・身体拘束廃止未実施減算(障害者支援施設以外が行う就労継続支援B型の場合)×99/100
・虐待防止措 置未実施減 算: ×99/100
・業務継続計 画未策定減 算: ×99/100
・情報公表未 報告減算: ×95/100
・短時間利用 減算: ×70/100 注1 就労継 続支援B型 サービス費(W)又は (X)(Y)を 算
定している 事業所を対 象とする

[加算部分]↓
・福祉専門職員配置等加算→イ〜ハ
・視覚・聴覚言語障害者支援 体制加算→(T) と(U)あり。
・高次脳機能障害者支援体制加算→(1日につき41単位を加算 )
・重度者支援体制加算→イ 重度者支援体制加算(T)ロ 重度者支援体制加算(U)
・初期加算→(利用開始日から30日を限度として、1日につき30単位を加算 )
・訪問支援特別加算(月2回を限 度)→(1)1時間未満 (2)1時間以上。
・欠席時対応加算(月4回を限度)→(1回につき94単位を加算 )
・就労移行支援 体制加算→イ就労移行支 援体制加算(T)(6:1)(7.5:1)  ロ就労移行支 援体制
加算(U)(10:1) ハ 就労移行支 援体制加算(V)(6:1)(7.5:1)
・就労移行連携加算→(1回につき1,000単位を加算 )
・目標工賃達成指導員配置加算→イ〜ホ(定員ごとの設定)
・目標工賃達成加算→(1日につき10単位を加算 )
・医療連携体制加算→イ〜 ヘ
・利用者負担上限額管理加算(月1回を限度)→(1回につき150単位を加算 )
・食事提供体制加算→1日につき30単位を加算 )
・送迎加算→(T)と(U)片道分。21と10単位。
・障害福祉サービスの体験利用支 援加算→(T)500(U)250単位。
・在宅時生活支援サービス加算→(1日につき300単位を加算 )
・社会生活支援特別加算→(1日につき480単位を加算 )
・地域協働加算→(1日につき30単位を加算 )
・ピアサポート実施加算→(1月につき100単位を加算 )
・緊急時受入加算→(1日につき100単位を加算 )
・集中的支援加算(月4回を限度)→(1回につき1,000単位を加算 )
・福祉・介護 職員等処遇 改善加算→イ〜 ホ。(T)〜(X)まで。
・福祉・介護職員 処遇改善加算→注3 令和6年5月31日まで算定可能
・福祉・介護職員 等特定処遇改 善加算→注3 令和6年5月31日まで算定可能
・福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算→注2 令和6年5月31日まで算定可能

次回は新たに「第44回労働政策審議会人材開発分科会(オンライン会議)」からです。

第45回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料 [2024年02月19日(Mon)]
第45回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料(令和6年2月6日)
議題: 1. 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)について 2. その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37731.html
◎資料3 令和6年度障害福祉サービス費等の報酬算定構造(案)↓
◎支援サービス費・給付費は30別に分かれ、「生活介護サービス費」で見てみます。
○居宅介護サービス費
○重度訪問介護サービス費
○同行援護サービス費
○行動援護サービス費
○重度障害者等包括支援サービス費
○療養介護サービス費

○生活介護サービス費↓
・イ生活介護サービス費(基本部分)→(1)定員5人以下〜(10)定員81人以上⇒「3時間未満」から8時間以上9時 間未満までの「5つの区分」に対応する「単位」一覧あり。
・ロ 共生型生活介護サービス費(T、Uの単価)あり。
・ハ 基準該当生活介護サービス(T、Uの単価)あり。
・人員配置体制加算(4段階の人員加算。)
・福祉専門職員配置等加算→変わらず。
・常勤看護職員等配置 加算→(1)定員5人以下〜(10)定員81人以上⇒看護職員の配置人数を乗じた単位数を加算
・視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(T、Uの単価)あり。
・高次脳機能障害者支援体制加算(1日につき41単位を加算
・初期加算
・訪問支援特別加算(月2回を限度)
・欠席時対応加算(月4回を限度)
・重度障害者支援加算→イ〜ハ
・リハビリテーション加算
・利用者負担上限額管理加算(月1回を限度)
・食事提供体制加算
・緊急時受入加算(1日につき100単位を加算 )
・延長支援加算
・送迎加算
・障害福祉サービスの体 験利用支援加算
・就労移行支援体制加 算
・入浴支援加算
・喀痰吸引等実施加算
・栄養スクリーニング加 算(6月に1回を限度として、5単位を加算 )
・栄養改善加算
・集中的支援加算 (月4回を限度)(1回につき1,000単位を加算
・福祉・介護職員等処遇改善加算→イ〜ホまであり。
・福祉・介護職員処 遇改善加算→ 注3 令和6年5月31日まで算定可能
・福祉・介 護職員等特定処遇改善加算→ 注3 令和6年5月31日まで算定可能
・福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算→ 注3 令和6年5月31日まで算定可能
・注として→「身体拘束廃止未実施減算」「 虐待防止措置未実施減算」「業務継続計画未策定減算」「 情報公表未報告減算」⇒平成8年度までにこの実態を把握する。


○短期入所サービス費
○施設入所支援サービス費
○共同生活援助サービス費
○自立生活援助サービス費
○機能訓練サービス費
○生活訓練サービス費
○宿泊型自立訓練サービス費
○就労移行支援サービス費
○就労移行支援(養成)サービス費
○就労継続支援A型サービス費
○就労継続支援B型サービス費
○ 就労定着支援サービス費
○就労選択支援サービス費
○計画相談支援給付費
○障害児相談支援給付費
○地域相談支援給付費(地域移行支援)
○地域相談支援給付費(地域定着支援)
○児童発達支援給付費(令和9年3月31日までの間の経過的サービス費)
○放課後等デイサービス給付費
○居宅訪問型児童発達支援給付費
○保育所等訪問支援給付費
○福祉型障害児入所施設給付費
○医療型障害児入所施設給付費

◆以上20の支援サービス費・10の支援給付費で30部門の支援費となっている。
ここでは、「生活介護サービス費」のみに触れましたが、いずれも同じ構造になっています。
自分の所属事業所を勘案しながら、サービス費の収支を明らかにするように期待します。
特に、就労継続支援A型作業所の過去3年間の収支状況で「減算」になるかどうか、期待して見守っていきたいと思います。

次回は新たに「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」からです。

第45回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料 [2024年02月18日(Sun)]
第45回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料(令和6年2月6日)
議題: 1. 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)について 2. その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37731.html
◎資料2 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)
令和6年2月6日   障害福祉サービス等報酬改定検討チーム
○【 目 次 】↓
第1 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に係る基本的な考え方
1.これまでの経緯
→・ 障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)の施行から17 年が経過、現在、障害福祉サービス等の利用者は約150 万人、国の予算額は約2兆円、施行時と比較すると、それぞれ約3倍以上。 ・令和3年12 月に「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しにつ いて〜 中間整理 〜」がとりまとめられ、同報告書に基づき児童福祉法等の 一部改正が行われ、さらに令和4年6月に「障害者総合支援法改正法施行後3 年の見直しについて〜社会保障審議会 障害者部会 報告書〜」がとりまとめられた。同報告書に基づき、障害者総合支援法・精神保健福祉法等の一部改正 が行われたが、障害福祉サービス等報酬の改定により対応すべき事項についても、同報告書において指摘されている。
・またこの間、「障害児通所支援に関する検討会」や「地域で安心して暮らせ る精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」、「強度行動障害を有する者の 地域支援体制に関する検討会」等の各種検討会における報告書等がとりまとまり、これを踏まえた対応が求められている。 さらに、昨年5月には、令和6年度から令和8年度までの第7期障害福祉計 画及び第3期障害児支援計画を作成するための基本方針が示された。
・このような状況の中、障害福祉分野における賃上げをはじめとする人材確保 への対応は喫緊かつ重要な課題、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支 え手が減少する中での人材確保の必要性等を踏まえ、利用者が必要なサービス を受けられるよう、必要な処遇改善の水準の検討を含め、必要な対応を行うこ とが重要な課題。 ・ 障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおいては、昨年5月から18 回に わたって議論を行い、この間49 の関係団体からヒアリングを実施した上で、 個々のサービスの現状と論点を整理しながら検討を積み重ねてきた。 11 月には令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果を公表し、12 月6 日には、「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性につい て」をとりまとめ、この「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」は、上記の経緯等も 踏まえつつ、これまでの検討内容を整理し、取りまとめたものである

