• もっと見る
«◎参考資料3−1 匿名障害福祉等関連情報・匿名障害児福祉等関連情報データベース(障害 福祉DB)の利用に関するガイドライン(案) | Main | 社会保障審議会障害者部会(第152回)の資料について»
<< 2026年02月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
社会保障審議会障害者部会(第152回)の資料について [2025年12月18日(Thu)]
社会保障審議会障害者部会(第152回)の資料について(令和7年11月10日)
議事 (1)障害福祉計画及び障害児福祉計画に係る基本指針の見直しについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65750.html
◎参考資料4 障害者自立支援法違憲訴訟団定期協議要請書
要 請 書 (第16回定期協議において回答を求める事項等)
厚生労働大臣 殿
内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍男女共同参画) 殿
2025年11月10日 障害者自立支援法違憲訴訟団
本要請書は社会保障審議会障害者部会に資料として必ずご提供ください。
○目次 のみ↓

第一 基本合意15周年フォーラムご協力への謝辞
第二 基本合意・骨格提言の尊重
第三 国連総括所見の尊重について
第四 2024年7月3日「旧優生保護法違憲訴訟」最高裁大法廷判決に伴う障害者政策の点検と見直し
第五 報酬支払い方式(日払い制度を骨格提言の採用する方式に)と職員不足問題について 第六 障害児福祉における利用者負担の撤廃を
第七 重度訪問介護を子どもも対象としてください
第八 介護保険優先原則について
第九 就労時のヘルパー(同行援護含む)利用について
第一〇 重度訪問介護等の支給決定の在り方について
第一一 入通院時ヘルパー利用について
第一二 支給決定における「理由付記」の徹底を
第一三 食事提供加算と送迎加算について
第一四 自立支援医療の利用者負担の低所得者無償化
第一五 「恵」問題の示唆する日本の障害福祉行政の課題
○上記目次を参照だけでなく、内容となる社会モデルの意味を考えてみたら・・?


◎岡田委員提出資料
2024年度精神障害者と家族の生活実態と意識調査〜全国家族ニーズ調査〜
公 益 社 団 法 人 全 精 神 保 健 福 祉 会 連 合
○はじめに
→ この度、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)では、精 神障害者本人および家族が安心して社会の中で生活することができるために 「2024年度精神障害者と家族の生活実態と意識調査〜全国家族ニーズ調査 〜」を実施いたしました。本調査は、当会が2009(平成21)年度に実施した全 国調査をとりまとめた「7つの提言」に続き、2022年に全国の家族会員のみ なさまから意見を募り作り上げた「精神保健医療福祉への提言」(通称、みん なねっと提言)の実現に向け、政策提言を行うことを目的としています。 精神障害者の家族はいまだにケアラーとしての役割を強いられ、家族を含めた家庭全体を支援する(=家族支援)施策は皆無だといえます。家族依存という形で精神障害者のケアの多くを家族に任せている日本の現状に、社会は甘えている実態があります。このような現状を変えていくためには改めて家族支援 の必要性を共有し、働きかけの機運を高めたいと考えます。 精神障害者の多くは障害福祉サービスにつながらずに家族が医療、日常生 活、経済等といったさまざまな負担を背負う中で生活せざるを得ない状況で す。このような家族依存の現状を変え、本人も家族も社会の支えを得ながら、 それぞれに自立した生活を送れる仕組みを構築していく必要があります。その ためには、本人を支えながらも懸命に暮らす家族全体(家庭)の生活実態を明 らかにし、必要な施策の構築に結びつけることが現状を変えることにつながり ます。全国の家族の「声」を集め社会を動かす力にしたいと考えております。 2023年度より当会では各都道府県家族会連合会(以下、各連合会)を訪問 し、各連合会の役員や会員の方々から精神障害者本人や家族のおかれている困 難な実態や今後への不安、必要な支援等について直接生の声をお聴きしてきました。加えて行政等への要望等を行う上で根拠となる全国的な状況のわかる材 料が必要だという声も多く聞かれました。このような声に応える意味でも、本 調査の意義があると感じております。 また、これまでの国連の障害者権利条約日本審査(勧告)や精神保健福祉法 の改正、障害者総合支援法見直し等のさまざまな社会情勢を踏まえ、精神障害 者本人と家族の今後「未来」に向けた望むべき姿を描くために本調査結果を通 して提言していきたいと考えております。 最後に、本調査にご協力いただきました多くのみなさまに、深く感謝申し上 げます。
2025年6月 公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会 理事長 岡田久実子
1.目的
→ @精神障害者とその家族がおかれた状況の継続的変化を調査し、現行の制度や障害福 祉サービス等についての周知や利用状況、課題等について明らかにしていきます A本調査結果を分析することで、障害者権利条約日本審査(勧告)も踏まえた、今後のよりよい精神保健福祉および医療等に関する施策推進に向け、具体的な提言を発信します

