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社会保障審議会 生活保護基準部会 最高裁判決への対応に関する 専門委員会報告書等を踏まえた対応の方向性 [2026年01月09日(Fri)]
(報道発表)
社会保障審議会 生活保護基準部会 最高裁判決への対応に関する 専門委員会報告書等を踏まえた対応の方向性(令和7年11月21日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66228.html
○生活扶助基準の改定に関する6月27日の最高裁判決を受け、学識経験者(法律・経済・福祉)による専門委員会を本年8月に設置し、議論を進めてまいりましたが、11月18日に報告書が取りまとめられました。本日、専門委員会報告書等を踏まえた対応の方向性を公表いたします。  厚生労働省 社会・援護局
○専門委員会の報告書で示された消費実態に基づく高さ調整の考え方→・平成20年から平成23年にかけての消費水準は、リーマンショックの影響等により全体的に大きく低下し、とりわけ一般低所得 世帯の落ち込みが大きかった。このため、リーマンショックの影響といった特殊要因を考慮することが必要。 ・専門委員会の報告書では、平時に近い消費水準を基準とする観点から、リーマンショックの影響から一定程度回復した後の水準 に補正する方法が示され、ゆがみ調整(1/2 処理)反映後の基準額に対する改定率として3つの案が示された。このうち、平成25 年基準改定までに参照し得た最新のデータは平成24年のデータであることから、平成24年までの変動率に基づく▲2.49%を採用。 ※報告書では、平成25年のデータは平成25年基準改定時点では利用できなかったものであるため、慎重に検討すべきと整理された。⇒《改定率の案のイメージ》 案@:▲2.49% 参照。
○専門委員会の報告書などを踏まえた追加給付等の方向性→・生活保護法に基づく保護費の追加給付について、生活保護法第8条第2項の規定(※2)や第2条の規定による無差別平等原則 (※3)を踏まえ、原告・原告以外を区別せず、高さ調整▲2.49%の水準で一律に実施(▲4.78%と▲2.49%の差額分を給付) ※1ゆがみ調整については、判決で違法とされていないことから、追加給付の対象としない。 ※2第8条第2項基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生 活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。 ※3第2条すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を無差別平等に受けることができる。 ・また、原告については、これまでの争訟の経緯を踏まえた原告との紛争の一回的解決の要請を踏まえ、高さ調整を実施しない水 準となるよう、予算措置により、保護費に代えて、これに相当する特別給付金を支給(▲0%と▲2.49%の差額を追加給付に上乗せ) ・保護費の追加給付に要する費用:概ね2,000億円前後(精査中)

≪参考資料≫
○平成25年生活扶助基準改定について↓
◆平成25年の生活扶助基準改定↓
@デフレ傾向を踏まえた「物価」による調整【デフレ調整】
→ •平成20年以降の経済情勢(※)により生じた生活扶助基準の「水準」と一般国民の生活水準との間の不均衡を是正。 ※リーマンショックに伴い、賃金、物価、家計消費等がいずれも下落 •平成19年検証で生活扶助基準が高いとされながらその後も据え置いてきた中で、初めて「物価」により調整(▲4.78%) ⇒仮に消費を基礎として改定する場合には、下落幅が大きくなる(※)ことが想定された。 ※ 平成21年における夫婦子1人世帯の一般低所得世帯の生活扶助相当支出額は、 平成19年検証時点における生活扶助基準額を約12.6%下回る
A年齢別、世帯人員別、地域別の「ゆがみ」の調整【ゆがみ調整】 引き下げとなる子どもが多くいる世帯への配慮等として、検証結果の1/2を反映。
◆生活扶助基準改定の経緯 (夫婦・子一人世帯1級地−1(東京都区部等)の場合R5.10〜月額154,670円)  ※その後は、5年おきに消費水準 に基づく改定を実施
○生活保護基準引下げ処分取消等請求訴訟 最高裁判決の概要 @AB→最高裁判決の内容(令和7年6月27日最高裁第三小法廷判決 )⇒ 自治体による保護変更決定処分を取り消す 。原告らの国に対する損害賠償請求を棄却する。
→【判断枠組み】【デフレ調整】【ゆがみ調整】【国家賠償】  参照のこと。
○社会保障審議会生活保護基準部会 最高裁判決への対応に関する専門委員会→【設置の趣旨】 平成25年生活扶助基準改定に関する令和7年6月27日最高裁判決を踏まえた今後の対応に関して、最高裁判決の趣旨及び内容を踏まえた対応の在り方について、法律・経済・福祉の専門的知見に基づく検討を行うため、学識経験者による審議をいただく 専門の委員会を、社会保障審議会生活保護基準部会の下に設置する。⇒委員名簿9名。【これまでの開催実績】→第9回専門委員会11月17日(月):報告書(案) ⇒ 11月18日(火):報告書公表
○社会保障審議会 生活保護基準部会 最高裁判決への対応に関する専門委員会とりまとめのポイント(令和7年11月18日公表の専門委員会報告書に基づき厚生労働省において作成)
【総括】

◆ 仮に 当時の基準改定(ゆがみ調整及び高さ調整)を新たな検証結果に基づき改めて実施することとした場合には、基本的 には原告等以外の被保護者のみならず、原告等にも適用 することになる。 ◆ このため、 ・ 新たな基準を制定する場合にも、原告等及び原告等以外の被保護者の区別なく適用することが基本 ・ 他方で、原告等については、判決による形成力が働いている者がいることや、 と考えられるが、 特に高さ(水準)調整について、紛争の 一回的解決の要請に特に留意が必要 であり、 こうした点を踏まえて適切に裁量権行使を行うことが必要である ものと考えられる。 ◆ なお、平成25年当時の生活扶助基準改定について、今回の最高裁判決において 、「物価変動率のみを直接の指標とすることについて、基準部会等による審議検討を経ていないなど、その合理性を基礎付けるに足りる専門的知見があるとは認められない。物価変動率のみを直接の指標として用いたことに、専門的知見との整合性を欠くところがあり、この点において、 デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には、過誤、欠落があった」 と判示されたことを重く受け止め、今後の改定手続において同様の問題が生じないよう、特にこれまでと異なる判断を行う場合には、厚生労働省において、専門的 知見に基づく生活保護基準部会等における検討を経て適切な改定を行うよう特段の留意を求める ものである。

次回は新たに「第48回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料」からです。

「令和7年版 労働経済の分析」を公表します [2025年10月30日(Thu)]
「令和7年版 労働経済の分析」を公表します(令和7年9月30日)
〜分析テーマは「労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて」〜
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63870.html
厚生労働省は、本日の閣議で「令和7年版 労働経済の分析」(労働経済白書)を報告しましたので、その内容を公表します。
 労働経済白書は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で、今回で76回目の公表となります。
 今回の白書では、「労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて」をテーマとして分析を行いました。第T部では、2024年の雇用情勢や賃金、経済等の動きをまとめています。また、第U部では、労働力供給制約の下での持続的な経済成長を実現するための対応について、労働生産性の向上に向けた課題、社会インフラを支える職業の人材確保、企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理といった観点から分析を行っています。
労働経済白書の主なポイント
• 持続可能な経済成長には労働生産性の向上が重要であり、医療・福祉業等をはじめとして、AI等のソフトウェア投資による業務の効率化が重要。
• 社会インフラに関連する分野の人材確保には、賃金をはじめとしたスキルや経験に応じた処遇の改善が重要。
• 企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化を踏まえた柔軟な雇用管理が重要。
「令和7年版 労働経済の分析」本文、要約版はこちら


◎令和7年版 労働経済の分析―労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて〔概要〕  令和7年9月  厚生労働省
○令和7年版 労働経済の分析の主な内容
→ 令和7年版労働経済の分析では、2024年の我が国の一般経済の動向、雇用情勢の動向、労働時間・賃金等の動向を振り返る(第T部)とともに、我が国における労働力供給制約の下での持続的な経済成長を実現するための対応について、@労働生産性の向上に向けた課題、A社会インフラを支える職業の人材確保、B企業と労働者の関係性の変化や 労働者の意識変化に対応した雇用管理といった観点から分析を行った(第U部)。◆2024年の雇用情勢は前年に引き続き改善。実質賃金の一般、パートはマイナスを脱した。<第T部>
◆持続可能な経済成長には、労働生産性の向上の推進が重要。国際的にみても高齢化率が高まるにつれて就業者の割合が高まる傾向のある医療・福祉業等をはじめ、AI等ソフトウェェア投資等による業務の効率化や省力化の推進、事務的な業務の軽減が重要。<第U部第1章>
◆社会インフラに関連する分野の人材確保は、持続的な経済成長に向けた重要な課題。人材確保には賃金をはじめとしたスキルや経験に応じた処遇の改善が必要。長期的に安心して働くために、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する「キャリアラダー」と呼ばれる仕組みの構築を進めることが重要。<第U部第2章>
◆日本的雇用慣行の変化に加え、ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まりなど、雇用を取り巻く環境に様々な変化が生じている。これに対応して企業が人材を確保するためには、賃金等の処遇改善に加え、労働者それぞれの意識やライフイベントに合わせた働き方を可能とする柔軟な雇用管理を行うことが重要。<第U部第3章>
第T部 完全失業率、有効求人倍率はほぼ横ばいで推移
第U部第1章 非製造業のソフトウェア投資の伸びが低迷
第U部第2章 社会インフラ関連職の 賃金カーブの傾きは緩やか
第U部第3章 就業意識の多様化が進んでいる             参照のこと。

○令和7年版労働経済の分析〔概要〕〕→令和7年版労働経済の分析では、2024年の我が国の一般経済の動向、雇用情勢の動向、労働 時間・賃金等の動向を振り返る(第T部)とともに、我が国における労働力供給制約の下での持続 的な経済成長を実現するための対応について、@労働生産性の向上に向けた課題、A社会イン フラを支える職業の人材確保、B企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した 雇用管理といった観点から分析を行った(第U部) 。

第T部:労働経済の推移と特徴→◆2024年の雇用情勢は前年に引き続き改善の動きがみられた。完全失業率、有効求人倍率はほぼ横ばいで推移し、労働力人口、就業者数及び雇用者数は過去最高となった。 ◆2024年の現金給与総額は4年連続で増加し、実質賃金は一般、パートともマイナスを脱した。

第U部第1章:持続的な経済成長に向けた課題→◆我が国の過去約40年間の実質GDP成長率は、米国及び英国を除く主要国と比較すると大きな差がない水準ではあるが、1990年代以降、実質労働生産性の実質GDP成長率への寄与が低下している。このため、労働力供給量をできるだけ維持することを前提としつつ、我が国の持続可能な経済成長には、労働生産性の向上を推進していくことが最も重要であると考えられる。【図4】 ◆名目労働生産性の上昇率を寄与度分解すると、人的資本投資やソフトウェア投資などの無形資産の名目労働生産性への寄与度が、我が国では低い水準にとどまっている。米国、英国及びドイツと比較すると、無形資産投資の対名目GDP比は小さく、その上昇率も弱い動きとなっている。 【図5・図6】 ◆我が国は、無形資産投資の中でも特に非製造業におけるAI投資の中核を構成しているソフトウェア投資について、米国、英国及びドイツと比べて伸びが低迷している。【図7】 ◆国際的にみると高齢化率が高まるにつれて医療・福祉業及びサービス業等の就業者の割合が高まる傾向にあるため、これらの産業における労働生産性の向上も重要である。【図8】 ◆しかし、我が国の医療・福祉業、卸売・小売業及び宿泊・飲食業の実質労働生産性の上昇率は米国、英国、ドイツと比較して低水準になっており、これらの産業をはじめ、AI等ソフトウェア投資などによる業務の効率化や省力化の推進、事務的な業務の軽減が重要である。【図9】
図4実質労働生産性の実質GDP成長率への寄与が低下
図5無形資産の名目労働生産性への寄与度は低水準 (2011〜2019年・年平均)
図6無形資産投資の対名目GDP比は 小さく、その上昇率も弱い動き
図7非製造業のソフトウェア投資の伸びが低迷
図8国際的にみると主要国では医療・福祉業及びサービス業等の就業者の割合が高まる傾向
図9我が国の医療・福祉業、卸売・小売業及び宿泊 ・飲食業の実質労働生産性の上昇率は低水準 (2000年代〜2010年代・年平均)