2.令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な考え方→・ 昨年末の令和6年度予算の編成過程において、令和6年度障害福祉サービス 等報酬改定の改定率は全体で+1.12%(改定率の外枠で処遇改善加算の一本化 の効果等があり合わせれば改定率+1.5%を上回る水準)、経営実態を 踏まえたサービスの質等に応じたメリハリのある報酬設定を行うこととされた。 また、既存の加算の一本化による新たな処遇改善加算の創設に当たっては、 今般新たに追加措置する処遇改善分を活用し、障害福祉の現場で働く方々にと って、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につ ながるよう、配分方法の工夫を行う、今回の改定が、福祉・介護職員 の処遇改善に与える効果について、実態を把握することとされた。 今回の報酬改定では、処遇改善分について2年分を措置し、3年目の対応に ついては、上記の実態把握を通じた処遇改善の実施状況等や財源とあわせて令 和8年度予算編成過程で検討することとされた。 ・ これを踏まえ、喫緊かつ重要な課題である人材確保対策について必要な処遇 改善を行う、障害者が希望する地域生活の実現、多様なニーズに応える専門性・体制の評価、支援時間・内容を勘案したきめ細かい評価、アウトカムに基づく評価等について、取り組んでいく必要がある。このため、以下の基 本的な考え方に基づき、各サービスの報酬・基準についての見直しを行う。 ↓

(1)障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり↓
@ 障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実→・ 障害者の入所施設や病院からの地域移行を進め、障害者がどの地域におい ても安心して地域生活を送れるよう、地域生活支援拠点等の整備の推進、グ ループホームにおける一人暮らし等の希望の実現、支援の実態に応じた適切 な評価の実施、障害の重度化や障害者の高齢化などの地域ニーズへの対応等 を行う。・ 障害者が希望する生活を実現するために重要な役割を担う相談支援について質の向上や提供体制の整備を図るとともに、障害者本人の意思を尊重し、 選択の機会を確保するため、意思決定支援を推進。 ・ 特別な支援を必要とする強度行動障害を有する障害者等への支援体制の 充実を図る
A 医療と福祉の連携の推進→・精神保健福祉法改正に伴い、精神障害者等が地域社会の一員として安心し て自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、就労等の社会参加、地域の助け合い、教育・普及啓発が包括的に確保さ れた「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を一層推進する 観点から、入院から退院後の地域生活まで医療と福祉等による切れ目のない 支援を行えるよう、 医療と障害福祉サービス等との連携を一層進めるため の仕組みに対する評価を行う。

(2)社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応↓
@ 障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築→・ 児童発達支援センターを中核に、身近な地域でニーズに応じた必要な発達 支援が受けられる体制整備を進めるとともに、地域の障害児支援体制の充実 を図る。適切なアセスメントとこどもの特性を踏まえた総合的な支援・専門的な支 援や関係機関との連携強化等を進め、個々の特性や状況に応じた質の高い発 達支援の提供を推進。 ・ 医療的ケア児や重症心身障害児、強度行動障害を有する児をはじめ、より 専門的な支援が必要な障害児への支援の充実を図り、障害特性に関わらず地 域で安心して暮らし育つことができる環境整備を進める。 ・ 養育支援や預かりニーズへの対応など、保護者・きょうだいへの家族支援 を推進し、家族全体のウェルビーイングの向上を図る。 ・ 保育所等への支援を行いながら併行通園や保育所等への移行を推進するな ど、インクルージョンの取組を推進し、障害の有無に関わらず全てのこども が共に育つ環境整備を進める。 ・ 障害児入所支援⇒家庭的な養育環境の確保と専門的支援の充実、 成人期に向けた移行支援の強化を図り施設での障害の育ちと暮らしを支え る。
A 障害者の多様なニーズに応じた就労の促進。・ 障害者の一般就労への移行や就労支援施策は着実に進展している中で、さらに障害者の就労を支援するため、事業の安定的、効率的な実施、生産活動 収支や工賃の改善を図る。 ・ 本人の就労ニーズや能力・適性とともに、就労に必要な支援や配慮を整理、個々の状況に応じた適切な就労につなげる新しい障害福祉サービスの就労選択支援の円滑な実施に向けて対象者等の要件について整備。

(3)持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し →・サービス提供事業者や自治体の事務・手続き等の負担軽減の観点から、事務簡素化等に取り組む。 ・ 障害者虐待の防止・権利擁護のため、身体拘束適正化の徹底や同性介助の 推進を図る。・ 障害福祉サービス等の持続可能性の確保の観点から、長期化した経過措置 への対応の検討なども含め、メリハリのきいた報酬体系とするとともに、サ ービスの内容・質に応じた評価や、透明性の向上を図る。

3.令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の施行時期 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定→令和6年4月1日施行(就 労選択支援に関する改定事項については、令和7年10 月1日施行)。ただ し、今般新たに追加措置する福祉・介護職員の処遇改善分及び処遇改善加算等の 一本化は、令和6年6月1日施行とする。

第2 各サービスの報酬・基準に係る見直しの内容
1 障害福祉サービス等における横断的な改定事項↓

(1)経営実態等を踏まえた基本報酬の見直し
(2)福祉・介護職員等の処遇改善
(3)地域生活支援拠点等の機能の充実
(4)強度行動障害を有する障害者への支援体制の充実
(5)視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の拡充
(6)意思決定支援の推進
(7)本人の意向を踏まえたサービス提供(同性介助)
(8)障害者虐待防止の推進
(9)身体拘束等の適正化の推進
(10)個別支援計画の共有
(11)高次脳機能障害を有する者に対する報酬上の評価
(12)人員基準における両立支援への配慮等
(13)障害福祉現場の業務効率化等を図るためのICTの活用等
(14)業務継続に向けた感染症や災害への対応力の取組の強化
(15)障害者支援施設等における医療機関との連携強化・感染症対応力の向上
(16)情報公表未報告の事業所への対応
(17)地域区分の見直し
(18)補足給付の基準費用額の見直し
(19)食事提供体制加算の経過措置の取扱い
(20)施設入所者の送迎加算の取扱い

2 訪問系サービス↓
(1)居宅介護  (2)重度訪問介護  (3)同行援護  (4)行動援護
(5)重度障害者等包括支援  (6)訪問系サービスの国庫負担基準の見直し

