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第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 [2019年12月23日(Mon)]
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(令和元年12月10 日)
《議事》  ・最終とりまとめ案について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00019.html
◎資料1-2 参考資料
◯地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会
◯日本社会や国民生活の変化(前提の共有)
◯対人支援において今後求められるアプローチ→本人を中心として、“伴走”する意識
◯伴走型支援と地域住民の気にかけ合う関係性によるセーフティネットの構築
◯新たな包括的な支援の機能等について→市町村が@断らない相談支援 A参加支援(社会とのつながりや参加の支援) B地域づくりに向けた支援。→本事業全体の理念は、アウトリーチを含む早期の支援、本人・世帯を包括的に受け止め支える支援、本人を中心とし、 本人の力を引き出す支援、信頼関係を基盤とした継続的な支援、地域とのつながりや関係性づくりを行う支援である。
◯市町村の包括的支援体制の構築→新たな事業の枠組み@〜Bを一体的に。
(市町村が取組を進めるに当たって留意すべき点)
◯新たな事業について(イメージ)→地域住民や関係機関等と議論しながら、管轄域内全体で断らない包括的な支援体制を整備する方策を検討。→断らない相談支援の機能に繋がった本人・世帯では複雑・複合的な課題が存在している場合には、新たに整備する多機関協働の中核の機能が複数 支援者間を調整するとともに、地域とのつながりを構築する参加支援へのつなぎを行う。支援ニーズが明らかでない本人・世帯は、アウトリーチによる支援など継続的につながり続ける伴走の機能により、関係性を保つ。これらの機能を地域の実情に応じて整備しつつ、市町村全体でチームによる支援を進め、断らない相談支援体制を構築していく。 また、地域づくりに向けた支援を行うことにより、地域において、誰もが多様な経路でつながり、参加することのできる環境を広げる。
◯新たな事業の枠組み↓
◆断らない相談支援
→属性を超えた支援を可能とするため、各制度(高齢、障害、子ども、困窮)の相談支援事業を一体的に行う事業とするとともに、(ア)世 帯をとりまく支援関係者間を調整する機能(多機関協働の中核)、(イ)継続的につながり続ける支援を中心的に担う機能(専門職の伴走支 援)をそれぞれ強化。
◆参加支援(社会とのつながりや参加の支援)→属性毎に準備された既存制度の様々な支援メニューを活用するとともに、既存制度に適した支援メニューがない場合、本人のニーズを踏ま え、既存の地域資源の働きかけ、活用方法を広げるなど、本人と地域資源の間を取り持つ総合的な支援機能を確保し、本人・世帯の状態に寄 り添って、社会とのつながりを回復する支援を実施。
◆地域づくりに向けた支援→各制度(高齢、障害、子ども、困窮)の関連事業を一体的に行う事業とし、「ケアし支え合う関係性を広げ、交流や参加の機会を生み出すコーディネート機能」「住民同士が出会い参加することのできる場や居場所の確保」以上の機能を確保。
◯現行の各種相談支援事業の財政支援等の状況

◯複合的な課題を抱える家族への支援事例
◯ひきこもりの相談支援事例
◯新たな事業において実施が期待される支援について
◯参加支援の事例
◯地域づくりの事例⇒常設型の居場所の設置を通じ、各取組ごとに確保していた活動場所が確保しやすくなるとともに、コーディネーターによる 地域支援の取組が強化されることを通じて、既存の地域活動が強化されるとともに、多様な活動が新たに生まれやすくなる。
◯地域共生に資する取組の促進 〜多様な担い手の参画による地域共生に資する地域活動の普及促進〜
・多様な主体による地域活動の展開における出会い・学びのプラットフォーム

◎関連資料
◯地域共生社会とは
◯「地域共生社会」の実現に向けた地域づくりに関するこれまでの経緯
◯改正社会福祉法の概要 (地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律による改正)
◯「地域共生社会」の実現に向けた地域づくりの強化のための取組の推進
◯相談支援等の事業の一体的実施に当たっての課題(自治体職員へのヒアリング結果)
◯「地域づくりに資する事業の一体的な実施について」
◯地域共生・地域の支え合いの実現に向けて
◯包括的な支援体制の整備例(1)@A→「モデル事業においては、「まるごと相談窓口」として分野を包括した専門職による相談支援窓口や、住 民に身近な地域で相談を受けとめる窓口が配置」「モデル事業における包括的な支援を実現するための体制については、相談窓口の配置、専門職の配置、 またそれぞれの機関、人がカバーする圏域の範囲など、具体的な整備のあり方は多様であり、自治体の 人口規模や広さ、地域資源の状況等に応じて創意工夫しながら取り組んでいる。」
・包括的な支援体制の整備例(三重県名張市)
・包括的な支援体制の整備例(福井県坂井市)
・包括的な支援体制の整備例(茨城県東海村)
・包括的な支援体制の整備例(愛知県豊田市)
◯コミュニティソーシャルワーカーが支える住民主体の地域活動(大阪府豊中市)
◯既存の相談支援機関の人員配置基準・資格要件等
◯「断らない相談支援」に必要な機能
◯地域福祉計画・地域福祉支援計画について(社会福祉法の規定)→(市町村地域福祉計画) 第107条。(都道府県地域福祉支援計画) 第108条。
◯包括的支援体制の整備に関する地域福祉計画の規定〜告示、通知 「包括的な支援体制の整備に関する指針」(大臣告示)「地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進について」(局長通知)
◯「市町村地域福祉計画、都道府県地域福祉支援計画策定ガイドライン」(局長通知)→1 市町村地域福祉計画、2 都道府県地域福祉支援計画
◯既存事業における都道府県の役割

◯地域における自殺対策の推進について
◯各制度等における複合的課題等 (自殺対策(自殺既遂者))
・足立区における自殺対策と生活困窮者自立支援の連携
・江戸川区における自殺対策と生活困窮者自立支援の連携
・野洲市における自殺対策と生活困窮者自立支援の連携
◯都道府県及び市町村自殺対策計画策定の手引について(局長通知)

◯居住支援協議会の概要
◯権利擁護支援の地域連携ネットワークと中核機関
◯社会福祉法人による地域における公益的な取組について


◎参考資料1:構成員配付資料
地域共生社会推進検討会最終とりまとめに対する意見
NPO 法人子育てひろば全国連絡協議会 奥山千鶴子
1.子ども・子育て支援分野からの懸念