2.調査概要→ 1)事業名 2024年度精神障害者と家族の生活実態と意識調査〜全国家族ニーズ調査〜 2)調査対象 みんなねっとサロン(精神疾患・障がいがある方の家族向けコミュニティサイト)の 会員18,217名 都道府県精神障害者家族会連合会に所属する家族会会員 3)調査期間 2024年12月2日〜2025年2月28日 4)調査方法 みんなねっとサロンの会員と都道府県精神障害者家族会連合会に所属する家族会会員 を対象にWeb調査(インターネットを使ったアンケート調査)を実施した。 Web調査での回答が困難な方には、都道府県精神障害者家族会連合会を通して自記式 による質問紙調査を配布し、郵送で回収した。 5)調査体制 調査委員/伊藤千尋(淑徳大学) 稲沢公一(委員長・東洋大学) 鈴木秀(日本医療政策機構) 中村喜久男(富山県精神保健福祉家族連合会) オブザーバー/ 林晋吾(株式会社ベータトリップ)  事務局/小幡恭弘、村裕子 6)調査の倫理審査について (50音順) 本調査は東洋大学の倫理審査委員会にて審査いただき、承認された調査になります。 (承認番号:F2024-017S)

3.本調査の結果→ 1)本調査の特徴 これまで精神障害者家族を対象とした全国規模の家族ニーズ調査が6回行われている。いずれも精神障害者家族会の全国組織である全国精神障害者家族会連合会(2007 年に解散)とその後発足した全国精神保健福祉会連合会(以下、みんなねっと)が47 都道府県の精神障害者家族会連合会に協力を依頼して実施したものである。⇒ 表3−1)−1 精神障害者家族を対象とした全国調査 参照。
本調査は、みんなねっとでは初めてとなるWeb調査(インターネット使ったアンケ ート調査)方式で実施した。初めての試みであるため、高齢の家族やWebに慣れていない方でも回答できるように、希望者には都道府県精神障害者家族会を通して質問紙での回答もできるように配慮した。本調査の有効回答数は、Web回答1,067名 質問 紙回答552名の合計1,619名。 これまでの全国調査から回答者の特徴をみると、@本人との続柄は「親」が多く、 特に母親の占める割合が多い、A本人の病名は「統合失調症」が多い、B本人と同居 している家族が多いことが挙げられる。 本調査においても同様の傾向がみられるが、これまでの調査と比較すると、本人との続柄は「親」が67.1%(2017年調査では85%)、「きょうだい」11.1%(2017 年調査では8.5%)、「配偶者(パートナー)」8.5%(2017年調査では4.2%)、「子ども」8%(2017年調査では1.6%)となっており、親以外の回答が増加している。 本人の病名については、「統合失調症」が70.8%(2017年調査では80.3%)とな っており、これまでの調査と比較すると「気分障害(うつ病、躁病、双極性障害)」 13.8%(2017年調査では7.9%)と「発達障害」6.1%(2017年調査では3.7%) が増加。 また、本人と家族の同居については、「同居している」が62.8%(2017年調査で は75.6%)。これまでの調査と比較すると、同居の割合が減少している が、第8回世帯動向調査(2019)では18歳以上の子どもで親が65歳以上の同居率 は43.7%、一般世帯と比較すると同居の割合が高いことがわかる。
これまでの調査と大きく異なるのは、家族会未入会者の回答が得られたこと。本調査は、主にみんなねっとサロン※の会員を対象として実施したため、家族会に「入会している」65.9%(990名)、「入会していない」34.1%(513名)と、これまで調査対象とすることが難しかった家族会未入会者の回答を得ることができた。 本調査では、回答者(家族)の平均年齢が64.4歳(2017年調査では69.3歳)と なっており、若年層の回答が増加。回答者の平均年齢と家族会入会の有無をみると、家族会に入会している群(以下、入会群)の回答者の平均年齢は69.5歳、 家族会に入会していない群(以下、未入会群)の回答者の平均年齢は54.6歳。 家族会入会・未入会群と回答者(家族)及び本人の年齢の分布について、図3 1)−1から3つの層(親子/きょうだい、配偶者/子どもと親)に分かれていることがわかる。入会群では、全体の平均年齢は69.5歳、本人との続柄は「親」が 77.7%であり、高齢の親の立場が多い。未入会群は「親」が46.7%であり、比較的 若い年齢層の親や親以外の続柄(きょうだい、配偶者、子ども)が増加、全体の平均年齢が54.6歳と若年化している。 ※みんなねっとサロン 2020年より開設。精神疾患・障がいがある方の家族向けコミュニティサイト。登録者21,898名。(2025年3月末現在)https://minnanet-salon.net/service⇒ 図3−1)−1 回答者(家族)及び本人の年齢と家族会入会の有無の分布  参照。

2)調査結果@:分析と考察→ 本調査の結果をもとに、@精神科医療への協力、A危機的状況への対応、B本人の 状況、C生活状況の変化、D就労状況の変化、E家族会への期待の6つの側面から精 神障害者家族の生活実態を概観する。↓