3 日中活動系サービス↓
(1)生活介護  (2)短期入所

4 施設系・居住支援系サービス↓
(1)施設入所支援  (2)共同生活援助  (3)自立生活援助

5 訓練系サービス就労継続支援B型サービス費↓
(1)自立訓練(機能訓練) (2)自立訓練(生活訓練)

6 就労系サービス就労継続支援B型サービス費↓
(1)就労移行支援  (2)就労継続支援A型  (3)就労継続支援B型
(4)就労定着支援  (5)就労系障害福祉サービスにおける横断的な改定事項
(6)就労選択支援

7 相談系サービス →  (1)計画相談支援・障害児相談支援

8 障害児支援 ↓
(1)児童発達支援  (2)放課後等デイサービス  (3)居宅訪問型児童発達支援
(4)保育所等訪問支援  (5)福祉型障害児入所施設  (6)医療型障害児入所施設

第3 終わりに→令和6年度障害福祉サービス等報酬改定においては、客観性・透明性の向上を図るため、前回改定に引き続き、厚生労働省内に設置した検討チームにおいて、有識者の参画を得て公開の場で検討を行った。
・ 今回の報酬改定に係る検討を行う中で出た意見等を踏まえ、以下の事項について、引き続き検討・検証を行う
。→ @ 障害者支援施設の在り方について⇒・ 障害者支援施設の在り方についての検討を進めるため、令和6年度にお いて、今後の障害者支援施設が担う役割や機能等に関して整理しつつ、更 なる地域移行を進めていくための調査研究の実施や検討の場を設ける。 A 共同生活援助における支援の質の確保について⇒・ 共同生活援助における障害者の特性に応じた支援や、サービスの質を評 価するための具体的な基準の在り方について、支援に関するガイドライン の策定や、管理者、従業者等に対する資格要件や研修の導入等について、 令和6年度以降検討する。 B 共同生活援助における個人単位で居宅介護等を利用する場合の経過措置 の取扱いについて⇒・ 今年度末までの経過措置とされていた、共同生活援助を利用する重度の 障害者が個人単位で居宅介護等を利用することについては、引き続きその在り方を検討する。 C 障害福祉サービスの地域差の是正について⇒・ 障害福祉サービスの地域差を是正し、サービスの供給が計画的かつ効率 的に行われる方策について、必要なサービスが公平かつ適正に提供されるよう、共同生活援助における総量規制も含めた地域の実態や地域移行の状 況を踏まえた事業所指定の在り方について検討する。 D 計画相談支援及び障害児相談支援について⇒・ 相談支援事業所における手話通訳士等によるコミュニケーション支援の 実態を把握するとともに、コミュニケーション支援の体制を確保する方策 について検討。 E 質の高い障害児支援の確保について⇒・ 質の高い障害児支援の提供を推進するため、支援に当たる人材の配置や 評価の在り方について検討。 ・ 障害児相談支援について、セルフプランの状況等も踏まえながら、必要な質・量を確保する方策について、引き続き検討。 F 障害福祉サービスの公平で効率的な制度の実現について⇒・ 障害福祉サービスについて、障害者が希望する地域生活を実現するとと もに、多様化する利用者のニーズに応じて質の確保・向上を図る必要がある。こうした中で、制度の持続可能性を確保する観点から、サービス間・ 制度間の公平性を踏まえ、報酬改定におけるサービスの質等に応じたメリ ハリある報酬設定等、公平で効率的な制度の実現に向けた検討を行う。 G 処遇改善の実態把握等について⇒・ 今回の改定が、福祉・介護職員の処遇改善に与える効果について、実態を把握する。 ・ 今回の報酬改定では、処遇改善分について2年分を措置し、3年目の対応については、上記の実態把握を通じた処遇改善の実施状況等や財源とあ わせて令和8年度予算編成過程で検討。 H 経営実態調査のさらなる分析について⇒・ 次回の障害福祉サービス等報酬改定に向けては、障害福祉事業所・施設 の経営実態等をより適切に把握できるよう、「障害福祉サービス等経営概況 調査」や「障害福祉サービス等経営実態調査」において、特別費用や特別 収益として計上されている経費の具体的な内容が明確になるよう、調査方法を見直し、次回以降の調査に反映させる。 I 食事提供体制加算等について⇒・食事提供時における栄養面での配慮を行うための要件を新たに設け令和9年3月31日まで経過措置を延長とするが、他制度とのバランス、在宅で生活する障害者等との公平性等の 観点も踏まえつつ、今後、経過措置の実施状況や効果を踏まえた上で、更 に検討を深める。 ・ 児童発達支援センターの、自園調理を前提とした基準(調理室の設置、 栄養士等の配置)について、今後、構造改革特別区域法に基づく特例措置 の全国展開に関する検討に対応することとし、同特例措置の実施状況や現 場の支援の状況等も踏まえながら、更に検討を深める。 J 補足給付の在り方について⇒・ 施設入所者に対する補足給付の在り方については、他制度とのバランス、 在宅で生活する障害者との公平性等の観点も踏まえ、引き続き検討。 K 事業者が提出する各種様式等の簡素化・標準化について⇒・ 障害福祉サービス等事業者が障害者総合支援法等の規定に基づいて地方 公共団体に対して提出する指定申請関連文書等について、令和5年度中に 作成する標準様式等の普及の状況等を踏まえ、標準様式等の使用の基本原 則化について検討を行う。 また、令和6年度に電子的に申請・届出を可能とするためのシステムの 整備に向けて検討する。

○別紙1 障害福祉サービス等の基本報酬の見直しについて↓
[訪問系サービス]→居宅介護サービス費 重度訪問介護サービス費 同行援護サービス費 行動援護サービス費 重度障害者等包括支援サービス費
[日中活動系サービス]→療養介護サービス費 生活介護サービス費 短期入所サービス費
[施設系・居住支援系サービス]→施設入所支援サービス費 共同生活援助サービス費 自立生活援助サービス費
[訓練系サービス]→機能訓練サービス費 生活訓練サービス費
[就労系サービス]→就労移行支援サービス費 就労継続支援A型サービス費 就労継続支援B型サービス費 就労定着支援サービス費 就労選択支援サービス費
[相談系サービス]→計画相談支援費 障害児相談支援費 地域移行支援サービス費 地域定着支援サービス費
[障害児通所支援]→児童発達支援給付費 放課後等デイサービス給付費 居宅訪問型児童発達支援給付費 保育所等訪問支援給付費
[障害児入所支援]→福祉型障害児入所施設給付費 医療型障害児入所施設給付費

○別紙2 福祉・介護職員等処遇改善加算について→新基準(T〜W、ベースアップ等統一基準設定。R6年度から)
○別紙3 地域区分→令和6〜8年度における地域区分の適用地域(障害者サービス)
○別紙4 重度障害者支援加算の拡充→「現行」と「見直し後」⇒@生活介護・施設入所支援の場合 A短期入所の場合 B共同生活援助の場合
○別紙5 共同生活援助における人員配置体制加算の創設について→(介護サービス包括型)(日中サービス支援型)(外部サービス利用型)
○別紙6 就労継続支援A型の基本報酬におけるスコア方式について→T 労働時間 U 生産活動 V 多様な働き方 W 支援力向上 X 地域連携活動 Y 経営改善計画【新規】Z 利用者の知識・能力の向上【新規】  見直し後のスコア表あり。 参照。
○別紙7 児童発達支援センターの一元化(一元化後の児童発達支援センターの人員基準・設備基準について)→改正後(一元化後)の基準(令和6年4月以降〜) 参照。