@「断らない相談支援」について→子ども・子育て支援分野において相談対応を行ってきた母子保健、子育て支援、児童虐待 対応等に関わる関係部局等との連携調整が整った自治体から取り組むべき。子ども家庭支援 分野での包括的支援もままならないまま、高齢・障害・困窮分野とより良い連携体制の構築が実 現できるとは考えにくい。 断らない相談支援において、子育て世代にとってこれまでより相談しにくい環境とならないよう、子ども・子育て分野の相談支援という看板を下ろすことなく、他分野との連携・伴走支援が できるよう制度設定が必要です。
A「地域づくりに向けた支援」について→地域子育て支援拠点事業は、一般型での実施基準は週 3 日以上一日 5 時間以上の実施、 連携型(児童館等)で週 3 日以上 1 日 3 時間以上の実施となっていますが、事業の対象である乳 幼児とその養育者がつどうという実施基準を順守したうえで、基準時間以外においては他の属性 の対象者も利用可能な柔軟な方向性を求めます。その基準時間以外の取り組みにこそ新たな交付 金を活用、その他多世代の利用類型など各既存の事業類型では取り組めなかった類型に対して、 新たな交付金を活用することを期待します。

2.財源の拠出と配分に対する意見→今回、新たな包括的な支援体制を選んだ自治体の交付金は、財源を子ども・子育ての交付金か ら高齢・障害の対象予算とともに新たに設置される交付金に一度集めて、再度配分という一体的 な執行となっていますが、以下の懸念があると考え意見を申し上げます。
@3 つの支援を一体的に行うと決めた自治体にあっても、既存の利用者支援事業、地域子育て支 援拠点事業は子ども部局の担当とし、地域子ども・子育て支援事業として実施していただきたい。 補助金の交付についても従来通りとし、共生型の新しい類型についてのみ新規の一括交付として ほしい。
A3 つの支援を一体的に行うと決めた自治体にあっても、既存の利用者支援事業、地域子育て支 援拠点事業を基盤とし、実施水準を確保したうえで、他分野との連携強化を図る場合(高齢者、 障害者、困窮者等の支援)は、プラスの共生型の補助金を交付としてほしい。 B3 つの支援を一体的に行うと決めた自治体→子ども・子育て、高齢、障害等を一体的にサポートする会議体をつくるとともに、子ども・子育て、高齢、障害、困窮支援分野の事業所(または実務者)をメンバーに加えて、透明性のある資金の積算、配分、運営について協議して進めることを要望する。この会議体設置を自治体に義務付け、体制整備を進めること先決である。その体制を見極めてから、あらたな事業スキームに対して共通の一括交付を実施。既存の事業まで 一括交付する必要性はないと考える。
C一括交付の対象となっている他分野の事業内容と予算、積算項目、人員配置基準等について詳 細に示し、交付金の一括交付の積算内容のモデルやシミュレーションを示すことなく、一体交付を決定するのは、これまでそれぞれの分野で事業を推進してきた事業者にとっての説明責任が果たされていないと考える。 着実な推進体制が構築されるためには、これまでの制度・実施体制を確保・強化したうえで、 共生型社会に向けてプラスの予算を確保して実施してほしいと考えます。

◎参考資料2:本検討会構成員名簿→19名。

◆地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04612.html

次回は、「第14回社会保障審議会児童部会「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」」からです。
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 [2019年12月22日(Sun)]
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(令和元年12月10 日)12/22
《議事》  ・最終とりまとめ案について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00019.html
◎資料1-1 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案)
W 市町村における包括的な支援体制の整備促進のための基盤
1 人材の育成や確保
(1)専門職に求められる資質
・ 市町村の専門職や新たな事業の委託を受けた事業所の専門職など、包括的支援に携わる人
→地域共生社会への意識を高めその意識を基に日々の実践を展開していくための倫理観を向上することが求められる。その上で、 その支援の質を担保することは、新たな事業を実施する上での要であり、研修カリキュラムや教材等の整備の推進、研修の実施等、人材の育成・確保に向けた取組を進めることが重要である。
・ 断らない相談支援→本人や家族を包括的に受け止めるためのインテークの方法や、課題を解きほぐすアセスメントの視点、さらに市町村全 体でチームによる支援を行うための総合調整等に関する手法・知識が求められる。また、自ら相談に来られない人も想定したアウトリーチの手法や、DV 被害者や性暴力被害者、児童虐待の被害者など回復に時間が掛かる状態も想定し、継続的に関わり、つながり続ける支援を進めるスキル等も求められる。
・ 参加支援→本人の抱える制度の狭間のニーズに対応するため、福祉分野のみならず地域の多様な分野とつながりながら、既存の人的・物的資源 を組み合わせたメニューを作ったり、資源がない場合には新たに作り出すた めのノウハウが求められる。
・ 地域づくりに向けた支援→地域の人と人のつながりや既存の活 動を把握した上で、それらを活性化すること、包摂的な地域社会を目指して、 共生社会への意識啓発を進めること、子どもから大人まで全世代にわたる福 祉教育、学習の場、新たな地域活動を創出することに関するスキルが求められる。

(2)市町村の人材の育成・確保
・ 新たな事業を円滑に進めるためには市町村の人材の育成・確保も求められる。   新たな事業を開始するに当たっては、庁内全体で包括的な支援体制について検討し、体制の構築を進めることが求められる。その中では、福祉部門の職 員だけではなく、職員全体に対して研修等を行う必要がある。また、例えば、 庁内にプロジェクトチームを設置し、自分の部署の役割を離れて、包括的な支 援体制の構築に向けてどのような取組が求められるか等を職員が主体的に考 えていくことも重要。 加えて、事業開始後も、例えば、新人職員や各役職の研修に包括的な支援体 制に関する内容を盛り込み、すべての職員が定期的に包括的な支援体制につ いて学ぶといった工夫も有効である。また、庁内において福祉領域全体はもち ろんのこと、教育やまちづくり等に関する制度や仕組み、財政等に関する知識 を有する人材を組織的に育成しつつ、チームで対応していくことが求められる。 ○ さらに、地域住民と市町村職員や専門職が共に研修を行う機会を作ること により、地域づくりの推進に向けて共に学び合うことができるようになり、地域で人と人のつながりや既存の助け合い活動の重要性などを理解し、地域住民が主体性を持って地域づくりを進められるようになる。