@精神科医療への協力
→ 本人の精神科医療機関の利用状況については、「家族が付き添い通院中」34.9%、 「本人の代わりに通院中」3.5%と合わせて38.4%が本人の通院を継続するために家族が協力していることが明らかになった。また、「医療中断(3か月以上)」4%、「未受診」1.9%を合わせると、5.9%が受療に関する支援を必要としていることが示唆さ れている。⇒図3−2)−1 本人の精神科医療機関の利用状況  参照。
本人が初めて精神科を受診するまでの家族の経験については、[本人に病識がないた め、精神科の受診を嫌がった]は「あった」「ややあった」を合わせると50.1%、[本 人に精神科に対する拒否感があり、精神科の受診を嫌がった]は「あった」「ややあっ た」を合わせると48.6%と約半数の家族が受診につなげるための困難を経験している ことが明らかになった。家族会入会群と未入会群を比較すると、[受診先を探すことに 苦労した]では、家族会未入会群の62.9%が経験ありと回答しており、入会群の 53.2%よりも約10ポイント高く、統計的にも有意な差が認められた。[家族に精神疾 患についての知識がなかった]でも、未入会群の50.2%が経験ありと回答し、入会群 の43.6%を上回っている。いずれも本人の精神科医療を継続するために、家族が多くの負担を担っていることが推察される。

A危機的状況への対応→ 本人の症状悪化に伴う危機的状況に関する家族の経験については、[暴言・暴力等により、身の危険を感じることがあった]は「あった」「ややあった」を合わせると 57.7%と半数以上の家族が本人からの暴力・暴言を経験していた。[自傷・自殺等の リスクを考え、本人から目が離せないことがあった]は「あった」「ややあった」を合 わせると60.9%と6割以上の家族が経験していた。本人の病状悪化時には、本人だけでなく、家族も張りつめた状況の中で生活していることが推察される。 また、[警察に通報せざるを得ない状況になった]についても「あった」「ややあっ た」を合わせると42.8%の家族が経験していた。自分の家族を警察に通報せざるを得ない状況は、家族の心身面に大きな負担を与え、本人との関係にも大きな影響を及ぼすことが推察される。 [近隣とのトラブル等が生じた]についても「あった」「ややあった」を合わせると 27.1%が近隣とのトラブルを経験、さらに[近隣とのトラブル等が生じ、転居を余儀なくされた]と回答した家族が7.6%存在することも明らかになった。 危機的状況に関する家族の経験については、「なかった」以外の回答を含めると、実際にはもっと多くの家族が危機的状況を経験していることが推察される。危機的状況への対応は、家族自身の健康状態や就労状況だけでなく、家族が住み慣れた地域で暮らしていくことにも影響を与えていることが明らかになった。 また、危機的状況の家族の経験について、家族会入会群と未入会群を比較すると、 [自傷・自殺等のリスクを考え、本人から目が離せないことがあった]では、未入会 群の66.5%が経験ありと、入会群(58.4%)を大きく上回っており、統計的にも有意な差が認められた。未入会群の方が回答者(家族)及び本人の平均年齢が若いこと が影響していると考えられる。⇒ 図3−2)−4 危機的な状況の家族の経験、図3−2)−5 危機的な状況の家族の経験×家族会入会の有無、  参照。

B本人の状況→ 前項でも述べたように、本人の病名については「統合失調症」が70.8%となっており、これまでの調査と比較すると「気分障害(うつ病、躁病、双極性障害)」と「発達 障害」が増加。家族会入会の有無を比較すると、入会群は統合失調症が 80.7%に対し、未入会群は51.1%となっており、未入会群では統合失調症以外の疾患の割合が増加。 また、本人と家族の同居については、「同居している」が62.8%となっており、これまでの調査と比較すると、同居の割合が減少しているが、第8回世帯動向調査 (2019)では18歳以上の子どもで親が65歳以上の同居率は43.7%となっており、一般世帯と比較すると同居の割合が高いことがわかる。家族会入会の有無を比較すると、入会群は64.6%が同居しており、未入会群よりも同居の割合が高い。 本人の社会資源の利用状況は、多い順に[精神科医療機関(定期受診、入院等)]91.1%、[自立支援医療]80.3%、[精神障害者保健福祉手帳]73.7%、[障害年金]72.8%、[訪問看護]34.9%、[就労支援施設]34%と続いている。これまでの調査では、日中活動の場として障害者総合支援法の福祉サービスを選択肢として いるものが多く、医療サービスとしては、デイケア・ナイトケア以外は含んでいなかった。今回訪問看護が34.9%となっており、生活面を支えるサービスの中で最も多く利用されていることが明らかになった。 本人の社会資源の利用状況と本人の病歴(3年未満/3-10年未満/10年以上) について比較すると、自立支援医療や障害年金、精神障害者保健福祉手帳などの経済面を支える制度は、病歴が長いほど利用率が高くなる傾向が顕著であり、10年以上の群では約8〜9割が利用していることが明らかになった。精神科訪問看護やデイケア、就労支援施設など生活面を支えるサービスも、病歴が長くなるほど利用率が段階的に上昇し、病歴3年未満の利用率は低いことがわかる。 本人の精神障害者保健福祉手帳の等級と家族会入会の有無を比較すると、入会群は 83%が手帳を取得し、1級と2級を合わせると76%となるのに対し、未入会群は 44%であり、統計的にも有意な差が認められた。入会群の方が本人の障害程度が重いことが推察される。⇒ 図3−2)−6 本人の病名×家族会入会の有無、図3−2)−7 同居の有無×家族会入会の有無、図3−2)−8 本人が利用している社会資源、図3−2)−9 本人が利用している社会資源×本人の病歴、図3−2)−10 精神障害者保健福祉手帳の等級×家族会入会の有無   参照。