次回も続き「資料3 令和6年度障害福祉サービス費等の報酬算定構造(案)」からです。

第45回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料 [2024年02月17日(Sat)]
第45回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料(令和6年2月6日)
議題: 1. 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)について 2. その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37731.html
◎資料1 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(案)
○令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(案)
1 障害福祉サービス等における横断的な改定事項↓

• 現行の処遇改善加算の一本化及び加算率の引き上げ <職種間配分ルールの統一、月額賃金改善に関する要件の見直し 等>
• 地域生活支援拠点等において、情報連携等を担うコーディネーターの配置 を評価する加算を創設 <地域生活支援拠点等機能強化加算【新設】500単位/月>
• 強度行動障害を有する障害者の受入体制の強化や、「中核的人材」の配置 や「集中的支援」について評価(生活介護・施設・グループホーム等) <基礎研修受講者を20%以上配置し、区分6かつ行動関連項目10点以上の者に支援を行った場合 360単位/日、集中的支援加算(T)【新設】1000単位/月 等>
• 感染症発生時に備えた医療機関との連携強化(施設等) <障害者支援施設等感染対策向上加算(T)【新設】10単位/月 等>
• 障害者虐待防止措置や身体拘束の適正化等、必要な基準を満たしていない場合の減算の導入・見直し(全サービス共通)<虐待防止措置未実施減算【新設】所定単位数の1%減算 等>]
• 通所系サービスにおける食事提供加算の見直し <栄養面の評価を導入したうえで、経過措置を令和9年3月31日まで延長>
• 物価高騰を踏まえた施設における補足給付の基準費用額(食費・光熱水 費)の見直し <基準費用額 54,000円 ⇒ 55,500円>
• 障害福祉現場の業務効率化(全サービス共通) <管理者の兼務範囲の見直し、テレワークの取扱いの明確化、申請書類の標準化 等>

2 訪問系サービス( 居宅介護・重度訪問介護・同行援護 ・行動援護・重度障害者等包括支援)↓
• 居宅介護の特定事業所加算に算定にあたり、重度障害児への対応を評価 <特定事業所加算の算定要件に重症心身障害児及び医療的ケア児への支援を追加>
• 入院中の重度訪問介護の利用について特別なコミュニケーション支援を必要 とする障害支援区分4及び5の利用者も対象に追加 <入院中の重度訪問介護利用の対象 区分6⇒ 区分4以上>
• 重度化・高齢化を踏まえた居宅介護・重度訪問介護の国庫負担基準の見直し <居宅介護の国庫負担基準に介護保険対象者の区分を追加 等>

3 日中活動系サービス (生活介護・短期入所)↓
• 生活介護においてサービス提供時間に応じた評価を導入 <生活介護の基本報酬の見直し。なお、サービス提供時間については、個別支援計画に定めた 個々の支援時間で算定することを基本とするなど一定の配慮を設ける>
• 医療的ケアが必要な者へ対応の評価(生活介護・施設・短期入所) <人員配置体制加算(T)利用定員20人以下 321単位/日、喀痰吸引等実施加算【新設】30単位/日 等>
• 短期入所における緊急時の受け入れを更に評価 <緊急短期入所受入加算(T)180単位 ⇒ 270単位 等> • 福祉型短期入所サービスにおける医療的ケア児者の受入れを促進 <医療型ケア対応支援加算【新設】120単位/日 等>

4 施設系・居住支援系サービス (施設入所支援・共同生活援助・自立生活援助)↓
• 施設のすべての入所者に対して、地域移行の意向を確認。グループホームの見学、 地域活動への参加等を評価 <意向確認に関する指針未作成の場合の減算 5単位/日、地域移行促進加算(U)【新設】60単位/日等>
• 施設における10人規模の利用定員の設定 <基本報酬で対応。生活介護も同様の対応>
• 施設から地域へ移行し、入所定員を減らした場合の加算を創設 <地域移行支援体制加算【新設】>
• グループホームから希望する一人暮らし等に向けた支援の評価 <自立生活支援加算(T)【新設】1000単位/月 等>
• 世話人の配置基準に応じた基本報酬区分を改め、サービス提供時間の実態に応じ て加算する報酬体系へ見直し <グループホームの基本報酬の見直し>
• グループホーム等において地域連携推進会議を設置し、地域の関係者を含む外部 の目を定期的に入れる取組を義務づけ <運営基準に規定。ただし、令和6年度は努力義務とし、令和7年度から義務化>

5 訓練系サービス (自立訓練(機能訓練)・自立訓練(生活訓練))↓
• 社会生活の自立度評価指標(SIM)の活用と報酬上の評価 <個別計画訓練支援加算(T)【新設】47単位/日 等> • ピアサポートの専門性の評価 <ピアサポート実施加算【新設】100単位/月>

6 就労系サービス(就労移行支援・就労継続支援A 型・就労継続支援B型・就労定着支援・就労選択支援)↓
• 就労移行支援事業所を定員10名以上から実施可能となるよう見直し <利用定員規模 20人以上⇒ 10人以上>
• 就労継続支援A型のスコア方式について、生産活動収支や平均労働時間 に応じた評価となるよう項目を見直し <就労継続支援A型の基本報酬におけるスコア方式を見直し>
• 就労継続支援B型における平均工賃月額に応じた報酬体系について、よりメリハリをつけた報酬体系に見直し <就労継続支援B型の基本報酬の見直し、人員配置「6:1」の報酬体系の創設【新設】、目標工賃達成加算【新設】10単位/日 等>
• 就労定着支援の基本報酬を就労定着率のみに応じた報酬体系に見直し <就労定着支援の基本報酬の見直し>
• 就労選択支援の円滑な実施のための基本報酬・人員配置基準等の設定 <就労選択支援サービス費【新設】 1210単位/日>

7 相談系サービス (計画相談支援・障害児相談支援)↓
• 支援の質の高い相談支援事業所の整備を推進するため、機能強化型の基本報酬を充実 <計画相談支援の基本報酬の見直し>
• 地域の中核的な相談支援事業所の主任相談支援専門員を更に評価 <主任相談支援専門員配置加算 100単位/月 ⇒ 主任相談支援専門員配置加算(T)(U) 300単位/月・100単位/月>
• 相談支援における医療等の多機関連携のための各種加算の拡充 <医療・保育・教育機関等連携加算 100単位/月 ⇒ 150〜300単位/月 等>

8 障害児支援 (児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援 ・保育所等訪問支援・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設)↓
• 児童発達支援センター等における中核機能を評価 <中核機能強化加算【新設】 22単位〜155単位/日 中核機能強化事業所加算【新設】 75単位〜187単位/日>
• 児童発達支援・放課後等デイサービスにおいて総合的な支援を推進 <総合的な支援の提供を基本とすることを運営基準に規定 等>
• 児童発達支援・放課後等デイサービスにおいてサービス提供時間に応じた評価を 導入 <児発・放デイの基本報酬の見直し >
• 支援ニーズの高い児への支援の評価を充実 <入浴支援加算【新設】55単位/日、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算【新設】100単位、 強度行動障害児支援加算 155単位/日 ⇒ 200又は250単位/日 等>
• 家族支援の評価を充実 <事業所内相談支援加算 80単位/月1回 ⇒ 家族支援加算 80単位/月4回(オンライン 60単位)、 延長支援加算の見直し 等>
• インクルージョン推進の取組への評価を充実(保育所等訪問支援の充実 等) <訪問支援員特別加算 679単位/日 ⇒ 700又は850単位/日>
• 障害児入所支援における小規模化や地域生活に向けた支援等への評価を充実 <小規模グループケア加算 240単位/日 ⇒ 186〜320単位/日 サテライト型 +308単位/日 ⇒ +378単位/日、移行支援計画の作成等を運営基準に規定 等>