2 地域福祉計画等
・ 改正法で、地域福祉計画
→市町村に策定の努力義務が課されるとともに、福祉の各分野における共通事項を定め、上位計画として位置付けられた。また、市町村が包括的な支援体制の整備を進める場合には、地域福祉計画 に記載することとされている(都道府県が策定する地域福祉支援計画も同様)。今般、市町村が新たな事業を実施する場合にも、地域福祉計画の記載 事項とすべきである。
・ 計画の策定過程を通じて、市町村が、住民や関係者・関係機関との意見交換等を重ね、包括的な支援の考え方や新たな事業に関する共通認識を醸成する ことが重要。また、定期的に事業の実施状況等の分析・評価等を進める。 地域福祉計画の策定に当たっては、介護保険事業計画など他の分野の計画との記載の整合を図る必要がある。
・ また、都道府県においても、市町村の事業実施を支援することを始め、包括的な支援体制の構築における役割について、地域福祉支援計画の記載事項とすべきである。
・ 地域福祉計画等の策定に当たっては、自殺対策基本法(平成 18 年法律第 85 号)において、すべての都道府県及び市町村が地域自殺対策計画を定めるものとされていることから、記載事項等について調整を図るとともに、成年後見制 度等の権利擁護、再犯防止・更生支援に関する計画とも調整を図ることが求められる。 なお、地域共生社会の推進→地域福祉計画だけでなく、自治体の最上位計画である総合計画に記載する自治体もある。地域共生社会を総合計画に位置付け、福祉部局だけでなく、自治体全体で取組を推進することは重要であることから、国はそれらを好事例として積極的に周知していくべきである。

3 会議体
・ 包括的な支援体制の構築に向けては、多職種による連携や多機関の協働が重要な基盤となる。
これが充実するためには、多職種、多機関が集い情報共有 や協議を行う場(会議体)の機能が重要である。 既存の属性別の制度等による会議体(※)があることに十分に留意して、これらを有効活用し、市町村の職員も参画した上で、包括的な支援の提供に向け 個別事例の検討等を行うことが望ましい。これにより、包括的な支援の提供が 推進されるとともに、個別事例の検討が積み重なることで地域の課題が明ら かになり、その解決に向け、例えば、参加支援の充実の検討を進めるなど、市町村の取組が充実することも期待される。
・ なお、地域ケア会議(介護)、支援会議(生活困窮)、要保護児童対策地域協 議会(子ども)は、各法律で構成員に守秘義務が課されていることから、関係 者で個人情報を共有しながら個別事例の検討を行う場としての活用も可能である。

4 都道府県及び国の役割 (都道府県の役割)
・ 市町村における包括的な支援体制の構築を促進するため、広域自治体である都道府県は、管内自治体の実情に応じて
、→「市町村における包括的な支援体制の構築の取組の支援」「 市町村域を越える広域での人材育成やネットワークづくり」「広域での支援や調整が求められる地域生活課題への対応」などの役割を担うことが考えられる。 市町村における包括的な支援体制の構築の取組の支援としては、管内自治 体の実態を把握した上での広域実施や他の事業との一体的実施などに向けた 支援、管内自治体における先駆的取組やノウハウ等の情報収集及びそれらの 情報の発信が考えられる。
・ 市町村域を越える広域での人材育成やネットワークづくり→包括 的な支援体制の構築に係る人材の育成に向けた研修の開催や、支援員のバーンアウトを防止するために、支援員同士のネットワークづくりや、管内自治体 相互のネットワークをつくり、広域での地域づくりや参加支援等のバックア ップを行うことが求められる。
・ 広域での支援や調整が求められる地域生活課題への対応→DV 被害者や性暴力被害者、刑務所や少年院からの出所者など、住民の身近な圏域で対 応しがたい場合や、より専門的な支援が求められる場合等において、都道府県 が積極的に対応することが考えられる。具体的には、都道府県が自ら相談を受 け、支援を行うことに加え、広域的な支援という観点の下、市町村や断らない 相談支援に従事する支援員を後方支援する事業(スーパーバイズを行う事業) の実施や、複数の都道府県域にまたがるケースの場合には、都道府県同士が連携し、対応するということも重要である。 特に、小規模な自治体や自立相談支援機関を有しない町村に対しては、都道 府県によるきめ細かな支援が必要。 また、本人や世帯の状況に合わせた多様な支援の実施が求められる参加支援→生活困窮者自立支援制度の実践で見られるように、当該市町村と 意見交換しながら、事業の共同実施の調整、都道府県に対する事業実施の委託の調整等、サポートを積極的に行う必要がある。
(国の役割)→ 引き続き、SNS 等も活用しつつ、都道府県域を越える相談事業を進めるほか、市町村等に対して、→「標準的な研修カリキュラムや教材等の整備」「それぞれの地元の大学の力を活用するなど、都道府県と連携したブロック別研修等の実施を通じた人材育成の推進」「職員を個別に市町村へ派遣し、包括的な支援体制の構築に向けた気運を醸 成」「体制構築に関する事例の分析や共有」 といった支援を進めることが考えられる。
(留意すべき点)→国及び都道府県が、こうした役割を果たすに当たり、各市町村の直面する状況が非常に多様であり包括的な支援体制の姿やその構築に向けての歩 みも一様ではないことを十分に理解しできるだけ多くの住民が新たな事業による支援を受けられるように、各市町村に足を運び、状況の把握に努め、その時々で市町村が必要としている支援を柔軟に提供していくことが重要。特に小規模市町村の状況等には十分に留意しつつ、その支援を円滑に提供するために様々な支援手法の具体化を図っていくことも求められる。

X 終わりに
・日本社会の変化や個人の人生の多様化や複雑さが増していることを踏まえると
、今後、福祉の対人支援に求められるのは、一人ひとりの個別のニーズや 様々な生活上の困難を受け止め、自律的な生を継続していくことを支援する という視点である。 このような福祉政策の新たなアプローチを強化し、個人の尊厳の保持と存在そのものの承認を核としながら、包摂的な地域社会の実現を図るための一方策として、本検討会では、属性を超えた支援が可能となるよう、@断らない相談支援 A参加支援 B地域づくりに向けた支援 を内容とする事業を創設するとともに、財政支援の方法を改めるように提言を行った。 市町村が包括的な支援体制の構築を検討する際には、地域住民や関係機関 と協働していくプロセスを重視し、また、事業を実施する中でも試行錯誤を繰 り返しながら、地域のニーズに合わせて取組内容や組織体制等を変化させて いくという柔軟性は、属性毎の専門的な支援を充実させてきた福祉分野の成 り立ちからすれば、新たなパラダイムである。さらに、地域共生社会の理念の中で謳われている、一人ひとりの生きがいや 役割は、このような協働のプロセスを多くの関係者や地域住民と共有する中 から生まれてくるものと考えられる。
・ 今後、新たな事業の実施に向けて、より詳細な要件や基準、財政支援に係る 交付の在り方等に関する検討が行われるが、国においては各分野の支援関係 者や自治体の声を十分に聞いた上で、これまでの各分野での取組等も十分に 尊重しながら、丁寧で納得感のあるプロセスとすることが重要。
・ また、本検討会は社会福祉法に創設する新たな事業の枠組みに重きを置い た議論となったが、本来、地域共生社会の理念が捉えている射程は福祉の政策 領域にとどまるものではない。福祉以外の領域においても、地方創生施策、地域循環共生圏など、包摂的な地域社会を目指した取組が進められている。社会福祉法の新たな事業の創設が契機となり、他の分野との協働や省庁横断的な 取組が更に推進されるように、広がりのある議論やその具体化が進むことが求められる。 〇 2040 年の構造変化も見据え、日本において人と人とのつながり、人と地域とのつながりを生み出し、包摂的な地域社会を作っていくことは個人の幸福 や地域社会の存続という観点から極めて重要であり、新たな事業の推進がその第一歩につながっていくことを期待したい。

