第13回経済財政諮問会議 [2026年01月16日(Fri)]
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第13回経済財政諮問会議(令和7年11月27日)
議事 (1) 令和8年度予算編成の基本方針(原案) (2) 来年度予算に向けた課題@ https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/1127agenda.html ◎資料1令和8年度予算編成の基本方針(案) 1. 経済財政運営の基本的考え方 (1)経済の現状認識→@ 我が国経済は、名目GDPが600 兆円を超え、賃上げ率も2年連続 で5%を上回るなど、「デフレ・コストカット型経済」から、その先に ある新たな「成長型経済」に移行する段階まで来た。また、財政状況に ついて、プライマリーバランスは改善傾向にあり、政府債務残高対GDP比も低下している。 A 足元の景気は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復している。しかし、潜在成長力は伸び悩み、 賃金の伸びは物価上昇に追いつかず、食料品を中心とした物価上昇に より、個人消費は力強さを欠いている。 そうした中にあって、米国関税措置に関する日米協議は合意に至ったものの、世界経済の先行きには不透明感がある。また、国内において も、少子化や地方の衰退といった早急に克服すべき構造的な課題がある。 (2) 経済財政運営の基本的考え方→ @ こうした現状に対し、まずは、生活の安全保障・物価高への対応、危 機管理投資・成長投資による「強い経済」の実現、防衛力と外交力の強 化を3つの柱とする「「 強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年 11 月21日閣議決定。以下「令和7年度総合経済対策」)を策定した。その裏付けとなる令和7年度補正予算の早期成立を図り、その 成立後には、できる限り速やかに関連する施策を実行する。その上で、 令和8年度の予算編成に取り組み、切れ目のない経済財政運営を行う。 A 今後、安定的な物価上昇とそれを上回る持続的な賃金上昇が実現する「成長型経済」への転換を図るにあたり、経済財政運営のあるべき姿 は、将来世代への責任を果たす「 責任ある積極財政」である。官民が力を合わせ 「 危機管理投資」と「成長投資」を進めて社会課題を解決し、「暮らしの安全 ・ 安心」を確保するとともに、雇用と所得を増やし、潜在成長力を引き上げ、「 強い経済」を実現していく。財政や社会保障の 仕組みについても物価と賃金の上昇に適切に対応した仕組みへの転換 が求められる。 こうした中、経済成長を通じて税収を増やし、成長率の範囲内に債 務の伸びを抑制し、政府債務残高対GDP比を引き下げていくことで、 財政の持続可能性を実現し 、「 強い経済」の実現と財政健全化を両立さ せていく。 2. 令和8年度予算編成の考え方→@ 令和8年度予算編成は、令和7年度補正予算と一体として、上記の経 済財政運営の基本的考え方に沿って行う。経済と財政はいずれも国民 のためのものであり、広く国民に恩恵が行きわたる予算編成を行う。 A 令和8年度の予算編成においては、「経済財政運営と改革の基本方針 2025」 (令和7年6月13日閣議決定)等における重要政策課題に加え、 高市内閣が掲げる「強い経済」の構築に向けた重要施策に対して必要な予算・税制上の措置等を確実に講じ、予算等を重点化しつつ( 別紙)、 「経済・財政新生計画」に基づき、歳出・歳入両面から改革を推進する。 既存経費等については、物価上昇に合わせた公的制度の点検も踏まえつつ、経済・物価動向等を適切に反映する。EBPM2やPDCAに よって政策の実効性を検証し、国民生活の下支えや経済成長に資する と期待される施策(支出や税制)は大胆に重点化する一方、そうした効果が乏しい場合には見直すなど、歳出・歳入の両面で 、「 強い経済」を 支える財政構造への転換を図る。 B 特に、社会保障については、物価や賃金の上昇等に加えて、人口や世帯構成の変化により、受益と負担のバランスが変化する。このため、制度の効率化や資源配分の最適化を図り、保険料等の国民負担の増加を抑制することが重要となる。全世代型社会保障の構築を通じ、応能負担 徹底等、各種の制度改革を行うことで、持続可能な社会保障システムの確立を図る。 こうした観点から、「 令和7年度総合経済対策」に記載された社会保障制度改革の取組を着実に実行する。その上で、給付付き税額控除の制度設計を含めた 「 税と社会保障の一体改革」について国民的議論を進めるため、「国民会議」の早期設置に向けた議論を進める。 