○以下↓上記↑の細部です。
○福祉・介護職員等処遇改善加算について@↓
・概要
→障害福祉現場で働く方々にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながる よう加算率の引上げを行う。福祉・介護職員等の確保に向けて、福祉・介護職員の処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用さ れるよう推進する観点から、福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算、福祉・介護職員 等ベースアップ等支援加算について、現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化を行う。 就労定着支援の就労定着支援員、自立生活援助の地域生活支援員、就労選択支援の就労選択支援員を、処遇改善 加算等の対象に加える。
・算定要件等→新加算(T〜W)は、加算・賃金改善額の職種間配分ルールを統一。(福祉・介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める。)
新加算のいずれの区分を取得している事業所においても、新加算Wの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てること を要件とする。 ※ それまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合には、ベースアップ等支援加算相当 分の加算額については、その2/3以上を月額賃金の改善として新たに配分することを求める。

○地域生活支援拠点等の機能の充実
○拠点コーディネーターの配置によるコーディネート機能の体制整備の評価
○障害者支援施設からの地域移行に向けた取組の全体像(イメージ)
○強度行動障害を有する障害者等への支援体制の充実
○障害者の意思決定支援を推進するための方策
○障害者虐待の防止・権利擁護
○障害福祉現場の業務効率化
→<各種様式等の簡素化・標準化>⇒令和5年度中にサービス類型ごとに、標準様式等を作成することとしており、標準様式等を作成後、地方公共団体に対して 活用を促し、令和6年度以降、その普及の状況等を踏まえ、標準様式等の使用の基本原則化について検討を行うこととしている。令和6年度に「電子的に申請・届出を可能とするためのシステムの整備」に向けた検討を実施する予定。
○業務継続に向けた感染症や災害への対応力の取組の強化→感染症又は非常災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算。その 際、一定程度の取組を行っている事業所に対し経過措置を設けることとする。
○障害者支援施設等における医療機関との連携強化・感染症対応力の向上→@ 感染症発生時に備えた平時からの対応 A 新興感染症等の発生時に施設内療養を行う障害者支援施設等への対応
○情報公表未報告の事業所への対応→障害福祉サービ ス等情報公表システム上、未報告となっている事業所に対する「情報公表未報告減算」を創設。
○地域区分の見直し→令和8年度末までの延長を認める。
○障害の重度化や障害者の高齢化など、訪問系サービスにおける地域のニーズへの対応→@通院等介助等の対象要件の見直し(居宅介護)A熟練従業者による同行支援の見直し(重度訪問介護)A熟練従業者による同行支援の見直し(重度訪問介護)C訪問系サービスの国庫負担基準の見直し 参照。
○重度障害者が入院した際の特別なコミュニケーション支援の充実→@入院中の重度訪問介護利用の対象拡大A入院中の重度訪問介護利用における入院前の医療と障害福祉の連携した支援への評価  参照。
○生活介護における支援の実態に応じた報酬の見直し→@ 基本報酬区分の見直し(サービス提供時間ごとの基本報酬の設定・福祉専門職員配置等加算の算定方法の見直し)A 基本報酬区分の見直し(利用定員規模ごとの基本報酬の設定)B 延長支援加算の拡充C 食事提供加算の見直し 参照。
○医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケアの体制の充実等→生活介護、障害者支援施設、短期入所についての「サービス名 」「項目」「 改定概要」一覧表 あり。
○障害者支援施設における地域移行を推進するための取組→@ 運営基準の見直し(地域移行及び施設外の日中サービス利用の意向を確認)A 基本報酬の見直しB 地域生活への移行を推進するための評価の拡充。 参照。
○グループホームから希望する一人暮らし等に向けた支援の充実→@グループホーム入居中における一人暮らし等に向けた支援の充実Aグループホーム退居後における支援の評価
○共同生活援助における支援の実態に応じた報酬の見直し→@〜➃ 参照。
○共同生活援助における支援の質の確保(地域との連携)→運営基準に各事業所に地域連携推進会議を設置して、地域の関係者を含む外部の目(又は第三者による 評価)を定期的に入れる取組を義務づける。(施設入所支援も同様)
○自立生活援助・地域移行支援・地域定着支援の充実→@〜➃ 参照。
○地域における自立した生活を送るための機能訓練・生活訓練の充実等→@〜E。高次脳機能障害を有する者への支援に対する評価の項  参照。
○就労移行支援事業の安定的な事業実施→定員10名以上からでも実施可能。支援計画会議実施加算の見直し 参照。
○就労継続支援A型の生産活動収支の改善と効果的な取組の評価→スコア方式による評価項目の見直し⇒新たにスコア方式に経営改善計画に基づく取組を行っていない場合の減点項目を設ける。
○就労継続支援B型の工賃向上と効果的な取組の評価→「平均工賃の水準に応じた報酬体系の見直し」⇒【短時間利用減算】(新設)所定単位数の70%算定⇒利用時間が4時間未満の利用者が全体の5割以上 である場合。ピアサポート実施加算など3加算あり。 「平均工賃月額の算定方法の見直し」⇒【新算定式】年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数÷年間開所日数)÷ 12 月    参照のこと。
○就労定着支援の充実→「基本報酬の設定等」⇒障害者就業・生活支援センター事業を行う者を追加。【支援体制構築未実施減算】【新設】所定単位数の90%算定。就労定着支援終了にあたり、企業による 職場でのサポート体制や職場定着に向けた 生活面の安定のための支援が実施されるよう、適切な引き継ぎのための体制を構築していない場合、減算。
「定着支援連携促進加算の見直し」⇒「地域連携会議実施加算」に変更。
○新たに創設される就労選択支援の円滑な実施@→障害者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や 適性等に合った選択を支援する就労選択支援を創設する。(令和7年10月1日施行)
○新たに創設される就労選択支援の円滑な実施A→就労移行支援又は就労継続支援に係る指定障害福祉サービス事業者で過去3年以内に3人以上の利用者が新たに通常 の事業所に雇用されたものや、これらと同等の障害者に対する就労支援の経験及び実績を有すると都道府県知事が認める事業者を実施主体。⇒就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、障害者就業・生活支援センター事業の受託法人など。就労選択支援員 15:1以上。より効果的な就労選択に資するアセスメントを実施するため、特別支援学校高等部の3年生以外の各学年で実施できること、 また、在学中に複数回実施することを可能とする。加えて、職場実習のタイミングでの就労選択支援も実施可能とする。
○相談支援の質の向上や提供体制を整備するための方策→@基本報酬等の充実(算定要件の見直しと単位数の引き上げ) A医療等の多機関連携のための加算の拡充等B相談支援人材の確保及びICTの活用について  参照。
○1.児童発達支援センターの機能強化等による地域の支援体制の充実→児童発達支援センターを中核に、身近な地域でニーズに応じた必要な発達支援が受けられる体制整備を進めるとともに、 地域の障害児支援体制の充実を図る (@障害特性に関わらず身近な地域で支援を受けられる体制の整備 A児童発達支援センターの機能・運営の強化)。 参照。
○2.質の高い発達支援の提供の推進@→適切なアセスメントとこどもの特性を踏まえた総合的な支援・専門的な支援や関係機関との連携強化等を進め、個々の特性や 状況に応じた質の高い発達支援の提供を推進する (@総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等 A関係機関との連携の強化 B将来の自立等に向けた支援の充実、Cその他)
○3.支援ニーズの高い児への支援の充実@→医療的ケア児や重症心身障害児、強度行動障害を有する児をはじめ、より専門的な支援が必要な障害児への支援の充実を図り、 障害特性に関わらず地域で安心して暮らし育つことができる環境整備を進める (@医療的ケア児・重症心身障害児への支援の充実 A強度行動障害を有する児への支援の充実 Bケアニーズの高い児への支援の充実 C不登校児童への支援の充実 D居宅訪問型児童発達支援の充実)  参照。
○4.家族支援の充実→養育支援や預かりニーズへの対応など、保護者・きょうだいへの家族支援を推進し、家族全体のウェルビーイングの向上を 図る(@家族への相談援助等の充実 A預かりニーズへの対応)
○5.インクルージョンの推進→保育所等への支援を行いながら併行通園や保育所等への移行を推進するなど、インクルージョンの取組を推進し、障害の有無 に関わらず全てのこどもが共に育つ環境整備を進める (@児童発達支援・放課後等デイサービスにおけるインクルージョンに向けた取組の推進 A保育所等訪問支援の充実)
○6.障害児入所施設における支援の充実→障害児入所支援について、家庭的な養育環境の確保と専門的支援の充実、成人期に向けた移行支援の強化を図り、施設での 障害児の育ちと暮らしを支える (@地域生活に向けた支援の充実 A小規模化等による質の高い支援の提供の推進 B支援ニーズの高い児への支援の充実 C家族支援の充実)