これで、「資料1-1 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案)」が終わり、次回は、「資料1-2 参考資料」からです。
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 [2019年12月21日(Sat)]
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(令和元年12月10 日)
《議事》  ・最終とりまとめ案について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00019.html
◎資料1-1 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案)
V 市町村における包括的な支援体制の整備の在り方
1 市町村における包括的な支援体制の構築に向けた事業の枠組み等
・ 市町村における地域住民の複合化・複雑化した支援ニーズに対応する包括 的な支援体制の構築を推進
→中間とりまとめにおいてその必要 性が確認された以下の3つの支援を内容、新たな事業の創設を行うべ き→。 @ 断らない相談支援…本人・世帯の属性にかかわらず受け止める相談支援、 A 参加支援…本人・世帯の状態に合わせ、地域資源を活かしながら、就労支援、居住支援などを提供することで社会とのつながりを回復する支援、 B 地域づくりに向けた支援…地域社会からの孤立を防ぐとともに、地域における多世代の交流や多様な活躍の機会と役割を生み出す支援 →この3つの支援を一体的に行うことによって、本人と支援者や地域住民と の継続的な関係性を築くことが可能となり、これらの関係性が一人ひとりの自律的な生を支えるセーフティネットとなる。
・ 一体的に支援を展開することで期待される具体的な効果→「地域づくりに向けた支援を通じて、地域で人と人とのつながりができることで、個人や世帯が抱える課題に対する住民の気づきが生まれ、断らない相 談支援へ早期につながりやすくなる」「断らない相談支援で浮かび上がったニーズについて、参加支援を通じて、 既存の地域資源を活用し、社会参加の機会や一時的な住まいの確保などオ ーダーメイドの支援が実現する」
・ この新たな事業を行う際は、下記の基本的な姿勢・理念に基づくべき→「アウトリーチを含む早期的な対応を行うこと」「本人・世帯を包括的に受け止め支えること」「本人を中心とし、本人の力を引き出す観点で行われること」「信頼関係を基盤として継続的に行われること」「地域住民のつながりや関係性づくりを行うこと」。
・ この新たな事業の意義の一つは、包括的な支援体制の具体的な構築方針について、地域住民や関係機関等と議論を行い、考え方等を共有するプロ セス自体にあることから、新たな事業は実施を希望する市町村の手上げに基づき段階的に実施すべき。
・ 新たな事業の支援対象者は、本人・世帯の属性を問わず、福祉、介護、保 健医療、住まい、就労及び教育に関する課題や地域社会からの孤立など様々な 課題を抱える全ての地域住民とする。また、市町村が新たな事業を実施するに当たっては、既存の取組や機関等を活かしながら進めていくが、地域ごとに住民のニーズや資源の状況等が異な ることから、圏域の設定や会議体の設置等は、市町村が裁量を発揮しやすい仕 組みとする必要がある。
・ 新たな事業に対する国の財政支援→市町村が柔軟に包括的な支援体制を構築することを可能とするために、一本の補助要綱に基づく申請などにより、制度別に設けられた財政支援の一体的な実施を促進する必要がある。 なお、近年の災害時における支援ニーズの高まりなどを踏まえると、断らな い相談支援を始めとする包括的な支援体制の構築については、地域から孤立 する傾向にある被災者の生活の再建にも資するものであり、それも想定した 体制を整備することが求められる。

2 断らない相談支援
(1) 相談支援の現状と今後の方向性
→「訪れた相談者の属性や課題にかかわらず、幅広く相談を受け止める」「本人・世帯の暮らし全体を捉え、本人に伴走し寄り添いながら、継続的に 関わる」「本人・世帯に支援を届け、本人・世帯とのつながりや信頼関係を築く」

(2)具体的なスキーム
(断らない相談支援のスキーム)→@ 属性にかかわらず、地域の様々な相談を受け止め、自ら対応する又は関係 機関につなぐ機能(以下「相談を受け止める機能」という。) A 世帯を取り巻く支援関係者全体を調整する機能(以下「多機関協働の中核 の機能」という。) B 継続的につながり続ける支援を中心的に担う機能(以下「継続的につながる機能」という。)

・ 相談支援の実践における状況を踏まえると、多機関協働の中核の機能を強化することが求められる。また、支援 に時間を要し、継続的な関わりが求められる事例や一人では相談支援機関の 窓口まで来ることができない事例に対応するため、アウトリーチから始まり 継続的につながる機能を強化していくことも求められる。
・ 市町村が断らない相談支援を実施する際の、域内全体で備えるべき体制の要件。→「既存の相談支援機能も活用しながら、域内全体で属性や課題が明確でない 相談も含め対応できる体制とすること」「上記の@からBまでの機能を有すること」「相談支援へのアクセスを住民にとって容易とするための措置(例えば、住 民の身近な生活圏において相談支援を行う場を明示するなど)を講じること」。
・ 断らない相談支援の大きな方向性→「多機関協働の中核の機能及び継続的につながる機能については、域内の支 援関係者を包括的に捉える必要があることから、市町村域を単位とした整備を中心とし、」「相談を受け止める機能については、住民に身近な圏域での整備を中心とし ていくことが考えられる。また、その際、介護、障害、子ども、生活困窮の各制度に おける圏域の考え方の違いにも留意し、設定する必要がある。
(人員配置、資格要件)→市町村において検討を行う。 その際、既存事業の人員配置基準・配置人員の資格要件等や各相談支援機関に 求められる機能を適切に確保すること等に留意し、これまで各機関が地域で 果たしてきた役割が継続的に担えるようにすることが必要。
・ 関連して本検討会→継続的につながる機能については、解決の道 筋が明らかでないケースを多く担うことを踏まえ、支援員を複数配置すると とともに、各支援員が課題を抱え込むことがないようなフォローアップ体制 の構築を検討すべき、との意見や、担い手不足が進行する小規模自治体の実態 を踏まえると、包括的な支援体制を構築する際の既存制度の人員配置基準・配置人員の資格要件の緩和について、具体的な検討を行っていくべき、との意見 があった。
(財政支援)→市町村内の支援体制として、上記体制の要件が具えられていることを前提 に、以下の機能の確保に必要な経費について一括して交付することを検討すべき→「属性毎の相談支援の機能」「多機関協働の中核の機能」「継続的につながる機能」
・ 既存制度として一括交付の対象となるものは、地域支援事業(介護)、地域生活支援事業(障害)、利用者支援事業(子ども)、自立相談支援事業(生活困窮)が想定される。