第U部第2章:社会インフラを支える職業の人材確保に向けて→◆医療・福祉業をはじめとした人々の生活に密接に関係している社会インフラに関連する分野で労働力需要に見合った労働力を確保できない場合、生活に直結するサービス提供が困難となり、生活の質が低下し、経済活動への影響が懸念される。このため、この分野の人 材確保は、我が国の持続的な経済成長に向けた重要な課題である。 ◆安定的な人材確保が求められる社会インフラ関連職(次ページ冒頭に定義を記載。)の就業者は就業者全体の約35%となっており、過去10年間では、非社会インフラ関連職は322万人 増加した一方、社会インフラ関連職の増加は58万人にとどまっている。【図10・図11】 ◆人材確保にはスキルや経験の蓄積に応じた処遇の改善が重要。社会インフラ関連職と非社会インフラ関連職の賃金を比較すると、月額賃金で約5万円低い。【図12】 ◆非社会インフラ関連職の事務職と社会インフラ関連職の月額賃金の分布を比較すると、事務職の方が中央値は高く、高所得者層への裾野が広がっており、社会インフラ関連職はスキルや経験の蓄積に応じて賃金が上昇する仕組みが相対的に弱い可能性がある。【図13】 ◆賃金プロファイルを比較すると、非社会インフラ関連職では、賃金カーブは山なりの形状。 一方、社会インフラ関連職では、年齢とともに賃金が上昇する傾向はあるものの、賃金 カーブの傾きは緩やか。【図14・図15】 ◆長期的に安心して働くために、社会インフラ関連職でも、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する「キャリアラダー」と呼ばれる仕組みの構築を進めることが重要。

【「社会インフラ関連職」の定義】→社会インフラに関連する分野で働く人々は、感染症の拡大以降、「エッセンシャルワーカー」や「キーワーカー」と呼ばれているが、国際的に統一された定義はなく、国際機関、各国ごとに独自に定義を設けている。本白書では、安定的な人材確保が求められる等の社会インフラを支える職業として、命に関わる仕事、物流・インフラに関わる仕事、日々の生活に関わる仕事の三つを想定し、これらに対応する職業を「医療・保健・福祉グループ」「保安・運輸・建設グループ」「接客・販売・調理グループ」の三つに分類した上で、その総称を「社会インフラ関連職」と定義した。この定義は、第U部第2章の中で社会インフラに直接関わる職業の特色を分析するために設けたものであり、今回社会インフラ関連職に分類されなかった職業も含めて全ての職業が社会機能の維持に重要な役割を果たしている点には留意が必要である。
図10社会インフラ関連職の就業者は全体の約35%
図11社会インフラ関連職の就業者数の増加は58万人にとどまる
図12 社会インフラ関連職の月額賃金は約5万円低い
図13社会インフラ関連職(本図は「医療・保健・ 福祉グループ」(医師等を除く))では 高所得者層への裾野が広がっていない 図

第U部第3章:企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理→◆我が国が持続的な経済成長を実現するためには、労働生産性の向上に加え、多様な労働者の 労働参加を促し、企業が直面する人手不足を緩和していくことが必要である。我が国では、 日本的雇用慣行の変化や転職市場の拡大に加え、ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まりなど、雇用を取り巻く環境に様々な変化が生じている。 ◆企業と労働者の関係性についてみると、転職者が増加するとともに、新卒で採用された時から継続的に同一企業に就業している「生え抜き社員」割合は低下し、年功的な賃金体系の賃金上昇幅が鈍化している。【図16・図17】 ◆労働者の就業意識も変化しており、仕事と余暇のあり方に対する意識をみると、1973年には 「仕事優先型」の割合が約44%と高かったが、近年では「仕事優先型」の割合は約23%まで 下がり、「余暇・仕事両立型」(約38%)と「余暇優先型」(約36%)の割合が高くなっており、多様化がみられる。【図18】 ◆若年層ほど、仕事内容よりも賃金水準を重視し、自己成長への関心が高いなどの傾向がみられる。また、「働きやすい」と感じているグループの方が継続就業希望が高い傾向にあり、職場環境の改善は社員の継続就業につながることが示唆される。【図19・図20・図21】 ◆雇用を取り巻く環境変化に対応して企業が人材を確保するためには、賃金及び福利厚生といった処遇改善に加え、賃金以外の労働条件の改善や働きやすい職場環境整備など、労働者それぞれの意識やライフイベントに合わせた働き方を可能とする柔軟な雇用管理を行うこと が重要。
図16 生え抜き社員割合は低下傾向
図17 生え抜き社員の年齢に応じた賃金上昇幅が鈍化
図18 労働者の就業意識の多様化が進んでいる
図19 若年層ほど仕事内容よりも賃金水準を重視する傾向
図20 若年層ほど自己成長への関心が高い
図21 「働きやすい」と感じているグループ の方が継続就業希望が高い傾向


◎令和7年版 労働経済の分析―労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて〔本文〕  令和7年9月  厚生労働省
○目次

はじめに
凡  例
第T部労働経済の推移と特徴
第1章一般経済の動向
第1節 GDPの動向
第2節 企業部門の動向
第3節 家計部門の動向
第2章雇用情勢の動向
第1節 完全失業率及び有効求人倍率の動向
第2節 労働力需要の動向
第3節 労働力供給の動向
第4節 就業者・雇用者の動向
第3章労働時間・賃金等の動向
第1節 労働時間・休暇等の動向
第2節 賃金の動向第3節 春季労使交渉等の動向

第U部 労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて
第1章 持続的な経済成長に向けた課題
第1節我が国のGDP成長率と労働力供給量の推移
第2節 労働生産性の向上に向けた課題と対応
第2章 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて
第1節 社会インフラを支える職業が直面する人手不足の現状
第2節 社会インフラを支える職業の特徴
第3節 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて
第3章 企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理
第1節 企業と労働者の関係性の変化
第2節 労働者の意識変化
第3節 継続就業を促す雇用管理
付属統計図表
図表索引
付属統計図表索引
参考文献一覧

コラム索引 ↓
1– 1 サービス収支における「デジタル関連サービス」について
・【コラム1−(1)−1図 経常収支の推移】
→サービス収支の赤字は、2010年代と比較すると、2020年以降は拡大傾向。
・【コラム1−(1)−2図 デジタル関連サービスの収支の推移】→2024年の「デジタル関連サービス」の赤字は6.8兆円。

1–2 我が国と主要国における女性の労働参加の状況
・【コラム1−(2)−1図 女性の年齢階級別就業率】
→我が国の女性の「20〜24歳」「25〜29歳」の就業率は、主要国よりも高い水準。
・【コラム1−(2)−2図 女性の年齢階級別正規雇用労働者比率】→我が国の女性の正規雇用労働者比率は、「25〜29歳」をピークとして、30代以降は低下傾向。

1–3 就業者の年齢構成割合
・【コラム1−(3)−1表 就業者の年齢階級別構成割合】
→就業者の年齢階級別構成割合の長期的な変化に着目すると、過去10年間で70歳以上の割合が大きく上昇。
・【コラム1−(3)−2表 正規雇用労働者数の年齢階級別構成割合】→正規雇用労働者の年齢階級別構成割合の推移をみると、過去10年間で60歳台の割合が大きく上昇。

1–4 賃金の実質化について
・【コラム1−(4)−1図 実質化に用いる消費者物価指数別実質賃金(年次)の推移】
→2024年の消費者物価指数「持家の帰属家賃を除く総合」で実質化した実質賃金は前年比 0.3%減となり、消費者物価指数「総合」で実質化した実質賃金は同0.0%となる

2–1 労働者の意識の国際比較
・【コラム2−(1)−1図 仕事と余暇の重要度】
→一人当たり名目GDPが高い国ほど仕事中心性が低くなる傾向。 (1)仕事と余暇の重要度 (2)一人当たり名目GDPと仕事-余暇スコアの関係⇒経済状況と仕事及び余暇に対する価値観の関係を検討するために、米田(2024)を参考 として、仕事の重要度スコアから余暇の重要度スコアを差し引いて算出した「仕事中心性 スコア」と、一人当たり名目GDPとの関係を分析した。その結果、一人当たり名目GD Pが高い国ほど、仕事中心性が低くなる傾向が確認された(コラム第2−(1)−1図(2))。 このことから、我が国において仕事よりも余暇を重視する傾向が以前よりも強くなってい ることは、我が国特有の傾向ではなく経済成長による経済の成熟化が進んだ結果であると 考えられる。

次回は新たに「第203回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

「令和6年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します [2025年10月14日(Tue)]
報道関係者 各位
「令和6年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します
(令和7年9月3日)
認められた虐待種別は「経済的虐待」が引き続き最多
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172598_00012.html
 厚生労働省は、このたび、「令和6年度使用者による障害者虐待の状況等」を取りまとめましたので、公表します。
 都道府県労働局では、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「障害者虐待防止法」)に基づき、都道府県などの地方公共団体と連携し、障害者※1を雇用する事業主や職場の上司など、いわゆる「使用者」による障害者への虐待の防止や、虐待が行われた場合の関係法令に基づく是正指導などに取り組んでいます。
 厚生労働省では、今回の取りまとめ結果を受けて、引き続き、地方公共団体との緊密な連携を図りながら、使用者による障害者虐待の防止のために取り組んでいきます。
○ポイント
1.通報・届出のあった事業所数・対象となった障害者数
  通報・届出のあった事業所数※2は、前年度と比べ5.4%増加し、1,593事業所。
  通報・届出の対象となった障害者数は、前年度と比べ1.5%減少し、1,827人。
2.虐待が認められた事業所数・障害者数
  虐待が認められた事業所数※2は、前年度と比べ2.9%減少し、434事業所。
  虐待が認められた障害者数は、前年度と比べ14.3%減少し、652人。
3.認められた虐待の種別
  認められた虐待の種別※3 では、経済的虐待が584人(85.0%)で最多。


※1 障害者とは、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他心身の機能の
 障害がある者であって、障害および社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」(障害者基本法第2条第1号)としており、障害者手帳を取得していない場合も含まれます。
※2 事業所数は、通報・届出の時期、内容が異なる場合には、重複計上しています。
※3 ひとりの被虐待者に複数の虐待が認められた場合は、重複計上しています。
  (虐待の種別については、「虐待の定義」参照。)↓

【虐待の定義】(障害者虐待防止法第2条第8項第1号から第5号)
身体的虐待↓

障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、又は正当な理由
なく障害者の身体を拘束すること。
性的虐待↓
障害者にわいせつな行為をすること又は障害者をしてわいせつな行為をさせること。
心理的虐待↓
障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応又は不当な差別的言動その他の障害者
に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
放置等による虐待↓
障害者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、当該事業所に使用される他の
労働者による上記3つの虐待行為と同様の行為の放置その他これらに準ずる行為を行う
こと。
経済的虐待↓
障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること。

○別添1令和6年度における使用者による障害者虐待の状況
1通報・届出
(1)通報・届出のあった事業所数(把握の端緒別)
(2)通報・届出の対象となった障害者数
(3)通報・届出の対象となった障害者数(障害種別・虐待種別)→@障害種別A虐待種別
【参考】第1表虐待種別・障害種別障害者数(通報・届出の対象となった障害者)
【参考】第2表年度別・障害種別障害者数(通報・届出の対象となった障害者)
【参考】第3表年度別・虐待種別障害者数(通報・届出の対象となった障害者)

2労働局の対応結果
(1)虐待が認められた事業所数(把握の端緒別)
(2)虐待が認められた障害者数
(3)虐待が認められた障害者数(障害種別・虐待種別)→@障害種別A虐待種別
【参考】第4表虐待種別・障害種別障害者数(虐待が認められた障害者)
【参考】第5表年度別・障害種別障害者数(虐待が認められた障害者)
【参考】第6表年度別・虐待種別障害者数(虐待が認められた障害者)
(4)虐待が認められた障害者数(就労形態別・男女別)→@就労形態別A男女別
【参考】第7表虐待種別・就労形態別障害者数(虐待が認められた障害者)
(5)障害者虐待を行った使用者の内訳
(6)虐待に対して労働局が講じた措置
(7)虐待が認められた事業所の業種・規模→@業種別A規模別
【参考】第8表規模別・虐待種別事業所数(虐待が認められた事業所)
【参考】第9表規模別・虐待種別障害者数(虐待が認められた障害者)

○別添2令和6年度における使用者による障害者虐待の事例
事例1身体的虐待が認められた事例
事例2性的虐待が認められた事例
事例3心理的虐待が認められた事例
事例4放置等による虐待が認められた事例
事例5経済的虐待が認められた事例
事例6身体的虐待、心理的虐待、放置等による虐待が認められた事例

○参考1虐待の防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律の概要
○参考2 使用者による障害者虐待が行われた場合などの対応