C生活状況の変化→ 本人発症後の家族自身の生活状況の変化については、「あった」「ややあった」を合わせると、多い順から[十分に睡眠がとれない、食欲がないなど、身体の不調を感じることがあった]77.8%、[趣味や旅行など、余暇活動を行う余裕がなくなった] 69.7%、[家族間のコミュニケーションが難しくなった]69.4%、[ご本人のための支出が増え、経済的な困難に直面した]52.4%、[仕事の勤務時間を減らす、転職する、退職するなど就労状況が変化した]49%、[家計の収入が減り、経済的な困難に直面した]38.5%、[精神状態に不調が生じて精神科を受診した]32.8%、[向精神薬 (抗うつ剤など)や睡眠薬を服薬した]32.2%となっている。 約8割の家族が身体面での不調を感じ、3割以上の家族が自身も精神的な不調で精神科を受診したり、向精神薬や睡眠薬を服用していることが明らかになった。 また、約7割の家族が余暇活動を行う余裕がない、家族間のコミュニケーションが困難になったと回答。本人の発症が家族の日常生活にも大きな影響を与えており、本人だけでなく家族全体を視野に入れた支援の必要性が示唆されている。⇒ 図3−2)−11 家族の生活状況の変化、図3−2)−12 家族の生活状況の変化×家族会入会の有無、 参照。

D就労状況の変化→ 経済的な負担については、「あった」「ややあった」を合わせると、[ご本人のための 支出が増え、経済的な困難に直面した]52.4%、[仕事の勤務時間を減らす、転職す る、退職するなど就労状況が変化した]49%と約半数の家族が本人のための支出が増 えたり、家族自身の就労状況が変化していることが明らかになった。家族の平均年齢 をみると、多くの世帯が年金収入の中から本人のための支出を捻出していることが推 察される。 現在の就労状況について、家族会入会群と未入会群を比較すると、入会群は44%が 就労しているのに対し、未入会群では73%が就労しており、統計的にも有意な差が認 められた。就労状況の変化について、家族会入会群と未入会群を比較すると、家族会 未入会群(若い年齢層)の53.9%が勤務時間の減少や転職を経験しており、入会群の 46.8%より有意に高く、身体的な不調や精神科受診などの他の項目においても、未入 会群の方が有意に高い割合で経験していることが明らかになった。 家族の現在の就労状況(会社員、非正規雇用、自営業等含む)については、「就労し ている」が55.0%、「就労していない」が45.0%となっており、就労している群のう ち、本人の病気や体調のため、労働時間を短縮したと回答した家族が39.8%と約4割 の家族が就労状況に変化があったと回答している。 さらに、891名の回答者のうち、4人に1人(25.8%)が本人の病気が原因で仕事 を退職していた。仕事を継続している場合でも、通常時と比べて約半分(平均値ベー スで49.6%)のパフォーマンス(生産性)にとどまっていることが明らかになった。 家族の就労状況が変化し、収入が減ることで経済的な負担を抱えやすいことが推察される。 また、危機的状況(暴言・暴力や自傷・自殺リスク、警察通報)を経験した家庭で は、危機度が高いほど仕事のパフォーマンス点数が低い傾向が見られ、特に[自傷・ 自殺等のリスクを考え、本人から目が離せないことがあった]では相関係数が他項目 より高く、家族の就労状況に大きな影響を与えていることが明らかになった。 本調査では経済的負担に関する項目として、就労状況や経済状況に関する項目を追 加している。結果の詳細については次項を参照されたい。⇒
図3−2)−13 現在の就労状況×家族会入会の有無、図3−2)−14 危機的な状況×仕事のパフォーマンスの相関  参照。

E家族会への期待→ 家族会に期待する活動は、「あった」「ややあった」を合わせると、多い順から[お互いの悩みや苦労をわかちあう]93.5%、[本人への接し方を学ぶ] 92.5%、[精神疾患や治療についての知識を学ぶ]89.7%、[行政や関係機関に働きかける]86.5%、[一般市民への啓発活動]78.1%、[親睦活動(茶話会や旅行など)] 72.3%、[精神保健福祉サービスの事業所を運営する]60.1%と全ての項目で6割を超えている。家族会入会群と未入会群のいずれも[お互いの悩みや苦労をわかちあう]が最も期待が高い項目となっている。「わかちあい」は家族会の原点であり、「わかちあい」は世代や立場を超えても変わらず、家族を支え続けていることが示唆され ている。⇒図3−2)−15 家族会に期待する活動×家族会入会の有無、