次回も続き「資料2 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)」からです。

社会保障審議会障害者部会(第139回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第4回)合同会議の資料について [2023年12月30日(Sat)]
社会保障審議会障害者部会(第139回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第4回)合同会議の資料について(令和5年12月11日)
議事(1)補足給付、医療型個別減免の経過措置 (2)障害保健福祉施策の動向について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36795.html
◎参考資料 11 障害者部会と障害児支援部会の今後の運営について
1.障害者部会及び障害児支援部会の所掌事務
(1)障害者部会の所掌事務 障害者支援に関する調査審議
→(例)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス 障害者手帳、障害児・者に対する手当等の障害者と障害児を一体として支援する施策 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく施策 等
(2)障害児支援部会の所掌事務 障害児支援に関する調査審議→(例)児童福祉法に基づく障害児に対する福祉サービス、医療的ケア児への支援 等

2.部会運営に当たっての留意事項→上記の所掌事務に基づき各部会を運営することが基本であるが、障害児・者の支援に断絶が生じないよう、必要な連携を図っていく⇒ ・ 障害者支援及び障害児支援の双方に関連する重要事項を審議する際には、両部会を合同開催する、 ・ 合同開催を要しない案件についても、障害児・者双方に関わる事項については、必要に応じて、両部会に おいて審議又は報告を行う、 ・ 一方の部会において、他方の部会に関わる委員の意見があった場合には、事務局を通じて関連する部会に 情報共有する、 等の方策により、必要な情報共有・連携を図りながら、両部会を運営することとする。


◎参考資料 12 社会保障審議会障害者部会委員名簿 →29名。
◎参考資料 13 こども家庭審議会障害児支援部会委員名簿 →20名。

◎櫻木委員提出資料
障害福祉サービス就労⽀援事業に関する調査
公益社団法⼈⽇本精神科病院協会 常務理事︓櫻⽊ 章司 令和5年12⽉11⽇

○調査概要
(1)貴法⼈以外が運営している就労⽀援施設等を利⽤されている貴院の患者さんはいますか︖→245病院「いる」70%。
(2) (1)で「いる」と回答した245病院に質問。 サービス利⽤開始時に相談⽀援事業所と連携しましたか︖→「連携した」40%。
(3) (1)で「いる」と回答した245病院に質問します。 サービス利⽤開始時に就労⽀援施設等と連携しましたか︖→「連携した」38%。
(4) (1)で「いる」と回答した245病院に質問します。 サービス利⽤により患者に不利益が⽣じた事例はありますか︖→「ある」22%、「ない」39%。
(5) (1)で「いる」と回答した245病院に質問。 受診への影響が⽣じた事例がありましたらお聞かせください (複数回答可)→「外来受診やデイケアなど通院⽇の変更」(143病院)など。「その他」→11回答。指導員の理不尽な叱責や⾮難に合い精神症状が悪化した。出勤⽇数を遵守ないと減給すると圧をかけられ精神症状が悪化、⼊院する事態に。
(6) (1)で「いる」と回答した245病院に質問します。 患者さんに不利益が⽣じた事例がありましたらお聞かせください(複数回答可)→病状が悪化した 54病院、このほかは参照。
「その他」→18回答。疲労、対⼈関係ストレスあり。参照のこと。


◎加藤委員提出資料  
一般社団法人全国医療的ケア児者支援協議会 政策担当理事 加藤 千穂

【障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について】→・概ね賛同する。 ・児者のシームレスな移行支援のための関係省庁間の緊密な連携ならびに地域の受け 皿構築が喫緊の課題(児の短期入所サービスからの移行先、重心・医療的ケア者に対 応できるグループホームの制度的支援等)
【医療的ケア児の成人移行のスピード感と推移する課題】→以下の参考資料@〜F参照。
〈医療法人財団はるたか会提供〉 東京都の医療的ケア児推計値:約 2,000 人(全国約 20,000 人、日本一多い) うち、都区部中心に医療依存度の高い約 1,000 人の医療的ケア児者の在宅生活を支える (自己導尿・自己血糖測定単体の医ケア児は訪問診療の対象としていない)。↓
・東京23区 はるたか会 患者サマリー→参考資料@
・23区別 18歳〜49歳の在宅患者数→参考資料➁
・ 新しいタイプの医療的ケア児増加(医療依存度・見守り度ともに高)→参考資料B
・成人医療へのトランジションで医療難民問題が起こっている⇒トラッジッション先がない事例1→参考資料➃
・トラッジッション先がない事例2→参考資料➄
・母親からの痛切な訴えE→参考資料
・医療的ケア者の就労の壁⇒・社会や制度も想定していなかった、知的障害のない新しいタイプの医療的ケア児者が成 長に伴い、就労の壁に直面している。従来の就労A・就労Bといった選択肢に留まらない 多様な検討や議論が必要。コミュニケーションツールの開発やオンライン環境があれば、 起業や知的労働が可能な一定層がいる。すべてを社会的支援に頼らず、能力に応じて働 いて自立し、納税者として社会参画できる労働者としての権利保障のための制度設計を お願いしたい。→参考資料7
・年収に応じて支援が打ち切られる→参考資料8

次回は新たに「第8回こども未来戦略会議」からです。

社会保障審議会障害者部会(第139回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第4回)合同会議の資料について [2023年12月29日(Fri)]
社会保障審議会障害者部会(第139回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第4回)合同会議の資料について(令和5年12月11日)
議事(1)補足給付、医療型個別減免の経過措置 (2)障害保健福祉施策の動向について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36795.html
◎資料3 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について
○令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について(概要)
○令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について→上記の「本文」で過去の再掲になります。