次回は新たに「第202回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

「地域共生社会の在り方検討会議」の中間とりまとめ [2025年07月16日(Wed)]
「地域共生社会の在り方検討会議」の中間とりまとめ(令和7年5月28日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58292.html
 地域共生社会の実現については、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(令和2年法律第52号)では、附則第2条において、施行後5年後を目途として施行状況について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとされていました。
 また、2040年に向けては、人口減少・単身世帯の増加などの社会情勢の変化、これに伴う地縁・血縁・社縁といった地域における支え合い機能の低下が見込まれるほか、法制審議会(民法(成年後見等関係)部会)において、成年後見制度の見直しの議論なども進められています。
 こうした状況を踏まえ、「地域共生社会の在り方検討会議」(座長:宮本太郎 中央大学教授)を開催し、@地域共生社会の更なる展開に向けた対応 A身寄りのない高齢者等への対応 B成年後見制度の見直しに向けた司法と福祉との連携強化等の総合的な権利擁護支援策の充実の方向性 C社会福祉法人・社会福祉連携推進法人の在り方 D社会福祉における災害への対応 などを検討事項として掲げ、議論を重ねてきました。
 本日(令和7年5月28日)付けで、同検討会議の中間とりまとめがまとまりましたので、公表いたします。
 今後は、本中間とりまとめを踏まえ、社会保障審議会福祉部会等において、制度改正も見据え、より具体的な検討を進めていく予定としています。

◎「地域共生社会の在り方検討会議」 中間とりまとめ
令和7年5月28日   地域共生社会の在り方検討会議
○目次

0.はじめに
1.地域共生社会の更なる展開に向けた対応
(1)地域共生社会の理念・概念の再整理、更なる展開に向けた連携・協働
(2)包括的な支援体制の整備・重層的支援体制整備事業の今後の在り方
2.身寄りのない高齢者等への対応
(1)身寄りのない高齢者等の生活上の課題に関する相談窓口の在り方
(2)身寄りのない高齢者等の生活上の課題に対する支援策の在り方
(3)身寄りのない高齢者等を地域で支える体制(関係機関とのネットワーク構築 等)
の在り方
3.成年後見制度の見直しに向けた司法と福祉との連携強化等の総合的な権利擁護 支援策
の充実の方向性
(1)新たな連携・協力体制の構築による生活支援や意思決定支援の在り方
(2)「中核機関」に求められる新たな役割及びその位置づけ
4.社会福祉法人・社会福祉連携推進法人の在り方 地域共生社会の担い手としての役割や
経営の協働化・大規模化等の在り方
5.社会福祉における災害への対応 災害時の被災者支援との連携の在り方
6.終わりに

次回は新たに「インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関するワーキンググループ 第6回会合」からです。
労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 〜急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方〜 [2025年05月30日(Fri)]
労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 〜急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方〜(令和7年4月25日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57326.html
◎別添3 労働政策審議会労働政策基本部会報告書(概要) 〜急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方〜
○労働政策審議会労働政策基本部会報告書(概要)〜急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方〜→・第4期となる今期の労働政策基本部会は、2024年1月から2025年3月にかけて、地方公共団体、中小企業、有識者等へのヒアリングを含めて 10回開催し、AIの進化による社会構造の変化や人口減少社会を見据えた、地方や中小企業における課題や労働政策等について、活発な議論を 行った。そして、報告書「急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方」をまとめ、2025年4月25日に公表した。 ・本報告書では、労働者の多くを占める地方・中小企業の働き方について考えることが重要であるとの認識の下、本部会での初めての試みとして、 「地方で働く皆様」、「地方の企業の皆様」、「中小企業で働く皆様」、「中小企業の経営者の皆様」などにわかりやすくメッセージが伝わるよう「本部会からのメッセージ」(P.4参照)を作成した。
<報告書の概要>↓
○地方や中小企業における課題の解消に向けた本部会からのメッセージ

・我が国は、近年、AIが指数関数的とも言うべき急激な進化を続けるなど、産業構造がこれまでにない規模とスピードで変化する時代と なっており、働き方が、今後、大きな変化が生じる可能性がある。また、生産年齢人口の減少による人手不足が経済成長の制約となって 深刻な影響を与えることが懸念されている。
・本報告書の内容を踏まえ、労使において課題の共有がなされ、また、労働政策審議会の関係分科会や部会等においても速やかに施策が検 討されることを求めたい。報告書の具体的な内容は、以下のとおりである。↓
第1章:地方・中小企業における現状と課題→地方の生産年齢人口は転出超過している状況にあること等を踏まえ、 5つにまとめた。
【地方・中小企業の5つの課題】
→ @地方における賃金等の労働条件の低さや情報発信の不足 A社会インフラ維持に必要な産業・職種(「建設・採掘従事者、輸 送・機械運転、運搬・清掃、保健医療、介護等の職種」など)における賃金等の労働条件の低さ B地方・中小企業における多様で柔軟かつ安心な働き方の不足 C固定的な性別役割意識を背景とした若年女性等の都市部への流出 D専門的な人材におけるミスマッチ

第2章:地方・中小企業の課題の解消に向けて 目指すべき施策の方向性→地方・中小企業の5つの課題を踏まえた労働政策の施策の方向性として 「労働生産性の向上」、「労働参加率の向上」、 「ジェンダーギャップの解消」、「情報ギャップの解消」 の4つとしており、それぞれに対する具体的な施策を報告書 で提言している。

第3章:地方・中小企業の魅力の向上に資する労働政策→第3章において提言している施策については、都市部、大企業も施策の対象として含まれているものも多いが、中小企業は大企業と 比較して人手不足が深刻になっていること、地方において生産年齢人口が転出超過していることなどを踏まえると、地方、中小企業に おいて第3章の施策に積極的に取り組むことが必要である。
・「労働生産性の向上」→・、AIの進化に応じたAIの活用が重要。・職務に必要なスキルと賃金等との関係のいわゆる 「賃金相場」を明らかにするべき。・社会全体で、賃金、雇用形態を含めた処遇 面の改善に取り組むことが重要。・各業界内におけるスキルの標準化とキャリアラダーの構築を進めることによるスキルの明確化が必要。 ・労働者へのスキル取得支援の充実、助言機能・マッチング機能を強化するべき。
・「労働参加率の向上」→・多様なニーズに対応し、ワーク・ライフ・バランスがとれる働き方ができるよう、長時間労働の抑制、処遇の改善、仕事と家庭の両立支援が必要。 ・長時間労働の抑制を前提とした上で、労働時間や休暇等に関 する労働者のニーズを踏まえ、柔軟な働き方を推進していくことが必要。 ・働き方に関する個人の価値観が多様なものとなっており、地方において、多様なニーズに応じた働き方を推進することは 人手確保につながる可能性がある。 ・労働者がライフステージの状況等のニーズに合わせてテレ ワーク等柔軟な働き方に資する制度が使えるよう雇用管理を 行っていくことが必要。 ・商慣行の見直しを社会全体で取り組むとともに、厚生労働省 はカスタマーハラスメント対策を積極的に行うべき。
・「ジェンダーギャップの解消」→・若年層、中高年層、高齢者など全ての年齢層 に対するアンコンシャス・バイアス解消を含めた取組み、・性別 や年齢等により役割が固定化されないことが必要。・、地域密着型で、職場のみならず、 家庭・社会における慣習や慣行も含めて見直すことが効果的。
・「情報ギャップの解消」→・企業情報について、企業自 らが積極的に公開を行う、・求職者が企業の職場情報等に気軽にアクセスできるよう情報を一元的に把握できる仕組みの構築、・厚生労働省は、職場情報について、部局横断的に存在しているため、連携強化した上で、開示されている項目も含め更なる運営サイトの充実等を図っていくことが必要。 地方公共団体が中心となって、企業と学生が直接交流する機会を持てるよう若者が参加しやすいイベントを開催 し、地方の企業の認知度を高める取組みを講じることが 効果的。
・「EBPMの推進」→・EBPM(証拠(データ)に基づく政策立案)を推進していくことも課題。 ・基本的な統計知識を身につけている者が組織に増えると、政策や経営方針などの方向性を決める際に、データを収集して確認す るという組織としての統計マインドが形成され、労働生産性の向上にも結びつくことにつながる可能性がある。 ・高度な統計知識が必要なデータ分析を行う際には、特にこのような人材が少ない可能性が高い地方や中小企業においては、大学 等の研究機関との連携などにより、人的資源を効果的に活用していくことが考えられる。

○(参考)地方で働く皆様、地方の企業の皆様、中小企業で働く皆様、中小企業の経営者の 皆様などに向けた本部会からのメッセージ→「地方で働いている・働こうとしている皆様へ」「中小企業で働いている・働こうとしている皆様へ」「地方の企業の皆様へ」「中小企業の皆様へ」「地方公共団体の皆様へ」 再掲だが参照のこと。


◎別添4 労働政策審議会労働政策基本部会設置趣旨・委員名簿
・設置趣旨
→平成28年12月の「働き方に関する政策決定プロセス有識者会議」の報告書において、「現在行われている労働政策について の議論が分科会及び部会単位で行われており、分科会及び部会を横断するような課題については議論されにくい環境にある」 「研究会等や労政審での議論は法改正の具体的な内容が中心となり、中長期的な課題についての議論が不足している」等の指 摘がされたことから、平成29年7月に、労働政策審議会(本審)の下に、労働政策基本部会を設置し、議論を行っている。
・労働政策基本部会委員→15名。(R7年3月31日現在)

次回は新たに「第5回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会(資料」からです。

労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 〜急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方〜 [2025年05月29日(Thu)]
労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 〜急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方〜(令和7年4月25日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57326.html
 労働政策審議会労働政策基本部会(部会長:守島基博 学習院大学経済学部経営学科教授、一橋大学名誉教授)において、本日付けで報告書が取りまとめられましたので、公表いたします。
第4期となる今期の労働政策審議会労働政策基本部会は、2024年1月から2025年3月にかけて、地方公共団体、中小企業、有識者等へのヒアリングを含めて10回開催し、AIの進化による社会構造の変化や人口減少社会を見据えた、地方や中小企業における課題や労働政策等について、議論を行いました。
今後、この報告書の内容を次回の労働政策審議会に報告する予定です。
◎別添1 労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 令和7年4月
急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方
○目次↓

地方や中小企業における課題の解消に向けた本部会からのメッセージ..... 1
第1章:地方・中小企業における現状と課題.. ................ 5
(1)我が国の人口・経済の状況について ............... 5
(生産年齢人口の減少は、地方においてより深刻).................... 5
(2)我が国の労働市場について        .......................... 5
(中小企業・地方の人手不足は、大企業・都市部に比べてより深刻な状況) .... 5
(女性の正規雇用者比率は主要国と比較して30代以降に低下する傾向) ....... 6
(高齢者の就業率は主要国の中でも高い水準) .............. 7
(経済成長と労働参加が進まなければ、将来の労働力供給はより深刻な状況) .. 7
(3)地方・中小企業における課題 ........................ 7
(課題@−1:地方における賃金等の労働条件の低さや情報発信の不足)......... 7
(課題@−2:社会インフラ維持に必要な産業・職種における賃金等の労働条件の低
さ) .. .................... ....................... 8
(課題A:地方・中小企業における多様で柔軟かつ安心な働き ..........9
(課題B:固定的な性別役割意識を背景とした若年女性等の都市部への流出) .. 10
(課題C:専門的な人材のミスマッチ) ................ 10
第2章:地方・中小企業の課題の解消に向けて目指すべき施策の方向性 ... 11
第3章:地方・中小企業の魅力の向上に資する労働政策 ......... 13
(1)「労働生産性の向上」に資する施策....................... 13
(AIの進化に応じたAIの活用が重要)..................... 13
(市場における賃金相場形成機能の強化)................... 15
(社会インフラ維持に必要な職種における雇用の安定化)..... 15
(現場人材におけるキャリアラダーの形成)................. 16
(企業の競争力強化につながる人材育成の誘導)............. 17
(労働者へのスキル取得の支援の充実)..................... 18
(労働者への助言機能・マッチング機能の強化)............. 19
(セーフティネットの強化が必要).......................... 20
(専門的人材の副業・兼業による活用)..................... 20
(関係府省との連携が必要)............................... 20
(2)「労働参加率の向上」に資する施策 ...................... 21
(多様なニーズに対応した働き方の推進)................... 21
(テレワーク等柔軟な働き方に資する制度の導入) .......... 23
(商慣行の見直し及びカスタマーハラスメント対策の推進)... 23
(3)「ジェンダーギャップの解消」に資する施策 ......... 24
(社会全体での取組みの推進) ...................... 24
(地方公共団体による地域密着型の取組みへの協力)... 24
(4)「情報ギャップの解消」に資する施策 ............... 25
(積極的な情報開示や一元的な労働市場情報の活用) .. 25
(若年層との対話等による情報発信) ................ 25
(5)EBPMの推進 ..................................... 26
労働政策審議会労働政策基本部会 委員名簿 .............. 28
労働政策審議会労働政策基本部会 開催実績 .............. 29

