若い世代視点からのライフデザインに関する検討会(第2回) [2025年10月10日(Fri)]
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若い世代視点からのライフデザインに関する検討会(第2回)(令和7年8月29日)
議題(1)ライフデザインの取組の背景と意義の振り返り(2)若い世代のライフデザイン支援の求める姿と課題(3)アンケート調査設計 https://www.cfa.go.jp/councils/wakaisedaishiten/e1542a1a ◎資料1. 事務局説明資料 ○検討の全体像 本日の議論範囲→• 本検討会では、若い世代が将来設計や人生の選択をする上で直面している社会的障壁の認識、若い世代の支援ニーズ等を踏まえ、「ライフデザイン支援の求める姿」とその実現に向けた「課題とアプローチ(施策案 等)」を整理することを目指す。 • 第2回では、「求める姿」と「課題」、関連する若い世代の認識等を定量的に把握するための「アンケート調査」 に関して議論を行う。 1.ライフデザインの取組の背景と意義の振り返り ○第1回における主な意見等→ • 今の世の中、情報が溢れていて不安を煽られる。ネットを経由して様々な視点・情報に触れることができ、それが自分に当てはまるのかも分からず、これが正しいのかも精査が必要になっているので、正しい情報を知る機会が欲しい。 • キャリア以外の本当のライフ・人生の部分をどうやって学んでいけばいいのかが分からない。 • 「なぜ就活をするのか」とか、根源的な疑いみたいなものに向き合う機会や情報がないまま判断をするようになってしまっているので、そこに対する支援は、不足している。こういう生き方をしたいとか、こういう家庭を築いていきたいとかを考え、そういう考えであれば「就活する時にこういうところに気を付けた方が良いよ」とか、「こういう福利厚生気にしてみた方が良いよ」とアドバイスしてくれるような人の存在は大事だと思う。 • 「社会的に正解とされる生き方が消失した」という意見だが、そういうわけでもないのかなと感じる。やはり良い大学に行って良い企業に就職するというルートは未だに王道であり、転職こそ当たり前になってきたものの、新卒で大企業に就職 するというのが、私もそれが良いというのを潜在的に思っているというか、いろんな人と会話する中で、やはりそれが王道で あり、それが正解なのだというのは植え付けられているなという感覚がある。 • ライフデザインは自分でキャリアを選択するための自分の価値観や譲れないものなどを探す1つの方法として重要なのではないか。社会にとっての正解っていうところに揺さぶられる瞬間は誰にでもあって、社会的な正解みたいなところとのギャップがあると精神的につらいことがあった。自分の中のものを引き出して、整理したりとか、それを自分の中だけでなく、他者と一緒に答え合わせをする中で、深めていくみたいなところで、ライフデザインって意義があると思う。 • 価値観が違うのは当たり前で、各人が持つ価値観はそれぞれの経験に結びついていたりするとは思うが、そこまで深く話し合う機会が無いからこそ、理解し合うことが難しく、みんなが自分と違う人生を歩んでいて、変に偏見を持ってしまう面がある。ライフデザインを通して、他者の人生に寄り添うことや理解し合うこと、自分が良いと思っている自分の経験に 基づいた生き方は、必ずしも他者に必ず当てはまるものではない、ということを学ぶ機会にもなるのではないかと思う。 • 社会人になってしまうと仕事に忙殺され、どうしても人生のことを考えるのを先送りしてしまうようになってしまっているように 感じる。そういった中で、一度立ち止まって自分の人生のことを考えるタイミングがあることは重要である。 • ライフデザインをすることで立てた計画はうまくいくものばかりではない。「計画通りいかないと良くない」とならないように受け止められるようにしないといけない。 2.若い世代のライフデザイン支援の求める姿と課題 ○第1回議論を踏まえた論点と方向性(イメージ)→論点、現状(3点)、必要性や支援イメージ ・ライフデザインの タイミング→【生徒・学生等】(3点)あり、【社会人】(2点)、必要性や支援イメージへと。 ・情報収集 チャネル /ロールモデ ルとの接点 参照のこと。 ・必要な情報・ 支援 参照のこと。 ○効果的なライフデザイン支援のタイミング→ • ライフデザインは、常に見直していくものであるが、ライフデザインを特に考えるきっかけとなる時期があり、そのタイミングで必要な支援が充実しているとよいのではないか。 • 特にライフステージが大きく変化する直前の「大学生等(就活前〜中) 」、「中堅社会人・前期」がニーズもあり、解像度高くライフデザインを考える上で効果的なタイミングではないか。 ○(参考)高等学校等への進学率→• 令和6年度において、高等学校等(高等学校の本科(全日制、定時制及び通信制)及び別 科、中等教育学校後期課程の本科及び別科、高等専門学校、特別支援学校高等部の本科 及び別科)への進学率は、98.6%にのぼる。 ○(参考)高等教育機関への進学率→ • 令和6年度において、高等教育機関(大学(学部)・短期大学(本科)入学者、高等専門 学校4年在学者及び専門学校入学者)への進学率は、87.3%と過去最高値を更新している。 ○小中高校生支援の現状→ • 学校における指導や、ライフプランニング教育プログラム開発や高校生のキャリア形 成支援教材の作成等が、文部科学省主導で実施されている。 ○大学生支援の求める姿仮説(1/2)→ • 学生との接点の広さと深さの観点から、「大学のキャリアセンター」及び「就活情報 サイト」が、それぞれ支援の中心ときっかけ提供の役割を担うことが想定される。 ○大学生支援の求める姿仮説(2/2)→ • 学生本人が自ら行動を起こす必要があり、きっかけとなるよう様々な接点でライフデザインの必要性の呼びかけや機会の提供を行うことが重要。就活サイトが 広くきっかけを提供し、大学の取組への参加を促す流れが想定される。 ○大学生支援実現に向けた課題仮説→ • 支援する必要性の認識、支援するメリット、具体的な支援の仕方・支援のノウハウ、当事者へのきっかけの提供等が主な課題と想定される。 ○社会人支援の求める姿仮説→ • 「職場」が最も重要な役割を果たすと想定される。特に職場では、人材の流出を 防ぐために、「ライフデザインの実現に向けた環境の提供」も重要と考えられる。 • 高校を卒業して社会人となった場合と大学等を卒業して社会人となった場合では 年齢に応じたライフデザインやその支援のタイミングも異なることにも留意が必要。 ○社会人支援実現に向けた課題仮説→ •「職場」が支援する必要性の認識、具体的な支援の仕方、支援のノウハウ、当事者へのきっかけの提供等が主な課題と想定される。 ○ご議論いただきたい事項→■若者委員による意見聴取⇒•効果的なライフデザイン支援のタイミングやその支援の具体(求める姿)について、 どのように感じたか。 −自身の経験と重ね合わせたとき、タイミングは適切と思うか。 −必要と感じる具体的な支援は含まれているか。足りない点はないか。 • 支援の求める姿を実現する上での課題として、普段の生活の中で感じるものはあるか。 ■全体での議論⇒•求める姿を検討する要素として、「効果的なライフデザイン支援のタイミング」と「支援の具体」 を用いて検討・整理することに対して懸念等はあるか。 • 求める姿について、より効果的なタイミングや必要な支援はあるか。 • 求める姿の実現に向けた課題は適切か、抜け漏れている課題はないか。 3.アンケート調査設計 ○アンケート調査で明らかにしたいこと→ • 主に「ライフデザインの必要性の変化」「ライフデザインが将来の不安軽減に寄与すること」「ライフデザイン支援の求める姿」を明らかにすることを目的に若い世代及び他世代を対象としたアンケート 調査を実施する。 ○アンケート調査概要→・ライフデザインの意義 ・若者へのライフデザイン支援のニーズ⇒インターネット調査 その他あり。 参照のこと。 ○明らかにしたい事項の整理@➁→13番まであり。大項目 小項目 明らかにしたい事項 参照のこと。 ○ご議論いただきたい事項→■全体での議論⇒ • アンケート調査の概要に関して、懸念点や不明点、改善提案がないか。 • アンケート調査で明らかにしたいことに抜け漏れ等はないか。 • その他アンケート調査実施全般についての懸念点や不明点等はないか。 ◎資料2.ウェルビーイングを実現するライフデザイン(宮木構成員提出資料) 宮木由貴子 (株)第一生命経済研究所 https://www.dlri.co.jp/ ≺ライフデザイン白書とは≻↓ ○「ライフデザインに関する調査」(白書)の変遷→第13回調査 ○ウェルビーイング・幸せシリーズ三部作 参照のこと。 ○スタート ライン→<どうありたいか=to be> 私たち一人ひとりが自分のウェルビーイングを考えたライフデザインを行う「ライフデザインを行うこと」と「幸せの度合い」には相関がある ○どうマインドセット するか→@ 新しいことを学び、古い情報を書き換えることで各種のリテラシーを向上 A「行動してみよう」と思う主体性とチャレンジ精神を持つ B「役に立つ」うれしさとつながりの体感で、自分にも他人にもメリット C「力を借りる」というつながりの使い方 D「自分がどう思うか」を意識した、自分基準でのうれしさ・楽しさの体感(主観的幸福感) ○3つの人生資産ごとの行動選択→<何をするか=to do>自ら行動を選び、主体的に行動する⇒「健康であることを感じる行動をする」「経済的(お金)に豊かさを感じる行動をする」「つながり に価値を感じる行動をする」 ○幸せな暮らし→“幸せの体感”(幸せを感じる時間・機会)= 主観的幸福感 ○幸せな人生→個人のウェルビーイングの実現 ≺ライフデザインの実施状況の推移とその効果≻↓ ○ライフデザインとは、経済的な資金計画だけではなく 仕事や学業、家庭、余暇など 生活にかかわる様々な面を含む 総合的な人生設計 ○ライフデザインの設計率 (左)全体 (右)男女別→ 設計しているとする人は増加傾向、特に女性での伸び率が高い ○ライフデザインの設計率 (男女・年代別)→ 特に若者層(20・30代)での伸び率が高い ○ライフデザインの有無別 (左)生活に満足している人の割合 (右)生活満足度得点平均値 (10点満点)→ いつの時代もライフデザインの実施と生活満足度(幸福度)には相関あり ○ライフデザインの効果→ライフデザインの効果は費用やリスク面での備えだけではない @費用やリスクへの備え=家計、経済面 A生きがいや目的の発見=楽しさ、うれしさ Bキャリアプランや生き方の明確化= 自己成長、ステップアップ ・将来の選択肢を考える=選べる未来を具体的に実感=幸せ体感 ≺ライフデザインの在り方 1.0→3.0≻ ○ライフデザイン1.0モデル(昭和)→まずは備えとしての“お金”を⇒価値観が画一的なのでシンプル=“豊かさ”の基準も共有されていた時代 ○“お金”に加えて 備えとしての“健康”を意識→ライフスタイルと価値観の多様化=“豊かさ”の基準が多様化した時代 ○ライフデザイン3.0モデル(令和)→“お金”“健康”に加えて 備えとしての“つながり”を意識⇒ それぞれの人が自分の豊かさを“デザイン”し、必要なアクションを選び取る時代 ≺今なぜ、ライフデザインなのか≻ ○なぜライフデザインが必要なのか?→なんとなく“to be”が社会で共有されていた時代 =やり方の追求(to do先行型) どううまくやるか(well-doing)⇒“to be”が社会で共有されておらず、自分で考える時代 =あり方を追求(to be先行型) どうありたいか(well-being) =ライフデザインの重要性 ・【人生設計が難しい(難しかった)と思う世代】 レーダーチャート参照。 ・【価値観や社会環境の転換を経験したと思う世代】 レーダーチャート参照。 ○どうライフデザインするのか?→ 幸せに「なる」視点から 幸せを「感じる」視点への転換=幸せ戦略 これまでの考え方は、どうすれば幸せに「なる」か(健康に”なる”/沢山のお金を”持つ”/つながりを“持つ”)⇒⇒ 健康・お金・つながりの領域において 自分が幸せを「体感」できるのはどのような状態であり そのために必要なアクションを戦略的にデザインすることで 自ら選べる未来の選択肢を創る。 ◎参考資料.ライフデザインに係る背景データ ○共働き世帯の増加→•1990年代後半に逆転以降、「共働き世帯」は増加傾向、「専業主婦世帯」は減少傾向にある。 • 出産後の継続就業率は急速に高まっている。 ○希望する仕事と育児の両立の在り方→ • 女性・正社員は、子の成長に合わせて働き方の変化(短時間勤務→残業をしない等)を希望。 • 男性・正社員は、柔軟な働き方を希望する割合が子の年齢に関わらず4〜5割。 ○人口ボーナス期から人口オーナス期へ→ • 日本は従属人口指数が低下する「人口ボーナス期」から、指数が上昇する「人口オーナス期」に 突入している。今後は、豊富な生産年齢人口を前提とした経済成長は望めず、多様な働き方を 実現することで、就業者を増やし、労働力人口を増やしていく必要がある。 ○仕事と介護を両立する人の増加→ • 介護をしている人の数全体は増加傾向であり、中でも有業者の数は着実に増加している。 ○テレワークの普及とフリーランスという働き方→•テレワークの実施はコロナ禍に急増し、25%前後で推移している。 • フリーランスで働く人口は462万人と試算されている(内閣官房2020年)。「自分の仕事スタイ ルで働く」、「働く時間や場所を自由にする」等がフリーランスを選ぶ理由として挙げられている。 ○多様な学びの機会の必要性→ • 特定分野に特異な才能のあるこどもや不登校傾向のこども等、こどもの状況が多様化している。 • 授業の内容が難しすぎると思うこどもが30%いると同時に授業の内容が簡単すぎると思うこどもが 15%いる状態となっており、個々人にあった学びの機会の必要性が生じている。 ○生涯を通じた学びの必要性→ • リスキリングの必要性が叫ばれる中、国内企業で実施している割合は8.9%(民間意識調査)。 • 日本の25(30)歳以上の大学等入学者割合は、諸外国に比べて極めて低い状況である。 ○ライフコースの変化→ • 女性は、ライフコースとして両立コースを理想とする割合が増加傾向にある。男性のパートナーへの 希望も同様である。他方で、非婚就業コースは、理想と予想に大きなギャップがある。 ○共働き世帯等の生涯可処分所得(試算結果)→ • 出産後の女性の働き方が、就労継続・正社員(@-A)の場合は、再就職しない場合(B)に 比べ、世帯の生涯可処分所得が約1.7億円多いとの試算結果がある(内閣府2024年)。 ○結婚やこどもを持つことへの意識(1/2)→ • 「結婚・子どもを持つことは自然なことである」と回答している未婚者は約5割で、既婚者の約7割 よりも低い。未婚男女ともに、「結婚することは自然なこと」より「配偶者がいたら生活が楽しく豊か になる」 と回答している割合が高い。 ○結婚やこどもを持つことへの意識(2/2) • 未婚者の約6割が結婚意向があり、結婚意向のある未婚者は、約9割が子どもを希望している。 • 一方で、結婚意向のない未婚者の約3割が子どもを希望している。 ○見合い結婚と恋愛結婚の推移→ • 見合いから恋愛結婚へと割合が変化。近年は、インターネットがきっかけの割合が増加している。 • 直近、恋愛結婚が▲10.1pt、ネットでが9.0ptと推移しており、恋愛結婚における出会いの形に 一部変化がみられる。 ○離婚件数等の推移→ • 離婚件数は直近で約18万件(厚生労働省「人口動態統計」)。内訳としては、同居期間が長い夫婦の割合が上昇傾向。 ○男性育休の取得率→ • 令和5年度調査時点で、配偶者が出産した男性の内、育児休業(産後パパ育休含む。)を取 得した割合は30.1%であり、前回調査から13.0pt増加した。 ○家事関連時間の推移→ • 夫婦間の家事関連時間の差は縮小傾向にあるものの、令和3年において妻は6時間32分であるのに対して、夫は1時間57分であり、3.4倍の差がある。 ○二地域居住等への関心→ • 二地域居住とは、地方への人の流れを生むとともに、 東京一極集中の是正や地方創生に資するものと考えられている。約3割(27.9%)が二地域居住等に関心を持っている。 ○ライフデザインの効果 • ライフデザインを行うことが幸福度にプラスの影響を与えるという研究結果も発表されている。 • また、直接的なライフデザインの有無ではないものの、ライフデザインにおける重要な要素である「自 己決定」が幸福度に強く影響を与えることも示されている。 次回は新たに「「令和6年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します」からです。 |