3)調査結果A:家族のケアによる経済的損失→本調査では経済的負担に関する項目として、就労状況や経済状況に関する項目を追加。国への提言を行っていく上で重要な項目であるが、給与などの個人情報 を含むため、全体の回答率が下がらないように継続の意思を確認できた方のみを回答対象としている。以下では、@家族の労働生産性の低下による年間損失額、A家族の年収低下の分析結果を示す。

@家族の労働生産性の低下による年間損失額→今回の調査で は、就労率は55%であった。また、精神障害を有する方の家族に関する統計情報はこれまで存在していないが、2022年就業構造基本調査(総務省)では、介護をしている者に占める有業者の割合が58%であることが示されている。精神障害を有する本人 が65歳未満の場合でも、回答者は65歳以上のケースが想定されるため、家族のうち 50%が就労していると仮定した。これにより、推計対象となる就労家族の総数は約 191.4 万人となる。(なお、精神障害を有する方1名につき主要な同居就労家族は1人と仮定する) 上記の前提に基づき、全国の65歳未満の精神障害者の家族における年間労働生産 性損失額は、以下の通りに推計された。 ●中央値ベース:約1兆3,716億円 (= 191.4 万人 × 71.6万円 = 13,716億円) ●平均値ベース:約2兆2,878億円 (= 191.4 万人 × 119.5万円 = 22,878億円) 本推計により、精神障害者の家族が直面する労働生産性の年間損失額が、約1.4兆 円から約2.3兆円に上ることが示唆された。これは、家族1名分に対する算出であり、就労家族が複数いる場合には、さらに上振れすることが想定される。 また、本推計はパフォーマンスの低下による直接的な経済的損失に過ぎず、家族の 精神的・身体的負担といった間接的なコストを含めると、社会全体の負担はさらに甚大となると考えられる。

A家族の年収低下→分析の結果、40歳から69歳までのすべての年齢階層において、精神障害を有する 家族をケアする就労家族平均年収は、一般就労者の平均年収に比較し、有意に低いことが示された。 この結果は、精神障害のある家族をケアする就労者が、ケアの負担や関連するライフイベント等によって、キャリア形成や収入増加の機会を阻害されている可能性を統計的に裏づけるもの。なお、本調査では、地域別の収入差や企業規模、就労業界等は考慮されておらず、今回のサンプルが賃金構造基本統計調査と同様な地域分布 をしているか不明である。このため、サンプリングバイアスが生じている可能性がある点には留意されたい。 ⇒表3−3)−1 各年齢層の分析結果(補足)  参照。