○地方や中小企業における課題の解消に向けた本部会からのメッセージ (要旨)
・ 近年、AI が指数関数的とも言うべき急激な進化を続けるなど、産業構造がこれまでにない規模とスピードで変化する時代となっており、我が国における働き方も、今後、大きな変化が生じる可能性がある。また、我が国は、少子高齢化により人口減少社会に向かっており、特に地方や中小企業では、生産年齢人口の減少による人手不足が経済成長の制約 となって深刻な影響を与えることが懸念される。
・ そのため、今回の労働政策審議会労働政策基本部会では、労働者の多くを占める地方・ 中小企業を中心に、AI の進化による社会構造の変化や人口減少社会を見据えた課題に関 する議論を行い、これらの課題に対応する労働政策について、報告書を「急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方」としてまとめた。
・ 本報告書では、第1章で生産年齢人口が転出超過していることなど、地方・中小企業の 現状を整理し、これらの現状を踏まえた課題として、「地方における賃金等の労働条件の低さや情報発信の不足」、「社会インフラ維持に必要な産業・職種における賃金等の労働条件の低さ」、「地方・中小企業における多様で柔軟かつ安心な働き方の不足」、「固定的な性別役割意識を背景とした若年女性等の都市部への流出」、「専門的な人材におけるミスマッ チ」の5つにまとめている
・ 第2章では、これら5つの課題を踏まえた労働政策の施策の方向性について、「労働生産性の向上」、「労働参加率の向上」、「ジェンダーギャップの解消」、「情報ギャップの解消」 に資するものが必要であるとしている。その具体的な施策については、第3章で整理して いる。 本報告書の内容を踏まえ、労使において課題の共有がなされ、また、労働政策審議会の 関係分科会や部会等においても速やかに施策が検討されることを求めたい。
・ なお、本報告書の施策の主な対象である「地方」や全国の「中小企業」に向けて本部会 として特に伝えたいメッセージを、P2から P4までに参考としてまとめた。厚生労働省には、このメッセージを活用しつつ、地方で働く皆様、地方の企業の皆様、中小企業で働く皆様、中小企業の経営者の皆様などに、本報告書の内容を伝えていただくことをお願いしたい。

○働いている・働こうとしている皆様へ
≺地方で働いている・働こうとしている皆様へ≻
→ スキルを持っている現場人材(「建設・採掘従事者、輸送・機械運転、運搬・ 清掃、保健医療、介護等の職種」など)の皆様が、スキルに応じたより高い賃金となるように、「スキルと賃金」の見える化を推進します。
⇒・P15:市場における賃金相場形成機能の強化  ・P15:社会インフラ維持に必要な職種における雇用の安定化
・皆様の「スキルの見える化」「リ・スキリング」「キャリア形成」のサポート体 制を整備していきます。ハローワークでは、在職者向けにもサポートを充実さ せていきます。
→P16:現場人材におけるキャリアラダーの形成⇒・P18:労働者へのスキル取得の支援の充実  ・P19:労働者への助言機能・マッチング機能の強化  ・P20:セーフティネットの強化が必要
・スマホなどから気軽に職業情報や企業の職場情報などを調べられます。⇒・P15:市場における賃金相場形成機能の強化、・P25:積極的な情報開示や一元的な労働市場情報の活用。

≺中小企業で働いている・働こうとしている皆様へ≻
・AIやDX化の進展は急速に進んでおり、中小企業で導入を行っているところが 増えています。これらのスキルも身につけてみませんか。
・皆様の「スキルの見える化」「リ・スキリング」「キャリア形成」のサポート体 制を整備していきます。⇒・P16:現場人材におけるキャリアラダーの形成 P18:労働者へのスキル取得の支援の充実、・ P19:労働者への助言機能・マッチング機能の強化、・ P20:セーフティネットの強化が必要
・スマホなどから働いている職種に関連する資格など気軽に調べられます。⇒ P15:市場における賃金相場形成機能の強化

○企業の皆様へ
≺地方の企業の皆様へ≻

・人手の継続的な確保のためには、賃金上昇の原資となる生産性の向上が重要です。そのためには、多くの分野で進化し続けるAIの積極的な導入やDX化 による業務効率化の推進も選択肢の一つとして考えられます。⇒・P13:AIの進化に応じたAIの活用が重要、・P20:関係府省との連携が必要 人材育成のために経営ビジョンを明確にしてみましょう。
・労働者のニーズに合わせた柔軟な働き方の導入も検討してみましょう。⇒・ P17:企業の競争力強化につながる人材育成の誘導 P20:専門的人材の副業・兼業による活用、・ P21:多様なニーズに対応した働き方の推進、・ P23:テレワーク等柔軟な働き方に資する制度の導入、P23:商慣行の見直し及びカ スタマーハラスメント対策の推進。

≺中小企業の皆様へ≻
・人手の継続的な確保のためには、賃金上昇の原資となる生産性の向上が重要 です。そのためには、多くの分野で進化し続けるAIの積極的な導入やDX化 による業務効率化の推進も選択肢の一つとして考えられます。⇒・P13:AIの進化に応じたAIの活用が重要、P20:関係府省との連携が必要
・人材育成のために経営ビジョンを明確にしてみましょう。
・労働者のニーズに合わせた柔軟な働き方の導入も検討してみましょう。
・専門人材の獲得については、副業・兼業も選択肢として考えられます。⇒・P17:企業の競争力強化につながる人材育成の誘導、・ P20:専門的人材の副業・兼業による活用、・ P21:多様なニーズに対応した働き方の推進、・ P23:テレワーク等柔軟な働き方に資する制度の導入、P23:商慣行の見直し及びカ スタマーハラスメント対策の推進
・「自社を幅広く知ってもらう」ことを検討してみましょう。⇒・P25:積極的な情報開示や一元的な労働市場情報の活用、・P25:若年層との対話等による情報発信

○地方公共団体の皆様へ
・人手不足となっている現場人材の確保へのヒントがあります。「スキルと賃金 の見える化」を推進し、地方での働きやすさの向上につなげてみませんか。⇒・P15:市場における賃金相場形成機能の強化、・P15:社会インフラ維持に必要な職種における雇用の安定化、・ P16:現場人材におけるキャリアラダーの形成、・ P20:専門的人材の副業・兼業による活用
・地方では、生産年齢人口が転出超過し、特に若年女性にそれが顕著な傾向にあります。その解決へのヒントがあります。
・「ジェンダーギャップの解消」は、全年齢層に対する取組みの推進が重要です。地方公共団体が主体となり、労使を含めた様々な関係者と連携して、全て の年齢層を対象に、地域密着型の取組みをしてみませんか。⇒・P24:社会全体での取組みの推進、・ P24:地方公共団体による地域密着型の取組みへの協力

○労働政策審議会労働政策基本部会 委員名簿 令和7年3月31日現在→15名。


◎別添2 労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 参考資料 令和7年4月 厚生労働省 政策統括官(総合政策担当)
1.地方・中小企業における現状と課題
(1) 我が国の人口・経済の状況について↓

○生産年齢人口の減少率について→地方(「東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府及び兵庫県以外の道県」をいう。以下同じ。)の生産年齢人口は、都市部 (「地方以外」をいう。以下同じ。)と比較して大きな減少となっている。
○人口・就業者数及び雇用者報酬(名目)の割合について→地方は、人口ベース、就業者数ベースの双方で日本全体の6割弱を占めている。所得については、全国平均で雇用者報酬、一人当たり所 得ともに名目では増加している。一方で、都道府県別の雇用者報酬については、最も減少している順に香川県、秋田県、佐賀県となってお り、地方によっては上昇率が弱いところもある。

(2) 我が国の労働市場について↓
○我が国における中小企業で働く従業者数の割合について→企業規模別にみると、日本全体では、中小企業で働く従業員数は約7割を占めている。地方をみた場合、地方全体の従業員数のうち中小 企業で働く従業員数は約8割を占めている。
○現在の雇用情勢について→現在の雇用情勢は、求人が底堅く推移しており、緩やかに持ち直している。物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要がある。
○産業別・企業規模別にみた雇用人員判断D.I.の推移について→感染拡大前から続く人手不足感は、感染拡大の影響により2020年前半は全ての産業で弱まったものの、2021年12月に全ての産業が「不 足」超で推移しており、中小企業の人手不足感がより強い傾向がみられる。企業規模別にみると、2024年12月は、「不足」超の水準が全 産業で大企業は▲28、中堅企業は▲36、中小企業は▲40と中小企業の人手不足感がより強い傾向がみられる。
○雇用形態別の雇用人員判断D.I判断について→雇用形態別にみると、正社員の「不足」超の水準が2015年以降パートタイムを上回っており、長期的に不足感が強い傾向が続いている。
○地域別でみた人手不足D.I.の動向について→雇用人員判断D.Iを地域別にみると、2023年度の非製造業では、「北海道」「甲信越」「四国」「九州・沖縄」ではマイナス幅が過去最 高の水準になるなど、各地域で人手不足感が強まっている。
○労働力人口等の推移について→一人当たり平均労働時間が減少していることなどから、就業者数と労働時間を乗じて算出した「総労働力供給」は、1990年代以降緩やか な減少傾向で推移している。しかしながら、2010年代以降、女性や高齢者の就業者が大きく増えていることで、総労働力供給が維持されて いる。
○女性の労働参加の状況について(国際比較)@
→我が国の学生や高齢者を除く25歳〜54歳の女性の就業率は、国際比較でみると、年齢階級別にみても主要国とほぼ遜色ない水準となって いる。
○女性の労働参加の状況について(国際比較)A→正規雇用比率についてみると、我が国においては、主要国と比較して、30代以降に女性の正規雇用比率が低下する傾向にあり、いわゆる 「L字カーブ」の現象がみられる。
○雇用形態別にみた雇用者数の推移について→雇用形態別にみると、15歳〜54歳の男性の正規雇用労働者が2013年以降ほぼ横ばいで推移している一方で、女性は180万人程度増加し ている。15歳〜54歳の女性の非正規雇用労働者数も減少傾向がみられるものの、非正規雇用で働いている者で「家事・育児・介護等と両立 しやすいから」を主な理由にしている者は約218万人いる。
○「就業希望はあるが求職していない無業者」と「無業の求職者」について→「就業希望はあるが求職していない無業者」と「無業の求職者」は約800万人おり、その中には求職していない理由が「病気・けが・高齢 のため」の者もいるが、59歳以下の女性では「出産・育児・介護・看護のため」が多くなっている。
○高齢者の就業率及びパートタイム比率の国際比較について(2023年)→我が国の65歳以上の高齢者の就業率は、25.7%であり、国際比較でみると、G7諸国の中では最も高い水準となっている。また、雇用形 態別にみると、我が国の65歳以上の高齢者のパートタイム比率は52.9%となっているが、主要国は米国28.4%、英国57.5%、ドイツ 65.7%であり、OECD諸国の平均40.2%と比較すると高いものの、英国、ドイツよりは低い比率となっている。
○就業者数の将来推計について→労働力需給の推計によると、就業者数は、一人当たりの実質成長がゼロ、労働参加も現状から進まないと仮定したシナリオでは、2040年の 就業者は5,768 万人と2022年の就業者数6,724万人と比較して約1,000万人減少する見込みだが、経済成長と労働参加が同時に実現するシナリ オでは、2022年の就業者数6,724万人と比較して、2040 年では6,734 万人となり、ほぼ現状の水準を維持する、といった推計となっている。

(3)地方・中小企業における課題
課題@−1 地方における賃金等の労働条件の低さや情報発信の不足↓

○若者のUターン希望について(アンケート調査)→アンケート調査によると、大学生のUターン希望割合は、東海、九州・沖縄、東北、北陸では約半分と一定の希望者はいるものの、実際 はUターンせず地元から転出した者の中では、「やりがいがあり、自分らしい仕事があれば地元に残りたかった」という者が多い。
○入職経路別入職者割合について→入職者の入職経路を見たときでは、都市部では民間職業紹介及び広告経由が多いのに対して、地方ではハローワークや縁故を通じた入職 者割合が高い傾向にある。