(3)多様な主体との連携
・ 断らない相談支援
→多機関協働の中核の機能を強化 することに加え、相談機関に関わる多職種や多機関が連携すること。 保健、医療、福祉、労働、教育、司法 等の各分野の関係者に加え、消費者相談や若年者支援、年金相談等の関係者が想定される。関係者が広く参加できる研修等を通じて、お互いの業務の理解を進め、日頃から情報交換等ができる関係性を作るなど、地域の中で幅広いネッ トワークを構築していくことが求められる。
・ 支援を届ける姿勢で積極的にアウトリーチし、支援を提供していくに当たっては、相談支援に関わる多職種だけでなく、地域住民や町内会・自治会等の地域住民組織、民生委員・児童委員を始め、地域の多様な関係 者との連携体制を構築していくことも求められる。 さらに、自殺対策、成年後見制度等の権利擁護、再犯防止・更生支援、居住 支援などの施策分野→多職種・多機関が連携し、ネットワークを構築して、支援を推進することとされている。このことから、新たな事業を実施 する市町村は、新たな縦割りが生じないように、こうした施策と連携して取組 を進め、会議体や共通ツールの活用、合同開催の研修による支援ノウハウの共有等を通じて、関係者の間での顔の見える関係性を構築していくことが必要である。

3 参加支援
(1)社会参加に向けた支援の現状と今後の方向性
・ 課題の複合化・複雑化の背景→
社会的孤立など関係性の貧困があり、それが本人の自己肯定感や自己有用感の低下につながっていることが多い。自己肯定感 や自己有用感を回復して生きる力を引き出すためには、本人・世帯が、他者や地域、社会と関わり自分に合った役割を見出すための多様な接点をどのよう に確保するかが重要。そのためには、相談支援と一体として機能し、多様な社会参加に向けた支援の機能を確保することが求められている。 この点、社会参加に向けた支援→介護、障害、子ども、生活困窮 など属性毎の制度においても、それぞれの属性の特徴に対応した支援を充実させている。断らない相談支援で浮かび上がったニーズへの対応は、既に社会参加に向けた支援を担っているこれらの既存制度による支援と十分連携しながら行う必要がある。
・新たな事業→既存制度の支援と緊密に連携しつつ、新たに参加支援 として、既存の地域資源と狭間のニーズを持つ者の間を取り持つ機能を創設すること等が求められる。

(2)具体的なスキーム
・ 既存の属性毎の制度の活用ではなかなか社会へつながることが難しい者については、本人・世帯の状態に合わせた支援が求められるが、地域毎の実態を 見ると、地域の担い手不足が懸念される地域もあり、新たに創設が求められる 参加支援の機能は、市町村がそれぞれの地域資源を最大限活用して、構築する ことができるような設計とすべき
である。
・ 既存の地域資源の活用方法を拡充して狭間のニーズを持つ者に対応するためには、既存の地域資源に働きかけるとともに、それらと対象者の間を取り持 ち、必要に応じて、アウトリーチなども行いながら、継続的に支援する機能を 市町村が有することが求められる。 同様の観点から、現在、生活困窮者自立支援制度において、支援対象者の就 労体験の受け入れを行う民間企業等に対し、受け入れのための環境整備を行 うための費用を補助するなどの取組が行われており、このような取組を拡張 するなどにより、既存の地域資源が参加支援に携わることのハードルを下げ る仕組みについても検討を行うべき。 また、参加支援を行う中で本人・世帯の状況が変化することも考えられることから、断らない相談支援の支援者と随時連携を取りながら支援を進める体制の構築が求められる。
(財政支援)→地域資源と支援対象者との 間を取り持つ機能に必要な経費に対し、国として財政支援を行うことを検討すべき。なお、既存の地域資源が活用方法を拡充することは、本人・世 帯の状態に寄り添い、社会とのつながりを回復することになるため、拡充に要 する費用負担についても、既存の制度での対応が困難な場合については、新たに参加支援として創設される機能の一部として補助を行うことができるよう にすべき。
・ 今回、既に参加支援としての役割を果たしている既存の属性毎の制度に基 づく社会参加に向けた支援は、新たな事業の中で補助金の一体的な交付は行わないが、支援としては一連のものとして密接に連携して行う必要がある。