4)調査結果B:全体集計データと要約↓
問1.回答者(家族)の性別 「女性」が77.9%(1176名)、「男性」が21.7%(328名)
問2.回答者(家族)の年齢 回答者(家族)の平均年齢は64.4歳、年代別にみると、「70才以上」が40.3% (606名)、「60代」が24.6%(370名)、「50代」が22.2%(334名)
問3.回答者(家族)の都道府県
問4.本人との続柄 「母親」55.0%(825名)、「父親」12.1%(181名)、「きょうだい」が11.9% (179名)
問5.本人との同居 「同居している」が62.8%(944名)、「同居していない」が28.8%(433名)、「その他(入院中等)」が8.3%(125名)
問6.家族会入会の有無 「入会している」が65.9%(990名)、「入会していない」が34.1%(513名)
問7.本人の性別 「男性」が55.5%(821名)、「女性」が44.0%(651名)
問8.本人の年齢 本人の平均年齢は43.8歳であり、年代別にみると、「40代」が27.5%(404名)、 「50代」が21.5%(316名)、「30代」が19.7%(289名)
問9.本人の病名 「統合失調症」が70.8%(1044名)、「双極性障害(躁うつ病)」が8.1%(119名)、 「発達障害」が6.1%(90名)
問10.本人の精神科医療機関の利用状況 「【通院中】本人のみ通院中」が41.1%(595名)、「【通院中】本人に家族が付き添い 通院中」が34.9%(506名)、「入院中」が10.8%
問13_1.初診までの体験[本人に病識がないため、精神科の受診を嫌がった] 「あった」とする回答は50.1%(697 名)、「なかった」とする回答は49.9%(693 名)
問13_2.初診までの体験[本人に精神科に対する拒否感があり、精神科の受診を嫌がった] 「あった」とする回答は48.6%(675名)、「なかった」とする回答は51.4%(713 名)
問13_3.初診までの体験[受診先を探すことに苦労した] 「あった」とする回答は56.5%(785 名)、「なかった」とする回答は43.5%(604 名)
問13_4.初診までの体験[家族の中で、精神科受診に対する考えが一致しなかった] 「あった」とする回答は31.4%(435 名)、「なかった」とする回答は68.6%(949 名)
問13_5.初診までの体験[家族に精神疾患についての知識がなかった] 「あった」とする回答は45.8%(647 名)、「なかった」とする回答は54.2%(767 名)
問13「初診までの体験」に関する統合比較表(再掲)
問14_1.危機的状況[暴言・暴力等により、身の危険を感じることがあった] 「あった」とする回答は57.7%(809名)、「なかった」とする回答は42.3%(594 名)
問14_2.危機的状況[自傷・自殺等のリスクを考え、本人から目が離せないことがあった] 「あった」とする回答は60.9%(860 名)、「なかった」とする回答は39.1%(552名)
問14_3.危機的状況[警察に通報せざるを得ない状況になった] 「あった」とする回答は42.8%(604 名)、「なかった」とする回答は57.2%(807 名)
問14_4.危機的状況[近隣とのトラブル等が生じた] 「あった」とする回答は27.1%(381名)、「なかった」とする回答は72.9%(1025 名)
問14_5.危機的状況[近隣とのトラブル等が生じ、転居を余儀なくされた] 「あった」とする回答は7.6%(107名)、「なかった」とする回答は92.4%(1293 名)
問14「危機的状況」に関する統合比較表(再掲)
問15.本人が現在利用している精神保健医療福祉制度・サービス(利用率) 制度名 本人が現在利用している精神保健医療福祉制度・サービスの利用率については、「精神 科医療機関(定期受診、入院等)」が91.1%、「自立支援医療」が80.3%、「精神障害 者保健福祉手帳」が73.7%となっている。
問15.本人が現在利用している精神保健医療福祉制度・サービスの満足度
問16.精神障害者保健福祉手帳の等級 「2級」が54.7%(768名)、「手帳を取得していない」が19.1%(268名)、「3級」 が10.7%(150名)
問17.相談したことのある専門家等(利用率) 相談したことのある専門家等の利用率については、「医療機関の主治医」が 92.5%、「医 療機関の看護師」が69.8%、「行政の職員(保健師、障害福祉担当者など)」が65.4%
問17.相談したことのある専門家等の満足度
問18_1.家族の生活状況の変化[仕事の勤務時間を減らす、転職する、退職するなど就労状況が変化した]「あった」とする回答は49.0%(671名)、「なかった」は51.0%(697名)
問18_2.家族の生活状況の変化[家計の収入が減り、経済的な困難に直面した] 「あった」とする回答は38.5%(533名)、「なかった」は61.5%(851名)であった。
問18_3.家族の生活状況の変化[ご本人のための支出が増え、経済的な困難に直面した] 「あった」とする回答は52.4%(729名)、「なかった」は47.6%(661名)
問18_4.家族の生活状況の変化[十分に睡眠がとれない、食欲がないなど、身体の不調を感じることがあった]「あった」とする回答77.8%(1087名)、「なかった」22.2%(310名)
問18_5.家族の生活状況の変化[精神状態に不調が生じて精神科を受診した] 「あった」とする回答は32.8%(454名)、「なかった」は67.2%(930名)
問18_6.家族の生活状況の変化[向精神薬(抗うつ剤など)や睡眠薬を服薬した] 「あった」とする回答は32.2%(446名)、「なかった」は67.8%(937名)であった。
問18_7.家族の生活状況の変化[趣味や旅行など、余暇活動を行う余裕がなくなった] 「あった」とする回答は69.7%(971名)、「なかった」は30.3%(422名)であった。
問18_8.家族の生活状況の変化[家族間のコミュニケーションが難しくなった] 「あった」とする回答は69.4%(970名)、「なかった」は30.6%(427名)であった