課題@−2 社会インフラ維持に必要な産業・職種における賃金 等の労働条件の低さ↓
○JILPT労働力の推計について→JILPT が行った将来推計によると、2040年にかけて、全体の労働力人口は減少するものの、産業別では医療・福祉の社会インフラ維持 に必要な分野では、少なくとも現在よりも200万人以上の雇用者の増加が見込まれている。一方で、運輸業、飲食店・宿泊業、生活関連 サービス業では雇用者の減少が見込まれる。
○生活維持サービスの充足率→図表:全国シュミレーション結果 参照のこと。
○きまって支給する現金給与額について(令和5年賃金構造基本調査)→「サービス職業従事者」、「輸送・機械運転従事者」、「運搬・清掃・包装等従事者」では、20歳代後半から50歳代後半にかけてスキルや 経験等に応じた賃金上昇がほとんど見られない 。また、職業大分類で他の職種をみると、「管理的職業従事者」や「専門的・技術的職業従 事者」以外の職種の賃金は、賃金カーブがほぼ横ばいとなっている。

課題A 地方・中小企業における多様で柔軟かつ安心 な働き方の不足
○労働時間について→週60時間以上就労雇用者の割合は近年低下傾向にあり、2021年以降横ばい傾向で推移している。また、中小企業ほど労働時間が長い。
○共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移とワークライフバランスを意識した働き方へのニーズに ついて(アンケート調査)→共働き世帯は専業主婦世帯を上回って推移している中では、ワーク・ライフ・バランスを意識した働き方へのニーズが高まっている。
○企業規模別テレワーカーの割合について(令和5年度)→勤務先企業規模別のテレワーカーの割合は、企業規模が大きくなるほど高い。どの企業規模も令和4年度からテレワーカーの割合は減少 し、1,000人以上の企業で最も大きく約2.2ポイント減少している。
○就業地別テレワーカーの割合について(令和5年度)→雇用型テレワーカーの割合を勤務地域別にみると、首都圏では前年と比較して1.9ポイント減少したが、令和2年度以降は3割超の水準を 維持している。

課題B 固定的な性別役割意識を背景とした若年女性等の都市部への流出
○「20〜24歳」における都道府県別転出超過数→若年人口が減少している中で、三大都市圏を中心に20〜24歳の若い世代の転入超過が続いている。
○地域別における東京圏への転入超過数について→ 東京への転入超過は若年層の傾向をみると、特に北・東日本(東北、北関東、甲信越)からの転出による若い女性の東京圏への転入が進 み、性別による人口の不均衡が発生している。
○地方から東京圏へ移動した人へのアンケート結果について→地方から東京圏に移動した人に対する性別役割の経験に関するアンケート調査では、男性と比べて女性は、地方では「地元の集まりでお 茶入れや準備などは女性がしていた」、「地元は住民間のつながりが強かった」「地元では世間体を大事にする人が多かった」と感じてい た割合が特に高く、「地元で就職した女性は結婚・出産で仕事を辞めることが多かった」の項目でも女性の回答割合が高かった。
○日本のジェンダーギャップ(経済分野)の構造的背景→@〜➄の課題解決を。
○地方・中小企業に対する「決めつけ」からの脱却→提言となる?

課題C 専門的な人材のミスマッチ
○職種別の求人倍率について→ 職種別の有効求人倍率でみると、求人・求職の母数に差はあるものの、保安職業従事者、建設・採掘従事者、サービス職業従事者等は1 倍を大きく上回っている。

3.地方・中小企業の魅力の向上に資する労働政策
(1)「労働生産性の向上」に資する施策

○労働移動の現状について:転職状況の国際比較(2023年)→諸外国と比較すると、日本は転職経験のない者が多く、賃金上昇を伴う転職の割合が低い傾向にある。
○労働移動の現状について:転職活動者がまだ転職していない理由(性別・年齢別)→「転職活動者がまだ転職していない理由」を見てみると、転職活動者全体では、「自分にあった仕事がわからない」、「仕事の探し方がわからない」など、転職活動の方法がわからない者が3割以上を占めている。また、55〜64歳、65歳以上では、「求人の年齢と自分の年齢があわない」と 回答する者が2〜3割を占めている。
○「Myskills future」について→「Myskills future」とはシンガポール政府が推進する「Skills Future(スキルズ・フューチャー)」※の取組みの一つであり、仕事とスキルの情報をまとめているポータルサイト。 ※スキルズフューチャーとは、2015年に始まった政府のキャリアサポート制度の総称で、シンガポール国民の生涯学習とスキル獲得の支援を目的とした取組みであり、「シンガポールの国民が個々の潜在能力を、年齢に関係なく、生涯を通じて最大まで伸ばせるよう、機会を提供する国家的運動」とされている。 スキルズフューチャーの対象は学生向け、アーリーキャリア(若手の社会人)向け、シニア世代向けなど、さまざまなコースがある。
○職業情報提供サイト(job tag)について→「ジョブ」(職業・仕事)、「タスク」(作業)、「スキル」(技術・技能)等の観点から賃金を含めた職業情報を「見える化」し、求職者の就職活動等を支援するWebサイト。各種サイトと連携し、ハローワーク求人や訓練・講座の検索も可能。 ※米国労働省が公開している職業情報データベース(O*NET)を参考に、(独)労働政策研究・研修機構(JILPT)で開発を行い、2020年3月から運用開始。 年間アクセス(PV)件数:21,977,736件(令和5年度) 掲載職業(令和6年3月現在):531職業 ※米国のO*NETは900以上の職業を掲載 ※厚生労働省編職業分類の小分類(440分類) の約7割をカバー 〔job tag へのリンク〕https://shigoto.mhlw.go.jp
○リ・スキリングの必要性について→AIの革命(脳の革命)で分厚いホワイトカラー中間層時代は終わる。
○団体等検定制度の概要➀→外部労働市場に一定の通用力※を有する職業能力評価制度として、新たに団体等検定を創設(令和6年3月) ※合格者は一定の業界で採用・昇進の考慮要素となる、資格手当等の処遇に反映されることが期待される等⇒ 概要、効果 参照。
○団体等検定制度の概要A→厚生労働省の認定を受けることで、企業・団体において以下のような効果が期待されます。⇒1〜4まであり。
○建設キャリアアップシステム(CCUS)について→建設キャリアアップシステムの目的参照。
○企業のOFF-JT等に対する支援について→企業が OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用の労働者一人当たり平均額をみると、令和5年度は前年度より若干増加したものの、平 成28年度以降減少傾向にある。また、OFF-JTを実施した割合について、企業規模別にみると、中小企業でその割合が低く、雇用形態別にみると非正規雇用労働者でその割合が正規雇用労働者と比較して低い状況にある。
○中高年へのリ・スキリング事例について 参照のこと。
○教育訓練給付の拡充について→70%から80%に引き上げる。【法律事項】
○教育訓練休暇給付金の創設について→雇用保険被保険者が教育訓練を受けるための休暇を取得した場合に、基本手当に相当する給付として、賃金の一定割合を 支給する教育訓練休暇給付金を創設する。 <施行期日>2025(令和7)年10月1日
○雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)等  参照のこと。
○自己都合退職者が教育訓練等を自ら受けた場合の給付制限解除  参照のこと。
○副業・兼業人材の採用に適する職務内容について
○地方自治体における副業・兼業人材の活用にかかる取組みについて
○労働法教育の推進について@→労働施策基本方針(平成30年12月28日閣議決定)(抜粋) 多様な就業形態が増加する中で、労働関係法令や各種ルールについて知ることは、労働関係の紛争や不利益な取扱いの未然の防止に役立つ とともに、働き方を選択する上で重要であるため、高校生などの若年者に対して、労働関係法令や社会保障制度に関する教育を推進する。
○労働法教育の推進についてA→「「はたらくへのトビラ」〜ワークルール20のモデル授業案」「「働くこと」と「労働法」〜大学・短大・高専・専門学校生に教えるための手引」
・学校への講師派遣等  参照のこと。

(2)「労働参加率の向上」に資する施策↓
○就業希望のない無業者を取り巻く状況について
→女性については、例えば、59歳以下の女性で約100万人が、「出産・育児・介護・看護・家事のため」に無業かつ就業希望なしとなっているが、同年代の男性は僅かにとどまっており、育児や家事、介護の負担が女性に偏っている可能性が高い。
○高齢者の就業率及び就業意欲について→高齢者については、労働参加率は、年々高まっており、65歳以降も就業を希望する者の割合も増加している。
○労働時間の国際比較について(2023年) →労働時間ごとの分布を国際比較すると、我が国は、非常に労働時間が短い者と長い者で二極化している状況にあり、中間的な働き方の人 が少ない状況にある。
○「多様な正社員(限定正社員)」制度希望の有無(全体)→今後の働き方について、正社員になりたいと回答したパートタイム・有期雇用労働者のうち、正社員になった場合に「多様な正社員(限定正社員)」制度を希望したいと回答した割合は68.2%。 非正規雇用労働者の正社員登用の入り口として、多様な正社員制度は有用。
○現職を選択した理由別にみた非正規雇用労働者の推移→非正規雇用労働者を選択した理由をみると、2024年では「自分の都合のよい時間で働きたいから」が731万人(35%)、「家計の補助・ 学費等を得たいから」が366万人(18%)、「家事・育児・介護等と両立しやすいから」が227万人(11%)等となっている。
○学習時間の確保について→ アンケート調査によると、労働者の7割以上が、リ・スキリングを行う際の課題として「学習時間の確保」と回答している。

○柔軟な働き方等を導入した地元企業の好事例について→「企業ガイドブック」により、テレワーク等の柔軟な働き方を導入した地元企業の好事例を掲載することなどで、魅力ある企業と同業他社 企業とを差別化し、類似の取組みを広げたことによって、人手確保や定着につながるような効果があった。
○DX化推進によるエンゲージメントの向上  参照のこと。
○過剰サービス・長時間労働削減への取り組み事例 参照のこと。
○カスタマーハラスメント対策について→サービスの提供と受け手の転換必要。

(3)「ジェンダーギャップの解消」に資する施策
○若者や女性に選ばれるための取組み➀A→セミナーなど参照のこと。
○地域の企業連携による取組み事例→兵庫県豊岡市など 参照のこと。

(4)「情報ギャップの解消」に資する施策
○若年層に対する地元企業の情報に資する取組み→【企業・求職者向け】新卒向け企業訪問ツアー 参照のこと。
○職場情報総合サイト(しょくばらぼ)の運用等→企業の職場情報を求職者、学生等に総合的・横断的に提供することにより、職業選択を支援して労働市場のマッチング機能を 強化していく。また、企業が職場情報を開示・提供する機会を設けることにより、労働市場で選ばれるための雇用管理改善( 働き方改革、人材育成、女性活躍等)への積極的な取り組みの意欲を喚起する。⇒2 事業の概要・スキーム・実施主体等  参照。
○気仙沼市における若者に対する地元企業の情報発信に関する取組み→ ◇「企業ガイドブック」の発行 

(5)EBPMの推進
○地方公共団体によるデータ活用事例→福岡県糸島市、神戸市  参照。
○中小・中堅企業によるデータ活用事例→男女賃金格差の要因など。 参照。

次回も続き「別添3 労働政策審議会労働政策基本部会報告書(概要)」からです。

令和5年外国人雇用実態調査の結果を公表します [2025年02月07日(Fri)]
令和5年外国人雇用実態調査の結果を公表します(令和6年 12 月 26 日)
  〜外国人労働者に特化した、賃金や入職経路、入国費用等に関する初の調査〜
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46975.html
◎Press Release外国人雇用実態調査の結果を公表します 〜外国人労働者に特化した、賃金や入職経路、入国費用等に関する初の調査〜

厚生労働省では、このほど「令和5年外国人雇用実態調査」の結果を取りまとめましたので、公表します。 この調査は、外国人労働者を雇用する事業所における外国人労働者の雇用形態、賃金等の雇用管理の状況及び当該事業所の外国人労働者の状況、入職経路、前職に関する事項等についてその実態等を産業別、在留資格別等に明らかにすることを目的として、今般初めて実施したものです。
 本調査は、雇用保険被保険者5人以上で、かつ、外国人労働者を1人以上雇用している全国の事業所及び当該事業所に雇用されている外国人常用労働者を対象にしており、調査客体として抽出された9,450事業所のうち有効回答を得た3,534事業所及び11,629人について集計したものです。