C 歳入面については、応能負担原則を踏まえた負担の公平性の確保等の観点から、不断の見直しを検討。また、必要に応じて、物価の上昇を踏まえた制度的対応を図る。 D なお、補正予算は、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出等のために編成されるものであるが、近年は、常態化する と同時に規模が拡大している。今後、経済財政諮問会議等において、こうした予算の在り方についても、議論を進める。 ○(別紙) 主な施策→・中小企業・小規模事業者を始めとする賃上げ環境の整備⇒ 地域の中堅・中小企業が持続的かつ安定的に賃上げを行える環境整 備として、適切な価格転嫁や生産性向上、経営基盤を強化する事業承 継・M&Aを後押しするなど、中堅・中小企業の成長と賃上げを可能 とする施策を総動員する。国又は地方公共団体の官公需においても、 労務費・物価の上昇を踏まえた価格転嫁を徹底する。 ・ 危機管理投資・成長投資の推進⇒ AI・半導体、造船、量子、フュージョンエネルギー、バイオ、航 空、宇宙等の17の戦略分野、スタートアップを含む分野横断的課題へ の取組を通じ、官民連携の戦略的投資を促進し、GX・DX、経済安 全保障、エネルギー・資源安全保障の強化、農林水産業の持続的な成 長等による食料安全保障の確立を図る。 ・ 未来に向けた投資の拡大⇒科学技術・イノベーションを推進する。コンテンツ分野、文化芸術 及びスポーツの振興を推進する。医療・介護DX等を推進し、健康医 療安全保障を構築する。大学振興等を通じ、イノベーションを興すことのできる人材育成を進める。 ・ 防災・減災・国土強靱化の推進⇒ 東日本大震災からの復興・創生に加えて、令和6年能登半島地震を 始めとする自然災害からの復旧・復興に全力で取り組む。令和8年度 中の防災庁の設置に向け、事前防災の徹底や災害対応力の強化など防 災体制の充実・強化を図る 。「 国土強靱化基本計画」及び「第1次国土 強靱化実施中期計画」に基づく取組を着実に推進する。 ・ 地方の伸び代の活用と暮らしの安定⇒子供・子育て政策を含む人口減少対策の検討を進めるとともに、安心 して働き、暮らせる地方の生活環境や付加価値創出型の新しい地方経 済の創生を図る。包摂的な地域共生社会を実現するとともに、孤独・孤 立対策、治安の確保や外国人問題への対応を強化する。質の高い公教育 の再生や教育無償化への対応を進める。 ・防衛力強化と外交・安全保障環境の変化への対応⇒「国家安全保障戦略」等に基づき、防衛力の抜本的強化を推進すると ともに、防衛力の中核たる自衛隊員の処遇改善に取り組む。日米同盟 を日本の外交・安全保障政策の基軸とし、基本的価値を共有する同志 国やグローバル・サウス諸国との多角的な連携を拡大するなど「自由 で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、力強い外交・ 安全保障政策を推進する。 ◎資料2 責任ある積極財政に向けた予算改革 〜物価を映す予算・中長期枠組み・政府効率化の三位一体で信認確保を〜 2025 年11月27日 筒井 義信 永濱 利廣 南場 智子 若田部昌澄 2025 年 7–9 月期は6四半期ぶりのマイナス成長となり、食料品を中心としたコストプッシュインフレにより物価上昇率も3%程度と高い水準で推移している。こうした状況で政権を受け継いだ高市内閣の使命は、「暮らしの安全・安心」を確保するとともに、「強い経済」を実現することである。 そのためには、補正予算を早期に編成・成立させて迅速・適切に執行するとともに、「責任ある積極財政」の考え方の下、危機管理投資・成長投資に必要十分な財政措置を行う必要がある。財政健全化に向けた取組との整合性を確保する観点から、中長期的な枠組みの下で予見可能性を高めつつ、重要政策課題に重点化しながら、官民が力を合わせて投資を拡大していくための財源や 当初予算の在り方を、今後、経済財政諮問会議で継続的に検討していくことが重要。 そこで、今後の予算改革にあたっては、以下の四つの柱を重視すべきことを提案する。↓ (1)物価・賃金を正面から織り込む「物価を映す予算」→・「物価横ばい」を暗黙の前 提にした予算編成は適切ではない。・物価 上昇率を一つのメルクマールとして歳出の伸びに適切に反映する。・医療・介護等の分野について、経済・物価動向等を踏まえた賃上げの在り方を検討すること、 などを通じて、現場のコスト上昇への対応と優先度に応じた配分の両立を図ることが重要。・税制についても、国・地方問わず、物価上昇に連動して各種控除額等の閾値を引き上げる 仕組みを構築。・あわせて、こうした取組を国民に分かりやすく示すため、以下の「見える化」を進めるべき。↓ 【社会保障】@高齢化・高度化による増加分に相当する伸び、A経済・物価動向等を踏まえた対応分、B歳出改革による効率化分、を分けて示す。 【非社会保障】価格上昇をどの程度反映しているか、どの程度効率化を進めているかを示 せるよう取り組む。 (2)予見可能性を高める予算の「中長期枠組み」→・単年度主義と補正予算偏重は、現場の計画的な投資と人材確保を妨げるとともに、財政全体の持続可能性に対する不透明感を高めてきた。 AI 半導体・造船・エネルギー安全保障・マテリアル等の17分野の危機管理投資・成長投資 については、単年度主義の弊害を是正し、今後はAI半導体やGXなどを参考に本予算による中期的な歳出フレームを設定することも視野に設計すべき。 ・その財源については、予見可能性をもって投資を進められるよう計画的に確保することとし、 市場の信認を大前提として、成長率の範囲内に政府債務残高の伸び率を収め、政府債務 残高対GDP比が安定的に低下させることと整合的にすべき。その際、こうした投資が 成長力を強化し将来の税収につながる視点も加味するかどうかも論点となる。 さらに、単年度主義の弊害を是正し、継続的に補正予算に計上してきた経費について、当 初予算への計上の在り方を今後の課題として検討すること等を通じて、予算の中長期枠組 みのもとで官民の予見可能性を高めることが重要である。 (3)「租税特別措置・補助金見直し担当室」とEBPMによる歳出の質の向上→・高圧経済のもとでも、歴史的役割を終えた歳出を温存すれば、民間主導の持続的な成長 を妨げ、財政運営に対する信認を損ねる懸念。 ・この度、政府全体の補助金や租税特別措置を横断的に点検する租税特別措置・補助金見直し担当室を設置することとなったが、これまでの経済・財政一体改革推進委員会との関係を整理し、効果的なレビューを継続的に担う体制を整えるべき。 具体的には、 補助金・基金・租税特別措置について、評価の頻度・方法、人員体制等を含む総点検の 仕組みを整備すること、 各省庁が主要事業について事前・事後評価の指標と期限を明示し、その結果を踏まえて 継続・拡充・見直し(必要に応じて縮減を含む)を行う運用を徹底すること、 また、予算の執行状況や決算をチェックし、EBPM を通じて政策効果を検証し、特に成長戦 略に関する 17 分野の支援策について効果検証を強化すべき。こうした取り組みを通じて「量」だけでなく「質」で評価される予算へと転換していく必要がある。 (4)財政の持続可能性と市場の信認を軸にした「責任ある積極財政」→・今後、官民連携で危機管理投資・成長投資を行う中で、財政の持続可能性の確保と市場の信認を維持し続けることが最も重要。 ・そのために、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げること、数年単位でPBのバラン スを確認することに加え、利払い費対 GDP 比も合わせて、様々な指標を多角的に、「科学的、冷静、客観的、360 度の目線」で財政運営を点検することを柱とする新たな枠組みの下で、金利・為替・株価など市場の動向に常に目を配り、市場からの信認を確保するためのリ スクマネジメントを徹底する「責任ある積極財政」を進める必要がある。 ・ 以上のような枠組みのもとで、一方では社会保障分野で給付と負担のバランス確保、現役世代の負担軽減といった全世代型社会保障の構築を実現する「社会保障改革元年」の当初予算とするとともに、給付付き税額控除の制度設計に着手し、他方では非社会保障分野で危機管理投資・成長投資への重点化・効率化を通じて、張り切って挑戦する人や企業が 報われる経済構造への転換を図ることで「財政の信認確保」を共に進めることが求められる。 ◎資料3 責任ある積極財政の下での非社会保障歳出の重点化・効率化(有識者議員提出資料) 2025 年11月27日 筒井 義信 永濱 利廣 南場 智子 若田部昌澄 (1)「危機管理投資・成長投資」と「分野横断課題」への集中→・非社会保障歳出については、AI・半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙、デジタル・サイ バーセキュリティ等の戦略分野(17分野)に代表される「危機管理投資・成長投資」に重点を置くべき。これらの分野について、官民が連携して大胆な投資促進・国際展開支援・人材育成・研究開発・国際標準化等を総合的に進めることで、「強い経済」と安全保障の両立を図ることが重要。 また、これらの戦略分野を底支えする「分野横断的課題」として、「新技術立国・競争力強化」「人材育成」「スタートアップ」「金融を通じた潜在力の解放」「労働市場改革」「介護・育児等の外部化など負担軽減」「賃上げ環境整備」「サイバーセキュリティ」が位置付けられている。 ・こうした中、危機管理投資・成長投資の戦略分野については、今後はAI半導体やGXなどを参考に複数年度にわたる本予算による中期的な歳出フレームを設定することも視野に財源とともに検討を進め、民間投資の予見可能性を高めるとともに、分野横断課題についても 研究開発・人材投資・リスキリング支援・金融・労働市場改革等を一体として推進するべき。 併せて、戦略17分野に係る支出について、スタートアップ・新規参入企業に向ける投資の比率目標の設定を行うなどにより、新しい担い手への資金・機会の配分を促すべきである。 (2)危機管理投資を支える「総点検」と租税特別措置・補助金見直し担当室→・高市内閣が掲げる「危機管理投資」を本当に必要なだけ機動的に拡大するためには、既存の非社会保障歳出の中から、効果の乏しい事業や役割を終えた事業を計画的に整理し、 財源を捻出することが不可欠である。 補助金・基金・租税特別措置について、租税特別措置・補助金見直し担当室を中心に総点 検を行い、EBPM により政策効果が確認された事業については延長・拡充を検討し、効果が乏しいものについては、縮減・廃止も含めた見直しや、効果を高めるための改善を講ずる というルールをあらかじめ明確化することが重要。効果検証に当たっては、中長期の 視点や経済価値以外の効果の視点を入れるなど適切な評価軸を確立すべき。 ・地方関連歳出についても、人口減少・災害リスク・経済効果を踏まえた全国的な観点からの 点検を行い、従来型のハコモノ・ばらまき的事業から、防災・減災、エネルギー・デジタルイ ンフラ、子ども・人材への投資など、地域のレジリエンスと「稼ぐ力」を高める危機管理投資・ 成長投資へ重点配分を進めるべきである。 (3)「新技術立国」とスタートアップ・人材流動を支える分野横断投資→・2025 年ノーベル経済学賞は、イノベーションが経済成長に繋がるメカニズムを研究した3氏 モキイア、アギヨン、ハウィットが受賞した。このように、経済成長と生活水準の向上には、新知識の創造、絶え間ないイノベーションの創出が欠かせない。2040 年に向けて「科学技術立国」「貿易・投資立国」を確立するには、AI・半導体、ロボット、量子、フュージョン、通信、 バイオ、宇宙、コンテンツなど成長分野への国内投資拡大と、絶え間ないイノベーションの 創出が不可欠。 このため、大学の統合・再編、組織改革・マネジメント改革、出口における質保証等大学の評価とあわせて、科研費や運営費交付金の拡充等による基礎研究・大学研究力の抜本強化を、横断的な最優先課題の一つとして位置付けるとともに、従来型大学の枠組みを超えた沖縄科学技術大学院大学の横展開を検討する。また、官民データ連携や社会全体のDX、 スタートアップ育成5か年計画の完遂等を通じて、研究成果が新産業・新事業につながる土壌を整備すべきである。 スタートアップについては、スタートアップ投資に対する税制措置を、米国QSBS・英国SEIS 等も参考にしつつ、内外からより資金が集まりやすくなるような中長期的な制度設計を行う。 また、政府調達におけるスタートアップ比率(現状約1.4%)に関しては、目標とする3%の早期達成と目標の引き上げに向け、各府省の調達方針・仕様の見直しに着手するとともに、「公共部門がイノベーションの最初の顧客」となる仕組みを強化することに着手すべき。 あわせて、労働移動の円滑化・リスキリング支援・長期留学の抜本拡大・高度専門人材の呼び込み等を通じて、生産性の高い企業・産業への人材流動を賃上げと結びつけ、人材・研 究・スタートアップ・金融が相互に補完し合う「新技術立国」「スタートアップ立国」「資産運用 立国」のエコシステムを形成するべきである。 (4)「攻めの改革」を進める:高圧経済を追い風として→・「高圧経済」のもとでは、価格・賃金・金利のシグナルを通じて、非効率な事業から成長分野へのヒト・モノ・カネの移動が起こりやすい。この局面は、デフレ期・低圧経済のもとで見られ た「調整の先送り」と対照的な状況であり、資源配分の適正化や改革を進めやすい。 したがって、高圧経済の局面を前向きに捉えつつ、責任ある積極財政のもとで「攻めの改革」 を同時に走らせることが重要である。高圧経済に向けた政策運営を「改革の追い風」と位置付け、危機管理投資・新技術立国・スタートアップ立国を通じて、張りきって挑戦する人や企業が報われる経済構造への転換を図ることを非社会保障分野の歳出改革の基本スタンスとすべき。 ◎資料4財政制度等審議会の建議の方向(片山議員提出資料) ○令和8年度予算の編成等に関する建議の方向 T:総論 1.経済・物価動向→• 経済については、名目・実質GDPは過去最高水準、物価は上昇傾向が継続。我が国の経済は供給制約に直面する中で、「成 長型経済」に移行できるかどうかの分岐点にいる。 • 人口減少・供給制約の下、持続的な経済成長を実現するためには、イノベーション、資本、労働を強化し供給力の強化に取り組 み、「強い経済」を構築することが重要。 2.財政健全化の状況及び今後の財政運営に係る考え方→ • これまでも、防衛、子ども、GX、AI・半導体といった重点分野への投資は、複数年度にまたがる計画等に基づき、財源を確保 しながら積極的・計画的に実行。「強い経済」の構築に向け、官民の積極的な投資の促進など戦略的な財政運営を行うと同時 に、財政に対する市場からの信認を確実なものすることが重要であり、経済再生と財政健全化を両立。 • 予算編成においては、日本経済が新たなステージに移行しつつあることが明確になる中で、経済・物価動向等を適切に反映。あわ せて、社会保障制度改革に取り組み、現役世代の社会保険料負担を最大限抑制することが重要。 • 金利の上昇により、利払費は増加。想定より1%上昇した場合、利払費は2025年度の10.5兆円から2034年度には34.4兆 円に増加(令和7年度の社会保障関係費38.3兆円)。 • 過去、金融危機や自然災害等の有事が一定の頻度で発生し、債務残高対GDP比は非連続に大きく上方シフト。今後、想定外 の有事が発生した場合にも、必要となる財政措置を講じることができるよう、債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政 余力を確保することが重要。 ○令和8年度予算の編成等に関する建議の方向 U:各論 1.社会保障→・ 保険料負担の抑制努力の継続と経済・物価動向等への的確な対応を両立させる必要。経済・物価動向等への対応による保険料負担の増により賃上げの成果が損なわれてはならず、保険料負担の抑制努力とあわせて極力、可処分所得の拡大につながる内容とすべき。 ・ 診療報酬改定では、医療機関の経営データを活用し経営改善や処遇改善につながる的確な対応を行いつつ、保険料負担軽減のため 診療所分や調剤報酬の適正化が不可欠。OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しなど医療保険制度改革も揺るぎなく進めるべき。 2.地方財政→・ 地方財政の健全化の取組を着実に進めつつ、メリハリの効いた予算編成を行うと同時に、地方税源の偏在是正といった都市と地方の 支え合いの確保に一層取り組むことが重要。 自治体DXや広域的なインフラマネジメントを推進し、歳出効率化を図っていくことが重要。 3.防衛→・ 外交力・経済力等も含む総合的な国力が重要。有事の財政需要の拡大に対応するため、経済・財政面の体質強化を図る必要。 今後の防衛力強化に必要な予算は、数字ありきではなく、真に必要な防衛力を積み上げていくことが必要である。 4.文教・科学技術→・ 人口減少下でも教育の質を確保する観点から、義務教育について教員の働き方改革と学校規模の適正化等を進めるとともに、高等教育についても、大学の統合・縮小・撤退を促進すること等が必要。科学技術分野については、予算の増額ありきではなく、研究力向上 の構造的な阻害要因への対処、官民の役割分担の在り方など、抜本的な見直しが必要。 5.社会資本整備→・ 公共工事の過度な増大が民間工事の円滑な施工等に悪影響を及ぼす「クラウディングアウト」を引き起こすことのないよう留意すべき。 整備新幹線については、国民負担・住民負担の一層の適正化のためには、接続利益等を反映した適切な貸付料を設定する必要。 6.農林水産→・ 農業者の減少が進む中、農業の生産性向上に向け、農地の集約化を進める必要。今回の米価高騰における流通段階でのマージンの 拡大要因を分析する必要。民間在庫の一部を「民間備蓄」として活用することを含め、効率的な備蓄運営を検討する必要。令和9年 度からの水田政策の根本的な見直しに当たり、将来の地域農業を担う経営体の前向きな取組に対する支援の重点化を検討する必要。 7.国内投資・中小企業等→・ 補助金での支援は政策効果等の不断の検証を行い、真に効果が認められるものに限定すべき。長期的にリターンが期待できる分野は金融支援の活用を前提とすべき。中小企業支援は、きめ細やかな伴走支援、価格転嫁対策の強化、金融支援の活用等が必要。 ※ 上記のほか、「外交」「デジタル」についても、各分野において取り組むべき事項を記載予定。 次回は新たに「基本政策部会(第18回)」からです。 |