◎参考資料1 第 41 回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(第 138 回障害者部会参考資料5) →再掲。
○計画相談支援、障害児相談支援に係る報酬・基準について ≪論点等≫
・計画相談支援、障害児相談支援に係る論点 →論点1 質の高い相談支援を提供するための充実・強化について 論点2 医療等の多様なニーズへの対応について 論点3 相談支援人材の確保及びICTの活用等について

○横断的事項について@(虐待防止・権利擁護、高次脳機能障害、 精神障害者の地域移行関係)≪論点等≫
・横断的事項に係る論点 論点1 障害者虐待防止及び身体拘束適正化の徹底について 論点2 意思決定支援の推進について 論点3 同性介助について 論点4 高次脳機能障害を有する者への支援に対する評価について 論点5 精神障害者の地域移行等について
○横断的事項についてA(視覚聴覚関係、栄養関係、食事提供 体制加算)≪論点等≫
・横断的事項に係る論点→論点1 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の取扱いについて 論点2 栄養状態のスクリーニング及び栄養改善の取組の充実について 論点3 食事提供体制加算の経過措置の取扱いについて
○横断的事項についてB(情報公表制度、地域区分)≪論点等≫
・横断的事項の論点→ 論点1 情報公表制度について 論点2 地域区分について
○施設入所支援に係る報酬・基準についてA≪論点等≫


◎参考資料2 第42 回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(第 138 回障害者部会参考資料6)→再掲。
○就労選択支援に係る報酬・基準について≪論点等≫
・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための 法律等の一部を改正する法律の概要→2.障害者の多様な就労ニーズに対する支援及び障害者雇用の質の向上の推進【障害者総合支援法、障害者雇用促進法】⇒ @ 就労アセスメント(就労系サービスの利用意向がある障害者との協同による、就労ニーズの把握や能力・適性の評価及び就労開始後の配慮事項等の整理)の手法 を活用した「就労選択支援」を創設する
・就労選択支援に係る論点 論点1 就労選択支援の対象者について 論点2 特別支援学校における取扱いについて 論点3 他機関が実施した同様のアセスメントの取扱いについて 論点4 実施主体の要件について 論点5 中立性の確保について 論点6 従事者の人員配置・要件について 論点7 計画相談事業との連携・役割分担について 論点8 就労選択支援の報酬体系について 論点9 支給決定期間について

○障害児支援に係る報酬・基準について≪論点等≫
・障害児支援に係る論点 論点1 共生型サービスにおける医療的ケアを要する児への支援の充実 論点2 児童発達支援センターにおける食事提供加算の経過措置の取扱い等


◎参考資料3 第 43 回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料 →再掲。
○障害福祉分野の処遇改善について
・障害福祉分野の処遇改善に係る論点→ 論点1 処遇改善加算の一本化等について 論点2 処遇改善加算の対象サービスについて
○参考資料 (令和5年度補正予算(案)のうち 障害福祉分野における処遇改善等関係)
○障害福祉分野の業務効率化について≪論点等≫
・障害福祉分野の業務効率化について 論点1 事業者が提出する各種様式等の簡素化・標準化について 論点2 管理者の兼務範囲の明確化について 論点3 テレワークの取扱いについて 論点4 人員配置基準における治療との両立支援への配慮について
○横断的事項について(業務継続に向けた取組の強化、送迎に ついて)≪論点等≫
○施設入所支援に係る報酬・基準についてB≪論点等≫
・【論点】地域移行を推進するための取組について
○第138回社会保障審議会障害者部会(令和5年11月20日) における障害福祉サービス等報酬改定に関する主なご意見に ついて→経営実態調査、各サービスに関するご意見、横断的事項に関するご意見、報酬改定の施行日に関するご意見
○第3回こども家庭審議会障害児支援部会(令和5年10月30日) における障害福祉サービス等報酬改定に関する主なご意見に ついて→【児童発達支援・放課後等デイサービス】【保育所等訪問支援】【居宅訪問型児童発達支援】【保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援】【障害児入所支援】【強度行動障害を有する児者への支援】【短期入所】【障害児相談支援】【人材確保】【医療との連携】【共生型サービス】
【その他】→加算、報酬、負担について長期的に議論をしていくことが必要。障害が重いとか生活上の困難さが高い方に対する負担を 見直し、全体の枠組み・構造を考えながら報酬単価も検討していただきたい。


◎参考資料4 第 44 回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料 →再掲。
○感染症への対応力強化について≪論点等≫

・感染症への対応力強化に係る論点→ 論点1 感染症発生に備えた平時からの対応 論点2 新興感染症等の発生時に施設内療養を行う障害者支援施設等への対応
○補足給付について→少なくとも手元に25,000円が残るよう、食費等基準費用額(54,000円)※1から所得に応じた負担限度額を 控除した額を補足給付として支給

○生活介護に係る報酬・基準についてA≪論点等≫
・【論点】生活介護に係るサービスの質の評価について
・福祉専門職員配置等加算


◎参考資料5 令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果(第 138 回障害者部会参考資料1)
○令和 5 年障害福祉サービス等経営実態調査の概要→障害福祉サービス等施設・事業所の経営状況等を明らかにし、障害福祉サービス等報酬改定の影 響把握及び次期報酬改定のための基礎資料を得る。B調査客体数:16,798 施設・事業所 C有効回答数: 9,147 施設・事業所(有効回答率:54.5%)

T.事業活動収支等の状況
・第1表 全体 1施設・事業所当たりの収支額,収支等の科目⇒⇒第30表 医療型障害児入所施設 1施設・事業所当たりの収支額,収支等の科目まで。
U.従事者数の状況(令和4年10月)
・第1表 全体 1施設・事業所当たりの常勤換算従事者数,常勤−非常勤別⇒⇒第30表 医療型障害児入所施設 1施設・事業所当たりの常勤換算従事者数,常勤−非常勤別
V.給与の状況(令和4年10月)
・第1表 全体 職員1人あたりの給与額(月額),常勤−非常勤別⇒⇒第30表 医療型障害児入所施設 職員1人あたりの給与額(月額),常勤−非常勤別


○令和 5 年障害福祉サービス等経営実態調査結果 (参考表)↓
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
○【参考1】事業活動収支等の状況(経営主体別,事業規模別,地域区分別)
・第1表 居宅介護 1施設・事業所当たりの収支額、収支等の科目(経営主体別)⇒⇒第87表 医療型障害児入所施設 1施設・事業所当たりの収支額、収支等の科目(地域区分別)
○【参考2】新型コロナウイルス感染症の影響別収支差率の状況
・第1表 1施設・事業所当たりの収支差率(新型コロナウイルス感染症の影響・陽性者等の発生状況別)⇒⇒第2表 1施設・事業所当たりの収支差率(新型コロナウイルス感染症の影響・施設・事業所運営への影響の状況別)


◎参考資料6 令和5年度こども家庭庁障害児支援課補正予算の概要 →再掲。

◎参考資料7 改正児童福祉法施行規則について
○児童福祉法等の一部を改正する法律(令和4年法律第66号)の概要
→3-A障害児入所施設の入所児童等が地域生活等へ移行する際の調整の責任主体(都道府県・政令市)を明確化するとともに、22歳までの入所継続を可能とする。(令和6年4月1日施行)
○障害児入所施設からの円滑な移行調整の枠組みの構築(改正の概要3.A関係)
○22歳満了時まで入所を継続する者の要件について


◎参考資料8 今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項 等〜こども大綱の策定に向けて〜(答申)
○目次のみ ↓