◎【調査結果の主なポイント】↓
<事業所調査>↓
◯ 外国人労働者数(雇用保険被保険者数5人以上事業所)は約160万人。在留資格別にみると「専門的・技術的分野」が35.6%、「身分に基づくもの」が30.9%、「技能実習」が22.8%となっている。
[1 きまって支給する現金給与額、実労働時間]
 
◯ 「月間きまって支給する現金給与額」(一般労働者)は267.7千円[所定内実労働時間 155.8時間 超過実労働時間19.8時間]。
【在留資格別(一般労働者)】[]内は順に所定内実労働時間数、超過実労働時間
   ・専門的・技術的分野   285.9千円[158.6時間、17.5時間]
    ・うち特定技能     232.6千円[159.9時間、23.8時間]
   ・技能実習        204.1千円[163.2時間、26.2時間]
   ・身分に基づくもの    302.3千円[149.5時間、18.5時間]

[2 外国人労働者を雇用する理由]
◯ 外国人労働者を雇用する(複数回答・事業所計)をみると、「労働力不足の解消・緩和
のため」が最も高く64.8%、次いで「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が56.8%、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」が18.5%、「日本人にはない知識、技術の活用を期待して」が16.5%   となっている。

[3 外国人労働者の雇用に関する課題]
◯ 外国人労働者の雇用に関する課題(複数回答・事業所計)をみると、「日本語能力等の
ためにコミュニケーションが取りにくい」が最も高く44.8%、次いで「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」が25.4%、「在留資格によっては在留期間の上限がある」が22.2%、「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」が19.6%となっている。

<労働者調査>↓
◯ 国籍・地域別では、ベトナムが29.8%と最も多く、次いで中国(香港、マカオ含む)
  が15.9%、フィリピンが10.0%となっている。
[1 入職経路(入職前居住地:日本)]

◯ 現在の仕事への入職前居住地が日本だった者について、その入職経路をみると、「知人、
友人」が最も多く43.0%、次いで「求人広告(求人情報誌、インターネット)」が19.3%。「日本国内の民間紹介会社」が9.9%、「その他」が6.2%となっている

[2 入職経路(入職前居住地:日本以外)]
◯ 現在の仕事への入職前居住地が日本以外だった者について、その入職経路をみると、85.2%が紹介会社や個人からの紹介等を受けており、その内訳をみると、「出身国・地域の紹介会社・個人」が最も多く51.5%、次いで、「日本国内の紹介会社・個人」が13.5%、「出身国・地域のその他機関」が12.0%、「出身国・地域の語学学校」が9.9%となっている。

[3 入職に要した費用]
◯ 入国までにかかった費用総額をみると、「20万円以上40万円未満」が23.0%、「20万円未満」が19.2%、「80万円以上100万円未満」が14.3%となっている。

[4 就労上のトラブル]
◯ 今の仕事をする上でのトラブルや困ったことについてみると、「なし」が82.5%、「あり」が14.4%。「あり」の者について、そのトラブルの内容(複数回答)をみると、「紹介会社(送出し機関含む)の費用が高かった」が19.6%、「トラブルや困ったことの相談先がわからなかった」が16.0%、「事前の説明以上に高い日本語能力が求められた」が13.6%、「その他」が34.5%となっている。

[5 転職時の賃金変動(前職:日本国内)]
◯ 前職の場所が日本国内である外国人労働者の転職による賃金変動状況をみると、約6割が増加、約16%は減少している。    在留資格別にみると、専門的・技術的分野のうち技術・人文知識・国際業務では「10%以上30% 未満増加(29.1%)、「30%以上増加」(26.8%)が多く、留学生、特定技能や定住者では「変わらない」(それぞれ50.7%、28.2%、25.1%)が多い。技能実習では「10%以上30%未満増加」(21.2%)もいるが、「10%以上30%未満減少」(17.7%)もいる。

※労働者調査については、全て母国語で調査したものではなく、日本語、英語(オンライン回答の場合にはこれらに加え、中国語、ベトナム語、ポルトガル語)で調査を実施した。


◎令和5年外国人雇用実態調査の概況
○目 次 のみ↓

調査の概要
利用上の注意
主な用語の定義
○結 果 の 概 要 ↓
【事業所調査】
1 外国人の雇用状況
2 外国人労働者の労働時間と賃金
3 外国人労働者を雇用する理由
4 外国人労働者の雇用に関する課題
【労働者調査】
1 外国人労働者の状況
2 入職経路の状況
3 就労上のトラブルの状況
4 転職の状況

○令和5年外国人雇用実態調査の結果は、厚生労働省のホームページにも掲載しています。 アドレス (https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38007.html)

次回は新たに「令和6年第16回経済財政諮問会議」からです。

労働政策審議会建議「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」を公表します [2025年02月06日(Thu)]
労働政策審議会建議「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」を公表します(令和6年 12 月 26 日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00016.html
厚生労働省の労働政策審議会(会長:清家 篤 日本赤十字社社長、慶應義塾学事顧問)は、本年9月から、同審議会の雇用環境・均等分科会(分科会長:奥宮 京子 弁護士)において、7回にわたり議論を重ねてきた結果、本日、厚生労働大臣に対し、女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について建議を行いましたので、公表します。
 厚生労働省では、この建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定です。


◎(別紙)女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について
I.はじめに
→○ 少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少やグローバル規模での競争が激化する中で、そ うした変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現するために、多様な労働者がその能 力を十分に発揮して活躍できる就業環境の整備を図ることが重要な課題となっている。 ○ こうした中で、女性の職業生活における活躍を推進するため、平成 27 年に「女性の職 業生活における活躍の推進に関する法律」(平成 27 年法律第 64 号。以下「女性活躍推進 法」)が制定された。その後の法令改正を経て、現在は、常時雇用する労働者の 数が 101 人以上の企業に、一般事業主行動計画の策定・届出が義務付けられているほ か、令和4年7月以降は、常時雇用する労働者の数が 301 人以上の企業に、男女間賃金 差異の情報公表が義務付けられている。 ○ この女性活躍推進法に基づく取組をはじめとして、各種の取組が進む中で、我が国に おける男女間賃金差異は長期的に縮小傾向にあるが、国際的に見れば依然として差異が 大きい状況にある。また、男女間賃金差異の大きな要因の1つとされる管理職に占める 女性の割合についても、長期的には上昇傾向にあるが、こちらも国際的に見れば依然と して低い水準に留まっている。女性活躍推進法は、10 年間の時限立法であり、令和8年 3月末にその期限を迎えることとなるが、こうした状況に鑑みれば、なお課題が残ると ころであり、女性活躍の更なる推進が求められている。 ○ また、職場におけるハラスメントは、労働者の尊厳や人格を傷付け、職場環境を悪化 させる、あってはならないものであり、これまでも、セクシュアルハラスメントの防止 に係る事業主による措置の義務付けをはじめとして、順次対策の強化が図られてきた。 令和元年には、パワーハラスメントの防止に係る措置が事業主に義務付けられたほか、 同年6月の ILO 総会において「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃」に関 する条約(第 190 号)が採択されるなど、国際的にも対策の進展が見られる。 ○ 一方で、都道府県労働局へのハラスメントに係る相談件数の状況を見ると、依然高止 まりしている状況にある。また、近年、顧客、取引先等からの著しい迷惑行為であるカ スタマーハラスメントや、就職活動中の学生等に対するセクシュアルハラスメントが社 会的に問題となっており、更なる対策の強化を図り、全ての労働者が活躍することので きる就業環境を実現していくことが求められている。 ○ 当分科会では、これらの問題意識の下、本年9月以降、女性の職業生活における活躍 の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について議論を行い、その 結果を以下のとおりとりまとめたので報告する。この報告を受けて、厚生労働省におい て、法的整備も含め、所要の措置を講ずることが適当であると考える。

II.必要な対応の具体的な内容
1.女性の職業生活における活躍の更なる推進
⑴.女性活躍推進法の延長
→○ 女性活躍推進法については、未だその役割を終えたといえる状況にはなく、引き 続き女性の職業生活における活躍を推進するための取組を継続するため、期限を 10 年間延長した上で、以下に述べる見直しを行うことで実効性の向上を図り、更なる 取組の推進を図ることが適当である。
⑵.中小企業における取組の推進→○ 常時雇用する労働者の数が 100 人以下の企業については、一般事業主行動計画の 策定の努力義務を引き続き維持した上で、自主的な取組を促進するため、取組の好 事例やメリットの周知を図るほか、企業に対するコンサルティング、支援ツールの 提供等、支援策の充実を図ることが適当である。
⑶.女性の職業生活における活躍に関する情報公表の充実
@ 男女間賃金差異の情報公表の拡大
→○ 男女間賃金差異については、指標の大小それ自体のみに着目するのではなく、 要因の分析を行い、課題を把握し、改善に向けて取り組んでいくことが重要であ ることから、支援策の充実や事例の共有等を通じて、企業によるこれらの一連の 取組を促すとともに、「説明欄」の活用例の充実を図ることなどによりその更なる 活用を促していくことが適当である。 ○ また、こうした支援の充実に加えて、男女間賃金差異の情報公表の意義や効果 について分かりやすく十分な周知を行うことで、中小企業における取組の裾野を 着実に広げていくことと併せて、常時雇用する労働者の数が 101 人以上 300 人以 下の企業においても、男女間賃金差異の情報公表を義務とすることが適当である。
A 女性管理職比率の情報公表の義務化等→○ 女性管理職比率は、男女間賃金差異の大きな要因の1つであるというだけでな く、女性の評価や登用の公正性や、後進の女性のロールモデルが存在するかとい ったキャリア形成の実態を表す指標でもあり、女性の職業選択に資する情報であ ることから、@と同様企業に対する必要な支援を行うとともに、その公表を義務 とし、女性管理職比率の向上に向けた取組を促していくことが適当である。その 際、義務の対象範囲については、一般事業主行動計画の策定が義務付けられてい る常時雇用する労働者の数が 101 人以上の企業とすることが適当である。○ 併せて、女性管理職比率の情報公表に当たって、女性管理職の状況の的確な把 握を可能とするため、女性管理職比率について新たに「説明欄」を設けた上で、 追加的な情報公表を行うことが可能である旨を示すほか、男女それぞれの労働者 数を分母とし、男女それぞれの管理職数を分子とする男女別管理職登用比率を、 参考値として記載することが望ましい旨を示すことが適当である。 ○ また、女性管理職比率の情報公表を義務とするに当たっては、不適正な計上を 防ぐための一層の対策が求められることから、上記の「説明欄」に、厚生労働省 が示している「管理職」の定義に沿うものである旨及び実際に計上している各企 業の役職名を明記することが望ましい旨を示すことが適当である。その際、「説 明欄」への記載が煩瑣なものとならないような記載方法を示すことが適当である。
B 情報公表必須項目数→○ @及びAの見直しを行う場合、常時雇用する労働者の数が 301 人以上の企業に ついては男女間賃金差異及び女性管理職比率を含め少なくとも4項目の情報公表 が義務付けられることとなり、常時雇用する労働者の数が 101 人以上 300 人以下 の企業については男女間賃金差異及び女性管理職比率を含め少なくとも3項目の 情報公表が義務付けられることとなる。 これを踏まえると、いずれの企業規模の企業においても、情報公表しなければ ならない項目の総数が現在よりも増加することとなることから、現在任意の項目 から選択して公表しなければならないとされている情報公表項目の数について は、維持することが適当である。 ○ なお、現在状況把握の任意項目とされている事項を基礎項目とすることや、基 礎項目に関連する事項の情報公表を義務付けるべきという意見も見られたが、基 礎項目は、事業主が抱えることの多い課題の有無の指標となるものとして、全て の事業主において状況把握及び課題分析を行うことが求められる項目として位置 付けられているのに対して、任意項目は、そうした状況把握や課題分析の結果事 業主にとって課題であると判断された事項について、各事業主が更に原因分析を 深めるに当たって必要に応じて活用すべき項目として位置付けられているもので ある。 これを踏まえ、引き続きこうした考え方を丁寧に周知し、各事業主の実情に応 じた取組を促すとともに、事業主行動計画策定指針(平成 27 年内閣官房・内閣 府・総務省・厚生労働省告示第1号)に記載されているとおり、公表範囲そのも のが事業主の女性活躍推進に対する姿勢を表すものとして求職者の企業選択の要 素となることに留意が必要である旨を周知し、積極的な情報公表を促していくこ とが適当である。
C 「女性の活躍推進企業データベース」の活用強化→○ 女性の職業選択に資することを目的とする情報公表の実効性を高めるととも に、企業の取組を促進する観点から、常時雇用する労働者の数が 101 人以上の企 業については、情報公表を行うに当たって、「女性の活躍推進企業データベー ス」を利用することが最も適切であることを示すことが適当である。○ また、国は、「女性の活躍推進企業データベース」の認知度が必ずしも高くない などの課題の解消に取り組むことが適当である。
⑷.職場における女性の健康支援の推進→○ 男女の性差を踏まえ、特に職場における女性の健康支援の取組を促すことが必要 である一方、健康に関してはプライバシー保護が特に求められることも踏まえる必 要があることから、以下の考え方に沿って事業主行動計画策定指針を改正すること とし、企業が一般事業主行動計画を策定する際に女性の健康支援に資する取組を盛り込むことを促すことが適当である。
@.状況把握→・課題分析や数値目標の設定の対象としてはなじまないことから、これらの対象としては位置づけないこと。
A.女性の職業生活における活躍の推進に資するものであることから、事業主行動計画策定指針に新たに「女性の健康課題に係る取組例」を示すこととし、職場に おけるヘルスリテラシー向上のための取組、休暇制度の充実、女性の健康課題を 相談しやすい体制づくり等の取組の具体例を示すこと。その際、性別を問わず使 い易い特別休暇制度の整備等、女性だけでなく労働者全体を対象として取り組む ことも有効である旨を明記すること。
B.情報公表の対象としては、現在 16 項目ある情報公表項目の1つとして位置づけ るのではなく、「その他」として事業主が任意に公表することができることとさ れている、「女性労働者の職業生活に関する機会の提供に資する社内制度の概 要」又は「労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する社内制度の概要」とし て取り扱うこととすること。 ○ 併せて、女性の健康支援について、法律の理念等に位置付けを与えることが適当 である。
⑸.えるぼし認定制度の見直し
@ えるぼし認定基準の見直し
→○ 現行のえるぼし認定1段階目の要件として、5つの基準のうち該当しない事項 について2年以上連続して実績が改善していることを求めることが掲げられてい るが、この要件が満たせずに1段階目の認定を諦めている企業があると考えられ ることから、認定制度は実績を評価するものであるということに留意しつつ、当 該要件を見直すことが適当である。
A えるぼしプラス(仮称)の創設→ ○ ⑷.と相まって、職場における女性の健康支援に積極的に取り組む企業のイン センティブとなるよう、くるみん認定制度における不妊治療に関するプラス認定 も参考にしつつ、えるぼし認定制度において、女性の健康支援に関するプラス認 定の仕組みを設けることが適当である。