4 地域づくりに向けた支援
(1)地域づくりの意義、地域づくりに向けた支援の現状と今後の方向性
(地域づくりの意義)
→、本人や世帯の暮らしを中心とする包括的支援を機能させるためには、地域で誰もが望めば多様な経路でつながり、参加することのできる環境が整備されていることが必要。 地域づくりの取組→多様な参加の機会を生み出すことを通じて地域やコミュニティそのものを支えることにもつながるという好循環を生み出すことができる。
(地域づくりに向けた支援の現状と今後の方向性)→地域づくりを進める上では、地域住民同士の顔の見える関係がベースとなる。地域づくりの取組は、行政が計画的に進められるものではなく、地域住民の創意や主体性を源として地域に様々な活動が生まれるように環境を整備し ていくことが中心となる。地域づくりに向けた支援は、地域住民のやりたいという思いに寄り添い、その思いが実現できるようにするための幅広いものとなる。例えば、既存の事業を活用して活動への直接的な支援を行うことだけでなく、関係する事業等に 関する情報提供を行うことや、思いの実現を手助けできる人を紹介すること などの側面支援も含まれる。地域の住民同士が出会い学び合う機会を提供することによって、顔の見える関係性が広がるとともに、新たな活動が生まれるきっかけになることもある。また、生きづらさを抱える当事者同士の意見を聞 きながら、当事者同士が出会う場をつくり、支え合うグループづくりを進めていくことも考えられる。 このためには、まず、地域に多様な参加の場や居場所を確保するための支援 が必要。あわせて、地域住民同士による見守り活動など地域の既存の活 動や助け合いを把握しながら、それらを応援するとともに、新たな活動を生み 出すため、地域づくりを応援するコーディネート機能が必要である。
(2)具体的なスキーム
(支援のスキーム)
→@ 住民同士が出会い参加することのできる場や居場所の確保に向けた支援 (以下「場や居場所の確保支援」という。) A ケアし支え合う関係性を広げ、交流や参加の機会を生み出すコーディネート機能(以下「地域づくりのコーディネート機能」という。) 地域づくりのコーディネート機能は、「個別の活動や人のコーディネート」と「地域のプラットフォーム」の2つの機能を確保することが求められる。
(場や居場所の確保支援)→「世代や属性、国籍を超えた関わりを通じて、幼少期からの地域への意識と、 暮らしや文化、価値観の多様性を認め合う意識を育む」「 「支える」「支えられる」という関係性を超えて、多様な役割と参加の機会や地域での助け合いを生み出す」「住民と専門職が協働すること等を通じて、地域に開かれた福祉の実践を展 開することにより、包摂的な地域共生の文化を醸成する」
(地域づくりのコーディネート機能)→地域づくりに関心のある者が地域のプラットフォームに集まり、コーディネーターと連携することで、これまで結びつきのなかった人と人がつながり、新たな参加の場が生まれ地域の活動を高めることにつながる。コーディネートする役割は、福祉に関する専門的な知識等が必ずしも求め られるものではなく、地域のことをよく知っている住民やまちづくり関係の 活動を行っている NPO などがそれぞれの主体として強みを活かし、その機能 を分担し合うことも考えられる。あわせて、他省庁の人材関連施策との連携や 重層化といった視点も重要。住民がコーディネートする役割の一部を 担うのであれば、行政や専門職がそれを支えるといった視点も重要である。
・ 地域のプラットフォームは、地域に一つではなく多様に存在していることが重要、その多様性を確保するためには、既存の協議の場の活用も求められる。
(圏域) 地域づくりのコーディネート機能は、地域の個別の活動や人を把握しつな げていく機能であり、住民に身近な圏域での活動が必要と考えられる。 あわせて、個別の活動や人のつながりを広げるためには、住民に身近な圏域よりも大きな範囲(市町村等)で出会いの場を作り、交流を生み出す視点、さらには市町村等を超えて人を呼び込み交流人口を拡大していく視点も必要と考えられる。 介護保険の生活支援体制整備事業の生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)及び協議体は、圏域については市町村圏域(第1層)と日常生活 圏域(第2層)の双方を射程に入れ、重層的に取組を進める考え方となってお り、これらの既存の取組にも十分に留意する必要がある。
(人員配置、資格要件)→場や居場所の確保支援に関する人員配置→それぞれの機関が担う機能や現在の配置状況等を踏まえ、市町村において検討を行う。その際、既 存事業の人員配置基準・配置人員の資格要件等や各機関に求められる機能を適切に確保することに留意し、これまで各機関が地域で果たしてきた役割が 継続的に担えるようにすることが必要。
(財政支援)→上記を踏まえ、市町村内の支援体制として、場や居場所の確保支援及び地域 づくりのコーディネート機能の確保に必要な経費に対し一括して交付するこ とを検討すべき。 既存制度として一括交付の対象となるものは、生活支援体制整備事業(介護)、一般介護予防事業(介護)、(自立支援)協議会(障害)、地域活動支援センター(障害)、地域子育て支援拠点事業(子ども)、生活困窮者のための共助 の基盤づくり事業(生活困窮)などが想定される。

(3)多様な主体との連携
・ 地域の実践
→社会福祉法人の地域における公益的な取組による事業の 一環として、法人の運営する事業の資源の一部を活用して、地域の子どもの学 習面・生活面での支援や、相談支援から浮かび上がってきたニーズに対して、 シェルターの提供や緊急物資支援など様々な取組が行われている。医療法人がその資源の一部を活用して介護予防教室や出前講座を実 施している例がある。かかりつけ医については、「医療的機能」に加えて、地 域住民との信頼関係の構築や健康相談、健診など地域における様々な活動へ の積極的な参加、地域の保健・介護・福祉関係者との連携など「社会的機能」を発揮することが地域づくりにおいて期待されており、医療の分野においても、地域の住民との協働への意識が醸成されている。 このような多様な主体による地域づくりに向けた取組が面的に推進されるよう、新たな事業において、地域の多様な主体から成るプラットフォームの構築を促進するための方策を検討すべきである。 なお、地域づくりにおいては、福祉の領域を超えて、地域全体を俯瞰する視点が不可欠。地域社会の持続可能性についても意識し、都市と地方の交 流人口の拡大、広域における地域資源の相互利用の視点を踏まえ、まちづくり・地域産業など他の分野の可能性も広げる連携・協働を強化することも必要 である。 さらに、都市と地方の連携を進め、広域で地域資源を効果的に活用し、例え ば農福連携の取組を推進することなどを通じて、交流人口の拡大を図ってい く支援も求められる。