第1 はじめに
1 こども基本法の施行、こども大綱の策定
2 これまでのこども関連3大綱を踏まえた課題認識
3 こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」
第2 こども施策に関する基本的な方針
(1) こども・若者を権利の主体として認識し、その多様な人格・個性を尊重し、権利を
保障し、こど も・若者の今とこれからの最善の利益を図る
(2)こどもや若者、子育て当事者の視点を尊重し、その意見を聴き、対話しながら、ともに進めてい く
(3)こどもや若者、子育て当事者のライフステージに応じて切れ目なく対応し、十分に支援する
(4)良好な成育環境を確保し、貧困と格差の解消を図り、全てのこども・若者が幸せな状態で成長で きるようにする
(5)若い世代の生活の基盤の安定を図るとともに、多様な価値観・考え方を大前提として若い世代の 視点に立って結婚、子育てに関する希望の形成と実現を阻む隘路の打破に取り組む
(6)施策の総合性を確保するとともに、関係省庁、地方公共団体、民間団体等との連携を重視する
第3 こども施策に関する重要事項
1 ライフステージを通した重要事項
(1)こども・若者が権利の主体であることの社会全体での共有等
(2)多様な遊びや体験、活躍できる機会づくり
(3)こどもや若者への切れ目のない保健・医療の提供
(4)こどもの貧困対策
(5)障害児支援・医療的ケア児等への支援
(6)児童虐待防止対策と社会的養護の推進及びヤングケアラーへの支援
(7)こども・若者の自殺対策、犯罪などからこども・若者を守る取組
2 ライフステージ別の重要事項
(1)こどもの誕生前から幼児期まで(妊娠前から妊娠期、出産、幼児期までの切れ目 ない保健・医療の確保)(こどもの誕生前から幼児期までのこどもの成長の保障と遊びの充実)
(2)学童期・思春期(こどもが安心して過ごし学ぶことのできる質の高い公教育の再生等)(居場所づくり) (小児医療体制、心身の健康等についての情報提供やこころのケアの充実)(成年年齢を迎える前に必要となる知識に関する情報提供や教育)(いじめ防止)(不登校のこどもへの支援)(体罰や不適切な指導の防止)(高校中 退の予防、高校中退後の支援)
(3)青年期(高等教育の修学支援、高等教育の充実)(就労支援、雇用と経済的基盤の安定のための取組)(結婚を希望する方への支援、結婚に伴う新生活への支援)(悩みや不安を抱える若者やその家族に対する相談体制の充実)
3 子育て当事者への支援に関する重要事項 (1)子育てや教育に関する経済的負担減
(2)地域子育て支援、家庭教育支援
(3)共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの主体的な参画促進・拡大
(4)ひとり親家庭への支援
第4 こども施策を推進するために必要な事項
1 こども・若者の社会参画・意見反映
(1)国の政策決定過程へのこども・若者の参画促進
(2)地方公共団体等における取組促進
(3)社会参画や意見表明の機会の充実
(4)多様な声を施策に反映させる工夫
(5)社会参画・意見反映を支える人材の育成
(6)若者が主体となって活動する団体等の活動を促進する環境整備
(7)こども・若者の社会参画や意見反映に関する調査研究
2 こども施策の共通の基盤となる取組
(1)「こどもまんなか」の実現に向けたEBPM
(2)こども・若者、子育て当事者に関わる人材の確保・育成・支援
(3)地域における包括的な支援体制の構築・強化
(4)子育てに係る手続き・事務負担の軽減、必要な支援を必要な人に届けるための情報発信
(5)こども・若者、子育てにやさしい社会づくりのための意識改革
3 施策の推進体制等
(1)国における推進体制
(2)数値目標と指標の設定
(3)自治体こども計画の策定促進、地方公共団体との連携
(4)国際的な連携・協力
(5)安定的な財源の確保
(6)こども基本法附則第2条に基づく検討
第5 おわりに .


◎参考資料9 幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン(答申)
○幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン(答申)概要 〜全てのこどもの「はじめの100か月」の育ちを支え 生涯にわたるウェルビーイング向上を図るために〜 全てのこどもの誕生前から幼児期までの 「はじめの100か月」から生涯にわたるウェルビーイングの向上 令和5年12月1 日 こども家庭審議会
・『育ちのヴィジョン』を策定し全ての人と共有する→幼児期までこそ、生涯にわたるウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に 幸せな状態)の向上にとって最重要
・目的→全てのこどもの誕生前から幼児期までの 「はじめの100か月」から生涯にわたるウェルビーイングの向上
・こども基本法の理念にのっとり整理した5つのヴィジョン→1こどもの権利と尊厳を守る2「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める 3「こどもの誕生前」から 3 切れ目なく育ちを支える4保護者・養育者のウェルビーイング 4 と成長の支援・応援をする5こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す。
・おわりに〜実効性のある『育ちのヴィジョン』とするために→✓ こども大綱の下に策定する「こどもまんなか実行計画」の施策へ反映 ✓ 全ての人の具体的行動を促進するための取組を含め、こども家庭庁が 司令塔となり、具体策を一体的・総合的に推進。
・【「はじめの100か月」とは】→ 『育ちのヴィジョン』を全ての人と共有するためのキーワード として、母親の妊娠期から幼保小接続期(いわゆる5歳児〜小1) の重要な時期が概ね94〜106か月であることに着目。



◎参考資料 10 こどもの居場所づくりに関する指針(答申)
令和5年 12 月1日 こども家庭審議会
○目次のみ↓

第1章 はじめに
1. 策定までの経緯
2. こどもの居場所づくりが求められる背景
3. こどもの居場所づくりを通じて目指したい未来
第2章 こどもの居場所づくりに関する基本的事項
1. こどもの居場所とは
2. こどもの居場所の特徴
3. こどもの居場所づくりとは
4. 本指針の性質等
(1) 本指針の性質
(2) 対象となる居場所の範囲
(3) 対象となるこども・若者の年齢の範囲
第3章 こどもの居場所づくりを進めるに当たっての基本的な視点
1. 視点の構成
2. 各視点に共通する事項
(1) こどもの声を聴き、こどもの視点に立ち、こどもとともにつくる居場所
(2) こどもの権利の擁護
 (3) 官民の連携・協働
3. 「ふやす」〜多様なこどもの居場所がつくられる〜
(1) 居場所に関する実態把握
(2) 既存の地域資源を活かした居場所づくり
(3) 新たな居場所づくりの担い手の発掘、育成
(4) 持続可能な居場所づくり
(5) 災害時におけるこどもの居場所づくり
 4. 「つなぐ」〜こどもが居場所につながる〜
(1) こどもが見つけやすい居場所づくり
(2) 利用しやすい居場所づくり
(3) どんなこどももつながりやすい居場所づくり
5. 「みがく」〜こどもにとって、より良い居場所となる〜
(1) 安全・安心な居場所づくり
(2) こどもとともにつくる居場所づくり
(3) どのように過ごし、誰と過ごすかを意識した居場所づくり
(4) 居場所同士や関係機関と連携・協働した居場所づくり
(5) 環境の変化に対応した居場所づくり
6. 「ふりかえる」〜こどもの居場所づくりを検証する〜
第4章 こどもの居場所づくりに関係する者の責務、役割
第5章 推進体制等
1. 国における推進体制
2. 地方公共団体における推進体制
3. 施策の実施状況等の検証・評価
4. 指針の見直し

次回も続き「参考資料 11 障害者部会と障害児支援部会の今後の運営について」からです。

| 次へ