2.職場におけるハラスメント防止対策の強化
⑴.職場におけるハラスメントを行ってはならないという規範意識の醸成
→○ ハラスメント対策に総合的に取り組んでいく必要があることから、雇用管理上の 措置義務が規定されている4種類のハラスメントに係る規定とは別に、一般に職場 におけるハラスメントを行ってはならないことについて、社会における規範意識の 醸成に国が取り組む旨の規定を、法律に設けることが適当である。 ○ また、ハラスメント対策の強化は、性別を問わず誰もが活躍するために必要不可 欠であり、女性活躍の推進に当たってもその基盤となるものであることから、女性 活躍推進法の基本方針に定めるべき事項としてハラスメント対策を法律上も明確に 位置づけた上で、基本方針に明記することが適当である。
⑵.カスタマーハラスメント対策の強化
@ 雇用管理上の措置義務の創設
→○ カスタマーハラスメントは労働者の就業環境を害するものであり、労働者を保 護する必要があることから、カスタマーハラスメント対策について、事業主の雇 用管理上の措置義務とすることが適当である。 ○ その上で、現行法に規定されている4種類のハラスメントの例に倣い、対象と なる行為の具体例やそれに対して事業主が講ずべき雇用管理上の措置の具体的な 内容は、指針において明確化することが適当である。 ○ また、カスタマーハラスメント対策を進めるに当たっては、中小企業を含め、 足並みを揃えて取組を進める必要があることから、国が中小企業等への支援に取 り組むことが適当である。 ○ さらに、業種・業態によりカスタマーハラスメントの態様が異なるため、厚生 労働省が消費者庁、警察庁、業所管省庁等と連携することや、そうした連携を通 じて、各業界の取組を推進することが適当である。
A カスタマーハラスメントの定義→○ カスタマーハラスメントの定義については、「雇用の分野における女性活躍推進 に関する検討会報告書」(令和6年8月8日)において示されている考え方を踏ま え、以下の3つの要素をいずれも満たすものとし、それぞれについて以下に掲げ る事項を指針等で示すことが適当。その際には、実態に即したものとする ことが適当である。
@.顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行うこと。
→・ 「顧客」には、今後利用する可能性がある潜在的な顧客も含むと考えら れること。・ 「施設利用者」とは、施設を利用する者をいい、施設の具体例として は、駅、空港、病院、学校、福祉施設、公共施設等が考えられること。 ・ 「利害関係者」は、顧客、取引先、施設利用者等の例示している者に限 らず、様々な者が行為者として想定されることを意図するものであり、法令上の利害関係だけではなく、施設の近隣住民等、事実上の利害関係があ る者も含むと考えられること。
A.社会通念上相当な範囲を超えた言動であること。→・ 権利の濫用・逸脱に当たるようなものをいい、社会通念に照らし、当該 顧客等の言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、又は、手段・ 態様が相当でないものが考えられること。 ・ 「社会通念上相当な範囲を超えた言動」の判断については、「言動の内 容」及び「手段・態様」に着目し、総合的に判断することが適当であり、 一方のみでも社会通念上相当な範囲を超える場合もあり得ることに留意が 必要であること。 ・ 事業者又は労働者の側の不適切な対応が端緒となっている場合もあるこ とにも留意する必要があること。 ・ 「社会通念上相当な範囲を超えた言動」の具体例。また、性的な言動等 が含まれ得ること。
B.労働者の就業環境が害されること。→・ 労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものと なったために能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどの、当該労働者が就 業する上で看過できない程度の支障が生じることを意味すること。 ・ 「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受け た場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が 生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当であること。 ・ 言動の頻度や継続性は考慮するが、強い身体的又は精神的苦痛を与える 態様の言動の場合は、1回でも就業環境を害する場合があり得ること。
B 上記のほか指針等において示すべき事項→○ 指針等においては、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起 因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労 働省告示第5号。以下「パワーハラスメント防止指針」)等の内容を踏ま えつつ、カスタマーハラスメントの行為者が顧客や取引先等の第三者であるということを考慮した上で、以下のような事項を示すことが適当である。
@.総論→・ 顧客等からのクレームの全てがカスタマーハラスメントに該当するわけで はなく、客観的にみて、社会通念上相当な範囲で行われたものは、いわば「正当なクレーム」であり、カスタマーハラスメントに当たらないことに留意する 必要があること。 ・ カスタマーハラスメント対策を講ずる際、消費者法制により定められている消費者の権利等を阻害しないものでなければならないことや、障害を理由と する差別の解消の推進に関する法律(平成 25 年法律第 65 号)に基づく合理的 配慮の提供義務を遵守する必要があることは当然のことであること。 ・ 各業法等によりサービス提供の義務等が定められている場合等があること に留意する必要があること。 ・ 事業主が個別の事案についての相談対応等を行うに当たっては、労働者の 心身の状況や受け止めなどの認識には個人差があるため、丁寧かつ慎重に対応 をすることが必要であること。
A.講ずべき措置の具体的な内容→・ 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発 ・ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 ・ カスタマーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応(カスタマーハ ラスメントの発生を契機として、カスタマーハラスメントの端緒となった商 品やサービス、接客の問題点等が把握された場合には、その問題点等そのも のの改善を図ることも含む。) ・ これらの措置と併せて講ずべき措置
C 他の事業主から協力を求められた場合の対応に関する規定→○ セクシュアルハラスメントに係る雇用の分野における男女の均等な機会及び待 遇の確保等に関する法律(昭和 47 年法律第 113 号)第 11 条第3項の規定に倣 い、カスタマーハラスメントについても、事業主は、他の事業主から当該事業主 の講ずる雇用管理上の措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これ に応ずるように努めなければならない旨を法律で規定することが適当である。 ○ また、事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講 ずべき措置等についての指針(平成 18 年厚生労働省告示第 615 号。以下「セク シュアルハラスメント防止指針」という。)に倣い、カスタマーハラスメントに ついても、事業主が、他の事業主から雇用管理上の措置への協力を求められたこ とを理由として、当該事業主に対し、当該事業主との契約を解除する等の不利益 な取扱いを行うことは望ましくないものであることを、指針等に明記することが 適当である。 ○ さらに、協力を求められた事業主は、必要に応じて事実関係の確認等を行うこ とになるが、その際に協力した労働者に対して不利益取扱いを行わないことを定 めて労働者に周知することや、事実関係の確認等の結果、当該事業主の労働者が 実際にカスタマーハラスメントを行っていた場合には、就業規則等に基づき適正 な措置を講ずることが望ましい旨を、指針等に明記することが適当である。
D カスタマーハラスメントの防止に向けた周知・啓発→○ カスタマーハラスメントの防止に向けて、国は、消費者教育施策と連携を図り つつ、カスタマーハラスメントを行ってはならないことについて周知・啓発を行う ことが適当である。

⑶.就活等セクシュアルハラスメント対策の強化
@ 雇用管理上の措置義務の創設
→○ 就職活動中の学生をはじめとする求職者に対するセクシュアルハラスメントの 防止を、職場における雇用管理の延長として捉えた上で、事業主の雇用管理上の 措置義務とすることが適当である。 ○ 事業主が講ずべき雇用管理上の措置の具体的な内容については、セクシュアル ハラスメント防止指針の内容を参考とするほか、例えば以下の内容を、指針にお いて明確化することが適当。→・ 事業主の方針等の明確化に際して、いわゆる OB・OG 訪問等の機会を含めその 雇用する労働者が求職者と接触するあらゆる機会について、実情に応じて、面 談等を行う際のルールをあらかじめ定めておくことや、求職者の相談に応じら れる窓口を求職者に周知すること ・ セクシュアルハラスメントが発生した場合には、被害者である求職者への配 慮として、事案の内容や状況に応じて、被害者の心情に十分に配慮しつつ、行 為者の謝罪を行うことや、相談対応等を行うことが考えられること ○ 就職活動中の学生をはじめとする求職者に対するパワーハラスメントに類する 行為等については、どこまでが相当な行為であるかという点についての社会的な 共通認識が必ずしも十分に形成されていない現状に鑑み、パワーハラスメント防 止指針等において記載の明確化等を図りつつ、周知を強化することを通じて、そ の防止に向けた取組を推進するとともに、社会的認識の深化を促していくことが 適当である。
A 求職者に対する情報公表の促進→○ 昨今の就職活動のあり方は多様であるため、@に基づき事業主が講ずる雇用管 理上の措置の内容もそれに応じて多様なものとなることが想定されるところ、そ の内容を求職者に対して積極的に公表することは、セクシュアルハラスメント防 止に資するものであり、また、職業生活を営もうとする女性の職業選択に資する ものでもあることから、措置の内容を公表していることをプラチナえるぼし認定 の要件に位置づけることが適当である。 ⑷.パワーハラスメント防止指針へのいわゆる「自爆営業」の明記 ○ いわゆる「自爆営業」に関して、職場におけるパワーハラスメントの3要件を満 たす場合にはパワーハラスメントに該当することについて、パワーハラスメント防 止指針に明記することが適当である。


参考資料1 労働政策審議会雇用環境・均等分科会における検討状況 第 72 回 (令和6年9月 30 日)→ 第 73 回 (令和6年 10 月8日)  第 74 回 (令和6年 10 月 21 日)    第 75 回 (令和6年 11 月8日)  第 76 回 (令和6年 11 月 26 日)  第 78 回 (令和6年 12 月 16 日)  第 79 回 (令和6年 12 月 26 日)

参考資料2雇用環境・均等分科会 委員名簿
→(公益代表)6名。(労働者代表)5名。(労働者代表)5名。
参考資料3女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化につい て 参考資料→再掲のため割愛。

参考資料4 女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化につい て(概要)【令和6年12月26日労働政策審議会雇用環境・均等分科会報告】→再掲のため割愛。

次回は新たに「令和5年外国人雇用実態調査の結果を公表します」からです。

一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル [2025年02月05日(Wed)]
一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル(令和6年 12 月 26 日)
https://www.cfa.go.jp/councils/Judicial-Review-Working-Team-on-Temporary-Protection/manual
○一時保護時の司法審査に関する実務者作業チーム(第5回)において座長一任となったことから、確定版のマニュアルとして公表するものです。
○一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアルについて(令和6年12月26日こ支虐第466号こども家庭庁支援局長通知)(PDF/116KB)
○(別添)一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル(PDF/2.1MB)