問18「家族の生活状況の変化」統合比較表(再掲)
問19.もっと充実してほしい支援(最大3つ) 「本人の希望にそった個別支援体制の確立」が56.9%(792名)、「本人・家族に対して適切な情報提供がされること」が41.9%(584名)、「本人・家族のもとに届けられる訪問型の支援・治療サービスの実現」が40.3%(562名)となっている。
問20_1.家族会に期待する活動[精神疾患や治療など、医療についての知識を学ぶ] 「期待する」とする回答は89.6%(1209名)、「期待しない」は10.4%(140名)
問20_2.家族会に期待する活動[本人への接し方を学ぶ] 「期待する」とする回答は92.5%(1250名)、「期待しない」は7.5%(101名)
問20_3.家族会に期待する活動[お互いの悩みや苦労をわかちあう] 「期待する」とする回答は93.6%(1278名)、「期待しない」は6.4%(88名)であ った。
問20_4.家族会に期待する活動[精神保健福祉サービスを行う事業所を運営する] 「期待する」とする回答は60.1%(791名)、「期待しない」は39.9%(526名)
問20_5.家族会に期待する活動[地域をよくするために行政や関係機関に働きかける] 「期待する」とする回答は86.5%(1158名)、「期待しない」は13.5%(180名)
問20_6.家族会に期待する活動[一般市民への啓発に関する活動] 「期待する」とする回答は78.2%(1049名)、「期待しない」は21.8%(293名)
問20_7.家族会に期待する活動[会員同士の親睦を深めるための活動(茶話会や旅行など)] 「期待する」とする回答は72.3%(983名)、「期待しない」は27.7%(377名)。
問20 家族会に期待する活動(期待度) 家族会に期待する活動の期待度については、「お互いの悩みや苦労をわかちあう」が 93.5%、「本人への接し方を学ぶ」が 92.5%、「精神疾患や治療についての知識を学ぶ」 が89.7%となっている。
問20家族会に期待する活動統合表
問21.「患者・市民参画」を知っているか 「知らない」が75.2%(1019名)、「言葉だけ知っている」が16.1%(218名)、「意 味も含めて知っている」が4.6%(63名)。
問22.「患者・市民参画」の活動をしたいか 「少しそう思う」が42.3%(564名)、「とても思う」が26.3%(351名)、「あまり そう思わない」が22.0%(293名)。
問23_1.「患者・市民参画」のための支援[参画機会の情報を簡単に得られる] 「そう思う」とする回答は79.9%(1040 名)、「そう思わない」とする回答は7.1% (93名)、「わからない」とする回答は12.9%(168名)であった。
問23_2.「患者・市民参画」のための支援[参画の場に応じた知識やスキルが学べる] 「そう思う」とする回答は77.9%(1013 名)、「そう思わない」とする回答は8.7% (113名)、「わからない」とする回答は13.5%(175名)であった。
問23_3.「患者・市民参画」のための支援[参画時の困りごとを相談できる場がある] 「そう思う」とする回答は80.4%(1047 名)、「そう思わない」とする回答は7.5%(97名)、「わからない」とする回答は12.1%(158名)であった。
問23_4.「患者・市民参画」のための支援[参画時の金銭的な支援(謝礼金、交通費など)] 「そう思う」とする回答は58.8%(757名)、「そう思わない」とする回答は25.8%(332 名)、「わからない」とする回答は15.5%(199名)であった。
問23_5.「患者・市民参画」のための支援[参画時の物理的な支援(参画時のご本人の サポートなど)] 「そう思う」とする回答は67.8%(868名)、「そう思わない」とする回答は16.9%(216 名)、「わからない」とする回答は15.3%(196名)であった。
問23「患者・市民参画のための支援」 統合比較表(再掲)
問24 自由記述(次項の「5)自由記述の分析」を参照) 問25.現在、就労しているか(会社員、非正規雇用、自営業等含む) 「はい」が55.0%(553名)、「いいえ」が45.0%(453名)となっている。
問27.本人の病気や体調のため、労働時間を短縮したか 「いいえ」が60.2%(353名)、「はい」が39.8%(233名)となっている。
問29.現在の仕事のパフォーマンス(生産性)への影響 ※0(生産性が低い)〜10(いつも通りの生産性) 本人の病気が現在の回答者の仕事の生産性に与えた影響について、自己評価の平均スコ アは10点満点中6.58(中央値 7.00)であった。これは通常時と比べて約3割(平均 値ベースで34.2%)の生産性低下があったことを示しており、本人の病気が家族の業務 遂行能力への一定の影響が認識されていることがうかがえる。「10(いつも通り)」を選んだ回答者は1人もおらず、すべての回答が何らかの生産性低下を示していた。 「9」が40.8%(205名)、「7」が 14.1%(71名)、「6」が 9.1%(46名)となっている。
問30.本人発症後の仕事のパフォーマンス(生産性)の変化 ※0(生産性が低い)〜10(いつも通りの生産性) 本人の発症後における回答者の仕事の生産性について、自己評価の平均スコアは10点 満点中5.04(中央値 5.00)であった。これは通常時と比べて約半分(平均値ベースで 49.6%)の生産性にとどまったことを示しており、発症後の業務遂行能力に顕著な影 響が認識されていることがうかがえる。「10(いつも通り)」を選んだ回答者は1人も おらず、すべての回答が何らかの生産性低下を示していた。 「9」が17.5%(98名)、「4」が13.4%(75名)、「6」が 12.5%(70名)となって いる。
問31.本人の病気が原因で仕事を辞めたか 「いいえ」が74.2%(661名)、「はい」が25.8%(230名)となっている。
問33.本人発症後の年収の減少 「変化なし」が42.4%(375 名)、「わからない」が17.4%(154 名)、「50 万円未 満」が10.4%(92名)となっている。