5 市町村における包括的な支援体制の構築の際のプロセスと留意すべき点
・ 市町村における包括的な支援体制の構築の検討に当たっては、まず、地域住 民や関係機関等と共に地域のニーズや人材、地域資源の状況等を把握し、見える化した上で分析を行うことが必要。 それらを前提としつつ、
地域住民や関係機関等と議論をし、域内における包括的な支援体制の整備について考え方等をまとめ、共通認識を持ちながら取組を進めるべき。その際、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組状況 や生活困窮者自立支援制度、地域子ども・子育て支援事業の提供体制に基づく 包括的な支援の提供に向けた実践の状況等も踏まえ、新たな縦割りを生み出さないよう留意することも求められる。 特に、地域づくりに向けた支援→既存の地域のつながりや支え合う関係性を十分理解した上で、行政からのお仕着せにならないように、地域住 民の主体性を中心に置き、長期的な視点を持って活動を応援することを基本とする。
・ その際、庁内の組織体制についても、職員が既存の縦割りを超えて包括的な 支援に当たることができるよう、業務に当たる職員の声を聞きながら、柔軟で 相互の連携を図りやすい体制に変えていくことが求められる。このような組 織体制の構築により、職員の自主性の向上が期待されるとともに、個人の多機 能化が求められる 2040 年を見据えた組織体制にもつながる。さらに、人材不足等に対応する観点から、市町村間における連携も重要。 ○ また、事業実施後も、地域住民や関係機関等と振り返りや議論を繰り返し行 いつつ、事業の実施状況等を定期的に分析・評価し、改善していく必要がある。 評価に際しては、例えば、包括的な支援が円滑に提供されているか、一つの相 談機関等に過剰な負担が生じていないか、既存の事業の推進を妨げていないか、一体的になされた財政支援が適切に配分されているかなど、幅広い観点について確認し、地域住民や関係機関等とともに議論を行うべきである。その結果、例えば、一度整備した組織体制についても、必要に応じて柔軟に見直すなど、試行錯誤しながら改善していくことも求められる。
・ 市町村がこのようなプロセスを適切に経て、地域住民や関係機関等とともに考え方等を共有し、事業を推進するためには、幅広い関係者をメンバーとす る議論を行う場を市町村が設置する仕組みとすべき。
・ 新たな事業の実施主体は市町村であるが、本人や世帯の状態に合わせた支援を行うためには、日頃から支援に携わっている NPO、社会福祉法人、社会福 祉協議会などの民間団体とも協働して体制を組む必要があることから、それらの団体も事業を実施することができるよう事業の委託等のための仕組みを設けることが必要である。
・ なお、事業実施体制の構築を進める際には、市町村が直接担うべき範囲と委託により民間団体の強みを活かす範囲について、対象事業の性質に応じて検 討を行うべきであるとともに、価格での評価に加え、事業の内容や過去の支援 実績にも着目し、支援の質や事業の継続性などを総合的に評価していくことも重要。

6 介護、障害、子ども、生活困窮等の各制度から拠出する際の基本的な考え方
・ 新たな事業において実施される支援のうち、市町村が行う断らない相談支援及び地域づくりに向けた支援
→地域住民のニーズや資源の状況に合わせ、属性を超えた支援の柔軟かつ円滑な提供が求められる。このため、 国等による財政支援は、介護、障害、子ども、生活困窮等の各制度における関 連事業に係る補助について、一体的な執行を行うことができる仕組みとすべきである。 ○ 介護、障害等の既存の各制度における基準額や補助率が異なることを踏ま え、事業費の積み上げ方や配分方法について検討を行う必要がある。その際、 既存の制度からの拠出については、拠出が特定の制度に偏らないよう合理的 なルールに基づく機械的な方法による按分とすることが必要であるといった 意見や、現在の取組を継続できるよう交付水準を保つべきであるといった意 見があったことを踏まえ、より詳細を検討すべきである。 さらに、現行の各経費の性格の維持など国による財政保障にも十分配慮する観点から、シーリング上、現在義務的経費とされているものについては、引き続き義務的経費として整理できるような仕組みとすべきである。

次回もこの資料の続き「W 市町村における包括的な支援体制の整備促進のための基盤」からです。
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会 [2019年12月20日(Fri)]
第9回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(令和元年12月10 日)
《議事》  ・最終とりまとめ案について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00019.html
◎資料1-1 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(案)
T 地域共生社会の理念と検討の経緯
1 地域共生社会の理念とその射程
・個人や世帯が抱える生きづらさやリスクが複雑化・多様化
→社会的孤立など関係性の貧困の社会課題化、ダブルケアや 8050 世帯1など複合的な課題や人生を通じて複雑化した課題の顕在化、就職氷河期 世代の就職困難など雇用を通じた生活保障の機能低下などの変化が見られ、従来の社会保障の仕組みの下では十分な対応が難しいと考えられ、その対応に苦慮している様子が見てとれる。人口減少が本格化し、担い手の確保に苦慮しているのが現状。 個人や世帯が抱える生きづらさやリスクの複雑化・多様化や共同体の機能の脆弱化は、様々な分野で顕在化しており、地域社会の持続への懸念が生まれている。
・ 地域共生社会→日本の社会保障の成り立ちや社会の変化を 踏まえて、平成 28 年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」に おいて提案された理念。その理念→制度・分野の枠や、「支える側」 「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、 一人ひとりが生きがいや役割をもち、助け合いながら暮らしていくことので きる、包摂的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方である。
・ その射程は、福祉の政策領域だけでなく保健、医療など社会保障領域、さらに、成年後見制度等の権利擁護、再犯防止・更生支援、自殺対策など対人支援 領域全体にわたる。
・ 一人ひとりの多様な参加の機会の創出や地域社会の持続という観点に立てば、その射程は、地方創生、まちづくり、住宅、地域自治、環境保全、 教育など他の政策領域に広がり、地域共生社会という理念を掲げて政策展開を行っていくに当たっては、福祉の政策領域だけでなく、対人支援領域全体を捉えていくとともに、他の政策領域において、親和性の高い理念を掲げて進められている施策との 連携を図ることが重要となる。

2 「地域共生社会の実現」に向けた検討の経緯
・ 社会福祉の分野
→近年、高齢者から始まった地域包括ケアシステムや生 活困窮者自立支援制度など、一人ひとりの抱える様々なニーズに対し、必要な 支援を包括的に提供するための施策が推進されている。特に、生活困窮者自立支援制度では、属性別の制度では対応が難しいような、 世帯内の複合的なニーズや一人ひとりのライフステージの変化に対し、寄り 添いつつ柔軟に対応していくことを目指して、自立相談支援機関による個別 的かつ包括的な相談支援を軸とした実践が進められ、全国的に広がっている。
・厚生労働省→これまでの対人支援領域における包括的支援と地域支援を総合的に推進するという政策展開の流れを確か なものとする観点から、「地域共生社会の実現」を今後の福祉改革を貫く基本コンセプトとして掲げ、取組を進めてきた。 平成 30 年4月に施行された「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 52 号。平成 29 年 6 月 2 日 公布。「改正法」)→地域福祉の推進の理念が明記されるとともに、市町村が包括的な支援体制づくりに努める旨が規定された。 改正法の附則では、公布後3年(令和2年)を目途として、包括的な支援体 制を全国的に整備するための方策について検討を加え、その結果に基づいて 所要の措置を講ずることとされている。
・これらを受けて、包括的な支援体制づくりを具体化するため、平成 28 年度 から「地域共生社会」の実現に向けた地域づくりの強化を図る取組の推進のた めのモデル事業が実施されている。令和元年度時点で、208 の自治体がモデル 事業を活用しながら、体制の構築について検討し実践を進めている。
・ また、平成 30 年 10 月に厚生労働省に設置された「2040 年を展望した社会 保障・働き方改革本部」においても、論点の一つの柱として地域共生・地域の支え合いの実現に向けた取組の検討が据えられ、令和元年5月 29 日に検討の 方向性が示されている。 さらに、令和元年6月 21 日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2019」(骨太の方針)→「全ての人々が地域、暮らし、生きが いを共に創り高め合う地域共生社会を実現する」として、「断らない相談支援 などの包括支援や多様な地域活動の普及・促進について、新たな制度の創設の 検討を含め、取組を強化する」との方向性が示された。
・ 本検討会は、このような政策の流れを踏まえて、包括的な支援体制を全国的 に整備するための方策について検討を行うとともに、より広い視点に立って、 今後社会保障において強化すべき機能や、多様な社会参加と多様な主体によ る協働を推進するための方策について検討するため、令和元年5月に設置され、令和元年7月の中間とりまとめの公表まで計5回、中間とりまとめを踏 まえて更なる議論を計○回行っており、ここに、その成果を最終とりまとめと して示すものである。

U 福祉政策の新たなアプローチ
1 対人支援において今後求められるアプローチ

・ 先に指摘したとおり、個人の人生は複雑かつ多様であるが、近年その複雑化・多様化が一層進んでおり、典型的なリスクを抽出し対応する従来の政策の 延長・拡充のみでは限界がある。このため、対人支援において、一人ひとりの 生が尊重され、複雑・多様な問題を抱えながらも、社会との多様な関わりを基 礎として自律的な生を継続していくことができるように支援する機能の強化 が求められている。
・ 専門職による対人支援は、一人ひとりの個別的なニーズや様々な生活上の 困難を受け止め、自律的な生の継続を支援できるよう、本人の意向や本人を取 り巻く状況に合わせて、次の2つのアプローチを支援の両輪として組み合わ せていくことが必要→「具体的な課題解決を目指すアプローチ」「つながり続けることを目指すアプローチ」
このうち、「具体的な課題解決を目指すアプローチ」→本人が有する特定の課題を解決に導くことを目指すもの。このアプローチを具体化する制度の多くは、それぞれの属性や課題に対応するための支援(現金・現物給付)を行う設計となっている。
・ これに対して、「つながり続けることを目指すアプローチ(以下「伴走型支援」)」→支援者と本人が継続的につながり関わり合いながら、本人と周 囲との関係を広げていくことを目指すもの。伴走型支援→特に、生き づらさの背景が明らかでない場合、自己肯定感や自己有用感が低下している 場合、8050 問題など課題が複合化した場合、ライフステージの変化に応じた 柔軟な支援が必要な場合などに有効である。 このアプローチを具体化する制度は、本人の暮らし全体を捉え、その人生の 時間軸も意識しながら、継続的な関わりを行うための相談支援(手続的給付2) を重視した設計となる。
・ 個人や世帯が抱える課題が一層複雑化、多様化していることを鑑みると、伴走型支援を具体化する取組を強化していく必要がある。  どちらのアプローチにおいても、本人を中心として寄り添う意識を持って支援に当たることを重視していくことが求められている。

2 専門職の伴走型支援と住民相互のつながりによるセーフティネットの強化
・ 伴走型支援の実践→「専門職が時間をかけてアセスメントを行い、 課題を解きほぐすとともに、本人と世帯の状態の変化に寄り添う継続的な支援」(専門職による伴走型支援)と「地域の居場所などにおける様々な活動等 を通じて日常の暮らしの中で行われる、地域住民同士の支え合いや緩やかな 見守り」といった双方の視点を重視する必要があり、それによりセーフティネットが強化され、重層的なものとなっていく。それを進めることで、対人支援におい て様々な局面で以下のような変化が起こることが期待される。→「個人が複雑・多様な問題に直面しながらも、生きていこうとする力を引き 出すことに力点を置いた支援を行うことができる」、「「支える」「支えられる」という一方向の関係性ではなく、支援者と本人 が人として出会い、そして支援の中で互いに成長することができる」「具体的な課題解決を目的とするアプローチとともに機能することによっ て、孤立した状態にある本人が、他者や社会に対する信頼を高め、周囲の多 様な社会関係にも目を向けていくきっかけとなり得る」。
・ 一方で、個人の自律的な生を支える、社会へ関わるための経路は、専門職に よる支援のみをきっかけとするのではなく、多様であることが望ましい。 地域の実践では、保健医療福祉の専門職が関わる中で、地域住民が出会い、 お互いを知る場や学び合う機会を設けることを通じて、新たなつながりができ、地域住民同士の気にかけ合う関係性が生まれている事例が見られる。従来 からの民生委員・児童委員の活動に加え、最近ではボランティア団体などによ る「子ども食堂」、「認知症カフェ」など、地域において多様な社会的課題への取組が広がっている。
・ 相互の学びから生じるつながりは、多様な参加の機会を生み、一人ひとりの 生の尊重や自律的な生の継続へとつながるとともに、地域の中での支え合い や緩やかな見守りを生み出していく。そして、こうしたつながりの広がりと専門職による伴走型支援が普及し、福祉の実践が地域に開かれていくことで、本 人と地域や社会とのつながりが回復し、包摂が実現されていく。

3 重層的なセーフティネットの構築に向けた各主体の役割分担の在り方
・ 一人ひとりの自律的な生の継続を支える福祉政策のアプローチの下では、 公・共・私の役割分担についても、「自助・互助・共助・公助」の組み合わせ という従来の考え方も継承しつつ、→「行政により確保される機能を通じた保障(現金・現物給付、伴走型支援を 含む手続的給付など)」、「市場の機能を通じた保障(福祉サービス、就労機会の提供など)」「共同体・コミュニティ(人と人との関係性)の機能を通じた保障(地域における支え合いなど)」のそれぞれが連携しながら、バランスの取れた形で役割を果たし、個人の自律 を支えるセーフティネットを充実させていくという考え方を重視していく必要がある。
・ このような考え方に基づき、具体的な政策を進めるに当たっては、一人ひと りの個別的なニーズや様々な生活上の困難を受け止められるよう、以下の環 境整備を進めることが必要。→「社会とのつながりが希薄な個人をつなぎ戻し包摂を実現するという、専門職による伴走型支援を普及するための環境整備」「地域の様々な民間主体や住民が一人ひとりの多様な社会参加を実現する 資源を提供しやすくするための環境整備」「地域やコミュニティにおける多様なつながりが生まれやすくするための 環境整備」

次回も、この続き「V 市町村における包括的な支援体制の整備の在り方」からです。