○こ支虐第466号 令和6年 12 月 26 日 都道府県知 事 各 指定都市市 長 殿
児童相談所設置市市長 こども家庭庁支援局長
「一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル」について ↓

令和4年に成立した児童福祉法等の一部を改正する法律(令和4年法律第 66 号)により、児童相談所長が一時保護を行うときは、当該一時保護を行うことに ついて親権者等の同意がある場合等を除き、その開始から7日以内又は事前に、 裁判官に一時保護状を請求しなければならないことなどとした「一時保護時の 司法審査」制度が導入され、令和7年6月1日の施行を予定している。 本制度の導入に当たっては、児童相談所における円滑な対応に資するために、 制度の趣旨・目的、法令上新たに規定された一時保護の要件の詳細(各要件の趣 旨・想定事例等)、一時保護状の請求手続に係る具体的な事務等を示す観点から、 別添のとおり、「一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル」 を策定したので、内容について御了知いただくとともに、児童相談所はじめ管内 の市区町村、関係機関、関係団体に対し周知を図られたい。 なお、本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の4第1項の 規定に基づく技術的助言である。 本マニュアルについては、最高裁事務総局から各下級裁判所に周知される予 定であることを申し添える。

○以下は一時保護時の司法審査に関する実務者作業チーム(第5回)資料6-2と同じです。

○一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル
(目次) のみ↓
第1章 令和4年児童福祉法等改正(一時保護時の司法審査関係)の概要

1 一時保護時の司法審査の枠組み
2 一時保護の要件の具体化
3 一時保護状の請求手続
4 一時保護状の請求却下の裁判に対する取消請求
<手続フローチャート>
第2章 一時保護の要件

1 趣旨
2 一時保護を行うことができる場合
(1)内閣府令で定める場合(府令該当性)
(2)必要があると認めるとき(一時保護の必要性)
3 内閣府令について(児童福祉法施行規則第 35 条の3)
(1)本条の位置づけ
(2)一時保護の目的
(3)第1号(児童虐待の場合等)1
(4)第2号(少年法送致又は警察通告の場合)
(5)第3号(自己又は他人への危害の場合等)
(6)第4号(児童による保護の求め等の場合)
(7)第5号(保護者不在又は住居不定の場合等)
(8)第6号(保護者による保護の求め等の場合)
(9)第7号(その他重大な危害が生じるおそれの場合)
4 一時保護の必要性について
第3章 一時保護状の請求手続
1 一時保護状の請求の要否
(1)一時保護を行うことについて親権者等の同意がある場合
(2)児童に親権者等がない場合
(3)一時保護を開始した日から起算して7日以内に当該一時保護を解除 した場合
2 一時保護状の請求に係る基本的事項
(1)請求者
(2)対象となる児童
(3)請求時期(事後請求又は事前請求)
(4)一時保護の開始日
(5)請求先
(6)請求の方式
3 一時保護状の請求に向けた具体的手続
(1)児童及び親権者等の特定
(2)親権者等に対する説明
(3)親権者等の同意の確認
(4)親権者等の意見を裁判官に伝達する手法
(5)児童の意見又は意向の確認
(6)児童の意見等を裁判官に伝達する手法
(7)配慮を要する児童及び親権者等の対応
(8)提供資料の準備
(9)関係機関等との連携(資料又は情報の提供等)
(10)一時保護状の請求
(11)各種事案の取扱い
4 一時保護状の発付又は請求却下
(1)一時保護状の発付又は請求却下後の対応
(2)一時保護の解除(事後請求が却下された場合)
(3)同一の児童に係る再度の一時保護状の請求
第4章 一時保護状の請求却下の裁判に対する取消請求
1 取消請求の要件
(1)要件
(2)一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じると見込まれるとき
2 取消請求手続に係る基本的事項
3 取消請求の具体的手続
(1)基本的な考え方
(2)取消請求書の作成
(3)提供資料の準備
4 裁判所の判断を受けての対応
第5章 夜間・休日の対応

<参考例>親権者等への説明事項
(別添)様式例集

別添1 一時保護状請求書
別添2 一時保護状の請求に係る総括書面
別添3 一時保護状の請求に係る総括書面(記載上の注意点)
別添4 一時保護状の請求に係る総括書面(記載例1)
別添5 一時保護状の請求に係る総括書面(記載例2)
別添6 一時保護状の請求に係る総括書面(記載例3)
別添7 一時保護状の請求却下の裁判に対する取消請求書

次回は新たに「労働政策審議会建議「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」を公表します」からです。

「令和5年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します [2024年10月29日(Tue)]
「令和5年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します(令和6年9月4日)
通報・届出・虐待が認められた障害者数・事業所数は増加
虐待種別では「経済的虐待」が引き続き最多
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172598_00010.html
○厚生労働省は、このたび、「令和5年度使用者による障害者虐待の状況等」を取りまとめましたので、公表します。
 都道府県労働局では、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「障害者虐待防止法」)に基づき、都道府県などの地方公共団体と連携し、障害者※1を雇用する事業主や職場の上司など、いわゆる「使用者」による障害者への虐待の防止や、虐待が行われた場合の関係法令に基づく是正指導などに取り組んでいます。
 厚生労働省では、今回の取りまとめ結果を受けて、引き続き、地方公共団体との緊密な連携を図りながら、使用者による障害者虐待の防止のために取り組んでいきます。

【調査結果のポイント】 ↓

1 通報・届出のあった事業所数・対象となった障害者数
通報・届出のあった事業所数※2は、前年度と比べ22.9%増加し、1,512事業所。
通報・届出の対象となった障害者数は、前年度と比べ29.4%増加し、1,854人。
[参照:別添1 P3 1-(1)、(2)]
2 虐待が認められた事業所数・障害者数
虐待が認められた事業所数※2 は、前年度と比べ4.0%増加し、447事業所。
虐待が認められた障害者数は、前年度と比べ16.0%増加し、761人。
[参照:別添1 P6 2-(1)、(2)]
3 認められた虐待の種別
認められた虐待の種別※3では、経済的虐待が659人(80.6%)で最多。

[参照:別添1 P7 2-(3)]
※1 障害者とは、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他心身の機能の障害(以下「障 害」と総称する。)がある者であって、障害および社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活 に相当な制限を受ける状態にあるもの」(障害者基本法第2条第1号)としており、障害者手帳を取得 していない場合も含まれる。
※2 事業所数は、通報・届出の時期、内容が異なる場合には、重複計上している。
※3 ひとりの被虐待者に複数の虐待が認められた場合は、重複計上している。 虐待の種別については、P2「虐待の定義」参照。

【取りまとめの概要】→「使用者による障害者虐待の状況等」は、障害者虐待防止法第28条「厚生労働大臣は、 毎年度、使用者による障害者虐待の状況、使用者による障害者虐待があった場合に採った 措置その他厚生労働省令で定める事項を公表するものとする。」に基づき、都道府県労働 局(以下「労働局」という。)が把握した使用者による障害者虐待の状況等を取りまとめ たものです。
1 取りまとめ期間
通報・届出:令和5年4月1日から令和6年3月31日までに通報・届出があったもの
対応結果:令和5年4月1日から令和6年3月31日までに対応が完了したもの
2 取りまとめ方法
・都道府県からの報告→障害者虐待防止法第24条に基づき、都道府県から労働局に報告が
あったもの。
・労働局などへの相談→直接、労働局、労働基準監督署または公共職業安定所に、被虐待者、家族、同僚などから、使用者による障害者虐待に該当するおそれがある旨の情報提供や相談があったもの。
・その他労働局などの発見→上記以外の場合で、労働基準監督署による臨検監督や公共職業安定所による事業所訪問など において、使用者による障害者虐待に該当するおそれのある事例を把握したもの。
3 人数・事業所数・件数の数え方
・ ひとりの被虐待者に複数の障害(身体障害、知的障害、精神障害、発達障害等)がある場合や、複数の虐待(身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、放置等による虐待、経済的虐待)が認められた場合は、重複計上しています。
・ 投書による通報や匿名での通報など、通報対象となった障害者の障害種別を特定することが 困難な場合は、障害者の人数のみを計上しています。
・ 通報・届出のあった事業所と虐待が認められた事業所の数は、通報・届出の時期、内容が 異なる場合には、重複計上しています。
・ ひとりの被虐待者に関して労働局が複数の措置を講じた場合は、措置ごとに件数を重複計上 しています。

【虐待の定義】(障害者虐待防止法第2条第8項第1号から第5号)
・身体的虐待→障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、又は正当な理由なく 障害者の身体を拘束すること。
・性的虐待→ 障害者にわいせつな行為をすること又は障害者をしてわいせつな行為をさせること。
・心理的虐待→ 障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応又は不当な差別的言動その他の障害者に著 しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
・放置等による虐待→障害者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、当該事業所に使用される他の労働者による上記3つの虐待行為と同様の行為の放置その他これらに準ずる行為を行うこと。
・経済的虐待→ 障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること。

○(別添1)令和5年度における使用者による障害者虐待の状況
1 通報・届出 別添1- 3

(1)通報・届出のあった事業所数(把握の端緒別)
(2)通報・届出の対象となった障害者数
(3)通報・届出の対象となった障害者数(障害種別・虐待種別)
【参考】第1表 虐待種別・障害種別障害者数(通報・届出の対象となった障害者)
【参考】第2表 年度別・障害種別障害者数(通報・届出の対象となった障害者)
【参考】第3表 年度別・虐待種別障害者数(通報・届出の対象となった障害者)

2 労働局の対応結果
(1)虐待が認められた事業所数(把握の端緒別)
(2)虐待が認められた障害者数
(3)虐待が認められた障害者数(障害種別・虐待種別)
【参考】第4表 虐待種別・障害種別障害者数(虐待が認められた障害者)
【参考】第5表 年度別・障害種別障害者数(虐待が認められた障害者)
【参考】第6表 年度別・虐待種別障害者数(虐待が認められた障害者)
(4)虐待が認められた障害者数(就労形態別・男女別)
【参考】第7表 虐待種別・就労形態別障害者数(虐待が認められた障害者)
(5)障害者虐待を行った使用者の内訳
(6)虐待に対して労働局が講じた措置
(7)虐待が認められた事業所の業種・規模
【参考】第8表 規模別・虐待種別事業所数(虐待が認められた事業所)
【参考】第9表 規模別・虐待種別障害者数(虐待が認められた障害者)

○(別添2)令和5年度における使用者による障害者虐待の事例
・事例1 心理的・経済的虐待が認められた事例→事業主から、作業用具を投げつけられたり、怒鳴られたり、トイレに行きたいと伝えると恫喝されたり、休憩が取得できないことがあるとして、相談支援事業所に相談があったもの。
・事例2 身体的虐待が認められた事例→所属の上司から、背中を蹴られる、耳のあたりを殴られる、服を破られたことなどがあるとして、市町村に相談があったもの。
・事例3 性的虐待が認められた事例→所属の上司から、抱きしめられる、肩を揉まれるなどの性的な言動を受けたとして障害者就業・生活支援センターに相談があったもの。
・事例4 身体的・心理的・経済的虐待が認められた事例→障害者の同僚からの通報事案。早出時間外労働に対する賃金の不払いと、所属の上司から、殴る、蹴るなどの暴力を受けているとして、労働基準監督署に相談があったもの。
・事例5 放置等による虐待が認められた事例→障害者本人からの届出事案。同僚の職員から、「障害者だから指示が分からない」という発言や、仕事ができないとして、仕事を取り上げられるという嫌がらせを受け、障害者の家族が管理職に相談するも、何ら対応がなされず放置された。また、障害者が利用者から身体を触られた時、嫌がらせを続ける職員と管理職はこれを目撃しているにも関わらず、この行為を止めたり、注意をせずに笑っていたとして、労働局に相談があったもの。
・事例6 経済的虐待が認められた事例→労働基準監督署が臨検監督において発見した事案。最低賃金の減額特例許可※を受けずに、地域別最低賃金から約20%程度低い約定賃金で支払いを行っていたもの。※ 一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの特定の労働者について、使用者が都道府県労働局⾧の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められる制度。

○(参考1)障がい者虐待の防止、障がい者の養護者に対する支援等に関する法律の概要
○(参考2)使用者による障害者虐待が行われた場合などの対応

次回は新たに「第4回社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会(持ち回り開催)資料」からです。

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