5)自由記述の分析→ 本報告書では、調査結果を量的データに基づいて分析・提示してきた。しかし、数 字のみでは捉えきれない当事者・家族の切実な声が存在することもまた事実である。 そこで、本項では自由記述欄に寄せられた回答を整理し、量的データを補完する形で 示すこととした。 自由記述は個別の体験や主観に基づくものであり、統計的な代表性を担保するもの ではない。他方で、制度の隙間に置かれた人々の実感や、数字には表れない「制度の 機能不全の兆候」を映し出す重要な素材である。例えば、誤診や薬物治療への不信、 PPI(患者・市民参画)の認知不足、親なき後の不安、支援制度の複雑さとアクセス 困難など、多岐にわたる課題が繰り返し語られている。 本項では、自由記述の声と分析的整理(中立的な観点と政策的示唆)を分けて提示 する。これにより、個々の声の切実さを伝えつつ、制度設計や政策立案に資する客観 的な含意を抽出することを目的とする。
@PPI(患者・市民参画) 【自由記述の声】 「PPIという言葉自体を知らない」 「理念や具体的な活動について啓発してほしい」 「多剤処方の副作用で参画に動く気力すら奪われている」 【分析・考察】 PPI は国際的にも重視される概念であるが、本調査ではその認知度が極めて低いことが浮かび上がった。また、参画したくても生活基盤や医療上の制約によって困難な現状がある。 【政策的示唆】 ・PPI普及には「啓発」と「参画可能性の前提条件整備」を同時に進める必要がある。 ・医療現場におけるPPI周知・教育の強化と、当事者・家族が実際に参画できるような負担軽減型の仕組み(代替的ケア・交通支援・時間的配慮)が求められる。
A診断と治療 【自由記述の声】 「誤診による服薬は心身を壊す。診断名は速やかに変更されるべきだ」 「薬や電気けいれん療法で却って状態が悪化している」 「母が措置入院し、医療過誤で亡くなるまで支援がなかった」 【分析・考察】 診断や治療に関する記述は、柔軟性の不足、治療方針の透明性・合意形成の欠如を 示している。薬物中心主義や入院処遇の人権問題も根強く、治療がむしろ症状の複雑 化を招くケースが散見される。
【政策的示唆】・精神科医療における診断名に基づく治療構造を柔軟化し、誤診リスクを低減する仕 組みを制度化する。 ・薬物治療に偏らない心理社会的アプローチの導入を診療報酬で後押しする。 ・入院処遇における人権保護を強化し、隔離・身体拘束の削減目標を政策に明示する。
B家族支援 【自由記述の声】 「親なき後、一人で生きていけるのかが課題だ」 「後見制度に従うしかなく、本人も家族も不安が大きい」 「暴力や浪費で逃げたいとしか思えない家族がいるのも現実だ」 【分析・考察】 家族支援では「親なきあと」問題が圧倒的に多く、既存の後見制度や福祉制度の不 備が露呈している。また、家族は「支えたい」と「距離を取りたい」という両義的立場を抱えており、現行制度はこうした多様性を十分に想定していない。 【政策的示唆】 ・親なきあと問題に対応するため、地域レベルでの包括的な生活支援・金銭管理支援 を制度化する。 ・ケアラー支援法制の中で、きょうだいや配偶者など多様な立場を対象化する。
C支援制度 【自由記述の声】 「どこに行けば情報が得られるか分からない」 「支援は自ら動かないと届かない。プッシュ型の仕組みが欲「ケアマネのような支援 者を付けてほしい」 【分析・考察】 支援制度は複雑でアクセス困難との指摘が多い。申請主義に依存するため、困難を 抱えた本人や家族ほど支援からこぼれやすい構造がある。また、就労支援では「障害 者として扱われることへの抵抗感」が見られ、制度と本人の尊厳との間に齟齬がある。 【政策的示唆】 ・プッシュ型情報提供や伴走支援者の配置を制度化する。 ・就労支援においては、障害者枠以外も含めた柔軟な雇用支援を整備し、本人の尊厳に沿う働き方を実現する。 ・障害福祉サービスを利用するにあたり、セルフプランニングで対応している当事者 も多いため、相談支援事業所による支援を強化する。
Dその他・アクセス/情報 【自由記述の声】「地域活動支援センターが閉鎖され、家の外に居場所がなくなった」 「偏見が怖くて活動に参加できない」 【分析・考察】 制度が存在しても、地域によって利用可能性に大きな差があり、情報へのアクセスが著しく制限されている。さらに、偏見やスティグマによって活動参加が阻害される 現実がある。 【政策的示唆】・地域間格差を是正するために、人口規模の少ない地域等を含めて体制を整備する必要がある。 ・精神保健福祉分野におけるスティグマ解消のための教育・啓発政策を強化する。 ・「居場所」の閉鎖を防ぐため、利用率だけに依存しない事業評価制度や収益元を設け るべきである。
E横断的テーマ(全カテゴリ共通) 自由記述を横断的に分析すると、以下の政策課題が複数カテゴリにまたがって確認された。→ 1. 薬に依存しない治療アプローチの推進 2. 親なきあとや8050問題への包括的対応と成年後見制度の改善 3. 参画可能性を担保する生活基盤整備(経済的支援・医療負担軽減) 4. 情報格差・地域格差是正のためのプッシュ型支援と全国標準化 5. 精神疾患に関するスティグマ・偏見解消に向けた社会的啓発

次回も続き「4.本調査の結果からみえてきたもの」からです。

トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント